説明

位置検出装置

【課題】タッチパネル等の座標情報検出部のボタン(操作子)に故障が発生しても、画面上に表示できる情報量を維持することができる位置検出装置を提供する。
【解決手段】表示画面に操作子を表示する表示部50と、前記表示画面と対応する検出領域を有し、ユーザーが操作した前記操作子の位置を前記検出領域の座標情報として検出する座標情報検出部60と、前記検出領域を複数の座標区域に分割したときの各座標区域の検出感度を記憶する検出感度記憶部81と、前記座標情報検出部60で検出された複数の座標情報について、それぞれの座標情報の位置に対応する前記座標区域の検出感度の逆数を重みとして加重平均を行い、補正された座標情報を算出する座標情報算出部92と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル等の座標情報検出部を備えた位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等においては、操作部にタッチパネルを用いた機種が増えている。タッチパネルは、表示装置の上に設けられた透明な入力装置である。ユーザーは、表示装置の画面上に表示されたボタンをタッチパネル越しに押すことにより、そのボタンに対応する操作を機器に指示することができる。
【0003】
タッチパネルにおいては、同じ箇所が繰り返し押されると、その部分が故障しやすくなる。故障が発生すると、そのボタンの検出感度が高くなり過ぎて、常に押された状態となることがある。その場合、ユーザーが他のボタンを押しても、タッチパネルでは2つの位置が同時に検知され、2つのボタンの中間の位置が押されたと誤検知されてしまう。このような不具合を解消するため、使用頻度の高いキーの位置を使用頻度に応じて変更することができる表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−16299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された装置では、ボタンが故障した場合に、そのボタンの表示位置を強制的に変更することができる。しかし、故障したボタンが多くなると、画面上で使用できる領域が少なくなる。このため、画面上において、表示できる情報量が少なくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、タッチパネル等の座標情報検出部のボタン(操作子)に故障が発生しても、画面上に表示できる情報量を維持することができる位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表示画面に操作子を表示する表示部と、前記表示画面と対応する検出領域を有し、ユーザーが操作した前記操作子の位置を前記検出領域の座標情報として検出する座標情報検出部と、前記検出領域を複数の座標区域に分割したときの各座標区域の検出感度を記憶する検出感度記憶部と、前記座標情報検出部で検出された複数の座標情報について、それぞれの座標情報の位置に対応する前記座標区域の検出感度の逆数を重みとして加重平均を行い、補正された座標情報を算出する座標情報算出部と、を備える位置検出装置に関する。
【0008】
また、前記操作子は、前記表示画面に表示される位置が固定されていることが好ましい。
また、前記座標区域の面積は、前記表示画面に表示された前記操作子の面積よりも小さいことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タッチパネル等の座標情報検出部のボタンに故障が発生しても、画面上に表示できる情報量を維持できる位置検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態におけるプリンター1の全体構成を説明するための図である。
【図2】プリンター1の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】表示部50に表示される表示画面100を示す図である。
【図4】タッチパネル60に設定された座標区域を示す図である。
【図5】ユーザーが操作した表示画面100を示す図である。
【図6】検出された2つの座標情報に基づいて補正された座標情報を算出する場合の制御部90の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る位置検出装置を備えたプリンターの実施形態について説明する。まず、プリンター1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態におけるプリンター1の全体構成を説明するための図である。
【0012】
プリンター1は、用紙搬送部10と、画像形成部20と、定着部30と、を備える。
用紙搬送部10は、第1送りローラー11と、第2送りローラー12と、レジストローラー対13と、第1ローラー対14と、第2ローラー対15と、用紙排出部16と、を備える。また、用紙Tが搬送される搬送路Lは、第1送りローラー11又は第2送りローラー12から画像形成部20(後述する転写ニップN)までの第1搬送路L1と、画像形成部20(後述する転写ニップN)から定着部30までの第2搬送路L2と、定着部30から用紙排出部16までの第3搬送路L3と、定着部30から排出された用紙Tをレジストローラー対13に戻す第4搬送路L4と、を備える。
