代行返却案内装置、代行返却案内方法、代行返却案内システム
【課題】代行返却者に対してエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる代行返却案内装置、代行返却案内方法、及び代行返却案内システムを提供する。
【解決手段】バッテリ18を着脱可能に装着する装着部19を有して装着部19に装着されたバッテリ18の電力によって走行可能な車両15に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリ26の代行返却を案内するナビゲーション装置12であって、制御部34は、車両15の現在地情報と、目的地情報と、代行返却希望情報とを取得し、現在地から目的地まで装着部19に装着されている自車バッテリ25を利用して走行する場合よりも、現在地から受取地点及び返却地点を経由して目的地まで自車バッテリ25及び返却バッテリ26を利用して走行した方が、目的地到着時の自車バッテリ25の残量が多い場合に、代行返却案内情報を表示部32に表示させる。
【解決手段】バッテリ18を着脱可能に装着する装着部19を有して装着部19に装着されたバッテリ18の電力によって走行可能な車両15に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリ26の代行返却を案内するナビゲーション装置12であって、制御部34は、車両15の現在地情報と、目的地情報と、代行返却希望情報とを取得し、現在地から目的地まで装着部19に装着されている自車バッテリ25を利用して走行する場合よりも、現在地から受取地点及び返却地点を経由して目的地まで自車バッテリ25及び返却バッテリ26を利用して走行した方が、目的地到着時の自車バッテリ25の残量が多い場合に、代行返却案内情報を表示部32に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に着脱可能に装着されるレンタル用のバッテリを返却地点に返却する際の代行返却案内装置、代行返却案内方法、代行返却案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関のみを駆動源とする自動車の他に、モータを駆動源として備えた電気自動車が知られている。この電気自動車は、商用電源から供給された電力をバッテリに蓄電すると共に、蓄電した電力をモータに供給して走行するようになっている。
【0003】
しかし、こうした電気自動車では、現状、バッテリを充電するのに長い時間が必要であるため、蓄電容量を超えるような長距離の走行には不向きとされていた。そこで、こうした長距離の走行にも電気自動車を対処可能とさせるべく、例えば特許文献1に記載されるように、車両に着脱可能に装着されるバッテリのレンタルシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−286006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バッテリのレンタルシステムの場合、バッテリの借り手は、レンタルしたバッテリを返却する度に、当該バッテリの貸し手が定める電池交換所(返却地点)まで返却対象のバッテリを運搬する必要があり、返却の手間が掛かってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、代行返却者に対してエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる代行返却案内装置、代行返却案内方法、及び代行返却案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、本発明の代行返却案内装置は、電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内装置であって、前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段とを備える。
【0008】
この発明によれば、返却バッテリの代行返却をしない場合に比べて、代行返却するために装着部に装着した返却バッテリを利用して走行する方が目的地到着時の自車バッテリの残量が多い場合に、報知制御手段によって代行返却案内情報が報知される。すなわち、返却バッテリを代行返却する代行返却者は、受取地点に立ち寄って返却バッテリを受け取ると共に、自車バッテリの代わりに返却バッテリの電力を利用して走行することにより、自車バッテリの電力消費を抑制することができる。したがって、代行返却者に対してはエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる。
【0009】
また、本発明の代行返却案内装置は、前記車両の前記装着部に装着された前記自車バッテリの残量を取得する残量取得手段をさらに備え、前記報知制御手段は、前記現在地から前記目的地まで前記自車バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第1残量と、前記現在地から前記返却バッテリの前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第2残量とを算出し、前記第2残量が前記第1残量よりも多いと判定される場合に前記代行返却案内情報を前記報知部に報知させる。
【0010】
この発明によれば、返却バッテリを利用する場合と返却バッテリを利用しない場合において、目的地到着時の自車バッテリの残量をそれぞれ算出して比較することにより、代行返却案内情報を報知部に報知させるか否かを判断することができる。
【0011】
また、本発明の代行返却案内装置は、前記返却地点到着時に前記返却バッテリに電力が残る場合に、前記返却地点において返却をしない非返却バッテリに対して前記返却バッテリの電力を移すように、該返却バッテリと前記非返却バッテリの充放電を制御する充放電制御手段をさらに備える。
【0012】
この発明によれば、返却バッテリの残量を非返却バッテリに移すことができるため、返却バッテリの残量を非返却バッテリに移さない場合に比べて、目的地に到着した際の非返却バッテリの残量を増加させることができる。また、返却バッテリは、蓄電された電力が空もしくは空に近い状態で返却されるため、返却バッテリに蓄電された電力の利用効率を向上させることができる。
【0013】
また、上記問題点を解決するために、本発明の代行返却案内方法は、電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内方法であって、前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得段階と、目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得段階と、前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得段階と、前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御段階とを備える。
【0014】
この構成によれば、上記代行返却案内装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
また、上記問題点を解決するために、本発明の代行返却案内システムは、電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両間において、返却地点に返却される必要がある返却バッテリを該返却バッテリの借り手とは異なる代行返却者に返却させる代行返却案内システムであって、前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を送信する代行返却希望情報送信手段と、該代行返却希望情報送信手段により送信された前記代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、前記返却地点に向かう車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、前記返却地点に向かう車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、前記返却地点に向かう車両が前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段とを備える。
【0015】
この構成によれば、上記代行返却案内装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の代行返却案内システムのブロック図。
【図2】代行返却案内システムにおける情報を送受信する流れを示す流れ図。
【図3】返却希望通知ルーチンのフローチャート。
【図4】非返却経路通知ルーチンのフローチャート。
【図5】返却情報通知ルーチンのフローチャート。
【図6】返却可能通知ルーチンのフローチャート。
【図7】代行返却案内情報報知ルーチンのフローチャート。
【図8】代行返却情報通知ルーチンのフローチャート。
【図9】返却情報報知ルーチンのフローチャート。
【図10】自車バッテリと返却バッテリの残量を示す模式図。
【図11】代行返却案内情報を示す画面図。
【図12】第2の実施形態における返却経路を示す模式図。
【図13】代行返却案内情報を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の代行返却案内システムを具体化した第1の実施形態を図1〜図11に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、代行返却案内システム11は、複数(本実施形態では2つ)の代行返却案内装置としてのナビゲーション装置12,13と、各ナビゲーション装置12,13とそれぞれ通信可能なサーバ14とを備えている。ただし、各ナビゲーション装置12,13は、それぞれ異なる車両15,16に搭載されるものの、そのナビゲーション装置12,13と車両15,16の構成は同一である。そのため、以下では、図1に基づいて1つのナビゲーション装置12と、このナビゲーション装置12を搭載する車両15を例に挙げて説明する。
【0019】
図1に示すように、車両15は、電力が蓄電されるバッテリ18を着脱可能に装着する装着部19と、バッテリ18の残量を検出する残量検出センサ20と、バッテリ18から供給される電力により駆動されるモータ21とを備えている。
【0020】
装着部19は、複数(本実施形態では3つ)のバッテリ18を同時に装着可能になっている。なお、図1では、返却地点23(図10参照)に返却される必要のない自車バッテリ(非返却バッテリ)25と、借り手によりレンタルされて返却地点23に返却される必要のある返却バッテリ26とが装着部19に装着された様子を図示している。また、返却バッテリ26には、該返却バッテリ26と対応する返却地点23を記憶する記憶部27が設けられている。そして、残量検出センサ20は、装着部19に装着された各バッテリ18の残量をバッテリごとに検出すると共に、検出した残量とバッテリ18の装着態様とをナビゲーション装置12に出力する。
【0021】
また、モータ21は、電力を供給するバッテリ18を選択的に切り替え可能なスイッチ部(図示略)を介してバッテリ18から供給された電力によって駆動される。そのため、車両15は、モータ21を動力源として利用して車輪(図示略)を回転させることにより走行が可能になっている。
【0022】
また、車両15に搭載されたナビゲーション装置12は、位置検出センサ29と、操作ボタン30と、地図情報記憶部31と、表示部32と、サーバ14と通信可能な通信部33と、制御部34(34a)とを備えている。
【0023】
まず、位置検出センサ29は、GPS受信部36が、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した、緯度・経度等の座標を示す位置検出信号を入力して、電波航法により車両15の絶対位置を算出する。また、車速センサ37及びジャイロセンサ38が車速パルス及び角速度を検出し、この車速パルス及び角速度を用いる自律航法により、基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御部34は、電波航法で算出した絶対位置と自律航法で算出した基準位置からの相対位置とを組み合わせて車両15の現在地39(図10参照)を特定し、特定された車両15の現在地39を示す位置情報を現在地情報として取得する。
【0024】
さらに、操作ボタン30は、ユーザが操作することにより、目的地40(図10参照)の設定が可能となっている。
そして、地図情報記憶部31には、道路の形状を表す道路データ42と、目的地40までの経路を探索するための経路データ43とが格納されている。なお、道路データ42は、道路の形状を表すデータであって、ノード座標、形状補間点の座標、幅員、勾配、路面状態、混雑のしやすさ等が記憶されている。また、経路データ43は、全国を区画したメッシュ内の道路に関するデータであって、各メッシュの識別子であるメッシュIDと、交差点、インターチェンジ、道路の端点等を示す要素であるノードのノードデータと、各ノードを接続する要素であるリンクのリンクデータとを有している。
【0025】
また、制御部34は、目的地40が設定されると、現在地情報、目的地情報、及び経路データ43に基づいて現在地39から目的地40までの経路を設定する。なお、設定された経路は、ディスプレイなどの表示部32に地図と共に表示されることにより、利用者を目的地40まで案内するようになっている。
【0026】
一方、サーバ14は、各ナビゲーション装置12,13の通信部33と通信可能なサーバ通信部46と、サーバ14の稼働状態を制御するサーバ制御部47と、ナビゲーション装置12,13から出力された返却バッテリ26の返却に関する情報が記憶される返却情報記憶部48とを備えている。
【0027】
次に、各ナビゲーション装置12,13とサーバ14とがそれぞれ送受信する情報の流れを図2に示す流れ図に基づいて説明する。ただし、以下の説明では、第1のナビゲーション装置12が返却バッテリ26の代行返却をする代行返却者の車両15に搭載されていると共に、第2のナビゲーション装置13が返却バッテリ26の代行返却を希望する借り手の車両16に搭載されているものとする。すなわち、代行返却者は、現在地39に対して返却地点23と同じ方向に目的地40を設定し、返却地点23に向かって車両15を走行させるものとする。
【0028】
さて、図2に示すように、借り手の車両16に搭載された第2のナビゲーション装置13では、まず、ステップS101において、第2の制御部34bが返却希望通知ルーチンを実行する。すなわち、第2のナビゲーション装置13の通信部33からサーバ14のサーバ通信部46に対して返却バッテリ26の代行返却を希望する旨の代行返却希望情報を送信させる。なお、第2の制御部34bは、借り手(ユーザ)により第2のナビゲーション装置13の操作ボタン30が操作され、返却バッテリ26の代行返却を希望する旨が入力された場合に、ステップS101に示す返却希望通知ルーチンを実行するようになっている。
【0029】
一方、代行返却者側の第1のナビゲーション装置12では、まずステップS102において、第1の制御部34aが非返却経路通知ルーチンを実行する。すなわち、第1のナビゲーション装置12の通信部33からサーバ14のサーバ通信部46に対して非返却経路情報を送信させる。因みに、非返却経路情報とは、車両15が返却バッテリ26の代行返却をせずに例えば図10及び図11に示す現在地39から目的地40まで走行する場合の経路を示す情報である。なお、第1の制御部34aは、代行返却者(ユーザ)により操作ボタン30が操作され、車両15の目的地40が入力された場合に、ステップS102に示す非返却経路通知ルーチンを実行するようになっている。
【0030】
そして、サーバ14では、ステップS103において、サーバ制御部47が返却情報通知ルーチンを実行する。すなわち、サーバ14のサーバ通信部46から、返却バッテリ26の返却に関する返却情報(代行返却希望情報もしくは返却なし情報)を第1のナビゲーション装置12の通信部33に対して送信させる一方、返却バッテリ26の代行返却が不可能である場合にはその旨を示す代行返却不可情報を第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して送信させる。なお、サーバ制御部47は、サーバ通信部46が第2のナビゲーション装置13の通信部33から代行返却希望情報を受信した場合にステップS103に示す返却情報通知ルーチンの実行を開始する。そして、サーバ通信部46が第1のナビゲーション装置12の通信部33から非返却経路情報を受信したことを条件としてサーバ通信部46から第1のナビゲーション装置12の通信部33に対して返却情報(代行返却希望情報もしくは返却なし情報)を送信させる。また、サーバ通信部46が第2のナビゲーション装置13の通信部33から受信した代行返却希望情報により示される返却バッテリ26の受取時間が経過した時点で未だ非返却経路情報を未送信の場合に、サーバ通信部46から第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して代行返却不可情報を送信させる。
