説明

二重管

【課題】廃棄の際に合成樹脂と金属とを簡単に分離することができ、合成樹脂と金属とを分別収集可能にし、廃棄物処理施設等で合成樹脂と金属とに分離しなくて済むようにして、資源の再利用化に適するようにした二重管であって、しかも自然の風合いを感じさせ、心を和ませるようにした二重管を提供する。
【解決手段】合成樹脂管1内に、この合成樹脂管1の内径d1 よりも小さい外径d2 を有する金属管2を挿入し、合成樹脂管1の上端部において、金属管2との隙間Sを保持しておけるようにして、この合成樹脂管1に栓体3を被嵌し、合成樹脂管1の下端部において、金属管2との隙間Sを保持しておけるようにして、この合成樹脂管1に栓体4を被嵌したものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広告宣伝用ののぼり旗の旗竿として、またのれん棒として用いられたり、農園芸などにおける植物支持用の支柱などにも用いられる二重管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、旗竿や支柱としては、古くは天然竹が用いられていた。天然竹は、清楚感に溢れ、素朴さと風合いの良さを兼ね備えており、地球環境に優しく、公害の発生源となることもないので、使い捨て使用するのに好ましく、各種店頭などにおける屋外広告用の旗竿に用いられている。しかし、天然竹を旗竿として使用した場合、形状が不揃いのため大量消費には向かない。また、天然竹は、日光や雨で傷むのが早いので取り替えが大変である。そのため、天然竹は、旗竿として用いられるのには余り適さないといえる。
【0003】
従来の二重管とした支柱には、例えば図25に示したような農園芸用支柱が案出されている。この農園芸用支柱は、金属管41の周壁面に合成樹脂被膜42を被覆してなる支柱本体43の両端部に密栓44を嵌装してなり、密栓44に支柱本体43内と外気とが連通する通気孔45を開設したものとしている(特許文献1)。
【0004】
このように構成した従来の支柱は、合成樹脂被膜42の膨れ現象が解消されるために耐久性や美観性が向上するとしている。
【0005】
さらに、従来の二重管とした支柱には、例えば図26に示したようなものが案出されている。この支柱は、合成樹脂製栓体51に金属管52の外形と略等しい鍔部53とこの鍔部53の一端に金属管52の内径と略等しい嵌合部54を形成し、この嵌合部54を金属管52の少なくとも一端に取着し、金属管52の外周側面52aから鍔部53の外周側面53aにかけて合成樹脂の被覆層55を形成し、この被覆層55に、金属管52の端部と栓体51との境に沿って、環状突起56を形成したものにしている(特許文献2)。
【0006】
このように構成した従来の支柱は、栓体51が抜脱することなく、栓体51により金属管52の内部の水密性が図られ、また環状突起56に支えられて金属管52の端部と栓体51との境での曲げ強度が大きく、かつ被覆層55の端部が破損しにくく、支柱の端部が保護されるとしている。
【特許文献1】実開昭63−167851号公報(第1、3頁、第1図)
【特許文献2】特開平5−260865号公報(第1、4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の二重管とした支柱は、いずれも金属管の外周面に合成樹脂の被覆層を形成しており、この合成樹脂の被覆層が金属管に密着しているので、合成樹脂の被覆層が金属管から剥離することなく、耐久性に優れたものとなり、長期間に渡って使用することができるという利点を有する。
【0008】
このような上記従来の二重管とした支柱は、近年の資源の再利用化、ゴミの分別収集の細分化等が求められる状況下においては、廃棄の際に合成樹脂の被覆層と金属管とは簡単に分離できることが、廃棄物処理施設等での労力や経費の削減面から望ましい。
【0009】
しかしながら、上記従来の二重管とした支柱は、合成樹脂の被覆層が金属管に密着して一体化しており、廃棄の際に合成樹脂と金属とを簡単に分離することができず、そのまま廃棄される。したがって、廃棄物処理施設等で合成樹脂と金属とを分離するには、多大な労力や経費がかかるため、埋め立て処理される場合が多く、資源の再利用化を促進することができないという問題点を有していた。
【0010】
また、上記従来の二重管は、旗竿として使用した場合も、合成樹脂の被覆層が露出しているだけであるので、色調を変化させたとしても、外観が単調で冷たい印象を受けるという問題点を有していた。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、廃棄の際に合成樹脂と金属とを簡単に分離することができ、合成樹脂と金属とを分別収集可能にし、廃棄物処理施設等で合成樹脂と金属とに分離しなくて済むようにして、資源の再利用化に適するようにした二重管であって、しかも自然の風合いを感じさせ、心を和ませるようにした二重管を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのため、この発明の二重管は、合成樹脂管1内に、この合成樹脂管1の内径d1 よりも小さい外径d2 を有する金属管2を挿入し、合成樹脂管1の上端部において、金属管2との隙間Sを保持しておけるようにして、この合成樹脂管1に栓体3を被嵌し、合成樹脂管1の下端部において、金属管2との隙間Sを保持しておけるようにして、この合成樹脂管1に栓体4を被嵌したものとしている。
