人工股関節寛骨臼の製造方法
本発明は人工股関節寛骨臼の製造方法に関し、前記方法は:(a)開口面(P)に含まれる開口表面(5)を持つ凹状内部受容表面(3)を持つ挿入カップ(1)を準備し、かつ外側環状受容構造(6)を持ち、(b)前記外側環状受容構造(6)の受容表面(9)と、前記外側環状受容構造回りに嵌合することで協働するように構成される周縁環状固定構造(10)を持つ装着配置用インサート(7)を準備し、(c)前記寸法を増加するために前記装着配置用インサートを加熱し、(d)前記外側環状受容構造(6)の受容表面(9)周りに前記周縁環状固定構造を嵌合し、(e)前記装着配置用インサート(7)を室温に戻して前記寸法を減少させて、前記周縁環状固定構造(10)の前記外側環状受容構造(6)上へ半径方向締め付けを達成する、ステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、股関節寛骨臼の交換を目的とする人工股関節寛骨臼の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
股関節全体は、ボールソケットジョイントを含む2つの部分から成り、その一方は前記股関節の生体寛骨臼を交換することを目的とする雌部分と、他方は大腿骨ヘッドを交換することを目的とする雄部分である。前記ジョイントの雄部分は前記大腿骨の髄管内に挿入される目的のシャフトを有し、その近位端は前記雌部分に嵌合される目的の球状ヘッドへのネックにより接続される。前記ジョイントの雌部分は、前記生体股関節寛骨臼を交換するべきでものであり、通常は実質的に半球状挿入カップを含み、前記骨軟骨の用意された寛骨臼内に配置されるものである。
【0003】
前記寛骨臼内の前記挿入カップを適合させる場合に、前記カップを保持し操作するため、及び前記カップを前記骨内の前記寛骨臼キャビティ内に好ましい方向に駆動するための力を適用するためのインパクター、さらに前記挿入カップの外部表面と前記骨内の寛骨臼キャビティとの間にセットするためのセメントとして十分長いインパクターの使用を可能とすることが必須である。
【0004】
仏国特許出願公開第2909541A1号明細書には、凸状かつ半球状の外部アンカー表面を有する挿入カップが記載されている。そのインパクターを打ち込む間このカップを保持するために、外部環状溝がその自由環状端部近くに設けられる。この環状溝は、少なくとも2つのフック形状の弾性体タブ持つ主部を含むインパクターの工程を可能とする。
【0005】
この文献では、前記カップが前記インパクターにより保持するための力は、前記弾性体タブから離れて広がるように適用されるべき前記力と関連し又は実質的に等しいものである。このことは、前記インパクターにより前記カップを保持をするほど、前記タブを広げることはより難しくなり、これによりユーザーは前記カップへインパクターを固定するためより努力が必要となる。
【0006】
従って、前記カップの信頼性ある保持を適用すると同時にカップへのより容易なインパクターの固定を可能とする必要性がある。
【0007】
従って、前記カップの信頼性ある保持を適用すると同時にカップへのより容易な固定を可能とする必要性がある。
【0008】
国際公開第2006/040483A1号には以下の挿入カップを含む股関節寛骨臼が記載されている。すなわち、
−患者の大腿骨の寛骨臼キャビティ内にアンカーされるように設計される実質的に半球状凸状外部アンカー表面、
−環状端部と開口面内に含まれる開口表面とを含む凹状内部受容表面、
−環状受容構造であって、インパクターが患者の大腿骨の寛骨臼キャビティ内に前記カップのインパクターのための前記環状受容構造に固定されるように設計される環状受容構造を含む、挿入カップである。
【0009】
国際公開第2006/040483A1号では、前記の装着配置用インサートが冷却されて前記挿入カップ内にそれを導入することを可能とし、それを室温に戻して拡張させて前記挿入カップ内に強く取り付ける。前記装着配置用インサートの寸法を十分に小さくするために、これを冷蔵容器内で冷却する。前記冷蔵容器内に凝縮による液体が見られる場合がある。かかる凝縮液体はバクテリアや微生物で汚染されている恐れがあり、それにより、前記装着配置用インサートとインサートカップが共に結合(ジョイント)された後前記装着配置用インサート上に汚染を生じる恐れがある。このことは特に前記装着配置用インサートがプラスチックで成形されている場合には決定的に重要である。というのは例えばポリエチレンなどの装着配置用インサートとして使用されるプラスチックは係る液体を吸収しやすいからである。従ってプラスチックから成形される前記装着配置用インサートがバクテリアや微生物で汚染された液体を吸収して、前記装着配置用インサートの深部汚染を起こすというリスク(危険性)が存在する。
【0010】
さらに、前記カップとインパクターの間に、国際公開第2006/040483A1号の開示されるものよりもより強いジョイントを設けることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2909541A1号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/040483A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、挿入カップを持つ股関節寛骨臼の製造方法であり、これをより高い信頼性でより強固にインパクターに固定することができ、一方で適用のための力を制限でき、かつ汚染の恐れをなくすことができる、方法である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明は次のステップ:
(a)開口面に含まれる開口表面を持つ凹状内側受容表面と、外側環状受容構造を持つ挿入カップを準備し、
(b)前記外側環状受容構造周りに嵌合することで前記外側環状受容構造の前記受容表面と協働するように構成される周縁環状固定構造を持つ装着配置用インサートを準備し、
(c)前記装着配置用インサートを前記寸法を増加させるために加熱し、
(d)前記周縁環状固定構造を、前記外側環状受容構造の前記受容表面周りに嵌合させ、
(e)前記装着配置用インサートを室温に戻してその寸法を減少させて、前記外側環状受容構造上に前記周縁環状固定構造の半径方向締め付け(clamp)を達成する、を含む製造方法を提供する。
【0014】
かかる製造方法は前記挿入カップ上に十分な前記装着配置用インサートの半径方向締め付けを得ることを可能とする。前記外側環状受容構造回りの前記装着配置用インサートの嵌合は、加熱による前記装着配置用インサートの拡張により過度の力を用いることなく可能となる。
【0015】
しかし前記カップと前記装着配置用インサートの分離には、冷却の後は相当な力が必要であり、これにより前記カップの十分な打ち込み及び方向づけを可能とする。
【0016】
半径方向締め付けによる前記挿入カップ上に前記装着配置用インサートを強制的に保持することは、高い信頼性と安全な固定を保証するものであり、これにより前記挿入カップの打ち込みの際に適用される力に耐えることが可能である。前記外側環状受容構造上の前記周縁環状固定構造の半径方向締め付けは、前記外側環状受容構造の形状を過度に複雑にすることなくこの高い信頼性のある固定の達成を可能とする。
【0017】
前記挿入カップ上の前記装着配置用インサートの保持は国際公開第2006/040483A1号に記載の方法よりもより信頼性は高い。これは特に、前記半径方向締め付けが環状受容構造上で起こり、このことは、前記締め付けが外部で起こり従って前記半径方向インサートとより大きい接触表面を持つという事実に基づく。
【0018】
最後に、前記外側環状受容構造上の前記周縁環状固定構造の半径方向締め付けは、前記挿入カップ内にプレストレス状態を起こし、このプレストレスが、患者の大腿骨の寛骨臼内にその打ち込みの際に前記挿入カップの変形を起こす可能性を制限する。というのは、前記挿入カップがその上部環状端部近くで比較的小さい厚さ例えば3mmを持つ場合、前記挿入カップの楕円化する現象が時として起こり(前記挿入カップが例えば金属やプラスチック等の変形可能な材料でできている場合に)、この現象は前記寛骨臼ジョイントの雄部分が前記挿入カップ内に嵌合することを不可能とし、又はこの現象は不均一に分配される内部機械的応力を生じ前記挿入カップの破壊をもたらす(例えばセラミックスなどの弱い材料でできている場合)か、又は不均一に分配される内部機械的応力を生じ、その結果、特にセラミックスからできている場合に関節インサートが容易に損傷を受ける、からである。
【0019】
本発明の製造方法において、外側環状受容構造を持つ挿入カップであって、その上で前記装着配置用インサートが加熱により拡張した後に室温に戻すことで締め付けられる挿入カップを準備することで、前記装着配置用インサートの汚染、特にそれがポリエチレンでできてる場合に汚染の問題を防止することを可能とする。
【0020】
本発明において、前記凹状内部受容表面は、前記挿入カップ(例えば2方向移動可能な寛骨臼のための)に関して移動可能な関節インサートを受容するか、又は前記挿入カップ(例えば単一の移動可能性を持つ寛骨臼のための)に関して静置される関節インサートを受容するように構成され得る。
【0021】
有利には、前記挿入カップ上に前記装着配置用インサートを固定する前に、前記方法は、関節インサートを前記挿入カップの前記凹上内部受容表面内に挿入する補助的ステップ(b1)を含む。
【0022】
前記挿入カップ、前記関節インサート及び前記装着配置用インサートは従って、製造現場で前もって組立てられ得るものであり、外科医がそのように形成された前記ユニットを前記関節インサートについて心配することなく単純に打ち込むことができるものでなければならない。さらに、前記関節インサートは、外科医がなんら関与することなく前記挿入カップ内に正しい位置に配置され得るものである。従ってこのことは、前記挿入カップ内に前記関節インサートの誤配置の危険性を抑制する。この関節インサートの誤配置は前記関節インサートの早期破壊を生じる恐れがある。
【0023】
有利には:
−前記関節インサートがセラミックスできており、
−前記装着配置用インサートが前記挿入カップ内の前記関節インサートを保持する弾性手段を持ち、