【0013】
第1送りローラー11は、給紙カセット17に収容される用紙T(被転写材)を第1搬送路L1に供給する。第2送りローラー12は、手差トレイ18に載置される用紙T(被転写材)を第1搬送路L1に供給する。レジストローラー対13は、第1搬送路L1を搬送されてきた用紙Tを感光体ドラム21と転写ローラー28との間に形成される転写ニップNに供給して、感光体ドラム21に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。
【0014】
また、レジストローラー対13は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。第1ローラー対14は、第3搬送路L3に設けられ、定着部30から排出された用紙Tを用紙排出部16側に搬送する。第2ローラー対15は、第1ローラー対14により用紙排出部16側に搬送された用紙Tを第4搬送路L4に搬入させる。用紙排出部16は、トナー画像が定着された用紙Tをプリンター1の外部に排出する。用紙排出部16におけるプリンター1の外側には、排紙集積部19が形成される。排紙集積部19には、用紙排出部16から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0015】
画像形成部20は、トナー画像を形成するためのものであり、感光体ドラム21と、帯電部22と、レーザースキャナーユニット23と、現像器24と、除電器25と、クリーニング部26と、トナーカートリッジ27と、転写ローラー28と、を備える。
【0016】
感光体ドラム21は、トナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム21の周囲には、感光体ドラム21の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部22と、レーザースキャナーユニット23と、現像器24と、クリーニング部26とが配置される。帯電部22は、感光体ドラム21の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット23は、感光体ドラム21の表面から離れて配置され、外部に配置される外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)により送信された画像データに基づいて感光体ドラム21の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム21の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0017】
現像器24は、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。除電器25は、感光体の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム21の表面を除電する(電荷を除去する)。クリーニング部26は、除電器25によって感光体ドラム21の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
【0018】
トナーカートリッジ27は、現像器24に供給されるトナーを収容する。トナーカートリッジ27と現像器24とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。転写ローラー28は、感光体ドラム21との間に用紙Tを挟み込むことにより、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させる。
【0019】
定着部30は、加熱回転体31と、加圧回転体32と、を備える。加熱回転体31と加圧回転体32とは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0020】
次に、プリンター1の機能的な構成について説明する。図2は、プリンター1の機能的な構成を示すブロック図である。図3は、表示部50に表示される表示画面100を示す図である。図4は、タッチパネル60の検出領域に設定された座標区域を示す図である。図5は、表示部50の表示画面100とタッチパネル60の検出領域61とを対応付けた図である。
【0021】
図2に示すように、プリンター1は、上述した構成要素(用紙搬送部10、画像形成部20及び定着部30)を備える。また、プリンター1は、上述した構成要素に加えて、ユーザーインターフェース部40と、通信部70と、記憶部80と、制御部90と、を備える。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
【0022】
ユーザーインターフェース部(以下、「UI部」という)40は、表示部50と、座標情報検出部としてのタッチパネル60と、を備える。
