説明

両面粘着シート

【課題】粘着剤層を薄膜化した場合においても、十分に高い粘着力を有すると共に、粘着剤層の基材への密着性を向上させ、粘着剤層の被着体への移行が無い、両面粘着シートを提供する。
【解決手段】基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートであって、前記粘着剤層を構成する粘着剤が、(A)架橋性官能基を有するアクリル系共重合体と、(B)ウレタン樹脂と、(C)粘着付与樹脂と、(D)架橋剤とを含有し、(C)粘着付与樹脂の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、8〜35質量部である、両面粘着シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は両面粘着シート、特に粘着剤層を薄膜化した場合でも所望の粘着力を有する両面粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着シートの粘着力は、粘着剤の組成、極性の他、基材上の粘着剤の塗布量、すなわち、形成される粘着剤層の厚さに依存し、粘着剤層が厚くなる程、粘着力は高くなる。ラベル、テープ等に使用されている粘着シートにおける粘着剤層の厚さは、様々な目的に合わせて設定されるが、十分に高い粘着力を発現させる観点から、10μmより薄くすることはあまり行われていない。
しかしながら、近年、電子機器や光学機器等においては薄型化が望まれており、電子機器や光学機器の部材の接合、又は加工時の一時的な接着等に用いられる粘着シートについても、同様に薄膜化が望まれている。
【0003】
電子機器や光学機器の部材の接合又は加工時の一時的な接着に用いられる粘着シートにおける粘着剤層の薄膜化については、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1〜3では、再剥離性を向上させるために、粘着剤層を薄膜化し、粘着力の低下を図っている。
ただし、粘着力を低下させるための手段として、粘着剤層を薄膜化する場合もあるが、粘着剤層を薄膜化しても粘着力を低下させたくない場合がある。
例えば、特許文献4及び5では、粘着剤層の厚さを2〜10μm程度に薄膜化しても光学部材への接着信頼性(粘着力)が良好な光学用表面保護フィルムを提供することを目的として、ゴム系粘着剤を用いた表面保護フィルムが提案されている。
また、特許文献6では、粘着剤層を1〜15μmに薄型化した場合においても、耐久性を満足することができる光学フィルムを提供することを目的として、特定のモノマーからなる重量平均分子量の大きな(メタ)アクリル系ポリマーと架橋剤を含有した粘着剤を用いた光学フィルムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−007618号公報
【特許文献2】特開2006−281488号公報
【特許文献3】特開2009−158503号公報
【特許文献4】特開2008−133435号公報
【特許文献5】特開2008−102271号公報
【特許文献6】特開2007−277510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献4〜6に開示された保護フィルムや光学フィルムでは、粘着剤層を薄膜化した際、十分に高い粘着力が得られていない。
また、粘着剤層を薄膜化すると、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートとした際に、粘着剤層の基材への密着性が低下する。そのため、粘着シートの貼り直しを行う場合や、使用後、粘着シートを被着体から剥離し廃棄する場合等に、被着体に被着後に再剥離すると、粘着剤層が被着体へ移行してしまう問題や、ジッピングが発生する問題等も有する。
本発明は、粘着剤層が薄膜化した場合においても、十分に高い粘着力を有すると共に、粘着剤層の基材への密着性を向上させ、粘着剤層の被着体への移行が無く、ジッピングの発生を抑制し得る、両面粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートであって、該粘着剤層を構成する粘着剤として、特定の成分を特定の含有量で含有する粘着剤を用いることで、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[10]を提供するものである。
[1]基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートであって、前記粘着剤層を構成する粘着剤が、(A)架橋性官能基を有するアクリル系共重合体と、(B)ウレタン樹脂と、(C)粘着付与樹脂と、(D)架橋剤とを含有し、(C)粘着付与樹脂の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、8〜35質量部である、両面粘着シート。
[2](C)粘着付与樹脂が、テルペンフェノール樹脂又は水素添加テルペンフェノール樹脂である、上記[1]に記載の両面粘着シート。
[3](B)ウレタン樹脂が、(b1)ジオールと(b2)多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、(b3)鎖延長剤を反応させて得られるものであり、(b3)鎖延長剤が、(b4)水酸基及び/又はアミノ基を2つ有する化合物及び(b5)水酸基及び/又はアミノ基を3つ以上有する化合物である、上記[1]又は[2]に記載の両面粘着シート。
[4](b1)ジオールが、分子量1,000〜3,000のグリコールである、上記[3]に記載の両面粘着シート。
[5](b4)成分と(b5)成分との質量比〔(b4)/(b5)〕が、70/30〜100/0である、上記[3]又は[4]に記載の両面粘着シート。
[6](A)成分の架橋性官能基が、エチレン性不飽和カルボン酸又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル由来のものである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[7](D)架橋剤が、イソシアネート系架橋剤である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[8](A)アクリル系共重合体と(B)ウレタン樹脂との質量比〔(A)/(B)〕が、1/99〜40/60である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[9](A)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)が、30万〜150万である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の両面粘着シート。
