下枠フラットサッシ用下枠保護カバー
【課題】下枠フラットサッシに適した下枠保護カバーを提供する。
【解決手段】下枠フラットサッシにおける下枠50の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1であって、該保護カバー1(2,3)は、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体21,31と、このカバー本体21,31から下方に突出する室内側係合片23,33及び室外側係合片22,32と、を備え、前記保護カバー1(2,3)の使用の際には、前記室内側係合片23,33及び室外側係合片22,32が前記下枠50に係合され、サッシ障子の戸車が回動する障子用レール部54,55上を前記カバー本体21,31が覆うように構成する。
【解決手段】下枠フラットサッシにおける下枠50の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1であって、該保護カバー1(2,3)は、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体21,31と、このカバー本体21,31から下方に突出する室内側係合片23,33及び室外側係合片22,32と、を備え、前記保護カバー1(2,3)の使用の際には、前記室内側係合片23,33及び室外側係合片22,32が前記下枠50に係合され、サッシ障子の戸車が回動する障子用レール部54,55上を前記カバー本体21,31が覆うように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーに関し、詳しくは建物開口部に取付けられた下枠フラットサッシの下枠を、現場作業の際の傷や破損等から保護するための保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築現場において、建物の屋外から屋内へ、又は屋内から屋外へ様々な部材を搬入、搬出したりする際には、作業者は屋外開口部に取付けられたサッシ窓枠開口から出入りを行なっている。このとき、施工業者や職人が出入りする際に泥や砂などがサッシ下枠内に入り込み、下枠の表面に擦り傷を付けたり、ガラス障子の戸車とレール部材との隙間に砂が噛んで摩耗したり、またモルタルや塗料が付着したり、木材やパネル、ボード等の種々の部材との接触によりサッシ下枠の変形等してしまう場合があり、現場では、サッシ下枠を保護する目的で、サッシ下枠上面全体を覆うように、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定し、サッシ下枠の傷や損傷等を防いでいる。
しかし、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定する作業等は手間が掛かる。
そこで、サッシ下枠のレール及び溝形状に即した形状に成形された合成樹脂製カバーで下枠を被覆し、この樹脂カバーの上に直接に障子を建て込むことにより、樹脂カバーでサッシ下枠を保護するとともに、障子を任意に開閉することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−259247号公報(2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記発明は、段差式のサッシ下枠用のものであり、上面が略フラットに形成された下枠フラットサッシには適用できるものではなく、近年、需要が増加している下枠フラットサッシ用の下枠保護カバーが望まれているところである。
【0004】
そこで、本発明の主たる課題は、下枠フラットサッシに適し、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて、適切に下枠を保護する下枠保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、該保護カバーは、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、前記保護カバーの使用の際には、前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する障子用レール部上を前記カバー本体が覆うように構成された、ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバーである。
【0006】
(作用効果)
室内側係合片及び室外側係合片が下枠に係合される構成となっていることにより、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーのサッシ見込み方向の移動や回転を防止し、確実に下枠を傷等から保護することができる。
また、製造工場から下枠フラットサッシを出荷する段階若しくは搬送する過程において、この下枠フラットサッシ用下枠保護カバーを予め下枠に装着しておくことが可能となり、予め下枠に養生テープ等で固定しておけば、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定する作業の手間が省ける。それと共に、この下枠フラットサッシ用下枠保護カバーを予め下枠に装着しておくことにより、施工業者や職人等にとって「この部材は下枠を保護するために使用するもの」という認識がし易くなり、この保護カバーの活用が十分に図れるようになる。
【0007】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとから構成されると共に、前記室外側保護カバーと室内側保護カバーとは分離されており、前記室外側保護カバー及び室内側保護カバーは、それぞれ、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、前記保護カバーの使用の際には、それぞれの前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する外障子用レール部上及び内障子用レール部上をそれぞれのカバー本体が覆うように構成された、ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバーである。
【0008】
(作用効果)
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける、下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーが、室外側保護カバーと室内側保護カバーとで分離されて構成されていることにより、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの使用の際には、外障子と内障子とを閉じた態様と、外障子と内障子とを一方向に引き寄せた態様と、を選択可能となるため、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの配置を行うことができ、その結果、それぞれの段階で適切に下枠を保護することができる。
【0009】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとがノッチを介して予め一体化されており、前記保護カバーの使用の際には、前記保護カバーを一体として使用する使用態様と、前記保護カバーを前記ノッチを境に分離して使用する使用態様と、を選択可能な構成とされた、ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバーである。
【0010】
(作用効果)
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける、下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの使用の際には、保護カバーを一体として使用する使用態様と、保護カバーをノッチを境に分離して使用する使用態様と、を選択可能な構成となっていることにより、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの配置を行うことができ、その結果、それぞれの段階で適切に下枠を保護することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、下枠フラットサッシに適し、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて、適切に下枠を保護することができる等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<下枠構造>
引き違い障子用のフラットサッシに基づき、本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーによって保護される下枠構造について、まず説明する。図2に示すように、下枠50は、室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片51と、第2の立ち上がり片52と、第3の立ち上がり片53と、を有しており、第1の立ち上がり片51と第2の立ち上がり片52との間に内障子用レール部54、及び第2の立ち上がり片52と第3の立ち上がり片53との間に外障子用レール部55が形成されている。そして、図7に示すように、内障子用レール部54上を内障子61の戸車61Aが回動することによって内障子61が左右スライドし、外障子用レール部55上を外障子62の戸車62Aが回動することによって外障子62が左右スライドするようになっている。また、第3の立ち上がり片53の上部室外側には、網戸63の戸車63Aが回動する網戸レール部53Aが形成されている。この網戸レール部53Aの室外側端部には、下方に延在する室外側片53Bが形成されている。なお、この室外側片53Bは、網戸レール部53Aとで下方に開放された溝を形成し、図17に示されるように、この溝によってグレーチング90を乗せる受け支持部材91の室内側上部91Aを係合させ、受け支持部材91を固定するためのものでもある。
【0013】
第1の立ち上がり片51と内障子用レール部54との間には、内障子室内側垂下片61Bがガイドされる内障子室内側ガイド溝56が形成されており、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52との間には、内障子室外側垂下片61Cがガイドされる内障子室外側ガイド溝57が形成されている。また、第2の立ち上がり片52と外障子用レール部55との間には、外障子室内側垂下片62Bがガイドされる外障子室内側ガイド溝58が形成されており、外障子用レール部55と第3の立ち上がり片53との間には、外障子室外側垂下片62Cがガイドされる外障子室外側ガイド溝59が形成されている。なお、内障子室内側ガイド溝56、内障子室外側ガイド溝57、外障子室内側ガイド溝58及び外障子室外側ガイド溝59は、雨水を排水するための排水溝としても機能するものである。
【0014】
<下枠フラットサッシ用下枠保護カバー>
