説明

低収容キャリアの使用方法

【課題】基板搬送装置(10)を使用する方法を提供する。
【解決手段】該装置はケーシング(11)及びドア(13)を有する。該ケーシングは調節された環境を内部に形成する。該ケーシングは少なくとも1つの基板(s)を該ケーシング内に保持すべく、内部にサポート部(12、14)を有している。該ケーシングは基板搬送開口部を画定し、かかる開口部を介して基板搬送システムがケーシング内の基板にアクセスする。該ドアは、ケーシング内の基板搬送開口部を閉鎖すべくケーシングに結合している。ケーシングは迅速に交換する構成要素を形成する構造を有し、よって基板搬送システムを退避せしめることなくケーシング内の基板のローディングとは独立して該装置からの基板を他の基板と交換することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国仮特許出願第60/603,361号(出願日、2004年8月19日)の利益を主張し、当該出願の内容は、全体を参照することにより本明細書に含まれている。
【0002】
IC工場(fab)において使用される低収容力の基板キャリア装置及び方法が開示されている。従来の13又は25枚のウエハキャリアに比べて収容力の低い側部開口キャリアが半導体製造装置材料協会(SEMI)E47によって定義されるFOUPと同様の方法によって構築され、これは高さ及び重量が低減されていることを特徴としている。
【背景技術】
【0003】
半導体産業においては、現在、工場においてウエハの安全性を向上すると同時にウエハサイクル時間を削減し、作成中のワークの数(Work In Progress)を削減する動きがある。将来、単一ウエハ用のキャリアを採用することによって、ウエハサイクル時間及びWIPが著しく減少することが研究で報告されている。加えて、次世代ウエハサイズ(450mm)においては、ITRSロードマップは単一基板用キャリアの採用を提唱している。単一のウエハ若しくは低収容力のキャリアを使用する利点には、WIPの削減、プロセス切替時間の低減、及び製品立ち上げ時間の改善が挙げられる。工場では高いペースを効率的に維持しなければならないため、単一基板のキャリアが採用される場所では、プロセスツール及びマテリアル搬送システムの両方の能力に関して、13又は25枚のウエハ用キャリアに比べて数多くのキャリアが搬送の際に移動することになるので問題が生じる。かかる問題の一例に、スロットが1つのみしかないことが挙げられる。プロセスツール内のロボットには、キャリア内のウエハを迅速に交換する(fast swap)能力が望まれる。これによって、ツールの高処理能力を維持しつつ、キャリアを未処理のウエハを有する他のキャリアと交換することが可能となる。数多くのツールは、従来の単一ブレード(blade)3軸ロボットの場合と同様に、迅速に交換する能力を有していない。かかる問題の他の例に、スロットが1つのみしかないことが挙げられる。IC工場内においてキャリアをツールに搬送するマテリアル搬送システムには、高速にキャリアを供給し、プロセスツールのロードポートにおいて迅速にキャリアを交換する能力が望まれる。これによって、ツールの高処理能力を維持しつつ、ツールにおけるキャリアを未処理のウエハを有する他のキャリアと交換することが可能となる。数多くのかかるマテリアル搬送システムは、従来の300mm工場に採用されている従来のオーバーヘッド搬送(OHT)ベースのマテリアル搬送システムの場合と同様に、高速にキャリアを供給する能力や迅速に交換する能力を有していない。従って、高速度でキャリアを移動することが可能なキャリア及びキャリア使用方法を提供することが望まれている。
【0004】
搬送システム、キャリア及びオープナの例が米国特許公報第6,047,812号、RE38,221E、第6,461,094号、第6,520,338号、第6,726,429号、第5,980,183号、及び米国特許公開公報第2004/0062633号、第2004/0081546号、第2004/0081545号、第2004/0076496に記載されており、これらは全て本願発明に組み入れられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例においては、基板搬送装置が提供される。該装置はケーシングとドアとを有している。該ケーシングは調節された環境をその中に形成している。該ケーシングは、少なくとも1つの基板をケーシング内に保持するサポート部をその中に有している。ケーシングは基板移動開口部を画定しており、そこを介して基板搬送システムがケーシング内の基板にアクセスする。該ドアはケーシング内の基板移動開口部を閉鎖すべくケーシングに結合している。該ケーシングは迅速に交換する構成要素を形成する構造を有し、よって基板搬送システムを退避させることなく且つ前記ケーシング内の基板ローディング状態と無関係に、前記装置からの基板を他の基板と交換することが可能である。
【0006】
他の実施例においては、工場内でのワークピース処理方法が提供される。該方法は 前記工場に、ワークピースがロットとして処理されるワークピース処理流れを画定するワークピース処理ステーションを提供するステップを有している。該方法は更に1以上のワークピースを前記ワークピース処理流れ内においてワークピース処理ステーション間で搬送するキャリアを提供するステップを有している。キャリアは所定のワークピース保持領域を有しており、その各々がワークピースを保持する。該方法はまた前記ワークピース処理流れにおいて前記キャリアによって1つのワークピース処理ステーションから他のワークピース処理ステーションに搬送すべく、前記キャリアに選択自在な数のワークピースを有する仮想のワークピースロットを確立するステップを有している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】実施例の特徴を備えた基板搬送装置及び基板処理ツールの側面図である。
【図1B】IC工場内の搬送装置及び数多くの処理ツールの平面図である。
【図2A】図1Aの基板搬送装置の略斜視図である。
【図2B】搬送装置の正面図である。
【図2C】搬送装置の正面断面図である。
【図2D】搬送装置の切取斜視図である。
【図2E】搬送装置の平面図である。
【図3A】他の実施例による基板搬送装置の略正面図である。
【図4A】更に他の実施例による基板搬送装置の異なる側面の立面図である。
【図4B】更に他の実施例による基板搬送装置の異なる側面の立面図である。
【図4C】他の実施例による基板搬送装置の略正面図である。
【図4D】他の実施例による基板搬送装置の略正面図である。
【図5−5A】各々、搬送装置内の閉鎖可能な開口部の正面図、及び開口部の部分断面図であり、両図共に第1条件における閉鎖可能な開口部を示している。
【図6−6A】各々、他の条件における開口部の他の正面図及び他の部分断面図である。
【図7】図5-5Aに示す開口部の異なる閉鎖部の正面図である。
【図8A】更に他の実施例の基板搬送装置の平面図である。
【図8B】更に他の実施例の基板搬送装置の正面図である。
【図8C】更に他の実施例の基板搬送装置の他の略正面図を示している。
【図8D】更に他の実施例の基板搬送装置の他の略正面図を示している。
【図8E】更に他の実施例の基板搬送装置の他の略正面図を示している。
【図8F】更に他の実施例の基板搬送装置の他の略正面図を示している。
【図8G】更に他の実施例の基板搬送装置の他の略正面図を示している。
【図9】他の実施例の基板搬送装置の略斜視図である。
【図10】他の実施例による基板搬送装置及び処理装置のロードポートインターフェースの略部分正面図である。
【図11】図10に示す搬送装置及びロードポートインターフェースの略平面図である。
【図12】他の実施例による基板搬送装置、搬送装置保持ステーション及びロードポートインターフェースの略平面図である。
【図13】他の実施例による基板搬送装置、ロードポートインターフェース及び基板マッパの略平面図である。
【図14】他の実施例による数多くの基板搬送装置及び基板処理装置のロードポートインターフェースの略正面図である。
【図15】1つの基板搬送装置及び図14に示すロードポートインターフェース開口部の略斜視図である。
【図16A】図15に示す搬送装置及びロードポートインターフェース開口部の略正面図であり、切り離し位置における搬送装置を示している。
【図16B】図15に示す搬送装置及びロードポートインターフェース開口部の略正面図であり、ドッキング位置における搬送装置を示している。
【図17A】他の実施例による切り離し位置における搬送装置及びロードポートインターフェース開口部の略正面図である。
【図17B】他の実施例によるドッキング位置における搬送装置及びロードポートインターフェース開口部の略正面図である。
【図18A】他の実施例によるロードポートにインターフェースする基板搬送装置の略部分正面図である。