−前記装着配置用インサートが前記挿入カップに結合される際に、前記装着配置用インサートが、前記挿入カップ内に前記関節インサートを保持するための前記弾性手段を介してのみ前記関節インサートと接触する、ものである。
【0024】
前記弾性保持手段は、搬送され、保存される間、かつ外科医により取り扱いされる際に本前記関節インサートを前記挿入カップ内に正しい位置を維持する。外科医が前記装着配置用インサートにより前記挿入カップ上に打ち込み力を適用する際には、前記セラミックスインサートには前記弾性保持手段が変形することでなんらのショックも伝達されない。従って、外科医が前記打ち込み中に前記セラミックス関節インサートを破壊する恐れはない。
【0025】
有利には、前記方法はさらに、前記ユニットが形成され微生物保護封袋に封止された後に殺菌されるステップ(f)を含む。
【0026】
好ましくは、前記関節インサートがセラミックスからできており、かつ殺菌ステップ(f)がガンマ線照射、有利には約25kGyと約40kGyの間の照射による、方法である。
【0027】
国際公開第2006/040483A1号には環状受容構造は、前記凹上内部受容表面の表面に続く円筒状又はやや円錐状環状保持表面を含む。
【0028】
しかし、実質的に円筒状の連続性は前記寛骨臼大腿骨シャフトの可能な角度の余裕を制限する。さらに前記円筒状の連続性は、通常は金属でできている前記寛骨臼大腿骨シャフトは前記挿入カップと接触するリスクが増加する。かかる接触の場合には、前記挿入カップが金属でできている場合には金属分解の現象は前記挿入カップ及び/又は前記人工大腿骨シャフトの端部の分解により起る。この分解は金属デブリを生じさせ、回りの組織に取り込まれ及び/又は人工関節を損傷させ得る。さらに、前記カップが金属でできていない場合には、特にセラミックス又は例えばPEEKなどのプラスチックでできている場合には、前記挿入カップの部分的又は全破壊の危険性がある。
【0029】
このことが、前記環状受容構造が好ましくは外部にあり、前記開口面から離れて位置される理由である。前記インパクターの固定のための前記環状受容構造が前記開口面から離れて前記実質的な球状凸状アンカー表面の尖端に向かって位置される場合、この環状受容構造はもはや人工大腿骨シャフトの角度的余裕を制限せず、適合され得るものである。同時に前記人工大腿骨シャフト及び前記挿入カップの間の接触の恐れは制限され、それにより金属分解及び/又は破壊の危険性が低減される。
【0030】
好ましくは前記装着配置用インサートは、インパクターが移動可能に固定される組立て構造を用い得る。
【0031】
従って、製造現場で前記挿入カップ上に前記装着配置用インサートを配置することが可能となり、それにより外科医は単純に前記インパクターを前記挿入カップの打ち込みを実行するために前記装着配置用インサート上に固定するだけでよい。従って、外科医が前記挿入カップの前記凹状内部受容表面を損傷する恐れはなく、前記挿入カップは前記装着配置用インサートにより保護される。
【0032】
有利には:
−前記外側環状受容構造が、前記外側へ向けて受容表面を持つ前記環状端部の連続的又は不連続的周縁半径方向肩部を含み、
−前記装着配置用インサートが前記内側へ向けて接続表面を持つ連続的又は不連続的周縁環状固定構造を持ち、前記外側環状受容構造の前記受容表面と協働するように構成される、方法である。
【0033】
第1の変法によれば、
−前記外側環状受容構造の受容表面が不連続周縁ロック溝を持ち、
−前記装着配置用インサートの前記周縁環状固定構造の前記接続表面は周縁に配置された複数のロックリブを持ち、それが前記不連続的周縁ロック溝内に嵌合されるように構成される、方法である。
【0034】
第2の変法によれば:
−前記外側環状受容構造の受容表面又は前記周縁環状固定構造の接続表面のいずれかが連続的周縁環状ロック溝を持ち、
−前記周縁環状固定構造の接続表面又は前記外側環状受容構造の受容表面の他の1つが連続的又は不連続的周縁環状ロックリブを持ち、前記連続的周縁環状ロック溝内に嵌合するように構成される。
【0035】
前記ロック溝及び前記1以上のロックリブにより、前記装着配置用インサートは前記挿入カップ上に維持される。これはまた外科医が前記インパクターにより伝達させる方向トルクに耐えるように、前記装着配置用インサート及び前記挿入カップの間の結合の強さを大きく増加させる。
【0036】
有利には、本発明は:
−前記環状端部の周縁半径方向肩部が約0.7mmと約1.2mmの間の厚さを持ち、
−前記外側の環状受容構造の前記不連続の周縁ロック溝又は前記連続的周縁環状ロック溝が、約0.2mmと約0.6mmの間の半径方向厚さを持つ。
【0037】
かかる寸法は、その上部環状端部近くの小さい厚さ、例えば3mmの厚さを持つ挿入カップと適合する。
その上部環状端部近くの小さい厚さを持つ挿入カップの使用は、前記結合部(ジョイント)の雄部分の前記球状ヘッドの直径を減少することを可能とし、従って位置変更の危険を制限する。
【0038】
好ましくは、前記環状端部の前記周縁半径方向肩部は約1mmと約4mmの間の高さを持つ。
【0039】
前記周縁半径方向肩部のかかる高さは、前記骨と接触するための前記凸状外側アンカー表面の表面面積を過度に減少させることなく、前記半径方向締め付けのための前記装着配置用インサート及び前記挿入カップの間に十分な接触表面を与える。このことは、赤道面の近くに実質的に位置する前記外側アンカー表面部分が、前記大腿骨の前記寛骨臼キャビティ内の前記挿入カップの保持に実質的に関与する部分である、という事実に照らすとより大きいものである。
【0040】
有利には、前記環状受容構造の前記不連続的周縁ロック溝又は連続的周縁環状ロック溝は、約0.4mmと約3mmの間の高さを持つ。
【0041】
好ましくは、前記装着配置用インサート及び前記外側カップの前記外側環状受容構造は、前記装着配置用インサートが前記挿入カップの前記外側環状受容構造上に固定される場合に、前記装着配置用インサートは、前記挿入カップの前記実質的に半球状凸状アンカー表面により定められる実質的に半球状表面の外側には突出しないように構成される。従ってこれにより、患者の大腿骨の前記準備された寛骨臼キャビティの近くに存在する前記骨物質と前記装着配置用インサートとが不適合となる危険を避けることとなる。
【0042】
有利には、前記装着配置用インサートの周縁環状固定構造は、前記環状端部の半径方向肩部の厚さと実質的に等しいか小さい厚さを持ち得る。好ましくは、前記装着配置用インサートはポリエチレンでできている。ポリエチレンは通常医療分野で使用され安価である加工が容易である。さらに、ポリエチレンは金属、セラミックス又はポリエチレンよりも硬い材料、例えばPEEKなどでできている挿入カップを損傷する恐れがない。
【0043】
好ましくは、前記組立て構造は、前記装着配置用インサート中に形成される内部ネジを持つ固定孔を含み得る。この孔は前記インパクターの対応するネジ付き部分のねじ込みを可能とする。
【0044】
有利には、前記固定孔は貫通孔であり、脱着器具と協働することを可能とする。前記脱着器具はネジ付きロッドを持ち、これは前記孔を通じてねじ込むことができる。前記器具は遠位端部を持ち、この部分は前記ネジ付きロッドが前記貫通孔内にねじ込まれる際に前記挿入カップの前記凹状内部受容表面に対して、直接又は間接的に結合されるように構成される。
【0045】
好ましくは、本方法は:
−前記装着配置用インサートが、前記装着配置用インサートが前記挿入カップの前記外側環状受容構造に固定される際に、前記装着配置用インサートと前記凹状内部受容表面との間又は適切な場合に前記装着配置用インサートと前記関節インサートとの間に自由空間が保持されるように構成され、
−前記装着配置用インサートが前記外側環状受容構造の前記受容表面に対してその接続表面を横切って封止状態とされ、
−前記固定孔が貫通孔であり、前記孔は、前記孔を介して、前記装着配置用インサート及び前記凹状内部受容表面との間又は適切な場合には前記装着配置用インサート及び前記関節インサートとの間の自由空間を前記外側と通じさせ、シリンジの端部の漏れ防止のために寸法化される、方法である。
【0046】
本発明の他の課題、構成及び有利な効果については、添付図面を参照しつつ以下の具体的な実施態様の記載から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、股関節寛骨臼の挿入カップの斜視図である。
【図2】図2は、図1の挿入カップへ接続されるための装着配置用インサートの斜視図である。
【図3】図3は、図2の装着配置用インサートの断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施態様による股関節寛骨臼の挿入カップの斜視図である。
【図5】図5は、図4の前記カップの側面図である。
【図6】図6は、図4及び5の前記挿入カップに接続される、装着配置用インサートの斜視図である。
【図7】図7は、図6の前記装着配置用インサートの断面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施態様による股関節寛骨臼の挿入カップの斜視図である。
【図9】図9は、図8の前記装着配置用インサートの断面図である。
【図10】図10は、図8の前記挿入カップの部分的断面図である。
【図11】図11は、図9の前記装着配置用インサートの断面図である。
【図12】図12は、図10及び11の前記挿入カップ及び装着配置用インサートの部分的断面図である。
【図13】図13は、静置関節インサートを持つ図8の前記挿入カップ及び装着配置用インサートの斜視図である。
【図14】図14は、組み合わせられた図13の前記要素の断面図である。
【図15】図15は、組み合わせられた挿入カップ及び装着配置用インサートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1、4、5及び8は股関節寛骨臼の挿入カップ1の1つを示す。この挿入カップ1は:
−患者の大腿骨の用意された寛骨臼キャビティ内にアンカーされるように設計された、実質的に凸状の外部アンカー表面及び開口面P内に維持される凹状の内部受容表面、
−環状受容構造6であって、患者の前記大腿骨の前記環状構造キャビティ内に前記挿入カップ1の打ち込みのために、インパクターを前記環状構造6に固定する用に設計される、環状受容構造6、を含む。