[10]粘着剤層の厚みが0.1〜5.0μm、基材の厚みが1〜12μmである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の両面粘着シート。
【発明の効果】
【0007】
本発明の両面粘着シートは、粘着剤層を薄膜化しても、優れた粘着力を有すると共に、粘着剤層の基材への密着性を向上させ、粘着剤層の被着体への移行が見られず、ジッピングの発生も抑制し得る両面粘着シートとなり得る。これらの効果は、特に低温(5℃程度)での環境下において顕著に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の両面粘着シートの構成の一態様を示す両面粘着シートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の両面粘着シートは、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートであり、両面粘着シートの構成は、基材の両面に粘着剤層を有していれば特に限定されない。図1は、本発明の両面粘着シートの構成の一態様を示す図である。本発明の両面粘着シートの構成は、図1(a)のように、基材11の両面に粘着剤層12a、12bを有する両面粘着シート1aに限らず、図1(b)のように、基材11の両面に形成された粘着剤層12a、12bのそれぞれの上に、更に剥離材13a、13bが積層した両面粘着シート1bであってもよい。他にも、基材の両面に形成された粘着剤層のどちらか一方の面上に更に剥離材を積層したものをロール状に巻いた構成等も挙げられる。
【0010】
なお、本発明において「粘着剤層を薄膜化する」とは、基材の両面に設けられる粘着剤層のそれぞれの厚み(例えば、図1(a)、(b)のZ1、Z2の各々を示し、以下、それを「粘着剤層の厚み」ともいう)を5.0μm以下することをいう。本発明の両面粘着シートは、粘着剤層の厚みを5.0μm以下としても、十分に高い粘着力を有し、及び粘着剤層の基材への密着性に優れた両面粘着シートとなり得る。
本発明の両面粘着シートの粘着剤層の厚みは、好ましくは0.1〜5.0μm、より好ましくは0.3〜3.0μm、更に好ましくは0.5〜2.0μm、より更に好ましくは0.7〜1.5μmである。0.1μm以上であれば、十分な粘着力を得ることができる。
【0011】
[粘着剤]
本発明で用いる粘着剤層を構成する粘着剤は、(A)架橋性官能基を有するアクリル系共重合体と、(B)ウレタン樹脂と、(C)粘着付与樹脂と、(D)架橋剤とを含有し、(C)粘着付与樹脂の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、8〜35質量部である。また、必要に応じて、その他の添加剤、有機溶媒等を含有することができる。以下、粘着剤中に含まれる各成分について説明する。
【0012】
<(A)アクリル系共重合体>
本発明で用いる粘着剤は、(A)架橋性官能基を有するアクリル系共重合体(以下、「(A)アクリル系共重合体」又は「(A)成分」ともいう)を含有する。本発明において、架橋性官能基を有するアクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、(D)架橋剤と反応する架橋性官能基含有モノマーを含む単量体混合物を原料として、重合反応を経て得られるアクリル系共重合体である。そのため、用いる(A)アクリル系共重合体は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位と、架橋性官能基含有モノマー由来の構成単位を含む。
なお、以下の記載において、例えば「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を意味し、他の類似用語も同様である。
【0013】
(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有量は、薄膜化しても十分な粘着力を得る観点から、(A)成分の全構成単位中、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは80〜99.5質量%、更に好ましくは85〜99質量%、より好ましくは88〜95質量%である。
架橋性官能基含有モノマー由来の構成単位の含有量は、薄膜化しても十分な粘着力を得る観点から、(A)成分の全構成単位中、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1〜12質量%である。
なお、(A)アクリル系共重合体の共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
【0014】
(A)アクリル系共重合体が有する架橋性官能基とは、(D)成分の架橋剤と反応し得る官能基であって、カルボキシ基、水酸基、アミノ基等が挙げられる。これらの中でも、(D)成分の架橋剤との反応性の観点から、カルボキシ基及び水酸基が好ましく、より高い粘着力を得られるという観点から、カルボキシ基がより好ましい。
また、(A)アクリル系共重合体が有する架橋性官能基は、反応性の観点、及び粘着剤層を薄膜化しても十分に高い粘着力を得る観点から、エチレン性不飽和カルボン酸又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル由来のものが好ましく、エチレン性不飽和カルボン酸由来のものがより好ましい。
【0015】
上記アクリル系共重合体の主成分モノマーである(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、粘着剤層を薄膜化しても十分な粘着力を得る観点から、(メタ)アクリル酸ブチルが好ましい。
【0016】
これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、2種以上併用する場合、粘着剤層を薄膜化しても十分な粘着力を得る観点から、アクリル酸ブチルの含有量が、用いる(メタ)アクリル酸エステル中、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。
(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、粘着剤層を薄膜化した場合でも十分な粘着力を得る観点から、アクリル系共重合体の原料である単量体混合物中、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは80〜99.5質量%、更に好ましくは85〜99質量%、より更に好ましくは88〜95質量%である。
【0017】