【図18B】他の実施例によるロードポートにインターフェースする基板搬送装置の略部分正面図である。
【図18C】他の実施例によるロードポートにインターフェースする基板搬送装置の略部分正面図である。
【図18D】他の実施例によるロードポートにインターフェースする基板搬送装置の略部分正面図である。
【図18E】他の実施例によるロードポートにインターフェースする基板搬送装置の部分図である。
【図19】他の実施例による基板搬送装置を示す略正面図である。
【図20A】他の実施例による基板搬送装置を示す略斜視図である。
【図20B】他の実施例による基板搬送装置を示す略斜視図である。
【図20C】他の実施例による基板搬送装置を示す略斜視図である。
【図21A】他の実施例による基板搬送装置を示す略正面図である。
【図21B】他の実施例による基板搬送装置を示す略正面図である。
【図21C】他の実施例による基板搬送装置を示す略正面図である。
【図21D】他の実施例による基板搬送装置を示す略正面図である。
【図21E】他の実施例による基板搬送装置を示す略正面図である。
【図22】他の実施例による基板搬送装置の略斜視図である。
【図22A】他の実施例による基板搬送装置の部分正面図である。
【図22B】他の実施例による基板搬送装置の部分正面図である。
【図23】図22の搬送装置の略断面図であり、ロードポートインターフェースにドッキングされた装置が示されている。
【図24】従来技術の磁性チャックの略断面図である。
【図25】更に他の実施例の基板処理ツール及び該ツールに係合した基板搬送装置の略正面図である。
【図25A】図25に示すツールにインターフェースした搬送装置の部分正面図である。
【図25B】搬送装置、搬送装置のドア、プロセスツール上のローディングポートのフレーム、及び図25のプロセスツールのローディングポートドアの間のシーリングインターフェースの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の上記の態様及び他の特徴が添付図面を参照しつつ以下の記載において説明されている。
【0009】
図1Aを参照すると、開示された実施例の特徴を備えた基板搬送装置すなわち基板キャリア10の略正面図、及び製造施設すなわち工場(FAB)に配置された基板処理装置PTが示されている。図示されている実施例を参照しつつ開示されている実施例を以下に説明するが、開示されている実施例は種々の他の実施形態で実施可能であることに留意すべきである。更に、任意の好適なサイズ、形状、または構成要素や材質のタイプが使用可能である。
【0010】
図1Aに示すキャリア10及び基板処理装置PTは単なる例示であり、ここに説明する実施例に関して説明される本発明の特徴は任意の他の好適なキャリア及び処理装置にも同様に適用可能である。基板処理装置は任意の所望のタイプであっても良く、例えば、基板処理ツール、ストッカ又はソータが挙げられる。基板処理ツールの好適な一例にはブルックス・オートメーション社(Brooks Automation, Inc)によって市販されているGXシリーズ処理ツールがある。ここにおいて処理ツールPTと称されている処理装置は、内部空間すなわち1以上のチャンバを画定するケーシングすなわちエンクロージャを有しており、該チャンバのチャンバ雰囲気はツールの外部雰囲気に対して調節されることが可能である。チャンバ内の雰囲気は任意の所望の方法によって調節され得る。例えば処理ツールPTチャンバは、高度にろ過された(すなわちクリーンルーム用品質)空気をチャンバ内に導入することが可能な1以上のファンろ過ユニット(図示せず)を有しても良く、これによってチャンバ内に45nmノード以下の線幅を有するIC製造に適したクリーンルーム雰囲気が確立されて維持される。代替例においては、チャンバは内部雰囲気をその外部から隔離することが可能であっても良い。かかる実施例においては、チャンバは不活性ガス雰囲気を保持するか、または真空を維持する。図1Aから判るように、処理ツールPTはローディングインターフェースすなわちロードポートLPを有しており、これは内部雰囲気を損なうことなく基板をツールにローディングしたりツールからアンローディングしたりすることを可能にする。図から判るように、以下に詳細に説明するロードポートLPはその中に1以上の開口部を有しても良く、ここを介して基板S1、S2がツールPT内に向けて移送されたりツールPTから移送されたりする。ロードポートLPはまた開口部を閉鎖すなわち遮断することが可能な閉鎖部(図示せず)を有しても良く、これは他の状況において開口部が外部雰囲気にさらされるときにチャンバ内部雰囲気を少なくとも損なうことなく十分に維持するものである。
【0011】
図1Aから判るように、キャリア10内の基板Sは処理ツールPTに向けて移送され、且つ処理ツールPTから移送される。キャリア10はコントロールされた環境をその中に提供することが可能なケーシングを有しても良く、よって工場内の処理ツール間で搬送される際に、基板Sが望ましくなく汚染されるのが防止される。ここで図1Bをも参照すると、工場の一部の平面図が示されており、代表的な処理ツールPT、PT2が示されている。処理ツールPT、PT2は、共に工場において確立されている製造手順に従って基板Sに何らかの処理/ハンドリングを行なうことが可能である点において概ね同様である。処理ツールPT、PT2は任意の所望の方法によって工場に配置されても良く、例えば図1Bにおいては、互いに隣接して配置されている。処理ツールPT、PT2間の関係が基板の製造手順の基準座標系として図示されており、これは図1Bにおいて矢印Mで示されている。従って、本実施例においては、PT2は製造プロセス内に設置された(厳密にいえば影響が及ぶ)処理ツールPT以降の任意の処理ツールである。コントローラCONTはツールPT、PT2をコントロールし、プロトコールMを実施するプログラミングに従ってキャリア10を移動させる。
【0012】
キャリア10は、以下に詳細に説明するように低収容力のキャリアである。キャリア10は処理ツールPT、PT2のロードポートにインターフェースされ、よって基板がキャリアからツールに、及びその逆に、移送されることが可能となる。ツールPTは、ロードポート開口部を介してツールとキャリアとの間で基板を搬送することが可能なロボットRを有しても良い。該ロボットは任意の所望のタイプでも良く、例えば単一のエンドエフェクタを有するスカラすなわち3軸ロボットが挙げられる。ロボットは伸長位置(ここにおいてエンドエフェクタはキャリア内の基板を拾い上げるか、キャリアに基板を設置する位置にある)に移動せしめられることが可能であり、更に退避又はバッテリ位置を有する。キャリア10は迅速に交換する構成要素を有しており、以下に詳細に説明するように、ロボットがバッテリまで退避する必要なく基板を交換することが可能となる。キャリア10はまた、処理ツールの基板バッファを備えていても良く、これについても以下に詳細に説明する。更に、キャリア10はキャリア10の積載量を変化させることが可能な複数の基板スロットを有しても良く、これによって以下に説明するように、処理ツール間に複数の仮想の基板ロットを形成することが可能となる。
【0013】
図1Bに示す実施例においては、基板キャリア10はケーシング11、基板Sの設置用の2つのスロット12、14を有している(図1参照)。基板Sは任意の所望の基板であっても良く、例えば、200、300、450nm(若しくは任意の他の直径)の半導体ウエハ、又はレチクル若しくはフラットパネルディスプレイ用のフラットパネルが挙げられる。キャリアケーシングはキャリア内にコントロールされた雰囲気を保持することが可能である。キャリア10は側部開口ドア13及びロードポートLPへのキネマティックドッキング用の特徴部分16を有しても良く、特徴部分16はキャリアドアを開ける。代替例においては、他のドア及びドッキングアレンジメントが提供されても良く、これには例えばフランジ、ガイド又はローラが挙げられる。他の代替例においては、キャリアは底部が開口しても良い。この実施例においては、キャリアはまた、マテリアル搬送装置と同様の又は代替であるオーバヘッドホイストの使用に際して取り扱われる特徴部分20を有している。図2A及び2Bから判るように、ドアはシングル式の又はデュアル式のカム機構によってロックされても良く、ピン位置決め用の孔部及びスロットを有しても良く、これには例えば現状のSEMI基準のFOUPキャリアと同様な方法がある。図2Aはキャリア10A(図1Aに示すキャリア10と同様)の実施例の略斜視図であり、デュアル式カム機構22Aのドアを有している。カム機構は、キャリアドア14Aをキャリアケーシングに開放自在にロック可能な任意の好適なカム作用を行なう機構であっても良い。図2Aから判るように、カム機構は互いに実質的に同様である。本実施例においては、各カム機構はロックメンバLを横方向に作動せしめる。これによってキャリアの高さを最小にすることが可能となる。代替例においては、ロックメンバはキャリアの基準座標系に対して任意の所望の方向に作動せしめても良い。キャリアのドア13Aは、ロードポート(図示せず)上のキーLP(図1B参照)がカム機構と係合して作動せしめることが可能な開口部を有しても良い。図2Bにはシングル式のカム作用を行なう機構22Bを備えたキャリア10Bの他の実施例が示されている(他の点においてはキャリア10と同様)。シングル式のカム機構22Bは2つのロックメンバを含んでおり、実質的に同時に反対方向に(例えば横方向に)回転し、よってドア14Bをロックしたりアンロックしたりする。ドアをピンに位置決めするアパチャ20Bは、本実施例においては、所望の如く配置されてカム作用を行なう機構との干渉が避けられる。
