説明

二酸化炭素の還元方法および還元力供与システム

【課題】 大気中の二酸化炭素や燃焼排ガス中の二酸化炭素を資源として有効利用するため、水蒸気と二酸化炭素から、メタノール、ホルムアルデヒドなどの有用な有機化合物を生成する方法を提供する。あるいは植物が行う光合成の明反応類似の効果を発現するシステムを提案する。
【解決手段】 水蒸気と二酸化炭素を含む混合気体中に、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物を電気伝導性物質上に散布した構成体を配置し、一体化物に紫外光を照射する。酸化能力に優れる光触媒が、二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素の単一金属または単一の半導体元素}の一体化物、あるいは、二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素の少なくとも2種類の混合物}の一体化物であり、還元能力に優れる光触媒が、白金担持二酸化チタンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊な光触媒を用いることにより紫外線照射の下で水蒸気と二酸化炭素から、メタノール、ホルムアルデヒド等の有用な有機化合物を常温で生成する技術に関する。さらに、植物が行う光合成の明反応類似の作用を実現する還元力供与体(つまり電子供与体)の技術にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大気中の二酸化炭素濃度の増加により大気の温暖化が進み、異常気象が頻発して地球規模での大きな社会問題になっている。そこで、排気ガス中の二酸化炭素を回収処理する研究が行なわれている。また、この二酸化炭素を資源として有用な有機化合物に変換する研究が行われており、これらの研究の重要性は益々高まって来ている。
【0003】
それらの研究の中で、光触媒を用いて二酸化炭素分子を構成する炭素を低分子量有機物として固定化する試みは1970年代の後半に、高エネルギーの紫外線を用いて反応生成物を分析して可能性を示した報告が有るとされ、その後、大気の温暖化が観測されて研究が活発になっているが実用には至っていない。また、植物の光合成を参考にして新規な有機化合物を合成する方法も活発に研究されているが、実用には遠い状況である。
なお、光触媒を用いた二酸化炭素の固定化実験はほとんどが水中に二酸化チタンの粒子や結晶を浸漬して高エネルギーの紫外光を照射する形態であり、また、酸化され易い犠牲試薬を添加して還元作用を強めるものであり、還元された有機化合物の量も微量であって、本発明がめざす“気相で犠牲試薬なしで空気中の二酸化炭素を実用可能な量で還元”をめざした報告は見出されない。
【0004】
近年、光触媒と二酸化炭素還元触媒を複合化して二酸化炭素と水を原料として太陽光の照射下でメタノールを含む低分子量の有機化合物を製造する提案がなされている。(特許文献1および2参照)
【0005】
しかし特許文献1、2共に、光触媒にて水から水素イオンを生成し、二酸化炭素を供給して二酸化炭素還元触媒の作用によりメタノール等の有機化合物を生成させる技術であり、触媒と光触媒とから構成され、二酸化炭素の還元は光触媒ではなく触媒によって為されることが特徴である。さらに二酸化炭素還元触媒を有効に機能させるためには二酸化炭素還元触媒の近傍を比較的高温の環境にすることが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2003−275599号公報(第1〜6頁)
【特許文献2】 特開2004−59507号公報(第1〜7頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は光触媒を用いて、水蒸気と大気中および排気ガス中の二酸化炭素から、メタノール、ホルムアルデヒド等の有用な有機化合物(主に炭素1分子からなるC1化合物)を常温で生成するための方法を提供することを目的とするものである。また、緑色植物が行っている光合成反応のうちの明反応類似の作用を光触媒によって実現する還元力供与体(つまり電子供与体)を提供することを目指すものである。また、より安価で高性能な光触媒体を提供することを目指すものであり、さらに紫外線照射によって二酸化炭素を還元後に触媒活性を一時的に失っても、再活性化でき、何度でも使用可能な触媒を提供することを目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
光触媒は、その物質特有のバンドギャップエネルギーに相当する波長よりも短波長(高エネルギー)の光を受けると、価電子帯の電子が伝導帯へ励起され還元能を有する電子が生成し、価電子帯には高い酸化能を有する正孔が生じる。光照射で生成する電子と正孔は通常は大部分が再結合して熱として失活するが、一部は拡散し表面に達し、酸化反応や還元反応を起こす。代表的な光触媒としては、二酸化チタン、酸化亜鉛等が知られている。