【0031】
さらに、第1のナビゲーション装置12では、ステップS104において、第1の制御部34aが返却可能通知ルーチンを実行する。すなわち、第1のナビゲーション装置12の通信部33から返却可能情報をサーバ14のサーバ通信部46に対して送信させることにより、返却バッテリ26の返却が可能である旨をサーバ14に通知する。なお、第1の制御部34aは、第1のナビゲーション装置12の通信部33がサーバ14のサーバ通信部46から送信された代行返却希望情報もしくは返却なし情報を取得した場合に、ステップS104に示す返却可能通知ルーチンを実行するようになっている。
【0032】
そして、サーバ14では、サーバ制御部47がステップS103の返却情報通知ルーチンの実行を終了すると、ステップS105において代行返却情報通知ルーチンを実行する。すなわち、サーバ通信部46から代行返却情報(代行返却可能情報もしくは代行返却不可情報)を第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して送信させる。なお、サーバ制御部47は、サーバ通信部46から第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して、第1のナビゲーション装置12から返却可能情報を受信した場合には代行返却可能情報を送信させる一方、返却可能情報を受信しない場合には代行返却不可情報を送信させる。
【0033】
また、第2のナビゲーション装置13では、第2の制御部34bがステップS101にて返却希望通知ルーチンの実行を終了すると、ステップS106において返却情報報知ルーチンを実行する。すなわち、サーバ14のサーバ通信部46から受信した代行返却情報(代行返却可能情報もしくは代行返却不可情報)に基づいて表示部32の表示内容を制御することにより、借り手に代行返却の可否を報知する。
【0034】
次に、図2において示したステップS101〜ステップS106の各ルーチンについて、図3〜図9に従って詳しく説明する。
まず、図2及び図3に示すように、ステップS101の返却希望通知ルーチンは、借り手の車両16に搭載された第2のナビゲーション装置13の第2の制御部34bにより実行される。具体的には、図3に示すように、まずステップS201において、第2の制御部34bは、借り手の車両16に設けられた残量検出センサ20の検出結果に基づいて、代行返却を希望する返却バッテリ26に蓄電されている電力量を返却バッテリ26の残量を示す残量情報として取得する。
【0035】
さらに、ステップS202において、第2の制御部34bは、代行返却者が返却バッテリ26を受け取る受取地点50(図10参照)を示す受取地点情報を取得する。なお、本実施形態では、借り手の車両16の現在地を返却バッテリ26の受け渡しを行う地点とするため、この時点において位置検出センサ29が検出した車両16の現在地が受取地点50となる。そのため、第2の制御部34bは、第2のナビゲーション装置13に設けられた位置検出センサ29の検出結果に基づいて車両16の現在地を示す位置情報を受取地点情報として取得する。
【0036】
続くステップS203において、第2の制御部34bは、表示部32を制御し、返却バッテリ26を代行返却者に受け渡すことが可能な時間の入力を借り手に促す画面を表示させる。さらに、ステップS204において、借り手によって時間が入力されたか否かを判断し、入力がされていない場合には(ステップS204:NO)、時間が入力されるまで待機する。
【0037】
一方、時間が入力された場合には(ステップS204:YES)、ステップS205において、第2の制御部34bは、借り手によって入力された時間を、代行返却者が返却バッテリ26を受け取ることが可能な受取時間情報として取得する。さらに、ステップS206において、第2の制御部34bは、返却を希望する返却バッテリ26に設けられた記憶部27から返却地点23を示す返却地点情報を取得する。
【0038】
そして、ステップS207において、第2の制御部34bは、返却バッテリ26の残量情報と、受取地点情報と、受取時間情報と、返却地点情報とを代行返却希望情報としてサーバ14に送信する。この点で、第2の制御部34bは、借り手側において代行返却希望情報を送信する代行返却希望情報送信手段として機能している。そして、第2の制御部34bは、代行返却希望情報を送信することによって返却バッテリ26の返却希望がある旨をサーバ14に通知すると、返却希望通知ルーチンを終了する。
【0039】
一方、サーバ制御部47は、第2のナビゲーション装置13から送信された代行返却希望情報をサーバ通信部46を介して取得すると、取得した代行返却希望情報を返却情報記憶部48に記憶させる。したがって、返却情報記憶部48には、代行返却希望情報として返却バッテリ26の残量情報と、受取地点情報と、受取時間情報と、返却地点情報とがそれぞれ対応付けて記憶される。
【0040】
また、図2及び図4に示すように、ステップS102の非返却経路通知ルーチンは、代行返却者の車両15に搭載された第1のナビゲーション装置12の第1の制御部34aにより実行される。具体的には、図4に示すように、まずステップS301において、第1の制御部34aは、第1のナビゲーション装置12の位置検出センサ29の検出結果に基づいて車両15の現在地39を示す位置情報を現在地情報として取得する(現在地情報取得段階)。さらに、ステップS302において、第1の制御部34aは、代行返却者により操作ボタン30が操作されて入力された目的地40を示す位置情報を目的地情報として取得する(目的地情報取得段階)。したがって、第1の制御部34aは、現在地情報取得手段及び目的地情報取得手段として機能している。
【0041】
さらに、ステップS303において、第1の制御部34aは、現在地情報と目的地情報と経路データ43とに基づいて、返却バッテリ26を代行返却することはせずに現在地39から目的地40まで走行する場合の経路である非返却経路52(図10参照)を探索する。そして、ステップS304において、第1の制御部34aは、探索した非返却経路52を示す非返却経路情報をサーバ14に送信することにより、非返却経路52をサーバ14に通知する。
【0042】
続くステップS305において、第1の制御部34aは、代行返却者の車両15に設けられた残量検出センサ20の検出結果に基づいて、自車バッテリ25に蓄電されている電力量を自車バッテリ25の残量として取得する。したがって、第1の制御部34aは、残量取得手段としても機能している。
【0043】
さらに、ステップS306において、第1の制御部34aは、車両15が非返却経路52を走行して目的地40に到着した際に、自車バッテリ25に残っている電力量である非返却残量53(図10参照)を第1残量として算出する。なお、非返却残量53とは、車両15が返却バッテリ26を利用せずに、自車バッテリ25を利用して現在地39から目的地40まで走行する場合における目的地40到着時の自車バッテリ25の残量である。さらに、ステップS307において、制御部34は、現在地39から目的地40まで非返却経路52を走行するのに要する時間である非返却移動時間を算出し、非返却経路通知ルーチンを終了する。
【0044】
また、図2及び図5に示すように、ステップS103の返却情報通知ルーチンは、サーバ14のサーバ制御部47により実行される。具体的には、図5に示すように、まずステップS401において、サーバ制御部47は、代行返却者側の第1のナビゲーション装置12から非返却経路情報を取得したか否かを判断する。そして、非返却経路情報を取得した場合には(ステップS401:YES)、サーバ制御部47は、その処理をステップS402に移行する。
【0045】
そして、ステップS402において、サーバ制御部47は、取得した非返却経路情報と返却情報記憶部48に記憶している代行返却希望情報とに基づいて、非返却経路52上に代行返却を希望している返却バッテリ26があるか否かを判断する。なお、サーバ制御部47は、非返却経路52と、該非返却経路52から所定の範囲(例えば経路の左右両側100m以内の範囲)に受取地点50と返却地点23が位置する場合に返却希望ありと判断する(ステップS402:YES)。そして、次のステップS403において、サーバ制御部47は、非返却経路52上に位置する返却バッテリ26の代行返却希望情報を非返却経路情報の送信元である第1のナビゲーション装置12に送信することにより返却情報を通知する。
【0046】
一方、非返却経路52上に代行返却希望の返却バッテリ26がない場合には(ステップS402:NO)、ステップS404において、サーバ制御部47は、第1のナビゲーション装置12に対して返却なし情報を送信する。
【0047】
また、先のステップS401において、非返却経路情報を取得していないと判断した場合には(ステップS401:NO)、ステップS405において、サーバ制御部47は、代行返却希望情報に含まれる受取時間情報に基づいて受取時間が経過したか否かを判断する。そして、受取時間が経過していない場合には(ステップS405:NO)、サーバ制御部47は、その処理をステップS401に戻し、再びステップS401以降の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップS405において、受取時間が経過したと判断した場合には(ステップS405:YES)、次のステップS406において、サーバ制御部47は、代行返却希望情報の送信元である第2のナビゲーション装置13に代行返却不可情報を送信する。さらに、ステップS407において、サーバ制御部47は、返却情報記憶部48に記憶されている代行返却希望情報のうち、受取時間が経過した代行返却希望情報を削除し、返却情報通知ルーチンを終了する。
【0049】
また、図2及び図6に示すように、ステップS104の返却可能通知ルーチンは、第1のナビゲーション装置12の第1の制御部34aにより実行される。具体的には、図6に示すように、まずステップS501において、第1の制御部34aは、ステップS103の返却情報通知ルーチンでサーバ14から第1のナビゲーション装置12に送信された返却バッテリ26に関する情報が代行返却希望情報であるか否かを判断する。そして、サーバ14からは代行返却希望情報ではなく返却なし情報が送信されたと判断した場合(ステップS501:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS502に移行する。そして、ステップS502において、第1の制御部34aは、非返却経路52を表示部32に表示すると共に、非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。
【0050】
一方、先のステップS501において、サーバ14から送信された情報は代行返却希望情報であると判断した場合には(ステップS501:YES)、次のステップS503において、第1の制御部34aは、その代行返却希望情報を取得すると共に、図示しないメモリに記憶する(代行返却希望情報取得段階)。この点で、第1の制御部34aは、代行返却希望情報取得手段としても機能している。
【0051】
続くステップS504において、第1の制御部34aは、取得した代行返却希望情報の数Nが1つであるか否かを判断する。そして、代行返却希望情報数Nが1つである場合には(ステップS504:YES)、第1の制御部34aは、ステップS505において、返却経路55(図10参照)を探索する。なお、返却経路55とは、車両15の現在地39から受取地点50及び返却地点23を経由する目的地40までの経路である。そして、第1の制御部34aは、現在地情報、目的地情報、経路データ43、受取地点情報、返却地点情報に基づいて返却経路55を探索する。
【0052】
さらに、ステップS506において、第1の制御部34aは、車両15が返却バッテリ26を利用して返却経路55を走行し、目的地40に到着した際に自車バッテリ25に残っている電力量である返却残量56(図10参照)を第2残量として算出する。すなわち、第1の制御部34aは、ステップS305にて取得した自車バッテリ25の残量と、代行返却希望情報に含まれる返却バッテリ26の残量情報に基づいて返却残量56を算出する。
【0053】
続くステップS507において、第1の制御部34aは、ステップS306にて算出した非返却残量53と、ステップS506にて算出した返却残量56とを比較する。そして、非返却残量53が返却残量56以上である場合には(ステップS507:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS502に移行し、非返却経路52を表示部32に表示させ、その非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。
【0054】
一方、非返却残量53が返却残量56よりも少ない場合には(ステップS507:YES)、ステップS508において、第1の制御部34aは、返却バッテリ26を利用して現在地39から目的地40まで返却経路55を走行するのに要する時間である返却移動時間を算出する。なお、返却移動時間には、返却バッテリ26の受け取りに要する時間と返却に要する時間が含まれている。
【0055】
その後、ステップS509において、第1の制御部34aは、代行返却案内情報報知ルーチン(図7参照)を実行し、代行返却すると有利な返却バッテリ26がある旨を代行返却者に報知する(報知制御段階)。すなわち、第1の制御部34aは、返却残量56が非返却残量53よりも多いと判定される場合に、返却バッテリ26の代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を表示部32に表示(報知)させる。この点で、表示部32は、報知部として機能していると共に、第1の制御部34aは、報知制御手段としても機能している。
【0056】
そして、ステップS510において、第1の制御部34aは、代行返却者により操作ボタン30が操作され、返却バッテリ26を代行返却する旨の意思表示となる返却許可の操作内容が入力されたか否かを判断する。
【0057】
そして、返却許可の操作内容が入力された場合には(ステップS510:YES)、ステップS511において、第1の制御部34aは、サーバ14に対して代行返却が可能であることを示す返却可能情報を送信する。さらに、ステップS512において、第1の制御部34aは、返却経路55を表示部32に表示すると共に、返却経路55に基づいて車両15を受取地点50及び返却地点23を経由するように目的地40まで案内する。一方、返却許可の操作内容が入力されない場合には(ステップS510:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS502に移行し、非返却経路52を表示部32に表示させ、その非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。
【0058】
また、先のステップS504において、代行返却希望情報の数Nが複数あると判断した場合には(ステップS504:NO)、ステップS513において、第1の制御部34aは、第N返却経路を探索する。すなわち、例えば代行返却希望情報が2つある場合には、N=2となり、第1の制御部34aは、第2代行返却希望情報に含まれる受取地点50と返却地点23とを経由する第2返却経路を探索する。
【0059】
さらに、ステップS514において、第1の制御部34aは、ステップS506の場合と同様に、第2代行返却希望情報に含まれる残量情報に基づいて、車両15が返却バッテリ26を利用して第2返却経路を走行し、目的地40に到着した際に自車バッテリ25に残っている電力量である第2返却残量を第2残量として算出する。
【0060】
そして、ステップS515において、第1の制御部34aは、ステップS306にて算出した非返却残量53と、ステップS514にて算出した第2返却残量とを比較する。そして、非返却残量53が第2返却残量よりも少ない場合には(ステップS515:YES)、次のステップS516において、第1の制御部34aは、その第2返却残量を図示しないメモリに記憶する。さらに、ステップS517において、第1の制御部34aは、ステップS508の場合と同様に返却バッテリ26を利用して現在地39から目的地40まで第2返却経路を走行するのに要する時間である第2返却移動時間を算出する。
【0061】
一方、先のステップS515において、非返却残量53が第2返却残量以上である場合には(ステップS515:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS518に移行する。そして、ステップS518において、第1の制御部34aは、Nの値を1つ小さく更新する。さらに、ステップS519において、第1の制御部34aは、Nがゼロとなったか否かを判断する。すなわち、N=2であった場合には、Nは1となるため(ステップS519:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS513に戻し、この場合はN=1であるので、第1代行返却希望情報に基づいてステップS513〜ステップS519を再び実行する。