【0014】
再度図1Aを参照すると、本実施例においては、キャリア10はキャリア搬送の際に1つのスロット12、14が基板によって満たされるように搭載される。ツールCTのロードポートLPにドッキングするや否や、キャリア10の1つの基板スロット14が満たされ、1つは空になる。キャリアの2つのスロット12、14の任意の1つが満たされる(図1Aは単に例示目的でスロット14が満たされている場合が示されている)。2つのスロット12、14はキャリアがバッファとして機能することを可能とし、これはプロセスツールにおいて迅速に交換するために使用される。この場合は、ただ1つのスロットが存在する従来の低収容力のキャリアでは、プロセスツール内ロボットはキャリア内のウエハを迅速に交換する能力を有する必要があり、これによってキャリアは未処理のウエハを有する他のキャリアと交換されることが可能となり、ツールの高処理能力が維持される。ただ1つのブレード/エンドエフェクタを有する従来のロボットが存在する場合のように、数多くのプロセスツールはかかる能力を有していない。かかる場合は、ロボットは未処理のウエハをキャリアから拾い上げてプロセスツール内に設置し、処理済みウエハをツール内から拾い上げてキャリア内に設置する。対照的に、本実施例のキャリア10は2つのスロット12、14を有し、よって単一ブレードロボットRは処理済みウエハS2を未使用スロット12内に設置し、未処理のウエハSを他のスロット14から拾い上げてより迅速に処理する。更に、図示する実施例においては、処理済みウエハ52は、処理プロトコール(図1Bの矢印Mで示す)による次の処理ツールPT2に向けたキャリア10での以降の搬送のためにスロット12(当初バッファであったスロットは、現在はウエハを保持するスロットとなる)内に留まる。これは、FABの処理能力並びに処理ツールPTの処理能力を更に促進する。処理済み基板S、S2をキャリア10のスロット12、14内に設置することはキャリア10のスロット位置とは無関係であることが理解できる。一例として、ツールPTに到着する際に、所与の予め処理済み基板S、S2がキャリア10の底部スロット14に位置する場合であっても、同一の基板S、S2は処理後次のツールへの搬送においてはキャリア10のどちらのスロット12、14に設置されても良い。上記したように、処理ツール及び工場の処理能力を増大するために、基板を処理用ツールPTに最初に運んだキャリアとは異なるキャリア10に処理済み基板S2が戻される。例えば、未処理の基板をツールPTに運ぶ初期のキャリア(図1Bにキャリア10'として表わされている)は、基板の処理を待つためにツールPTに留まらずに、当該基板処理の間は他のツールPT2に向けて処理方向Mに搬送される(搭載して又は搭載せずに)。他の未処理のウエハSを搭載し得る他のキャリア10(最大処理能力用)が、最初に搭載された基板S2の処理が完了すると同時にツールPTにドックされる。従って、処理済み基板S2は当所のキャリア10'ではなくキャリア10に設置され、バッファスロット12は搭載されたキャリア10への処理済み基板S2の設置及び基板の迅速な交換を容易にすることを共に可能とし、すなわち迅速に処理済み基板S2をローディングしたり未処理の基板Sをキャリアからアンローディングしたりする。処理済み基板S2は、以前はバッファスロット12であったところに今は留まり、これは上記したように基板保持スロットとなり、バッファスロット12がキャリア10内においてスロット(底部)とは異なるスロット位置(頂部スロット)であっても、未処理の基板がツールに運ばれる当所空の基板保持スロット14は、現在はバッファスロットとなる。従って、キャリアの底部スロット内によってツールに来た基板はキャリアの頂部スロットに保持されることになり、またその逆もある。これによってキャリア10は迅速な交換の後、直ちに閉鎖されることが可能となり、キャリア内に搭載されている基板の再配置を更に行なうことなく工場内の次のツールPT2に移動される準備ができる。コントローラは、特定のスロット位置を特定の基板に関係付けることなく所与のキャリア10が所与のロードされている基板S2を保持することを整合する。コントローラCONT内の特定の基板S、S2のトラッキングは、所与のキャリアには多数の基板スロットが存在しているにもかかわらず、関連するキャリア内の関連する基板スロットではなく、関連するキャリアによって行なわれる。従来のキャリアが1、13、及び25スロットを備えたキャリアを含むことに対して、キャリアの1つのウエハスロット12、14は、オプションとして空又は満たされていても良い点において任意のウエハスロットであることが判る。2つのスロットのキャリアを単一のウエハのみを搬送すべく使用しても良い。追加の若しくは任意のスロットを使用しても良く、よってキャリアにおける迅速な交換が可能となる。スロット内のこの無関係のウエハの設置はサイクルタイムの更なる減少を可能とし、ロードポートのオーバーヘッドを削減する。2つのスロットのキャリア10は工場内において、より少ない数のキャリアを可能にするであろう。なぜならば、それらは迅速なウエハ交換時間を除いて本質的には一定の動作であるからである。代替例においては、キャリア10は2つの基板を搬送するために使用可能である。スロットを備えたウエハ支持部12、14は各々ウエハを端部によって若しくは端部除外領域(図2C参照)内に保持するような形状をしている。
【0015】
図3Aを参照すると、他の実施例によるセンサ一式を有するキャリア10Cが示されている。キャリア10Cは統合されたすなわち内蔵されたセンサを含んでおり、よってウエハの存在及びウエハの位置を決定する。これらのセンサはキャリア10がロードポートLPにドッキングされた際に読まれる。図3Aに示す実施例においては、キャリア10C(キャリア10、10Aと同様)は、例えば、内蔵されたすなわち統合されたセンサ24を備えており、これによって基板位置及び存在の検知が可能となる。図2Dをも参照すると、代表的な搬送キャリア10Dの断面図(搬送キャリア10Dは上述したコンテナ10、10A、10B、10Cと同様である)が示されており、センサ24はキャリアケーシングの内部に取り付けられており、コンテナ内の基板の存在を検知することが可能である。図2D-2Eに示す実施例においては、センサ24Dはサポート上若しくは基板スロット12、14を形成する構造上に位置している。代替例においては、センサがスロット12、14上の基板を検知することが可能なコンテナの任意の他の位置にセンサ24が設置されても良い。図2Dに示されるように、スロットの各々は(例示目的でスロット14Dのみが図2Dに示されている)、スロット上のウエハの特徴を検知するセンサ24Dを有している。代替例においては、1つのスロットに複数のセンサが配置されても良いし、コンテナの任意の1つのスロット12、14内の基板を検知可能なように構成されても良い。センサは任意の好適なタイプでも良く、例えば基板の存在を検知することが可能な電気光学(例えば光源及び検出器(フォトセル若しくはCCD))又は容量性センサが挙げられる。センサ24は数多くの個別のセンサからなっても良く、例えばウエハ存在センサ24DP及びウエハ位置センサ24DLがある。図2Dから判るように、ウエハ位置センサ24DLはウエハのセンタリングを可能にすべく配置されている。ラスタスキャンレーザやCCD等のウエハID読取機24DIが各スロットのウエハにエンコードされているID情報を読むために配置されている。代替例においては、ウエハID読取機は、ウエハID情報を伴ったウエハプログラムに関してRFICにインターロゲートすることが可能な好適なRFインターロゲーション装置であっても良い。センサ24はスロット内のウエハの向きを検知することが可能であり、これは、例えばウエハ上の基準マークを検知することによって行なわれる。例えば、IDコードを読み取るセンサ24DIは所定の基準に対するコードの位置を検知することが可能であり、よってウエハの向きが識別される(この場合は、IDコードはウエハの周縁部にある)。センサ24は好適な通信回線28によって電源供給及び制御パッケージ26に接続される(図3A参照)。