説明

付属部品取付構造

【課題】付属部品取付構造において、釣り動作を阻害することなく付属部品を電動リールに取り付けできるようにする。
【解決手段】釣り情報表示装置を電動リール100に取り付けるには、まず、取付アダプタ70の挟持部70bをリールコネクタ19の外周側に挿通し、コードコネクタ54をリールコネクタ19に接続することによって、挟持部70bをコードコネクタ54と電動リール100とで挟持する。そして、連結部70cの本体部固定部70dを貫通孔70fを貫通させ、連結部70cの先端部に形成された雄ねじ部に、本体部70aの下側から取り付けられた袋ナット75の雌ねじ部75aを螺合させ、連結部70cを本体部70aに装着固定することによって、釣り情報表示装置を電動リール100に取り付けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付属部品取付構造、特に、電動リールの付属部品を電動リールに取り付ける付属部品取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リールは、リール本体と、リール本体に装着されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、リール本体の上部に装着されるカウンタケースと、カウンタケースの上面に設けられ水深表示用の表示部を有する表示装置とを備えている。表示部は、たとえば液晶ディスプレイであり、棚位置や現在の仕掛けの水深等のリールに関する情報を表示することができる。
【0003】
この種の表示装置を有する釣り用リールでは、カウンタケースの表示部にはリールに関する情報が表示される。しかし、近年、リールに関する情報が増加し、表示部に全ての情報を表示することが困難になりつつある。そこで、リールに関する情報を表示可能な表示部を有する表示装置をリールの外部に設け、釣り船の船縁に着脱自在に装着したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この表示装置は、リールに関する情報を表示させるだけでなく、魚群探知機や全地球測位システム(GPS)等からの釣りに関する情報を表示させることができる。また、このような表示装置では、表示装置の下部に蛇腹状の支持部を装着し、支持部を竿支持具に装着することによって、表示装置を竿支持具に取り付け固定されたものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4221281号公報
【特許文献2】特開2002−27878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の表示装置では、表示装置は竿支持具に取り付け固定されているので、たとえば、釣竿を竿支持具から取り外して釣り動作を行うときには、表示装置が竿支持具に残ってしまう。このように表示装置が竿支持具に残った状態で釣人が表示装置を確認するには、釣人は竿支持具から大きく離れることができなくなり、釣り動作を阻害するおそれが生じる。
【0006】
本発明の課題は、付属部品取付構造において、釣り動作を阻害することなく付属部品を電動リールに取り付けできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明1に係る付属部品取付構造は、電動リールの付属部品を電動リールに取り付ける付属部品取付構造であって、コードコネクタと、リールコネクタと、固定部とを備えている。コードコネクタは、一端がバッテリに接続されるコードの他端に設けられている。リールコネクタは、電動リールに設けられ、コードコネクタが着脱可能に接続されている。固定部は、本体部と、挟持部と、付属部品固定部とを有している。挟持部は、本体部に設けられ、コードコネクタとリールコネクタとの間に挿通され、コードコネクタをリールコネクタに接続したときに挟持されている。付属部品固定部は、本体部に設けられ、付属部品が固定されている。
【0008】
この付属部品取付構造では、挟持部をコードコネクタとリールコネクタとで挟持することによって、付属部品を電動リールに取り付けている。ここでは、たとえば、付属部品が表示装置である場合、釣竿を竿支持具から取り外して釣り動作を行うときでも、表示装置が電動リールに固定されるので、表示装置を即座に確認できるとともに、釣人は竿支持具から離れて釣り動作を行うことができる。したがって、挟持部をコードコネクタとリールコネクタとで挟持することによって、釣り動作を阻害することなく付属部品を電動リールに取り付けることができる。
【0009】
発明2に係る付属部品取付構造は、発明1の付属部品取付構造において、本体部は、板状部材により形成されている。挟持部は、本体部を貫通する貫通孔である。この場合、簡素な構成で挟持部を形成できる。
【0010】