【0049】
前記環状受容構造6は外部に、前記開口面Pからある距離離れて設けられている。言い換えると、前記環状受容構造は6は前記開口面Pに関して、前記外部アンカー表面2の尖端Sの方向へ向かってオフセットされている。
【0050】
従って、前記環状受容構造6は、前記尖端Sを超えて続く前記内部受容表面3から連続して位置するものではない。従って、前記寛骨臼大腿骨シャフトの角度的余裕を制限することを防止し、金属破壊を防止できる。
【0051】
図2、3、6、7及び9は、挿入カップ1の結合させる装着配置用インサート7を示す。図2及び3の装着配置用インサート7は図1の前記挿入カップに結合させるものである。図6及び7の装着配置用インサート7は図4、5及び8の前記挿入カップに結合させるものである。図9の前記装着配置用インサート7は図8の前記挿入カップに結合させるものである。
【0052】
それぞれの装着配置用インサート7は前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6に移動可能に固定され得るものであり、それは移動可能に固定されるインパクターの上にアセンブリ8を持つ。
【0053】
図1、5及び8から、前記外側環状受容構造6は前記環状端部の連続的又は不連続的周縁半径方向肩部dを含み、前記外側方向に向けられた受容表面9を含むことが分かる。図2、3、6、7から、それぞれの装着配置用インサート7は連続的又は不連続的周縁環状固定構造10を持ち、これは前記内側に向けられて前記外側環状構造6の前記受容表面9と協働するように構成されていることが分かる。
【0054】
図1〜3に示す実施態様では、前記外側環状受容構造6の前記受容表面9が外部ネジ12を含み、前記装着配置用インサート7の前記周縁固定構造10の前記接続表面11が、ネジにより前記外部ネジ12と協働するように構成される内部ネジ13を含む。
【0055】
本発明の実施態様は図4〜13に示される。これらの図において前記外側環状受容構造6及び前記周縁環状固定構造10は、前記装着配置用インサート7が前記外側環状受容構造の回りに押嵌合され、前記外側環状受容構造6上に前記周縁受容環状構造10の半径方向を締め付けることで強固に保持されるように、構成される。
【0056】
前記挿入カップ1上に前記装着配置用インサート7の保持をさらに改善するために、前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1の間に、ロック溝に嵌合する1以上のロックリブを設けることで、さらに協働作用が与えられ得る。
【0057】
図4〜7に記載の第1の変法では、
−前記外側環状受容構造6の前記受容表面9は不連続ロック溝14を持ち、
−前記装着配置用インサート7の前記周縁環状固定構造10の前記結合表面11は複数のロックリブ15a〜15dを含み、それらは前記周縁に分布されており、かつ前記不連続周縁ロック溝14に嵌合するように構成されている。
【0058】
図8及び9に示される第2の変法では、前記外側環状受容構造6の前記受容表面9は連続的な周縁環状ロック溝16を含み、また前記周縁環状固定構造10の前記結合表面11は前記連続的周縁環状ロック溝16で嵌合するように設計された連続的周縁ロックリブ17を含む。
【0059】
この第2の実施態様では、前記周縁環状固定構造10の前記結合表面11が不連続的環状ロックリブを持つことも可能である。従って、装着配置用インサート7は、図6及び7に示されるように、本発明の第2の実施態様の前記第1の変法と類似である。
【0060】
図10は図8の前記挿入カップ1の前記環状端部4の断面である。図10からより具体的に分かるように、前記外側環状受容構造6は周縁半径方向肩部dを含み、これは前記外側に向く受容表面9を持つ。前記周縁半径方向肩部dは約0.7mmから約1.2mmの間の厚さを持つ。
【0061】
前記受容表面9は連続的周縁環状ロック溝16を持つ。前記連続的周縁環状ロック溝16は、約0.2mm及び約0.6mmの間の厚さ半径方向厚さe2を持つ。
【0062】
前記挿入カップ1はその環状端部4と類似の厚さe4を持つ。厚さe4はさらに小さくてもよく、例えば3mm未満である。
【0063】
前記環状端部4の周縁半径方向肩部dは、約1mmと約4mmの間の高さh1を持つ。
【0064】
最後に前記連続的周縁環状ロック溝16は約0.4mmと約3mmの間の高さh2を持つ。
【0065】
前記第2の変法の関して与えられた寸法は前記第1の変法にも適用され、また図1〜3の発明についても適用され得る。
【0066】
図11から分かるように、前記半径方向インサート7の前記周縁環状固定構造10は、その結合表面11とその連続的環状ロックリブ17を持ち、前記受容表面9及び前記連続的周縁環状ロック溝16に適合する形状及び寸法を持つ。前記半径方向インサート7及び前記挿入カップ1は従って図12に示されるように非常に緊密に結合され得ることとなる。
【0067】
前記半径方向インサート7と、患者の前記大腿骨の生体の寛骨臼キャビティとの不適合を避けるために前記半径方向インサート7及び前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6は次のように構成される。即ち、前記装着配置用インサート7が前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6へ固定される際に前記装着配置用インサート7が、前記挿入カップ1の前記実質的に半球状凸状外側アンカー表面で定められる実質的に半球状表面S1(図12で破線で示される)の外側に突出しないように、構成される。
【0068】
このために前記装着配置用インサート7の前記周縁環状固定構造10は、前記環状端部4の前記半径方向肩部dの厚さe1よりも実質的に小さいか等しい半径厚さe3を持つ。
【0069】
前記挿入カップの損傷を受けないように、前記半径方向インサート7は有利にはプラスチックで、好ましくはポリエチレンで成形されるものであり、ポリエチレンは容易に加工できまた安価な材料でもある。
【0070】
本発明において、前記凹状受容表面3は、例えば2方向の可動性を持つ寛骨臼のための移動可能な関節インサートを受容するためにスライド表面3aであり得る。この場合前記スライド表面3aは球状移動可能な関節インサート(図15)を受容するものである。
【0071】
本発明において、前記凹状内側受容表面3は、例えば図14で示されるように単一方向移動可能な寛骨臼のための静置関節インサート18を受容するために構成され得る。前記静置関節インサート18は前記挿入カップ1内に円錐形嵌合により不動化される。
【0072】
図14からより具体的に分かるように、前記挿入カップ1へ固定される前記装着配置用インサート7を持つ前記挿入カップ1内に嵌合される前記関節インサート18を、製造現場で予め組立て殺菌処理を実施することが可能である。この結果、外科医による打ち込みのために準備された予め組み立てられたユニットが得られ、その結果手術時間が短縮され得ることとなる。さらに、前記関節インサート18は、前記挿入カップ1内に予め適切に固定されており、外科医による不適切な位置合わせリスクを低減できることとなる。このことは前記関節インサートがセラミックスでできている場合に特に重要である。というのは不適切な位置合わせは、しばしば前記セラミックスの早期破壊につながるからである。
【0073】
図14からより具体的に分かるように、前記装着配置用インサート7は前記挿入カップ1内に前記セラミックス関節インサート18を保持するための弾性手段19を持つ。前記弾性手段19は、前記挿入カップ1内の前記関節インサート18が前記予め組み立てられた挿入カップ及び関節インサート18の移動、保存及び取り扱いの際に位置が変化することを防止する。
【0074】
前記挿入カップ1の打ち込みの際に前記セラミックス関節インサート18の損傷を避けるために、前記装着配置用インサート7を前記挿入カップ1に固定される際に前記装着配置用インサート7は前記関節インサート18と前記弾性保持手段19にのみ接触する。図12からより具体的に分かるように、前記装着配置用インサート7は、前記装着配置用インサート7及び前記関節インサート18との間に空間Eを設けるように構成される。従って、打ち込み衝撃が前記セラミックス関節インサート18へは伝達されず、前記弾性手段19により前記挿入カップ1の底部に保持される。
【0075】
図14及び15からより具体的に分かるように、前記装着配置用インサート7は内部ネジ21を持つ固定孔21を含む。前記内部ネジ21は、前記インパクター(図示されていない)の対応するネジ部分をネジ止めすることを可能とする。
【0076】
前記挿入カップ1を患者の大腿骨の寛骨臼キャビティ内に打ち込んだ後、前記装着配置用インサート7を引き出す必要がある。この引き出しは、打ち込みの際に形成された結合を破壊しないように、前記アンカー表面2と患者の大腿骨の寛骨臼キャビティの間の応力を生じさせないように実施されなければならない。
【0077】
そのような分離を可能とする第1の方法は、貫通孔を持つ前記固定孔20による方法であり、これは遠部端にネジ付きロッドを持つ脱着器具と協働して、前記脱着器具が前記ネジ付きロッドが前記貫通孔を通じてねじ込まれると、前記挿入カップ1の前記凹状受容表面3に対して直接又は間接的に接続するように協働するように構成される。図14及び15には、前記固定孔20が、直径D1の第1の部分20aとより小さい直径D2の第2の部分を持つ。前記脱着器具のネジ付きロッドは、前記固定孔20の直径D2の前記部分20b内にねじ込まれ得る。
【0078】
またそのような分離を可能とする第2の方法は:
−前記装着配置用インサート7が前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6に固定されると、前記装着配置用インサート7と前記凹状内側受容表面3(図15)との間、又は適切な場合には前記装着配置用インサート7と前記関節インサート18(図14)の間に自由空間E1が保持されるように、前記装着配置用インサート7が構成され、
−前記装着配置用インサート7が、前記外側環状受容構造6の前記受容表面9の対してその結合表面11を横切る封止状態であり、
−前記固定孔20が貫通孔であり、それを介して前記自由空間E1が前記外側と通じ、シリンジの端部の漏れ防止嵌合のために寸法化される、方法である。