架橋性官能基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸及びフマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル等を挙げられる。なお、これらの単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、架橋剤との反応性の観点、及び粘着剤層を薄膜化しても十分に高い粘着力を得る観点から、エチレン性不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、エチレン性不飽和カルボン酸がより好ましい。
【0018】
架橋性官能基を有する単量体の含有量は、粘着剤層を薄膜化した場合でも十分な粘着力を得る観点から、アクリル系共重合体の原料である単量体混合物中、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1〜12質量%である。
【0019】
(A)アクリル系共重合体は、構成単位として、上記以外の他の単量体由来の構成単位を含んでもよい。
他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、ビニリデンクロリド等のハロゲン化オレフィン類、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系単量体等が挙げられる。これらの単量体は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
これらの単量体混合物から(A)アクリル系共重合体を得る方法は、特に限定されず、溶媒の存在下又は不存在下で、公知の重合方法により行うことができる。用いる溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエン等を挙げられる。
また、重合反応に際し、重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等を挙げられる。これらの重合開始剤の配合量としては、単量体混合物100質量部に対し、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。
また、重合条件としては、特に限定されないが、重合温度50〜90℃で、反応時間2〜30時間の条件で行われることが好ましい。
【0021】
このようにして得られる(A)アクリル系共重合体の重量平均分子量としては、粘着性能等の向上の観点から、好ましくは30万〜150万、より好ましくは40万〜100万、更に好ましくは50万〜80万である。30万以上であれば、粘着剤層の凝集力が向上し、十分な粘着力が得られる。また、150万以下であれば、粘着剤層の弾性率が高くなりすぎず、粘着力の低下を抑えることができる。
なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値を意味し、具体的には実施例に記載の方法により測定された値を示す(以下同じ)。
【0022】
<(B)ウレタン樹脂>
本発明で用いる粘着剤は、(B)ウレタン樹脂(以下、「(B)成分」ともいう)を含有する。(B)ウレタン樹脂を含有することで、粘着剤層を薄膜化しても十分に高い粘着力を得ることができる。
本発明において、(A)アクリル系共重合体と(B)ウレタン樹脂との質量比〔(A)/(B)〕は、適度な弾性率を有する粘着剤を得て、粘着剤層を薄膜化しても十分な粘着力を得る観点から、好ましくは1/99〜40/60、より好ましくは5/95〜30/70、更に好ましくは10/90〜25/75である。(B)成分に対する(A)成分の割合を示す当該質量比が1/99以上であれば、弾性率が低くなりすぎることによる粘着力の低下を回避することができ、40/60以下であれば、弾性率が高くなりすぎることによる粘着力の低下を回避することできる。
【0023】
本発明で用いる(B)ウレタン樹脂としては、(b1)ジオールと(b2)多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、(b3)鎖延長剤を反応させて得られるウレタン樹脂が好ましい。
【0024】
(b1)ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等のアルカンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。なお、これらの(b1)ジオールは、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの(b1)ジオールの中でも、得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーと(b3)鎖延長剤との反応においてゲル化を抑制する観点から、重量平均分子量1000〜3000程度の中分子量のグリコールが好ましい。
【0025】
(b2)多価イソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
なお、これらの(b2)多価イソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、イソシアヌレート環を含有させたイソシアヌレート型変性体であってもよい。
【0026】
これらの(b2)多価イソシアネート化合物の中でも、粘着剤の物性が優れている観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)及びこれらの変性体から選ばれる1種以上が好ましく、耐候性の観点から、HMDI、IPDI及びこれらの変性体から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0027】
末端イソシアネートウレタンプレポリマーの調製方法としては特に制限されず、例えば、(b1)及び(b2)成分と、必要に応じて添加されるウレタン化触媒と、溶剤とを反応器に仕込んで反応させる方法等が挙げられる。
(b1)と(b2)成分の配合比は、末端にイソシアネート基が残るようにする観点から、NCO基/OH基(モル比)が、好ましくは1.1〜3.0、より好ましくは1.2〜2.5となるように配合して反応させることが好ましい。1.1以上であれば、ゲル化を避けることができるため、増粘する傾向を抑制することができる。一方、3.0以下であれば、末端イソシアネートウレタンプレポリマー中の未反応多価イソシアネート化合物濃度が高くなり過ぎず、後述する(b3)鎖延長剤との反応をスムーズに進行させることができる。
【0028】
また、使用する(b1)及び(b2)成分の反応性や、(b3)鎖延長剤の配合量によって異なるが、末端イソシアネートウレタンプレポリマー中のイソシアネート基含有量(NCO%)は、JIS K 1603に準じて測定された値において、好ましくは0.5〜12質量%、より好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%以上であれば、(b3)鎖延長剤との反応を十分に進行させることができ、12質量%以下であれば、(b3)鎖延長剤との反応を十分に制御することができる。
