伝送装置
【課題】
伝送損失が抑えられた伝送装置を提供する。
【解決手段】
伝送装置において、非同期網から送られてきたパケット形式のデータをSONET/SDHフレーム形式に変換して送信する送信側ラインインターフェースと、SONET/SDHフレーム形式のデータを受信してパケット形式のデータに変換する複数の受信側ラインインターフェースと、回線交換を行う回線交換部とを備え、送信側ラインインターフェースが、パケット形式のデータを、可変長フレーム形式のデータに変換する可変長フレームマッピング部と、可変長フレーム形式のデータを前記SONET/SDHフレーム形式のデータに変換する時分割多重マッピング部とを備え、受信側ラインインターフェースが、SONET/SDHフレーム形式のデータを可変長フレーム形式のデータに再変換する可変長フレームデマッピング部を備えた。
伝送損失が抑えられた伝送装置を提供する。
【解決手段】
伝送装置において、非同期網から送られてきたパケット形式のデータをSONET/SDHフレーム形式に変換して送信する送信側ラインインターフェースと、SONET/SDHフレーム形式のデータを受信してパケット形式のデータに変換する複数の受信側ラインインターフェースと、回線交換を行う回線交換部とを備え、送信側ラインインターフェースが、パケット形式のデータを、可変長フレーム形式のデータに変換する可変長フレームマッピング部と、可変長フレーム形式のデータを前記SONET/SDHフレーム形式のデータに変換する時分割多重マッピング部とを備え、受信側ラインインターフェースが、SONET/SDHフレーム形式のデータを可変長フレーム形式のデータに再変換する可変長フレームデマッピング部を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置に関し、特に、非同期網及びSONET/SDH網を収容する伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伝送網においては、ANSI(American National Standards Institute)規格であるSONET(Synchronous Optical Network:同期光網)、またはITU勧告のSDH(Synchronous Digital Digital Hierarchy:同期デジタルハイアラーキ)に規定されたSONET/SDH方式による同期網が普及している。このSONET/SDH網におけるデータの伝送では、輻輳のない固定帯域が確保される。一方、近年のインターネットの普及に伴い、電話音声データをIP(Internet Protocol)パケット化し、ルータを介して非同期伝送するIP化が進んでおり、伝送網においては、このパケットを伝送する要求が高まっている。そこで、SONET/SDH網を収容する伝送装置にルータ機能が組み込まれてきている。
【0003】
図16は、従来の伝送装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
図16に示す伝送装置900は、IPパケットを伝送するIPルータ部910と、SONETフレームのスイッチを行うSONET ADM(Add Drop Multiplexer)920とからなる。IPルータ部910は、スイッチ、すなわち経路の切替えを行うパケットスイッチシステム(Packet Switch System)911、及びパケット処理部(Packet Processing)912を備え、SONET ADM920は、スイッチシステム(Switch System)921及びラインインターフェース(Line Interface)922を備えている。この伝送装置900によれば、SONETフレーム形式のデータとパケット形式のデータの双方をスイッチすることができる。しかしながら、伝送装置900では、スイッチ機能がIPルータ部910とSONET ADM920のそれぞれに設けられており、効率化の観点からスイッチ機能の共通化が求められている。ここで、スイッチ機能を共通化するため、SONETフレーム形式のデータをパケット形式に変換してスイッチを行う方法が考えられる。しかし、パケットのスイッチでは伝送時間の揺らぎが避けられず、この揺らぎを吸収するためデータのバッファリングが必要となる。したがって、大容量の伝送装置ではバッファリングによる遅延の問題が増大するため実現が困難である。
【0005】
ここで、特許文献1には、パケット形式のデータを、SONETに規定された時分割多重フレーム形式にマッピングすることで、時分割多重形式、パケット、及びATM(Asynchronous Transfer Mode)それぞれの形式のデータを共通のスイッチ機能によってスイッチする方式が示されている。
【特許文献1】特表2004−519123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されている方式では、パケットデータを、ATMに規定されているような52バイトの固定長フレームに細分してからマッピングを行っているため、52バイトの固定長フレームごとに生じるオーバーヘッドや、固定長フレームの空白部分を埋めるデータの挿入により損失が生じ、伝送帯域が圧迫される。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、伝送損失が抑えられた伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の伝送装置は、複数の非同期網及びSONET/SDH網を収容する伝送装置であって、
それぞれが、上記非同期網から送られてきたパケット形式のデータを時分割多重フレーム形式であるSONET/SDHフレーム形式に変換して送信する複数の送信側ラインインターフェースと、
ぞれぞれが、SONET/SDHフレーム形式のデータを受信してこの受信したデータの少なくとも一部をパケット形式のデータに変換する複数の受信側ラインインターフェースと、
上記SONET/SDH網を中継するSONET/SDH網インターフェースと、
上記SONET/SDH網インターフェース、上記複数の送信側ラインインターフェース、及び上記複数の受信側ラインインターフェースとの間でSONET/SDHフレーム形式のデータを送受信し、所定の回線設定に基づいて、上記SONET/SDH網インターフェース、上記複数の送信側ラインインターフェース、及び上記複数の受信側ラインインターフェースとの間で回線交換を行う回線交換部とを備え、
上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式のデータを、所定の可変長フレーム形式のデータに変換する可変長フレームマッピング部と、
上記可変長フレームマッピング部により変換された可変長フレーム形式のデータを上記SONET/SDHフレーム形式のデータに変換する時分割多重マッピング部とを備え、
上記複数の受信側ラインインターフェースのそれぞれが、
上記SONET/SDHフレーム形式のデータを可変長フレーム形式のデータに再変換する可変長フレームデマッピング部と、
上記可変長フレーム変換部により再変換された可変長フレーム形式のデータをパケット形式のデータに変換するパケットデータ構成部とを備えたものであることを特徴とする。
【0009】
ここで、SONET/SDHフレーム形式とは、ANSI規格であるSONETまたはITU勧告のSDHに規定されたフレームの形式を意味する。本発明の伝送装置では、パケット形式のデータが可変長フレーム形式のデータに変換されてからSONET/SDHフレーム形式のデータに変換される。したがって、本発明によれば、パケット形式のデータを固定長フレームに細分する構成に比べて伝送の損失が抑えられる。
【0010】
ここで、上記本発明の伝送装置において、上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式で送られてきたデータをこのデータの種類毎にバッファリングする複数のバッファと、
上記複数のバッファからそれぞれのバッファに応じた頻度でデータを読出して上記可変長フレーム変換部に供給する読出部とを備えたものであることが好ましい。
【0011】
データが種類毎に複数のバッファにバッファリングされ、それぞれのバッファに応じた頻度で読出されることで、例えば音声データのような遅延許容度の小さい種類のデータが混在した場合に、データの種類に応じた遅延制御によりサービス品質(QoS)を維持することが可能となる。
【0012】
また、上記本発明の伝送装置は、上記複数の受信側ラインインターフェースのいずれかに障害が発生した場合に、上記複数の送信側ラインインターフェースのうち、障害が発生した受信側ラインインターフェースに送信されるデータを変換する送信側ラインインターフェースに、SONET/SDHフレーム形式へのデータの変換を停止させるとともに、この送信側ラインインターフェースに送られてきたパケット形式のデータをバッファリングさせる障害対応制御部を備えたことが好ましい。
【0013】
受信側ラインインターフェースに障害が発生した場合に送信側ラインインターフェースでのデータの変換を停止させるとともにデータをバッファリングさせることで、データの欠落を防ぎ、伝送品質の低下を抑えることができる。
【0014】
また、上記本発明の伝送装置において、上記回線交換部が、上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれにおいて複数種類のデータがSONET/SDHフレーム内に多重化されることで形成される複数の論理データパスを上記複数の受信側ラインインターフェースに分配するメッシュ接続に設定されたものであり、
上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、上記複数の論理データパスのうち、データを経由させる論理データパスを選択することで、上記複数の受信側ラインインターフェースのうち、このデータを受信する受信側ラインインターフェースを選択するものであることが好ましい。
【0015】
回線交換部において、論理データパスの配分を固定化しておき、送信側ラインインターフェースにおいてデータを経由させる論理データパスを選択することにより、回線交換部での交換設定が動的に変更されないため、データ送信の高速化が可能となる。
【0016】
また、上記本発明の伝送装置において、上記回線交換部が、SONET/SDHフレーム内に多重化された複数種類のデータのうちの少なくとも1種類のデータを複製して、この複製したデータを上記複数の受信側ラインインターフェースのうち、所定の回線設定に応じた受信側ラインインターフェースに送信するものであることが好ましい。
【0017】
回線交換部がデータを複製して送信することで、SONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャストが実現する。
【0018】
また、上記本発明の伝送装置において、上記複数の送信側ラインインターフェースのうちの少なくとも1つの送信側ラインインターフェースが、送られてきたパケット形式のデータを複製して、送られてきたパケット形式のデータとともにSONET/SDHフレーム形式に変換するものであることが好ましい。
【0019】
送信側ラインインターフェースがデータを複製して送信することで、パケットレベルでのマルチキャストが実現する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、伝送損失が抑えられた伝送装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下図面を参照して本発明の伝送装置の実施の形態を説明する。
【0022】
[伝送装置の全体構成]
図1は、本発明の伝送装置の一実施形態を示すブロック図である。この実施形態では、SONETおよびSDHのうち、SONETで代表させて説明する。
【0023】
図1に示す伝送装置1は、非同期網であるIPパケット網及びSONET網を収容する伝送装置であり、送信側パケットラインカード(Packet Line Card)10(10a,10b,10c)と、受信側パケットラインカード(Packet Line Card)20(20a,20b,20c)と、送信側SONETラインカード(Line Card)30と、受信側SONETラインカード(Line Card)40と、回線交換を行うメインタイムスロットインターチェンジ50(Main Time Slot Interchange:以降、メインTSI部50と略記する。)と、メインパケット制御部(Main Packet制御部)60とを備えている。メインTSI部50は、非同期網及びSONET網に対して共用となっている。なお、図1において実線の矢印はデータの流れを示し、破線の矢印は制御を示している。
【0024】
送信側パケットラインカード10a,10b,10cは、IPパケット網を構成する、図示しない複数のIPルータやコンピュータ端末にイーサネット(登録商標。以下同様。)接続され、このIPルータ等から送られてくるIP(Internet Protocol)パケット形式のデータをSONETフレーム形式のデータに変換してメインTSI部50に送信する。送信側パケットラインカード10a,10b,10cのそれぞれは、IPパケット形式のデータをSONET/SDHフレーム形式の基本的な伝送形式であるSTS―1基本フレーム形式のデータに変換するパケットマッピング部11と、複数種類の基本フレーム形式のデータをSONETのSTS−192といった多重化フレーム形式に時分割多重して多重化データを生成するローカルTSI部12とを備えている。
【0025】