本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1は、図1乃至図6に示すように、室外側保護カバー2と室内側保護カバー3とから構成されると共に、これら室外側保護カバー2と室内側保護カバー3とは分離されている。
【0015】
室外側保護カバー2は、図1、図2、図5及び図6に示すように、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状のカバー本体21と、このカバー本体21の幅方向(サッシ見込み方向)の室外側の端部から下方に突出する室外側係合片22と、このカバー本体21の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片23と、を備えている。本実施の形態では、室外側係合片22と室内側係合片23とは、カバー本体21と同様にサッシ下枠50の長手方向に延在する面状のものであるが、これに限らず、鉤状(図示せず)にしてもよい。
【0016】
この室外側保護カバー2の下枠50への取付けについては、図2及び図6に示すように、第3の立ち上がり片53に形成された網戸レール部53Aの室外側片53Bに室外側係合片22が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、外障子用レール部55上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片23が外側から重なり合うように係合するようになっている。これら室外側係合片22及び室内側係合片23によって、室外側保護カバー2のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるようになっている。
【0017】
室外側保護カバー2の室外側係合片22及び室内側係合片23が、上述のように下枠50に係合されることにより、外障子用レール部55上がカバー本体21によって覆われ、埃等の付着が防止される。それと共に、網戸レール部53A上もカバー本体21によって覆われるので、この網戸レール部53A上への埃等の付着も防止される。
【0018】
室内側保護カバー3は、図3乃至図6に示すように、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状のカバー本体31と、このカバー本体31の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片33と、この室内側係合片33よりも室外側に位置し、カバー本体31から下方に突出する室外側係合片32と、を備えている。本実施の形態では、室外側係合片32と室内側係合片33とは、カバー本体31と同様にサッシ下枠50の長手方向に延在する平板状のものであるが、これに限らず、鉤状(図示せず)にしてもよい。そして、室外側係合片32よりも室外側には、カバー本体31から下方に突出する脚部34が形成されており、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52との段差分の第2の立ち上がり片52の低さを補っている。なお、この脚部34については、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52とが略同じ高さであったら、必要がないことは言うまでもない。
【0019】
この室内側保護カバー3の下枠50への取付けについては、図4及び図6に示すように、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室外側張出部分の側面)に室外側係合片32が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片33が外側から重なり合うように係合するようになっている。そして、前述したように、カバー本体31から下方に突出する脚部34によって、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52との段差分の第2の立ち上がり片52の低さを補い、室内側保護カバー3が傾いてしまうことを防いでいる。これら室外側係合片32、室内側係合片33及び脚部34によって、室内側保護カバー3のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるようになっている。
【0020】
室内側保護カバー3の室外側係合片32及び室内側係合片33が、上述のように下枠50に係合されることにより、内障子用レール部54上がカバー本体31によって覆われ、埃等の付着が防止される。それと共に、第2の立ち上がり片52の上面もカバー本体31によって覆われるので、この第2の立ち上がり片52の上面への埃等の付着も防止される。
【0021】
なお、図5に示すように、室外側保護カバー2のカバー本体21の室内側端部と室内側保護カバー3のカバー本体31の室外側端部との断面形状が、互いに対向するようにテーパー状になっているが、この形状に限られず、略垂直にカットした形状であってもよい。
【0022】
下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1としては、多様な材質を用いることができるが、硬質PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂を押出成形により成形したものを用いることが好ましい。
【0023】
<下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの使用態様>
本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1の使用態様としては、保護すべき下枠フラットサッシと別々に建築現場に搬送するのではなく、製造工場から下枠フラットサッシを出荷する段階若しくは搬送する過程において、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1を予め下枠50に装着しておくことが可能となっている。従来のように、現場で段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定するのとは異なり、予め下枠50に養生テープ等で固定しておけば、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定する作業の手間を省くことができる。それと共に、この保護カバー1を予め下枠50に養生テープ等で固定しておくことにより、施工業者や職人等にとって「この保護カバー1は下枠50を保護する部材である」という認識がしやすくなり、この保護カバー1の活用が十分に図れるようになる。
【0024】
具体的に説明すると、図8(1)に示すように、現場への搬入の際には、内障子61と外障子62とを閉じた状態(クレセントを閉じた状態)で行なわれるものであるから、室外側保護カバー2については、室内側から見て、下枠50長手方向の右側における、外障子召し合わせ框62Dの右側面と外障子62の引き残しのためのストッパー55Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定すればよい。
【0025】
室内側保護カバー3については、下枠50長手方向の左側における、内障子召し合わせ框61Dの左側面(詳しくは、内障子召し合わせ框61Dの左側面に取付けられた気密ブロック)とストッパー54Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定すればよい。
【0026】
以上の状態で、現場へ搬入されると、この保護カバー1は下枠の保護材としての認知がされやすくなり、保護材としての活用が図られやすくなる。
【0027】
サッシは建物開口部に溶接等により固定され、現場での施工作業中は、図8(2)に示すように、外障子及び内障子が左右のどちらかに寄せられ(図8(2)では左側に寄せられている)、開放された部分から、施工業者や職人は建物の屋外から屋内へ、又は屋内から屋外へ様々な部材を搬入、搬出することができるようになっている。このときに、開放された下枠50の部分に、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1が位置するように置き直せば、施工業者や職人が出入りする際に泥や砂などがサッシ下枠50内に入り込んでしまったり、またモルタルや塗料が付着したり、木材やパネル、ボード等の種々の部材を下枠50にぶつけてしまうことを防ぐことができる。図8(2)では、前述したように、室内側から見て、内障子61が左側に寄せられ、右側を出入り口としているが、この部分の下枠50の位置(内障子の戸当り框61Eとサッシ左縦枠との間)に室内側保護カバー3を置き直している。なお、図示はしないが、左側を出入り口として、この部分の下枠50の位置に室外側保護カバー2を置き直してもよい。置き直す際には、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1の長手方向の長さ調整を行う必要性が生ずる場合があるが、このうち短くする必要がある場合には、保護カバー1の長さをカッターナイフ等で切除して調整すればよい。
【0028】
さらに、現場作業終了後引渡しまでの間においては、図8(1)に示すような当初状態、すなわち内障子61と外障子62とを閉じた状態(クレセントを閉じた状態)で、室外側保護カバー2については、室内側から見て、下枠50長手方向の右側における、外障子召し合わせ框62Dの右側面と外障子62の引き残しのためのストッパー55Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定し、室内側保護カバー3については、下枠50長手方向の左側における、内障子召し合わせ框61Dの左側面(詳しくは、内障子召し合わせ框61Dの左側面に取付けられた気密ブロック)とストッパー54Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定しておけば、引渡しまでの間、下枠50への埃等の付着等を防ぐことができる。
【0029】
なお、室外側保護カバー2で外障子用レール部55上面を覆っている状態では、図7に示すように外障子62の外障子室外側垂下片62Cがカバー本体21にブロックされ、また外障子室内側垂下片62Bが室内側係合片23にブロックされるかたちとなっており、外障子62の左右スライドを防止することによって、外障子用レール部55上に埃等がのったまま戸車62Aが回動し、レール55と戸車62Aの双方が傷つくことを防いでいる。同様に、室内側保護カバー3で内障子用レール部54上面を覆っている状態では、内障子61の内障子室外側垂下片61Cがカバー本体31(及び室外側係合片32)にブロックされ、また内障子室内側垂下片61Bが室内側係合片33にブロックされるかたちとなっており、内障子61の左右スライドを防止することによって、内障子用レール部54上に埃等がのったまま戸車61Aが回動し、レール54と戸車61Aの双方が傷つくことを防いでいる。
【0030】
<片引きサッシ、ドア用サッシ等への適用>
上記においては、引き違い障子用のフラットサッシの下枠保護について説明したが、本発明は引き違い障子用のフラットサッシのみに限られるものではなく、片引きやドア用のフラットサッシ等にも適用することができる。