電源供給及び制御パッケージ26はキャリアケーシング11に統合されても良く、ロードポートにドックされているときのみならず搬送の際に連続した電源及び通信がセンサに供給される。制御/電源パッケージ26は、コンテナケーシング及び通信回線28に具備されている好適なカップリング(例えば「プラグ及びプレイ」カップリング)によって着脱自在であっても良く、よってパッケージ26をモジュールとして容易に取外したり取り付けたりすることが可能となる。通信回線28はまた、コンテナ10がロードポートにドッキングされたときにセンサ24を通信自在にロードポートLPの電源及び制御システムに結合することが可能な好適なポートすなわちリンク28P(例えばワイヤレスリンク)を含んでも良い(図1A参照)。従って、内蔵されたセンサ24は、 搬送中であるか又はコンテナがロードポートにドッキングされているときのいずれかにおいて、それらのスロット位置及び方向並びに任意の時間における位置に加えてウエハを認識することが可能となる。更に、内蔵されたセンサは、RF(RFIC25等の好適な電子回路がセンサ24に含まれ得る)又はバーコード(図示せず)等によってツール若しくは施設内の位置を認識することが可能である。プロセッサ、メモリ及び通信(図示せず)が具備されても良く(パッケージ26内か若しくは他の方法でコンテナケーシングに取り付けられる)、よってツールPT、PT2、ホストコントローラCONT、搬送コントローラCONT若しくは他の好適なインターフェースと通信し、よってキャリア及びウエハ特定情報がシリアル方式で自由に共用されて工場若しくは工場内のツールの処理能力に影響を及ぼしている現状の通信が除去される。例としては、キャリア10Cに備わっているセンサ及び通信機能はロボット若しくはロードポート上のマッパ、及びロードポートのウエハ引き出し式(slideout)センサを削除可能であり、ロット及びレシピ情報をホストコントローラCONTを介して若しくは直接的にツールに提供し得る。更に、メモリ及び通信機能はウエハ方向等の他のウエハ特定情報を、ウエハと共に「移送する」ことが可能である。例えば、所与のウエハS、S2に関して例えばアライナを使用して一旦所定の方向が確立すると、方向情報は所与のウエハを保持しているコンテナ10Cのコンテナメモリに記憶され、後続のロードポートにおいて要求に応じて読み出される。その結果、従来のシステムで使用していた安全なウエハマッピング及び通信ステップが削除されて更なる処理能力の向上が生じる。
【0016】
ここで図4A及び4Bを参照すると、基板キャリア100の更なる実施例が示されており、これは基板設置用の1以上のスロット112、114、116、118と、更なるバッファ用の更なる若しくは任意のスロット112、114、116、118とを有している。図示されている実施例においては、全体で4つのスロット112、114、116、118が提供されており、代替例においては、これより多いスロットや少ないスロットが提供されても良い。例示目的で2つのスロット内に基板Sを備えたキャリア100が図4Aに示されており、要望に応じて基板はより多くのスロット若しくはより少ないスロットにローディングされても良い。反対に、キャリアの全スロットの中により多くのバッファ若しくはより少ないバッファすなわち任意のスロットが提供されていても良い。キャリア100は、記載した以外はキャリア10と実質的に同等であり、側部開口ドア及びキャリアドアを開放するロードポートへのキネマティックドッキング用の特徴部分を有しても良い(図1AのロードポートLPと同様)。代替例においては、フランジ、ガイド、又はローラ等の他のドア及びドッキングアレンジメントが提供されても良い。代替例においては、キャリアケーシング内の開口部はケーシングの底部にあっても良い。キャリアはまた、マテリアル搬送装置と同様の又は代替としてオーバーヘッドホイストを用いて取り扱われる特徴部分を有しても良い。ドアはシングル若しくはデュアルカム機構によってロックされ、例えばSEMI標準のFOUPキャリアと同様のピン位置決め用の孔部及びスロットを有している。前述のキャリア10と同様に、キャリア100のスロット112、114、116、118内の基板Sの設置はキャリアのスロットの相対的位置とは無関係である。例えば、キャリア100がツールにおいてバッファとして機能することが可能となるように頂部スロット112が確保され(図1Aに示すツールLPにおけるキャリア10と同様)、これは上述したようにプロセスツールにおいて迅速な交換に使用されることが可能となる。残りのスロットは任意のスロットであり、ツール若しくは工場において柔軟に使用されても良い。一例は工場が製品立ち上げ(ramping production)の場合である。この場合は、1以上の所与のツールにおける「パイプライン(pipeline)」は満たされていない。従って該パイプラインを満たすために単一の従来のウエハキャリアのみが使用される場合は、未処理のウエハを工場内に注ぎ込んでプロセスツールのパイプラインを満たすには多数のキャリア搬送が望ましい。これに対して、キャリア100(若しくはキャリア10)の任意のスロットでは立ち上げの際は未処理のウエハによって満たされ、よってボトルネック及び製品立ち上げVPの際のマテリアル搬送取り扱い行程が低減される。定常状態における生産の際は、キャリア100の任意のスロットには搭載されていない。第2の例は工場が一時的な待ち時間若しくはボトルネックを有する場合である。この場合は、単一の従来のウエハキャリアのみが使用される場合は、待ち時間若しくはボトルネックは所与のツール生産を停止するか、さもなければボトルネックが解消するまでキャリアがバッファされることを要求する。これに対して、キャリア100(若しくはキャリア10)の任意のスロットでは、解消されるのを待つ間、すなわちマテリアル搬送が可能なときは処理済みウエハによって満たされる。これらは2つの例であるが、キャリア100(及び図1A及び1Bのキャリア10)に基板保持スロット及び任意のスロットを具備することによってツール及び工場の更なる貯蔵部並びにキャリアのバッファ用キャパシティ(任意のスロットによって画定される)によって全体として使用することが可能となることが実現し、これはより少数の若しくは単一のウエハ及び更なる処理された若しくは未処理のまたはテスト用ウエハを用いた定常状態の際に最適に使用される。従って、製造状態若しくは装置状態は柔軟に流れを維持することが可能となる。代替例としては、キャリアは4つの基板を搬送するために使用することが可能である。ウエハの柔軟な発送が組み合わせられた多数のスロット設計は工場において最適な数のキャリア及びウエハの最適な搬送を可能とする。
【0017】
これは更に、多数のウエハキャリアを「仮想の(virtual)」 ロットサイズ搬送コンテナとして使用することを企図している。仮想のロットとの語句は、所与のツール(図1AのツールPTと同様)においてキャリア100内に搭載された基板(例えば図4Aに示されるS、SL)は、予め存在している基板製造ロットに対応していない、すなわち表わさないという条件のことである。むしろ、基板S、S2によって形成される仮想ロット(ロットV)の形成を画定すなわち達成するのはキャリア内への基板S、S2の設置であり、これは基板がキャリア内に搭載される前には存在していないロットである。例えば、基板S、S2は各々異なる製造ロット(図4AにロットI、IIとして図示されている)に対応している。各ロットI、IIは、それらに関連する特有のすなわち対応する製造プロトコール(すなわちレシピ、タイミング)を有している。異なる実際のロットI、IIの製造ロットI、II(それらは仮想のロットに対して実際のロットとここで称する)及び基板S、S2に関連する各製造プロトコールがコントローラCONTに登録されている。実際のロットI、IIはそれに対応する1以上の基板を有している。実際のロットI、IIの各々の基板はそのロットの製造プロトコールに従って工場において処理され、これは例示目的としては基板S、S2は結果的に同一の処理ツールにおいて(図1AのツールPTと同様)処理されて、実質的に同時にツールからオフロードされる準備がなされる。コントローラCONTの状態監視ソフトウェアシステムは、プロセスツールの状態を監視し、これには基板S、S2が現在存在しているツール及び基板S、S2が各々の処理サイクルにおいて送られていく(実際のロットI、IIに対応する)ツール(図1BのツールPT2と同様)、並びにキャリア搬送システムが含まれ、よってウエハ搬送(キャリアを単に搬送装置として使用する)を管理して工場の製造効率を向上させる(例えば処理能力を最適化や、運転設備の在庫品目を減少)。この例では、基板S、S2は共に製造プロトコールに従って、後続する同じツールに搬送される。例えば、後続のツール(例えば図1BのツールPT2と同様)が、収納された基板S、S2を処理することが可能な場合は、基板S、S2はキャリア100に両方とも搭載され、現ツールで処理される実際のロットI、IIからの更なるウエハを待つ前に該キャリアは後続のツールに搬送される。従って異なる実際のロットスロットI、IIからの基板S、S2はキャリアにおいて組み合わされて仮想のロットVを形成する。確立された仮想のロットは一時的であっても良く、若しくは工場内の数多くのツールに搬送されるべく保留状態にあっても良い。任意のスロットを使用することが可能であることと共にキャリア100のスロット112、114、116、118に独立して基板を設置することが可能であることは、コンテナに仮想の基板ロットを確立することが可能であることが判る。搬送されるロットサイズは製造流れの最適な要望に応じて変化する。