【0029】
末端イソシアネートウレタンプレポリマー生成反応において使用される触媒としては、特に制限はないが、3級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられる。
3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
有機金属系化合物としては、錫系化合物、非錫系化合物が挙げられる。
錫系化合物としては、例えば、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルフィド、トリブチル錫スルフィド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキシド、トリブチル錫エトキシド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロリド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロリド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロリド等のチタン系化合物、オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系化合物、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系化合物、安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系化合物、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系化合物、ナフテン酸ジルコニウム等が挙げられる。
これらの触媒の中でも、DBTDL、2−エチルヘキサン酸錫、テトラブチルチタネートが好ましい。なお、これらの触媒は、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
【0030】
当該反応において用いる触媒の添加量としては、反応性の観点から、(b1)成分100質量部に対して、好ましくは0.0001〜1質量部、より好ましくは0.005〜0.1質量部である。
【0031】
また、当該反応において用いる溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
【0032】
当該反応における反応温度としては、好ましくは120℃以下、より好ましくは70〜100℃である。120℃以下であれば、アロハネート反応が進行を抑制し、所定の分子量と構造を有する末端イソシアネート基プレポリマーを合成することでき、また、反応速度を十分制御することができる。なお、当該反応における反応時間は、例えば、反応温度を70〜100℃にした場合、好ましくは2〜20時間である。
【0033】
以上のようにして得た末端イソシアネートウレタンプレポリマーは、(b3)鎖延長剤との鎖延長反応により、ウレタン樹脂となる。
(b3)鎖延長剤としては、特に制限はないが、(b4)水酸基及び/又はアミノ基を2つ有する化合物、(b5)水酸基及び/又はアミノ基を3つ以上有する化合物を用いることが好ましい。
【0034】
(b4)成分としては、水酸基及び/又はアミノ基を2つ有する化合物であれば特に制限はないが、粘着力の低下をより防止できる観点から、脂肪族ジオール、脂肪族ジアミン、アルカノールアミン、ビスフェノール、芳香族ジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等のアルカンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレングリコールが挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。
ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0035】
(b5)成分としては、水酸基及び/又はアミノ基を3つ以上有する化合物であれば特に制限はないが、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール、1−アミノ−2,3−プロパンジオール、1−メチルアミノ−2,3−プロパンジオール、N−(2−ヒドロキシプロピルエタノールアミン)等のアミノアルコール、テトラメチルキシリレンジアミンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
【0036】
上記(b4)及び(b5)成分におけるアミノ基及び/又は水酸基は、イソシアネート基との反応性の観点から、1級アミノ基、2級アミノ基、又は1級水酸基であることが好ましい。
配合する(b4)成分と(b5)成分との質量比〔(b4)/(b5)〕は、好ましくは70/30〜100/0、より好ましくは75/25〜95/5、更に好ましくは80/20〜90/10である。(b5)成分に対する(b4)成分の割合を示す当該質量比が70/30以上であれば、粘着剤層を薄膜化しても、粘着力の低下を抑えることができ、また、ウレタン樹脂を得る鎖延長反応の際、ゲル化を回避でき、所望の粘着剤を得ることができる。
【0037】
鎖延長反応としては、例えば、(1)イソシアネート基末端プレポリマーの溶液を反応器に仕込み、その反応器に鎖延長剤を滴下して反応させる方法、(2)鎖延長剤を反応器に仕込み、イソシアネート基末端プレポリマーの溶液を滴下して反応させる方法、(3)イソシアネート基末端プレポリマーの溶液を溶剤で希釈した後、その反応器に鎖延長剤を所定量一括投入して反応させる方法が挙げられる。イソシアネート基が徐々に減少するため均一な樹脂を得やすいことから、(1)又は(3)の方法が好ましい。
溶剤としては、末端イソシアネート基末端プレポリマー生成反応に用い得るものと同様の溶剤を使用することができる。
【0038】
鎖延長剤の添加量((b4)及び(b5)成分の合計添加量)は、イソシアネート基末端プレポリマーのNCO基の含有量により異なるが、鎖延長後のウレタン樹脂のNCO基が、好ましくは0.01〜1.0質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%となる量である。0.01質量%以上であれば、鎖延長を十分に行うことができ、所望の分子量のウレタン樹脂が得られる。また、1.0質量%以下であれば、鎖延長反応時に急激に増粘してゲル化する現象を抑えることができる。
【0039】
鎖延長反応における反応温度は、好ましくは20〜80℃である。20℃以上であれば、鎖延長反応を十分な速度で進行させることができる。一方、80℃以下であれば、反応速度を十分に制御することができ、所望の分子量と構造を有するウレタン樹脂が得られる。なお、溶剤存在下で鎖延長反応を行う場合には、反応温度は、溶媒の沸点以下が好ましく、特にMEK、酢酸エチルの存在下では40〜60℃が好ましい。