【0031】
図9、図10(1)及び図10(2)には、片引きサッシへの適用が示されている。下枠70は、室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片71と、第2の立ち上がり片72と、第3の立ち上がり片73と、を有しており、第2の立ち上がり片72と第3の立ち上がり片73との間に戸車64Aが回動する片引き障子用レール部74が形成されている。また、第3の立ち上がり片73の上部室外側には、網戸63の戸車63Aが回動する網戸レール部73Aが形成されている。この網戸レール部73Aの室外側端部には、下方に延在する室外側片73Bが形成されている。そして、第2の立ち上がり片72と片引き障子用レール部74との間には、室内側垂下片64Bがガイドされる室内側ガイド溝75が形成されており、片引き障子用レール部74と第3の立ち上がり片53との間には、室外側垂下片64Cがガイドされる室外側ガイド溝76が形成されている。その他の点については、前述した引き違い障子用の下枠50と略同様なので説明を省略する。
【0032】
片引きサッシの場合には、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーとして上記の室外側保護カバー2のみを用いるものである。この室外側保護カバー2の下枠70への取付けについては、第3の立ち上がり片73に形成された網戸レール部73Aの室外側片73Bに室外側係合片22が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、片引き用レール部74上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片23が外側から重なり合うように係合するようになっている。これら室外側係合片22及び室内側係合片23によって、室外側保護カバー2のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠70に固定されるようになっている。
【0033】
片引きサッシの場合の使用態様としては、現場への搬入は、片引き障子64を閉じた状態(クレセントを閉じた状態)で行なわれるものであるから、室外側保護カバー2については、図10(1)に示すように、室内側から見て、下枠70長手方向の右側における、片引き障子召し合わせ框64Dの右側面と片引き障子64の引き残しのためのストッパー74Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠70に固定しておけばよい。そして、現場での施工作業中は、図10(2)に示すように、片引き障子64が嵌め殺し窓65側に寄せられて、出入り口部分の下枠70の位置(片引き障子の戸当り框64Eとサッシ左縦枠との間)に室外側保護カバー2を置き直せばよい。なお、片引きサッシの場合における、下枠70に嵌合する平板上の目板部77の表面については、養生テープ等で覆うことにより、表面の傷つき等を防止すればよい。また、引き分けサッシ(両引きサッシ)も片引きサッシと略同じ下枠構造であるので、引き分けサッシの保護カバーとしても室外側保護カバー2を用いることができる。その他の点については、前述した引き違い障子用の下枠50での説明と略同様なので省略する。
【0034】
図11と図12には、ドア用サッシへの適用が示されている。下枠80は、室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片81と、第2の立ち上がり片82と、第3の立ち上がり片83と、を有しており、第2の立ち上がり片82と第3の立ち上がり片83との間に着脱可能な上面構成部84が形成されている。この上面構成部84は、外障子用レール部55、内障子用レール部54及び片引き障子用レール部74と同部材であり、これらを転用したものになっている。また、第3の立ち上がり片83の上部室外側には、下方に延在する室外側片83Bが形成されている。そして、第2の立ち上がり片82と上面構成部84との間には、室内側排水溝85が形成されており、上面構成部84と第3の立ち上がり片83との間には、室外側排水溝86が形成されている。その他の点については、前述した引き違い障子用の下枠50や片引き用サッシの下枠70と略同様なので説明を省略する。
【0035】
ドア用サッシの場合には、片引き用サッシの場合と同様に、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーとして上記の室外側保護カバー2のみを用いるものである。この室外側保護カバー2の下枠80への取付けについては、第3の立ち上がり片83に形成された室外側片83Bに室外側係合片22が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、上面構成部84上部の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片23が外側から重なり合うように係合するようになっている。これら室外側係合片22及び室内側係合片23によって、室外側保護カバー2のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠80に固定されるようになっている。
【0036】
ドア用サッシの場合の使用態様としては、現場への搬入は、上述のように下枠80に取付けた状態で行い、現場での施工作業中においても、そのままの状態で、施工業者や職人が出入りする際に泥や砂などがサッシ下枠80内に入り込んでしまったり、またモルタルや塗料が付着したり、木材やパネル、ボード等の種々の部材を下枠80にぶつけてしまうことを防ぐことができる。なお、ドア用サッシの場合における、下枠80の室内側上面87の表面については、養生テープ等で覆うことにより、表面の傷つき等を防止すればよい。その他の点については、前述した説明と略同様なので省略する。
【0037】
<下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態>
引き違い障子用のフラットサッシに基づき、本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態について説明する。
【0038】
前述した下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1が、予め室外側保護カバー2と室内側保護カバー3とに分離されているのとは異なり、図13及び図15に示されるように、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11は室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとが予め一体化され成形されており、現場において室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとを分離できるようになっているものである。
【0039】
この下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11は、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室外側カバー本体120と、この室外側カバー本体120の幅方向(サッシ見込み方向)の室外側の端部から下方に突出する室外側係合片220と、この室外側カバー本体120の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片230と、を有する室外側保護カバー11Aを備えていると共に、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室内側カバー本体130と、この室内側カバー本体130の幅方向(サッシ見込み方向)に所定の間隔をおいて室外側及び室内側に、上方に突出する室外側係合片320及び室内側係合片330と、を有する室内側保護カバー11Bを備え、室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとは一体化しているが、室外側カバー本体120と室内側カバー本体130との間に形成されたノッチ(刻み目、切欠)14を境(室内側係合片230の室内側近傍)にして分離可能になっている。なお、後述するように、室外側係合片320及び室内側係合片330とは、内障子用レール部54上面の両側面に外側からそれぞれ係止するものであるので、室外側係合片320と室内側係合片330との間隔は、内障子用レール部54上面の両側面(詳しくは上面の室外側張出部分の側面と上面の室内側張出部分の側面との間隔)の幅と略同等若しくは若干大きめが好ましい。
【0040】
下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11の使用態様としては、まず、施工業者や職人等が出入りする出入り口部分の室外側から室内側に跨るように、この下枠50上に下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11を設置して使用する。具体的には、図15(1)に示すように、第3の立ち上がり片53に形成された網戸レール部53Aの室外側片53Bに室外側保護カバー11Aの室外側係合片220を外側から重なり合うように係合させ、同様に、外障子用レール部55上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室外側保護カバー11Aの室内側係合片230を外側から重なり合うように係合させればよい。これら室外側係合片220及び室内側係合片230によって、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるものである。それと共に、室内側カバー本体11Bの室内側端が第1の立ち上がり片51の上端部に当接し、室内側カバー本体130を支え、室内側カバー本体130が下方に傾くことを防止している。
【0041】
現場作業終了後引渡しまでの間においては、内障子61と外障子62とは閉じられた状態(クレセントを閉じた状態)であるが、その際には、図15(2)に示すように、ノッチ14で室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとを分離し、図15(3)に示すように、内障子61と外障子62とを閉じた状態で、それぞれ下枠50の室外側と室内側とを覆うようにすることができる。室内側保護カバー11Bについては、その上面と下面とをひっくり返し、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室外側張出部分の側面)に室外側係合片320を外側から重なり合うように係合させ、同様に、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片330を外側から重なり合うように係合させることができるようになっている。それと共に、この際には、室内側カバー本体130の室内側部分が第1の立ち上がり片51の上端部に当接し、室内側カバー本体130が下方に傾くことを防止している。