【0018】
更なる特徴部分が図4C-4Dに示す実施例におけるキャリアに提供される。かかる特徴部分の1つは、キャリア/コンテナを開けることなくキャリア及び/又はその中のウエハを認識することが可能なことである。キャリア10と同様、ウエハ若しくはキャリアのIDが側方読取部、頂部若しくは斜部読取部によって実現される特徴部分が具備されており、ここでは識別表示がウエハの向きやキャリアの向きに無関係に読取可能であり、これには例えばRFタグを使用する場合やウエハの側面に繰り返されたバーコードパターンを使用する場合が挙げられる。一例として、バーコード若しくは他の光学IDがウエハ上に設けられてキャリア100Bのケーシングに形成されているポート30(図示せず)を介して外部読取機2Iによって見られる(図4D参照)。代替例として、ラジオ周波数タグ(図示せず)が固定RF読取機(図4Dの外部読取機2Iと同様に設置される)と併せて設けられ、キャリアが遠隔にある読取機の範囲内にある時、該読取機は同時に若しくは連続的にキャリア内のウエハ上のタグを読み取り若しくはインターロゲートする。同様にキャリアは識別表示指示部若しくはRFIG(図2Dのタグ25と同様)を有しても良く、識別表示指示部は遠隔の読取機2Iによって読み取り可能であって、よってキャリア及び工場内の位置を認識する。他の実施例においては、読取機24I(図4C参照)はキャリア100Aの上に配置され、キャリア内のウエハの組合せが認識される。これらの特徴部分は組み合わされて提供されても良く、よって要望に応じてSEMIのE84ハンドシェイクの如き従来のキャリアとツールとのハンドシェイクが除去される。このようにして、ツールのドッキング前若しくはドッキングの際のハンドシェイクを伴う読取及び識別表示が、直接、マテリアルコントロールシステム、工場ホスト、ツールコントローラ若しくはその他のものに生じ、例えば工場側での読取りに加えてウエハ及びキャリア情報(レシピ、目的地、位置、ロット、IDなど)の両方が工場レベルで追跡される。これらの特徴部分は更にポッド内若しくはポッドを介したマッピングと組み合わされ、該特徴部分はポッドに提供されて最適な経路が可能となる。
【0019】
再度図4Bを参照すると、実施例においては、キャリア100は、オペレータにキャリアに関する種々の運転状態及び/又は保全状態を示す表示パネル若しくは装置102を有している。表示装置102は図4Bにおいては代表的な例が示されており、好適な任意タイプであっても良い。例えば表示装置は各条件に従ってオン・オフの切替を行なう好適な論理回路に結合されたライト表示であっても良く、よって対応する条件を表示すべく発光する。代替例においては、キャリア上の表示装置は液晶ディスプレイ(LCD)の如き図形ディスプレイであっても良く、これはキャリアの条件に対応した所望の指示をディスプレイ上に生成すべくプログラムされた好適なコントローラによって操作される。表示パネルの指示部102A-102Eによって表示される条件の例としては、キャリアとロードポートとのインターフェースの適切状態/不適切状態、キャリアドアの開放状態/閉鎖状態、キャリア内部の環境条件(例えばドアのシールが失敗した場合若しくは適切に閉じられていない場合)、基板の棚のローディング/アンローディング状態、基板の位置合せ/非位置合せ状態、及び独立して電源が供給されているキャリアにおいては現状のバッテリ状態がある。上記の例は単なる一例であり、代替例においては、より多くの若しくはより少ない又は他の任意の所望の状態が表示装置によって表示されても良い。
【0020】
代替例においては、ポッドは頂部開口構造若しくは底部開口構造であっても良く、更に他の例においては、クラムシェル(clamshell)タイプの開口方式であっても良い。代替例においては、他の開口構造が提供されても良い。かかる例が図5-5A及び6-6Aに示されており、ここにおいてキャリア210はバルーン(balloon)若しくはベローズタイプドアを含み、ここにおいてはドアの開閉には、例えば膨張、収縮すなわち排気以外は更なる動作は行なわれない。図5-5A及び6-6Aは各々キャリア210の正面図及び対応する断面図であり、アクティブドア214(コンテナケーシング内の基板搬送開口部の開閉用)は各々閉鎖位置及び開放位置で示されている。コンテナ210は実質的に前述のコンテナ10、100と同様であり、記載している以外は同様の特徴部分を有している。開閉を実施すべくドア構造自身が変化する点においてドア214はアクティブなドアである。本実施例においてはドア214は流体(ガス/空気)で駆動されるが、代替例においては、アクティブドアは任意の好適な機械的若しくは電気的手段によって駆動せしめられても良い。この場合は、ドア214は実質的に2つの同様であるが対向する位置部214A、214Bとして示されている。代替例においては、ドアは単一のみの駆動部分を有しても良い。本実施例においては、各ドア部分は全体としてバルーンメンバ215を含んでいる(ドア214を形成すべく使用されている種々の従来のバルーンを示す図7も参照されたい)。バルーンメンバ215は全体としてオフセット構造を有しているが、任意の好適な構造を使用しても良い。バルーンメンバ215はネック部分を有しており、これはバルーンメンバに流体を供給したりバルーンメンバから流体を引き抜いたりする結合部分を提供し、よってバルーンを各々膨張及び収縮せしめる。バルーンメンバは膨張されてドアを閉鎖し(図5Aに示されるように)、収縮してドア214を開放する(図6A参照)。コンテナケーシングの開口部は任意の好適な形状を有しても良く、よってドア214が閉鎖される時にドアのバルーンメンバの外部表面の周りにシールを形成する。コンテナ210は好適な流体ラインを有しても良く、バルーンメンバ215と流体供給及び流体ドレイン部202Vとの間で流体の流通が可能となる。流体供給/ドレイン部202Vはコンテナ210に組み合わされても良く、これには例えば反転自在なソレノイドポンプがある。信頼のあるポンプが、コンテナ210がドックされた時に好適な信号によって起動され、よって作動してバルーンメンバ215を排気してドア214を開放する。コンテナが切り離される前に、ポンプを逆転してバルーンメンバ215を膨張してドア214を閉鎖する。または、ドアを作動すること可能な流体源202Vがロードポート若しくは工場設備内に配置され、コンテナ210には好適なインターフェース(例えば迅速な着脱カップリング240/242)が具備されてロードポートにドッキングする際に該流体源に係合する。インターフェースはロードポートの流体源202Vに適合する例えば供給部及び排出部を有しても良い。
【0021】
以下に説明する他の実施例においては、キャリアのドアは取外し可能であり、真空ラッチング及び保持の組合せが提供され、例えばここではラッチ部は溝部の膨張可能なシールであり(図5のバルーンメンバ215といくぶん同様であるが、バルーンは中間ドアメンバに固定されている)、よってシールが圧縮されてポッド上にドアが維持され、取外用のドアを保持するのと同じ真空によってドアを離脱する。このようにして同時に行なわれるグリップ及びアンロック/ロックの特徴部分が提供される。
【0022】
図8A-8Bは他の実施例の他のキャリア310を示しており、ここでは車両駆動、コントロール及び通信可能性等のアクティブ搬送特徴部350がキャリアに具備されており、よって工場内での他の車両とのハンドオフ(handoff)なくキャリアが自動的に送り出される。例えば、2つの動作を生じることなくハンドオフを可能にする、側部レール、頂部レール、ローラ、減少された若しくは削除されたシーリングフランジ若しくは他の特徴部等のパッシブ搬送特徴部が提供される。ローラや車輪ではなくボール若しくはキャスタが提供されても良く、よって全方位の移動のためにキャリアを支持して搬送する。
【0023】