【0062】
そして、N=0となった場合には(ステップS519:YES)、ステップS520において、第1の制御部34aは、返却残量が記憶されているか否かを判断する。すなわち、全ての第N返却残量が非返却残量53以下である場合には返却残量は記憶されていないため(ステップS520:NO)、第1の制御部34aは、ステップS502に移行して非返却経路52を表示部32に表示させ、その非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。一方、少なくとも1つの第N返却残量が非返却残量53よりも大きい場合には、返却残量が記憶されているため(ステップS520:YES)、第1の制御部34aは、その処理をステップS509へ移行する。
【0063】
次に、ステップS509の代行返却案内情報報知ルーチンを図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
さて、本ルーチンでは、まずステップS601において、第1の制御部34aは、代行返却者に案内する代行返却案内が1つであるか否かを判断する。すなわち、第1の制御部34aは、サーバ14から取得した代行返却希望情報の数Nが1つであった場合、及びメモリ(図示略)に記憶されている第N返却残量が1つである場合には、代行返却案内が1つであると判断する(ステップS601:YES)。
【0064】
そして、ステップS602において、第1の制御部34aは、ステップS508もしくはステップS517にて算出した返却移動時間から、ステップS307にて算出した非返却移動時間を引くことにより、増加時間を算出する。
【0065】
続くステップS603において、第1の制御部34aは、表示部32を制御し、返却残量56を表示して報知する。具体的には、第1の制御部34aは、ステップS506もしくはステップS514にて算出した返却残量56を非返却残量53と共に表示することにより、代行返却者に利用すると有利になる返却バッテリ26がある旨を報知する。さらに、ステップS604において、第1の制御部34aは、表示部32を制御し、ステップS602にて算出した増加時間を表示して代行返却者に報知する。すなわち、本実施形態では、代行返却案内情報として非返却残量53、返却残量56、増加時間が報知される。
【0066】
一方、先のステップS601において、第1の制御部34aは、返却案内が複数あると判断した場合には(ステップS601:NO)、ステップS605において、代行返却者によって代行返却するバッテリとして選択された返却バッテリ26を選択バッテリ情報として取得する。
【0067】
そして、ステップS606において、第1の制御部34aは、選択バッテリ情報に基づいて返却残量56を算出する。すなわち、例えば、代行返却者により2つの返却バッテリ26が選択された場合には、第1の制御部34aは、2つの返却バッテリ26を利用して返却経路55を走行し、目的地40に到着した際に自車バッテリ25に残っている電力量である返却残量56を第2残量として算出する。さらに、ステップS607において、第1の制御部34aは、表示部32を制御し、算出した返却残量56を非返却残量53と共に表示して代行返却者に報知する。
【0068】
続くステップS608において、第1の制御部34aは、選択バッテリ情報に基づいて増加時間を算出する。すなわち、第1の制御部34aは、代行返却するバッテリとして選択された返却バッテリ26と対応する返却経路55のうち、重複する経路を走行するのに要する時間を相殺することにより増加時間を算出する。そして、ステップS609において、表示部32を制御し、算出した増加時間を表示して代行返却者に報知する。
【0069】
さらに、ステップS610において、第1の制御部34aは、代行返却者によって操作ボタン30が操作され、代行返却する返却バッテリ26が確定されたか否かを判断し、確定されていない場合には(ステップS610:NO)、ステップS605〜ステップS610を繰り返し実行する。そして、代行返却する返却バッテリ26が確定された場合には(ステップS610:YES)、代行返却案内情報報知ルーチンを終了する。
【0070】
また、図2及び図8に示すように、ステップS105の代行返却情報通知ルーチンは、サーバ制御部47により実行される。具体的には、図8に示すように、まずステップS701において、サーバ制御部47は、第1のナビゲーション装置12から返却可能情報を取得したか否かを判断する。そして、返却可能情報を取得した場合には(ステップS701:YES)、ステップS702において、サーバ制御部47は、代行返却可能情報を代行返却希望情報の送信元である第2のナビゲーション装置13に送信する。
【0071】
一方、返却可能情報を取得していないと判断した場合には(ステップS701:NO)、ステップS703において、サーバ制御部47は、返却情報記憶部48に記憶されている受取時間情報に基づいて受取時間が経過したか否かを判断する。そして、サーバ制御部47は、受取時間が経過していないと判断した場合には(ステップS703:NO)、その処理をステップS701に戻し、再びステップS701の処理を繰り返す。
【0072】
また、受取時間が経過した場合には(ステップS703:YES)、ステップS704において、サーバ制御部47は、代行返却不可情報を第2のナビゲーション装置13に送信する。さらに、ステップS705において、サーバ制御部47は、返却情報記憶部48に記憶されている代行返却希望情報のうち受取時間が経過した代行返却希望情報を削除し、代行返却情報通知ルーチンを終了する。
【0073】
また、図2及び図9に示すように、ステップS106の返却情報報知ルーチンは、第2のナビゲーション装置13の第2の制御部34bにより実行される。具体的には、図9に示すように、まずステップS801において、第2の制御部34bは、サーバ14から送信された代行返却情報(代行返却可能情報もしくは代行返却不可情報)を取得したか否かを判断する。そして、代行返却情報を取得していない場合には(ステップS801:NO)、第2の制御部34bは、代行返却情報を取得するまで周期的にステップS801の処理を繰り返す。
【0074】
そして、代行返却情報を取得すると(ステップS801:YES)、ステップS802において、第2の制御部34bは、取得した代行返却情報が代行返却可能情報であるか代行返却不可情報であるかを判断する。
【0075】
そして、取得した代行返却情報が代行返却可能情報である場合には(ステップS802:YES)、ステップS803において、第2の制御部34bは、表示部32を制御し、返却バッテリ26の代行返却が可能である旨を表示して借り手に報知する。一方、取得した代行返却情報が代行返却不可情報である場合には(ステップS802:NO)、ステップS804において、第2の制御部34bは、表示部32を制御し、返却バッテリ26の代行返却が不可能である旨を表示して借り手に報知し、返却情報報知ルーチンを終了する。
【0076】
次に、図10に基づいて第1の制御部34aが自車バッテリ25の非返却残量53と返却残量56を算出する方法について説明する。ただし、本実施形態では、第1のナビゲーション装置12が非返却経路52上に受取地点50と返却地点23とが位置する1つの代行返却希望情報をサーバ14から取得したものとする。さらに、代行返却者の車両15の装着部19には、自車バッテリ25が1つだけ装着されているものとする。
【0077】
また、図10では、縦長の四角形にて表されるバーにより、自車バッテリ25に蓄電可能な電力量と返却バッテリ26に蓄電可能な電力量を模式的に表している。すなわち、それぞれ網掛け部分が自車バッテリ25に蓄電されている電力量(自車バッテリ残量58a〜58c)と、返却バッテリ26に蓄電されている電力量(返却バッテリ残量59a,59b)とを表している。そして、バーにおける白抜き部分が自車バッテリ25及び返却バッテリ26に充電可能な電力量をそれぞれ表し、網掛け部分と白抜き部分の合計(バー全体)が、自車バッテリ25と返却バッテリ26の容量を表している。
【0078】
さて、代行返却者が目的地40を設定すると、まず図10の下側に図示するように、第1の制御部34aは、返却バッテリ26の代行返却をしない場合、すなわち、返却バッテリ26に蓄電されている電力を利用せずに、自車バッテリ25に蓄電されている電力だけを利用して目的地40に到達した際の、自車バッテリ25の電力量を非返却残量53として算出する。具体的には、第1の制御部34aは、現在地39から目的地40までの非返却経路52の距離(km)を車両15の電費(単位電力あたりに走行可能な距離:km/kWh)で割ることにより、非返却経路52の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aから消費電力量を引くことにより非返却残量53を算出する。
【0079】
続いて、第1の制御部34aは、返却バッテリ26を利用して目的地40まで走行した場合の自車バッテリ25の返却残量56を算出する。具体的には、まず現在地39から受取地点50までの返却経路55の距離を電費で割ることにより、受取地点50までの走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、現在地39における自車バッテリ残量58aから消費電力量を引くことにより、受取地点50到着時の自車バッテリ残量58bを算出する。
【0080】
さらに、第1の制御部34aは、受取地点50から返却地点23までの返却経路55の距離を電費で割ることにより、受取地点50から返却地点23までの走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、受取時の返却バッテリ残量59aから消費電力量を引くことにより、返却地点23到着時の返却バッテリ残量59bを算出する。なお、このとき返却バッテリ残量59bがマイナスになる場合には、マイナスの分だけ自車バッテリ25が使用されるのに対し、返却バッテリ残量59bがプラスになる場合には、返却地点23到着時に返却バッテリ26の返却バッテリ残量59bを自車バッテリ25に移行させることができる。そのため、返却地点23到着時の返却バッテリ残量59bと、受取地点50到着時の自車バッテリ残量58bとの合計が、返却地点23出発時の自車バッテリ25の自車バッテリ残量58cとなる。
【0081】
なお、返却バッテリ26から自車バッテリ25への電力の移行は、第1の制御部34aが図示しないスイッチ部を制御することにより、返却バッテリ26を放電させると共に自車バッテリ25を充電させることにより行われる。したがって、第1の制御部34aは、この点で充放電制御手段としても機能している。
【0082】
そして、第1の制御部34aは、返却地点23から目的地40までの返却経路55の距離を電費で割ることにより、返却地点23から目的地40までの走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、返却地点23における自車バッテリ残量58cから消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の自車バッテリ25の返却残量56を算出する。
【0083】
次に、図10に示すように、目的地39到着時の非返却残量53と返却残量56がそれぞれ算出されると共に、算出された返却残量56が非返却残量53よりも多い場合の作用について、図11に基づいて説明する。
【0084】
すなわち、代行返却者が目的地40を入力すると、図11に示すように、表示部32には現在地39から目的地40までの返却経路55が、受取地点50及び返却地点23を示すアイコンと共に表示される。
【0085】
また、表示部32には、地図と共に返却バッテリ26を選択するための返却ボタン61と、増加時間(図11では「5分」と表示)と、決定ボタン62と、終了ボタン63とが表示される。さらに、表示部32には、非返却残量53と返却残量56が模式化して表示される。
【0086】
そして、返却ボタン61が選択された状態で決定ボタン62が選択されると、第1のナビゲーション装置12は、受取地点50と返却地点23とを経由するように、返却経路55に沿って走行を案内する。また、返却ボタン61が選択されていない状態で決定ボタン62が選択された場合、もしくは、返却ボタン61の選択に関わらずに終了ボタン63が選択された場合には、第1のナビゲーション装置12は、非返却経路52に沿って走行を案内する。
【0087】
したがって、返却バッテリ26を利用する場合には、代行返却者は返却経路55に沿って車両15を走行させると共に、受取地点50において返却バッテリ26を受け取る。そして、代行返却者は、受け取った返却バッテリ26を装着部19に装着して返却地点23まで走行する。
【0088】
なお、このとき第1のナビゲーション装置12は、返却バッテリ26の電力をモータ21に供給するようにスイッチ部(図示略)を制御することにより、車両15が返却バッテリ26から供給される電力によって走行する。また、第1のナビゲーション装置12は、受取地点50から返却地点23まで走行する間に、返却バッテリ26が空になった場合には、自車バッテリ25の電力をモータ21に供給するようにスイッチ部(図示略)を制御する。なお、返却バッテリ26の残量が空になったか否かの判断は、使用可能な電力が空になったか否かで判断されると共に、使用可能な電力は返却バッテリ26の劣化を考慮して設定されている。
【0089】
一方、返却地点23到着時に返却バッテリ26に電力が残っている場合には、第1のナビゲーション装置12は、返却バッテリ26の電力を自車バッテリ25に移行させる。その後、代行返却者は、返却バッテリ26を返却すると共に、返却地点23から目的地40まで自車バッテリ25から供給される電力によって車両15を走行させる。
【0090】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)返却バッテリ26の代行返却をしない場合に比べて、代行返却するために装着部19に装着した返却バッテリ26を利用して走行する方が目的地40到着時の自車バッテリ25の残量が多い場合に、第1の制御部34aによって非返却残量53、返却残量56、増加時間が表示部32に表示される。すなわち、返却バッテリ26を代行返却する代行返却者は、受取地点50に立ち寄って返却バッテリ26を受け取ると共に、自車バッテリ25の代わりに返却バッテリ26の電力を利用して走行することにより、自車バッテリ25の電力消費を抑制することができる。したがって、代行返却者に対してはエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる。
【0091】
(2)返却バッテリ26を利用する場合と返却バッテリ26を利用しない場合において、目的地40到着時の自車バッテリ25の残量をそれぞれ算出して比較することにより、非返却残量53、返却残量56、増加時間が表示部32に表示させるか否かを判断することができる。
【0092】
(3)返却バッテリ26の残量を自車バッテリ25に移すことができるため、返却バッテリ26の残量を自車バッテリ25に移さない場合に比べて、目的地40に到着した際の自車バッテリ25の残量を増加させることができる。また、返却バッテリ26は、蓄電された電力が空もしくは空に近い状態で返却されるため、返却バッテリ26に蓄電された電力の利用効率を向上させることができる。
【0093】
(4)自車バッテリ25の非返却残量53と返却残量56と共に、増加時間を表示部32に表示させることにより、代行返却者に対し代行返却を行うか否かを判断する際の判断材料をさらに与えることができる。
【0094】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12,図13に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態におけるサーバ14が第1のナビゲーション装置12に代行返却希望情報を通知する際の条件を変更した点でのみ相違している。そして、その他の構成及び処理手順は共通しているため、同様の部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。
【0095】
さて、本実施形態では、第1のナビゲーション装置12において目的地40が設定されると、第1の制御部34aは、現在地39を示す現在地情報と目的地40を示す目的地情報をサーバ14に送信する。そして、サーバ14は、返却情報記憶部48に記憶されている代行返却希望情報のうち、現在地39と目的地40の周辺、及び現在地39から目的地40までの間に受取地点50と返却地点23とが位置する代行返却希望情報を第1のナビゲーション装置12に送信する。
【0096】
より具体的には、例えば、サーバ制御部47は、現在地情報、目的地情報、及び代行返却希望情報に基づいて、現在地39と目的地40を焦点とすると共に、現在地39と目的地40との直線距離を短径とする楕円の内側に受取地点50と返却地点23とが位置する代行返却希望情報を第1のナビゲーション装置12に送信するようになっている。