【0013】
そして、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1の上端部において、金属管2との隙間Sに合成樹脂製の栓体3の嵌入部3aを嵌入するようにし、前記合成樹脂管1の下端部において、金属管2との隙間Sに合成樹脂製の栓体4の嵌入部4aを嵌入するようにしている。
【0014】
また、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1の上端部において、金属管2との隙間Sに合成樹脂製の栓体3の嵌入部3aを嵌入するようにし、前記合成樹脂管1の下端部において、金属管2内に合成樹脂製の栓体4の嵌入部4bを嵌入するようにしている。
【0015】
さらに、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1の外周面に天然竹の模様を形成したものとしている。
【0016】
また、この発明の二重管は、前記金属管2の上、中、下部の外周面に、合成樹脂管1との隙間Sに嵌入するようにした合成樹脂製のリング状の嵌入部材5を嵌着したものとしている。
【0017】
さらに、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1と金属管2とを複数本に分割したものからなるものとし、これら複数本の合成樹脂管1どうし、および金属管2どうしを、それぞれ連結したものとしている。
【0018】
また、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1どうし、および金属管2どうしを、連結体6を介在させて、それぞれ連結したものとしている。
【0019】
さらに、この発明の二重管は、合成樹脂管1どうしを連結する場合、上方の合成樹脂管1の下端を下方の合成樹脂管1の上端より小径または大径にして、両者が嵌合するようにしている。
【0020】
また、この発明の二重管は、金属管2どうしを連結する場合、上方の金属管2の下端を下方の金属管2の上端より小径または大径にして、両者が嵌合するようにしている。
【0021】
さらに、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1どうしの連結部の位置と、金属管2どうしの連結部の位置を上下にずらしたものとしている。
【0022】
また、この発明の二重管は、前記連結体6を、合成樹脂管1の連結部の上方において、金属管2との隙間Sに嵌入するようにした上方嵌入部6aと、合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした上方被嵌部6cとを有し、さらに合成樹脂管1の連結部の下方において、金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部6bと、合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方被嵌部6dとを有したものとしている。
【0023】
さらに、この発明の二重管は、前記連結体6が、連結する上方の合成樹脂管1と金属管2の下部に、この金属管2の内面に接触して嵌入するようにした上方第一嵌入部11aと、連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する下方の金属管2の外面が接触して嵌入するようにした上方第二嵌入部11bとを有する上部連結体11を設け、連結する下方の合成樹脂管1と金属管2の上部に、この合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部12aと、下方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に下方の金属管2の外面が接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部12bを有し、さらに連結する上方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部12cとを有する下部連結体12を設けたものにしている。
【0024】