【0079】
図14及び15の場合において、前記シリンジ端部は外側直径が前記固定孔20の直径D2の前記部分で漏れ防止の状態で勘合するように構成される。
【0080】
その後水又は生理的食塩水を前記自由空間内に加圧状態で注入して、前記挿入カップ1及び前記装着配置用インサート7との間の分離のための力を低減させる。
【0081】
前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1の間の封止結合を得るために、好ましくは、図8及び9に示されるような前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1を用いる。
【0082】
本発明において、前記挿入カップ1及び前記装着配置用インサート7(及び、適切な場合には静置関節インサート18)を含む前記ユニットを組み立てる場合には、前記環状受容構造6及び前記周縁環状固定構造10を損傷しないことが重要である。前記外側環状構造6上に前記周縁環状固定構造10の半径方向締め付けを達成するために、前記周縁環状固定構造10が前記外側環状受容構造6の直径よりも小さいか等しい直径を持つことが必要である。
【0083】
従って膨張させその後縮小させることを含む組立方法が用いられる。前記半径方向インサート7が加熱されてその直径を増加させ、その後前記周縁環状固定構造10が前記外側環状受容構造6の前記受容表面9周りに嵌合され、さらに前記装着配置用インサート7を室温に戻しその直径を減少させる。
【0084】
かかる方法は、1以上のロックリブ15a〜15d又は17を損傷又は破壊せずに組み立てることを可能とし、これにより前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1の間のより強い結合のための鋭利な端部を保持することを可能とする。
【0085】
加熱による製造方法はまた、文献国際公開第2006/040483A1号に記載される冷却による方法の前記欠点を避けることを可能とする。
【0086】
室温に戻すと前記外側環状受容構造6上の前記周縁環状固定構造10の半径方向締め付けが得られる。図14で示される前記ユニットの組立のために、前記挿入カップ1上に前記半径方向インサート7を固定する前に前記挿入カップ1の前記凹状受容表面3内に関節インサート18を挿入することを可能とする。
【0087】
それゆえ、かかる形成され微生物保護封袋中に封入されたユニットを殺菌ステップに進めることが可能となる。
【0088】
留意すべきは、前記装着配置用インサート7を加熱し、その後室温に戻すことによる図14及び15の前記ユニットの製造及び組立方法は、挿入カップ1と共に使用することができ、その外側環状受容構造6は前記開口面Pから離れて設けられる必要はない、ということである。
【0089】
前記製造方法は従って、前記挿入カップ1の前記開口面Pに関して前記環状受容構造6の位置に依存せず保護の対象とされ得る。
【0090】
本発明はここで明示された実施態様に限定されるものではなく、むしろ添付された特許請求の範囲の範囲内に含まれる種々の変法及び一般をも含むものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、股関節寛骨臼の交換を目的とする人工股関節寛骨臼の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
股関節全体は、ボールソケットジョイントを含む2つの部分から成り、その一方は前記股関節の生体寛骨臼を交換することを目的とする雌部分と、他方は大腿骨ヘッドを交換することを目的とする雄部分である。前記ジョイントの雄部分は前記大腿骨の髄管内に挿入される目的のシャフトを有し、その近位端は前記雌部分に嵌合される目的の球状ヘッドへのネックにより接続される。前記ジョイントの雌部分は、前記生体股関節寛骨臼を交換するべきでものであり、通常は実質的に半球状挿入カップを含み、前記骨軟骨の用意された寛骨臼内に配置されるものである。
【0003】
前記寛骨臼内の前記挿入カップを適合させる場合に、前記カップを保持し操作するため、及び前記カップを前記骨内の前記寛骨臼キャビティ内に好ましい方向に駆動するための力を適用するためのインパクター、さらに前記挿入カップの外部表面と前記骨内の寛骨臼キャビティとの間にセットするためのセメントとして十分長いインパクターの使用を可能とすることが必須である。
【0004】
仏国特許出願公開第2909541A1号明細書には、凸状かつ半球状の外部アンカー表面を有する挿入カップが記載されている。そのインパクターを打ち込む間このカップを保持するために、外部環状溝がその自由環状端部近くに設けられる。この環状溝は、少なくとも2つのフック形状の弾性体タブ持つ主部を含むインパクターの工程を可能とする。
【0005】
この文献では、前記カップが前記インパクターにより保持するための力は、前記弾性体タブから離れて広がるように適用されるべき前記力と関連し又は実質的に等しいものである。このことは、前記インパクターにより前記カップを保持をするほど、前記タブを広げることはより難しくなり、これによりユーザーは前記カップへインパクターを固定するためより努力が必要となる。
【0006】
従って、前記カップの信頼性ある保持を適用すると同時にカップへのより容易なインパクターの固定を可能とする必要性がある。
【0007】
従って、前記カップの信頼性ある保持を適用すると同時にカップへのより容易な固定を可能とする必要性がある。
【0008】
国際公開第2006/040483A1号には以下の挿入カップを含む股関節寛骨臼が記載されている。すなわち、
−患者の大腿骨の寛骨臼キャビティ内にアンカーされるように設計される実質的に半球状凸状外部アンカー表面、
−環状端部と開口面内に含まれる開口表面とを含む凹状内部受容表面、
−環状受容構造であって、インパクターが患者の大腿骨の寛骨臼キャビティ内に前記カップのインパクターのための前記環状受容構造に固定されるように設計される環状受容構造を含む、挿入カップである。
【0009】
国際公開第2006/040483A1号では、前記の装着配置用インサートが冷却されて前記挿入カップ内にそれを導入することを可能とし、それを室温に戻して拡張させて前記挿入カップ内に強く取り付ける。前記装着配置用インサートの寸法を十分に小さくするために、これを冷蔵容器内で冷却する。前記冷蔵容器内に凝縮による液体が見られる場合がある。かかる凝縮液体はバクテリアや微生物で汚染されている恐れがあり、それにより、前記装着配置用インサートとインサートカップが共に結合(ジョイント)された後前記装着配置用インサート上に汚染を生じる恐れがある。このことは特に前記装着配置用インサートがプラスチックで成形されている場合には決定的に重要である。というのは例えばポリエチレンなどの装着配置用インサートとして使用されるプラスチックは係る液体を吸収しやすいからである。従ってプラスチックから成形される前記装着配置用インサートがバクテリアや微生物で汚染された液体を吸収して、前記装着配置用インサートの深部汚染を起こすというリスク(危険性)が存在する。
【0010】
さらに、前記カップとインパクターの間に、国際公開第2006/040483A1号の開示されるものよりもより強いジョイントを設けることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2909541A1号明細書
【特許文献2】国際公開第2006/040483A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、挿入カップを持つ股関節寛骨臼の製造方法であり、これをより高い信頼性でより強固にインパクターに固定することができ、一方で適用のための力を制限でき、かつ汚染の恐れをなくすことができる、方法である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明は次のステップ:
(a)開口面に含まれる開口表面を持つ凹状内側受容表面と、外側環状受容構造を持つ挿入カップを準備し、
(b)前記外側環状受容構造周りに嵌合することで前記外側環状受容構造の前記受容表面と協働するように構成される周縁環状固定構造を持つ装着配置用インサートを準備し、
(c)前記装着配置用インサートを前記寸法を増加させるために加熱し、
(d)前記周縁環状固定構造を、前記外側環状受容構造の前記受容表面周りに嵌合させ、
(e)前記装着配置用インサートを室温に戻してその寸法を減少させて、前記外側環状受容構造上に前記周縁環状固定構造の半径方向締め付け(clamp)を達成する、を含む製造方法を提供する。
【0014】
かかる製造方法は前記挿入カップ上に十分な前記装着配置用インサートの半径方向締め付けを得ることを可能とする。前記外側環状受容構造回りの前記装着配置用インサートの嵌合は、加熱による前記装着配置用インサートの拡張により過度の力を用いることなく可能となる。
【0015】
しかし前記カップと前記装着配置用インサートの分離には、冷却の後は相当な力が必要であり、これにより前記カップの十分な打ち込み及び方向づけを可能とする。
【0016】
半径方向締め付けによる前記挿入カップ上に前記装着配置用インサートを強制的に保持することは、高い信頼性と安全な固定を保証するものであり、これにより前記挿入カップの打ち込みの際に適用される力に耐えることが可能である。前記外側環状受容構造上の前記周縁環状固定構造の半径方向締め付けは、前記外側環状受容構造の形状を過度に複雑にすることなくこの高い信頼性のある固定の達成を可能とする。
【0017】
前記挿入カップ上の前記装着配置用インサートの保持は国際公開第2006/040483A1号に記載の方法よりもより信頼性は高い。これは特に、前記半径方向締め付けが環状受容構造上で起こり、このことは、前記締め付けが外部で起こり従って前記半径方向インサートとより大きい接触表面を持つという事実に基づく。
【0018】