【0009】
光触媒を用いて水蒸気と二酸化炭素からメタノール、ホルムアルデヒド等の有用な低分子有機化合物を生成する場合には、光触媒がまず水分子に作用して、水素イオン(H)と{水酸化物イオン(OH)または、酸素の酸化生成物}を生成し、次いで生成した水素イオンが二酸化炭素に結合してホルムアルデヒドやメタノール等の低分子有機化合物を生成すると思われる。水酸化物イオンを構成する−2価の酸素は正孔の強い酸化作用により容易に酸素分子(O)が生成すると予想されるが、特に気相の場合には酸素分子は容易に生成せず、水酸化物イオンが残留するために新たな水分子の分解が進まない。また光触媒作用によって生成した電子と正孔のうち、電子が還元反応により消費された後に残った正孔を電気的に消去する工程が無いため正孔が過多になり、引き続いて起こる光触媒作用により生成した電子が残っている正孔と再結合して消滅してしまい電子の供給(還元作用)が顕著に減少してしまう。
【0010】
緑色植物は、色素とタンパク質の複合体が可視光を吸収して励起電子と正孔が生成すると直ちに電子を移動させて電荷分離を行い、同時にマンガン化合物の触媒作用により水酸化物イオンを酸化して酸素分子として放出することで水酸化物イオンと正孔を共に消費することによって、連続して色素とタンパク質の複合体が可視光を吸収して励起電子と正孔が生成することを可能にしている。さらに電子を再度光エネルギーにより励起してより高い還元能を与え適度な還元能を有する還元性化合物を生成(明反応)して次の工程である二酸化炭素の固定化(暗反応)に利用している。
【0011】
本発明者は、以前にも酸化能力に優れる光触媒が、{二酸化チタンと酸化鉄(III)と白金を担持した酸化セリウム(IV)の一体化物}である光触媒を用いた二酸化炭素の還元方法などを提案してきたが、さらに酸化能力に優れた光触媒を鋭意探索し、{二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属または単一半導体との一体化物}または二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素の少なくとも2種以上の混合物との一体化物}}と還元能力に優れた光触媒をさらに一体化し高い電気伝導性を有する板状体上に散布する形態の複合構成体を考案し、水蒸気が分解して生成する水酸化物イオンを酸化能に優れる光触媒により酸化して消費し、同時に還元能に優れる光触媒によって近傍にある物質に電子を供給して還元するシステムを発案した。そして、この複合構成体が二酸化炭素を還元してメタノールやホルムアルデヒドを多量に生成することを確認し、さらに、触媒活性を再活性できることで何度でも使用が可能な事を見出して本発明を完成するに至った。
【0012】
ここで一体化物とは、2種類以上の粒子が圧着し接合した状態の粉体を言う。
【0013】
つまり、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)水蒸気と二酸化炭素を含む混合気体中に、
酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物を電気伝導性物質上に散布した構成体を配置し、
一体化物に紫外光を照射して、
有機化合物を生成させることを特徴とする二酸化炭素の還元方法
(2)酸化能力に優れる光触媒が、二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属、および4価の半導体元素のうちの単一元素}の一体化物、または二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属、および4価の半導体元素の混合物}の一体化物である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(3)2価の金属が、遷移金属である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(4)3価の金属が、アルミニウムである請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(5)4価の金属が、ケイ素である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(6)還元能力に優れる光触媒が、二酸化チタンに白金を担持したものであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(7)電気伝導性物質が、銅板である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(8)二酸化チタンがアナターゼ型であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
(9)水蒸気を含む気体中に、
二酸化チタンと