また、この発明の二重管は、前記連結体6が、連結する上方の合成樹脂管1と金属管2の下部に、この合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する上方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした上方第一嵌入部21aと、連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する下方の金属管2の外面が接触して嵌入するようにした上方第二嵌入部21bとを有する上部連結体21を設け、連結する下方の合成樹脂管1と金属管2の上部に、この合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部22aと、下方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に下方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部22bを有し、さらに連結する上方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部22cとを有する下部連結体22を設けたものにしている。
【0025】
さらに、この発明の二重管は、前記連結体6が、連結する上方の合成樹脂管1と金属管2の下部に、この連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する上方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした上方嵌入部24aを有する上部連結体24を設け、連結する下方の合成樹脂管1と金属管2の上部に、連結する下方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部25aと、下方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に下方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部25bを有し、さらに連結する上方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部25cとを有する下部連結体25を設けたものにしている。
【0026】
また、この発明の二重管は、前記栓体3に、旗の支持棒の支持孔9を設けたものとしている。
【発明の効果】
【0027】
この発明の二重管は、以上に述べたように構成されているので、廃棄の際に合成樹脂と金属とを簡単に分離することができ、合成樹脂と金属とを分別収集可能にし、廃棄物処理施設等で合成樹脂と金属とに分離しなくて済むようにしたので、資源の再利用化に適したものとなる。さらに、この発明の二重管は、合成樹脂管の外周面に天然竹の模様を形成したものでは、自然の風合い感じさせ、心を和ませるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の二重管を実施するための最良の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0029】
この発明の二重管は、図1に示したような合成樹脂管1と、図2に示したような金属管2よりなる。この金属管2は、前記合成樹脂管1の内径d1 よりも小さい外径d2 を有するものとしており、前記合成樹脂管1内に挿入している。そして、前記合成樹脂管1の上端部において、図3に示したように、金属管2との隙間Sに合成樹脂製の栓体3の嵌入部3aを嵌入するようにし、この隙間Sを保持しておけるようにして、この合成樹脂管1に栓体3を被嵌している。さらに、前記合成樹脂管1の下端部において、図5に示したように、金属管2との隙間Sに合成樹脂製の栓体4の嵌入部4aを嵌入するようにし、この隙間Sを保持しておけるようにして、この合成樹脂管1に栓体4を被嵌している。
【0030】
合成樹脂管1は、外周面に天然竹の模様を形成したりして、天然竹に似せたものとするのが、天然竹のように清楚感に溢れ、素朴さと風合いの良さを兼ね備えたものとなり、好ましい。
【0031】
金属管2は、必要に応じて、上、中、下部の外周面に、合成樹脂管1との隙間Sに嵌入するようにした合成樹脂製のリング状の嵌入部材5を嵌着したものとしている。この嵌入部材5により、合成樹脂管1内に挿入した金属管2は、合成樹脂管1内で位置が固定され、がたつかないものとなり、また補強されることにもなる。なお、前記嵌入部材5は、弾性変形するリングの一部を切欠いたものとし、金属管2の上端または下端から差し込むか、切欠いた部分をこじ開けて広げた後、この切欠いた部分が自然に狭まるようにして、金属管2の外周面に嵌め込んだものとしている。
【0032】
そして、この発明の二重管は、前記合成樹脂管1と金属管2とを複数本に分割したものからなるものとし、これら複数本の合成樹脂管1どうし、および複数本の金属管2どうしを、必要に応じ連結体6を介在させて、それぞれ連結したものとすることができる。この発明の二重管が、2.0〜3.0mを超える程度の長さになると、運搬や保管するのに嵩張るので、合成樹脂管1および金属管2を二分割にしたり、三分割にしたものとするのが好ましい。
【0033】