受信側パケットラインカード20a,20b,20cは、メインTSI部50から送られてくるSONET/SDHの多重化フレーム形式に多重化されたデータから基本フレーム形式のデータを分離するローカルTSI部21と、分離されたデータをIPパケット形式のデータに変換し、イーサネットを介してIPルータ等に出力するパケットデマッピング部22とを備えており、SONET/SDHフレーム形式のデータをパケット形式のデータに変換し、外部接続されたIPルータ等に送信する。
【0026】
送信側SONETラインカード30及び受信側SONETラインカード40は、メインTSI部50とSONET/SDH網を中継するものであり、送信側SONETラインカード30は、SONETのOC−192(Optical Carrierlevel―192)やOC−48等に規定される光信号を受信して光信号−電気信号間で信号変換を行い、フレーム境界を検出してオーバーヘッドの処理を行うとともにペイロードデータを取り出すSONETフレーマ31と、取り出されたデータを所定のタイムスロットに時分割多重して多重化データを生成してメインTSI部50に送信するローカルTSI部32とを備えている。一方、受信側SONETラインカード40は、メインTSI部50から受信した多重化データの分離を行うローカルTSI部41と、分離されたデータにオーバーヘッドを付与して再びOC−48等のフレーム形式を有する光信号に変換するSONETフレーマ42とを備えている。送信側SONETラインカード30及び受信側SONETラインカード40は、メインTSI部50とともに公知のSONET伝送装置として機能する。
【0027】
メインTSI部50は、送信側パケットラインカード10a〜10c、受信側パケットラインカード20a〜20c、送信側SONETラインカード30、及び受信側SONETラインカード40に接続され、送信側パケットラインカード10a,10b,10c及び送信側SONETラインカード30からSONET/SDHの多重化フレーム形式のデータを受信して、多重化されたデータのスイッチを行い、受信側パケットラインカード20a,20b,20c及び受信側SONETラインカード40のうちの特定のカードに送信する。メインTSI部50のスイッチにより、送信側パケットラインカード10a,10b,10c、受信側パケットラインカード20a,20b,20c、送信側SONETラインカード30、及び受信側SONETラインカード40の間で回線交換が行われる。回線交換はメインパケット制御部60による回線設定に基づいて行われる。メインTSI部50は、接続された全てのカード(10a〜10c,20a〜20c,30,40)のデータを同時に処理することができるよう設計されており、伝送装置1の例では、メインTSI部50に接続された全てのカードが、それぞれ最大20Gbpsの伝送帯域を使用できるよう、160Gbpsのスイッチ容量を有している。
【0028】
ここで、送信側パケットラインカード10が、本発明にいう送信側ラインインターフェースの一例に相当し、受信側パケットラインカード20が、本発明にいう受信側ラインインターフェースの一例に相当する。また、メインTSI部50が本発明にいう回線交換部の一例に相当し、送信側SONETラインカード30及び受信側SONETラインカード40がSONET/SDH網インターフェースの一例に相当する。
【0029】
[送信側パケットラインカード]
図2は、図1に示す送信側パケットラインカード及び受信側ラインカードの構成を示すブロック図である。図2には、送信側パケットラインカード10a,10b,10cのうちの1つと、受信側ラインカード20a,20b,20cのうちの1つが、それぞれ10と20の符号を付して示されている。
【0030】
図2に示す送信側パケットラインカード10のパケットマッピング部11には、複数のイーサネットIF111と、パケット処理部(Packet Proccessing)112と、複数のバッファ114と、読出部115と、GFPフレーミング部116と、SONETマッパ/フレーマ(SONET Mapper/Framer)117とが備えられている。また、送信側パケットラインカード10には、パケットマッピング部11内の各部、ローカルTSI部12、及びメインパケット制御部60(図1参照)からパケットの情報を得、この情報に応じて、読出部115、SONETマッパ/フレーマ117、及びローカルTSI部12を制御するローカルパケット制御部13も備えられている。ここで、GFPフレーミング部116が、本発明にいう可変長フレームマッピング部の一例に相当し、SONETマッパ/フレーマ117及びローカルTSI部12が、本発明にいう時分割多重マッピング部の一例に相当する。
【0031】
イーサネットIF111は、伝送装置1の外部からイーサネットを介して送られてくるデータに対しイーサネット物理レイヤ及びMAC(Media Access Control)レイヤの終端処理を行い、イーサネットフレームからペイロードであるIPパケット形式のデータを取り出す。1つの送信側パケットラインカード10には複数のイーサネットIF111が設けられており、それぞれが1つのポートとして機能する。
【0032】
パケット処理部112は、イーサネットIF111から受信したデータ量が、あらかじめ定められた上限値を超えていないか否かを監視する。また、パケット処理部112は、イーサネットIF111によって取り出されたIPパケットのヘッダ情報を読出し、ヘッダ情報から、VLAN、L2、IPv4、IPv6、MPLSといったIPパケットの種類を判別するとともに、ルーティングテーブルを参照してパケットの送り先を決定する。具体的には、いずれか特定の受信側パケットラインカード20を表す宛先カード情報、宛先カードの中の特定の受信側イーサネットIF224を表す宛先ポート情報が決定される。また、パケット処理部112は、ヘッダ情報から、データの種類の1つとして優先度を判別する。例えば、伝送装置1が提供するサービス品質(QoS:Quality of Service)における優先度を4段階に区分し、送られてきたIPパケットが、いずれの優先度に属するかを判別する。例えば、VoIP(Voice over IP)による音声データは最優先に区分されている。パケット形式のデータは、優先度の区分に応じて複数設けられたFIFOからなるバッファ114にバッファリングされる。なお、複数のバッファ114の1つは、障害発生時に、外部から送られてきたデータを一時的にバファリングするための仮想出力キューとして機能する。
【0033】
読出部115は、複数のバッファ114から所定の順でデータを読み出す。読出部115は、高い優先度に対応付けられたバッファ114のデータほど、より高い頻度で読み出されるように、重み付けラウンドロビン(Weighted Round Robin:WRR)法によるスケジュールで各バッファ114の巡回及びデータの読み出しを行う。これにより優先度の高いデータの伝達揺らぎや遅延が抑えられれる。読み出されたパケット形式のデータは、GFPフレーミング部116に供給される。
【0034】
GFPフレーミング部116は、読出部115で読み出されたパケット形式のデータを可変長フレーム形式のデータに変換する。可変長フレーム形式としては、ITU勧告G.7041に規定されているGFP(General Framing Procedure)フレームが採用されている。GFPは、IPパケット形式のデータの他にも、イーサネット、ファイバーチャネル(FC)、RPR(IEEE802.17)、ESCON、及びFICONに規定される各種形式のデータにも対応している。
【0035】
[GFPフレーム構造]
図3は、GFPフレーム構造を説明する図である。
【0036】
1つのGFPフレーム70は、コアヘッダ(Core Header)71とペイロード(Payload)72からなる。コアヘッダ71は、ペイロードの長さを表すペイロードレングス(Payload Length)711及びエラー検出のためのコアヘッダエラーコントロールフィールド(core Header Error Control:cHEC)712とからなる。一方、ペイロード72は、ペイロードヘッダ(Payload Header)722、ペイロード本体(Payload)723、及びエラー検出のためのフレームチェックシーケンス(FCS)724からなり、このうちペイロードヘッダ722は、ペイロードタイプ(Payload Type)725、エラー検出のためのタイプヘッダエラーコントロールフィールド(tHEC)726、及びオプションの拡張ヘッダ(optional extension header)727からなる。さらにペイロードタイプ725は、ペイロードタイプ識別子(PTI)731、ペイロードFCSインジケータ(PFI)732、拡張ヘッダ識別子(EXI)733、及びユーザペイロード識別子(UPI)からなり、一方、拡張ヘッダ727は、チャネル識別子(CID)735、予備データ736、及び拡張ヘッダエラーコントロールフィールド(eHEC)737からなる。
【0037】
GFPフレーミング部116(図2参照)は、パケット形式のデータをGFPフレームにマッピングする。具体的には、ペイロード723に1パケットのデータを配置し、ペイロード長711をパケットの長さとし、図3に示す必要な識別子を挿入する。GFPフレーム70は可変長フレームであるため、パケット形式のデータは細分されない。
【0038】
ここで図2に戻って説明を続けると、SONETマッパ/フレーマ117が、GFPフレームにマッピングされたデータを、SONETフレームにマッピングする。
【0039】
図4は、SONETのSTS−1フレーム構造を説明する図である。
【0040】
図4には、SONET/SDHフレーム形式の一例として、SONETに規定される基本伝送フレームである同期転送信号レベル1(STS―1)フレームの構造が示されている。STS―1フレーム75は、90バイト×9行=810バイト構成であり、セクションオーバーヘッド(SOH)76、ラインオーバーヘッド(LOH)77、及び同期ペイロードエンベロープ(STS―1SPE)76からなる。STS―1SPE76はさらに、パスオーバーヘッド(POH)77とペイロード(Payload)78とからなる。STS―1フレーム75は、SONETにおける基本の伝送単位であり、125μS周期で伝送されると51.1Mbpsの伝送速度に相当する。SONETマッパ/フレーマ117(図2参照)は、GFPフレーム形式のデータをペイロード78にマッピングする。なお、SONETマッパ/フレーマ117がデータをペイロード78にマッピングする際には、ペイロード78に対して伝送の宛先情報を付与する必要はない。
【0041】
図2に示すローカルTSI部12は、マッピングが行われた複数の基本フレームを時分割多重することで、SONETの多重化フレームを生成する。例えば、STS―1(図4参照)の192倍の伝送レートを実現するSTS―192は、192個のSTS―1フレームがバイト単位でインターリーブされ、192倍の速度で伝送されるものである。このとき9.953Gbpsの伝送速度となり、192チャンネル分のSTS―1フレームが転送されることを意味する。ローカルTSI部12は、STS―192のうちデータの送信先に応じたタイムスロットに、パケットデータがマッピングされた基本フレームのデータを配置して、メインTSI部50に送信する。基本フレームが配置されるタイムスロットは、ローカルパケット制御部13によって制御される。
【0042】
なお、SONETには、上述した多重化とは逆に、基本の伝送単位であるSTS−1のペイロードをさらに細分することで、51.1Mbpsよりも小さいの伝送容量の信号も効率よく伝送する、仮想トリビュータリ(Virtual Tributaly:VT)の手法も規定されているが、ここでの詳細な説明は省略する。また、SDHにおいては、SONETと略同様の構造を有するフレーム形式が採用されるが、SDHの基本伝送単位であるSTM−1は、SONETのSTS−3に相当する。
【0043】
ここで、SONETマッパ/フレーマ117及びローカルTSI部12では、設定に応じて3つのモードでデータのマッピングおよび多重化を行っている。
【0044】
図5は、基本モードにおけるデータ伝送のイメージを示す図である。
【0045】
図5には、STS−192に相当する、SONETのOC―192(Optical Carrierlevel―192)におけるデータ伝送のイメージが示されている。この基本モードにおけるデータ伝送では、OC―192によって、STS―1#1からSTS―1#192までの192チャネル分のSTS―1信号が多重化されて伝送される。図5において各チャネルの信号は1つのポートから1つのポートまで伝送される。各チャネルを表すパイプを論理データパスと称する。
【0046】
SONETマッパ/フレーマ117は、基本モードの他に連続コンカチネーションモードに対応している。連続コンカチネーションモードでは、例えば、多重後の連続する3バイトに対してデータをマッピングしたSTS−3Cで、STS―1の3倍の伝送速度でパケットデータを送信する。
【0047】
図6は、連続コンカチネーションモードにおけるデータ伝送の一例のイメージを示す図である。
【0048】
図6に示す連続コンカチネーションモードにおいては、OC―192の伝送速度において、STS―1#1からSTS―1#138までの138チャネル分のSTS―1に加え、連続コンカチネーションによる155.52MbpsのSTS3C#1、及びSTS3C#2信号と、2488.32MbpsのSTS48Cの信号が多重化されて伝送される。
【0049】
さらに、SONETマッパ/フレーマ117は、ITU勧告のバーチャルコンカチネーション(Virtual Concatenation:VC)に対応したバーチャルコンカチネーションモードも有している。バーチャルコンカチネーションモードでは、複数の独立したSTS―1が仮想的に束ねられて一つの論理データパスが構成される。
【0050】
図7は、バーチャルコンカチネーションモードにおけるデータ伝送例のイメージを示す図である。
【0051】