{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属、単一半導体元素か、または混合物}の一体化物と、
白金を担持した二酸化チタンとの複合一体化物を、
電気伝導性物質上に散布した構成体を配置し、
複合一体化物に紫外光を照射することを特徴とする還元力供与システム
ここで、複合一体化物とは、{二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属か単一半導体元素}または{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素の混合物}}の一体化物と{白金を担持した二酸化チタン}とを圧着・接合させて一体化した複合体であり(1)に記載の「酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物」と同じものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の二酸化炭素の還元方法を用いることにより、紫外光や太陽光の照射により、水蒸気と二酸化炭素を原料として、メタノール、ホルムアルデヒド等の有用な低分子量の有機化合物を生成することが可能となる。メタノールはそれ自体有用な有機化合物であり、ホルムアルデヒドは、より付加価値の高い有機化合物の原料となる。
【0015】
また、本発明の還元力供与システムによって発現する還元力(すなわち電子供与能)は、植物が行う光合成の明反応と類似の作用あるいはより強力な還元作用を提供することができる。
【0016】
被還元剤として二酸化炭素を選択する場合は、空気中に微量に含まれる二酸化炭素でもよいし、二酸化炭素をより多く含む燃焼排ガスでも良いので、近年注目されている二酸化炭素の削減ならびに再資源化となる。
【0017】
さらに、本発明に含まれる一体化物は、紫外線を照射すると、二酸化炭素を還元するが照射の途中または照射を終了した後に、一時的に触媒活性を失う。しかし、乾燥剤を入れた冷蔵庫内で24時間以上、好ましくは48時間以上保存すると、触媒活性を取り戻し、今回の実験では、再活性させつつ紫外線照射を5回繰り返しても、初期と同程度または、それ以上の触媒活性を示した。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、水蒸気と二酸化炭素を含む混合気体中に、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物を電気伝導性物質上に散布した構成体を配置し、一体化物に紫外光を含む光を照射する。
【0019】
光触媒粒子は、同一粒子表面に酸化サイトと還元サイトを有している。本発明の構成成分である酸化能力にすぐれる光触媒も酸化サイトのみならず還元サイトも有するので、酸化能力にすぐれる光触媒のみを用いても二酸化炭素の還元は可能であるが、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物の形態で用いたほうが二酸化炭素の還元能力が高く好ましい。
【0020】
また、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物を特に電気伝導性物質上に散布しなくとも二酸化炭素が還元されるが、電気伝導性物質上に散布したほうが、二酸化炭素の還元が増大する。
【0021】
そこで、本発明を実施するための形態として、例えば光が透過する袋状、箱状または管状容器の底部に、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物を電気伝導性の板または箔上に散布した構成体を配置し、二酸化炭素ガスと水蒸気を含む混合気体を容器内に導入し、上部から紫外光を含む光を照射すれば良い。光源は容器の外側でも良いし、内部に設置しても良い。混合気体は一定時間ごとに交換しても良いし連続で流しても良い。
【0022】
酸化能力に優れる光触媒としては、二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属、単一半導体元素か、または{2価の金属、3価の金属、4価の半導体電素の混合物}}の一体化物が好ましい。
【0023】
2価の金属としては、銅が好ましく、化学式はCuである。なお、銅以外でも2価の遷移金属を用いることが出来、亜鉛(Zn)、すず(Sn)、コバルト(Co)等を用いることが出来る。
【0024】
3価の金属としては、アルミニウム(Al)が好適である。
【0025】
4価の半導体元素としては、ケイ素(Si)が好適である。
【0026】
2価の金属、3価の金属、4価の半導体元素は、それぞれ単一で、二酸化チタンと一体化させてもよいし、{2価の金属、3価の金属、4価の半導体元素}の少なくとも2種類の金属および半導体元素の混合物であっても良い。また、同じ価の金属の混合物であっても良く、別の価の金属との混合物であっても良く金属と半導体元素との混合物であっても良い。
【0027】