なお、鎖延長反応における反応時間は、例えば、反応温度を40〜80℃にした場合、好ましくは1〜20時間である。
【0040】
なお、鎖延長反応の停止のために末端停止剤を使用してもよい。
末端停止剤としては、例えば、イソシアネート基と反応可能な水素を1つだけ有する化合物又はアミノ基を1つだけ有する化合物が挙げられる。
イソシアネート基と反応可能な水素を1つだけ有する化合物としては、例えば、メタノール、エタノール等のモノオール化合物が挙げられる。
アミノ基を1つだけ有する化合物としては、1級アミノ基又は2級アミノ基を有する化合物を使用することができ、例えば、ジエチルアミン、モルホリン等が挙げられる。
1級アミノ基を1つ有する化合物は、反応可能な水素を2つ有しているが、1つの反応可能な水素が反応した後に残った反応可能な水素は反応性が低いので、実質的に単官能と同等となる。
末端停止剤の添加量は、鎖延長反応後に残存する末端イソシアネート基の1モルに対して、末端停止剤が1モル以上2モル以下となる割合であることが好ましい。末端停止剤の添加量が1モル未満では、停止反応後にイソシアネート基が残るので、得られるウレタン樹脂が不安定になる。一方、末端停止剤の添加量が2モルを超えると低分子量のウレタン樹脂が増加する傾向にある。
【0041】
(B)ウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1万〜30万、より好ましくは3万〜25万、更に好ましくは5万〜20万である。1万以上であれば、粘着特性、特に保持力が向上する傾向にあるため好ましく、30万以下であれば、ゲル化を回避することができる。
【0042】
<(C)粘着付与樹脂>
本発明で用いる粘着剤は、(C)粘着付与樹脂(以下、「(C)成分」ともいう)を含有する。(C)粘着付与樹脂を含有することで、粘着剤層を薄膜化しても所望の十分に高い粘着力を得ることができると共に、粘着剤層の基材への密着性を向上させ、粘着剤の被着体への移行を抑制することができ、特にこれらの効果は、低温環境下において顕著に現れる。
【0043】
(C)粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の天然樹脂系粘着付与樹脂、ピュア・モノマー系石油樹脂等の重合系粘着付与樹脂やフェノール系樹脂等の縮合系粘着付与樹脂である合成樹脂系粘着付与樹脂が挙げられる。
これらの中でも、相溶性、粘着剤層の基材への密着性、及び粘着力の向上の観点から、テルペン系樹脂が好ましく、テルペンフェノール樹脂又は水素添加テルペンフェノール樹脂がより好ましい。
【0044】
(C)粘着付与樹脂の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、8〜35質量部であるが、好ましくは10〜30質量部、より好ましくは15〜25質量部である。
当該含有量が10質量部未満であると、粘着力が十分に向上せず、また、粘着剤層の基材への密着性が低下し、粘着剤の移行が発生する。一方、35質量部を超えると、特に低温環境下において、粘着力が低下すると共に、粘着剤層の基材への密着性が低下し、ジッピングの発生が見られる。
【0045】
(C)粘着付与樹脂の軟化点としては、粘着剤層の基材への密着性と粘着性能の向上の観点から、好ましくは80〜150℃、より好ましくは90〜140℃、更に好ましくは95〜130℃である。なお、本発明において軟化点は、JIS K 2531に準拠して測定した値である(以下同じ)。
【0046】
<(D)架橋剤>
本発明で用いる粘着剤は、凝集力を高めて所望の粘着力を得る観点から、(A)成分中の架橋性官能基と反応しうる架橋剤を含有する。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤及びアミン系架橋剤、アミノ樹脂系架橋剤等を挙げられる。
【0047】
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
なお、多価イソシアネート化合物は、上記化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、イソシアヌレート環を含むイソシアヌレート型変性体であってもよい。
【0048】
エポキシ系架橋剤としては、分子中に2個以上のエポキシ基又はグリシジル基を有するものであれば、特に限定されないが、分子中に2個以上のグリシジル基を含む多官能性エポキシ化合物が好ましい。
分子中に2個以上のグリシジル基を含む多官能性エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸グリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル及びポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ又はトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジ又はトリグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン等のジグリシジルアミン等が挙げられる。
【0049】
アジリジン系架橋剤としては、特に限定はされないが、その具体例として、1,1’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、1,1’−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、2,4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパン−トリス−(2−アジリジニルプロピオネート)等が挙げられる。
【0050】
金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属にアセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物等が挙げられる。
【0051】
アミン系架橋剤としては、ポリアミン、例えば脂肪族ポリアミン(例えばトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、エタノールアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ−2−スピロ[5.5]ウンデカン等)ならびにこれらの塩;芳香族ポリアミン(例えばジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0052】