【0042】
なお、この室内側カバー本体130に形成された室外側係合片320及び室内側係合片330が上方に突出するように形成されているのは、片引きサッシの下枠70やドア用サッシの下枠80でも使用できることを考慮してのことであり、室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー12Bとが一体化され成形されている状態で、かつ室外側片53Bと外障子用レール部55(片引き障子用レール部74,上面構成部材84)上面の室内側の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)との長さが同じであれば、内障子用レール部54が形成されていない下枠70や下枠80でも、載置することができるからである。
【0043】
また、上記下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11の変形例として、図14及び図16に示す、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110を提案することができる。保護カバー11との大きな相違点は、下枠50に結露受け部51Aが形成された場合で、この結露受け部51Aも覆うことができる点である。この下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110は、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室外側カバー本体121と、この室外側カバー本体121の幅方向(サッシ見込み方向)の室外側の端部から下方に突出する室外側係合片221と、この室外側カバー本体121の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片231と、を有する室外側保護カバー110Aを備えていると共に、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室内側カバー本体131と、この室内側カバー本体130の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側端部から下方に突出する室内側係合片331と、を有する室内側保護カバー110Bを備え、室外側保護カバー110Aと室内側保護カバー110Bとは一体化しているが、室外側カバー本体121と室内側カバー本体131との間に形成されたノッチ14を境(室内側係合片231の室内側近傍)にして分離可能になっている。また、室内側係合片331が形成される、室内側カバー本体130の室内側端部よりも若干室外側寄りには、ノッチ15が形成されており、このノッチ15を境に室内側カバー本体131と室内側係合片331とを分離若しくは室内側係合片331を上方等に折曲げることができる。
【0044】
下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110の使用態様としては、図16(1)に示すように、まず、施工業者や職人が出入りする出入り口部分の室外側から室内側に跨るように、この下枠50上に下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110を設置して使用する。具体的には、第3の立ち上がり片53に形成された網戸レール部53Aの室外側片53Bに室外側保護カバー110Aの室外側係合片221を外側から重なり合うように係合させ、同様に、外障子用レール部55上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室外側保護カバー110Aの室内側係合片231を外側から重なり合うように係合させ、さらに、結露受け部51Aの室内側に形成された立ち上がり部51Bの側面に室内側係合片331が外側から重なり合うように係合させればよい。これら室外側係合片221、室内側係合片231及び室内側係合片331によって、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるようになっている。それと共に、室内側カバー本体131の室内側端が立ち上がり部51Bの上端部に当接し、室内側カバー本体131を支えている。
【0045】
この下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110では、現場作業中、下枠50に木枠W等の枠を取付ける際に、室内側係合片331の存在が邪魔になる場合には、図16(2)に示すように、ノッチ15を境に室内側カバー本体131と室内側係合片331とを分離若しくは室内側係合片331を上方に折曲げるようにして、木枠W等の枠の取付け作業を容易化できるようになっている。
【0046】
そして、現場作業終了後引渡しまでの間においては、内障子61と外障子62とは閉じられた状態(クレセントを閉じた状態)であるが、その際には、図16(3)に示すように、ノッチ14で室外側保護カバー110Aと室内側保護カバー110Bとを分離し、内障子61と外障子62とを閉じた状態で、室外側保護カバー110Aで下枠50の室外側を覆うようにすることができる。なお、この際には、室内側保護カバー110Bで下枠50の室内側を覆うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーにおける室外側保護カバーの側面図である。
【図2】室外側保護カバーを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図3】本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーにおける室内側保護カバーの側面図である。
【図4】室内側保護カバーを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図5】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを組み合わせた状態の側面図である。
【図6】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図7】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを引き違い用サッシに使用した状態の縦断面図である。
【図8】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを引き違い用サッシに使用した状態の平面図である。
【図9】室外側保護カバーを片引き用サッシに使用した状態の縦断面図である。
【図10】室外側保護カバーを片引き用サッシに使用した状態の平面図である。
【図11】室外側保護カバーをドア用サッシに使用した状態の縦断面図である。
【図12】室外側保護カバーをドア用サッシに使用した状態の平面図である。
【図13】下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態Iの側面図である。
【図14】下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態IIの側面図である。
【図15】他の実施の形態Iのものを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図16】他の実施の形態IIのものを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図17】下枠にグレーチングを取付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1…下枠フラットサッシ用下枠保護カバー(保護カバー)、2…室外側保護カバー、3…室内側保護カバー、11…下枠フラットサッシ用下枠保護カバー(保護カバー)、11A…室外側保護カバー、11B…室内側保護カバー、12…、13…、14…ノッチ、15…ノッチ、21…(室外側)カバー本体、22…室外側係合片、23…室内側係合片、31…(室内側)カバー本体、32…室外側係合片、33…室内側係合片、34…脚部、50…(引き違いサッシ用)下枠、51…第1の立ち上がり片、52…第2の立ち上がり片、53…第3の立ち上がり片、53A…網戸レール部、53B…室外側片、54…内障子用レール部、54A…ストッパー、55…外障子用レール部、55A…ストッパー、56…内障子室内側ガイド溝、57…内障子室外側ガイド溝、58…外障子室内側ガイド溝、59…外障子室外側ガイド溝、61…内障子、61A…戸車、61B…内障子室内側垂下片、61C…内障子室外側垂下片、61D…内障子召し合わせ框、61E…内障子戸当り框、62…外障子、62A…戸車、62B…外障子室内側垂下片、62C…外障子室外側垂下片、62D…外障子召し合わせ框、63…網戸、63A…戸車、64…片引き障子、64A…戸車、64B…室内側垂下片、64C…室外側垂下片、64E…戸当り框、65…嵌め殺し窓、70…(片引きサッシ用)下枠、71…第1の立ち上がり片、72…第2の立ち上がり片、73…第3の立ち上がり片、73A…網戸レール部、73B…室外側片、74…片引き障子用レール部、74A…ストッパー、75…室内側ガイド溝、76…室外側ガイド溝、80…(ドアサッシ用)下枠、81…第1の立ち上がり片、82…第2の立ち上がり片、83…第3の立ち上がり片、83B…室外側片、84…上面構成部、85…室内側排水溝、86…室外側排水溝、87…室内側上面、90…グレーチング、91…受け支持部材、91A…室内側上部、110…下枠フラットサッシ用下枠保護カバー(保護カバー)、110A…室外側保護カバー、110B…室内側保護カバー、120…室外側カバー本体、121…室外側カバー本体、130…室内側カバー本体、131…室内側カバー本体、220…室外側係合片、221…室外側係合片、230…室内側係合片、231…室内側係合片、320…室内側係合片、330…室外側係合片、331…室内側係合片。
【技術分野】
【0001】
本発明は、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーに関し、詳しくは建物開口部に取付けられた下枠フラットサッシの下枠を、現場作業の際の傷や破損等から保護するための保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築現場において、建物の屋外から屋内へ、又は屋内から屋外へ様々な部材を搬入、搬出したりする際には、作業者は屋外開口部に取付けられたサッシ窓枠開口から出入りを行なっている。このとき、施工業者や職人が出入りする際に泥や砂などがサッシ下枠内に入り込み、下枠の表面に擦り傷を付けたり、ガラス障子の戸車とレール部材との隙間に砂が噛んで摩耗したり、またモルタルや塗料が付着したり、木材やパネル、ボード等の種々の部材との接触によりサッシ下枠の変形等してしまう場合があり、現場では、サッシ下枠を保護する目的で、サッシ下枠上面全体を覆うように、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定し、サッシ下枠の傷や損傷等を防いでいる。