【0023】
表示部50は、表示画面100(後述)を有する液晶表示パネルにより構成される。図3に示すように、表示画面100には、プリンター1を操作するための複数の操作子として、印刷開始ボタン101、拡大縮小設定ボタン102、画質設定ボタン103、用紙選択ボタン104、両面/分割設定ボタン105、ステープル設定ボタン106、及びソート設定ボタン107が表示される(以下、適宜に「ボタン101〜107」と表記する)。本実施形態において、表示画面100に表示されるボタン101〜107の位置は固定されているものとする。なお、図3において、ボタン101〜107の形状及びその配置は一例を示したものにすぎない。
【0024】
タッチパネル60は、ユーザーにより操作(指による押圧又は接触)される透明な入力装置である。タッチパネル60は、表示部50の上(ユーザー側)に配置される。表示部50の表示画面100(図3参照)にボタン101〜107が表示された状態で、ユーザーがタッチパネル60越しにいずれかのボタンを操作すると、操作されたボタンの位置がタッチパネル60の座標情報(後述)として検出され、制御部90に送信される。
【0025】
ここで、タッチパネル60で検出される座標情報について説明する。図4に示すように、タッチパネル60の検出領域61は、複数の座標区域p1,p2,・・・pn−1、pnに分割されている(以下、任意の座標区域を「p」と表記する)。ユーザーがタッチパネル60越しに表示画面100のボタンを操作すると、操作されたボタンの位置に対応する座標区域pの座標情報(X,Y)が検出される。タッチパネル60で検出される座標情報については、後に詳述する。
【0026】
通信部70は、プリンター1の外部に設置された外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)に接続される。
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、上述した外部機器から供給された画像データを記憶する。また、記憶部80は、プリンター1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0027】
また、記憶部80は、検出感度記憶部81を備える。検出感度記憶部81は、タッチパネル60の座標区域p1〜pn(図4参照)の検出感度を記憶する。
座標区域p1〜pnの検出感度は、例えば、ボタンへの操作回数に基づいて設定することができる。タッチパネル60の構造上、操作回数が多くなるほど素子構造の劣化が進み、検出感度が通常よりも高くなる。検出感度が高くなり過ぎると、上述したように、そのボタンは常に操作された状態となる。このため、ボタンへの操作回数をカウントし、その操作回数に比例した値を、そのボタンの位置に存在する座標区域pの検出感度とすることにより、座標区域p1〜pnの検出感度を設定することができる。
【0028】
また、座標区域p1〜pnの検出感度は、各座標区域へ風圧器(不図示)等により一定の圧力をかけ、その圧力に応じた感度値を、その座標区域pの検出感度として割り当ててもよい。なお、上述した検出感度の設定方法は一例を示したものである。座標区域p1〜pnの検出感度は、どのような手法により設定してもよい。
なお、図4に示すように、分割された座標区域p1〜pのそれぞれ面積は、表示画面100に表示されたボタン101〜107の面積よりも小さく設定されている。
【0029】
再び図2に戻って説明する。制御部90は、用紙搬送部10、画像形成部20、定着部30及び表示部50(UI部40)等を制御する。
【0030】
ここで、用紙Tの片面のみにトナー画像を形成する場合を示して、制御部90の機能(動作)の一例を説明する。まず、制御部90は、通信部70を介して上記の外部機器から入力された画像データを記憶部80に一時記憶させる。制御部90は、記憶部80に一時記憶された画像データに基づいて用紙Tにトナー画像を形成するために、用紙搬送部10と、画像形成部20と、定着部30とをそれぞれ制御する。すなわち、制御部90は、第1送りローラー11又は第2送りローラー12を駆動させて、用紙Tを画像形成部20に搬送させる。
【0031】
また、制御部90は、画像データに基づいて生成されたトナー画像を形成するためのデータをレーザースキャナーユニット23に供給し、レーザースキャナーユニット23から照射されるレーザー光により感光体ドラム21に静電潜像を形成させる。制御部90は、現像器24より感光体ドラム21にトナー画像を形成させ、このトナー画像を転写ローラー28によって用紙Tに転写させる。制御部90は、加熱回転体31が所定の温度に加熱されるよう制御して、その加熱回転体31により用紙Tに転写されたトナー画像のトナーを溶融させると共に、加熱回転体31に圧接される加圧回転体32によりトナーを用紙Tに定着させる。更に、制御部90は、トナー画像が定着された用紙Tを用紙搬送部10により用紙排出部16から排出させる。
【0032】
また、制御部90は、表示制御部91と、座標情報算出部92と、を備える。
表示制御部91は、表示部50(UI部40)の表示画面100にボタン101〜107を表示させる。