発明3に係る付属部品取付構造は、発明1又は2の付属部品取付構造において、固定部は、本体部に設けられ、1又は複数の別の付属部品が固定される1又は複数の別の付属部品固定部をさらに有している。この場合、たとえば、固定スペースの少ない小型の電動リールであっても、複数の付属部品を固定できる。
【0011】
発明4に係る付属部品取付構造は、発明1から3のいずれかの付属部品取付構造において、付属部品は、釣りに関する情報を表示する表示装置である。この場合、表示装置が電動リールに固定されるので、表示装置を即座に確認できる。
【0012】
発明5に係る付属部品取付構造は、発明1から3のいずれかの付属部品取付構造において、付属部品は、小型の前記バッテリである。この場合、小型のバッテリに接続されるコードのコードコネクタによって、小型のバッテリを電動リールに容易に固定できる。
【0013】
発明6に係る付属部品取付構造は、発明3から5のいずれかの付属部品取付構造において、別の付属部品は、釣りに関する情報を表示する表示装置である。この場合、表示装置が電動リールに固定されるので、表示装置を即座に確認できる。
【0014】
発明7に係る付属部品取付構造は、発明3から5のいずれかの付属部品取付構造において、別の付属部品は、小型の前記バッテリである。この場合、小型のバッテリに接続されるコードのコードコネクタによって、小型のバッテリを電動リールに容易に固定できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、付属部品取付構造において、挟持部をコードコネクタとリールコネクタとで挟持することによって、付属部品を電動リールに取り付けているので、釣り動作を阻害することなく付属部品を電動リールに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態を採用した電動リールの斜視図。
【図2】前記電動リールの左側面断面図。
【図3】前記電動リールの左側面図。
【図4】前記電動リールの平面図。
【図5】前記電動リールの正面図。
【図6】本発明の一実施形態を採用した表示装置の正面図。
【図7】本発明の一実施形態を採用したバッテリの斜視図。
【図8】前記表示装置と取付アダプタとの取り付け部分の拡大正面図。
【図9】前記電動リールのリールコネクタと、前記取付アダプタと、前記バッテリに接続されるコードのコードコネクタとの取り付け部分の拡大正面図。
【図10】前記電動リールと前記表示装置及び魚群探知機との接続を示すブロック図。
【図11】他の実施形態の図5に相当する図。
【図12】他の実施形態の図8に相当する図。
【図13】他の実施形態の図4に相当する図。
【図14】本発明の他の実施形態を採用した小型バッテリの斜視図。
【図15】本発明の他の実施形態を採用した電動リールの背面図。
【図16】他の実施形態の図5に相当する図。
【図17】他の実施形態の図5に相当する図。
【図18】他の実施形態の図5に相当する図。
【図19】他の実施形態の図5に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態が採用された電動リール100は、図1から図5に示すように、バッテリ80(図7参照)から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きリールとして使用するときの電源を内部に有する小型の電動リールである。また、電動リール100は糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。電動リール100は、釣竿Rに装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール10の回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、水深表示用のカウンタケース4とを備えている。
【0018】
リール本体1は、図1から図5に示すように、左右1対の第1側板7a及び第2側板7bと、第1側板7a及び第2側板7bを下部及び前部で連結する第1連結部材7c及び第2連結部材7dとからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の第1側カバー8a及び第2側カバー8bと、フレーム7の前部を覆う前カバー9とを有している。第2側カバー8bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持されている。ハンドル2の支持部分の上方には、モータ12を複数段階に制御するための速度調整レバー5が揺動自在に支持されている。第1側カバー8aの前部底面には、下方に突出する膨出部8cが形成されており、膨出部8cの下面には、バッテリ80に接続されたコード50のコードコネクタ54が下方から接続可能なリールコネクタ19が形成されている。また、バッテリ80が接続されるコード50のコードコネクタ54と、電動リール100のリールコネクタ19との間には、釣りに関する情報を表示する釣り情報表示装置60(付属部品の一例)を取り付けるための後述する取付アダプタ70(固定部の一例)が取り付けられている。