しかし、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定する作業等は手間が掛かる。
そこで、サッシ下枠のレール及び溝形状に即した形状に成形された合成樹脂製カバーで下枠を被覆し、この樹脂カバーの上に直接に障子を建て込むことにより、樹脂カバーでサッシ下枠を保護するとともに、障子を任意に開閉することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−259247号公報(2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記発明は、段差式のサッシ下枠用のものであり、上面が略フラットに形成された下枠フラットサッシには適用できるものではなく、近年、需要が増加している下枠フラットサッシ用の下枠保護カバーが望まれているところである。
【0004】
そこで、本発明の主たる課題は、下枠フラットサッシに適し、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて、適切に下枠を保護する下枠保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、該保護カバーは、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、前記保護カバーの使用の際には、前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する障子用レール部上を前記カバー本体が覆うように構成された、ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバーである。
【0006】
(作用効果)
室内側係合片及び室外側係合片が下枠に係合される構成となっていることにより、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーのサッシ見込み方向の移動や回転を防止し、確実に下枠を傷等から保護することができる。
また、製造工場から下枠フラットサッシを出荷する段階若しくは搬送する過程において、この下枠フラットサッシ用下枠保護カバーを予め下枠に装着しておくことが可能となり、予め下枠に養生テープ等で固定しておけば、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定する作業の手間が省ける。それと共に、この下枠フラットサッシ用下枠保護カバーを予め下枠に装着しておくことにより、施工業者や職人等にとって「この部材は下枠を保護するために使用するもの」という認識がし易くなり、この保護カバーの活用が十分に図れるようになる。
【0007】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとから構成されると共に、前記室外側保護カバーと室内側保護カバーとは分離されており、前記室外側保護カバー及び室内側保護カバーは、それぞれ、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、前記保護カバーの使用の際には、それぞれの前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する外障子用レール部上及び内障子用レール部上をそれぞれのカバー本体が覆うように構成された、ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバーである。
【0008】
(作用効果)
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける、下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーが、室外側保護カバーと室内側保護カバーとで分離されて構成されていることにより、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの使用の際には、外障子と内障子とを閉じた態様と、外障子と内障子とを一方向に引き寄せた態様と、を選択可能となるため、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの配置を行うことができ、その結果、それぞれの段階で適切に下枠を保護することができる。
【0009】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとがノッチを介して予め一体化されており、前記保護カバーの使用の際には、前記保護カバーを一体として使用する使用態様と、前記保護カバーを前記ノッチを境に分離して使用する使用態様と、を選択可能な構成とされた、ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバーである。
【0010】
(作用効果)
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける、下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの使用の際には、保護カバーを一体として使用する使用態様と、保護カバーをノッチを境に分離して使用する使用態様と、を選択可能な構成となっていることにより、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの配置を行うことができ、その結果、それぞれの段階で適切に下枠を保護することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、下枠フラットサッシに適し、現場へのサッシの搬送段階、現場での作業中、作業後竣工前等での各段階に合わせて、適切に下枠を保護することができる等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<下枠構造>
引き違い障子用のフラットサッシに基づき、本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーによって保護される下枠構造について、まず説明する。図2に示すように、下枠50は、室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片51と、第2の立ち上がり片52と、第3の立ち上がり片53と、を有しており、第1の立ち上がり片51と第2の立ち上がり片52との間に内障子用レール部54、及び第2の立ち上がり片52と第3の立ち上がり片53との間に外障子用レール部55が形成されている。そして、図7に示すように、内障子用レール部54上を内障子61の戸車61Aが回動することによって内障子61が左右スライドし、外障子用レール部55上を外障子62の戸車62Aが回動することによって外障子62が左右スライドするようになっている。また、第3の立ち上がり片53の上部室外側には、網戸63の戸車63Aが回動する網戸レール部53Aが形成されている。この網戸レール部53Aの室外側端部には、下方に延在する室外側片53Bが形成されている。なお、この室外側片53Bは、網戸レール部53Aとで下方に開放された溝を形成し、図17に示されるように、この溝によってグレーチング90を乗せる受け支持部材91の室内側上部91Aを係合させ、受け支持部材91を固定するためのものでもある。
【0013】
第1の立ち上がり片51と内障子用レール部54との間には、内障子室内側垂下片61Bがガイドされる内障子室内側ガイド溝56が形成されており、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52との間には、内障子室外側垂下片61Cがガイドされる内障子室外側ガイド溝57が形成されている。また、第2の立ち上がり片52と外障子用レール部55との間には、外障子室内側垂下片62Bがガイドされる外障子室内側ガイド溝58が形成されており、外障子用レール部55と第3の立ち上がり片53との間には、外障子室外側垂下片62Cがガイドされる外障子室外側ガイド溝59が形成されている。なお、内障子室内側ガイド溝56、内障子室外側ガイド溝57、外障子室内側ガイド溝58及び外障子室外側ガイド溝59は、雨水を排水するための排水溝としても機能するものである。
【0014】
<下枠フラットサッシ用下枠保護カバー>
本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1は、図1乃至図6に示すように、室外側保護カバー2と室内側保護カバー3とから構成されると共に、これら室外側保護カバー2と室内側保護カバー3とは分離されている。
【0015】
室外側保護カバー2は、図1、図2、図5及び図6に示すように、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状のカバー本体21と、このカバー本体21の幅方向(サッシ見込み方向)の室外側の端部から下方に突出する室外側係合片22と、このカバー本体21の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片23と、を備えている。本実施の形態では、室外側係合片22と室内側係合片23とは、カバー本体21と同様にサッシ下枠50の長手方向に延在する面状のものであるが、これに限らず、鉤状(図示せず)にしてもよい。
【0016】
この室外側保護カバー2の下枠50への取付けについては、図2及び図6に示すように、第3の立ち上がり片53に形成された網戸レール部53Aの室外側片53Bに室外側係合片22が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、外障子用レール部55上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片23が外側から重なり合うように係合するようになっている。これら室外側係合片22及び室内側係合片23によって、室外側保護カバー2のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるようになっている。
【0017】
室外側保護カバー2の室外側係合片22及び室内側係合片23が、上述のように下枠50に係合されることにより、外障子用レール部55上がカバー本体21によって覆われ、埃等の付着が防止される。それと共に、網戸レール部53A上もカバー本体21によって覆われるので、この網戸レール部53A上への埃等の付着も防止される。
【0018】
室内側保護カバー3は、図3乃至図6に示すように、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状のカバー本体31と、このカバー本体31の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片33と、この室内側係合片33よりも室外側に位置し、カバー本体31から下方に突出する室外側係合片32と、を備えている。本実施の形態では、室外側係合片32と室内側係合片33とは、カバー本体31と同様にサッシ下枠50の長手方向に延在する平板状のものであるが、これに限らず、鉤状(図示せず)にしてもよい。そして、室外側係合片32よりも室外側には、カバー本体31から下方に突出する脚部34が形成されており、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52との段差分の第2の立ち上がり片52の低さを補っている。なお、この脚部34については、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52とが略同じ高さであったら、必要がないことは言うまでもない。