【0033】
座標情報算出部92は、タッチパネル60(UI部40)において、複数の座標情報が検出された場合に、それぞれの座標情報の位置に対応する座標区域pの検出感度の逆数を重みとして加重平均(演算)を行うことにより、補正された座標情報を算出する。
【0034】
ここで、加重平均により補正された座標情報を算出する例について説明する。図5は、ユーザーが操作した表示画面100を示す図である。図5では、説明に必要なボタンにのみ符号を付している。
【0035】
ここでは、図5に示す印刷開始ボタン101に故障が発生して、常に操作された状態(以下、適宜に「誤検知」という)となっているものとする。そして、この状態において、ユーザーにより拡大縮小設定ボタン102が操作されたものとする。拡大縮小設定ボタン102には誤検知が発生していないものとする。
【0036】
この状態において、図4に示すように、印刷開始ボタン101の位置に対応する座標区域Paの座標情報をX,Yとし、拡大縮小設定ボタン102の位置に対応する座標区域Pbの座標情報をX,Yとする。また、印刷開始ボタン101の位置に対応する座標区域paの検出感度を“a”とし、拡大縮小設定ボタン102の位置に対応する座標区域Pbの検出感度を“b”とする。なお、印刷開始ボタン101及び拡大縮小設定ボタン102のボタン枠は、複数の座標区域に対応しているが、ここでは、ほぼ中央に位置する座標区域の検出感度を用いる。
【0037】
座標情報算出部92は、タッチパネル60で検出された座標情報X,Y及び座標情報X,Yについて、それぞれの位置に対応する座標区域の検出感度a、bの逆数を重みとして、以下の式(1)及び(2)に基づいて加重平均を行い、補正された座標情報X,Yを算出する。
X={(1/a)・X+(1/b)・X}/{(1/a)+(1/b)}・・・(1)
Y={(1/a)・Y+(1/b)・Y}/{(1/a)+(1/b)}・・・(2)
【0038】
この加重平均では、座標区域の検出感度の逆数が重みとなる。このため、誤検知が発生している座標情報X,Yに対応する座標区域の検出感度aは、誤検知が発生していない座標情報X,Yに対応する座標区域の検出感度bよりも重みが小さくなる。これによれば、加算平均の演算において、誤検知の発生している座標情報X,Yに対応する座標区域の検出感度aの影響が少なくなるため、算出される座標情報X,Yの位置は、拡大縮小設定ボタン102の位置(座標情報X,Y)とほぼ等しくなる。
【0039】
上述したように、印刷開始ボタン101に誤検知が発生しており、拡大縮小設定ボタン102に誤検知が発生していない場合、従来であれば、2つのボタンの位置が同時に検知されるため、2つのボタンの中間の位置の座標情報が算出されることになる。
【0040】
しかし、本実施形態では、座標情報算出部92において、それぞれの座標情報の位置に対応する座標区域の検出感度の逆数を重みとして加重平均を行うため、誤検知の発生しているボタンの位置に対応する座標区域の検出感度の影響を受けにくくなる。その結果、誤検知の発生しているボタンが存在していても、ユーザーの操作したボタンの位置に対応する座標情報とほぼ同じ座標情報を算出することができる。
【0041】
なお、本実施形態のプリンター1では、経年磨耗により感度の異常が発生したタッチパネル60を再利用する際に、タッチパネル60の座標区域p1〜pnにおける検出感度が検出感度記憶部81に記憶される。また、制御部90では、検出された複数の座標情報について上述した加重平均を行い、補正された座標情報X,Yを算出するように座標情報算出部92の機能が設定される。
【0042】
上記のように構成された本実施形態のプリンター1において、UI部40、検出感度記憶部81及び座標情報算出部92(制御部90)は、本実施形態の位置検出装置を構成する。
【0043】
次に、本実施形態のプリンター1において、検出された2つの座標情報に基づいて補正された座標情報を算出する場合の動作について説明する。図6は、制御部90において、検出された2つの座標情報に基づいて補正された座標情報を算出する場合の動作を示すフローチャートである。
【0044】
ステップST101において、座標情報算出部92は、検出感度記憶部81を検索し、検出された座標情報X,Yに対応する座標区域の検出感度aを取得する。
ステップST102において、座標情報算出部92は、検出感度記憶部81を検索し、検出された座標情報X,Yに対応する座標区域の検出感度bを取得する。
【0045】
ステップST103において、座標情報算出部92は、座標情報X,Y及び座標情報X,Yについて、それぞれの位置に対応する座標区域の検出感度a、bの逆数を重みとして加重平均を行い、補正された座標情報X,Yを算出する。
【0046】