【0097】
次に、図12に基づいて第1の制御部34aが自車バッテリ25の非返却残量53と返却残量56を算出する方法について説明する。ただし、本実施形態では、第1のナビゲーション装置12がサーバ14から2つの代行返却希望情報を受信し、車両15の装着部19には、自車バッテリ25が1つだけ装着されているものとする。
【0098】
まず、第1の制御部34aは、現在地39から目的地40までの非返却経路52(図12では第1〜第5経路65a〜65e)の距離を車両15の電費で割ることにより、非返却経路52の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aから消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の非返却残量53を算出する。さらに、第1の制御部34aは、非返却経路52の走行に要する非返却移動時間を算出する。
【0099】
続いて、第1の制御部34aは、第1代行返却希望情報に対応する第1受取地点50aと第1返却地点23aとを経由する第1返却経路(図12では第1〜第9経路65a〜65i)の距離を車両15の電費で割ることにより、第1返却経路の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aと、第1返却バッテリの受取時の返却バッテリ残量との合計から、消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の返却残量56を算出する。さらに、第1の制御部34aは、第1返却経路の走行に要する返却移動時間を算出する。
【0100】
そして、第1の制御部34aは、第2代行返却希望情報に対応する第2受取地点50bと第2返却地点23bとを経由する第2返却経路(第1〜第5経路65a〜65e,第10〜第13経路65j〜65m)の距離を車両15の電費で割ることにより、第2返却経路の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aと、第2返却バッテリの受取時の返却バッテリ残量との合計から、消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の返却残量56を算出する。さらに、第1の制御部34aは、第2の返却経路の走行に要する返却移動時間を算出する。
【0101】
さらに、第1の制御部34aは、第1返却バッテリと第2返却バッテリを共に返却する場合の第3返却経路(第1〜第13経路65a〜65m)の距離を車両15の電費で割ることにより、第3返却経路の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aと、受取時の第1返却バッテリ及び第2返却バッテリの残量をそれぞれ合計したものから、消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の返却残量56を算出する。さらに、第1の制御部34aは、第3返却経路の走行に要する返却移動時間を算出する。
【0102】
次に、図13に示すように、目的地40到着時の非返却残量53と返却残量56とがそれぞれ算出されると共に、算出された各返却残量56が非返却残量53よりも多い場合の作用について、図13に基づいて説明する。
【0103】
すなわち、図13に示すように、代行返却者が目的地40を入力すると、表示部32には現在地39から目的地40までの返却経路55が、受取地点50a,50bと返却地点23a,23bと共に表示される。なお、第1返却バッテリと第2返却バッテリのうち、返却ボタン61が選択されたものは、非透過表示(図13では実線で表示)されるのに対し、返却ボタン61が選択されていないものは、透過表示(図13では点線で表示)される。
【0104】
すなわち、例えば第1返却バッテリが選択され、第2返却バッテリが選択されていない場合には、第1返却バッテリと対応する第1返却経路と第1受取地点50aと第1返却地点23aが非透過表示される。一方、第2返却バッテリと対応する第2返却経路と第2受取地点50bと第2返却地点23bが透過表示される。また、第1返却バッテリと第2の返却バッテリが共に選択されていない場合には、第1,第2受取地点50a,50bと第1,第2返却地点23a,23bと返却経路55が透過表示され、非返却経路52が非透過表示される。
【0105】
さらに、表示部32には、選択された返却バッテリ26と対応する返却残量56が非返却残量53と共に表示される。また、表示部32には、非返却移動時間から、選択された返却バッテリ26と対応する返却移動時間を引いた時間が増加時間として表示される。したがって、返却残量56と増加時間は、選択される返却バッテリ26に応じて変化する。
【0106】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(4)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(5)サーバ14は、現在地39と目的地40の周辺、及び現在地39から目的地40までの間に受取地点50と返却地点23とが位置する代行返却希望情報を第1のナビゲーション装置12に送信する。そのため、非返却経路52上に受取地点50と返却地点23が位置する代行返却希望情報のみを送信する場合に比べて、第1のナビゲーション装置12に送信する代行返却希望情報の数を増やすことができる。したがって、代行返却者に対し、より多くの選択肢を与えることができる。
【0107】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態において、現在地39から目的地40まで自車バッテリ25のみを利用して走行する場合よりも、返却バッテリ26を利用して走行した方が、目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が多いと判定することができれば、非返却残量53及び返却残量56を算出しなくてもよい。
【0108】
すなわち、例えば、受け取り時の返却バッテリ残量59aが返却バッテリ26の利用に伴って増加する消費電力量よりも多ければ、非返却残量53よりも返却残量56の方が多いと判定することができる。具体的には、図12に示すように、第1返却バッテリを利用するためには、第6〜第9経路65f〜65iの走行が必要となる。したがって、第6〜第9経路65f〜65iの走行に伴って消費する消費電力量よりも、第1返却バッテリの受け取り時の返却バッテリ残量が多い場合には、非返却残量53よりも返却残量56の方が多いと判定することができる。
【0109】
・上記各実施形態において、返却地点23において返却バッテリ26に使用可能な電力が残っている場合でも、自車バッテリ25に電力を移行させなくてもよい。なお、この場合にも、非返却残量53と返却残量56とを算出せずに目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が返却バッテリ26を利用した方が多くなるか否かを判定することができる。
【0110】
すなわち、代行返却に伴って増加する自車バッテリ25の消費電力量よりも、返却バッテリ26により節約できる自車バッテリ25の電力量が多い場合には、返却バッテリ26を利用した方が目的地40到着時の自車バッテリ25の残量が多くなる。具体的には、図12に示すように、第6,第9経路65f,65iの走行に伴って消費する消費電力量の合計が、第2,第3経路65b,65cの走行に伴って消費する消費電力量よりも小さく、且つ第6〜第9経路65f〜65iの走行に伴って消費する消費電力量の合計が第1返却バッテリの受け取り時の返却バッテリ残量よりも少ない場合に、第1返却バッテリを利用した方が目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が多いと判定することができる。
【0111】
・上記各実施形態において、複数の返却バッテリ26の代行返却希望情報を取得した場合には、代行返却者に返却バッテリ26の組み合わせたものを選択させるようにしてもよい。すなわち、例えば、受取地点50が異なる複数の返却バッテリ26を1つの返却地点23に返却する場合には、1つの返却バッテリ26を利用する場合には目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が少なくなる場合であっても、複数の返却バッテリ26を利用することにより目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が多くなることがある。したがって、複数の返却バッテリ26を組み合わせて報知することにより、代行返却者の選択肢を増加させることができる。
【0112】
・上記各実施形態において、装着部19には、少なくとも1つのバッテリ18が着脱可能に装着できればよい。すなわち、使用するバッテリ18を代行返却者が選択し、装着部19に装着させるようにしてもよい。また、自車バッテリ25を車両15に固定(着脱不能に装着)すると共に、バッテリ18の着脱可能な装着部19を別に備えてもよい。
【0113】
・上記各実施形態において、借り手の車両16に搭載された第2のナビゲーション装置13の第2の制御部34bは、借り手によって目的地が入力されたときに代行返却希望情報をサーバ14に出力してもよい。なお、このときの受取地点情報は、借り手が入力した目的地を示す情報であると共に、受取時間情報は車両16の目的地到着時刻に合わせて設定するようにしてもよい。
【0114】
・上記各実施形態において、サーバ14は、第1のナビゲーション装置12から取得した非返却経路情報もしくは現在地情報及び目的地情報を記憶しておき、代行返却希望情報を取得した場合に第1のナビゲーション装置12に対して代行返却希望情報を送信するか否かを判断してもよい。
【0115】
・上記各実施形態において、代行返却者が受取地点50の変更希望を送信できるようにしてもよい。すなわち、例えば、代行返却者の非返却経路52から離れた場所が受取地点50に設定されているような場合には、受取地点50を変更すれば代行返却可能である旨をサーバ14を介して借り手に通知してもよい。
【0116】
・上記各実施形態において、1つの代行返却希望情報に複数の受取地点情報が含まれていてもよい。なお、各受取地点情報には、それぞれ残量情報が対応付けられているのが好ましい。すなわち、借り手が移動可能な複数の地点をそれぞれ受取地点50として設定すると共に、受取地点50までの走行に伴って消費する電力量を考慮して残量情報を対応付ける。これにより、受取地点50を代行返却者の非返却経路52に近づけることができるため、代行返却者が自車バッテリ25を利用して走行しなければならない距離が短くなり、より代行返却の案内をされやすくすることができる。また、複数の受取地点情報が含まれる場合には、全ての受取地点50を報知してもよく、また最も目的地40到着時の自車バッテリ25の残量が多くなる1つの受取地点50のみを報知するようにしてもよい。
【0117】
・上記各実施形態において、代行返却案内システム11は、サーバ14を備えていなくてもよい。例えば、車同士間通信により、車両16から周辺に位置する車両に対して代行返却希望情報を直接送信するようにしてもよい。
【0118】
・上記各実施形態において、非返却残量53と返却残量56の比較をサーバ制御部47が行うにしてもよい。具体的には、サーバ制御部47は、非返却残量53よりも返却残量56の方が多いと判断した場合に、第1のナビゲーション装置12に対して返却バッテリ26がある旨を通知する。したがって、この場合には、サーバ14は代行返却案内装置として機能する。
【0119】
・上記各実施形態において、返却地点23は、返却バッテリ26の記憶部27に記憶されているため、返却バッテリ26を受け取った後、記憶部27から返却地点23を取得するようにしてもよい。
【0120】
・上記各実施形態において、代行返却者の車両15の装着部19に装着されていた自車バッテリ25も返却地点23に返却するようにしてもよい。例えば、自車バッテリ残量58aでは返却地点23までたどり着けないような場合であっても、返却バッテリ26を利用することにより返却地点23までたどり着くことができれば、代行返却者にとって利点がある。
【0121】
・上記各実施形態において、ナビゲーション装置12,13は、車両15,16に搭載されていなくてもよい。また代行返却希望情報をサーバ14に送信する端末と、代行返却情報を受信する端末は異なっていてもよい。例えば、ナビゲーション装置12,13を通信機能を備えた携帯電話やスマートフォンとし、入力された現在地39と目的地40に応じて代行返却案内情報を報知させてもよい。
【0122】
・上記各実施形態において、代行返却希望情報には、受取時間情報が含まれていなくてもよく、また借り手から代行返却者に対して直接返却バッテリ26の受け渡しをしなくてもよい。例えば返却バッテリ26を一時的に預かる一時預かり装置や一時預かり場所(コンビニエンスストアやガソリンスタンドなど)に預けてある返却バッテリ26を代行返却者が受け取るようにしてもよい。また、この場合には、例えば、一時預かり装置が返却バッテリ26の残量を検出し、代行返却希望情報をサーバ14に送信するようにしてもよい。
【0123】
・上記各実施形態において、ナビゲーション装置12,13は、内燃機関及びモータ21からなる2つの駆動源を備えたハイブリッド車(プラグインハイブリッド車)に搭載してもよい。
【符号の説明】
【0124】
11…代行返却案内システム、12,13…ナビゲーション装置(代行返却案内装置)、15,16…車両、18…バッテリ、19…装着部、23,23a,23b…返却地点、25…自車バッテリ(非返却バッテリ)、26…返却バッテリ、32…表示部(報知部)、34a…第1の制御部(現在地情報取得手段、目的地情報取得手段、代行返却希望情報取得手段、報知制御手段、残量取得手段、充放電制御手段)、34b…第2の制御部(代行返却希望情報送信手段)、39…現在地、40…目的地、50,50a,50b…受取地点、53…非返却残量(第1残量)、56…返却残量(第2残量)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に着脱可能に装着されるレンタル用のバッテリを返却地点に返却する際の代行返却案内装置、代行返却案内方法、代行返却案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関のみを駆動源とする自動車の他に、モータを駆動源として備えた電気自動車が知られている。この電気自動車は、商用電源から供給された電力をバッテリに蓄電すると共に、蓄電した電力をモータに供給して走行するようになっている。
【0003】
しかし、こうした電気自動車では、現状、バッテリを充電するのに長い時間が必要であるため、蓄電容量を超えるような長距離の走行には不向きとされていた。そこで、こうした長距離の走行にも電気自動車を対処可能とさせるべく、例えば特許文献1に記載されるように、車両に着脱可能に装着されるバッテリのレンタルシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−286006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バッテリのレンタルシステムの場合、バッテリの借り手は、レンタルしたバッテリを返却する度に、当該バッテリの貸し手が定める電池交換所(返却地点)まで返却対象のバッテリを運搬する必要があり、返却の手間が掛かってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、代行返却者に対してエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる代行返却案内装置、代行返却案内方法、及び代行返却案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、本発明の代行返却案内装置は、電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内装置であって、前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段とを備える。
【0008】
この発明によれば、返却バッテリの代行返却をしない場合に比べて、代行返却するために装着部に装着した返却バッテリを利用して走行する方が目的地到着時の自車バッテリの残量が多い場合に、報知制御手段によって代行返却案内情報が報知される。すなわち、返却バッテリを代行返却する代行返却者は、受取地点に立ち寄って返却バッテリを受け取ると共に、自車バッテリの代わりに返却バッテリの電力を利用して走行することにより、自車バッテリの電力消費を抑制することができる。したがって、代行返却者に対してはエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる。