合成樹脂管1どうしを連結するには、上方の合成樹脂管1の下端を下方の合成樹脂管1の上端より小径または大径にして、両者が嵌合するようにしている。また、合成樹脂管1どうしを連結するには、図4に示したように、合成樹脂管1の連結部の上方において、金属管2との隙間Sに嵌入するようにした上方嵌入部6aと、合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした上方被嵌部6cとを有し、さらに合成樹脂管1の連結部の下方において、金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部6bと、合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方被嵌部6dとを有した連結体6を介在させたものとすれば、安定した状態で連結することができる。なお、前記連結体6の上方嵌入部6aおよび下方嵌入部6bは、図6に示したような略円筒胴形状としたものにすることができるが、図7に示したように略円筒胴の所々にスリット7を形成したものとしてもよい。このようなスリット7を形成したものにすると、上方嵌入部6aおよび下方嵌入部6bが弾性変形するものとなり、金属管2との隙間Sに嵌入し易いものとなる。さらに、合成樹脂管1どうしを連結するには、図8に示したように、合成樹脂管1の連結部の上方において、金属管2内に嵌入するようにした上方嵌入部6aと、合成樹脂管1の連結部の下方において、金属管2内に嵌入するようにした下方嵌入部6bとを有し、さらに一方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした上方被嵌部6cと、他方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方被嵌部6dとを有する連結体6を介在させたものとしてもよい。
【0034】
そして、金属管2どうしを連結するには、図4に示したように、上方の金属管2の下端を下方の金属管2の上端より小径または大径にして、両者が嵌合するようにしている。なお、上方の金属管2の下端を下方の金属管2の上端より小径または大径にするには、図4に示す他、上方の金属管2の全体の径を下方の金属管2の全体の径より小径または大径してもよい。また、上方の金属管2の下端を下方の金属管2の上端より小径または大径にするには、図9に示したように、下方の金属管2の上端にその金属管2の内径と略同一径の外径を有する連結管8の下半分を内挿して固着し、この連結管8の上半分に上方の金属管2の下端を外挿して固着したものとすることができる。さらに、上方の金属管2の下端を下方の金属管2の上端より小径または大径にするには、図10に示したように、下方の金属管2の上端をその金属管2の外径と略同一径の内径を有する連結管8の下半分に内挿して固着し、この連結管8の上半分に、上方の金属管2の下端を内挿して固着したものとすることもできる。
【0035】
また、前記合成樹脂管1どうしの連結部の位置と金属管2どうしの連結部の位置が同位置になると、これら連結部の位置での二重管の強度が低下するものとなるので、これらの連結部の位置は上下にずらしたものとするのが好ましい。なお、前記連結部の位置を上下にずらした場合にも、金属管2どうしの連結部の位置は、図4に示したように金属管2との隙間Sに嵌入した連結体6の上方嵌入部6aまたは下方嵌入部6bが存在する位置にあるのが、嵌入した上方嵌入部6aまたは下方嵌入部6bによって金属管2どうしの連結部が押さえられ、その連結部の強度がより低下しないものとなるので好ましい。
【0036】
さらに、前記連結体6は、図11に示したような連結する上方の合成樹脂管1と金属管2の下部に設けた上部連結体11と、図12に示したような連結する下方の合成樹脂管1と金属管2の上部に設けた下部連結体12とからなるものとしている。この上部連結体11は、連結する上方の金属管2の内面に接触して嵌入するようにした上方第一嵌入部11aと、連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する下方の金属管2の外面が接触して嵌入するようにした上方第二嵌入部11bとを有するものとしている。なお、前記上方第一嵌入部11aと上方第二嵌入部11bとの間には、上方の金属管2の端部が上方から、下方の金属管2の端部が下方からそれぞれ当接するようにした段差部11cを設けたものとしている。前記下部連結体12は、連結する下方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部12aと、下方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に下方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部12bを有し、さらに連結する上方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部12cとを有するものとしている。
【0037】