【0019】
また、リール本体1の下部の第1連結部材7cには、釣竿Rに装着するための竿取付脚部14が一体形成されている。リール本体1の前部の第2連結部材7dは、スプール10の前方に筒状に形成されており、内部にスプール10を駆動するモータ12が固定されている。前カバー9には、釣り糸通過用の横長の開口部9aが形成されている。リール本体1の内部には、モータ12及びハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。また、リール本体1の後部には、ハンドル2及びモータ12とスプール10との駆動伝達をオン、オフする図示しないクラッチ操作部材11が配置されている。このクラッチ操作部材11をオン操作すると、仕掛けの自重による糸繰り出し中に、糸繰り出し動作を停止できる。
【0020】
また、リール本体1の内部には、図2に示すように、スプール10に連動して動作するレベルワインド機構13やハンドル2の回転をスプール10に伝達する図示しない伝達機構等が設けられている。レベルワインド機構13は、スプール10と連動して釣り糸をスプール10に均一に巻き取るために設けられている。リール本体1の第1側板7a及び第2側板7bの上部に、図1及び図2に示すように、釣り糸の先に装着された仕掛けの水深を表示するカウンタケース4が固定されている。カウンタケース4には、上面に配置された液晶ディスプレイ(LCD)からなる表示部6と、表示部6の後方に左右方向に並べて配置された2つの第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2とが装着されている。第1スイッチSW1は、たとえば、0セット用のスイッチであり、第2スイッチSW2は、たとえば、棚メモ等のメモリ用のスイッチである。
【0021】
カウンタケース4内の上部には、図10に示すように、表示部6と、表示制御及びモータ御を行う制御部30とが配置されている。カウンタケース4内の下部にはモータ12をPWM駆動するPWM駆動回路31が配置されている。またカウンタケース4内の下部には、ブザー40とスプールセンサ41とが配置されている。
【0022】
制御部30は、カウンタケース4内に配置されたCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含んでいる。制御部30は、制御プログラムに従って表示部6の表示制御やモータ駆動制御等の各種の制御動作を実行する。制御部30には、図10に示すように、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2の各種のスイッチと、スプール10の回転方向及び回転数(回転位置データ)を検出するためのスプールセンサ41及びスプールカウンタ42と、速度調整レバー5とが接続されている。また、制御部30には、ブザー40と、PWM駆動回路31と、表示部6と、記憶部43と、通信部44と、他の入出力部とが接続されている。
【0023】
PWM駆動回路31は、モータ12を駆動するための駆動素子としてのFETを含んでいる。PWM駆動回路31は、制御部30によりデューティ比が制御されてモータ12を速度又は張力可変に駆動する。
【0024】
スプールセンサ41は、前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されている。リードスイッチは、スプール10に連動して回転する磁石ホイールに装着された2個の磁石を検出する。この検出パルスをスプールカウンタ42で計数することでリールの回転数を検出できる。また、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール10の回転方向を検出できる。
【0025】
スプールカウンタ42は、スプールセンサ41のオンオフ回数を計数するカウンタであり、この計数値によりスプール回転数に関する回転位置データやスプール回転速度が得られる。スプールカウンタ42は、スプール10が正転(糸繰り出し方向の回転)すると計数値が減少し、逆転すると増加する。
【0026】
記憶部43は、たとえばEEPROM等の不揮発メモリからなり、学習結果のデータや糸長算出時に使用する各種のデータ等が記憶されている。
【0027】
通信部44は、電動リール100の外部に設けられた釣り情報表示装置60の後述する通信部65(図10参照)と各種の情報を送受信可能である。
【0028】