ここで一体化とは、{二酸化チタン粒子と{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属か単一半導体元素}または二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素の混合物}}が圧着し接合した状態を言い2種類以上の個体粒子が機械的な力で圧着、接合し一体になったものである。
【0028】
さらに本発明の還元能力に優れる光触媒としては、白金を担持した二酸化チタンが好ましい。
【0029】
白金の担持方法としては水溶性白金化合物を溶解した水溶液中に二酸化チタンを分散させ、紫外光を照射して二酸化チタン表面に白金を沈殿させる光デポジション法が好適である。
【0030】
本発明に用いる二酸化チタンとしては粒径の小さなものほど表面積が大きいので好ましいが粒状であれば市販の材料でも良い。二酸化チタンを用いる場合は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型を用いる事が出来るがアナターゼ型が特に好ましい。粒径は小さいほど単位重量当たりの表面積が大きくなるので好ましく、100nm以下が好ましく特に10nm以下がこのましい。
【0031】
本発明に用いる2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素としては、試薬や市販の粉体状工業原料を用いることができるが、純度が高く粒径が小さいほど好ましい。
【0032】
本発明の酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物は、調整中は低温で除湿した大気中で、調整後は低温で減圧乾燥した状態などに保つのが好ましい。調整に使用する原料も低温で表面が清浄な状態で保管するのが好ましい。
【0033】
不活性ガスである窒素は、一般的には、粉体の保存に適するが、再活性化の実験を行う中で、二酸化チタンの場合には、表面への多層物理吸着による触媒活性の低下の恐れが考えられてきたので、保存に使用の可否は、現行では不明である。
【0034】
また本発明の二酸化炭素の還元は室温で実施できるが、還元時の温度を限定しない。
すなわち、一体化物を50〜300℃程度に加熱した状態で還元を実施してもよいし、1〜10℃程度の低温で実施してもよい。
【0035】
次に、本発明の構成成分である、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒の調製方法について述べる。
【0036】
まず、酸化能力に優れる光触媒の調製方法は、乳鉢に二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属か、または混合物}を取りスパチェラ等で均一に混ぜてから強くこすって圧着すればよい。さらに混合後に700℃以下で焼成、粉砕してもよい。700℃以上に昇温すると二酸化チタンがアナターゼ型からルチル型へ変化し易いので好ましくない。また、混合する場合には、各種のボールミルで摩砕・接合しても良い。
【0037】
酸化能力に優れる光触媒の配合割合(重量比)は、二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属か、または混合物}の一体化物の場合には、二酸化チタン/{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属か、または混合物}=30/70〜70/30が好ましい。また、混合物の場合は混合する金属は任意の割合で混合すれば良い。
【0038】
本発明で、配合割合は重量比であり、以下も同じである。
【0039】
酸化能力に優れる光触媒成分と還元能力に優れる光触媒成分の好ましい配合割合は、(酸化能力に優れる光触媒成分)/(還元能力に優れる光触媒成分)=20/80〜80/20が好ましい。使用する粒子の粒径によって、好適な比率を選択する。
【0040】
還元能力に優れる光触媒としては、微粒子アナターゼ型二酸化チタンをそのまま用いても良いが、微粒子アナターゼ型二酸化チタンに白金を光デポジション法によって担持したものを用いるのが好ましい。また、二酸化チタンに水溶性アルカリ化合物を含浸、乾燥、焼成し粉砕したもの(二酸化チタン・アルカリ化合物複合体)を用いても良いし、二酸化チタン・アルカリ化合物複合体に白金を光デポジション法によって担持したものを用いても良いが、白金を光デポジション法によって担持したものを用いるのが最適である。
【0041】
本発明においては、酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒を一体化して用いるが、一体化は両者がほぼ均一に混合され接合していれば良く、乳鉢ですりつぶす程度でよい。工業的には、ボールミル等で圧接できる。
【0042】
次いで、上記の酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒の一体化物を、電気伝導性物質(例えば銅板)上に散布するが、散布方法は、単に上部から電気伝導性物質上に平面的に均一に落下させてもよく、落下させた後に金属板やプラスチック板で軽くこすってさらに均一に分布させても良い。