この場合、前記合成樹脂管1どうし、および金属管2どうしを、それぞれ連結するには、図13に示したように、連結する下方の金属管2の外面が、前記上部連結体11の上方第二嵌入部11bの内面に接触するようにして、この上部連結体11に前記金属管2を嵌入すると共に、連結する上方の合成樹脂管1の端部が、下部連結体12の下方第二被嵌部12cの内面に接触するようにして、この下部連結体12に前記合成樹脂管1を嵌入すればよい。
【0038】
また、前記連結体6は、図19に示したような連結する上方の合成樹脂管1と金属管2の下部に設けた上部連結体21と、図20に示したような連結する下方の合成樹脂管1と金属管2の上部に設けた下部連結体22とからなるものとしている。この上部連結体21は、連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する上方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした上方第一嵌入部21aと、連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する下方の金属管2の外面が接触して嵌入するようにした上方第二嵌入部21bとを有するものとしている。なお、前記上方第一嵌入部21aと上方第二嵌入部21bとの間には、必要に応じて、上方の金属管2の端部が上方から、下方の金属管2の端部が下方からそれぞれ当接するようにした内鍔部23を設けたものとし、両者の端部が直接、当接しないようにしている。前記下部連結体22は、連結する下方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部22aと、下方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に下方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部22bを有し、さらに連結する上方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部22cとを有するものとしている。
【0039】
この場合、前記合成樹脂管1どうし、および金属管2どうしを、それぞれ連結するには、図21に示したように、連結する下方の金属管2の外面が、前記上部連結体21の上方第二嵌入部21bの内面に接触するようにして、この上部連結体21に前記金属管2を嵌入すると共に、連結する上方の合成樹脂管1の端部が、下部連結体22の下方第二被嵌部22cの内面に接触するようにして、この下部連結体22に前記合成樹脂管1を嵌入すればよい。
【0040】
さらに、前記連結体6は、図22に示したような連結する上方の合成樹脂管1と金属管2の下部に設けた上部連結体24と、図23に示したような連結する下方の合成樹脂管1と金属管2の上部に設けた下部連結体25とからなるものとしている。この上部連結体24は、連結する上方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に連結する上方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした上方嵌入部24aを有するものとしている。なお、前記金属管2は、この上方嵌入部24aから下方に突き出したものとしている。前記下部連結体25は、連結する下方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部25aと、下方の合成樹脂管1の内面に接触すると共に下方の金属管2の外面に接触して、これら合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにした下方嵌入部25bを有し、さらに連結する上方の合成樹脂管1の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部25cとを有するものとしている。
【0041】
この場合、前記合成樹脂管1どうし、および金属管2どうしを、それぞれ連結するには、図24に示したように、連結する上方の金属管2の外面が、連結する下方の金属管2の内面に沿うように、この上方の金属管2をこの下方の金属管2に差し込むと共に、連結する上方の合成樹脂管1の端部が、下部連結体25の下方第二被嵌部25cの内面に接触するようにして、この下部連結体25に前記合成樹脂管1を嵌入すればよい。なお、前記上方の金属管2を下方の金属管2に差し込むには、図24に示したように、上方の金属管2の全体の径を下方の金属管2の全体の径より小径にしているが、上方の金属管2の下端の径、下方の金属管2の上端の径を、前記図4に示す他、図9、10に示したようにすることもできる。
【0042】