図8Bは実施例のキャリア100C1を示し、ここでキャリアフレームCAはその上に車輪CWV及びCWHを搭載しており、垂直及び横方向の両方の支持がなされる。図8Bにおいて、実施例のキャリア100C2は車輪WV、WHに搭載されている(ツールステーション若しくは他の構造から独立した支持トラックT上に搭載されることが可能である)。図8Cに示す実施例においては、スキッドプレートSV、SH(キャリアフレームCA若しくは支持構造体上のいずれかに搭載されており、その上にキャリアが支持されている)が移動自在にキャリア100 C3を支持している。図8Eに示す実施例においては、支持トラックT1及び/又はキャリアフレームは、キャリア100C4を支持してガイドする空気ベアリング若しくはマグベアリング(mag bearings)BV、BHを含んでいる。図8Fにおいて、キャリア100C5は移動自在なコンベアTc(ベルト若しくはローラ)に載っており、図示されている側部ガイドレールSGRによって横方向にガイドされる。図8Bにおいて、キャリア100C6はその上に搭載している溝付きの車輪CWGを有し、支持レールTR上に載っている。直線動作はロータリーモータ駆動ベルト、ロープ、送りネジ、ロボットアームリンク、若しくは歪曲されたローラ機構によって、又はリニアモータ、空気圧式アクチュエータ等によって実施可能となる。このように実施される直線動作は、例えば機械的干渉、摩擦、磁力、流体圧力によってキャリアに結合され得る。積層する特徴部分が提供され、よってキャリアの積層が可能となる(図示せず)。キャリアの1以上の側部において押したり引いたりする特徴部分が提供され、よってキャリアが他のアクティブ構成要素によって受動的に動かされる。
【0024】
図9から判るように、他の実施例においては、ドッキングする特徴部分460がドッキング面413に提供され、これは例えばスロットを有するフランジ915である。よって更に正確な位置決め及びシールが可能となる。図9に示す実施例においては、ドッキングする特徴部分460が例示目的のみで搬送開口部を有するキャリアの側面413に配置されている。代替例においては、ドッキングする特徴部分413はキャリアの任意の側面若しくは表面に配置されても良く、これは何らかの方法でロードポートLPにインターフェースする。ドッキングする特徴部分はキネマティック式であり、なぜならば、それらはキャリアをロードポート若しくはツール上の所望の位置に対してセルフアラインして位置決めすることを提供するように構成されているからである。特徴部分4Bが全体的に傾斜した溝部構造を有するように典型的に示されているが、ロードポートとのドッキングの際に正確に位置決めするガイド表面462、463がキャリアに提供されるのであれば、任意の好適な構造を使用しても良い。図9に示す実施例においては、ドッキングする特徴部分460はロードポート上の位置決め特徴部分LPSと相補的(complement)となって協働し、例えばキャリア410が自立的にドッキング位置に移動する時に安定してキャリアをドッキング位置にガイドする。ドアは側部開口、頂部開口、ヒンジで連結された二枚貝形状(clamshell)若しくはスロット若しくはリンケージで側部にヒンジで連結されたものであっても良く、よって開口部に発生する粒子が最小化される。キャリアの対向する側部に2つのドアが組み込まれても良く、よって基板をいずれの方向からでも取り出し及び/又は挿入することが容易となる。キャリアは第1方向に移動自在な車輪を有する台車上(前述したように)に搭載されても良く、キャリアはバネ仕掛けで第2方向に移動自在であっても良く、例えば第1方向に行き来してドッキングする。更に、受動的なすなわち可動部品のない方法でラッチが行なわれても良く、これには例えば永久磁石若しくは電磁石のラッチがあり、これは無効化されてドアがアンラッチされる。ここで図10を参照すると、例えばロードポートLP若しくは図1AのツールPTと同様のツール等のツールインターフェースにドッキングされた低収容力の基板キャリア410の正面図が示されている。本実施例ではキャリア410は、記載されている事項を除いて前述したキャリア10、100と同等である。キャリア410には例示目的として5つの基板スロットを有するように示されているが、代替例においてはキャリアは任意の所望の数の基板スロットを有しても良い。キャリア410はいわゆる密集配備構造(dense pack configuration)と称される態様で配置されている。図10に示す実施例においては、キャリア410は垂直積層構造で示されているが、代替例においてはキャリアの密集は任意の態様によって配置や積層されても良い。図10から判るように、キャリア410は側部(例えばフロント部)開口式である。キャリア410はフロント正面440(すなわちキャリアの正面/側面を使用しており、ここにキャリアの任意の他の側面/正面とロードポート構造との間で更に整合することなくキャリアをロードポートLP面に整合するための基板開口部442が配置されている。
【0025】
フロント開口式キャリアの場合は、実施例で説明する位置整合用のフロント正面を使用することによって従来の300mmFIMS(フロント開口式インターフェース機械標準)に適合するインターフェースにおける欠点が克服する。すなわち、水平ドッキングインターフェース及び垂直チャージングインターフェースを並行してコントロールすることである。この従来のキャリアの条件は過度に拘束されており、キャリアとロードポートとの間のフロントインターフェースにおけるギャップを維持することによって対応されており、基板ロードポート及びキャリアに潜在的な望まない汚染を生じる。
【0026】
図10に示されるように、かかる単一プレーンのインターフェースは底部インターフェース及び関連する往復機構を回避し、ロードポートにおいて、または保管/バッファ位置内において密集した垂直パッケージングを可能にする。ここに示されている実施例においては、支持部若しくは棚部LPSが提供されてキャリアを搭載するが、整合せしめる特徴部分はない。整合において過度の拘束が発生するのを回避すべく、棚すなわちキャリアレッグが配置され、よって棚に自由に搭載された際にキャリアは整合位置に対して等距離(pitched)となる。以下に説明するキャリアの整合では、結果的にキャリアは棚から離脱する。図12をも参照すると、ロードポートLPにインターフェースされたキャリア410の平面図が示されている。本実施例においては、支持棚はキャリア410用の整合特徴部分を画定し、ここでフロントキャリア構造446の底部は平坦表面LPSF上に整合している。頂部448はクランプ機構460によって固定され、クランプ機構460はキャリアを片持ち梁状にロードポートから支持する。特に、クランプ部460が係合すると、キャリア410の後部がその受動支持位置から持ち上げられる。フロント平坦整合表面LPSFも下部インターフェースの汚染防御として機能する。クランプ機構460は図示されるように対向するクランプセクション462、464を有している。両クランプセクションは位置R1-R4(クランプ部460用)と位置L1-L2(クランプ部464用)の間で各々移動自在であり、クランプ部462は回転と横断運動の両方が可能であり、クランプ部464は図11の矢印Yで示される方向の横断運動のみが可能であることが判る。クランプ部462は4つのバーからなる連結部によって駆動せしめられ、これによってクランプ部462が係合され、キャリアフランジはポートに向けて引っ張られる。キャリア410が機構によって側部から矢印Xによって示される方向で設置されることを可能とするため、クランプ部462はR1で表示される位置に退避する。2つのクランプ部品462、464同士はリンクによって結合され(図11に略図で特徴部463が示されている)、よって単一の駆動軸が可能となる。図11から判るように、キャリア410はキネマティック特徴部分450、451を有し、これは各々閉鎖クランプ部462、464に係合され、よってロードポートLPの係合面に対してキャリア面の着座表面を引張って保持する。クランプ機構はポート開口部の側部に配置され(図11に示されるように)、よってインターフェース領域に潜在的に入り込む粒子状汚染物質を最小化する。
【0027】
キャリア410'のロードポートへの整合の他の実施例が図12に示されている。本実施例においては、キャリア410'は適合した後方応力を用いてポートに対して前進して固定されている。実施例においては、膨張する袋(bladder)470が使用されており、よってキャリア410'が前進してフロントインターフェースに対して固定されている。隣接する(すなわち同等の)袋は排気される能力を有しており、よってキャリア410'がポートから引き出される。袋470は真空キャップ472を有しており、退避の際にキャリア410'が固定される。任意の好適な適合した袋若しくは流体駆動のベローズ装置を使用しても良い。代替例においては、任意の他の所望の適合した駆動システムを使用しても良い。これによって従来のFIMSロードポートの従来の往復機構(1軸)及びキャリア押さえ(hold-down)機構(典型的には2軸)が回避される。図12から判るように、本実施例のフロントインターフェースは隣接した受動的な整合導入部(lead-in)を有している。該導入部は好適にはポートの側面に位置しており、よってインターフェース領域に入り込む潜在的な粒子汚染物質が最小化される。本実施例においては、キャリア410'のフロントは、キャリアの横側部に位置するキネマティック小面(着座表面)450'、451'を有している。ロードポートは相補的なキネマティックインターフェース460'を有しており、これはガイド及び着座表面462'、464'に関して受動的であってキャリアの嵌合するキネマティック小面450'、451'と係合し、キャリアが図10のキャリア410と同様にロードポートインターフェースから片持ち梁状に保持されるようにキャリアをガイドして係合する。ロードポート開口部の周縁部にある好適なシール(例えばOリング)453'がキャリアケーシングとロードポートとの間のシールを確保する。