最後に、前記外側環状受容構造上の前記周縁環状固定構造の半径方向締め付けは、前記挿入カップ内にプレストレス状態を起こし、このプレストレスが、患者の大腿骨の寛骨臼内にその打ち込みの際に前記挿入カップの変形を起こす可能性を制限する。というのは、前記挿入カップがその上部環状端部近くで比較的小さい厚さ例えば3mmを持つ場合、前記挿入カップの楕円化する現象が時として起こり(前記挿入カップが例えば金属やプラスチック等の変形可能な材料でできている場合に)、この現象は前記寛骨臼ジョイントの雄部分が前記挿入カップ内に嵌合することを不可能とし、又はこの現象は不均一に分配される内部機械的応力を生じ前記挿入カップの破壊をもたらす(例えばセラミックスなどの弱い材料でできている場合)か、又は不均一に分配される内部機械的応力を生じ、その結果、特にセラミックスからできている場合に関節インサートが容易に損傷を受ける、からである。
【0019】
本発明の製造方法において、外側環状受容構造を持つ挿入カップであって、その上で前記装着配置用インサートが加熱により拡張した後に室温に戻すことで締め付けられる挿入カップを準備することで、前記装着配置用インサートの汚染、特にそれがポリエチレンでできてる場合に汚染の問題を防止することを可能とする。
【0020】
本発明において、前記凹状内部受容表面は、前記挿入カップ(例えば2方向移動可能な寛骨臼のための)に関して移動可能な関節インサートを受容するか、又は前記挿入カップ(例えば単一の移動可能性を持つ寛骨臼のための)に関して静置される関節インサートを受容するように構成され得る。
【0021】
有利には、前記挿入カップ上に前記装着配置用インサートを固定する前に、前記方法は、関節インサートを前記挿入カップの前記凹上内部受容表面内に挿入する補助的ステップ(b1)を含む。
【0022】
前記挿入カップ、前記関節インサート及び前記装着配置用インサートは従って、製造現場で前もって組立てられ得るものであり、外科医がそのように形成された前記ユニットを前記関節インサートについて心配することなく単純に打ち込むことができるものでなければならない。さらに、前記関節インサートは、外科医がなんら関与することなく前記挿入カップ内に正しい位置に配置され得るものである。従ってこのことは、前記挿入カップ内に前記関節インサートの誤配置の危険性を抑制する。この関節インサートの誤配置は前記関節インサートの早期破壊を生じる恐れがある。
【0023】
有利には:
−前記関節インサートがセラミックスできており、
−前記装着配置用インサートが前記挿入カップ内の前記関節インサートを保持する弾性手段を持ち、
−前記装着配置用インサートが前記挿入カップに結合される際に、前記装着配置用インサートが、前記挿入カップ内に前記関節インサートを保持するための前記弾性手段を介してのみ前記関節インサートと接触する、ものである。
【0024】
前記弾性保持手段は、搬送され、保存される間、かつ外科医により取り扱いされる際に本前記関節インサートを前記挿入カップ内に正しい位置を維持する。外科医が前記装着配置用インサートにより前記挿入カップ上に打ち込み力を適用する際には、前記セラミックスインサートには前記弾性保持手段が変形することでなんらのショックも伝達されない。従って、外科医が前記打ち込み中に前記セラミックス関節インサートを破壊する恐れはない。
【0025】
有利には、前記方法はさらに、前記ユニットが形成され微生物保護封袋に封止された後に殺菌されるステップ(f)を含む。
【0026】
好ましくは、前記関節インサートがセラミックスからできており、かつ殺菌ステップ(f)がガンマ線照射、有利には約25kGyと約40kGyの間の照射による、方法である。
【0027】
国際公開第2006/040483A1号には環状受容構造は、前記凹上内部受容表面の表面に続く円筒状又はやや円錐状環状保持表面を含む。
【0028】
しかし、実質的に円筒状の連続性は前記寛骨臼大腿骨シャフトの可能な角度の余裕を制限する。さらに前記円筒状の連続性は、通常は金属でできている前記寛骨臼大腿骨シャフトは前記挿入カップと接触するリスクが増加する。かかる接触の場合には、前記挿入カップが金属でできている場合には金属分解の現象は前記挿入カップ及び/又は前記人工大腿骨シャフトの端部の分解により起る。この分解は金属デブリを生じさせ、回りの組織に取り込まれ及び/又は人工関節を損傷させ得る。さらに、前記カップが金属でできていない場合には、特にセラミックス又は例えばPEEKなどのプラスチックでできている場合には、前記挿入カップの部分的又は全破壊の危険性がある。
【0029】
このことが、前記環状受容構造が好ましくは外部にあり、前記開口面から離れて位置される理由である。前記インパクターの固定のための前記環状受容構造が前記開口面から離れて前記実質的な球状凸状アンカー表面の尖端に向かって位置される場合、この環状受容構造はもはや人工大腿骨シャフトの角度的余裕を制限せず、適合され得るものである。同時に前記人工大腿骨シャフト及び前記挿入カップの間の接触の恐れは制限され、それにより金属分解及び/又は破壊の危険性が低減される。
【0030】
好ましくは前記装着配置用インサートは、インパクターが移動可能に固定される組立て構造を用い得る。
【0031】
従って、製造現場で前記挿入カップ上に前記装着配置用インサートを配置することが可能となり、それにより外科医は単純に前記インパクターを前記挿入カップの打ち込みを実行するために前記装着配置用インサート上に固定するだけでよい。従って、外科医が前記挿入カップの前記凹状内部受容表面を損傷する恐れはなく、前記挿入カップは前記装着配置用インサートにより保護される。
【0032】
有利には:
−前記外側環状受容構造が、前記外側へ向けて受容表面を持つ前記環状端部の連続的又は不連続的周縁半径方向肩部を含み、
−前記装着配置用インサートが前記内側へ向けて接続表面を持つ連続的又は不連続的周縁環状固定構造を持ち、前記外側環状受容構造の前記受容表面と協働するように構成される、方法である。
【0033】
第1の変法によれば、
−前記外側環状受容構造の受容表面が不連続周縁ロック溝を持ち、
−前記装着配置用インサートの前記周縁環状固定構造の前記接続表面は周縁に配置された複数のロックリブを持ち、それが前記不連続的周縁ロック溝内に嵌合されるように構成される、方法である。
【0034】
第2の変法によれば:
−前記外側環状受容構造の受容表面又は前記周縁環状固定構造の接続表面のいずれかが連続的周縁環状ロック溝を持ち、
−前記周縁環状固定構造の接続表面又は前記外側環状受容構造の受容表面の他の1つが連続的又は不連続的周縁環状ロックリブを持ち、前記連続的周縁環状ロック溝内に嵌合するように構成される。
【0035】
前記ロック溝及び前記1以上のロックリブにより、前記装着配置用インサートは前記挿入カップ上に維持される。これはまた外科医が前記インパクターにより伝達させる方向トルクに耐えるように、前記装着配置用インサート及び前記挿入カップの間の結合の強さを大きく増加させる。
【0036】
有利には、本発明は:
−前記環状端部の周縁半径方向肩部が約0.7mmと約1.2mmの間の厚さを持ち、
−前記外側の環状受容構造の前記不連続の周縁ロック溝又は前記連続的周縁環状ロック溝が、約0.2mmと約0.6mmの間の半径方向厚さを持つ。
【0037】
かかる寸法は、その上部環状端部近くの小さい厚さ、例えば3mmの厚さを持つ挿入カップと適合する。
その上部環状端部近くの小さい厚さを持つ挿入カップの使用は、前記結合部(ジョイント)の雄部分の前記球状ヘッドの直径を減少することを可能とし、従って位置変更の危険を制限する。
【0038】
好ましくは、前記環状端部の前記周縁半径方向肩部は約1mmと約4mmの間の高さを持つ。
【0039】
前記周縁半径方向肩部のかかる高さは、前記骨と接触するための前記凸状外側アンカー表面の表面面積を過度に減少させることなく、前記半径方向締め付けのための前記装着配置用インサート及び前記挿入カップの間に十分な接触表面を与える。このことは、赤道面の近くに実質的に位置する前記外側アンカー表面部分が、前記大腿骨の前記寛骨臼キャビティ内の前記挿入カップの保持に実質的に関与する部分である、という事実に照らすとより大きいものである。
【0040】
有利には、前記環状受容構造の前記不連続的周縁ロック溝又は連続的周縁環状ロック溝は、約0.4mmと約3mmの間の高さを持つ。
【0041】
好ましくは、前記装着配置用インサート及び前記外側カップの前記外側環状受容構造は、前記装着配置用インサートが前記挿入カップの前記外側環状受容構造上に固定される場合に、前記装着配置用インサートは、前記挿入カップの前記実質的に半球状凸状アンカー表面により定められる実質的に半球状表面の外側には突出しないように構成される。従ってこれにより、患者の大腿骨の前記準備された寛骨臼キャビティの近くに存在する前記骨物質と前記装着配置用インサートとが不適合となる危険を避けることとなる。
【0042】
有利には、前記装着配置用インサートの周縁環状固定構造は、前記環状端部の半径方向肩部の厚さと実質的に等しいか小さい厚さを持ち得る。好ましくは、前記装着配置用インサートはポリエチレンでできている。ポリエチレンは通常医療分野で使用され安価である加工が容易である。さらに、ポリエチレンは金属、セラミックス又はポリエチレンよりも硬い材料、例えばPEEKなどでできている挿入カップを損傷する恐れがない。
【0043】
好ましくは、前記組立て構造は、前記装着配置用インサート中に形成される内部ネジを持つ固定孔を含み得る。この孔は前記インパクターの対応するネジ付き部分のねじ込みを可能とする。
【0044】
有利には、前記固定孔は貫通孔であり、脱着器具と協働することを可能とする。前記脱着器具はネジ付きロッドを持ち、これは前記孔を通じてねじ込むことができる。前記器具は遠位端部を持ち、この部分は前記ネジ付きロッドが前記貫通孔内にねじ込まれる際に前記挿入カップの前記凹状内部受容表面に対して、直接又は間接的に結合されるように構成される。
【0045】
好ましくは、本方法は:
−前記装着配置用インサートが、前記装着配置用インサートが前記挿入カップの前記外側環状受容構造に固定される際に、前記装着配置用インサートと前記凹状内部受容表面との間又は適切な場合に前記装着配置用インサートと前記関節インサートとの間に自由空間が保持されるように構成され、
−前記装着配置用インサートが前記外側環状受容構造の前記受容表面に対してその接続表面を横切って封止状態とされ、
−前記固定孔が貫通孔であり、前記孔は、前記孔を介して、前記装着配置用インサート及び前記凹状内部受容表面との間又は適切な場合には前記装着配置用インサート及び前記関節インサートとの間の自由空間を前記外側と通じさせ、シリンジの端部の漏れ防止のために寸法化される、方法である。