そして、この発明の二重管を旗竿に用いる場合には、合成樹脂管1の上端に被嵌した栓体3は、上部材31を下部材32に回転自在に組み付けてなるものとしている。この上部材31の上部押え体31aは、上部材31の下部回転体31bの上端に設けた支持孔9に支持された旗の支持棒(図示せず)を押圧して支持するようにしている。この上部材31の下部回転体31bの下半部は、図3に示したものでは、カラー33を介在させて金属管2に遊嵌したものとしている。さらに、前記下部回転体31bの下半部は、図11、19に示したものでは、嵌入部3aの内面に遊嵌したものとしている。そして、図11に示したものでは、前記下部回転体31bの下半部の下端を金属管2の上端に当接するようにしている。また、図19に示したものでは、前記下部回転体31bの下半部の下端を、嵌入部3aに設けた内鍔部34に当接するようにしている。なお、この内鍔部34には、金属管2の上端が下方から当接するようにしている。そして、下部材32は、上端を係合部32aとして、この係合部32aを合成樹脂管1の上端に係合するようにしており、この係合部32aから下の部分を前記嵌入部3aとして、図3に示したものでは、この嵌入部3aの全部を、図11、19、22に示したものでは、この嵌入部3aの下部を、合成樹脂管1と金属管2との隙間Sに嵌入するようにしている。なお、上部材31は一体成形物としているが、下部材32は一体成形物でなくても、縦割りの二分割体からなる物を合わせた物などとしてもよく、上部材31を回転自在に組み付けることができればよい。
【0043】
このようにすると、旗の支持棒は支持孔9に支持された状態で旗に風が当たると、栓体3の上部材31がその風向きに応じて回ることになり、旗が各方向から見えるものとなって広告宣伝効果に優れたものとなる。
【0044】
さらに、前記合成樹脂管1の下端部に被嵌する栓体4は、図12、17、20、23に示したように、金属管2内に嵌入するようにした嵌入部4bを有したものとしたり、図18に示したように、金属管2との隙間Sに嵌入するようにした嵌入部4aを有すると共に、金属管2内に嵌入するようにした嵌入部4bを有したものとすることもできる。
【0045】
以上のように構成したこの発明の二重管は、屋外広告用として、または農園芸における植物の支持などに、長年、使用した結果、傷んでしまった場合には、合成樹脂管1から栓体3、4を外し、さらに複数本の合成樹脂管1どうし、および複数本の金属管2どうしをそれぞれ連結したものでは、栓体3、4および連結体6を外せば、合成樹脂管1から金属管2を引き抜くことができる。
【0046】
そして、合成樹脂管1から引き抜いた金属管2は、その外周面に合成樹脂製の嵌入部材5を嵌着したものでは、その嵌入部材5外す。さらに、複数本の合成樹脂管1どうし、および複数本の金属管2どうしの連結を外し、合成樹脂管1および金属管2をそれぞれ分割する。
【0047】
このようにした複数本の合成樹脂管1、栓体3、4、嵌入部材5および連結体6を一纏めにし、また複数本の金属管2を別にして纏めておけば、合成樹脂と金属とに分離して廃棄することができるので、合成樹脂と金属を分別収集することができるものとなる。
【0048】
したがって、この発明の二重管は、廃棄物処理施設等で合成樹脂と金属とに分離しなくても済むので、資源の再利用化に適したものとなる。
【0049】
なお、この発明の二重管は、長年、使用した結果、傷んでしまった場合にも、金属管2は合成樹脂管1内に挿入されているため、この金属管2の傷みは少ないので、金属管2のみを再使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の二重管の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すこの発明の二重管の合成樹脂管に挿入する金属管の斜視図である。
【図3】図1に示すこの発明の二重管の上部近辺の一部切欠断面図である。
【図4】図1に示すこの発明の二重管の中央部近辺の断面図である。
【図5】図1に示すこの発明の二重管の下部近辺の断面図である。
【図6】図1に示すこの発明の二重管の合成樹脂管の連結体の一例を示す斜視図である。
【図7】図1に示すこの発明の二重管の合成樹脂管の連結体の他の例を示す斜視図である。
【図8】この発明の二重管の中央部近辺の他の実施例の断面図である。
【図9】この発明の二重管の金属管の連結構造の他の例を示す部分断面図である。
【図10】この発明の二重管の金属管の連結構造のさらに他の例を示す部分断面図である。
【図11】この発明の二重管の他の例を示しており、上部近辺および上部連結体近辺の断面図である。
【図12】図11に示すこの発明の二重管の下部近辺および下部連結体近辺の断面図である。
【図13】図11に示すこの発明の二重管の上部連結体と下部連結体との連結部分の断面図である。
【図14】図11に示すこの発明の二重管の上部連結体と下部連結体を連結した状態の一部切欠斜視図である。
【図15】図11に示すこの発明の二重管の上部連結体の一部切欠斜視図である。
【図16】図11に示すこの発明の二重管の下部連結体の一部切欠斜視図である。
【図17】この発明の二重管の下部近辺の他の例を示す断面図である。
【図18】この発明の二重管の下部近辺のさらに他の例を示す断面図である。
【図19】この発明の二重管のさらに他の例を示しており、上部近辺および上部連結体近辺の断面図である。
【図20】図19に示すこの発明の二重管の下部近辺および下部連結体近辺の断面図である。
【図21】図19に示すこの発明の二重管の上部連結体と下部連結体との連結部分の断面図である。