【0043】
さらに、本発明の他の構成成分について述べる。
【0044】
本発明に用いる水蒸気は、大気中に存在する水蒸気を用いてもよいし、大気が乾燥している場合には水を蒸発させて加湿してもよい。本発明時の実験においては、真夏の高温、高湿度の場合に、エタノール、ホルムアルデヒドの発生量が高い傾向が認められた。また、水は、不純物が少ないほうがよく、純水やミネラルウォーターが好適である。
【0045】
本発明に使用する二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素、燃焼排ガス中の二酸化炭素等を用いる事ができる。燃焼排ガス中の二酸化炭素濃度は、大気中の二酸化炭素濃度よりも格段に高いので、一体化物との接触頻度が増して有用な有機物の生成に有利である。燃焼排ガスを用いる場合にはエアフィルタ等で排ガス中の微粒子を除去し、水蒸気と二酸化炭素以外のガス成分を除去したほうが良い。また、大気中の二酸化炭素を濃縮してもよい。なお、実施例においては不利な場合を想定して大気を用いている。
【0046】
本発明に使用する電気伝導性物質は、電気伝導度の高い物質なら種類を選ばないが、銅やアルミニウムなどの金属の板状または箔状のものが好ましく、特に銅板が好ましい。
【0047】
本発明に使用する紫外線を含む光源は、紫外線ランプ、ブラックライト等の紫外線を含む光源でも良いし、太陽光でも良い。本発明は二酸化炭素ガスを還元して化学などの産業原料として有効な低分子有機化合物を生み出すものであるから、工場建屋内で実施される場合が多いと思われ、特に自然光にこだわる必要はなく、安価な紫外線源を用いるのが好い。ブラックライトと同様な波長のLEDが入手できれば、長寿命で、使用電力に対して高効率で、波長としても無駄なく利用できるので最も好ましいと思われる。
【0048】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」および「部」は特に別途注記しない限り重量基準である。
【実施例1】
【0049】
1.1 本発明の酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物の調整
1.1.1 酸化能力に優れる光触媒の調製
乳鉢にテイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100(粒径6nm 比表面積260m/g)の0.5gと関東化学株式会社製試薬特級のアルミニウム(粉末)の0.5gを取り均一にかきまぜた後強く擦りながらかき混ぜて酸化能力に優れる光触媒を調製した。
1.1.2 還元能力に優れる光触媒の調製
内径93mmのガラス製シャーレにテイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の1.0gを取り、純水30mlを加えて攪拌し1%塩化白金酸水溶液0.3gを加えて攪拌し、試薬特級エタノール0.1gを加えて攪拌し20Wブラックライト直下10cmに置きブラックライトを20時間照射した後、120℃1時間乾燥して、白金担持二酸化チタンを調製した。
1.1.3 本発明の一体化物の調製および低温除湿
1.1.1で得られた酸化能力に優れる光触媒と1.1.2で得られた還元能力に優れる光触媒を乳鉢に1:1の比率で計1.0g取り軽くかき混ぜて本発明の一体化物(二酸化チタン:アルミニウム:白金担持二酸化チタン=1:1:2)を調製しガラスシャーレに入れて、エステー株式会社製家庭用除湿剤ドライペット(成分塩化カルシウム)を入れた冷蔵庫中で48時間除湿した。取り出し時の冷蔵庫内の温湿度は4.4℃、湿度は22%であった。
1.2 二酸化炭素の還元実験
内径68mmのガラス製シャーレに銅板を敷いたものを冷蔵庫中で冷やしておき取り出し、1.1.3で得られた本発明の一体化物の0.2gを銅板上に散布してガスバリア袋(大倉工業株式会社製、OE−4)に入れ、入り口を熱シールする。ガスバリア袋に1cm角のウレタンテープを貼り、袋内の空気が約1000mlになるように注射器で空気を注入する。このガスバリア袋をブラックライト(東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W))直下10cmの位置に設置し、ブラックライトを1時間照射する。照射後、袋内のメタノールガス濃度を北川式ガス検知管No119U、ホルムアルデヒドガス濃度を北川式ガス検知管No171SAを用いて測定し、光触媒1gで1時間照射あたりのメタノールガスおよびホルムアルデヒドガスのμmol数を算出(ガス濃度(ppm)×1000ml/(光触媒重量(g)×22400))した。注入した空気の温度は29.0℃湿度69%であり、測定結果は表1の通りであった。
【実施例2】
【0050】
(実施例1)の繰り返し実験(再活性化の確認実験)