【0046】
本発明の他の課題、構成及び有利な効果については、添付図面を参照しつつ以下の具体的な実施態様の記載から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、股関節寛骨臼の挿入カップの斜視図である。
【図2】図2は、図1の挿入カップへ接続されるための装着配置用インサートの斜視図である。
【図3】図3は、図2の装着配置用インサートの断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施態様による股関節寛骨臼の挿入カップの斜視図である。
【図5】図5は、図4の前記カップの側面図である。
【図6】図6は、図4及び5の前記挿入カップに接続される、装着配置用インサートの斜視図である。
【図7】図7は、図6の前記装着配置用インサートの断面図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施態様による股関節寛骨臼の挿入カップの斜視図である。
【図9】図9は、図8の前記装着配置用インサートの断面図である。
【図10】図10は、図8の前記挿入カップの部分的断面図である。
【図11】図11は、図9の前記装着配置用インサートの断面図である。
【図12】図12は、図10及び11の前記挿入カップ及び装着配置用インサートの部分的断面図である。
【図13】図13は、静置関節インサートを持つ図8の前記挿入カップ及び装着配置用インサートの斜視図である。
【図14】図14は、組み合わせられた図13の前記要素の断面図である。
【図15】図15は、組み合わせられた挿入カップ及び装着配置用インサートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1、4、5及び8は股関節寛骨臼の挿入カップ1の1つを示す。この挿入カップ1は:
−患者の大腿骨の用意された寛骨臼キャビティ内にアンカーされるように設計された、実質的に凸状の外部アンカー表面及び開口面P内に維持される凹状の内部受容表面、
−環状受容構造6であって、患者の前記大腿骨の前記環状構造キャビティ内に前記挿入カップ1の打ち込みのために、インパクターを前記環状構造6に固定する用に設計される、環状受容構造6、を含む。
【0049】
前記環状受容構造6は外部に、前記開口面Pからある距離離れて設けられている。言い換えると、前記環状受容構造は6は前記開口面Pに関して、前記外部アンカー表面2の尖端Sの方向へ向かってオフセットされている。
【0050】
従って、前記環状受容構造6は、前記尖端Sを超えて続く前記内部受容表面3から連続して位置するものではない。従って、前記寛骨臼大腿骨シャフトの角度的余裕を制限することを防止し、金属破壊を防止できる。
【0051】
図2、3、6、7及び9は、挿入カップ1の結合させる装着配置用インサート7を示す。図2及び3の装着配置用インサート7は図1の前記挿入カップに結合させるものである。図6及び7の装着配置用インサート7は図4、5及び8の前記挿入カップに結合させるものである。図9の前記装着配置用インサート7は図8の前記挿入カップに結合させるものである。
【0052】
それぞれの装着配置用インサート7は前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6に移動可能に固定され得るものであり、それは移動可能に固定されるインパクターの上にアセンブリ8を持つ。
【0053】
図1、5及び8から、前記外側環状受容構造6は前記環状端部の連続的又は不連続的周縁半径方向肩部dを含み、前記外側方向に向けられた受容表面9を含むことが分かる。図2、3、6、7から、それぞれの装着配置用インサート7は連続的又は不連続的周縁環状固定構造10を持ち、これは前記内側に向けられて前記外側環状構造6の前記受容表面9と協働するように構成されていることが分かる。
【0054】
図1〜3に示す実施態様では、前記外側環状受容構造6の前記受容表面9が外部ネジ12を含み、前記装着配置用インサート7の前記周縁固定構造10の前記接続表面11が、ネジにより前記外部ネジ12と協働するように構成される内部ネジ13を含む。
【0055】
本発明の実施態様は図4〜13に示される。これらの図において前記外側環状受容構造6及び前記周縁環状固定構造10は、前記装着配置用インサート7が前記外側環状受容構造の回りに押嵌合され、前記外側環状受容構造6上に前記周縁受容環状構造10の半径方向を締め付けることで強固に保持されるように、構成される。
【0056】
前記挿入カップ1上に前記装着配置用インサート7の保持をさらに改善するために、前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1の間に、ロック溝に嵌合する1以上のロックリブを設けることで、さらに協働作用が与えられ得る。
【0057】
図4〜7に記載の第1の変法では、
−前記外側環状受容構造6の前記受容表面9は不連続ロック溝14を持ち、
−前記装着配置用インサート7の前記周縁環状固定構造10の前記結合表面11は複数のロックリブ15a〜15dを含み、それらは前記周縁に分布されており、かつ前記不連続周縁ロック溝14に嵌合するように構成されている。
【0058】
図8及び9に示される第2の変法では、前記外側環状受容構造6の前記受容表面9は連続的な周縁環状ロック溝16を含み、また前記周縁環状固定構造10の前記結合表面11は前記連続的周縁環状ロック溝16で嵌合するように設計された連続的周縁ロックリブ17を含む。
【0059】
この第2の実施態様では、前記周縁環状固定構造10の前記結合表面11が不連続的環状ロックリブを持つことも可能である。従って、装着配置用インサート7は、図6及び7に示されるように、本発明の第2の実施態様の前記第1の変法と類似である。
【0060】
図10は図8の前記挿入カップ1の前記環状端部4の断面である。図10からより具体的に分かるように、前記外側環状受容構造6は周縁半径方向肩部dを含み、これは前記外側に向く受容表面9を持つ。前記周縁半径方向肩部dは約0.7mmから約1.2mmの間の厚さを持つ。
【0061】
前記受容表面9は連続的周縁環状ロック溝16を持つ。前記連続的周縁環状ロック溝16は、約0.2mm及び約0.6mmの間の厚さ半径方向厚さe2を持つ。
【0062】
前記挿入カップ1はその環状端部4と類似の厚さe4を持つ。厚さe4はさらに小さくてもよく、例えば3mm未満である。
【0063】
前記環状端部4の周縁半径方向肩部dは、約1mmと約4mmの間の高さh1を持つ。
【0064】
最後に前記連続的周縁環状ロック溝16は約0.4mmと約3mmの間の高さh2を持つ。
【0065】
前記第2の変法の関して与えられた寸法は前記第1の変法にも適用され、また図1〜3の発明についても適用され得る。
【0066】
図11から分かるように、前記半径方向インサート7の前記周縁環状固定構造10は、その結合表面11とその連続的環状ロックリブ17を持ち、前記受容表面9及び前記連続的周縁環状ロック溝16に適合する形状及び寸法を持つ。前記半径方向インサート7及び前記挿入カップ1は従って図12に示されるように非常に緊密に結合され得ることとなる。
【0067】
前記半径方向インサート7と、患者の前記大腿骨の生体の寛骨臼キャビティとの不適合を避けるために前記半径方向インサート7及び前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6は次のように構成される。即ち、前記装着配置用インサート7が前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6へ固定される際に前記装着配置用インサート7が、前記挿入カップ1の前記実質的に半球状凸状外側アンカー表面で定められる実質的に半球状表面S1(図12で破線で示される)の外側に突出しないように、構成される。
【0068】
このために前記装着配置用インサート7の前記周縁環状固定構造10は、前記環状端部4の前記半径方向肩部dの厚さe1よりも実質的に小さいか等しい半径厚さe3を持つ。
【0069】
前記挿入カップの損傷を受けないように、前記半径方向インサート7は有利にはプラスチックで、好ましくはポリエチレンで成形されるものであり、ポリエチレンは容易に加工できまた安価な材料でもある。
【0070】
本発明において、前記凹状受容表面3は、例えば2方向の可動性を持つ寛骨臼のための移動可能な関節インサートを受容するためにスライド表面3aであり得る。この場合前記スライド表面3aは球状移動可能な関節インサート(図15)を受容するものである。
【0071】
本発明において、前記凹状内側受容表面3は、例えば図14で示されるように単一方向移動可能な寛骨臼のための静置関節インサート18を受容するために構成され得る。前記静置関節インサート18は前記挿入カップ1内に円錐形嵌合により不動化される。
【0072】
図14からより具体的に分かるように、前記挿入カップ1へ固定される前記装着配置用インサート7を持つ前記挿入カップ1内に嵌合される前記関節インサート18を、製造現場で予め組立て殺菌処理を実施することが可能である。この結果、外科医による打ち込みのために準備された予め組み立てられたユニットが得られ、その結果手術時間が短縮され得ることとなる。さらに、前記関節インサート18は、前記挿入カップ1内に予め適切に固定されており、外科医による不適切な位置合わせリスクを低減できることとなる。このことは前記関節インサートがセラミックスでできている場合に特に重要である。というのは不適切な位置合わせは、しばしば前記セラミックスの早期破壊につながるからである。
【0073】
図14からより具体的に分かるように、前記装着配置用インサート7は前記挿入カップ1内に前記セラミックス関節インサート18を保持するための弾性手段19を持つ。前記弾性手段19は、前記挿入カップ1内の前記関節インサート18が前記予め組み立てられた挿入カップ及び関節インサート18の移動、保存及び取り扱いの際に位置が変化することを防止する。
【0074】
前記挿入カップ1の打ち込みの際に前記セラミックス関節インサート18の損傷を避けるために、前記装着配置用インサート7を前記挿入カップ1に固定される際に前記装着配置用インサート7は前記関節インサート18と前記弾性保持手段19にのみ接触する。図12からより具体的に分かるように、前記装着配置用インサート7は、前記装着配置用インサート7及び前記関節インサート18との間に空間Eを設けるように構成される。従って、打ち込み衝撃が前記セラミックス関節インサート18へは伝達されず、前記弾性手段19により前記挿入カップ1の底部に保持される。