図7に示す連続コンカチネーションモードにおいては、OC―192の伝送速度において、STS―1#1からSTS―1#185までの185チャネル分のSTS―1とは別に、7チャネル分のSTS―1信号を仮想的に束ねたSTS1―7vの信号が多重化されて伝送される。STS1―7vによって、357Mbpsの伝送速度が実現する。また、図示しないが、例えば、仮想的なSTS1―21v(1088Mbps)の論理データパスを構成することで、ギガビットイーサネットを介して送られてきたデータを効率よく伝送することも可能となる。
【0052】
[受信側パケットラインカード]
図2に戻って、受信側パケットラインカード20について説明する。受信側パケットラインカード20は、メインTSI部50からSONET/SDHの多重化フレーム形式のデータを受信してデータの多重分離を行うローカルTSI21と、パケットデマッピング部22とからなる。パケットデマッピング部22は、多重分離されたSONET/SDH基本フレーム形式のデータからペイロードとしてのGFPフレームを抽出するSONETデマッパ221と、SONETデマッパ221から抽出されたGFPフレームから、IPパケットを抽出するGFPデフレーマ222と、抽出されたIPパケットの送信速度を調整する受信側パケット処理部(Packet Processing)223と、IPパケットに対しイーサネットMACレイヤおよび物理レイヤの処理を行い、イーサネットを介して外部接続されたルータ等に送信する複数の受信側イーサネットIF(Ethernet IF)224とを備えている。また、受信側パケットラインカード20には、メインパケット制御部60(図1参照)から情報を得、得られた情報に応じて、ローカルTSI部21及びパケットデマッピング部22内の各部を制御する受信側ローカルパケット制御部23が備えられている。ここで受信側パケットラインカード20は、固定帯域を伝送されてきたデータをパケット形式で非同期網に送信するため、送信側パケットラインカード10とは異なり、IPパケット形式のデータをパケット毎にバッファリングするバッファが不要である。 したがって、受信側パケット処理部223には、送信速度を調整するための小容量のバッファのみが設けられている。ここで、ローカルTSI部21及びSONETデマッパ221が、本発明にいう可変長フレームデマッピング部の一例に相当し、GFPデフレーマ222が、本発明にいうパケットデータ構成部の一例に相当する。
【0053】
[メインTSI部]
ここで図1に戻って、メインTSI部50について説明する。メインTSI部50は、送信側パケットラインカード10、及び送信側SONETラインカード30から出力された、SONET/SDHの多重フレーム形式の多重化データを受信して、回線設定に基づいてデータが送信される経路をスイッチし、受信側パケットラインカード20、及び受信側SONETラインカード40のそれぞれに分配して送信する。この回線設定に基づいた経路のスイッチによって、送信側パケットラインカード10、送信側SONETラインカード30、受信側パケットラインカード20、及び受信側SONETラインカード40の間で回線交換が行われる。
【0054】
このように、伝送装置1としての回線交換は、送信側パケットラインカード10のローカルTSI部12が、STS1フレーム形式のデータを所定のタイムスロットに多重化する段階と、メインTSI部50がタイムスロット毎の振り分けを行う段階と、受信側パケットラインカード20のローカルTSI部21が、所定のタイムスロットからのデータを特定のパケットとして分離する段階とによって実現されている。ここで、メインパケット制御部60、ローカルパケット制御部13、及び受信側ローカルパケット制御部23は、相互に通信して、送信側パケットラインカード10のあるポートに送信されてきたIPパケットが、目的の受信側パケットラインカード20のポートに出力されるよう回線設定を行う。
【0055】
続いて、メインパケット制御部60、ローカルパケット制御部13、及び受信側ローカルパケット制御部23による制御フローを説明する。
【0056】
図8は、通常スイッチの制御フローを示すチャートである。
【0057】
図8には、メインパケット制御部60(Main Packet Management。以降、MPM60と略記する。)、送信側パケットラインカード10のローカルパケット制御部13(Sending Local Packet Management。以降、SLPM13と略記する。)、及び受信側パケットラインカード20の受信側ローカルパケット制御部23(Receiving Local Packet Management。以降、RLPM23と略記する。)による制御の手順概要が時間の経過とともにステップ1からステップ6まで示されている。送信側パケットラインカード10aから受信側パケットラインカード20aにデータを送る通常スイッチの場合、まず、ステップ1で、SLPM13が、イーサネットを介して送られてきたIPパケットのパケット情報をパケット処理部112(図2参照)から受信し、送信要求としてMPM60に送信する。このパケット情報には、パケット容量、パケットの優先順位、そして、パケット処理部112がルーティングテーブルを参照して決定した受信側パケットラインカード20を表す宛先カード情報、及び宛先カードの中の特定の受信側イーサネットIF224を表す宛先ポート情報が含まれている。なお、送信側パケットラインカード10a以外の送信側パケットラインカード10b,10cからも、パケット情報がMPM60に送信されてくる。
【0058】
次に、ステップ2で、MPM60は、送信側パケットラインカード10から受信したパケット情報を合わせてTSIスイッチプラン(TSI Switching Plan)を作成する。TSIスイッチプランには、各パケットがマッピングされるSTSフレームの番号、連続コンカチネーションまたはバーチャルコンカチネーションの情報、多重されるタイミングであるスイッチタイミング(Switching timing)といったスイッチ(Switching)情報が含まれている。MPM60は、作成したTSIスイッチ情報を、SLPM13に送信する。また、次のステップ3で、MPM60は、作成したTSIスイッチ情報を、RLPM23にも送信する。RLPM23には宛先ポート情報も併せて送信される。
【0059】
SLPM13は次のステップ4で、MPM60からスイッチ情報を受信するとAck信号をMPM60に返信する。また、RLPM23も、MPM60からスイッチ情報を受信するとAck信号をMPM60に返信する。
【0060】
MPM60は、SLPM13及びRLPM23からAck信号を受信すると、TSIスイッチプランに基づいてメインTSI部50の設定を行う。また、SLPM13は、GFPフレーム形式に変換されたデータを、受信したTSIスイッチ情報に基づいて多重化するようローカルTSI部12を設定する。一方、RLPM23は、多重化されたデータを、受信したTSIスイッチ情報に基づいて分離してIPパケット形式に変換し、特定されたポートに該当する受信側イーサネットIF224から出力するようにローカルTSI部21を設定する(ステップ5)。
【0061】
次のステップ6で、送信側パケットラインカード10が、多重化データをメインTSI部50に送信し、メインTSI部50が多重化されたデータをタイムスロットに応じて各受信側パケットラインカード20に分配することで交換を行い、そして、受信側パケットラインカード20がメインTSI部50から送信されてきた多重化データを分離し、IPパケット形式のデータに変換して所定の受信側イーサネットIF224から出力する。
【0062】
続いて、通常スイッチにおいて障害が発生したときの制御フローを説明する。
【0063】
図9は、通常スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【0064】
図9には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ21からステップ24まで示されている。ステップ21において、例えば、受信側パケットラインカード20aのRLPM23が、受信側パケットラインカード20aに障害を検知すると、MPM60に障害情報を送信する。
【0065】
次のステップ22で、MPM60は、障害情報を受信すると、TSIスイッチプランに基づいて、受信側パケットラインカード20aに送信されることとなるデータをメインTSI部50に送信している送信側パケットラインカード10のSLPM13にウェイト信号を送信する。また、MPM60は、RLPM23にAck信号を送信する。
【0066】
ステップ23で、SLPM13は、ウェイト信号を受信すると、障害が発生した受信側パケットラインカード20aに向けて送信されるデータの送信を停止させ、MPM60にAck信号を返信する。このとき、送信されないデータは、IPパケットの形式の状態で、複数のバッファ114のうちの1つである仮想出力キューにバッファリングされる。障害回復後、仮想出力キューにバッファリングされたデータは、メインTSI部50に送信されて、目的の受信側パケットラインカード20aに到達するので、データの欠落が防止される。ここで、障害が発生したときの制御フローを実行するSLPM13、RLPM23、及びMPM60が、本発明にいう障害対応制御部の一例に相当する。
【0067】
続いて、高速スイッチモードにおける制御フローを説明する。
【0068】
図10は、高速スイッチの制御フローを示すチャートである。
【0069】
図10には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ31からステップ35まで示されている。高速スイッチモードでは、SLPM13、MPM60、及びRLPM23のそれぞれが、小容量の伝送路を各送信側パケットラインカード10及び各受信側パケットラインカード20の間でメッシュ接続する設定を、ローカルTSI部12、メインTSI部50、及びローカルTSI部21に対し行う(ステップ31)。
【0070】
図11は、高速スイッチモードにおけるメッシュ接続を説明する図である。
【0071】
メッシュ接続は、複数の論理データパスがメッシュ状に配置された接続である。例えば、図11に示す送信側パケットラインカード10bにおいて、複数種類のIPパケット形式のデータがSONET/SDHフレーム内に多重化されることで、複数の論理データパスSTS―1#1、STS―1#2、STS―1#3、・・・が形成される。メッシュ接続では、全ての受信側パケットラインカード20が、1つの送信側パケットラインカード10を起点とする論理データパスのいずれかに必ず対応する。例えば、送信側パケットラインカード10bの論理データパスSTS―1#1は、受信側パケットラインカード20aに接続され、論理データパスSTS―1#2は、受信側パケットラインカード20bに接続され、論理データパスSTS―1#3は、受信側パケットラインカード20cに接続されている。高速スイッチでは、MPM60がメッシュ接続の設定に固定されているため、送信側パケットラインカード10は、データを経由させる複数の論理データパスSTS−1のうちのいずれかを選択することで、このデータを受信する受信側パケットラインカード20を選択することができる。
【0072】
図10に戻って説明を続けると、SLPM13は、ステップ32で、送信するパケットのパケット情報をRLPM23に送信する。このパケット情報には、パケットの容量、宛先ポート情報が含まれている。パケット情報の伝送は、制御部同士の会話専用パケットを用いて行われる。具体的には、SLPM13がSONETマッパ/フレーマ117に上述したパケット情報を有するパケットを特定の論理データパスを指定して送信すると(図2のSLPM13とSONETマッパ/フレーマ117との間の実線で示す経路)、このパケット情報が、ローカルTSI部12、メインTSI部50を経由して送信され、さらに、特定の受信側パケットラインカード20のローカルTSI部21、SONETデマッパ221を経由してRLPM23に送信される。RLPM23は、次のステップ33で、Ack信号をSLPM13に返信する。
【0073】
次のステップ34で、SLPM13は、ローカルTSI部12を設定する。この設定により、ローカルTSI部12は、例えば、GFPフレーム形式に変換されたデータを、受信側パケットラインカード20cに対応する論理データパスSTS―1#3を経由するよう、STS―1#3フレームとして多重化する。一方、RLPM23は、ローカルTSI部21を設定する。この設定により、ローカルTSI部21は、論理データパスSTS―1#3を経由して送られてきたデータを、ステップ32で受信した宛先ポート情報に応じた受信側イーサネットIF224から出力するよう、分離することとなる。
【0074】
次のステップ35で、ローカルTSI部12から出力されたデータは、論理データパスSTS―1#3を経由して、受信側パケットラインカード20cに送信され、宛先ポート情報に応じた受信側イーサネットIF224から出力される。
【0075】
高速スイッチモードでは、メインTSI部50における論理データパスの分配を固定化しておき、ローカルTSI部12において、データを経由させる論理データパスを選択する。したがって、メインTSI部50において、交換設定が動的に変更されないため、データ送信の高速化が可能となる。
【0076】
図12は、高速スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【0077】
図12には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ41およびステップ42に示されている。例えば、受信側パケットラインカード20aのRLPM23が、障害を検知してSLPM13に障害情報を送信すると(ステップ41)、SLPM13は、Ack信号を返信するとともに、障害が発生した受信側パケットラインカード20aに向けて送信されるデータの送信を停止させ、データを仮想出力キューにバッファリングさせる(ステップ42)。