アミノ樹脂系架橋剤としては、例えば、メトキシ化メチロール尿素、メトキシ化メチロールN,N−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等が挙げられるが、好ましくはメトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン、及びメチロール化ベンゾグアナミン等を挙げることができる。
【0053】
これらの中でも、粘着剤層を薄膜化した場合でも高い粘着力を得る観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。なお、上記の架橋剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0054】
架橋剤の含有量は、粘着剤層を薄膜化しても高い粘着力を得る観点から、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜8質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。
【0055】
<その他の成分>
本発明で用いる粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を配合することができる。その他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤及び濡れ性調整剤等が挙げられる。
【0056】
[基材]
本発明の両面粘着シートに用いられる基材としては、特に制限は無く、両面粘着シートの使用目的に応じて適宜選定される。例えば、レーヨン、アクリル、ポリエステル等の繊維を用いた織布又は不織布;上質紙、グラシン紙、含浸紙、コート紙等の紙類;アルミ、銅等の金属箔;ウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体等の発泡体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム;これらの2種以上の積層体等を挙げられる。
これらの中でも、薄膜化に伴って要求される厚みの精度、表面平滑性、入手の容易さの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムやポリ塩化ビニルフィルムが好ましい。
【0057】
基材の厚みとしては、取り扱い易さの観点、及び極薄化された両面粘着シートを得る観点から、好ましくは1〜12μm、より好ましくは1.5〜8μm、更に好ましくは2〜6μmである。
【0058】
[剥離材]
本発明の両面粘着シートに用いられる剥離材としては、特に制限が無いが、取り扱い易さの観点から、基材上に剥離剤を塗布した剥離シートが好ましい。剥離シートは、基材の両面に剥離剤が塗布され剥離処理がされたものでもよく、基材の片面のみに剥離剤が塗布され剥離処理がされたものでもよい。
剥離シートの基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、又はポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルム等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0059】
剥離シートの厚さとしては、特に制限はないが、通常20〜200μm、好ましくは25〜150μmである。
その剥離シートの剥離剤からなる層の乾燥後の厚さとしては、特に限定されないが、剥離剤を溶液状態で塗布する場合は、好ましくは0.01〜2.0μm、より好ましくは0.03〜1.0μmであり、剥離シートの基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、プラステックフィルムの厚さが、好ましくは3〜50μm、より好ましくは5〜40μmである。
【0060】
[両面粘着シートの製造方法]
本発明の両面粘着シートの製造方法は、特に限定されない。例えば、図1(a)に示す両面粘着シート1aであれば、基材11の一方の面上に、粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着剤層12aを形成した後、基材11の他方の面上に、同様に粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着剤層12bを形成して作製することができる。また、図1(b)に示す両面粘着シート1bであれば、剥離材13aの面上に、粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着剤層12aを形成した後、該粘着剤層12a上に、基材11を貼り合わせ、片面粘着シートを作製する。また、別途、剥離材13bの面上に、同様にして粘着剤を塗布し、乾燥させて粘着剤層12bを形成したものを用意し、粘着剤層12bと、先程作製した片面粘着シートの基板11の粘着剤層12aとは反対の面と貼り合わせて、剥離材付きの両面粘着シート1bを作製することができる。また、更にその剥離材を除去し、図1(a)の両面粘着シート1aとすることもできる。
【0061】
本発明の粘着剤を塗布する際、基材上に厚みの薄い粘着剤層を形成しやすくするために、有機溶媒で希釈することが好ましい。
用いる有機溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの有機溶媒を配合して、用いる粘着剤を適度な固形分濃度とすることで、薄膜化した粘着剤層を形成することができる。用いる粘着剤の固形分濃度としては、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜40質量%である。5質量%以上であれば、溶剤の使用量としては十分であり、60質量%以下であれば、適度な粘度となり、粘着剤溶液を塗布するに際して作業性が良好となる。
なお、上記粘着剤中に含まれる樹脂の生成に際し、生成した樹脂が有機溶媒に含有された状態である場合、同じ有機溶媒を用いて希釈し、上記固形分濃度となるように調製してもよい。
【0062】
基材上又は剥離材上に粘着剤層を形成する方法は、特に制限はなく、例えば、上記の有機溶媒を配合した粘着剤(溶液)を公知の塗布方法により形成する方法が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の公知の方法が挙げられる。
また、溶剤や低沸点成分の残留を防ぐと共に、架橋剤が配合されている場合には架橋(反応)を進行させて粘着性を発現するために、基材や剥離材に塗布した後、加熱処理をすることが好ましい。
加熱処理の温度条件としては、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜120℃である。加熱処理の処理時間としては、好ましくは30秒〜5分間、より好ましくは40〜180秒間である。
【0063】
[両面粘着シートの物性]