【0009】
また、本発明の代行返却案内装置は、前記車両の前記装着部に装着された前記自車バッテリの残量を取得する残量取得手段をさらに備え、前記報知制御手段は、前記現在地から前記目的地まで前記自車バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第1残量と、前記現在地から前記返却バッテリの前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第2残量とを算出し、前記第2残量が前記第1残量よりも多いと判定される場合に前記代行返却案内情報を前記報知部に報知させる。
【0010】
この発明によれば、返却バッテリを利用する場合と返却バッテリを利用しない場合において、目的地到着時の自車バッテリの残量をそれぞれ算出して比較することにより、代行返却案内情報を報知部に報知させるか否かを判断することができる。
【0011】
また、本発明の代行返却案内装置は、前記返却地点到着時に前記返却バッテリに電力が残る場合に、前記返却地点において返却をしない非返却バッテリに対して前記返却バッテリの電力を移すように、該返却バッテリと前記非返却バッテリの充放電を制御する充放電制御手段をさらに備える。
【0012】
この発明によれば、返却バッテリの残量を非返却バッテリに移すことができるため、返却バッテリの残量を非返却バッテリに移さない場合に比べて、目的地に到着した際の非返却バッテリの残量を増加させることができる。また、返却バッテリは、蓄電された電力が空もしくは空に近い状態で返却されるため、返却バッテリに蓄電された電力の利用効率を向上させることができる。
【0013】
また、上記問題点を解決するために、本発明の代行返却案内方法は、電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内方法であって、前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得段階と、目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得段階と、前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得段階と、前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御段階とを備える。
【0014】
この構成によれば、上記代行返却案内装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
また、上記問題点を解決するために、本発明の代行返却案内システムは、電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両間において、返却地点に返却される必要がある返却バッテリを該返却バッテリの借り手とは異なる代行返却者に返却させる代行返却案内システムであって、前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を送信する代行返却希望情報送信手段と、該代行返却希望情報送信手段により送信された前記代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、前記返却地点に向かう車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、前記返却地点に向かう車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、前記返却地点に向かう車両が前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段とを備える。
【0015】
この構成によれば、上記代行返却案内装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の代行返却案内システムのブロック図。
【図2】代行返却案内システムにおける情報を送受信する流れを示す流れ図。
【図3】返却希望通知ルーチンのフローチャート。
【図4】非返却経路通知ルーチンのフローチャート。
【図5】返却情報通知ルーチンのフローチャート。
【図6】返却可能通知ルーチンのフローチャート。
【図7】代行返却案内情報報知ルーチンのフローチャート。
【図8】代行返却情報通知ルーチンのフローチャート。
【図9】返却情報報知ルーチンのフローチャート。
【図10】自車バッテリと返却バッテリの残量を示す模式図。
【図11】代行返却案内情報を示す画面図。
【図12】第2の実施形態における返却経路を示す模式図。
【図13】代行返却案内情報を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の代行返却案内システムを具体化した第1の実施形態を図1〜図11に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、代行返却案内システム11は、複数(本実施形態では2つ)の代行返却案内装置としてのナビゲーション装置12,13と、各ナビゲーション装置12,13とそれぞれ通信可能なサーバ14とを備えている。ただし、各ナビゲーション装置12,13は、それぞれ異なる車両15,16に搭載されるものの、そのナビゲーション装置12,13と車両15,16の構成は同一である。そのため、以下では、図1に基づいて1つのナビゲーション装置12と、このナビゲーション装置12を搭載する車両15を例に挙げて説明する。
【0019】
図1に示すように、車両15は、電力が蓄電されるバッテリ18を着脱可能に装着する装着部19と、バッテリ18の残量を検出する残量検出センサ20と、バッテリ18から供給される電力により駆動されるモータ21とを備えている。
【0020】
装着部19は、複数(本実施形態では3つ)のバッテリ18を同時に装着可能になっている。なお、図1では、返却地点23(図10参照)に返却される必要のない自車バッテリ(非返却バッテリ)25と、借り手によりレンタルされて返却地点23に返却される必要のある返却バッテリ26とが装着部19に装着された様子を図示している。また、返却バッテリ26には、該返却バッテリ26と対応する返却地点23を記憶する記憶部27が設けられている。そして、残量検出センサ20は、装着部19に装着された各バッテリ18の残量をバッテリごとに検出すると共に、検出した残量とバッテリ18の装着態様とをナビゲーション装置12に出力する。
【0021】
また、モータ21は、電力を供給するバッテリ18を選択的に切り替え可能なスイッチ部(図示略)を介してバッテリ18から供給された電力によって駆動される。そのため、車両15は、モータ21を動力源として利用して車輪(図示略)を回転させることにより走行が可能になっている。
【0022】
また、車両15に搭載されたナビゲーション装置12は、位置検出センサ29と、操作ボタン30と、地図情報記憶部31と、表示部32と、サーバ14と通信可能な通信部33と、制御部34(34a)とを備えている。
【0023】
まず、位置検出センサ29は、GPS受信部36が、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した、緯度・経度等の座標を示す位置検出信号を入力して、電波航法により車両15の絶対位置を算出する。また、車速センサ37及びジャイロセンサ38が車速パルス及び角速度を検出し、この車速パルス及び角速度を用いる自律航法により、基準位置からの相対位置を算出する。そして、制御部34は、電波航法で算出した絶対位置と自律航法で算出した基準位置からの相対位置とを組み合わせて車両15の現在地39(図10参照)を特定し、特定された車両15の現在地39を示す位置情報を現在地情報として取得する。
【0024】
さらに、操作ボタン30は、ユーザが操作することにより、目的地40(図10参照)の設定が可能となっている。
そして、地図情報記憶部31には、道路の形状を表す道路データ42と、目的地40までの経路を探索するための経路データ43とが格納されている。なお、道路データ42は、道路の形状を表すデータであって、ノード座標、形状補間点の座標、幅員、勾配、路面状態、混雑のしやすさ等が記憶されている。また、経路データ43は、全国を区画したメッシュ内の道路に関するデータであって、各メッシュの識別子であるメッシュIDと、交差点、インターチェンジ、道路の端点等を示す要素であるノードのノードデータと、各ノードを接続する要素であるリンクのリンクデータとを有している。
【0025】
また、制御部34は、目的地40が設定されると、現在地情報、目的地情報、及び経路データ43に基づいて現在地39から目的地40までの経路を設定する。なお、設定された経路は、ディスプレイなどの表示部32に地図と共に表示されることにより、利用者を目的地40まで案内するようになっている。
【0026】
一方、サーバ14は、各ナビゲーション装置12,13の通信部33と通信可能なサーバ通信部46と、サーバ14の稼働状態を制御するサーバ制御部47と、ナビゲーション装置12,13から出力された返却バッテリ26の返却に関する情報が記憶される返却情報記憶部48とを備えている。
【0027】
次に、各ナビゲーション装置12,13とサーバ14とがそれぞれ送受信する情報の流れを図2に示す流れ図に基づいて説明する。ただし、以下の説明では、第1のナビゲーション装置12が返却バッテリ26の代行返却をする代行返却者の車両15に搭載されていると共に、第2のナビゲーション装置13が返却バッテリ26の代行返却を希望する借り手の車両16に搭載されているものとする。すなわち、代行返却者は、現在地39に対して返却地点23と同じ方向に目的地40を設定し、返却地点23に向かって車両15を走行させるものとする。
【0028】
さて、図2に示すように、借り手の車両16に搭載された第2のナビゲーション装置13では、まず、ステップS101において、第2の制御部34bが返却希望通知ルーチンを実行する。すなわち、第2のナビゲーション装置13の通信部33からサーバ14のサーバ通信部46に対して返却バッテリ26の代行返却を希望する旨の代行返却希望情報を送信させる。なお、第2の制御部34bは、借り手(ユーザ)により第2のナビゲーション装置13の操作ボタン30が操作され、返却バッテリ26の代行返却を希望する旨が入力された場合に、ステップS101に示す返却希望通知ルーチンを実行するようになっている。
【0029】
一方、代行返却者側の第1のナビゲーション装置12では、まずステップS102において、第1の制御部34aが非返却経路通知ルーチンを実行する。すなわち、第1のナビゲーション装置12の通信部33からサーバ14のサーバ通信部46に対して非返却経路情報を送信させる。因みに、非返却経路情報とは、車両15が返却バッテリ26の代行返却をせずに例えば図10及び図11に示す現在地39から目的地40まで走行する場合の経路を示す情報である。なお、第1の制御部34aは、代行返却者(ユーザ)により操作ボタン30が操作され、車両15の目的地40が入力された場合に、ステップS102に示す非返却経路通知ルーチンを実行するようになっている。
【0030】
そして、サーバ14では、ステップS103において、サーバ制御部47が返却情報通知ルーチンを実行する。すなわち、サーバ14のサーバ通信部46から、返却バッテリ26の返却に関する返却情報(代行返却希望情報もしくは返却なし情報)を第1のナビゲーション装置12の通信部33に対して送信させる一方、返却バッテリ26の代行返却が不可能である場合にはその旨を示す代行返却不可情報を第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して送信させる。なお、サーバ制御部47は、サーバ通信部46が第2のナビゲーション装置13の通信部33から代行返却希望情報を受信した場合にステップS103に示す返却情報通知ルーチンの実行を開始する。そして、サーバ通信部46が第1のナビゲーション装置12の通信部33から非返却経路情報を受信したことを条件としてサーバ通信部46から第1のナビゲーション装置12の通信部33に対して返却情報(代行返却希望情報もしくは返却なし情報)を送信させる。また、サーバ通信部46が第2のナビゲーション装置13の通信部33から受信した代行返却希望情報により示される返却バッテリ26の受取時間が経過した時点で未だ非返却経路情報を未送信の場合に、サーバ通信部46から第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して代行返却不可情報を送信させる。
【0031】
さらに、第1のナビゲーション装置12では、ステップS104において、第1の制御部34aが返却可能通知ルーチンを実行する。すなわち、第1のナビゲーション装置12の通信部33から返却可能情報をサーバ14のサーバ通信部46に対して送信させることにより、返却バッテリ26の返却が可能である旨をサーバ14に通知する。なお、第1の制御部34aは、第1のナビゲーション装置12の通信部33がサーバ14のサーバ通信部46から送信された代行返却希望情報もしくは返却なし情報を取得した場合に、ステップS104に示す返却可能通知ルーチンを実行するようになっている。
【0032】
そして、サーバ14では、サーバ制御部47がステップS103の返却情報通知ルーチンの実行を終了すると、ステップS105において代行返却情報通知ルーチンを実行する。すなわち、サーバ通信部46から代行返却情報(代行返却可能情報もしくは代行返却不可情報)を第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して送信させる。なお、サーバ制御部47は、サーバ通信部46から第2のナビゲーション装置13の通信部33に対して、第1のナビゲーション装置12から返却可能情報を受信した場合には代行返却可能情報を送信させる一方、返却可能情報を受信しない場合には代行返却不可情報を送信させる。
【0033】
また、第2のナビゲーション装置13では、第2の制御部34bがステップS101にて返却希望通知ルーチンの実行を終了すると、ステップS106において返却情報報知ルーチンを実行する。すなわち、サーバ14のサーバ通信部46から受信した代行返却情報(代行返却可能情報もしくは代行返却不可情報)に基づいて表示部32の表示内容を制御することにより、借り手に代行返却の可否を報知する。
【0034】
次に、図2において示したステップS101〜ステップS106の各ルーチンについて、図3〜図9に従って詳しく説明する。
まず、図2及び図3に示すように、ステップS101の返却希望通知ルーチンは、借り手の車両16に搭載された第2のナビゲーション装置13の第2の制御部34bにより実行される。具体的には、図3に示すように、まずステップS201において、第2の制御部34bは、借り手の車両16に設けられた残量検出センサ20の検出結果に基づいて、代行返却を希望する返却バッテリ26に蓄電されている電力量を返却バッテリ26の残量を示す残量情報として取得する。
【0035】
さらに、ステップS202において、第2の制御部34bは、代行返却者が返却バッテリ26を受け取る受取地点50(図10参照)を示す受取地点情報を取得する。なお、本実施形態では、借り手の車両16の現在地を返却バッテリ26の受け渡しを行う地点とするため、この時点において位置検出センサ29が検出した車両16の現在地が受取地点50となる。そのため、第2の制御部34bは、第2のナビゲーション装置13に設けられた位置検出センサ29の検出結果に基づいて車両16の現在地を示す位置情報を受取地点情報として取得する。
【0036】
続くステップS203において、第2の制御部34bは、表示部32を制御し、返却バッテリ26を代行返却者に受け渡すことが可能な時間の入力を借り手に促す画面を表示させる。さらに、ステップS204において、借り手によって時間が入力されたか否かを判断し、入力がされていない場合には(ステップS204:NO)、時間が入力されるまで待機する。
【0037】
一方、時間が入力された場合には(ステップS204:YES)、ステップS205において、第2の制御部34bは、借り手によって入力された時間を、代行返却者が返却バッテリ26を受け取ることが可能な受取時間情報として取得する。さらに、ステップS206において、第2の制御部34bは、返却を希望する返却バッテリ26に設けられた記憶部27から返却地点23を示す返却地点情報を取得する。
【0038】
そして、ステップS207において、第2の制御部34bは、返却バッテリ26の残量情報と、受取地点情報と、受取時間情報と、返却地点情報とを代行返却希望情報としてサーバ14に送信する。この点で、第2の制御部34bは、借り手側において代行返却希望情報を送信する代行返却希望情報送信手段として機能している。そして、第2の制御部34bは、代行返却希望情報を送信することによって返却バッテリ26の返却希望がある旨をサーバ14に通知すると、返却希望通知ルーチンを終了する。
【0039】