【図22】この発明の二重管のさらに他の例を示しており、上部近辺および上部連結体近辺の断面図である。
【図23】図22に示すこの発明の二重管の下部近辺および下部連結体近辺の断面図である。
【図24】図22に示すこの発明の二重管の上部連結体と下部連結体との連結部分の断面図である。
【図25】従来の二重管とした支柱の一例を示す断面図である。
【図26】従来の二重管とした支柱の他の例を示す一部切欠断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 合成樹脂管
2 金属管
3 栓体
3a 嵌入部
4 栓体
4a 嵌入部
5 嵌入部材
6 連結体
6a 上方嵌入部
6b 下方嵌入部
6c 上方被嵌部
6d 下方被嵌部
9 支持孔
11 上部連結体
11a 上方第一嵌入部
11b 上方第二嵌入部
12 下部連結体
12a 下方第一被嵌部
12b 下方嵌入部
12c 下方第二被嵌部
21 上部連結体
21a 上方第一嵌入部
21b 上方第二嵌入部
22 下部連結体
22a 下方第一被嵌部
22b 下方嵌入部
22c 下方第二被嵌部
24 上部連結体
24a 上方嵌入部
25 下部連結体
25a 下方第一被嵌部
25b 下方嵌入部
25c 下方第二被嵌部
d1 内径
d2 外径
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂管(1)内に、この合成樹脂管(1)の内径(d1 )よりも小さい外径(d2 )を有する金属管(2)を挿入し、合成樹脂管(1)の上端部において、金属管(2)との隙間(S)を保持しておけるようにして、この合成樹脂管(1)に栓体(3)を被嵌し、合成樹脂管(1)の下端部において、金属管(2)との隙間(S)を保持しておけるようにして、この合成樹脂管(1)に栓体(4)を被嵌したことを特徴とする二重管。
【請求項2】
前記合成樹脂管(1)の上端部において、金属管(2)との隙間(S)に合成樹脂製の栓体(3)の嵌入部(3a)を嵌入するようにし、前記合成樹脂管(1)の下端部において、金属管(2)との隙間(S)に合成樹脂製の栓体(4)の嵌入部(4a)を嵌入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の二重管。
【請求項3】
前記合成樹脂管(1)の上端部において、金属管(2)との隙間(S)に合成樹脂製の栓体(3)の嵌入部(3a)を嵌入するようにし、前記合成樹脂管(1)の下端部において、金属管(2)内に合成樹脂製の栓体(4)の嵌入部(4b)を嵌入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の二重管。
【請求項4】
前記合成樹脂管(1)の外周面に天然竹の模様を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二重管。
【請求項5】
前記金属管(2)の上、中、下部の外周面に、合成樹脂管(1)との隙間(S)に嵌入するようにした合成樹脂製のリング状の嵌入部材(5)を嵌着したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二重管。
【請求項6】
前記合成樹脂管(1)と金属管(2)とを複数本に分割したものからなるものとし、これら複数本の合成樹脂管(1)どうし、および金属管(2)どうしを、それぞれ連結したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二重管。
【請求項7】
前記合成樹脂管(1)どうし、および金属管(2)どうしを、連結体(6)を介在させて、それぞれ連結したことを特徴とする請求項6記載の二重管。
【請求項8】
前記合成樹脂管(1)どうしを連結する場合、上方の合成樹脂管(1)の下端を下方の合成樹脂管(1)の上端より小径または大径にして、両者が嵌合するようにしたことを特徴とする請求項6または7記載の二重管。
【請求項9】
前記金属管(2)どうしを連結する場合、上方の金属管(2)の下端を下方の金属管(2)の上端より小径または大径にして、両者が嵌合するようにしたことを特徴とする請求項6または7記載の二重管。
【請求項10】
前記合成樹脂管(1)どうしの連結部の位置と、金属管(2)どうしの連結部の位置を上下にずらしたことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の二重管。
【請求項11】
前記連結体(6)が、合成樹脂管(1)の連結部の上方において、金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした上方嵌入部(6a)と、合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした上方被嵌部(6c)とを有し、さらに合成樹脂管(1)の連結部の下方において、金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした下方嵌入部(6b)と、合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方被嵌部(6d)とを有したものであることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の二重管。