【0019】
この室内側保護カバー3の下枠50への取付けについては、図4及び図6に示すように、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室外側張出部分の側面)に室外側係合片32が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片33が外側から重なり合うように係合するようになっている。そして、前述したように、カバー本体31から下方に突出する脚部34によって、内障子用レール部54と第2の立ち上がり片52との段差分の第2の立ち上がり片52の低さを補い、室内側保護カバー3が傾いてしまうことを防いでいる。これら室外側係合片32、室内側係合片33及び脚部34によって、室内側保護カバー3のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるようになっている。
【0020】
室内側保護カバー3の室外側係合片32及び室内側係合片33が、上述のように下枠50に係合されることにより、内障子用レール部54上がカバー本体31によって覆われ、埃等の付着が防止される。それと共に、第2の立ち上がり片52の上面もカバー本体31によって覆われるので、この第2の立ち上がり片52の上面への埃等の付着も防止される。
【0021】
なお、図5に示すように、室外側保護カバー2のカバー本体21の室内側端部と室内側保護カバー3のカバー本体31の室外側端部との断面形状が、互いに対向するようにテーパー状になっているが、この形状に限られず、略垂直にカットした形状であってもよい。
【0022】
下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1としては、多様な材質を用いることができるが、硬質PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂を押出成形により成形したものを用いることが好ましい。
【0023】
<下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの使用態様>
本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1の使用態様としては、保護すべき下枠フラットサッシと別々に建築現場に搬送するのではなく、製造工場から下枠フラットサッシを出荷する段階若しくは搬送する過程において、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1を予め下枠50に装着しておくことが可能となっている。従来のように、現場で段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定するのとは異なり、予め下枠50に養生テープ等で固定しておけば、段ボール紙等の養生材をサッシ下枠上に置いて養生テープ等で固定する作業の手間を省くことができる。それと共に、この保護カバー1を予め下枠50に養生テープ等で固定しておくことにより、施工業者や職人等にとって「この保護カバー1は下枠50を保護する部材である」という認識がしやすくなり、この保護カバー1の活用が十分に図れるようになる。
【0024】
具体的に説明すると、図8(1)に示すように、現場への搬入の際には、内障子61と外障子62とを閉じた状態(クレセントを閉じた状態)で行なわれるものであるから、室外側保護カバー2については、室内側から見て、下枠50長手方向の右側における、外障子召し合わせ框62Dの右側面と外障子62の引き残しのためのストッパー55Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定すればよい。
【0025】
室内側保護カバー3については、下枠50長手方向の左側における、内障子召し合わせ框61Dの左側面(詳しくは、内障子召し合わせ框61Dの左側面に取付けられた気密ブロック)とストッパー54Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定すればよい。
【0026】
以上の状態で、現場へ搬入されると、この保護カバー1は下枠の保護材としての認知がされやすくなり、保護材としての活用が図られやすくなる。
【0027】
サッシは建物開口部に溶接等により固定され、現場での施工作業中は、図8(2)に示すように、外障子及び内障子が左右のどちらかに寄せられ(図8(2)では左側に寄せられている)、開放された部分から、施工業者や職人は建物の屋外から屋内へ、又は屋内から屋外へ様々な部材を搬入、搬出することができるようになっている。このときに、開放された下枠50の部分に、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1が位置するように置き直せば、施工業者や職人が出入りする際に泥や砂などがサッシ下枠50内に入り込んでしまったり、またモルタルや塗料が付着したり、木材やパネル、ボード等の種々の部材を下枠50にぶつけてしまうことを防ぐことができる。図8(2)では、前述したように、室内側から見て、内障子61が左側に寄せられ、右側を出入り口としているが、この部分の下枠50の位置(内障子の戸当り框61Eとサッシ左縦枠との間)に室内側保護カバー3を置き直している。なお、図示はしないが、左側を出入り口として、この部分の下枠50の位置に室外側保護カバー2を置き直してもよい。置き直す際には、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1の長手方向の長さ調整を行う必要性が生ずる場合があるが、このうち短くする必要がある場合には、保護カバー1の長さをカッターナイフ等で切除して調整すればよい。
【0028】
さらに、現場作業終了後引渡しまでの間においては、図8(1)に示すような当初状態、すなわち内障子61と外障子62とを閉じた状態(クレセントを閉じた状態)で、室外側保護カバー2については、室内側から見て、下枠50長手方向の右側における、外障子召し合わせ框62Dの右側面と外障子62の引き残しのためのストッパー55Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定し、室内側保護カバー3については、下枠50長手方向の左側における、内障子召し合わせ框61Dの左側面(詳しくは、内障子召し合わせ框61Dの左側面に取付けられた気密ブロック)とストッパー54Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠50に固定しておけば、引渡しまでの間、下枠50への埃等の付着等を防ぐことができる。
【0029】
なお、室外側保護カバー2で外障子用レール部55上面を覆っている状態では、図7に示すように外障子62の外障子室外側垂下片62Cがカバー本体21にブロックされ、また外障子室内側垂下片62Bが室内側係合片23にブロックされるかたちとなっており、外障子62の左右スライドを防止することによって、外障子用レール部55上に埃等がのったまま戸車62Aが回動し、レール55と戸車62Aの双方が傷つくことを防いでいる。同様に、室内側保護カバー3で内障子用レール部54上面を覆っている状態では、内障子61の内障子室外側垂下片61Cがカバー本体31(及び室外側係合片32)にブロックされ、また内障子室内側垂下片61Bが室内側係合片33にブロックされるかたちとなっており、内障子61の左右スライドを防止することによって、内障子用レール部54上に埃等がのったまま戸車61Aが回動し、レール54と戸車61Aの双方が傷つくことを防いでいる。
【0030】
<片引きサッシ、ドア用サッシ等への適用>
上記においては、引き違い障子用のフラットサッシの下枠保護について説明したが、本発明は引き違い障子用のフラットサッシのみに限られるものではなく、片引きやドア用のフラットサッシ等にも適用することができる。
【0031】
図9、図10(1)及び図10(2)には、片引きサッシへの適用が示されている。下枠70は、室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片71と、第2の立ち上がり片72と、第3の立ち上がり片73と、を有しており、第2の立ち上がり片72と第3の立ち上がり片73との間に戸車64Aが回動する片引き障子用レール部74が形成されている。また、第3の立ち上がり片73の上部室外側には、網戸63の戸車63Aが回動する網戸レール部73Aが形成されている。この網戸レール部73Aの室外側端部には、下方に延在する室外側片73Bが形成されている。そして、第2の立ち上がり片72と片引き障子用レール部74との間には、室内側垂下片64Bがガイドされる室内側ガイド溝75が形成されており、片引き障子用レール部74と第3の立ち上がり片53との間には、室外側垂下片64Cがガイドされる室外側ガイド溝76が形成されている。その他の点については、前述した引き違い障子用の下枠50と略同様なので説明を省略する。
【0032】
片引きサッシの場合には、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーとして上記の室外側保護カバー2のみを用いるものである。この室外側保護カバー2の下枠70への取付けについては、第3の立ち上がり片73に形成された網戸レール部73Aの室外側片73Bに室外側係合片22が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、片引き用レール部74上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片23が外側から重なり合うように係合するようになっている。これら室外側係合片22及び室内側係合片23によって、室外側保護カバー2のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠70に固定されるようになっている。
【0033】
片引きサッシの場合の使用態様としては、現場への搬入は、片引き障子64を閉じた状態(クレセントを閉じた状態)で行なわれるものであるから、室外側保護カバー2については、図10(1)に示すように、室内側から見て、下枠70長手方向の右側における、片引き障子召し合わせ框64Dの右側面と片引き障子64の引き残しのためのストッパー74Aとの間に挟まるように設置して、養生テープ等によって下枠70に固定しておけばよい。そして、現場での施工作業中は、図10(2)に示すように、片引き障子64が嵌め殺し窓65側に寄せられて、出入り口部分の下枠70の位置(片引き障子の戸当り框64Eとサッシ左縦枠との間)に室外側保護カバー2を置き直せばよい。なお、片引きサッシの場合における、下枠70に嵌合する平板上の目板部77の表面については、養生テープ等で覆うことにより、表面の傷つき等を防止すればよい。また、引き分けサッシ(両引きサッシ)も片引きサッシと略同じ下枠構造であるので、引き分けサッシの保護カバーとしても室外側保護カバー2を用いることができる。その他の点については、前述した引き違い障子用の下枠50での説明と略同様なので省略する。