2.1.実験に使用した器具と使用した粉体。
使用した器具と粉体は、(実施例1)で使用したものと同一である。
2.2.繰り返し実験
生成物(メタノール、ホルムアルデヒド)の測定は省略して、(実施例1)と同様に3回実施した。
((実施例1)と2.2.の実験を加えると二酸化炭素の還元実験累積回数は、4回になっている。)
2.3.繰り返し合計5回目の実験
2.3.1 本発明の一体化物の調製および低温除湿
(実施例1)で使用した試験体(シャーレに銅板と一体化物を入れたもの)を除湿剤を入れた冷蔵庫中で48時間除湿した。取り出し時の冷蔵庫内の温湿度は5.3℃、湿度は24%であった。
2.3.2 二酸化炭素の還元実験
取り出した試験体をガスバリア袋(大倉工業株式会社製、OE−4)に入れ、入り口を熱シールする。ガスバリア袋に1cm角のウレタンテープを貼り、袋内の空気が約1000mlになるように注射器で空気を注入する。このガスバリア袋をブラックライト(東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W))直下10cmの位置に設置し、ブラックライトを1時間照射する。照射後、袋内のメタノールガス濃度を北川式ガス検知管No119U、ホルムアルデヒドガス濃度を北川式ガス検知管No171SAを用いて測定し、光触媒1gで1時間照射あたりのメタノールおよびホルムアルデヒドガスのμmol数を算出(ガス濃度(ppm)×1000ml/(光触媒重量(g)×22400))した。注入した空気の温度は31.7℃湿度69%であり、測定結果は表1の通りであった。
【実施例3】
【0051】
3.1 本発明の酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物の調整
3.1.1 酸化能力に優れる光触媒の調製
乳鉢にテイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100(粒径6nm 比表面積260m/g)の0.5gと関東化学株式会社製試薬特級の銅(粉末)の0.5gを取り均一にかきまぜた後強く擦りながらかき混ぜて酸化能力に優れる光触媒を調製した。
3.1.2 還元能力に優れる光触媒の調製
内径93mmのガラス製シャーレにテイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の1.0gを取り、純水30mlを加えて攪拌し1%塩化白金酸水溶液0.3gを加えて攪拌し、試薬特級エタノール0.1gを加えて攪拌し20Wブラックライト直下10cmに置きブラックライトを20時間照射した後、120℃1時間乾燥して、白金担持二酸化チタンを調製した。
3.1.3 本発明の一体化物の調製および除湿
3.1.1で得られた酸化能力に優れる光触媒と3.1.2で得られた還元能力に優れる光触媒を乳鉢に1:1の比率で計1.0g取り軽くかき混ぜて本発明の一体化物(二酸化チタン:銅粉末:白金担持二酸化チタン=1:1:2)を調製し銅板を敷いたガラスシャーレ内に散布して、家庭用除湿剤を入れた冷蔵庫中で48時間低温除湿した。冷蔵庫内の温度は4.1℃、湿度は24%であった。
3.2 二酸化炭素の還元実験
内径68mmのガラス製シャーレに銅板を敷いたものを冷蔵庫内で冷やしておき、取り出し、3.1.3で得られた本発明の一体化物の0.2gを銅板上に散布してガスバリア袋に入れ、入り口を熱シールする。ガスバリア袋に1cm角のウレタンテープを貼り、袋内の空気が約1000mlになるように注射器で空気を注入する。このガスバリア袋をブラックライト(東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W))直下10cmの位置に設置し、ブラックライトを1時間照射する。照射後、メタノールガス濃度を北川式ガス検知管No119Uを用いて測定し、光触媒1gで1時間照射あたりのメタノールガスのμmol数を算出した。注入した空気の温度は32.0℃湿度67%であり、測定結果は表1の通りであった。
【実施例4】
【0052】
(実施例3)の繰り返し実験(再活性化の確認実験)
4.1.実験に使用した器具と使用した粉体。
使用した器具と粉体は、(実施例3)で使用したものと同一である。
4.2.繰り返し実験
生成物(メタノール、ホルムアルデヒド)の測定は省略して、(実施例3)と同様に3回実施した。((実施例1)と4.2.の実験を加えると二酸化炭素の還元実験累積回数は、4回になっている。)
4.3.繰り返し合計5回目の実験
4.3.1 本発明の一体化物の調製および低温除湿
(実施例1)で使用した試験体(シャーレに銅板と一体化物を入れたもの)を除湿剤を入れた冷蔵庫中で48時間除湿した。取り出し時の冷蔵庫内の温度は4.3℃、湿度は28%であった。
4.3.2 二酸化炭素の還元実験