【請求項12】
前記連結体(6)が、連結する上方の合成樹脂管(1)と金属管(2)の下部に、この金属管(2)の内面に接触して嵌入するようにした上方第一嵌入部(11a)と、連結する上方の合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に連結する下方の金属管(2)の外面が接触して嵌入するようにした上方第二嵌入部(11b)とを有する上部連結体(11)を設け、連結する下方の合成樹脂管(1)と金属管(2)の上部に、この合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部(12a)と、下方の合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に下方の金属管(2)の外面が接触して、これら合成樹脂管(1)と金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした下方嵌入部(12b)を有し、さらに連結する上方の合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部(12c)とを有する下部連結体(12)を設けたものであることを特徴とする請求項7または10記載の二重管。
【請求項13】
前記連結体(6)が、連結する上方の合成樹脂管(1)と金属管(2)の下部に、この合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に連結する上方の金属管(2)の外面に接触して、これら合成樹脂管(1)と金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした上方第一嵌入部(21a)と、連結する上方の合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に連結する下方の金属管(2)の外面が接触して嵌入するようにした上方第二嵌入部(21b)とを有する上部連結体(21)を設け、連結する下方の合成樹脂管(1)と金属管(2)の上部に、この合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部(22a)と、下方の合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に下方の金属管(2)の外面に接触して、これら合成樹脂管(1)と金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした下方嵌入部(22b)を有し、さらに連結する上方の合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部(22c)とを有する下部連結体(22)を設けたものであることを特徴とする請求項7または10記載の二重管。
【請求項14】
前記連結体(6)が、連結する上方の合成樹脂管(1)と金属管(2)の下部に、この合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に連結する上方の金属管(2)の外面に接触して、これら合成樹脂管(1)と金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした上方嵌入部(24a)を有する上部連結体(24)を設け、連結する下方の合成樹脂管(1)と金属管(2)の上部に、この合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方第一被嵌部(25a)と、下方の合成樹脂管(1)の内面に接触すると共に下方の金属管(2)の外面に接触して、これら合成樹脂管(1)と金属管(2)との隙間(S)に嵌入するようにした下方嵌入部(25b)を有し、さらに連結する上方の合成樹脂管(1)の端部を被嵌するようにした下方第二被嵌部(25c)とを有する下部連結体(25)を設けたものであることを特徴とする請求項7または9記載の二重管。
【請求項15】
前記栓体(3)に、旗の支持棒の支持孔(9)を設けたことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の二重管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−186986(P2007−186986A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316636(P2006−316636)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(399033201)三倉機販株式会社 (3)
【Fターム(参考)】