以上のようにして作製される本発明の両面粘着シートの常温(23℃、50%RH(相対湿度))での粘着力は、実施例で記載の測定方法において、好ましくは5.0N/25mm以上、より好ましくは6.0N/25mm以上、更に好ましくは6.5N/25mm以上、より更に好ましくは6.8N/25mmである。
また、本発明の両面粘着シートは、低温においても優れた粘着性能を示す。本発明の両面粘着シートの低温(5℃、50%RH)での粘着力は、実施例で記載の測定方法において、好ましくは5.0N/25mm以上、より好ましくは6.0N/25mm以上、更に好ましくは6.5N/25mm以上、より更に好ましくは7.0N/25mm以上である。
更に、本発明の両面粘着シートは、常温及び低温のいずれの環境下においても、粘着剤層の基材への密着性に優れているため、粘着剤の被着体への移行を抑制し得る。
【実施例】
【0064】
以下の実施例の記載において示された重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製「HLC−8020」を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた値である。
(測定条件)
カラム:「TSK guard column HXL−H」「TSK gel GMHXL(×2)」「TSK gel G2000HXL」(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
【0065】
製造例1
(アクリル系共重合体溶液の調製)
単量体成分として、アクリル酸ブチル90質量部、及びアクリル酸10質量部、溶剤として、酢酸エチル200質量部、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を反応器に入れ混合した。4時間窒素ガスで脱気を行い、60℃まで徐々に昇温した後、24時間撹拌しながら重合反応を行ない、アクリル系共重合体を含む酢酸エチル溶液(固形分濃度:約33質量%、重量平均分子量:65万)を得た。
【0066】
製造例2
(ウレタン樹脂溶液の調製)
(b1)ジオールとして、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:2000)100質量部、(b2)多価イソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート10.1質量部(NCO基/OH基(モル比)=1.2)、触媒として、ジブチル錫ジラウレート0.01質量部、85℃まで徐々に昇温した後、2時間撹拌し、末端イソシアネートウレタンプレポリマーを得た。
得られた末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、トルエン110質量部を加え室温まで除冷した後に、(b3)鎖延長剤として、(b4)成分にあたる1,4−ブタンジオールを0.48質量部、(b5)成分にあたるトリメチロールプロパンを0.12質量部滴下し、70℃まで徐々に昇温した後、2時間撹拌し、ウレタン樹脂を含むトルエン溶液(固形分濃度:約50.2質量%、重量平均分子量:16万)を得た。
【0067】
実施例1
(A)アクリル系共重合体として、製造例1で調製したアクリル系共重合体の酢酸エチル溶液20質量部(固形分)、(B)ウレタン樹脂として、製造例2で調製したウレタン樹脂のトルエン溶液80質量部(固形分)、(C)粘着付与樹脂として、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT100」、軟化点:95〜105℃)のトルエン溶液10質量部(固形分)、(D)架橋剤として、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」、トリレンジイソシアネートの変性体(トリメチロールプロパン付加物)の酢酸エチル溶液(固形分75質量%))2質量部(固形分)の混合物を、固形分が10質量%となるように酢酸エチルで希釈し、粘着剤組成物の溶液を得た。
この溶液をシリコーン処理された38μmポリエステルフィルム(リンテック社製、商品名「SP−PET381031」)に、乾燥後の粘着剤層の厚さが1μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥した後に、基材として、厚さ2μmのポリエステルフィルム(東レ社製、商品名「ルミラー 2D C61」)に貼合した(第1の粘着剤層を貼合)。次に、前記溶液をシリコーン処理された38μmポリエステルフィルム(リンテック社製、商品名「SP−PET382150」)に乾燥後の粘着剤層の厚さが1μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥した後に、基材の第1の粘着剤層が貼合された側とは反対側の面に貼合させ、両面粘着シートを得た。
【0068】
実施例2
(C)成分として、テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT100」)のトルエン溶液を20質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0069】
実施例3
(C)成分として、テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT100」)のトルエン溶液を30質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0070】
実施例4
(C)成分として、水素添加テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターNH125」、軟化点:120〜130℃)のトルエン溶液を10質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0071】
実施例5
(C)成分として、水素添加テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターNH125」)のトルエン溶液を20質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0072】
実施例6
(C)成分として、水素添加テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターNH125」)のトルエン溶液を30質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0073】
比較例1
(C)成分として、テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT100」)のトルエン溶液を5質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0074】
比較例2