一方、サーバ制御部47は、第2のナビゲーション装置13から送信された代行返却希望情報をサーバ通信部46を介して取得すると、取得した代行返却希望情報を返却情報記憶部48に記憶させる。したがって、返却情報記憶部48には、代行返却希望情報として返却バッテリ26の残量情報と、受取地点情報と、受取時間情報と、返却地点情報とがそれぞれ対応付けて記憶される。
【0040】
また、図2及び図4に示すように、ステップS102の非返却経路通知ルーチンは、代行返却者の車両15に搭載された第1のナビゲーション装置12の第1の制御部34aにより実行される。具体的には、図4に示すように、まずステップS301において、第1の制御部34aは、第1のナビゲーション装置12の位置検出センサ29の検出結果に基づいて車両15の現在地39を示す位置情報を現在地情報として取得する(現在地情報取得段階)。さらに、ステップS302において、第1の制御部34aは、代行返却者により操作ボタン30が操作されて入力された目的地40を示す位置情報を目的地情報として取得する(目的地情報取得段階)。したがって、第1の制御部34aは、現在地情報取得手段及び目的地情報取得手段として機能している。
【0041】
さらに、ステップS303において、第1の制御部34aは、現在地情報と目的地情報と経路データ43とに基づいて、返却バッテリ26を代行返却することはせずに現在地39から目的地40まで走行する場合の経路である非返却経路52(図10参照)を探索する。そして、ステップS304において、第1の制御部34aは、探索した非返却経路52を示す非返却経路情報をサーバ14に送信することにより、非返却経路52をサーバ14に通知する。
【0042】
続くステップS305において、第1の制御部34aは、代行返却者の車両15に設けられた残量検出センサ20の検出結果に基づいて、自車バッテリ25に蓄電されている電力量を自車バッテリ25の残量として取得する。したがって、第1の制御部34aは、残量取得手段としても機能している。
【0043】
さらに、ステップS306において、第1の制御部34aは、車両15が非返却経路52を走行して目的地40に到着した際に、自車バッテリ25に残っている電力量である非返却残量53(図10参照)を第1残量として算出する。なお、非返却残量53とは、車両15が返却バッテリ26を利用せずに、自車バッテリ25を利用して現在地39から目的地40まで走行する場合における目的地40到着時の自車バッテリ25の残量である。さらに、ステップS307において、制御部34は、現在地39から目的地40まで非返却経路52を走行するのに要する時間である非返却移動時間を算出し、非返却経路通知ルーチンを終了する。
【0044】
また、図2及び図5に示すように、ステップS103の返却情報通知ルーチンは、サーバ14のサーバ制御部47により実行される。具体的には、図5に示すように、まずステップS401において、サーバ制御部47は、代行返却者側の第1のナビゲーション装置12から非返却経路情報を取得したか否かを判断する。そして、非返却経路情報を取得した場合には(ステップS401:YES)、サーバ制御部47は、その処理をステップS402に移行する。
【0045】
そして、ステップS402において、サーバ制御部47は、取得した非返却経路情報と返却情報記憶部48に記憶している代行返却希望情報とに基づいて、非返却経路52上に代行返却を希望している返却バッテリ26があるか否かを判断する。なお、サーバ制御部47は、非返却経路52と、該非返却経路52から所定の範囲(例えば経路の左右両側100m以内の範囲)に受取地点50と返却地点23が位置する場合に返却希望ありと判断する(ステップS402:YES)。そして、次のステップS403において、サーバ制御部47は、非返却経路52上に位置する返却バッテリ26の代行返却希望情報を非返却経路情報の送信元である第1のナビゲーション装置12に送信することにより返却情報を通知する。
【0046】
一方、非返却経路52上に代行返却希望の返却バッテリ26がない場合には(ステップS402:NO)、ステップS404において、サーバ制御部47は、第1のナビゲーション装置12に対して返却なし情報を送信する。
【0047】
また、先のステップS401において、非返却経路情報を取得していないと判断した場合には(ステップS401:NO)、ステップS405において、サーバ制御部47は、代行返却希望情報に含まれる受取時間情報に基づいて受取時間が経過したか否かを判断する。そして、受取時間が経過していない場合には(ステップS405:NO)、サーバ制御部47は、その処理をステップS401に戻し、再びステップS401以降の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップS405において、受取時間が経過したと判断した場合には(ステップS405:YES)、次のステップS406において、サーバ制御部47は、代行返却希望情報の送信元である第2のナビゲーション装置13に代行返却不可情報を送信する。さらに、ステップS407において、サーバ制御部47は、返却情報記憶部48に記憶されている代行返却希望情報のうち、受取時間が経過した代行返却希望情報を削除し、返却情報通知ルーチンを終了する。
【0049】
また、図2及び図6に示すように、ステップS104の返却可能通知ルーチンは、第1のナビゲーション装置12の第1の制御部34aにより実行される。具体的には、図6に示すように、まずステップS501において、第1の制御部34aは、ステップS103の返却情報通知ルーチンでサーバ14から第1のナビゲーション装置12に送信された返却バッテリ26に関する情報が代行返却希望情報であるか否かを判断する。そして、サーバ14からは代行返却希望情報ではなく返却なし情報が送信されたと判断した場合(ステップS501:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS502に移行する。そして、ステップS502において、第1の制御部34aは、非返却経路52を表示部32に表示すると共に、非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。
【0050】
一方、先のステップS501において、サーバ14から送信された情報は代行返却希望情報であると判断した場合には(ステップS501:YES)、次のステップS503において、第1の制御部34aは、その代行返却希望情報を取得すると共に、図示しないメモリに記憶する(代行返却希望情報取得段階)。この点で、第1の制御部34aは、代行返却希望情報取得手段としても機能している。
【0051】
続くステップS504において、第1の制御部34aは、取得した代行返却希望情報の数Nが1つであるか否かを判断する。そして、代行返却希望情報数Nが1つである場合には(ステップS504:YES)、第1の制御部34aは、ステップS505において、返却経路55(図10参照)を探索する。なお、返却経路55とは、車両15の現在地39から受取地点50及び返却地点23を経由する目的地40までの経路である。そして、第1の制御部34aは、現在地情報、目的地情報、経路データ43、受取地点情報、返却地点情報に基づいて返却経路55を探索する。
【0052】
さらに、ステップS506において、第1の制御部34aは、車両15が返却バッテリ26を利用して返却経路55を走行し、目的地40に到着した際に自車バッテリ25に残っている電力量である返却残量56(図10参照)を第2残量として算出する。すなわち、第1の制御部34aは、ステップS305にて取得した自車バッテリ25の残量と、代行返却希望情報に含まれる返却バッテリ26の残量情報に基づいて返却残量56を算出する。
【0053】
続くステップS507において、第1の制御部34aは、ステップS306にて算出した非返却残量53と、ステップS506にて算出した返却残量56とを比較する。そして、非返却残量53が返却残量56以上である場合には(ステップS507:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS502に移行し、非返却経路52を表示部32に表示させ、その非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。
【0054】
一方、非返却残量53が返却残量56よりも少ない場合には(ステップS507:YES)、ステップS508において、第1の制御部34aは、返却バッテリ26を利用して現在地39から目的地40まで返却経路55を走行するのに要する時間である返却移動時間を算出する。なお、返却移動時間には、返却バッテリ26の受け取りに要する時間と返却に要する時間が含まれている。
【0055】
その後、ステップS509において、第1の制御部34aは、代行返却案内情報報知ルーチン(図7参照)を実行し、代行返却すると有利な返却バッテリ26がある旨を代行返却者に報知する(報知制御段階)。すなわち、第1の制御部34aは、返却残量56が非返却残量53よりも多いと判定される場合に、返却バッテリ26の代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を表示部32に表示(報知)させる。この点で、表示部32は、報知部として機能していると共に、第1の制御部34aは、報知制御手段としても機能している。
【0056】
そして、ステップS510において、第1の制御部34aは、代行返却者により操作ボタン30が操作され、返却バッテリ26を代行返却する旨の意思表示となる返却許可の操作内容が入力されたか否かを判断する。
【0057】
そして、返却許可の操作内容が入力された場合には(ステップS510:YES)、ステップS511において、第1の制御部34aは、サーバ14に対して代行返却が可能であることを示す返却可能情報を送信する。さらに、ステップS512において、第1の制御部34aは、返却経路55を表示部32に表示すると共に、返却経路55に基づいて車両15を受取地点50及び返却地点23を経由するように目的地40まで案内する。一方、返却許可の操作内容が入力されない場合には(ステップS510:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS502に移行し、非返却経路52を表示部32に表示させ、その非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。
【0058】
また、先のステップS504において、代行返却希望情報の数Nが複数あると判断した場合には(ステップS504:NO)、ステップS513において、第1の制御部34aは、第N返却経路を探索する。すなわち、例えば代行返却希望情報が2つある場合には、N=2となり、第1の制御部34aは、第2代行返却希望情報に含まれる受取地点50と返却地点23とを経由する第2返却経路を探索する。
【0059】
さらに、ステップS514において、第1の制御部34aは、ステップS506の場合と同様に、第2代行返却希望情報に含まれる残量情報に基づいて、車両15が返却バッテリ26を利用して第2返却経路を走行し、目的地40に到着した際に自車バッテリ25に残っている電力量である第2返却残量を第2残量として算出する。
【0060】
そして、ステップS515において、第1の制御部34aは、ステップS306にて算出した非返却残量53と、ステップS514にて算出した第2返却残量とを比較する。そして、非返却残量53が第2返却残量よりも少ない場合には(ステップS515:YES)、次のステップS516において、第1の制御部34aは、その第2返却残量を図示しないメモリに記憶する。さらに、ステップS517において、第1の制御部34aは、ステップS508の場合と同様に返却バッテリ26を利用して現在地39から目的地40まで第2返却経路を走行するのに要する時間である第2返却移動時間を算出する。
【0061】
一方、先のステップS515において、非返却残量53が第2返却残量以上である場合には(ステップS515:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS518に移行する。そして、ステップS518において、第1の制御部34aは、Nの値を1つ小さく更新する。さらに、ステップS519において、第1の制御部34aは、Nがゼロとなったか否かを判断する。すなわち、N=2であった場合には、Nは1となるため(ステップS519:NO)、第1の制御部34aは、その処理をステップS513に戻し、この場合はN=1であるので、第1代行返却希望情報に基づいてステップS513〜ステップS519を再び実行する。
【0062】
そして、N=0となった場合には(ステップS519:YES)、ステップS520において、第1の制御部34aは、返却残量が記憶されているか否かを判断する。すなわち、全ての第N返却残量が非返却残量53以下である場合には返却残量は記憶されていないため(ステップS520:NO)、第1の制御部34aは、ステップS502に移行して非返却経路52を表示部32に表示させ、その非返却経路52に基づいて車両15を目的地40まで案内する。一方、少なくとも1つの第N返却残量が非返却残量53よりも大きい場合には、返却残量が記憶されているため(ステップS520:YES)、第1の制御部34aは、その処理をステップS509へ移行する。
【0063】
次に、ステップS509の代行返却案内情報報知ルーチンを図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
さて、本ルーチンでは、まずステップS601において、第1の制御部34aは、代行返却者に案内する代行返却案内が1つであるか否かを判断する。すなわち、第1の制御部34aは、サーバ14から取得した代行返却希望情報の数Nが1つであった場合、及びメモリ(図示略)に記憶されている第N返却残量が1つである場合には、代行返却案内が1つであると判断する(ステップS601:YES)。
【0064】
そして、ステップS602において、第1の制御部34aは、ステップS508もしくはステップS517にて算出した返却移動時間から、ステップS307にて算出した非返却移動時間を引くことにより、増加時間を算出する。
【0065】
続くステップS603において、第1の制御部34aは、表示部32を制御し、返却残量56を表示して報知する。具体的には、第1の制御部34aは、ステップS506もしくはステップS514にて算出した返却残量56を非返却残量53と共に表示することにより、代行返却者に利用すると有利になる返却バッテリ26がある旨を報知する。さらに、ステップS604において、第1の制御部34aは、表示部32を制御し、ステップS602にて算出した増加時間を表示して代行返却者に報知する。すなわち、本実施形態では、代行返却案内情報として非返却残量53、返却残量56、増加時間が報知される。
【0066】
一方、先のステップS601において、第1の制御部34aは、返却案内が複数あると判断した場合には(ステップS601:NO)、ステップS605において、代行返却者によって代行返却するバッテリとして選択された返却バッテリ26を選択バッテリ情報として取得する。
【0067】
そして、ステップS606において、第1の制御部34aは、選択バッテリ情報に基づいて返却残量56を算出する。すなわち、例えば、代行返却者により2つの返却バッテリ26が選択された場合には、第1の制御部34aは、2つの返却バッテリ26を利用して返却経路55を走行し、目的地40に到着した際に自車バッテリ25に残っている電力量である返却残量56を第2残量として算出する。さらに、ステップS607において、第1の制御部34aは、表示部32を制御し、算出した返却残量56を非返却残量53と共に表示して代行返却者に報知する。
【0068】
続くステップS608において、第1の制御部34aは、選択バッテリ情報に基づいて増加時間を算出する。すなわち、第1の制御部34aは、代行返却するバッテリとして選択された返却バッテリ26と対応する返却経路55のうち、重複する経路を走行するのに要する時間を相殺することにより増加時間を算出する。そして、ステップS609において、表示部32を制御し、算出した増加時間を表示して代行返却者に報知する。
【0069】
さらに、ステップS610において、第1の制御部34aは、代行返却者によって操作ボタン30が操作され、代行返却する返却バッテリ26が確定されたか否かを判断し、確定されていない場合には(ステップS610:NO)、ステップS605〜ステップS610を繰り返し実行する。そして、代行返却する返却バッテリ26が確定された場合には(ステップS610:YES)、代行返却案内情報報知ルーチンを終了する。
【0070】
また、図2及び図8に示すように、ステップS105の代行返却情報通知ルーチンは、サーバ制御部47により実行される。具体的には、図8に示すように、まずステップS701において、サーバ制御部47は、第1のナビゲーション装置12から返却可能情報を取得したか否かを判断する。そして、返却可能情報を取得した場合には(ステップS701:YES)、ステップS702において、サーバ制御部47は、代行返却可能情報を代行返却希望情報の送信元である第2のナビゲーション装置13に送信する。
【0071】