【0078】
続いて、マルチキャストスイッチモードにおける制御フローを説明する。
【0079】
図13は、マルチキャストスイッチの制御フローを示すチャートである。
【0080】
図13には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ51からステップ56まで示されている。マルチキャストスイッチモードでは、データの宛先を表す情報が複数の宛先に対して設定されている。
【0081】
図14は、マルチキャストにおける接続を説明する図である。
【0082】
図14には、SONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャスト(SONETマルチキャスト)の例が示されている。このマルチキャストでは、特定の論理データパスを経由する1種類のデータが、メインTSI部50で複製され、上記の論理データパスとは別の論理データパスも経由して複数箇所に送信される。図14に示す例では、メインTSI部50が、送信側パケットラインカード10bの論理データパスSTS―1#1を経由して送信されてきたデータを受信側パケットラインカード20aに送信するとともに、このデータを複製して、論理データパスSTS―1#2と論理データパスSTS―1#3とを経由して受信側パケットラインカード20b、及び受信側パケットラインカード20cにも送信している。このようにして、SONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャストが実現する。
【0083】
図13に戻って説明を続けると、まず、ステップ51で、SLPM13が、イーサネットを介して送られてきたIPパケットのパケット情報をMPM60に送信する。このパケット情報には、複数の受信側パケットラインカード20を表す宛先カード情報、又は宛先ポート情報が複数含まれている点を除き、図8の通常スイッチにおけるパケット情報と同様である。
【0084】
次に、ステップ52で、MPM60は、TSIスイッチプランを作成する。TSIスイッチプランには、各パケットがマッピングされるSTSフレームの番号、連続コンカチネーションまたはバーチャルコンカチネーションの情報、多重されるタイミングであるスイッチタイミング(Switching timing)といったスイッチ(Switching)情報が含まれている。
【0085】
MPM60は、TSIスイッチ情報を、SLPM13に送信する。次のステップ53で、MPM60は、作成したTSIスイッチ情報を、マルチキャストが行われる複数の受信側パケットラインカード20にある複数のRLPM23に送信する。
【0086】
SLPM13は、MPM60からスイッチ情報を受信した後、次のステップ54で、Ack信号をMPM60に返信する。また、スイッチ情報を受信した複数のRLPM23からも、Ack信号がMPM60に返信される(ステップ54)。
【0087】
MPM60は、SLPM13及びRLPM23からAck信号を受信すると、TSIスイッチプランに基づいてメインTSI部50の設定を行う(ステップ55)。ここで、MPM60は、メインTSI部50を、マルチキャストの対象となるデータを1:mに複製して配信する設定にする。図14に示す例の場合には、送信側パケットラインカード10bから送信されてくる多重化された複数のSONETフレームのうちSTS−1#1のフレームを1:3で複製して、STS−1#2及びSTS−1#3として、受信側パケットラインカード20b,20cにも送信する設定がなされる。なお、ステップ53においてスイッチ情報を送信した複数のRLPM23のうち、ある一定の時間内にAck信号を返信しないRLPM23は故障しているとして、データの複製及び送信については無視し、後の警告の対象として記録される。
【0088】
次のステップ56で、送信側パケットラインカード10が、複数の論理データパスを形成する多重化データをメインTSI部50に送信し、メインTSI部50が1つの論理データパスを経由するデータを複製して受信側パケットラインカード20に分配する。
【0089】
図15は、マルチキャストスイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【0090】
図15には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ61からステップ63まで示されている。例えば、受信側パケットラインカード20aのRLPM23が障害を検知すると、MPM60に障害情報を送信する(ステップ61)。MPM60は、障害情報を受信すると、受信側パケットラインカード20aが故障しているとして、データの複製及び送信については受信側パケットラインカード20aを無視し、後の警告の対象として記録する。この場合でもマルチキャストによってデータを送信している他の受信側パケットラインカード20b,20cについては、データの送信が継続される。
【0091】
図14及び図13では、メインTSI部50によるSONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャスト(SONETマルチキャスト)について説明したが、続いて、IPパケットの複製によって実現するパケットレベルマルチキャストについて説明する。
【0092】
パケットレベルマルチキャストにおいては、メインTSI部50及び受信側パケットラインカード20の動作は、通常スイッチの場合と同様であり、制御フローも図8を参照して説明した通常スイッチと同様である。図2を参照して説明すると、パケットレベルマルチキャストでは、送信側パケットラインカード10において、読出部115が、複数のバッファ114のうちの1つのバッファ114から読み出したIPパケット形式のデータを複製して複数のIPパケットとして処理する。このようにして、IPパケット毎のマルチキャスト処理が行われる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態の伝送装置1では、GFPフレーミング部116によって、パケット形式のデータが可変長フレーム形式のデータに変換されてから、SONETマッパ/フレーマ117によって、SONET/SDHの基本フレーム形式のデータに変換される。したがって、ケット形式のデータを固定長フレームに細分する構成に比べて伝送の損失が抑えられる。
【0094】
なお、本実施形態においては、SONET/SDHのうち、主としてSONETに規定されるフレーム形式について説明したが、本発明の伝送装置はこれに限られるものではなく、SONETと類似したフレーム構成を有するSDHにも適用される。
【0095】
また、本実施形態の伝送装置が扱うパケット形式として、IPパケットについて説明したが、本発明の伝送装置はこれに限られるものではなく、例えば、パケット形式として、イーサネットフレームをパケットとして扱うものであってもよい。
【0096】
また、本実施形態では、非同期網に接続されるインターフェースとして、複数の送信側パケットラインカード10、受信側パケットラインカード20の例で説明したが、本発明のラインインターフェースは、それぞれがカード化されているものに限らず、共通のカード上に形成されたものであってもよく、またこの逆に、それぞれがさらに複数のカードに分割された構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の伝送装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す送信側パケットラインカード及び受信側ラインカードの構成を示すブロック図である。
【図3】GFPフレーム構造を説明する図である。
【図4】SONETのSTS−1フレーム構造を説明する図である。
【図5】基本モードにおけるデータ伝送のイメージを示す図である。
【図6】連続コンカチネーションモードにおけるデータ伝送の一例のイメージを示す図である。
【図7】バーチャルコンカチネーションモードにおけるデータ伝送例のイメージを示す図である。
【図8】通常スイッチの制御フローを示すチャートである。
【図9】通常スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【図10】高速スイッチの制御フローを示すチャートである。
【図11】高速スイッチにおけるメッシュ接続を説明する図である。
【図12】高速スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【図13】マルチキャストスイッチの制御フローを示すチャートである。
【図14】マルチキャストにおける接続を説明する図である。
【図15】マルチキャストスイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【図16】従来の伝送装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
1 伝送装置
10(10a,10b,10c) 送信側パケットラインカード(送信側ラインインターフェース)
11 パケットマッピング部
12 ローカルTSI部
13 ローカルパケット制御部(SLPM)
20(20a,20b,20c) 受信側パケットラインカード(受信側ラインインターフェース)
21 ローカルTSI部
22 パケットデマッピング部
23 受信側ローカルパケット制御部(RLPM)
30,40 SONETラインカード(SONET/SDH網インターフェース)
50 メインTSI部(回線交換部)
60 メインパケット制御部(MPM)
114 バッファ
115 読出部
116 GFPフレーミング部(可変長フレームマッピング部)
117 SONETマッパ/フレーマ(ローカルTSI部12と合わせて時分割多重マッピング部)
221 SONETデマッパ(ローカルTSI部21と合わせてパケットデータ構成部)
222 GFPデフレーマ(可変長フレームデマッピング部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置に関し、特に、非同期網及びSONET/SDH網を収容する伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伝送網においては、ANSI(American National Standards Institute)規格であるSONET(Synchronous Optical Network:同期光網)、またはITU勧告のSDH(Synchronous Digital Digital Hierarchy:同期デジタルハイアラーキ)に規定されたSONET/SDH方式による同期網が普及している。このSONET/SDH網におけるデータの伝送では、輻輳のない固定帯域が確保される。一方、近年のインターネットの普及に伴い、電話音声データをIP(Internet Protocol)パケット化し、ルータを介して非同期伝送するIP化が進んでおり、伝送網においては、このパケットを伝送する要求が高まっている。そこで、SONET/SDH網を収容する伝送装置にルータ機能が組み込まれてきている。
【0003】
図16は、従来の伝送装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
図16に示す伝送装置900は、IPパケットを伝送するIPルータ部910と、SONETフレームのスイッチを行うSONET ADM(Add Drop Multiplexer)920とからなる。IPルータ部910は、スイッチ、すなわち経路の切替えを行うパケットスイッチシステム(Packet Switch System)911、及びパケット処理部(Packet Processing)912を備え、SONET ADM920は、スイッチシステム(Switch System)921及びラインインターフェース(Line Interface)922を備えている。この伝送装置900によれば、SONETフレーム形式のデータとパケット形式のデータの双方をスイッチすることができる。しかしながら、伝送装置900では、スイッチ機能がIPルータ部910とSONET ADM920のそれぞれに設けられており、効率化の観点からスイッチ機能の共通化が求められている。ここで、スイッチ機能を共通化するため、SONETフレーム形式のデータをパケット形式に変換してスイッチを行う方法が考えられる。しかし、パケットのスイッチでは伝送時間の揺らぎが避けられず、この揺らぎを吸収するためデータのバッファリングが必要となる。したがって、大容量の伝送装置ではバッファリングによる遅延の問題が増大するため実現が困難である。
【0005】
ここで、特許文献1には、パケット形式のデータを、SONETに規定された時分割多重フレーム形式にマッピングすることで、時分割多重形式、パケット、及びATM(Asynchronous Transfer Mode)それぞれの形式のデータを共通のスイッチ機能によってスイッチする方式が示されている。
【特許文献1】特表2004−519123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されている方式では、パケットデータを、ATMに規定されているような52バイトの固定長フレームに細分してからマッピングを行っているため、52バイトの固定長フレームごとに生じるオーバーヘッドや、固定長フレームの空白部分を埋めるデータの挿入により損失が生じ、伝送帯域が圧迫される。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、伝送損失が抑えられた伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の伝送装置は、複数の非同期網及びSONET/SDH網を収容する伝送装置であって、