釣り情報表示装置60は、図1から図6に示すように、外部の電動リール100(図1から図5参照)や魚群探知機90(図10参照)から送信されたリールに関する各種の情報を表示するための比較的小型の表示装置である。釣り情報表示装置60は、図6に示すように、本体部64と、本体部64に装着され各種の情報を表示可能な表示部63と、表示部63の下側に配置され各種の操作を行う操作部62と、本体部64の内部に配置され各種のデータを記憶する記憶部66(図10参照)と、本体部64の下部に形成され取付アダプタ70の連結部70cの雄ねじ部である連結部70cが螺合可能な雌ねじ部67(図8参照)とを有している。
【0029】
釣り情報表示装置60の内部には、図10に示すように、表示制御等を行うCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータからなる制御部61を有している。制御部61には、通信部65、操作部62の各種キー、各種の表示を行うための表示部63、各種のデータを記憶する記憶部66が接続されている。記憶部66には、たとえば複数の誘いデータ等の各種のデータが保持され、これらのデータを元に釣人が釣り情報表示装置60の操作部62を操作することにより、通信部65、通信部44、制御部30を介してリールの制御である棚停止機能、誘い機能や自動しゃくり機能等の制御を行うことができる。
【0030】
操作部62は、表示部63の表示制御等の各種の制御を行うスイッチである。操作部62は、表示部63の下側に4個のボタンが横方向に並べて配置されており、左側から右側に向かって、「決定」、「キャンセル(戻る)」、「上」、「下」の機能を有するスイッチである。これらの操作部62を操作することによって、各種の設定が行われる。操作部62は、釣り情報表示装置60側の制御だけでなく、電動リール100側の制御を行うことができる。たとえば操作部62の操作により、棚停止等の制御を行ったり、モータ12の回転制御等を行うことができる。
【0031】
表示部63は、ドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであって、たとえばカラーTFT方式の液晶ディスプレイである。表示部63は、電動リール100の表示部6で表示可能な水深情報と、表示部6で表示可能な水深情報以外のリールに関する情報の他部分の情報との両方の情報が表示可能である。表示部63は、水深表示モードのときは、図3に示すように、左側に配置された3桁のドット数字表示の水深表示領域と、その下方に配置されたドット数字表示の気圧表示領域と、気圧表示領域の下側に配置された仕掛回収表示領域とを有している。また、表示部63は、メニュー表示モードのときは、図4に示すように、「XXX(釣り情報表示装置60の機種名)」、「カメラ」、「設定」、「ヘルプ」の4つのメニューアイコンをドット表示可能である。また、表示部63は、情報モードのときは、ヘルプ表示や、誘いデータに関する設定や、各種の設定を行うためのオプション情報が表示可能である。このオプション情報表示画面では、水深情報以外の付加的な情報を表示したり、各種の設定を行うことができる。
【0032】
通信部65は、図10に示すように、電動リール100に設けられた通信部44及び魚群探知機90の通信部と無線通信可能である。また、釣り情報表示装置60と図示しない外部電源とは、鰐口式のコードにより連結され、これにより電力が供給されている。
【0033】
本体部64は、図6に示すように、各種の電気部品が収納される図6裏側の合成樹脂製のケース部材と、表示部63が設けられる図3表側の合成樹脂製のケース部材とを有する縦長小型のボックス形状のケース部材である。本体部64は、表示部63側の表側ケースと逆側の裏側ケースとにより構成されており、内部に図示しない防水部材が介装されることによって、本体部64の内部に浸水するのを防止できる。
【0034】
バッテリ80は、図7に示すように、コード50を介して電動リール100に電気的に接続され、船縁の近傍に載置可能な比較的小型かつ軽量の充電を繰り返し行うことができるリチウムイオンバッテリである。バッテリ80は、図7に示すように、上面視長円形の略直方体形状に形成され、側部中央が凹んだ湾曲形状になっている。バッテリ80の側部は、合成樹脂製の部材で覆われており、バッテリ80の上部両端には、コード50の基端部に接続される略L字状の第1端子部81及び第2端子部82が設けられている。第1端子部81及び第2端子部82には、図7に示すように、コード50の基端部に設けられた第1鰐口クリップ51及び第2鰐口クリップ52を挟み込むことにより、バッテリ80とコード50とが電気的に接続されている。
【0035】