取り出した試験体をガスバリア袋(大倉工業株式会社製、OE−4)に入れ、入り口を熱シールする。ガスバリア袋に1cm角のウレタンテープを貼り、袋内の空気が約1000mlになるように注射器で空気を注入する。このガスバリア袋をブラックライト(東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W))直下10cmの位置に設置し、ブラックライトを1時間照射する。照射後、袋内のメタノールガス濃度を北川式ガス検知管No119Uを用いて測定し、光触媒1gで1時間照射あたりのメタノールガスのμmol数を算出(ガス濃度(ppm)×1000ml/(光触媒重量(g)×22400))した。注入した空気の温度は32.1℃湿度66%であり、測定結果は表1の通りであった。
【実施例5】
【0053】
5.1 本発明の酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物の調整
5.1.1 酸化能力に優れる光触媒の調製
乳鉢にテイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100(粒径6nm 比表面積260m/g)の0.5gと関東化学株式会社製試薬特級のけい素(粉末状)純度4Nの0.5gを取り均一にかきまぜた後強く擦りながらかき混ぜて酸化能力に優れる光触媒を調製した。
5.1.2 還元能力に優れる光触媒の調製
内径93mmのガラス製シャーレにテイカ株式会社製アナターゼ型の結晶構造を有する白色の二酸化チタンAMT−100の1.0gを取り、純水30mlを加えて攪拌し1%塩化白金酸水溶液0.3gを加えて攪拌し、試薬特級エタノール0.1gを加えて攪拌し20Wブラックライト直下10cmに置きブラックライトを20時間照射した後、120℃1時間乾燥して、白金担持二酸化チタンを調製した。
5.1.3 本発明の一体化物の調製および低温除湿
5.1.1で得られた酸化能力に優れる光触媒と5.1.2で得られた還元能力に優れる光触媒を乳鉢に1:1の比率で計1.0g取り軽くかき混ぜて本発明の一体化物(二酸化チタン:ケイ素:白金担持二酸化チタン=1:1:2)を調製しガラスシャーレに入れて、エステー株式会社製家庭用除湿剤ドライペット(成分塩化カルシウム)を入れた冷蔵庫中で48時間除湿した。取り出し時の冷蔵庫内の温湿度は3.1℃、湿度は24%であった。
1.2 二酸化炭素の還元実験
内径68mmのガラス製シャーレに銅板を敷いたものを冷蔵庫内で冷却しておき、取り出し、1.1.3で得られた本発明の一体化物の0.2gを銅板上に散布してガスバリア袋(大倉工業株式会社製、OE−4)に入れ、入り口を熱シールする。ガスバリア袋に1cm角のウレタンテープを貼り、袋内の空気が約1000mlになるように注射器で空気を注入する。このガスバリア袋をブラックライト(東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W))直下10cmの位置に設置し、ブラックライトを1時間照射する。照射後、袋内のメタノールガス濃度を北川式ガス検知管No119U、ホルムアルデヒドガス濃度を北川式ガス検知管No171SAを用いて測定し、光触媒1gで1時間照射あたりのメタノールガス、およびホルムアルデヒドガスのμmol数を算出(ガス濃度(ppm)×1000ml/(光触媒重量(g)×22400))した。注入した空気の温度は31.8℃湿度66%であり、測定結果は表1の通りであった。
【実施例6】
【0054】
(実施例5)の繰り返し実験(再活性化の確認実験)
6.1.実験に使用した器具と使用した粉体。
使用した器具と粉体は、(実施例5)で使用したものと同一である。
6.2.繰り返し実験
生成物(メタノール、ホルムアルデヒド)の測定は省略して、(実施例1)と同様に3回実施した。
((実施例5)と6.2.の実験を加えると二酸化炭素の還元実験累積回数は、4回になっている。)
6.3.繰り返し合計5回目の実験
6.3.1 本発明の一体化物の調製および低温除湿
(実施例5)で使用した試験体(シャーレに銅板と一体化物を入れたもの)を除湿剤を入れた冷蔵庫中で48時間除湿した。取り出し時の冷蔵庫内の温度は4.1℃、湿度は24%であった。
2.3.2 二酸化炭素の還元実験
取り出した試験体をガスバリア袋(大倉工業株式会社製、OE−4)に入れ、入り口を熱シールする。ガスバリア袋に1cm角のウレタンテープを貼り、袋内の空気が約1000mlになるように注射器で空気を注入する。このガスバリア袋をブラックライト(東芝ライテック社製ブラックライト蛍光ランプ FL20S−BLB−A(20W))直下10cmの位置に設置し、ブラックライトを1時間照射する。照射後、袋内のメタノールガス濃度を北川式ガス検知管No119U、ホルムアルデヒドガス濃度を北川式ガス検知管No171SAを用いて測定し、光触媒1gで1時間照射あたりのホルムアルデヒドガスのμmol数を算出(ガス濃度(ppm)×1000ml/(光触媒重量(g)×22400))した。注入した空気の温度は31.9℃湿度67%であり、測定結果は表1の通りであった。
【0055】
【表1】

【0056】
表1において、還元能力に優れる光触媒の記載を省略したが、すべての実施例で、二酸化チタン(AMT−100)に白金を担持したものである。