一方、返却可能情報を取得していないと判断した場合には(ステップS701:NO)、ステップS703において、サーバ制御部47は、返却情報記憶部48に記憶されている受取時間情報に基づいて受取時間が経過したか否かを判断する。そして、サーバ制御部47は、受取時間が経過していないと判断した場合には(ステップS703:NO)、その処理をステップS701に戻し、再びステップS701の処理を繰り返す。
【0072】
また、受取時間が経過した場合には(ステップS703:YES)、ステップS704において、サーバ制御部47は、代行返却不可情報を第2のナビゲーション装置13に送信する。さらに、ステップS705において、サーバ制御部47は、返却情報記憶部48に記憶されている代行返却希望情報のうち受取時間が経過した代行返却希望情報を削除し、代行返却情報通知ルーチンを終了する。
【0073】
また、図2及び図9に示すように、ステップS106の返却情報報知ルーチンは、第2のナビゲーション装置13の第2の制御部34bにより実行される。具体的には、図9に示すように、まずステップS801において、第2の制御部34bは、サーバ14から送信された代行返却情報(代行返却可能情報もしくは代行返却不可情報)を取得したか否かを判断する。そして、代行返却情報を取得していない場合には(ステップS801:NO)、第2の制御部34bは、代行返却情報を取得するまで周期的にステップS801の処理を繰り返す。
【0074】
そして、代行返却情報を取得すると(ステップS801:YES)、ステップS802において、第2の制御部34bは、取得した代行返却情報が代行返却可能情報であるか代行返却不可情報であるかを判断する。
【0075】
そして、取得した代行返却情報が代行返却可能情報である場合には(ステップS802:YES)、ステップS803において、第2の制御部34bは、表示部32を制御し、返却バッテリ26の代行返却が可能である旨を表示して借り手に報知する。一方、取得した代行返却情報が代行返却不可情報である場合には(ステップS802:NO)、ステップS804において、第2の制御部34bは、表示部32を制御し、返却バッテリ26の代行返却が不可能である旨を表示して借り手に報知し、返却情報報知ルーチンを終了する。
【0076】
次に、図10に基づいて第1の制御部34aが自車バッテリ25の非返却残量53と返却残量56を算出する方法について説明する。ただし、本実施形態では、第1のナビゲーション装置12が非返却経路52上に受取地点50と返却地点23とが位置する1つの代行返却希望情報をサーバ14から取得したものとする。さらに、代行返却者の車両15の装着部19には、自車バッテリ25が1つだけ装着されているものとする。
【0077】
また、図10では、縦長の四角形にて表されるバーにより、自車バッテリ25に蓄電可能な電力量と返却バッテリ26に蓄電可能な電力量を模式的に表している。すなわち、それぞれ網掛け部分が自車バッテリ25に蓄電されている電力量(自車バッテリ残量58a〜58c)と、返却バッテリ26に蓄電されている電力量(返却バッテリ残量59a,59b)とを表している。そして、バーにおける白抜き部分が自車バッテリ25及び返却バッテリ26に充電可能な電力量をそれぞれ表し、網掛け部分と白抜き部分の合計(バー全体)が、自車バッテリ25と返却バッテリ26の容量を表している。
【0078】
さて、代行返却者が目的地40を設定すると、まず図10の下側に図示するように、第1の制御部34aは、返却バッテリ26の代行返却をしない場合、すなわち、返却バッテリ26に蓄電されている電力を利用せずに、自車バッテリ25に蓄電されている電力だけを利用して目的地40に到達した際の、自車バッテリ25の電力量を非返却残量53として算出する。具体的には、第1の制御部34aは、現在地39から目的地40までの非返却経路52の距離(km)を車両15の電費(単位電力あたりに走行可能な距離:km/kWh)で割ることにより、非返却経路52の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aから消費電力量を引くことにより非返却残量53を算出する。
【0079】
続いて、第1の制御部34aは、返却バッテリ26を利用して目的地40まで走行した場合の自車バッテリ25の返却残量56を算出する。具体的には、まず現在地39から受取地点50までの返却経路55の距離を電費で割ることにより、受取地点50までの走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、現在地39における自車バッテリ残量58aから消費電力量を引くことにより、受取地点50到着時の自車バッテリ残量58bを算出する。
【0080】
さらに、第1の制御部34aは、受取地点50から返却地点23までの返却経路55の距離を電費で割ることにより、受取地点50から返却地点23までの走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、受取時の返却バッテリ残量59aから消費電力量を引くことにより、返却地点23到着時の返却バッテリ残量59bを算出する。なお、このとき返却バッテリ残量59bがマイナスになる場合には、マイナスの分だけ自車バッテリ25が使用されるのに対し、返却バッテリ残量59bがプラスになる場合には、返却地点23到着時に返却バッテリ26の返却バッテリ残量59bを自車バッテリ25に移行させることができる。そのため、返却地点23到着時の返却バッテリ残量59bと、受取地点50到着時の自車バッテリ残量58bとの合計が、返却地点23出発時の自車バッテリ25の自車バッテリ残量58cとなる。
【0081】
なお、返却バッテリ26から自車バッテリ25への電力の移行は、第1の制御部34aが図示しないスイッチ部を制御することにより、返却バッテリ26を放電させると共に自車バッテリ25を充電させることにより行われる。したがって、第1の制御部34aは、この点で充放電制御手段としても機能している。
【0082】
そして、第1の制御部34aは、返却地点23から目的地40までの返却経路55の距離を電費で割ることにより、返却地点23から目的地40までの走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、返却地点23における自車バッテリ残量58cから消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の自車バッテリ25の返却残量56を算出する。
【0083】
次に、図10に示すように、目的地39到着時の非返却残量53と返却残量56がそれぞれ算出されると共に、算出された返却残量56が非返却残量53よりも多い場合の作用について、図11に基づいて説明する。
【0084】
すなわち、代行返却者が目的地40を入力すると、図11に示すように、表示部32には現在地39から目的地40までの返却経路55が、受取地点50及び返却地点23を示すアイコンと共に表示される。
【0085】
また、表示部32には、地図と共に返却バッテリ26を選択するための返却ボタン61と、増加時間(図11では「5分」と表示)と、決定ボタン62と、終了ボタン63とが表示される。さらに、表示部32には、非返却残量53と返却残量56が模式化して表示される。
【0086】
そして、返却ボタン61が選択された状態で決定ボタン62が選択されると、第1のナビゲーション装置12は、受取地点50と返却地点23とを経由するように、返却経路55に沿って走行を案内する。また、返却ボタン61が選択されていない状態で決定ボタン62が選択された場合、もしくは、返却ボタン61の選択に関わらずに終了ボタン63が選択された場合には、第1のナビゲーション装置12は、非返却経路52に沿って走行を案内する。
【0087】
したがって、返却バッテリ26を利用する場合には、代行返却者は返却経路55に沿って車両15を走行させると共に、受取地点50において返却バッテリ26を受け取る。そして、代行返却者は、受け取った返却バッテリ26を装着部19に装着して返却地点23まで走行する。
【0088】
なお、このとき第1のナビゲーション装置12は、返却バッテリ26の電力をモータ21に供給するようにスイッチ部(図示略)を制御することにより、車両15が返却バッテリ26から供給される電力によって走行する。また、第1のナビゲーション装置12は、受取地点50から返却地点23まで走行する間に、返却バッテリ26が空になった場合には、自車バッテリ25の電力をモータ21に供給するようにスイッチ部(図示略)を制御する。なお、返却バッテリ26の残量が空になったか否かの判断は、使用可能な電力が空になったか否かで判断されると共に、使用可能な電力は返却バッテリ26の劣化を考慮して設定されている。
【0089】
一方、返却地点23到着時に返却バッテリ26に電力が残っている場合には、第1のナビゲーション装置12は、返却バッテリ26の電力を自車バッテリ25に移行させる。その後、代行返却者は、返却バッテリ26を返却すると共に、返却地点23から目的地40まで自車バッテリ25から供給される電力によって車両15を走行させる。
【0090】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)返却バッテリ26の代行返却をしない場合に比べて、代行返却するために装着部19に装着した返却バッテリ26を利用して走行する方が目的地40到着時の自車バッテリ25の残量が多い場合に、第1の制御部34aによって非返却残量53、返却残量56、増加時間が表示部32に表示される。すなわち、返却バッテリ26を代行返却する代行返却者は、受取地点50に立ち寄って返却バッテリ26を受け取ると共に、自車バッテリ25の代わりに返却バッテリ26の電力を利用して走行することにより、自車バッテリ25の電力消費を抑制することができる。したがって、代行返却者に対してはエネルギー的な利点を与えつつ、借り手の返却にかかる手間を低減させることができる。
【0091】
(2)返却バッテリ26を利用する場合と返却バッテリ26を利用しない場合において、目的地40到着時の自車バッテリ25の残量をそれぞれ算出して比較することにより、非返却残量53、返却残量56、増加時間が表示部32に表示させるか否かを判断することができる。
【0092】
(3)返却バッテリ26の残量を自車バッテリ25に移すことができるため、返却バッテリ26の残量を自車バッテリ25に移さない場合に比べて、目的地40に到着した際の自車バッテリ25の残量を増加させることができる。また、返却バッテリ26は、蓄電された電力が空もしくは空に近い状態で返却されるため、返却バッテリ26に蓄電された電力の利用効率を向上させることができる。
【0093】
(4)自車バッテリ25の非返却残量53と返却残量56と共に、増加時間を表示部32に表示させることにより、代行返却者に対し代行返却を行うか否かを判断する際の判断材料をさらに与えることができる。
【0094】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12,図13に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態におけるサーバ14が第1のナビゲーション装置12に代行返却希望情報を通知する際の条件を変更した点でのみ相違している。そして、その他の構成及び処理手順は共通しているため、同様の部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。
【0095】
さて、本実施形態では、第1のナビゲーション装置12において目的地40が設定されると、第1の制御部34aは、現在地39を示す現在地情報と目的地40を示す目的地情報をサーバ14に送信する。そして、サーバ14は、返却情報記憶部48に記憶されている代行返却希望情報のうち、現在地39と目的地40の周辺、及び現在地39から目的地40までの間に受取地点50と返却地点23とが位置する代行返却希望情報を第1のナビゲーション装置12に送信する。
【0096】
より具体的には、例えば、サーバ制御部47は、現在地情報、目的地情報、及び代行返却希望情報に基づいて、現在地39と目的地40を焦点とすると共に、現在地39と目的地40との直線距離を短径とする楕円の内側に受取地点50と返却地点23とが位置する代行返却希望情報を第1のナビゲーション装置12に送信するようになっている。
【0097】
次に、図12に基づいて第1の制御部34aが自車バッテリ25の非返却残量53と返却残量56を算出する方法について説明する。ただし、本実施形態では、第1のナビゲーション装置12がサーバ14から2つの代行返却希望情報を受信し、車両15の装着部19には、自車バッテリ25が1つだけ装着されているものとする。
【0098】
まず、第1の制御部34aは、現在地39から目的地40までの非返却経路52(図12では第1〜第5経路65a〜65e)の距離を車両15の電費で割ることにより、非返却経路52の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aから消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の非返却残量53を算出する。さらに、第1の制御部34aは、非返却経路52の走行に要する非返却移動時間を算出する。
【0099】
続いて、第1の制御部34aは、第1代行返却希望情報に対応する第1受取地点50aと第1返却地点23aとを経由する第1返却経路(図12では第1〜第9経路65a〜65i)の距離を車両15の電費で割ることにより、第1返却経路の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aと、第1返却バッテリの受取時の返却バッテリ残量との合計から、消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の返却残量56を算出する。さらに、第1の制御部34aは、第1返却経路の走行に要する返却移動時間を算出する。
【0100】
そして、第1の制御部34aは、第2代行返却希望情報に対応する第2受取地点50bと第2返却地点23bとを経由する第2返却経路(第1〜第5経路65a〜65e,第10〜第13経路65j〜65m)の距離を車両15の電費で割ることにより、第2返却経路の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aと、第2返却バッテリの受取時の返却バッテリ残量との合計から、消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の返却残量56を算出する。さらに、第1の制御部34aは、第2の返却経路の走行に要する返却移動時間を算出する。
【0101】
さらに、第1の制御部34aは、第1返却バッテリと第2返却バッテリを共に返却する場合の第3返却経路(第1〜第13経路65a〜65m)の距離を車両15の電費で割ることにより、第3返却経路の走行に伴って消費する消費電力量を算出する。そして、第1の制御部34aは、現在地39における自車バッテリ残量58aと、受取時の第1返却バッテリ及び第2返却バッテリの残量をそれぞれ合計したものから、消費電力量を引くことにより、目的地40到着時の返却残量56を算出する。さらに、第1の制御部34aは、第3返却経路の走行に要する返却移動時間を算出する。
【0102】
次に、図13に示すように、目的地40到着時の非返却残量53と返却残量56とがそれぞれ算出されると共に、算出された各返却残量56が非返却残量53よりも多い場合の作用について、図13に基づいて説明する。
【0103】
すなわち、図13に示すように、代行返却者が目的地40を入力すると、表示部32には現在地39から目的地40までの返却経路55が、受取地点50a,50bと返却地点23a,23bと共に表示される。なお、第1返却バッテリと第2返却バッテリのうち、返却ボタン61が選択されたものは、非透過表示(図13では実線で表示)されるのに対し、返却ボタン61が選択されていないものは、透過表示(図13では点線で表示)される。
【0104】
すなわち、例えば第1返却バッテリが選択され、第2返却バッテリが選択されていない場合には、第1返却バッテリと対応する第1返却経路と第1受取地点50aと第1返却地点23aが非透過表示される。一方、第2返却バッテリと対応する第2返却経路と第2受取地点50bと第2返却地点23bが透過表示される。また、第1返却バッテリと第2の返却バッテリが共に選択されていない場合には、第1,第2受取地点50a,50bと第1,第2返却地点23a,23bと返却経路55が透過表示され、非返却経路52が非透過表示される。
【0105】
さらに、表示部32には、選択された返却バッテリ26と対応する返却残量56が非返却残量53と共に表示される。また、表示部32には、非返却移動時間から、選択された返却バッテリ26と対応する返却移動時間を引いた時間が増加時間として表示される。したがって、返却残量56と増加時間は、選択される返却バッテリ26に応じて変化する。