コード50は、図7に示すように、バッテリ80に接続される第1鰐口クリップ51及び第2鰐口クリップ52と、2方向に分岐した基端部に第1鰐口クリップ51及び第2鰐口クリップ52が設けられたコード本体53と、コード本体53の先端部に設けられ電動リール100のリールコネクタ19に接続されるコードコネクタ54とを有している。コードコネクタ54は、図9に示すように、電動リール100のリールコネクタ19に着脱可能に接続されるコネクタである。コードコネクタ54は、リールコネクタ19の先端(図9下側)に形成された2つの端子ピン19aに装着可能な2つの端子孔54aと、端子孔54aの周囲の内周側に形成されリールコネクタ19の先端(図9下側)の外周側に形成された雄ねじ部19bに螺合可能な雌ねじ部54bが形成されている。ここでは、コードコネクタ54の端子孔54aをリールコネクタ19の端子ピン19aに装着し、コードコネクタ54の雌ねじ部54bをリールコネクタ19の雄ねじ部19bに螺合させることによって、コードコネクタ54がリールコネクタ19に接続される。ここでは、コード50の第1鰐口クリップ51及び第2鰐口クリップ52をバッテリ80に接続し、コード50のコードコネクタ54を電動リール100のリールコネクタ19に接続することによって、バッテリ80の電力が電動リール100に供給される。
【0036】
また、前述したように、バッテリ80が接続されるコード50のコードコネクタ54と、電動リール100のリールコネクタ19との間には、釣りに関する情報を表示する釣り情報表示装置60を取り付けるための取付アダプタ70が取り付けられている。
【0037】
取付アダプタ70は、図3から図6、図8及び図9に示すように、釣りに関する情報を表示する釣り情報表示装置60を電動リール100に取り付けるためのアダプタであって、先端が釣り情報表示装置60に固定され、基端がコード50のコードコネクタ54と電動リール100のリールコネクタ19との間に固定されている。
【0038】
取付アダプタ70は、図3、図4、図8及び図9に示すように、板状の本体部70aと、本体部70aに形成されコードコネクタ54とリールコネクタ19との間に挿通されコードコネクタ54をリールコネクタ19に接続したときに挟持される挟持部70bと、基端に形成され本体部70aに固定される本体部固定部70dと先端に形成され釣り情報表示装置60が固定される表示装置固定部70eとを有する連結部70cと、を有している。
【0039】
本体部70aは、図3から図6及び図9に示すように、外形が矩形の金属製の板状部材である。本体部70aの基端側(図9右側)には、本体部70aを貫通する貫通孔である挟持部70bが形成され、本体部70aの先端側(図9左側)には、連結部70cの本体部固定部70dが貫通する貫通孔70fが形成されており、本体部70aは、図4に示すように、横長の矩形部材である。
【0040】
挟持部70bは、図4及び図9に示すように、本体部70aを貫通する貫通孔であって、リールコネクタ19の雄ねじ部19bの最大外径よりやや大径かつコード50の雌ねじ部54bが形成された部分の外径より小径になるように形成されている。このため、挟持部70bは、図3、図5及び図9に示すように、リールコネクタ19の外周側に挿通可能であり、コードコネクタ54をリールコネクタ19に接続したときにコードコネクタ54と電動リール100とで挟持されるようになっている。
【0041】
連結部70cは、図3から図5に示すように、釣り情報表示装置60の位置を変更可能に変形するフレキシブルワイヤ等の金属製の可撓部材により形成されている。連結部70cは、図3に示すように、本体部70aと別体で形成された棒状の部材であって、先端が電動リール100のカウンタケース4の側部に位置するように延びている。連結部70cは、図3に示すように、基端に形成され本体部70aに固定される本体部固定部70dと、先端に形成され釣り情報表示装置60が固定される表示装置固定部70eとを有している。
【0042】
本体部固定部70dは、図3から図5及び図9に示すように、本体部70aに形成された貫通孔70fを貫通し、先端部に形成された雄ねじ部に、本体部70aの下側から取り付けられた袋ナット75の雌ねじ部75aを螺合させることによって、連結部70cを本体部70aに着脱可能に装着固定されている。
【0043】
表示装置固定部70eは、図8に示すように、釣り情報表示装置60の本体部64の下部に形成された雌ねじ部67に螺合可能な雄ねじ部である。ここでは、釣り情報表示装置60の雌ねじ部67を連結部70cの表示装置固定部70e(雄ねじ部)に螺合することによって、釣り情報表示装置60を連結部70cに着脱可能に装着固定している。
【0044】
釣り情報表示装置60を電動リール100に取り付けるには、まず、取付アダプタ70の挟持部70bをリールコネクタ19の外周側に挿通し、コードコネクタ54をリールコネクタ19に接続することによって、挟持部70bをコードコネクタ54と電動リール100とで挟持する。そして、連結部70cの本体部固定部70dを貫通孔70fを貫通させ、連結部70cの先端部に形成された雄ねじ部に、本体部70aの下側から取り付けられた袋ナット75の雌ねじ部75aを螺合させることによって、連結部70cを本体部70aに装着固定する。そして、釣り情報表示装置60の雌ねじ部67を連結部70cの表示装置固定部70e(雄ねじ部)に螺合し、釣り情報表示装置60を連結部70cに装着固定することによって、釣り情報表示装置60が電動リール100に取り付けられる。このとき、釣り情報表示装置60は、視認性の良好な電動リール100の側部上方に位置するように配置されるが、可動性を有する連結部70cを捻る(変形させる)ことによって釣り情報表示装置60の表示部6の向きを釣人に合わせて任意に変更できる。