【0057】
表1の実施例1〜6から、すべての実験において、メタノールとホルムアルデヒドが多量に生成した。(実施例3と4で、ホルムアルデヒドの記載が無いが、これは測定を省略したためで、ホルムアルデヒドは生成している。)
メタノールガス濃度とホルムアルデヒド濃度を合計すると、実施例2では、810ppmとなり、大気中の二酸化炭素濃度の気象庁等での報告値、約400ppnを超えているが、本実験場所で、実験期間中に、二酸化炭素ガス検知管(北川式、No126Bで計測したところ、700〜900ppmであった。実験場所が、交通量の多い道路近くの集合住宅の1階であり、二酸化炭素は、空気中の他の成分より重いので下部に溜る性質を考えると、実施例の高い測定値は妥当な値と思われる。
【0058】
表1で、同じ試験体を用いて、ブラックライト照射実験を繰り返して、5回目の生成量の方が高い場合が認められるが、これは、実験条件、つまり、真夏の時期で注入した空気の温度、湿度が高かった等の影響や、実験時の室温が高かった等の実験条件に影響されたものと思われる。また、実験場所での、二酸化炭素の濃度にバラツキが有ると思われるので、その影響も十分に考えられる。
【0059】
秋になって同じ試験体を用いて何度も同様な測定を繰り返したが、生成有機ガスの量が減少した。室温が20〜25℃、湿度が55〜65%の場合に生成有機ガスの量が、1/2〜1/3に減少した場合も有る。生成有機ガスの減少の理由は解明できていないが、バリア袋内に注入した空気中の水分量に注目している。
【0060】
実験条件によって、生成有機ガスの量がばらつく理由を解明できれば、安定したプロセスを実現でき、また、生成ガス量を増加させることも可能と思われる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の方法を用いることにより、ブラックライト程度の比較的波長の大きな紫外線や紫外線を含む太陽光の照射の下で水蒸気と二酸化炭素からメタノール、ホルムアルデヒド等の有用な有機化合物が常温で生成するので、大気中や燃焼排ガス中の二酸化炭素が化学工業資源となりうる。あるいは、本発明のシステムによって得られる還元力を利用して、植物が行う光合成の明反応類似の作用を実現し、人工的な光合成実現の可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気と二酸化炭素を含む混合気体中に、
酸化能力に優れる光触媒と還元能力に優れる光触媒からなる一体化物を電気伝導性物質上に散布した構成体を配置し、
一体化物に紫外光を照射して、
有機化合物を生成させることを特徴とする二酸化炭素の還元方法
【請求項2】
酸化能力に優れる光触媒が、二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属、および4価の半導体元素のうちの単一元素}の一体化物、または二酸化チタンと{2価の金属、3価の金属、および4価の半導体元素の混合物}の一体化物である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項3】
2価の金属が、遷移金属である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項4】
3価の金属が、アルミニウムである請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項5】
4価の半導体元素が、ケイ素である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項6】
還元能力に優れる光触媒が、二酸化チタンに白金を担持したものであることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項7】
電気伝導性物質が、銅板である請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項8】
二酸化チタンがアナターゼ型であることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の還元方法
【請求項9】
水蒸気を含む気体中に、
二酸化チタンと
{2価の金属、3価の金属および4価の半導体元素のうちの単一金属、単一半導体元素か、または混合物}の一体化物と、
白金を担持した二酸化チタンとの複合一体化物を、
電気伝導性物質上に散布した構成体を配置し、
複合一体化物に紫外光を照射することを特徴とする還元力供与システム

【公開番号】特開2012−232968(P2012−232968A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−268335(P2011−268335)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(505393614)
【Fターム(参考)】