【0075】
図14及び15からより具体的に分かるように、前記装着配置用インサート7は内部ネジ21を持つ固定孔21を含む。前記内部ネジ21は、前記インパクター(図示されていない)の対応するネジ部分をネジ止めすることを可能とする。
【0076】
前記挿入カップ1を患者の大腿骨の寛骨臼キャビティ内に打ち込んだ後、前記装着配置用インサート7を引き出す必要がある。この引き出しは、打ち込みの際に形成された結合を破壊しないように、前記アンカー表面2と患者の大腿骨の寛骨臼キャビティの間の応力を生じさせないように実施されなければならない。
【0077】
そのような分離を可能とする第1の方法は、貫通孔を持つ前記固定孔20による方法であり、これは遠部端にネジ付きロッドを持つ脱着器具と協働して、前記脱着器具が前記ネジ付きロッドが前記貫通孔を通じてねじ込まれると、前記挿入カップ1の前記凹状受容表面3に対して直接又は間接的に接続するように協働するように構成される。図14及び15には、前記固定孔20が、直径D1の第1の部分20aとより小さい直径D2の第2の部分を持つ。前記脱着器具のネジ付きロッドは、前記固定孔20の直径D2の前記部分20b内にねじ込まれ得る。
【0078】
またそのような分離を可能とする第2の方法は:
−前記装着配置用インサート7が前記挿入カップ1の前記外側環状受容構造6に固定されると、前記装着配置用インサート7と前記凹状内側受容表面3(図15)との間、又は適切な場合には前記装着配置用インサート7と前記関節インサート18(図14)の間に自由空間E1が保持されるように、前記装着配置用インサート7が構成され、
−前記装着配置用インサート7が、前記外側環状受容構造6の前記受容表面9の対してその結合表面11を横切る封止状態であり、
−前記固定孔20が貫通孔であり、それを介して前記自由空間E1が前記外側と通じ、シリンジの端部の漏れ防止嵌合のために寸法化される、方法である。
【0079】
図14及び15の場合において、前記シリンジ端部は外側直径が前記固定孔20の直径D2の前記部分で漏れ防止の状態で勘合するように構成される。
【0080】
その後水又は生理的食塩水を前記自由空間内に加圧状態で注入して、前記挿入カップ1及び前記装着配置用インサート7との間の分離のための力を低減させる。
【0081】
前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1の間の封止結合を得るために、好ましくは、図8及び9に示されるような前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1を用いる。
【0082】
本発明において、前記挿入カップ1及び前記装着配置用インサート7(及び、適切な場合には静置関節インサート18)を含む前記ユニットを組み立てる場合には、前記環状受容構造6及び前記周縁環状固定構造10を損傷しないことが重要である。前記外側環状構造6上に前記周縁環状固定構造10の半径方向締め付けを達成するために、前記周縁環状固定構造10が前記外側環状受容構造6の直径よりも小さいか等しい直径を持つことが必要である。
【0083】
従って膨張させその後縮小させることを含む組立方法が用いられる。前記半径方向インサート7が加熱されてその直径を増加させ、その後前記周縁環状固定構造10が前記外側環状受容構造6の前記受容表面9周りに嵌合され、さらに前記装着配置用インサート7を室温に戻しその直径を減少させる。
【0084】
かかる方法は、1以上のロックリブ15a〜15d又は17を損傷又は破壊せずに組み立てることを可能とし、これにより前記装着配置用インサート7及び前記挿入カップ1の間のより強い結合のための鋭利な端部を保持することを可能とする。
【0085】
加熱による製造方法はまた、文献国際公開第2006/040483A1号に記載される冷却による方法の前記欠点を避けることを可能とする。
【0086】
室温に戻すと前記外側環状受容構造6上の前記周縁環状固定構造10の半径方向締め付けが得られる。図14で示される前記ユニットの組立のために、前記挿入カップ1上に前記半径方向インサート7を固定する前に前記挿入カップ1の前記凹状受容表面3内に関節インサート18を挿入することを可能とする。
【0087】
それゆえ、かかる形成され微生物保護封袋中に封入されたユニットを殺菌ステップに進めることが可能となる。
【0088】
留意すべきは、前記装着配置用インサート7を加熱し、その後室温に戻すことによる図14及び15の前記ユニットの製造及び組立方法は、挿入カップ1と共に使用することができ、その外側環状受容構造6は前記開口面Pから離れて設けられる必要はない、ということである。
【0089】
前記製造方法は従って、前記挿入カップ1の前記開口面Pに関して前記環状受容構造6の位置に依存せず保護の対象とされ得る。
【0090】
本発明はここで明示された実施態様に限定されるものではなく、むしろ添付された特許請求の範囲の範囲内に含まれる種々の変法及び一般をも含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工股関節寛骨臼の製造方法であり、前記方法は:
(a)開口面に含まれる開口表面を持つ凹状内部受容表面かつ外側環状受容構造を持つ挿入カップを準備し、
(b)前記外側環状受容構造の受容表面と、前記外側環状受容構造回りに嵌合することで協働するように構成される周縁環状固定構造を持つ装着配置用インサートを準備し、
(c)前記寸法を増加するために前記装着配置用インサートを加熱し、
(d)前記外側環状受容構造の受容表面周りに前記周縁環状固定構造を嵌合し、
(e)前記装着配置用インサートを室温に戻して前記寸法を減少させて、前記周縁環状固定構造の前記外側環状受容構造上へ半径方向締め付けを達成する、ステップを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記装着配置用インサートを前記挿入カップ上に固定する前に、前記方法がさらに、前記挿入カップの前記凹状内部受容表面内に関節インサートを挿入するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり:
−前記関節インサートがセラミックスで形成され、
−前記装着配置用インサートが前記挿入カップ内の前記関節インサートを保持するための弾性手段を持つ、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法であり、さらに、前記形成され微生物防止封袋に封止されたユニットを殺菌するステップ(f)を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であり、前記関節インサートがセラミックスで形成され、前記殺菌ステップがガンマ線、好ましくは約25kGyと約40kGyの間の照射量で照射することによる、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法であり、前記装着配置用インサート(7)がポリエチレンから形成される、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法であり:
−前記外側受容構造が前記環状端部の連続的又は不連続的周縁半径方向肩部を含み、前記外側へ向けられた受容表面を含み、
−前記装着配置用インサートが連続的又は不連続的周縁環状固定構造を持ち、これは前記内側に向けられた結合表面を持ち、前記外側環状受容構造の受容表面と協働するように構成される、方法。
む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり:
−前記外側環状受容構造の受容表面が不連続的周縁ロック溝を含み、
−前記装着配置用インサートの前記周縁環状固定構造の接続表面が、複数のロックリブを含み、これらが周縁に分布され、前記不連続的周縁ロック溝内に勘合する用に構成される、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であり:
−前記外側環状受容構造の受容表面又は前記周縁環状固定構造の接続表面のいずれかが連続的周縁環状ロック溝を有し、
−前記周縁環状固定構造の接続表面又は前記外側環状受容構造の受容表面のいずれかが前記連続的周縁環状ロック溝内で嵌合するように構成される、連続的又は不連続的周縁環状ロックリブを有する、方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の方法であり:
−前記環状端部の周縁半径方向肩部が、約0.7mmと約1.2mmとの間の厚さを持ち、
−前記外側環状受容構造の前記不連続的周縁ロック溝又は前記連続的周縁環状ロック溝が、約0.2mmと約0.6mmとの間の半径方向厚さを持つ、方法。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載の方法であり、前記環状端部の前記周縁半径方向肩部が、約1mmと約4mmとの間の高さを持つ、方法。
【請求項12】