【0045】
ここでは、挟持部70bをコードコネクタ54とリールコネクタ19とで挟持することによって、釣り情報表示装置60を電動リール100に取り付けている。ここでは、釣竿Rを竿支持具から取り外して釣り動作を行うときでも、釣り情報表示装置60が電動リール100に固定されるので、釣り情報表示装置60を即座に確認できるとともに、釣人は竿支持具から離れて釣り動作を行うことができる。したがって、挟持部70bをコードコネクタ54とリールコネクタ19とで挟持することによって、釣り動作を阻害することなく釣り情報表示装置60を電動リール100に取り付けることができる。
【0046】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、小型の電動リールを例にあげて説明したが、電動リールの大きさや形状はこれに限定されるものではない。
【0047】
(b) 前記実施形態では、取付アダプタ70は、本体部固定部70dと表示装置固定部70eとを有する連結部70cを有していたが、図11及び図12に示すように、連結部70cを設けないで、ボルト76によって釣り情報表示装置60を直接取付アダプタ70に装着固定するようにしてもよい。具体的には、釣り情報表示装置60の本体部64の下面を本体部70aの上面に載置し、本体部70aの下側から取り付けられたボルト76の雄ねじ部76aを本体部70aに形成された貫通孔70fを貫通し、釣り情報表示装置60の本体部64の下部に形成された雌ねじ部67にボルト76の雄ねじ部76aを螺合させることによって、釣り情報表示装置60を取付アダプタ70の本体部70aに着脱可能に装着固定してもよい。
【0048】
(c) 前記実施形態では、取付アダプタ70の本体部70aは、横長の矩形部材であったが、図13に示すように、縦長の矩形部材であってもよい。ここでは、本体部70aの基端側(図13下側)には、本体部70aを貫通する貫通孔である挟持部70bが形成され、本体部70aの先端側(図9上側)には、連結部70cの本体部固定部70dが貫通する貫通孔70fが形成されている。
【0049】
(d) 前記実施形態では、付属部品の一例として釣り情報表示装置60を例にあげて説明したが、付属部品はこれに限定されるものではなく、図14及び図16に示すように、付属部品は小型バッテリ20であってもよい。
【0050】
具体的には、リール本体1の第1側カバー8aの前部底面には、図15に示すように、取付アダプタ70の本体部70aが配置され、取付アダプタ70の本体部70aの底面には、第1取付部77が設けられ、小型バッテリ20のバッテリ本体21には、図14に示すように、第2取付部24が設けられており、取付アダプタ70の第1取付部77に第2取付部24を取り付けることによって、小型バッテリ20はリール本体1の第1側カバー8aの底部に着脱自在に装着されている。
【0051】
小型バッテリ20は、図14に示すように、電動リールに電力を供給するための繰り返し充電可能なボトル形状の蓄電池であって、内部にリチウムイオンポリマー素子を備えたボトル形状のバッテリ本体21と、バッテリ本体21の先端部から一体的に延びるバッテリコード22と、バッテリコード22の先端部に設けられ電動リールのリールコネクタ19に接続されるコードコネクタ23とを有している。バッテリ本体21の外側面には、第2取付部24が着脱可能に別体で形成されている。第2取付部24は、表面が電動リール100の第1取付部77に着脱可能に係止される面ファスナであって、裏面がバッテリ本体21の外側面に接着固定されている。一方、取付アダプタ70の第1取付部77は、図15に示すように、表面が小型バッテリ20の第2取付部24に着脱可能に係止される面ファスナであって、裏面が取付アダプタ70の本体部70aの底面に別体で接着固定されている。小型バッテリ20は、図16に示すように、リール本体1の第1側カバー8aの底部に横向き(バッテリ本体21の長手方向がリール本体1の前後方向となる向き)にコードコネクタ23が後方に位置するように着脱自在に装着されている。
【0052】
また、コードコネクタ23は、バッテリコード22の先端部に設けられ、電動リール100のリールコネクタ19に接続される。このとき、小型バッテリ20のコードコネクタ23と、電動リール100のリールコネクタ19との間には、小型バッテリ20を取り付けるための取付アダプタ70が取り付けられている。ここでは、取付アダプタ70の挟持部70bをコードコネクタ23とリールコネクタ19とで挟持することによって、小型バッテリ20を電動リール100に取り付けることができる。