それぞれが、上記非同期網から送られてきたパケット形式のデータを時分割多重フレーム形式であるSONET/SDHフレーム形式に変換して送信する複数の送信側ラインインターフェースと、
ぞれぞれが、SONET/SDHフレーム形式のデータを受信してこの受信したデータの少なくとも一部をパケット形式のデータに変換する複数の受信側ラインインターフェースと、
上記SONET/SDH網を中継するSONET/SDH網インターフェースと、
上記SONET/SDH網インターフェース、上記複数の送信側ラインインターフェース、及び上記複数の受信側ラインインターフェースとの間でSONET/SDHフレーム形式のデータを送受信し、所定の回線設定に基づいて、上記SONET/SDH網インターフェース、上記複数の送信側ラインインターフェース、及び上記複数の受信側ラインインターフェースとの間で回線交換を行う回線交換部とを備え、
上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式のデータを、所定の可変長フレーム形式のデータに変換する可変長フレームマッピング部と、
上記可変長フレームマッピング部により変換された可変長フレーム形式のデータを上記SONET/SDHフレーム形式のデータに変換する時分割多重マッピング部とを備え、
上記複数の受信側ラインインターフェースのそれぞれが、
上記SONET/SDHフレーム形式のデータを可変長フレーム形式のデータに再変換する可変長フレームデマッピング部と、
上記可変長フレーム変換部により再変換された可変長フレーム形式のデータをパケット形式のデータに変換するパケットデータ構成部とを備えたものであることを特徴とする。
【0009】
ここで、SONET/SDHフレーム形式とは、ANSI規格であるSONETまたはITU勧告のSDHに規定されたフレームの形式を意味する。本発明の伝送装置では、パケット形式のデータが可変長フレーム形式のデータに変換されてからSONET/SDHフレーム形式のデータに変換される。したがって、本発明によれば、パケット形式のデータを固定長フレームに細分する構成に比べて伝送の損失が抑えられる。
【0010】
ここで、上記本発明の伝送装置において、上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式で送られてきたデータをこのデータの種類毎にバッファリングする複数のバッファと、
上記複数のバッファからそれぞれのバッファに応じた頻度でデータを読出して上記可変長フレーム変換部に供給する読出部とを備えたものであることが好ましい。
【0011】
データが種類毎に複数のバッファにバッファリングされ、それぞれのバッファに応じた頻度で読出されることで、例えば音声データのような遅延許容度の小さい種類のデータが混在した場合に、データの種類に応じた遅延制御によりサービス品質(QoS)を維持することが可能となる。
【0012】
また、上記本発明の伝送装置は、上記複数の受信側ラインインターフェースのいずれかに障害が発生した場合に、上記複数の送信側ラインインターフェースのうち、障害が発生した受信側ラインインターフェースに送信されるデータを変換する送信側ラインインターフェースに、SONET/SDHフレーム形式へのデータの変換を停止させるとともに、この送信側ラインインターフェースに送られてきたパケット形式のデータをバッファリングさせる障害対応制御部を備えたことが好ましい。
【0013】
受信側ラインインターフェースに障害が発生した場合に送信側ラインインターフェースでのデータの変換を停止させるとともにデータをバッファリングさせることで、データの欠落を防ぎ、伝送品質の低下を抑えることができる。
【0014】
また、上記本発明の伝送装置において、上記回線交換部が、上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれにおいて複数種類のデータがSONET/SDHフレーム内に多重化されることで形成される複数の論理データパスを上記複数の受信側ラインインターフェースに分配するメッシュ接続に設定されたものであり、
上記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、上記複数の論理データパスのうち、データを経由させる論理データパスを選択することで、上記複数の受信側ラインインターフェースのうち、このデータを受信する受信側ラインインターフェースを選択するものであることが好ましい。
【0015】
回線交換部において、論理データパスの配分を固定化しておき、送信側ラインインターフェースにおいてデータを経由させる論理データパスを選択することにより、回線交換部での交換設定が動的に変更されないため、データ送信の高速化が可能となる。
【0016】
また、上記本発明の伝送装置において、上記回線交換部が、SONET/SDHフレーム内に多重化された複数種類のデータのうちの少なくとも1種類のデータを複製して、この複製したデータを上記複数の受信側ラインインターフェースのうち、所定の回線設定に応じた受信側ラインインターフェースに送信するものであることが好ましい。
【0017】
回線交換部がデータを複製して送信することで、SONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャストが実現する。
【0018】
また、上記本発明の伝送装置において、上記複数の送信側ラインインターフェースのうちの少なくとも1つの送信側ラインインターフェースが、送られてきたパケット形式のデータを複製して、送られてきたパケット形式のデータとともにSONET/SDHフレーム形式に変換するものであることが好ましい。
【0019】
送信側ラインインターフェースがデータを複製して送信することで、パケットレベルでのマルチキャストが実現する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、伝送損失が抑えられた伝送装置が実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下図面を参照して本発明の伝送装置の実施の形態を説明する。
【0022】
[伝送装置の全体構成]
図1は、本発明の伝送装置の一実施形態を示すブロック図である。この実施形態では、SONETおよびSDHのうち、SONETで代表させて説明する。
【0023】
図1に示す伝送装置1は、非同期網であるIPパケット網及びSONET網を収容する伝送装置であり、送信側パケットラインカード(Packet Line Card)10(10a,10b,10c)と、受信側パケットラインカード(Packet Line Card)20(20a,20b,20c)と、送信側SONETラインカード(Line Card)30と、受信側SONETラインカード(Line Card)40と、回線交換を行うメインタイムスロットインターチェンジ50(Main Time Slot Interchange:以降、メインTSI部50と略記する。)と、メインパケット制御部(Main Packet制御部)60とを備えている。メインTSI部50は、非同期網及びSONET網に対して共用となっている。なお、図1において実線の矢印はデータの流れを示し、破線の矢印は制御を示している。
【0024】
送信側パケットラインカード10a,10b,10cは、IPパケット網を構成する、図示しない複数のIPルータやコンピュータ端末にイーサネット(登録商標。以下同様。)接続され、このIPルータ等から送られてくるIP(Internet Protocol)パケット形式のデータをSONETフレーム形式のデータに変換してメインTSI部50に送信する。送信側パケットラインカード10a,10b,10cのそれぞれは、IPパケット形式のデータをSONET/SDHフレーム形式の基本的な伝送形式であるSTS―1基本フレーム形式のデータに変換するパケットマッピング部11と、複数種類の基本フレーム形式のデータをSONETのSTS−192といった多重化フレーム形式に時分割多重して多重化データを生成するローカルTSI部12とを備えている。
【0025】
受信側パケットラインカード20a,20b,20cは、メインTSI部50から送られてくるSONET/SDHの多重化フレーム形式に多重化されたデータから基本フレーム形式のデータを分離するローカルTSI部21と、分離されたデータをIPパケット形式のデータに変換し、イーサネットを介してIPルータ等に出力するパケットデマッピング部22とを備えており、SONET/SDHフレーム形式のデータをパケット形式のデータに変換し、外部接続されたIPルータ等に送信する。
【0026】
送信側SONETラインカード30及び受信側SONETラインカード40は、メインTSI部50とSONET/SDH網を中継するものであり、送信側SONETラインカード30は、SONETのOC−192(Optical Carrierlevel―192)やOC−48等に規定される光信号を受信して光信号−電気信号間で信号変換を行い、フレーム境界を検出してオーバーヘッドの処理を行うとともにペイロードデータを取り出すSONETフレーマ31と、取り出されたデータを所定のタイムスロットに時分割多重して多重化データを生成してメインTSI部50に送信するローカルTSI部32とを備えている。一方、受信側SONETラインカード40は、メインTSI部50から受信した多重化データの分離を行うローカルTSI部41と、分離されたデータにオーバーヘッドを付与して再びOC−48等のフレーム形式を有する光信号に変換するSONETフレーマ42とを備えている。送信側SONETラインカード30及び受信側SONETラインカード40は、メインTSI部50とともに公知のSONET伝送装置として機能する。
【0027】
メインTSI部50は、送信側パケットラインカード10a〜10c、受信側パケットラインカード20a〜20c、送信側SONETラインカード30、及び受信側SONETラインカード40に接続され、送信側パケットラインカード10a,10b,10c及び送信側SONETラインカード30からSONET/SDHの多重化フレーム形式のデータを受信して、多重化されたデータのスイッチを行い、受信側パケットラインカード20a,20b,20c及び受信側SONETラインカード40のうちの特定のカードに送信する。メインTSI部50のスイッチにより、送信側パケットラインカード10a,10b,10c、受信側パケットラインカード20a,20b,20c、送信側SONETラインカード30、及び受信側SONETラインカード40の間で回線交換が行われる。回線交換はメインパケット制御部60による回線設定に基づいて行われる。メインTSI部50は、接続された全てのカード(10a〜10c,20a〜20c,30,40)のデータを同時に処理することができるよう設計されており、伝送装置1の例では、メインTSI部50に接続された全てのカードが、それぞれ最大20Gbpsの伝送帯域を使用できるよう、160Gbpsのスイッチ容量を有している。
【0028】
ここで、送信側パケットラインカード10が、本発明にいう送信側ラインインターフェースの一例に相当し、受信側パケットラインカード20が、本発明にいう受信側ラインインターフェースの一例に相当する。また、メインTSI部50が本発明にいう回線交換部の一例に相当し、送信側SONETラインカード30及び受信側SONETラインカード40がSONET/SDH網インターフェースの一例に相当する。
【0029】
[送信側パケットラインカード]
図2は、図1に示す送信側パケットラインカード及び受信側ラインカードの構成を示すブロック図である。図2には、送信側パケットラインカード10a,10b,10cのうちの1つと、受信側ラインカード20a,20b,20cのうちの1つが、それぞれ10と20の符号を付して示されている。
【0030】
図2に示す送信側パケットラインカード10のパケットマッピング部11には、複数のイーサネットIF111と、パケット処理部(Packet Proccessing)112と、複数のバッファ114と、読出部115と、GFPフレーミング部116と、SONETマッパ/フレーマ(SONET Mapper/Framer)117とが備えられている。また、送信側パケットラインカード10には、パケットマッピング部11内の各部、ローカルTSI部12、及びメインパケット制御部60(図1参照)からパケットの情報を得、この情報に応じて、読出部115、SONETマッパ/フレーマ117、及びローカルTSI部12を制御するローカルパケット制御部13も備えられている。ここで、GFPフレーミング部116が、本発明にいう可変長フレームマッピング部の一例に相当し、SONETマッパ/フレーマ117及びローカルTSI部12が、本発明にいう時分割多重マッピング部の一例に相当する。
【0031】
イーサネットIF111は、伝送装置1の外部からイーサネットを介して送られてくるデータに対しイーサネット物理レイヤ及びMAC(Media Access Control)レイヤの終端処理を行い、イーサネットフレームからペイロードであるIPパケット形式のデータを取り出す。1つの送信側パケットラインカード10には複数のイーサネットIF111が設けられており、それぞれが1つのポートとして機能する。
【0032】