【0028】
ここで図13を参照すると、他の実施例によるロードポートにインターフェースされたキャリア410''の平面図が示されている。本実施例においては、ベローズ470''が使用され、よってキャリアドアのラッチ及び取り外しが行なわれる。本実施例においては、キャリア410''のロードポートインターフェースへの前進及び整合が図10-11のキャリア410と同様に行なわれる。図13から判るように、本実施例においては、キャリアドア413''は、ドアが閉鎖位置にあってリテーナが膨張したときにキャリアフレーム(図示せず)の凹部に係合するドア413''上の周辺部収縮リテーナ402''によってキャリア開口部のフレーム内に保持される。代替例においては、ドアリテーナは任意の好適な空気圧式駆動メンバ(例えばピン、ボール)であっても良い。他の代替例においては、キャリアドアの収縮自在なリテーナはドアとキャリアケーシングとの間のシールとして機能するものでも良い。図示する実施例においては、キャリア開口部フレームは分離したシール403''を有し、よってドア413''とキャリアケーシングとの間のインターフェースをシールする。前述のキャリア 410''のロードポートへの整合の結果、図13に示されるようにベローズ470''がキャリアドアに接触することが判る。
【0029】
キャリアドアが接触するや否や、ベローズは排出されて(好適なシステムによって)(図示せず)それを圧縮し、よってキャリアドアを固定して退避せしめる。整合ピンCPGをポートドアLP4にガイドすることが用いられて、退避されてキャリアに戻る際にキャリアドア413''のポートドアに対するアラインメントが維持される。キャリアドアのオリフィスすなわち開口部413Vは真空がドア413''に入ってドアの周辺部収縮リテーナを収縮することを可能とする。ベローズのバネの付勢力(すなわちポートドア上に配置されている分離した機械的バネLP8)は収縮自在なリテーナ408''がドア 413''が取外される前につぶれるようにサイジングされる。ポートベローズ470''が排気されるや否や(ろ過されても良い)、バネ付勢力はドア413''をキャリア内に再挿入し、つぶれることが可能なリテーナがキャリアフランジに再係合する。
【0030】
ここで図14を参照すると、更に他の実施例のバッファLPBのバッファ位置に配置されているキャリア510及びロードポートインターフェースの正面図が示されている。記載している以外はキャリア510は前述したキャリア10、100と同様である。ロードポートへのインターフェースは、記載している以外は図1A及び図10のロードポートLPと同様である。ロードポートLP及びバッファLPB上のキャリアの位置及び配置は単なる例示である。本実施例においては、キャリアは各々キャリアドアが配置されるキャリアの側部515においてロードポートLPに整合してインターフェースしている。その側部が(これに対して基板の方向端部が向けられる)キャリアのフロントと称される。前述したように、代替例においては、ドアすなわちキャリア閉鎖部はキャリアの底部に位置する(すなわち基板の底部に対向するキャリアの側面)。図10に示すキャリアロードポートインターフェースと同様に、本実施例のキャリアはロードポートの支持面LPSから片持ち梁状となっている。本実施例のキャリア510とロードポート支持面LPSとの間の代表的なインターフェースが図15に示されている。図15においてキャリア510は明瞭化のためロードポートからオフセットした位置に示されている。図において、ロードポート支持面LPSはロードポートの基板ローディング開口部LPOを形成するロードポート面又はロードポートプレート上にあるように示されている。ロードポート支持面は、キャリアのインターフェース側面515に対向する任意の表面であっても良いことが判る。キャリアのインターフェース側面515はキネマティックカップリング特徴部516を有しており、これについては以下に説明する。ここで図16A、16Bをも参照すると、図15に示すキャリアロードポートインターフェースの略正面図が示されており、キャリアは各々ドッキングされた位置と切り離された位置である。ドッキングされた位置においては、キャリア上及びロードポート支持面LPS上のキネマティックカップリング特徴部516は係合されてキャリアを所望の位置に整合して保持し、ロードポート開口部LPOに関して整列される。
【0031】
キネマティックカップリング特徴部は任意の所望の構造であっても良いことが判る。一実施例の構造が図17A-17Bに示されており、これはロードポートに関してドッキング位置及び切り離し位置のキャリア510Aの平面図である。本実施例においては、キャリアは横方向に突出した表面516AFを有している(例えば側部フランジ上)。ロードポートは相補的支持面LPSAを画定する突出部を有している。図18A-8Bは他の実施例のキネマティックカップリングの構成を示している。本実施例においては、キャリア510Bは、ロードポート支持表面LPSBに対向する面にテーパ状のガイドノッチ516Bを有しても良い。ロードポート支持表面は、キャリアのノッチ516''に係合する相補的テーパ状パッドセクションLPS1を有しても良い。ロードポートの突出部は固定されても良いし、バネで付勢されても良い。ノッチ表面の斜面及び突出部はキャリアを所望の位置にガイドするように傾斜している。図18Bにおいて、ロードポートのテーパ状の突出部は丸みを帯びたピンの形状をしている。図18Cに示す実施例においては、キャリアは外側を面取りした面416Cを有し、これはロードポートの相補的傾斜面に係合する。図18Dに示す実施例の構造においては、キャリアはテーパ状の孔部516Dを有し、これは図18Aの突出部LPS1と同様のロードポート上の相補的突出部によって係合される。図18はキネマティックカップリング516Eを示し、係合ピンを有する雄部と固定孔部を有する雌部とを有し(2方向に雄部を位置決めする)、伸長したスロットが嵌合ピンに係合して1方向に浮いている。
【0032】
ここで図19を参照すると、電磁カップリングによってロードポートLPに整合したキャリア610の正面図が示されている。本実施例においては、キャリア610はキャリアケーシングに含まれるか若しくは当着した好適な磁気材料616(例えばステンレス鋼)を有している。ロードポートには好適な永久/電磁チャックLPMが具備されている。好適な永久/電磁チャックの例が図24に開示されており、これは一般的にコイル内に設けられた永久磁石又は一対の永久磁石を有しており、よってコイルを流れる電流の通過によってチャックのオン及びオフを切り替える。該チャックの作動によりキャリアが保持され、作動が停止してキャリアが放出される。図20A-20Cはキャリア610A、610B、610Cの異なる実施例を示しており、図示するように磁性材料616A、616B、616Cが異なる位置に備わっている。磁気保持部は可動部品を有していないため、結果的に極めて清浄なインターフェースとなり、実質的に汚染物質が発生しないことが判る。
【0033】
キャリアとロードポートとの間のキネマティックカップリングはアクティブな機械的カップリングである(図10、11に示すカップリング特徴部と同様)。他の実施例のアクティブな機械的カップリングが図21A-21Eに示されている。図21Aにおいて、ロードポートは回転クランプセクション750を有し、これはキャリア710Aの特徴部に係合する。図21Bに示す実施例においては、ロードポートは拡張可能な装置(例えば袋)を有しており、これはキャリア710Bの凹部/空洞部内に入れられる。キャリア空洞部716BはV字型(dovetailed)の面を有し、これは装置がキャリアにて拡張されたときに拡張可能な装置の表面と係合し、よってロードポートに対して引張ってキャリアを所望の位置に整合する。図21Cに示す実施例においては、ロードポート上の電磁駆動クランプ750Cはキャリアの表面に対向する方向に移動して整合する。図21Dは他の実施例を示しており、ここでロードポートはキャリア710Dの支点を画定するメンバ750OD及び整合した時にキャリアが載せられる停止表面750DSを有している。キャリアは係合リップ716Dを有し、これはメンバ750Dに設けられている支点上に載せられ、キャリアは停止部750DSに載せられるまで入口位置710D'から回転する。図21Eに示す実施例においては、カップリングは図27Dに示す方法とは実質的に反対の方法によって配置され、支点メンバ750Eは底部にあり、キャリア710Eはその整合位置に向けて上方に回転する。本実施例においては、アクティブフック750EHはロードポートに可動自在に搭載され、よってキャリアを整合位置に保持する。