【0053】
さらに、ここでは、従来の接続コネクタがバッテリ本体に設けられた小型バッテリを直接リールコネクタ19のみで支持する場合に比して、小型バッテリ20の重心位置をずらすことが可能になり、より安定する位置や、リールコネクタ19に過剰な負荷がかからない位置に小型バッテリ20を配置することも可能になる。
【0054】
(e) 前記他の実施形態(d)では、小型バッテリ20は取付アダプタ70の裏面(図16下側面)に取り付けられていたが、図17に示すように、小型バッテリ20を取付アダプタ70の表面(図17上側面)に取り付けてもよい。
【0055】
(f) 前記実施形態、前記他の実施形態(d)及び前記他の実施形態(e)では、取付アダプタ70に1つの釣り情報表示装置60及び1つの小型バッテリ20を取り付けていたが、これに限定されるものではなく、複数の付属部品を取付アダプタ70に取り付けてもよい。図18に示すように、1つの釣り情報表示装置60及び1つの小型バッテリ20の2つの付属部品を取付アダプタ70に取り付けてもよいし、図19に示すように、2つの小型バッテリ20を取付アダプタ70に取り付けてもよいし、図示しないが、3つ以上の付属部品を取付アダプタ70に取り付ける構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 リール本体
2 ハンドル
3 スタードラグ
4 カウンタケース
5 速度調整レバー
6 表示部
7 フレーム
7a 第1側板
7b 第2側板
7c 第1連結部材
7d 第2連結部材
8a 第1側カバー
8b 第2側カバー
8c 膨出部
9 前カバー
9a 開口部
10 スプール
11 クラッチ操作部材
12 モータ
13 レベルワインド機構
14 竿取付脚部
19 リールコネクタ
19a 端子ピン
19b 雄ねじ部
20 小型バッテリ
21 バッテリ本体
22 バッテリコード
23 コードコネクタ
24 第2取付部
30 制御部
31 PWM駆動回路
40 ブザー
41 スプールセンサ
42 スプールカウンタ
43 記憶部
44 通信部
50 コード
51 第1鰐口クリップ
52 第2鰐口クリップ
53 コード本体
54 コードコネクタ
54a 端子孔
54b 雌ねじ部
60 釣り情報表示装置
61 制御部
62 操作部
63 表示部
64 本体部
65 通信部
66 記憶部
67 雌ねじ部
70 取付アダプタ
70a 本体部
70b 挟持部
70c 連結部
70d 本体部固定部
70e 表示装置固定部
70f 貫通孔
75 袋ナット
76 ボルト
76a 雄ねじ部
77 第1取付部
75a 雌ねじ部
80 バッテリ
81 第1端子部
82 第2端子部
90 魚群探知機
100 電動リール
R 釣竿
SW1 第1スイッチ
SW2 第2スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動リールの付属部品を前記電動リールに取り付ける付属部品取付構造であって、
一端がバッテリに接続されるコードの他端に設けられたコードコネクタと、
前記電動リールに設けられ、前記コードコネクタが着脱可能に接続されるリールコネクタと、
本体部と、前記本体部に設けられ前記コードコネクタと前記リールコネクタとの間に挿通され前記コードコネクタを前記リールコネクタに接続したときに挟持される挟持部と、前記本体部に設けられ前記付属部品が固定される付属部品固定部とを有する固定部と、
を備えた付属部品取付構造。
【請求項2】
前記本体部は、板状部材により形成されており、
前記挟持部は、前記本体部を貫通する貫通孔である、請求項1に記載の付属部品取付構造。
【請求項3】
前記固定部は、前記本体部に設けられ1又は複数の別の付属部品が固定される1又は複数の別の付属部品固定部をさらに有する、請求項1又は2に記載の付属部品取付構造。
【請求項4】
前記付属部品は、釣りに関する情報を表示する表示装置である、請求項1から3のいずれか1項に記載の付属部品取付構造。
【請求項5】
前記付属部品は、小型の前記バッテリである、請求項1から3のいずれか1項に記載の付属部品取付構造。
【請求項6】
前記別の付属部品は、釣りに関する情報を表示する表示装置である、請求項3から5のいずれか1項に記載の付属部品取付構造。
【請求項7】
前記別の付属部品は、小型の前記バッテリである、請求項3から5のいずれか1項に記載の付属部品取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−231692(P2012−231692A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100787(P2011−100787)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】