【0034】
図11と図12には、ドア用サッシへの適用が示されている。下枠80は、室内側から室外側を見て、第1の立ち上がり片81と、第2の立ち上がり片82と、第3の立ち上がり片83と、を有しており、第2の立ち上がり片82と第3の立ち上がり片83との間に着脱可能な上面構成部84が形成されている。この上面構成部84は、外障子用レール部55、内障子用レール部54及び片引き障子用レール部74と同部材であり、これらを転用したものになっている。また、第3の立ち上がり片83の上部室外側には、下方に延在する室外側片83Bが形成されている。そして、第2の立ち上がり片82と上面構成部84との間には、室内側排水溝85が形成されており、上面構成部84と第3の立ち上がり片83との間には、室外側排水溝86が形成されている。その他の点については、前述した引き違い障子用の下枠50や片引き用サッシの下枠70と略同様なので説明を省略する。
【0035】
ドア用サッシの場合には、片引き用サッシの場合と同様に、下枠フラットサッシ用下枠保護カバーとして上記の室外側保護カバー2のみを用いるものである。この室外側保護カバー2の下枠80への取付けについては、第3の立ち上がり片83に形成された室外側片83Bに室外側係合片22が外側から重なり合うように係合するようになっており、同様に、上面構成部84上部の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片23が外側から重なり合うように係合するようになっている。これら室外側係合片22及び室内側係合片23によって、室外側保護カバー2のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠80に固定されるようになっている。
【0036】
ドア用サッシの場合の使用態様としては、現場への搬入は、上述のように下枠80に取付けた状態で行い、現場での施工作業中においても、そのままの状態で、施工業者や職人が出入りする際に泥や砂などがサッシ下枠80内に入り込んでしまったり、またモルタルや塗料が付着したり、木材やパネル、ボード等の種々の部材を下枠80にぶつけてしまうことを防ぐことができる。なお、ドア用サッシの場合における、下枠80の室内側上面87の表面については、養生テープ等で覆うことにより、表面の傷つき等を防止すればよい。その他の点については、前述した説明と略同様なので省略する。
【0037】
<下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態>
引き違い障子用のフラットサッシに基づき、本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態について説明する。
【0038】
前述した下枠フラットサッシ用下枠保護カバー1が、予め室外側保護カバー2と室内側保護カバー3とに分離されているのとは異なり、図13及び図15に示されるように、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11は室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとが予め一体化され成形されており、現場において室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとを分離できるようになっているものである。
【0039】
この下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11は、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室外側カバー本体120と、この室外側カバー本体120の幅方向(サッシ見込み方向)の室外側の端部から下方に突出する室外側係合片220と、この室外側カバー本体120の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片230と、を有する室外側保護カバー11Aを備えていると共に、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室内側カバー本体130と、この室内側カバー本体130の幅方向(サッシ見込み方向)に所定の間隔をおいて室外側及び室内側に、上方に突出する室外側係合片320及び室内側係合片330と、を有する室内側保護カバー11Bを備え、室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとは一体化しているが、室外側カバー本体120と室内側カバー本体130との間に形成されたノッチ(刻み目、切欠)14を境(室内側係合片230の室内側近傍)にして分離可能になっている。なお、後述するように、室外側係合片320及び室内側係合片330とは、内障子用レール部54上面の両側面に外側からそれぞれ係止するものであるので、室外側係合片320と室内側係合片330との間隔は、内障子用レール部54上面の両側面(詳しくは上面の室外側張出部分の側面と上面の室内側張出部分の側面との間隔)の幅と略同等若しくは若干大きめが好ましい。
【0040】
下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11の使用態様としては、まず、施工業者や職人等が出入りする出入り口部分の室外側から室内側に跨るように、この下枠50上に下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11を設置して使用する。具体的には、図15(1)に示すように、第3の立ち上がり片53に形成された網戸レール部53Aの室外側片53Bに室外側保護カバー11Aの室外側係合片220を外側から重なり合うように係合させ、同様に、外障子用レール部55上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室外側保護カバー11Aの室内側係合片230を外側から重なり合うように係合させればよい。これら室外側係合片220及び室内側係合片230によって、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるものである。それと共に、室内側カバー本体11Bの室内側端が第1の立ち上がり片51の上端部に当接し、室内側カバー本体130を支え、室内側カバー本体130が下方に傾くことを防止している。
【0041】
現場作業終了後引渡しまでの間においては、内障子61と外障子62とは閉じられた状態(クレセントを閉じた状態)であるが、その際には、図15(2)に示すように、ノッチ14で室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー11Bとを分離し、図15(3)に示すように、内障子61と外障子62とを閉じた状態で、それぞれ下枠50の室外側と室内側とを覆うようにすることができる。室内側保護カバー11Bについては、その上面と下面とをひっくり返し、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室外側張出部分の側面)に室外側係合片320を外側から重なり合うように係合させ、同様に、内障子用レール部54上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室内側係合片330を外側から重なり合うように係合させることができるようになっている。それと共に、この際には、室内側カバー本体130の室内側部分が第1の立ち上がり片51の上端部に当接し、室内側カバー本体130が下方に傾くことを防止している。
【0042】
なお、この室内側カバー本体130に形成された室外側係合片320及び室内側係合片330が上方に突出するように形成されているのは、片引きサッシの下枠70やドア用サッシの下枠80でも使用できることを考慮してのことであり、室外側保護カバー11Aと室内側保護カバー12Bとが一体化され成形されている状態で、かつ室外側片53Bと外障子用レール部55(片引き障子用レール部74,上面構成部材84)上面の室内側の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)との長さが同じであれば、内障子用レール部54が形成されていない下枠70や下枠80でも、載置することができるからである。
【0043】
また、上記下枠フラットサッシ用下枠保護カバー11の変形例として、図14及び図16に示す、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110を提案することができる。保護カバー11との大きな相違点は、下枠50に結露受け部51Aが形成された場合で、この結露受け部51Aも覆うことができる点である。この下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110は、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室外側カバー本体121と、この室外側カバー本体121の幅方向(サッシ見込み方向)の室外側の端部から下方に突出する室外側係合片221と、この室外側カバー本体121の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側の端部から下方に突出する室内側係合片231と、を有する室外側保護カバー110Aを備えていると共に、サッシ下枠50の長手方向に延在する平板状の室内側カバー本体131と、この室内側カバー本体130の幅方向(サッシ見込み方向)の室内側端部から下方に突出する室内側係合片331と、を有する室内側保護カバー110Bを備え、室外側保護カバー110Aと室内側保護カバー110Bとは一体化しているが、室外側カバー本体121と室内側カバー本体131との間に形成されたノッチ14を境(室内側係合片231の室内側近傍)にして分離可能になっている。また、室内側係合片331が形成される、室内側カバー本体130の室内側端部よりも若干室外側寄りには、ノッチ15が形成されており、このノッチ15を境に室内側カバー本体131と室内側係合片331とを分離若しくは室内側係合片331を上方等に折曲げることができる。
【0044】