【0106】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(4)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(5)サーバ14は、現在地39と目的地40の周辺、及び現在地39から目的地40までの間に受取地点50と返却地点23とが位置する代行返却希望情報を第1のナビゲーション装置12に送信する。そのため、非返却経路52上に受取地点50と返却地点23が位置する代行返却希望情報のみを送信する場合に比べて、第1のナビゲーション装置12に送信する代行返却希望情報の数を増やすことができる。したがって、代行返却者に対し、より多くの選択肢を与えることができる。
【0107】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態において、現在地39から目的地40まで自車バッテリ25のみを利用して走行する場合よりも、返却バッテリ26を利用して走行した方が、目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が多いと判定することができれば、非返却残量53及び返却残量56を算出しなくてもよい。
【0108】
すなわち、例えば、受け取り時の返却バッテリ残量59aが返却バッテリ26の利用に伴って増加する消費電力量よりも多ければ、非返却残量53よりも返却残量56の方が多いと判定することができる。具体的には、図12に示すように、第1返却バッテリを利用するためには、第6〜第9経路65f〜65iの走行が必要となる。したがって、第6〜第9経路65f〜65iの走行に伴って消費する消費電力量よりも、第1返却バッテリの受け取り時の返却バッテリ残量が多い場合には、非返却残量53よりも返却残量56の方が多いと判定することができる。
【0109】
・上記各実施形態において、返却地点23において返却バッテリ26に使用可能な電力が残っている場合でも、自車バッテリ25に電力を移行させなくてもよい。なお、この場合にも、非返却残量53と返却残量56とを算出せずに目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が返却バッテリ26を利用した方が多くなるか否かを判定することができる。
【0110】
すなわち、代行返却に伴って増加する自車バッテリ25の消費電力量よりも、返却バッテリ26により節約できる自車バッテリ25の電力量が多い場合には、返却バッテリ26を利用した方が目的地40到着時の自車バッテリ25の残量が多くなる。具体的には、図12に示すように、第6,第9経路65f,65iの走行に伴って消費する消費電力量の合計が、第2,第3経路65b,65cの走行に伴って消費する消費電力量よりも小さく、且つ第6〜第9経路65f〜65iの走行に伴って消費する消費電力量の合計が第1返却バッテリの受け取り時の返却バッテリ残量よりも少ない場合に、第1返却バッテリを利用した方が目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が多いと判定することができる。
【0111】
・上記各実施形態において、複数の返却バッテリ26の代行返却希望情報を取得した場合には、代行返却者に返却バッテリ26の組み合わせたものを選択させるようにしてもよい。すなわち、例えば、受取地点50が異なる複数の返却バッテリ26を1つの返却地点23に返却する場合には、1つの返却バッテリ26を利用する場合には目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が少なくなる場合であっても、複数の返却バッテリ26を利用することにより目的地39到着時の自車バッテリ25の残量が多くなることがある。したがって、複数の返却バッテリ26を組み合わせて報知することにより、代行返却者の選択肢を増加させることができる。
【0112】
・上記各実施形態において、装着部19には、少なくとも1つのバッテリ18が着脱可能に装着できればよい。すなわち、使用するバッテリ18を代行返却者が選択し、装着部19に装着させるようにしてもよい。また、自車バッテリ25を車両15に固定(着脱不能に装着)すると共に、バッテリ18の着脱可能な装着部19を別に備えてもよい。
【0113】
・上記各実施形態において、借り手の車両16に搭載された第2のナビゲーション装置13の第2の制御部34bは、借り手によって目的地が入力されたときに代行返却希望情報をサーバ14に出力してもよい。なお、このときの受取地点情報は、借り手が入力した目的地を示す情報であると共に、受取時間情報は車両16の目的地到着時刻に合わせて設定するようにしてもよい。
【0114】
・上記各実施形態において、サーバ14は、第1のナビゲーション装置12から取得した非返却経路情報もしくは現在地情報及び目的地情報を記憶しておき、代行返却希望情報を取得した場合に第1のナビゲーション装置12に対して代行返却希望情報を送信するか否かを判断してもよい。
【0115】
・上記各実施形態において、代行返却者が受取地点50の変更希望を送信できるようにしてもよい。すなわち、例えば、代行返却者の非返却経路52から離れた場所が受取地点50に設定されているような場合には、受取地点50を変更すれば代行返却可能である旨をサーバ14を介して借り手に通知してもよい。
【0116】
・上記各実施形態において、1つの代行返却希望情報に複数の受取地点情報が含まれていてもよい。なお、各受取地点情報には、それぞれ残量情報が対応付けられているのが好ましい。すなわち、借り手が移動可能な複数の地点をそれぞれ受取地点50として設定すると共に、受取地点50までの走行に伴って消費する電力量を考慮して残量情報を対応付ける。これにより、受取地点50を代行返却者の非返却経路52に近づけることができるため、代行返却者が自車バッテリ25を利用して走行しなければならない距離が短くなり、より代行返却の案内をされやすくすることができる。また、複数の受取地点情報が含まれる場合には、全ての受取地点50を報知してもよく、また最も目的地40到着時の自車バッテリ25の残量が多くなる1つの受取地点50のみを報知するようにしてもよい。
【0117】
・上記各実施形態において、代行返却案内システム11は、サーバ14を備えていなくてもよい。例えば、車同士間通信により、車両16から周辺に位置する車両に対して代行返却希望情報を直接送信するようにしてもよい。
【0118】
・上記各実施形態において、非返却残量53と返却残量56の比較をサーバ制御部47が行うにしてもよい。具体的には、サーバ制御部47は、非返却残量53よりも返却残量56の方が多いと判断した場合に、第1のナビゲーション装置12に対して返却バッテリ26がある旨を通知する。したがって、この場合には、サーバ14は代行返却案内装置として機能する。
【0119】
・上記各実施形態において、返却地点23は、返却バッテリ26の記憶部27に記憶されているため、返却バッテリ26を受け取った後、記憶部27から返却地点23を取得するようにしてもよい。
【0120】
・上記各実施形態において、代行返却者の車両15の装着部19に装着されていた自車バッテリ25も返却地点23に返却するようにしてもよい。例えば、自車バッテリ残量58aでは返却地点23までたどり着けないような場合であっても、返却バッテリ26を利用することにより返却地点23までたどり着くことができれば、代行返却者にとって利点がある。
【0121】
・上記各実施形態において、ナビゲーション装置12,13は、車両15,16に搭載されていなくてもよい。また代行返却希望情報をサーバ14に送信する端末と、代行返却情報を受信する端末は異なっていてもよい。例えば、ナビゲーション装置12,13を通信機能を備えた携帯電話やスマートフォンとし、入力された現在地39と目的地40に応じて代行返却案内情報を報知させてもよい。
【0122】
・上記各実施形態において、代行返却希望情報には、受取時間情報が含まれていなくてもよく、また借り手から代行返却者に対して直接返却バッテリ26の受け渡しをしなくてもよい。例えば返却バッテリ26を一時的に預かる一時預かり装置や一時預かり場所(コンビニエンスストアやガソリンスタンドなど)に預けてある返却バッテリ26を代行返却者が受け取るようにしてもよい。また、この場合には、例えば、一時預かり装置が返却バッテリ26の残量を検出し、代行返却希望情報をサーバ14に送信するようにしてもよい。
【0123】
・上記各実施形態において、ナビゲーション装置12,13は、内燃機関及びモータ21からなる2つの駆動源を備えたハイブリッド車(プラグインハイブリッド車)に搭載してもよい。
【符号の説明】
【0124】
11…代行返却案内システム、12,13…ナビゲーション装置(代行返却案内装置)、15,16…車両、18…バッテリ、19…装着部、23,23a,23b…返却地点、25…自車バッテリ(非返却バッテリ)、26…返却バッテリ、32…表示部(報知部)、34a…第1の制御部(現在地情報取得手段、目的地情報取得手段、代行返却希望情報取得手段、報知制御手段、残量取得手段、充放電制御手段)、34b…第2の制御部(代行返却希望情報送信手段)、39…現在地、40…目的地、50,50a,50b…受取地点、53…非返却残量(第1残量)、56…返却残量(第2残量)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内装置であって、
前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、
目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、
前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする代行返却案内装置。
【請求項2】
前記車両の前記装着部に装着された前記自車バッテリの残量を取得する残量取得手段をさらに備え、
前記報知制御手段は、前記現在地から前記目的地まで前記自車バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第1残量と、前記現在地から前記返却バッテリの前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第2残量とを算出し、前記第2残量が前記第1残量よりも多いと判定される場合に前記代行返却案内情報を前記報知部に報知させることを特徴とする請求項1に記載の代行返却案内装置。
【請求項3】
前記返却地点到着時に前記返却バッテリに電力が残る場合に、前記返却地点において返却をしない非返却バッテリに対して前記返却バッテリの電力を移すように、該返却バッテリと前記非返却バッテリの充放電を制御する充放電制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の代行返却案内装置。
【請求項4】
電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内方法であって、
前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得段階と、
目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得段階と、
前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得段階と、
前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御段階と
を備えることを特徴とする代行返却案内方法。
【請求項5】
電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両間において、返却地点に返却される必要がある返却バッテリを該返却バッテリの借り手とは異なる代行返却者に返却させる代行返却案内システムであって、
前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を送信する代行返却希望情報送信手段と、
該代行返却希望情報送信手段により送信された前記代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、
前記返却地点に向かう車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、
前記返却地点に向かう車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記返却地点に向かう車両が前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする代行返却案内システム。
【請求項1】
電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内装置であって、
前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、
目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、
前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする代行返却案内装置。
【請求項2】
前記車両の前記装着部に装着された前記自車バッテリの残量を取得する残量取得手段をさらに備え、
前記報知制御手段は、前記現在地から前記目的地まで前記自車バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第1残量と、前記現在地から前記返却バッテリの前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した場合における前記目的地到着時の前記自車バッテリの第2残量とを算出し、前記第2残量が前記第1残量よりも多いと判定される場合に前記代行返却案内情報を前記報知部に報知させることを特徴とする請求項1に記載の代行返却案内装置。
【請求項3】
前記返却地点到着時に前記返却バッテリに電力が残る場合に、前記返却地点において返却をしない非返却バッテリに対して前記返却バッテリの電力を移すように、該返却バッテリと前記非返却バッテリの充放電を制御する充放電制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の代行返却案内装置。
【請求項4】
電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両に対して、返却地点に返却される必要がある返却バッテリの代行返却を案内する代行返却案内方法であって、
前記車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得段階と、
目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得段階と、
前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得段階と、
前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御段階と
を備えることを特徴とする代行返却案内方法。
【請求項5】
電力が蓄電されるバッテリを着脱可能に装着する装着部を有して該装着部に装着された前記バッテリの電力によって走行可能な車両間において、返却地点に返却される必要がある返却バッテリを該返却バッテリの借り手とは異なる代行返却者に返却させる代行返却案内システムであって、
前記返却バッテリの残量情報と前記返却バッテリの受取地点を示す受取地点情報と前記返却地点を示す返却地点情報とを含む代行返却希望情報を送信する代行返却希望情報送信手段と、
該代行返却希望情報送信手段により送信された前記代行返却希望情報を取得する代行返却希望情報取得手段と、
前記返却地点に向かう車両の現在地を示す現在地情報を取得する現在地情報取得手段と、
前記返却地点に向かう車両の目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記返却地点に向かう車両が前記現在地から前記目的地まで前記装着部に装着されている自車バッテリを利用して走行する場合よりも、前記現在地から前記受取地点及び前記返却地点を経由して前記目的地まで前記自車バッテリ及び前記返却バッテリを利用して走行した方が、前記目的地到着時の前記自車バッテリの残量が多いと判定される場合に、前記返却バッテリの代行返却希望があることを示す代行返却案内情報を報知部に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする代行返却案内システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−173108(P2012−173108A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34812(P2011−34812)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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