請求項8又は9のいずれか1項に記載の方法であり、前記外側環状受容構造の前記不連続的周縁ロック溝又は前記連続的周縁環状ロック溝が、約0.4mmと約3mmとの間の高さを持つ、方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の方法であり、前記挿入カップの前記装着配置用インサート及び前記外側環状受容構造が、前記装着配置用インサートが前記挿入カップとの前記外側環状受容構造に固定される際に、前記装着配置用インサートが、前記挿入カップとの前記実質的に半球状凸状外側アンカー表面により定められる実質的に半球状表面の外に飛び出さない、ように構成される、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記装着配置用インサートの前記周縁環状固定構造が、前記環状端部の前記半径方向肩部の厚さと実質的に等しいか又は小さい半径方向厚さを持つ、方法。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法であり、前記環状受容構造が外部にあり、かつ前記開口面から離れて設けられる、方法。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法であり、前記装着配置用インサートが、その上にインパクターを移動可能に固定され得る組立て構造を持つ、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記組立て構造が固定孔を含み、前記装着配置用インサートに形成された内側ネジを有し、前記インパクターの対応するネジ付き部分のねじ込みを可能とする、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であり、前記固定孔が貫通孔であり、ネジ付きロッドを持つ脱着器具と協働することができ、前記ロッドは前記貫通孔を通じてねじ込むことができ、遠位端部が、前記ネジ付きロッドが前記貫通孔内にねじ込まれる際に前記挿入カップの前記凹状内部受容表面に対して直接又は間接的に結合される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であり:
−前記装着配置用インサートは、前記装着配置用インサートと前記凹状受容表面の底部の間、又は適切な場合には前記装着配置用インサートと前記関節インサートの間に、前記装着配置用インサートが前記挿入カップの前記外側環状受容構造へ固定されると、自由空間が形成されるように構成され、
−前記装着配置用インサートが前記外側環状受容構造の受容表面に対してその結合表面を横切り封止状態で結合され、
−前記固定孔は貫通孔であり、前記孔を通じて前記装着配置用インサート及び前記凹状内側受容表面との間、又は適切な場合には前記装着配置用インサートと前記関節インサートとの間の前記空間が前記外側と通じ、シリンジの前記端部が漏れ防止嵌合するように寸法化されている、方法。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法であり、前記挿入カップが金属を含む、方法。
【請求項1】
人工股関節寛骨臼の製造方法であり、前記方法は:
(a)開口面に含まれる開口表面を持つ凹状内部受容表面かつ外側環状受容構造を持つ挿入カップを準備し、
(b)前記外側環状受容構造の受容表面と、前記外側環状受容構造回りに嵌合することで協働するように構成される周縁環状固定構造を持つ装着配置用インサートを準備し、
(c)前記寸法を増加するために前記装着配置用インサートを加熱し、
(d)前記外側環状受容構造の受容表面周りに前記周縁環状固定構造を嵌合し、
(e)前記装着配置用インサートを室温に戻して前記寸法を減少させて、前記周縁環状固定構造の前記外側環状受容構造上へ半径方向締め付けを達成する、ステップを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記装着配置用インサートを前記挿入カップ上に固定する前に、前記方法がさらに、前記挿入カップの前記凹状内部受容表面内に関節インサートを挿入するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であり:
−前記関節インサートがセラミックスで形成され、
−前記装着配置用インサートが前記挿入カップ内の前記関節インサートを保持するための弾性手段を持つ、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法であり、さらに、前記形成され微生物防止封袋に封止されたユニットを殺菌するステップ(f)を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であり、前記関節インサートがセラミックスで形成され、前記殺菌ステップがガンマ線、好ましくは約25kGyと約40kGyの間の照射量で照射することによる、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法であり、前記装着配置用インサート(7)がポリエチレンから形成される、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法であり:
−前記外側受容構造が前記環状端部の連続的又は不連続的周縁半径方向肩部を含み、前記外側へ向けられた受容表面を含み、
−前記装着配置用インサートが連続的又は不連続的周縁環状固定構造を持ち、これは前記内側に向けられた結合表面を持ち、前記外側環状受容構造の受容表面と協働するように構成される、方法。
む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり:
−前記外側環状受容構造の受容表面が不連続的周縁ロック溝を含み、
−前記装着配置用インサートの前記周縁環状固定構造の接続表面が、複数のロックリブを含み、これらが周縁に分布され、前記不連続的周縁ロック溝内に勘合する用に構成される、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であり:
−前記外側環状受容構造の受容表面又は前記周縁環状固定構造の接続表面のいずれかが連続的周縁環状ロック溝を有し、
−前記周縁環状固定構造の接続表面又は前記外側環状受容構造の受容表面のいずれかが前記連続的周縁環状ロック溝内で嵌合するように構成される、連続的又は不連続的周縁環状ロックリブを有する、方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の方法であり:
−前記環状端部の周縁半径方向肩部が、約0.7mmと約1.2mmとの間の厚さを持ち、
−前記外側環状受容構造の前記不連続的周縁ロック溝又は前記連続的周縁環状ロック溝が、約0.2mmと約0.6mmとの間の半径方向厚さを持つ、方法。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載の方法であり、前記環状端部の前記周縁半径方向肩部が、約1mmと約4mmとの間の高さを持つ、方法。
【請求項12】
請求項8又は9のいずれか1項に記載の方法であり、前記外側環状受容構造の前記不連続的周縁ロック溝又は前記連続的周縁環状ロック溝が、約0.4mmと約3mmとの間の高さを持つ、方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の方法であり、前記挿入カップの前記装着配置用インサート及び前記外側環状受容構造が、前記装着配置用インサートが前記挿入カップとの前記外側環状受容構造に固定される際に、前記装着配置用インサートが、前記挿入カップとの前記実質的に半球状凸状外側アンカー表面により定められる実質的に半球状表面の外に飛び出さない、ように構成される、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であり、前記装着配置用インサートの前記周縁環状固定構造が、前記環状端部の前記半径方向肩部の厚さと実質的に等しいか又は小さい半径方向厚さを持つ、方法。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法であり、前記環状受容構造が外部にあり、かつ前記開口面から離れて設けられる、方法。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法であり、前記装着配置用インサートが、その上にインパクターを移動可能に固定され得る組立て構造を持つ、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、前記組立て構造が固定孔を含み、前記装着配置用インサートに形成された内側ネジを有し、前記インパクターの対応するネジ付き部分のねじ込みを可能とする、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であり、前記固定孔が貫通孔であり、ネジ付きロッドを持つ脱着器具と協働することができ、前記ロッドは前記貫通孔を通じてねじ込むことができ、遠位端部が、前記ネジ付きロッドが前記貫通孔内にねじ込まれる際に前記挿入カップの前記凹状内部受容表面に対して直接又は間接的に結合される、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であり:
−前記装着配置用インサートは、前記装着配置用インサートと前記凹状受容表面の底部の間、又は適切な場合には前記装着配置用インサートと前記関節インサートの間に、前記装着配置用インサートが前記挿入カップの前記外側環状受容構造へ固定されると、自由空間が形成されるように構成され、
−前記装着配置用インサートが前記外側環状受容構造の受容表面に対してその結合表面を横切り封止状態で結合され、
−前記固定孔は貫通孔であり、前記孔を通じて前記装着配置用インサート及び前記凹状内側受容表面との間、又は適切な場合には前記装着配置用インサートと前記関節インサートとの間の前記空間が前記外側と通じ、シリンジの前記端部が漏れ防止嵌合するように寸法化されている、方法。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法であり、前記挿入カップが金属を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−505767(P2013−505767A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530403(P2012−530403)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054341
【国際公開番号】WO2011/098868
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(509191757)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054341
【国際公開番号】WO2011/098868
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(509191757)
【Fターム(参考)】
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