下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110の使用態様としては、図16(1)に示すように、まず、施工業者や職人が出入りする出入り口部分の室外側から室内側に跨るように、この下枠50上に下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110を設置して使用する。具体的には、第3の立ち上がり片53に形成された網戸レール部53Aの室外側片53Bに室外側保護カバー110Aの室外側係合片221を外側から重なり合うように係合させ、同様に、外障子用レール部55上面の側面(詳しくは上面の室内側張出部分の側面)に室外側保護カバー110Aの室内側係合片231を外側から重なり合うように係合させ、さらに、結露受け部51Aの室内側に形成された立ち上がり部51Bの側面に室内側係合片331が外側から重なり合うように係合させればよい。これら室外側係合片221、室内側係合片231及び室内側係合片331によって、下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110のサッシ見込み方向のスライドや回転が防止され、下枠50に固定されるようになっている。それと共に、室内側カバー本体131の室内側端が立ち上がり部51Bの上端部に当接し、室内側カバー本体131を支えている。
【0045】
この下枠フラットサッシ用下枠保護カバー110では、現場作業中、下枠50に木枠W等の枠を取付ける際に、室内側係合片331の存在が邪魔になる場合には、図16(2)に示すように、ノッチ15を境に室内側カバー本体131と室内側係合片331とを分離若しくは室内側係合片331を上方に折曲げるようにして、木枠W等の枠の取付け作業を容易化できるようになっている。
【0046】
そして、現場作業終了後引渡しまでの間においては、内障子61と外障子62とは閉じられた状態(クレセントを閉じた状態)であるが、その際には、図16(3)に示すように、ノッチ14で室外側保護カバー110Aと室内側保護カバー110Bとを分離し、内障子61と外障子62とを閉じた状態で、室外側保護カバー110Aで下枠50の室外側を覆うようにすることができる。なお、この際には、室内側保護カバー110Bで下枠50の室内側を覆うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーにおける室外側保護カバーの側面図である。
【図2】室外側保護カバーを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図3】本発明に係る下枠フラットサッシ用下枠保護カバーにおける室内側保護カバーの側面図である。
【図4】室内側保護カバーを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図5】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを組み合わせた状態の側面図である。
【図6】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図7】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを引き違い用サッシに使用した状態の縦断面図である。
【図8】室外側保護カバーと室内側保護カバーとを引き違い用サッシに使用した状態の平面図である。
【図9】室外側保護カバーを片引き用サッシに使用した状態の縦断面図である。
【図10】室外側保護カバーを片引き用サッシに使用した状態の平面図である。
【図11】室外側保護カバーをドア用サッシに使用した状態の縦断面図である。
【図12】室外側保護カバーをドア用サッシに使用した状態の平面図である。
【図13】下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態Iの側面図である。
【図14】下枠フラットサッシ用下枠保護カバーの他の実施の形態IIの側面図である。
【図15】他の実施の形態Iのものを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図16】他の実施の形態IIのものを引き違い用サッシに使用した状態の説明図である。
【図17】下枠にグレーチングを取付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1…下枠フラットサッシ用下枠保護カバー(保護カバー)、2…室外側保護カバー、3…室内側保護カバー、11…下枠フラットサッシ用下枠保護カバー(保護カバー)、11A…室外側保護カバー、11B…室内側保護カバー、12…、13…、14…ノッチ、15…ノッチ、21…(室外側)カバー本体、22…室外側係合片、23…室内側係合片、31…(室内側)カバー本体、32…室外側係合片、33…室内側係合片、34…脚部、50…(引き違いサッシ用)下枠、51…第1の立ち上がり片、52…第2の立ち上がり片、53…第3の立ち上がり片、53A…網戸レール部、53B…室外側片、54…内障子用レール部、54A…ストッパー、55…外障子用レール部、55A…ストッパー、56…内障子室内側ガイド溝、57…内障子室外側ガイド溝、58…外障子室内側ガイド溝、59…外障子室外側ガイド溝、61…内障子、61A…戸車、61B…内障子室内側垂下片、61C…内障子室外側垂下片、61D…内障子召し合わせ框、61E…内障子戸当り框、62…外障子、62A…戸車、62B…外障子室内側垂下片、62C…外障子室外側垂下片、62D…外障子召し合わせ框、63…網戸、63A…戸車、64…片引き障子、64A…戸車、64B…室内側垂下片、64C…室外側垂下片、64E…戸当り框、65…嵌め殺し窓、70…(片引きサッシ用)下枠、71…第1の立ち上がり片、72…第2の立ち上がり片、73…第3の立ち上がり片、73A…網戸レール部、73B…室外側片、74…片引き障子用レール部、74A…ストッパー、75…室内側ガイド溝、76…室外側ガイド溝、80…(ドアサッシ用)下枠、81…第1の立ち上がり片、82…第2の立ち上がり片、83…第3の立ち上がり片、83B…室外側片、84…上面構成部、85…室内側排水溝、86…室外側排水溝、87…室内側上面、90…グレーチング、91…受け支持部材、91A…室内側上部、110…下枠フラットサッシ用下枠保護カバー(保護カバー)、110A…室外側保護カバー、110B…室内側保護カバー、120…室外側カバー本体、121…室外側カバー本体、130…室内側カバー本体、131…室内側カバー本体、220…室外側係合片、221…室外側係合片、230…室内側係合片、231…室内側係合片、320…室内側係合片、330…室外側係合片、331…室内側係合片。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、
該保護カバーは、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、
前記保護カバーの使用の際には、前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する障子用レール部上を前記カバー本体が覆うように構成された、
ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバー。
【請求項2】
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、
該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとから構成されると共に、前記室外側保護カバーと室内側保護カバーとは分離されており、
前記室外側保護カバー及び室内側保護カバーは、それぞれ、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、
前記保護カバーの使用の際には、それぞれの前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する外障子用レール部上及び内障子用レール部上をそれぞれのカバー本体が覆うように構成された、
ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバー。
【請求項3】
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、
該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとがノッチを介して予め一体化されており、
前記保護カバーの使用の際には、前記保護カバーを一体として使用する使用態様と、前記保護カバーを前記ノッチを境に分離して使用する使用態様と、を選択可能な構成とされた、
ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバー。
【請求項1】
下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、
該保護カバーは、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、
前記保護カバーの使用の際には、前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する障子用レール部上を前記カバー本体が覆うように構成された、
ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバー。
【請求項2】
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、
該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとから構成されると共に、前記室外側保護カバーと室内側保護カバーとは分離されており、
前記室外側保護カバー及び室内側保護カバーは、それぞれ、下枠の長手方向に延在する平板状のカバー本体と、このカバー本体から下方に突出する室内側係合片及び室外側係合片と、を備え、
前記保護カバーの使用の際には、それぞれの前記室内側係合片及び室外側係合片が前記下枠に係合され、サッシ障子の戸車が回動する外障子用レール部上及び内障子用レール部上をそれぞれのカバー本体が覆うように構成された、
ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバー。
【請求項3】
引き違い障子用下枠フラットサッシにおける下枠の上面を保護する下枠フラットサッシ用下枠保護カバーであって、
該保護カバーは、外障子の戸車が回動する外障子用レール部上を覆う室外側保護カバーと、内障子の戸車が回動する内障子用レール部上を覆う室内側保護カバーとがノッチを介して予め一体化されており、
前記保護カバーの使用の際には、前記保護カバーを一体として使用する使用態様と、前記保護カバーを前記ノッチを境に分離して使用する使用態様と、を選択可能な構成とされた、
ことを特徴とする下枠フラットサッシ用下枠保護カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−124950(P2006−124950A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311371(P2004−311371)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】
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