(C)成分として、テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT100」)のトルエン溶液を40質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0075】
比較例3
(C)成分として、水素添加テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターNH125」)のトルエン溶液を5質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0076】
比較例4
(C)成分として、水素添加テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターNH125」)のトルエン溶液を40質量部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0077】
比較例5
(C)成分の粘着付与剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物の溶液を調製し、両面粘着シートを得た。
【0078】
以上のようにして得た両面粘着シートについて、以下の試験を行って評価した。その評価結果を表1に示す。
(試験1)粘着力測定
粘着シート作製後、23℃、50%RH環境下で、剥離シート(SP−PET381031)を剥がし、厚さ25μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂株式会社製 商品名「T100」)に貼合した後、25mm×300mmにカットした粘着シート試験片のもう一方の剥離シート(SP−PET381031)を剥がし、粘着剤層を介して被着体(SUS304鋼板)に貼付し、試験サンプルとした。JIS Z0237:2000に基づき、貼付後24時間時点の粘着力を180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分にて測定した。また、測定時の剥離形態を観察した。表1に示す剥離形態は、以下の状態を示している。
・界面破壊:粘着剤層と被着体との界面において、界面破壊が見られた。
・粘着剤移行:粘着剤の被着体への移行が見られた。
・ジッピング:粘着剤のジッピングの発生が見られた。
【0079】
(試験2)低温粘着力測定
粘着シート作製後、5℃、50%RH環境下で、25mm×300mmにカットした粘着シート試験片を被着体(SUS304鋼板)に貼付して試験サンプルとした。JIS Z0237:2000に基づき、貼付後24時間時点の粘着力を180°引き剥がし法による引張り速度300mm/分にて測定した。また、測定時の剥離形態を観察した。表1に示す剥離形態は、上述の試験1にて示す状態と同じである。
【0080】
【表1】

【0081】
表1より、本発明の実施例1〜6で得られた両面粘着シートは、常温及び低温のいずれにおいても、優れた粘着力を有すると共に、粘着剤層の基材への密着性が良好であるため、粘着剤の被着体への移行が見られない。
一方、比較例1、3、5の両面粘着シートは、粘着力が不十分であり、粘着剤層の基材への密着性が劣り、被着体への粘着剤の移行が見られた。また、比較例2、4の両面粘着シートは、低温での環境下において、常温環境下に比べて粘着力が著しく低下し、更にジッピングの発生が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の両面粘着シートは、粘着剤層を薄膜化しても、十分に高い粘着力を有すると共に、粘着剤層の基材への密着性が優れているため、粘着剤の被着体への移行が見られない両面粘着シートとなり得、特にこれらの効果は、低温環境下で顕著である。そのため、携帯型電子機器の小型化ならびに薄型化に貢献でき、特に低温環境下で用いることの多い電子機器や光学機器等の用途に好適である。
【符号の説明】
【0083】
1a、1b 両面粘着シート
11 基材
12a、12b 粘着剤層
13a、13b 剥離材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートであって、
前記粘着剤層を構成する粘着剤が、(A)架橋性官能基を有するアクリル系共重合体と、(B)ウレタン樹脂と、(C)粘着付与樹脂と、(D)架橋剤とを含有し、
(C)粘着付与樹脂の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、8〜35質量部である、両面粘着シート。
【請求項2】
(C)粘着付与樹脂が、テルペンフェノール樹脂又は水素添加テルペンフェノール樹脂である、請求項1に記載の両面粘着シート。
【請求項3】
(B)ウレタン樹脂が、(b1)ジオールと(b2)多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、(b3)鎖延長剤を反応させて得られるものであり、(b3)鎖延長剤が、(b4)水酸基及び/又はアミノ基を2つ有する化合物及び(b5)水酸基及び/又はアミノ基を3つ以上有する化合物である、請求項1又は2に記載の両面粘着シート。
【請求項4】
(b1)ジオールが、分子量1,000〜3,000のグリコールである、請求項3に記載の両面粘着シート。
【請求項5】
(b4)成分と(b5)成分との質量比〔(b4)/(b5)〕が、70/30〜100/0である、請求項3又は4に記載の両面粘着シート。
【請求項6】
(A)成分の架橋性官能基が、エチレン性不飽和カルボン酸又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル由来のものである、請求項1〜5のいずれかに記載の両面粘着シート。
【請求項7】
(D)架橋剤が、イソシアネート系架橋剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の両面粘着シート。
【請求項8】
(A)アクリル系共重合体と(B)ウレタン樹脂との質量比〔(A)/(B)〕が、1/99〜40/60である、請求項1〜7のいずれかに記載の両面粘着シート。
【請求項9】
(A)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)が、30万〜150万である、請求項1〜8のいずれかに記載の両面粘着シート。
【請求項10】
粘着剤層の厚みが0.1〜5.0μm、基材の厚みが1〜12μmである、請求項1〜9のいずれかに記載の両面粘着シート。

【図1】
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【公開番号】特開2013−32472(P2013−32472A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170063(P2011−170063)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】