パケット処理部112は、イーサネットIF111から受信したデータ量が、あらかじめ定められた上限値を超えていないか否かを監視する。また、パケット処理部112は、イーサネットIF111によって取り出されたIPパケットのヘッダ情報を読出し、ヘッダ情報から、VLAN、L2、IPv4、IPv6、MPLSといったIPパケットの種類を判別するとともに、ルーティングテーブルを参照してパケットの送り先を決定する。具体的には、いずれか特定の受信側パケットラインカード20を表す宛先カード情報、宛先カードの中の特定の受信側イーサネットIF224を表す宛先ポート情報が決定される。また、パケット処理部112は、ヘッダ情報から、データの種類の1つとして優先度を判別する。例えば、伝送装置1が提供するサービス品質(QoS:Quality of Service)における優先度を4段階に区分し、送られてきたIPパケットが、いずれの優先度に属するかを判別する。例えば、VoIP(Voice over IP)による音声データは最優先に区分されている。パケット形式のデータは、優先度の区分に応じて複数設けられたFIFOからなるバッファ114にバッファリングされる。なお、複数のバッファ114の1つは、障害発生時に、外部から送られてきたデータを一時的にバファリングするための仮想出力キューとして機能する。
【0033】
読出部115は、複数のバッファ114から所定の順でデータを読み出す。読出部115は、高い優先度に対応付けられたバッファ114のデータほど、より高い頻度で読み出されるように、重み付けラウンドロビン(Weighted Round Robin:WRR)法によるスケジュールで各バッファ114の巡回及びデータの読み出しを行う。これにより優先度の高いデータの伝達揺らぎや遅延が抑えられれる。読み出されたパケット形式のデータは、GFPフレーミング部116に供給される。
【0034】
GFPフレーミング部116は、読出部115で読み出されたパケット形式のデータを可変長フレーム形式のデータに変換する。可変長フレーム形式としては、ITU勧告G.7041に規定されているGFP(General Framing Procedure)フレームが採用されている。GFPは、IPパケット形式のデータの他にも、イーサネット、ファイバーチャネル(FC)、RPR(IEEE802.17)、ESCON、及びFICONに規定される各種形式のデータにも対応している。
【0035】
[GFPフレーム構造]
図3は、GFPフレーム構造を説明する図である。
【0036】
1つのGFPフレーム70は、コアヘッダ(Core Header)71とペイロード(Payload)72からなる。コアヘッダ71は、ペイロードの長さを表すペイロードレングス(Payload Length)711及びエラー検出のためのコアヘッダエラーコントロールフィールド(core Header Error Control:cHEC)712とからなる。一方、ペイロード72は、ペイロードヘッダ(Payload Header)722、ペイロード本体(Payload)723、及びエラー検出のためのフレームチェックシーケンス(FCS)724からなり、このうちペイロードヘッダ722は、ペイロードタイプ(Payload Type)725、エラー検出のためのタイプヘッダエラーコントロールフィールド(tHEC)726、及びオプションの拡張ヘッダ(optional extension header)727からなる。さらにペイロードタイプ725は、ペイロードタイプ識別子(PTI)731、ペイロードFCSインジケータ(PFI)732、拡張ヘッダ識別子(EXI)733、及びユーザペイロード識別子(UPI)からなり、一方、拡張ヘッダ727は、チャネル識別子(CID)735、予備データ736、及び拡張ヘッダエラーコントロールフィールド(eHEC)737からなる。
【0037】
GFPフレーミング部116(図2参照)は、パケット形式のデータをGFPフレームにマッピングする。具体的には、ペイロード723に1パケットのデータを配置し、ペイロード長711をパケットの長さとし、図3に示す必要な識別子を挿入する。GFPフレーム70は可変長フレームであるため、パケット形式のデータは細分されない。
【0038】
ここで図2に戻って説明を続けると、SONETマッパ/フレーマ117が、GFPフレームにマッピングされたデータを、SONETフレームにマッピングする。
【0039】
図4は、SONETのSTS−1フレーム構造を説明する図である。
【0040】
図4には、SONET/SDHフレーム形式の一例として、SONETに規定される基本伝送フレームである同期転送信号レベル1(STS―1)フレームの構造が示されている。STS―1フレーム75は、90バイト×9行=810バイト構成であり、セクションオーバーヘッド(SOH)76、ラインオーバーヘッド(LOH)77、及び同期ペイロードエンベロープ(STS―1SPE)76からなる。STS―1SPE76はさらに、パスオーバーヘッド(POH)77とペイロード(Payload)78とからなる。STS―1フレーム75は、SONETにおける基本の伝送単位であり、125μS周期で伝送されると51.1Mbpsの伝送速度に相当する。SONETマッパ/フレーマ117(図2参照)は、GFPフレーム形式のデータをペイロード78にマッピングする。なお、SONETマッパ/フレーマ117がデータをペイロード78にマッピングする際には、ペイロード78に対して伝送の宛先情報を付与する必要はない。
【0041】
図2に示すローカルTSI部12は、マッピングが行われた複数の基本フレームを時分割多重することで、SONETの多重化フレームを生成する。例えば、STS―1(図4参照)の192倍の伝送レートを実現するSTS―192は、192個のSTS―1フレームがバイト単位でインターリーブされ、192倍の速度で伝送されるものである。このとき9.953Gbpsの伝送速度となり、192チャンネル分のSTS―1フレームが転送されることを意味する。ローカルTSI部12は、STS―192のうちデータの送信先に応じたタイムスロットに、パケットデータがマッピングされた基本フレームのデータを配置して、メインTSI部50に送信する。基本フレームが配置されるタイムスロットは、ローカルパケット制御部13によって制御される。
【0042】
なお、SONETには、上述した多重化とは逆に、基本の伝送単位であるSTS−1のペイロードをさらに細分することで、51.1Mbpsよりも小さいの伝送容量の信号も効率よく伝送する、仮想トリビュータリ(Virtual Tributaly:VT)の手法も規定されているが、ここでの詳細な説明は省略する。また、SDHにおいては、SONETと略同様の構造を有するフレーム形式が採用されるが、SDHの基本伝送単位であるSTM−1は、SONETのSTS−3に相当する。
【0043】
ここで、SONETマッパ/フレーマ117及びローカルTSI部12では、設定に応じて3つのモードでデータのマッピングおよび多重化を行っている。
【0044】
図5は、基本モードにおけるデータ伝送のイメージを示す図である。
【0045】
図5には、STS−192に相当する、SONETのOC―192(Optical Carrierlevel―192)におけるデータ伝送のイメージが示されている。この基本モードにおけるデータ伝送では、OC―192によって、STS―1#1からSTS―1#192までの192チャネル分のSTS―1信号が多重化されて伝送される。図5において各チャネルの信号は1つのポートから1つのポートまで伝送される。各チャネルを表すパイプを論理データパスと称する。
【0046】
SONETマッパ/フレーマ117は、基本モードの他に連続コンカチネーションモードに対応している。連続コンカチネーションモードでは、例えば、多重後の連続する3バイトに対してデータをマッピングしたSTS−3Cで、STS―1の3倍の伝送速度でパケットデータを送信する。
【0047】
図6は、連続コンカチネーションモードにおけるデータ伝送の一例のイメージを示す図である。
【0048】
図6に示す連続コンカチネーションモードにおいては、OC―192の伝送速度において、STS―1#1からSTS―1#138までの138チャネル分のSTS―1に加え、連続コンカチネーションによる155.52MbpsのSTS3C#1、及びSTS3C#2信号と、2488.32MbpsのSTS48Cの信号が多重化されて伝送される。
【0049】
さらに、SONETマッパ/フレーマ117は、ITU勧告のバーチャルコンカチネーション(Virtual Concatenation:VC)に対応したバーチャルコンカチネーションモードも有している。バーチャルコンカチネーションモードでは、複数の独立したSTS―1が仮想的に束ねられて一つの論理データパスが構成される。
【0050】
図7は、バーチャルコンカチネーションモードにおけるデータ伝送例のイメージを示す図である。
【0051】
図7に示す連続コンカチネーションモードにおいては、OC―192の伝送速度において、STS―1#1からSTS―1#185までの185チャネル分のSTS―1とは別に、7チャネル分のSTS―1信号を仮想的に束ねたSTS1―7vの信号が多重化されて伝送される。STS1―7vによって、357Mbpsの伝送速度が実現する。また、図示しないが、例えば、仮想的なSTS1―21v(1088Mbps)の論理データパスを構成することで、ギガビットイーサネットを介して送られてきたデータを効率よく伝送することも可能となる。
【0052】
[受信側パケットラインカード]
図2に戻って、受信側パケットラインカード20について説明する。受信側パケットラインカード20は、メインTSI部50からSONET/SDHの多重化フレーム形式のデータを受信してデータの多重分離を行うローカルTSI21と、パケットデマッピング部22とからなる。パケットデマッピング部22は、多重分離されたSONET/SDH基本フレーム形式のデータからペイロードとしてのGFPフレームを抽出するSONETデマッパ221と、SONETデマッパ221から抽出されたGFPフレームから、IPパケットを抽出するGFPデフレーマ222と、抽出されたIPパケットの送信速度を調整する受信側パケット処理部(Packet Processing)223と、IPパケットに対しイーサネットMACレイヤおよび物理レイヤの処理を行い、イーサネットを介して外部接続されたルータ等に送信する複数の受信側イーサネットIF(Ethernet IF)224とを備えている。また、受信側パケットラインカード20には、メインパケット制御部60(図1参照)から情報を得、得られた情報に応じて、ローカルTSI部21及びパケットデマッピング部22内の各部を制御する受信側ローカルパケット制御部23が備えられている。ここで受信側パケットラインカード20は、固定帯域を伝送されてきたデータをパケット形式で非同期網に送信するため、送信側パケットラインカード10とは異なり、IPパケット形式のデータをパケット毎にバッファリングするバッファが不要である。 したがって、受信側パケット処理部223には、送信速度を調整するための小容量のバッファのみが設けられている。ここで、ローカルTSI部21及びSONETデマッパ221が、本発明にいう可変長フレームデマッピング部の一例に相当し、GFPデフレーマ222が、本発明にいうパケットデータ構成部の一例に相当する。
【0053】
[メインTSI部]
ここで図1に戻って、メインTSI部50について説明する。メインTSI部50は、送信側パケットラインカード10、及び送信側SONETラインカード30から出力された、SONET/SDHの多重フレーム形式の多重化データを受信して、回線設定に基づいてデータが送信される経路をスイッチし、受信側パケットラインカード20、及び受信側SONETラインカード40のそれぞれに分配して送信する。この回線設定に基づいた経路のスイッチによって、送信側パケットラインカード10、送信側SONETラインカード30、受信側パケットラインカード20、及び受信側SONETラインカード40の間で回線交換が行われる。
【0054】
このように、伝送装置1としての回線交換は、送信側パケットラインカード10のローカルTSI部12が、STS1フレーム形式のデータを所定のタイムスロットに多重化する段階と、メインTSI部50がタイムスロット毎の振り分けを行う段階と、受信側パケットラインカード20のローカルTSI部21が、所定のタイムスロットからのデータを特定のパケットとして分離する段階とによって実現されている。ここで、メインパケット制御部60、ローカルパケット制御部13、及び受信側ローカルパケット制御部23は、相互に通信して、送信側パケットラインカード10のあるポートに送信されてきたIPパケットが、目的の受信側パケットラインカード20のポートに出力されるよう回線設定を行う。
【0055】
続いて、メインパケット制御部60、ローカルパケット制御部13、及び受信側ローカルパケット制御部23による制御フローを説明する。
【0056】
図8は、通常スイッチの制御フローを示すチャートである。
【0057】
図8には、メインパケット制御部60(Main Packet Management。以降、MPM60と略記する。)、送信側パケットラインカード10のローカルパケット制御部13(Sending Local Packet Management。以降、SLPM13と略記する。)、及び受信側パケットラインカード20の受信側ローカルパケット制御部23(Receiving Local Packet Management。以降、RLPM23と略記する。)による制御の手順概要が時間の経過とともにステップ1からステップ6まで示されている。送信側パケットラインカード10aから受信側パケットラインカード20aにデータを送る通常スイッチの場合、まず、ステップ1で、SLPM13が、イーサネットを介して送られてきたIPパケットのパケット情報をパケット処理部112(図2参照)から受信し、送信要求としてMPM60に送信する。このパケット情報には、パケット容量、パケットの優先順位、そして、パケット処理部112がルーティングテーブルを参照して決定した受信側パケットラインカード20を表す宛先カード情報、及び宛先カードの中の特定の受信側イーサネットIF224を表す宛先ポート情報が含まれている。なお、送信側パケットラインカード10a以外の送信側パケットラインカード10b,10cからも、パケット情報がMPM60に送信されてくる。