ステップST104において、制御部90は、算出された座標情報X,Yから、表示画面100(図3参照)の該当する位置を割り出し、その位置に対応するボタンを特定する。そして、そのボタンに割り当てられた処理を実行する。これにより、本フローチャートの処理は終了する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態のプリンター1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態のプリンター1では、検出された複数の座標情報の位置に対応する座標区域の検出感度の逆数を重みとして加重平均を行い、補正された座標情報を算出する。このため、故障の発生したボタンが常に操作された状態となっても、ユーザーの操作したボタンの位置に対応する座標情報とほぼ同じ座標情報を算出することができる。これによれば、ボタンが故障した場合に、そのボタンの表示位置を変更する必要がないので、故障したボタンが増えた場合でも、画面上で使用できる領域を確保することができる。従って、タッチパネル60のボタンに故障が発生しても、画面上に表示できる情報量を維持することができる。
【0048】
また、本実施形態において、ボタン101〜107は、表示画面100に表示される位置が固定されている。このため、ユーザーは、押し慣れた位置でボタンを操作できるので、ボタンの操作性を損なうことがない。
【0049】
また、本実施形態において、座標区域p1〜pnのそれぞれ面積は、表示画面100に表示されたボタン101〜107の面積よりも小さく設定されている。このため、位置検出の精度を高めることができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態では、誤検知の発生しているボタンが1つある状態で、誤検知の発生していないボタンが操作された場合について説明した。しかし、本発明は、この形態に限定されることなく、誤検知の発生しているボタンは複数あってもよい。例えば、誤検知の発生しているボタンが2つある状態で、誤検知の発生していないボタンが操作された場合は、以下の式(3)及び(4)により加重平均を行うことができる。
【0051】
X={(1/a)・X+(1/b)・X+(1/c)・X}/{(1/a)+(1/b)+(1/c)}・・・(3)
Y={(1/a)・Y+(1/b)・Y+(1/c)・Y}/{(1/a)+(1/b)+(1/c)}・・・(4)
ここで、X,Y及びX,Yは、誤検知の発生しているボタンの座標情報である。また、X,Yは、誤検知の発生していないボタンの座標情報である。なお、誤検知の発生しているボタンは、更に多くてもよい。その場合も、上記の式(3)及び(4)に、誤検知の発生しているボタンの座標情報及び検出感度を加えることにより、補正された座標情報X,Yを算出することができる。
【0052】
本実施形態では、検出感度記憶部81において、タッチパネル60のすべての座標区域p1〜pn(図4参照)の検出感度を記憶する形態について説明した。しかし、本発明は、これに限定されることなく、タッチパネル60において、ボタン101〜107のボタン枠に対応する座標区域の検出感度のみを記憶する形態であってもよい。このような形態とした場合には、検出感度の設定又は測定に要する時間を短縮することができる。また、記憶部80の記憶容量を必要最小限に抑制することができる。
【0053】
本実施形態では、本発明に係る位置検出装置をプリンター1のUI部40に適用した形態について説明したが、本発明は、これに限定されることなく、コピー装置、ファクシミリ装置、スキャナ装置又はこれら機能を備えた複合機のUI部、若しくは銀行のATM(現金自動預け払い機)等の電子機器のUI部にも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…プリンター、40…ユーザーインターフェース(UI部)、50…表示部、60…タッチパネル(座標情報検出部)、80…記憶部、81…検出感度記憶部、90…制御部、91…表示制御部、92…座標情報算出部、100…表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に操作子を表示する表示部と、
前記表示画面と対応する検出領域を有し、ユーザーが操作した前記操作子の位置を前記検出領域の座標情報として検出する座標情報検出部と、
前記検出領域を複数の座標区域に分割したときの各座標区域の検出感度を記憶する検出感度記憶部と、
前記座標情報検出部で検出された複数の座標情報について、それぞれの座標情報の位置に対応する前記座標区域の検出感度の逆数を重みとして加重平均を行い、補正された座標情報を算出する座標情報算出部と、
を備える位置検出装置。
【請求項2】
前記操作子は、前記表示画面に表示される位置が固定されている、
請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記座標区域の面積は、前記表示画面に表示された前記操作子の面積よりも小さい、
請求項1又は2に記載の位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−25759(P2013−25759A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163182(P2011−163182)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】