【0034】
ここで図22及び22A-22Bを参照すると、他の実施例のキャリア810が示されている。本実施例においては、キャリアはキャリアの対向する側面にドア813、813Aを有している。これによってキャリアのいずれかの側面がロードポートにインターフェースされることが可能となる。好適なカップリング(図示せず)が更に具備されても良く、よってキャリアがいずれかのページでインターフェースする。代替例においては、キャリアはより多くのドアを有しても良い。本実施例においては、ドア813、813Aは前述した図24に示す永久/電磁チャックと同様のロックシステム818を伴ってキャリアケーシングに固定されても良い。本実施例においては、磁性材料はドア813、813Aに配置されている。永久/電磁チャックはキャリアケーシングに配置されても良い。前述したように、例えばキャリアがドッキングした時に装置に電流を流すことによって、チャックが作動/作動解除される。図23は実施例を示しており、ここではロードポートキャリアドアオープナLPDは永久電磁チャック950を有しており、よってキャリアドア913をキャリア910から取り除く。本実施例においては、キャリアには永久/電磁チャック917が具備されても良く、よってドアがキャリアに固定される。
【0035】
図25は再び代表的なツール(図1Aの処理ツールPTと同様)の略図を示しており、これは最小環境MEを有し、処理モジュールと基板キャリア1010との間のインターフェースを提供している。図1AのツールPTを参照しつつ前述したように、最小環境MEは、所望のガス種/ガス混合(例えばN2、AR、AR/O2、外部雰囲気とは異なる極めて乾燥した空気)によってコントロールされた雰囲気を有している。最小環境内の雰囲気はキャリア1010内の雰囲気からも異なっていても良い。汚染/攻撃的なガス種への搬送ウエハの暴露を防止するため、キャリア内部の汚染を外部雰囲気から防止するのと同様、最小環境の汚染を外部空気若しくはキャリア雰囲気のいずれかから防止するのが望ましい。最小環境へのキャリア面をシールすることによって、ウエハの潜在的に攻撃的なガス種への暴露は図25に示すようにコントロールされる。かかるシールは数多くのシール(例えばキャリアのキャリアドアへのシール1112、前述のキャリアのロードポートへのシールと同様のキャリアのロードポートへのシール1110、キャリアドアのロードポートドアへのシール1114及び図25Aに示すロードポートドアのロードポートへのシール)、又は単一の統合シールによって行なわれ得る。キー部がキャリアと最小環境との間のインターフェースに存在しており、(a)フロント位置及び(b)フロントシールの両方であり、ここでキャリアの位置決め及び係合動作もキャリアを最小環境に対してシールする。閉じ込められた空気はゼロ容量まで除かれる。図25Bのシールはキャリア1010、キャリアドア1013、ロードポートドアLPD及びロードポートLP間のゼロ容量のインターフェースを概略示している。図25Aに示す非ゼロ容量のインターフェースの場合における閉じ込められた空気は、パージによって除去され、これは例えばバルブを最小環境から開いて最小環境ガス種を空間に導入して排出バルブによって排気する。代替案としては、キャリア1010の内部領域をもパージし、これは例えばポートドアLPDと最小環境LPとの間のシール1116が開けられる前にキャリアの内部をガス種(例えば最初にクラック用シール1112)に晒すことによって行なう。ここにおいて、キャリア内部が最小環境に晒されたとき、ウエハが晒される種はキャリアが含む種と同じままである。この方法によって、キャリアはツールからツールへ移動されて、ウエハに晒されるガス種が効率的にコントロールされる。代替例においては、異なる表面が加熱、冷却、チャージ又は更に粒子の移動及び吸引をコントロールすべく他の条件下に晒されても良い。上述の記載は本発明の説明のみであることを理解すべきである。種々の変更例や代替例が本発明から逸脱することなく当業者によって可能である。従って、本発明は添付する特許請求の範囲に包含されるかかる全ての代替例、変更例、及び変形例を含むことを企図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場内でワークピースを処理する方法であって、
前記工場に、ワークピースがワークピースロットとして処理されるワークピース処理流れを画定するワークピース処理ステーションを提供するステップと、
ワークピースを各々保持する所定のワークピース保持領域を有し、且つ1以上のワークピースを前記ワークピース処理流れ内においてワークピース処理ステーション間で搬送するキャリアを提供するステップと、
前記ワークピース処理流れにおいて前記キャリアによって1つのワークピース処理ステーションから他のワークピース処理ステーションに搬送すべく、前記キャリアに選択自在な数のワークピースを有する仮想のワークピースロットを確立するステップと、からなることを特徴とする方法。
【請求項2】
他方のワークピース処理ステーションが、前記ワークピース処理流れにおいて前記一方のワークピース処理ステーションの後続の位置にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想のワークピースロットは前記ワークピースロットとは異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記仮想のワークピースロットを構成するワークピースの数が前記ワークピースロットの少なくとも1つの一部であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想のワークピースロットのワークピースの数が前記ワークピースロットの前記少なくとも1つよりも多いことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想ロットが前記一方のワークピース処理ステーション若しくは他方のワークピース処理ステーションの所定の特徴に従って確立されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の特徴は前記一方のワークピース処理ステーションによって処理される処理済みワークピースの処理状態であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所定の特徴は他方のワークピース処理ステーションによって処理される処理済みワークピースの処理状態であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記キャリアに、前記仮想ロットのワークピースの数をワークピース識別表示するオンボード検出器を更に提供するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記検出器は、数多くのワークピースの少なくとも1つのワークピース識別表示指示部を読み取ることが可能な読取機であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5−5A】
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【図6−6A】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図22】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図25A】
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【図25B】
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【公開番号】特開2012−15550(P2012−15550A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221201(P2011−221201)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【分割の表示】特願2007−528083(P2007−528083)の分割
【原出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(398029692)ブルックス オートメーション インコーポレイテッド (81)
【Fターム(参考)】