【0058】
次に、ステップ2で、MPM60は、送信側パケットラインカード10から受信したパケット情報を合わせてTSIスイッチプラン(TSI Switching Plan)を作成する。TSIスイッチプランには、各パケットがマッピングされるSTSフレームの番号、連続コンカチネーションまたはバーチャルコンカチネーションの情報、多重されるタイミングであるスイッチタイミング(Switching timing)といったスイッチ(Switching)情報が含まれている。MPM60は、作成したTSIスイッチ情報を、SLPM13に送信する。また、次のステップ3で、MPM60は、作成したTSIスイッチ情報を、RLPM23にも送信する。RLPM23には宛先ポート情報も併せて送信される。
【0059】
SLPM13は次のステップ4で、MPM60からスイッチ情報を受信するとAck信号をMPM60に返信する。また、RLPM23も、MPM60からスイッチ情報を受信するとAck信号をMPM60に返信する。
【0060】
MPM60は、SLPM13及びRLPM23からAck信号を受信すると、TSIスイッチプランに基づいてメインTSI部50の設定を行う。また、SLPM13は、GFPフレーム形式に変換されたデータを、受信したTSIスイッチ情報に基づいて多重化するようローカルTSI部12を設定する。一方、RLPM23は、多重化されたデータを、受信したTSIスイッチ情報に基づいて分離してIPパケット形式に変換し、特定されたポートに該当する受信側イーサネットIF224から出力するようにローカルTSI部21を設定する(ステップ5)。
【0061】
次のステップ6で、送信側パケットラインカード10が、多重化データをメインTSI部50に送信し、メインTSI部50が多重化されたデータをタイムスロットに応じて各受信側パケットラインカード20に分配することで交換を行い、そして、受信側パケットラインカード20がメインTSI部50から送信されてきた多重化データを分離し、IPパケット形式のデータに変換して所定の受信側イーサネットIF224から出力する。
【0062】
続いて、通常スイッチにおいて障害が発生したときの制御フローを説明する。
【0063】
図9は、通常スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【0064】
図9には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ21からステップ24まで示されている。ステップ21において、例えば、受信側パケットラインカード20aのRLPM23が、受信側パケットラインカード20aに障害を検知すると、MPM60に障害情報を送信する。
【0065】
次のステップ22で、MPM60は、障害情報を受信すると、TSIスイッチプランに基づいて、受信側パケットラインカード20aに送信されることとなるデータをメインTSI部50に送信している送信側パケットラインカード10のSLPM13にウェイト信号を送信する。また、MPM60は、RLPM23にAck信号を送信する。
【0066】
ステップ23で、SLPM13は、ウェイト信号を受信すると、障害が発生した受信側パケットラインカード20aに向けて送信されるデータの送信を停止させ、MPM60にAck信号を返信する。このとき、送信されないデータは、IPパケットの形式の状態で、複数のバッファ114のうちの1つである仮想出力キューにバッファリングされる。障害回復後、仮想出力キューにバッファリングされたデータは、メインTSI部50に送信されて、目的の受信側パケットラインカード20aに到達するので、データの欠落が防止される。ここで、障害が発生したときの制御フローを実行するSLPM13、RLPM23、及びMPM60が、本発明にいう障害対応制御部の一例に相当する。
【0067】
続いて、高速スイッチモードにおける制御フローを説明する。
【0068】
図10は、高速スイッチの制御フローを示すチャートである。
【0069】
図10には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ31からステップ35まで示されている。高速スイッチモードでは、SLPM13、MPM60、及びRLPM23のそれぞれが、小容量の伝送路を各送信側パケットラインカード10及び各受信側パケットラインカード20の間でメッシュ接続する設定を、ローカルTSI部12、メインTSI部50、及びローカルTSI部21に対し行う(ステップ31)。
【0070】
図11は、高速スイッチモードにおけるメッシュ接続を説明する図である。
【0071】
メッシュ接続は、複数の論理データパスがメッシュ状に配置された接続である。例えば、図11に示す送信側パケットラインカード10bにおいて、複数種類のIPパケット形式のデータがSONET/SDHフレーム内に多重化されることで、複数の論理データパスSTS―1#1、STS―1#2、STS―1#3、・・・が形成される。メッシュ接続では、全ての受信側パケットラインカード20が、1つの送信側パケットラインカード10を起点とする論理データパスのいずれかに必ず対応する。例えば、送信側パケットラインカード10bの論理データパスSTS―1#1は、受信側パケットラインカード20aに接続され、論理データパスSTS―1#2は、受信側パケットラインカード20bに接続され、論理データパスSTS―1#3は、受信側パケットラインカード20cに接続されている。高速スイッチでは、MPM60がメッシュ接続の設定に固定されているため、送信側パケットラインカード10は、データを経由させる複数の論理データパスSTS−1のうちのいずれかを選択することで、このデータを受信する受信側パケットラインカード20を選択することができる。
【0072】
図10に戻って説明を続けると、SLPM13は、ステップ32で、送信するパケットのパケット情報をRLPM23に送信する。このパケット情報には、パケットの容量、宛先ポート情報が含まれている。パケット情報の伝送は、制御部同士の会話専用パケットを用いて行われる。具体的には、SLPM13がSONETマッパ/フレーマ117に上述したパケット情報を有するパケットを特定の論理データパスを指定して送信すると(図2のSLPM13とSONETマッパ/フレーマ117との間の実線で示す経路)、このパケット情報が、ローカルTSI部12、メインTSI部50を経由して送信され、さらに、特定の受信側パケットラインカード20のローカルTSI部21、SONETデマッパ221を経由してRLPM23に送信される。RLPM23は、次のステップ33で、Ack信号をSLPM13に返信する。
【0073】
次のステップ34で、SLPM13は、ローカルTSI部12を設定する。この設定により、ローカルTSI部12は、例えば、GFPフレーム形式に変換されたデータを、受信側パケットラインカード20cに対応する論理データパスSTS―1#3を経由するよう、STS―1#3フレームとして多重化する。一方、RLPM23は、ローカルTSI部21を設定する。この設定により、ローカルTSI部21は、論理データパスSTS―1#3を経由して送られてきたデータを、ステップ32で受信した宛先ポート情報に応じた受信側イーサネットIF224から出力するよう、分離することとなる。
【0074】
次のステップ35で、ローカルTSI部12から出力されたデータは、論理データパスSTS―1#3を経由して、受信側パケットラインカード20cに送信され、宛先ポート情報に応じた受信側イーサネットIF224から出力される。
【0075】
高速スイッチモードでは、メインTSI部50における論理データパスの分配を固定化しておき、ローカルTSI部12において、データを経由させる論理データパスを選択する。したがって、メインTSI部50において、交換設定が動的に変更されないため、データ送信の高速化が可能となる。
【0076】
図12は、高速スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【0077】
図12には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ41およびステップ42に示されている。例えば、受信側パケットラインカード20aのRLPM23が、障害を検知してSLPM13に障害情報を送信すると(ステップ41)、SLPM13は、Ack信号を返信するとともに、障害が発生した受信側パケットラインカード20aに向けて送信されるデータの送信を停止させ、データを仮想出力キューにバッファリングさせる(ステップ42)。
【0078】
続いて、マルチキャストスイッチモードにおける制御フローを説明する。
【0079】
図13は、マルチキャストスイッチの制御フローを示すチャートである。
【0080】
図13には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ51からステップ56まで示されている。マルチキャストスイッチモードでは、データの宛先を表す情報が複数の宛先に対して設定されている。
【0081】
図14は、マルチキャストにおける接続を説明する図である。
【0082】
図14には、SONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャスト(SONETマルチキャスト)の例が示されている。このマルチキャストでは、特定の論理データパスを経由する1種類のデータが、メインTSI部50で複製され、上記の論理データパスとは別の論理データパスも経由して複数箇所に送信される。図14に示す例では、メインTSI部50が、送信側パケットラインカード10bの論理データパスSTS―1#1を経由して送信されてきたデータを受信側パケットラインカード20aに送信するとともに、このデータを複製して、論理データパスSTS―1#2と論理データパスSTS―1#3とを経由して受信側パケットラインカード20b、及び受信側パケットラインカード20cにも送信している。このようにして、SONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャストが実現する。
【0083】
図13に戻って説明を続けると、まず、ステップ51で、SLPM13が、イーサネットを介して送られてきたIPパケットのパケット情報をMPM60に送信する。このパケット情報には、複数の受信側パケットラインカード20を表す宛先カード情報、又は宛先ポート情報が複数含まれている点を除き、図8の通常スイッチにおけるパケット情報と同様である。
【0084】
次に、ステップ52で、MPM60は、TSIスイッチプランを作成する。TSIスイッチプランには、各パケットがマッピングされるSTSフレームの番号、連続コンカチネーションまたはバーチャルコンカチネーションの情報、多重されるタイミングであるスイッチタイミング(Switching timing)といったスイッチ(Switching)情報が含まれている。
【0085】
MPM60は、TSIスイッチ情報を、SLPM13に送信する。次のステップ53で、MPM60は、作成したTSIスイッチ情報を、マルチキャストが行われる複数の受信側パケットラインカード20にある複数のRLPM23に送信する。
【0086】
SLPM13は、MPM60からスイッチ情報を受信した後、次のステップ54で、Ack信号をMPM60に返信する。また、スイッチ情報を受信した複数のRLPM23からも、Ack信号がMPM60に返信される(ステップ54)。
【0087】
MPM60は、SLPM13及びRLPM23からAck信号を受信すると、TSIスイッチプランに基づいてメインTSI部50の設定を行う(ステップ55)。ここで、MPM60は、メインTSI部50を、マルチキャストの対象となるデータを1:mに複製して配信する設定にする。図14に示す例の場合には、送信側パケットラインカード10bから送信されてくる多重化された複数のSONETフレームのうちSTS−1#1のフレームを1:3で複製して、STS−1#2及びSTS−1#3として、受信側パケットラインカード20b,20cにも送信する設定がなされる。なお、ステップ53においてスイッチ情報を送信した複数のRLPM23のうち、ある一定の時間内にAck信号を返信しないRLPM23は故障しているとして、データの複製及び送信については無視し、後の警告の対象として記録される。
【0088】
次のステップ56で、送信側パケットラインカード10が、複数の論理データパスを形成する多重化データをメインTSI部50に送信し、メインTSI部50が1つの論理データパスを経由するデータを複製して受信側パケットラインカード20に分配する。
【0089】
図15は、マルチキャストスイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【0090】
図15には、MPM60、SLPM13、及びRLPM23による制御の手順概要がステップ61からステップ63まで示されている。例えば、受信側パケットラインカード20aのRLPM23が障害を検知すると、MPM60に障害情報を送信する(ステップ61)。MPM60は、障害情報を受信すると、受信側パケットラインカード20aが故障しているとして、データの複製及び送信については受信側パケットラインカード20aを無視し、後の警告の対象として記録する。この場合でもマルチキャストによってデータを送信している他の受信側パケットラインカード20b,20cについては、データの送信が継続される。
【0091】
図14及び図13では、メインTSI部50によるSONET/SDHフレームのペイロードレベルにおけるマルチキャスト(SONETマルチキャスト)について説明したが、続いて、IPパケットの複製によって実現するパケットレベルマルチキャストについて説明する。
【0092】
パケットレベルマルチキャストにおいては、メインTSI部50及び受信側パケットラインカード20の動作は、通常スイッチの場合と同様であり、制御フローも図8を参照して説明した通常スイッチと同様である。図2を参照して説明すると、パケットレベルマルチキャストでは、送信側パケットラインカード10において、読出部115が、複数のバッファ114のうちの1つのバッファ114から読み出したIPパケット形式のデータを複製して複数のIPパケットとして処理する。このようにして、IPパケット毎のマルチキャスト処理が行われる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態の伝送装置1では、GFPフレーミング部116によって、パケット形式のデータが可変長フレーム形式のデータに変換されてから、SONETマッパ/フレーマ117によって、SONET/SDHの基本フレーム形式のデータに変換される。したがって、ケット形式のデータを固定長フレームに細分する構成に比べて伝送の損失が抑えられる。
【0094】
なお、本実施形態においては、SONET/SDHのうち、主としてSONETに規定されるフレーム形式について説明したが、本発明の伝送装置はこれに限られるものではなく、SONETと類似したフレーム構成を有するSDHにも適用される。
【0095】
また、本実施形態の伝送装置が扱うパケット形式として、IPパケットについて説明したが、本発明の伝送装置はこれに限られるものではなく、例えば、パケット形式として、イーサネットフレームをパケットとして扱うものであってもよい。
【0096】
また、本実施形態では、非同期網に接続されるインターフェースとして、複数の送信側パケットラインカード10、受信側パケットラインカード20の例で説明したが、本発明のラインインターフェースは、それぞれがカード化されているものに限らず、共通のカード上に形成されたものであってもよく、またこの逆に、それぞれがさらに複数のカードに分割された構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の伝送装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す送信側パケットラインカード及び受信側ラインカードの構成を示すブロック図である。
【図3】GFPフレーム構造を説明する図である。
【図4】SONETのSTS−1フレーム構造を説明する図である。
【図5】基本モードにおけるデータ伝送のイメージを示す図である。
【図6】連続コンカチネーションモードにおけるデータ伝送の一例のイメージを示す図である。
【図7】バーチャルコンカチネーションモードにおけるデータ伝送例のイメージを示す図である。
【図8】通常スイッチの制御フローを示すチャートである。
【図9】通常スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【図10】高速スイッチの制御フローを示すチャートである。
【図11】高速スイッチにおけるメッシュ接続を説明する図である。
【図12】高速スイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【図13】マルチキャストスイッチの制御フローを示すチャートである。
【図14】マルチキャストにおける接続を説明する図である。
【図15】マルチキャストスイッチの障害時制御フローを示すチャートである。
【図16】従来の伝送装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
1 伝送装置
10(10a,10b,10c) 送信側パケットラインカード(送信側ラインインターフェース)
11 パケットマッピング部
12 ローカルTSI部
13 ローカルパケット制御部(SLPM)
20(20a,20b,20c) 受信側パケットラインカード(受信側ラインインターフェース)
21 ローカルTSI部
22 パケットデマッピング部
23 受信側ローカルパケット制御部(RLPM)
30,40 SONETラインカード(SONET/SDH網インターフェース)
50 メインTSI部(回線交換部)
60 メインパケット制御部(MPM)
114 バッファ
115 読出部
116 GFPフレーミング部(可変長フレームマッピング部)
117 SONETマッパ/フレーマ(ローカルTSI部12と合わせて時分割多重マッピング部)
221 SONETデマッパ(ローカルTSI部21と合わせてパケットデータ構成部)
222 GFPデフレーマ(可変長フレームデマッピング部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の非同期網及びSONET/SDH網を収容する伝送装置であって、
それぞれが、前記非同期網から送られてきたパケット形式のデータを時分割多重フレーム形式であるSONET/SDHフレーム形式に変換して送信する複数の送信側ラインインターフェースと、
ぞれぞれが、SONET/SDHフレーム形式のデータを受信してこの受信したデータの少なくとも一部をパケット形式のデータに変換する複数の受信側ラインインターフェースと、
前記SONET/SDH網を中継するSONET/SDH網インターフェースと、
前記SONET/SDH網インターフェース、前記複数の送信側ラインインターフェース、及び前記複数の受信側ラインインターフェースとの間でSONET/SDHフレーム形式のデータを送受信し、所定の回線設定に基づいて、前記SONET/SDH網インターフェース、前記複数の送信側ラインインターフェース、及び前記複数の受信側ラインインターフェースとの間で回線交換を行う回線交換部とを備え、
前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式のデータを、所定の可変長フレーム形式のデータに変換する可変長フレームマッピング部と、
前記可変長フレームマッピング部により変換された可変長フレーム形式のデータを前記SONET/SDHフレーム形式のデータに変換する時分割多重マッピング部とを備え、
前記複数の受信側ラインインターフェースのそれぞれが、
前記SONET/SDHフレーム形式のデータを可変長フレーム形式のデータに再変換する可変長フレームデマッピング部と、
前記可変長フレーム変換部により再変換された可変長フレーム形式のデータをパケット形式のデータに変換するパケットデータ構成部とを備えたものであることを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式で送られてきたデータを該データの種類毎にバッファリングする複数のバッファと、
前記複数のバッファからそれぞれのバッファに応じた頻度でデータを読出して前記可変長フレーム変換部に供給する読出部とを備えたものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項3】
前記複数の受信側ラインインターフェースのいずれかに障害が発生した場合に、前記複数の送信側ラインインターフェースのうち、障害が発生した受信側ラインインターフェースに送信されるデータを変換する送信側ラインインターフェースに、SONET/SDHフレーム形式へのデータの変換を停止させるとともに、該送信側ラインインターフェースに送られてきたパケット形式のデータをバッファリングさせる障害対応制御部を備えたことを特徴とする請求項2記載の伝送装置。
【請求項4】
前記回線交換部が、前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれにおいて複数種類のデータがSONET/SDHフレーム内に多重化されることで形成される複数の論理データパスを前記複数の受信側ラインインターフェースに分配するメッシュ接続に設定されたものであり、
前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、前記複数の論理データパスのうち、データを経由させる論理データパスを選択することで、前記複数の受信側ラインインターフェースのうち、該データを受信する受信側ラインインターフェースを選択するものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項5】
前記回線交換部が、SONET/SDHフレーム内に多重化された複数種類のデータのうちの少なくとも1種類のデータを複製して、この複製したデータを前記複数の受信側ラインインターフェースのうち、所定の回線設定に応じた受信側ラインインターフェースに送信するものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項6】
前記複数の送信側ラインインターフェースのうちの少なくとも1つの送信側ラインインターフェースが、送られてきたパケット形式のデータを複製して、送られてきたパケット形式のデータとともにSONET/SDHフレーム形式に変換するものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項1】
複数の非同期網及びSONET/SDH網を収容する伝送装置であって、
それぞれが、前記非同期網から送られてきたパケット形式のデータを時分割多重フレーム形式であるSONET/SDHフレーム形式に変換して送信する複数の送信側ラインインターフェースと、
ぞれぞれが、SONET/SDHフレーム形式のデータを受信してこの受信したデータの少なくとも一部をパケット形式のデータに変換する複数の受信側ラインインターフェースと、
前記SONET/SDH網を中継するSONET/SDH網インターフェースと、
前記SONET/SDH網インターフェース、前記複数の送信側ラインインターフェース、及び前記複数の受信側ラインインターフェースとの間でSONET/SDHフレーム形式のデータを送受信し、所定の回線設定に基づいて、前記SONET/SDH網インターフェース、前記複数の送信側ラインインターフェース、及び前記複数の受信側ラインインターフェースとの間で回線交換を行う回線交換部とを備え、
前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式のデータを、所定の可変長フレーム形式のデータに変換する可変長フレームマッピング部と、
前記可変長フレームマッピング部により変換された可変長フレーム形式のデータを前記SONET/SDHフレーム形式のデータに変換する時分割多重マッピング部とを備え、
前記複数の受信側ラインインターフェースのそれぞれが、
前記SONET/SDHフレーム形式のデータを可変長フレーム形式のデータに再変換する可変長フレームデマッピング部と、
前記可変長フレーム変換部により再変換された可変長フレーム形式のデータをパケット形式のデータに変換するパケットデータ構成部とを備えたものであることを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、
パケット形式で送られてきたデータを該データの種類毎にバッファリングする複数のバッファと、
前記複数のバッファからそれぞれのバッファに応じた頻度でデータを読出して前記可変長フレーム変換部に供給する読出部とを備えたものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項3】
前記複数の受信側ラインインターフェースのいずれかに障害が発生した場合に、前記複数の送信側ラインインターフェースのうち、障害が発生した受信側ラインインターフェースに送信されるデータを変換する送信側ラインインターフェースに、SONET/SDHフレーム形式へのデータの変換を停止させるとともに、該送信側ラインインターフェースに送られてきたパケット形式のデータをバッファリングさせる障害対応制御部を備えたことを特徴とする請求項2記載の伝送装置。
【請求項4】
前記回線交換部が、前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれにおいて複数種類のデータがSONET/SDHフレーム内に多重化されることで形成される複数の論理データパスを前記複数の受信側ラインインターフェースに分配するメッシュ接続に設定されたものであり、
前記複数の送信側ラインインターフェースのそれぞれが、前記複数の論理データパスのうち、データを経由させる論理データパスを選択することで、前記複数の受信側ラインインターフェースのうち、該データを受信する受信側ラインインターフェースを選択するものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項5】
前記回線交換部が、SONET/SDHフレーム内に多重化された複数種類のデータのうちの少なくとも1種類のデータを複製して、この複製したデータを前記複数の受信側ラインインターフェースのうち、所定の回線設定に応じた受信側ラインインターフェースに送信するものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項6】
前記複数の送信側ラインインターフェースのうちの少なくとも1つの送信側ラインインターフェースが、送られてきたパケット形式のデータを複製して、送られてきたパケット形式のデータとともにSONET/SDHフレーム形式に変換するものであることを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−42731(P2008−42731A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216908(P2006−216908)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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