説明

低圧鋳造用溶湯保持炉及びそこでの溶湯供給方法

【課題】 小型化、熱エネルギの損失の軽減、鋳造製品の品質の安定化を可能とした低圧鋳造用溶湯保持炉及びそこでの溶湯供給方法を提供する。
【解決手段】 開閉可能な溶湯流通口30を介して連通する並設された溶湯保持室10と加圧室20とを備え、溶湯流通口30の閉状態下で溶湯保持室10内の溶湯を溶湯流通口30の開状態下で加圧室20に供給した後、溶湯流通口30の閉状態下で加圧室20内の溶湯を加圧することにより金型26のキャビティ27内に充填可能に形成した低圧鋳造用溶湯保持炉1において、前記供給に先立ち、溶湯流通口30を開状態にした際に溶湯保持室10から加圧室20に流動する溶湯に逆流を生じさせない予圧を溶湯流通口30の閉状態下で溶湯保持室10内に与え、溶湯流通口30の開状態下での前記供給時も、溶湯保持室10内の加圧状態を維持する加圧用気体を導入する加圧用気体供給口15が溶湯保持室10に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金鋳物の製造に好適な低圧鋳造用溶湯保持炉及びそこでの溶湯供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の鋳造用溶湯保持炉が公知である(例えば、特許文献1,2及び3参照。)。
【特許文献1】特開2001−321914号公報
【特許文献2】特開平11−138250号公報
【特許文献3】特開平3−258449号公報
【0003】
特許文献1には、溶湯保持室と加圧室とが溶湯流路口を介して互いに連通するとともに、この溶湯流路口が遮断弁により開閉され、溶湯流路口の閉状態下で加圧室内を加圧することにより、ストークを介して金型のキャビティ内に溶湯を充填するようにした低圧鋳造用溶湯保持炉が開示されている。
【0004】
特許文献2には、溶湯保持室と加圧部及び出湯部からなる加圧室とが溶湯流路口を介して互いに連通するとともに、この溶湯流路口が遮断弁により開閉され、溶湯流路口の閉状態下で加圧部内に加圧用気体を供給して、溶湯の表面を加圧することにより、出湯部の出湯口を介して金型のキャビティ内に溶湯を充填するようにした低圧鋳造用溶湯保持炉が開示されている。
【0005】
前述した種類の低圧鋳造用溶湯保持炉における溶湯保持室内には、当初、複数回、通常、20〜30回のショット(鋳込み)相当量の溶湯が貯留され、鋳込み後の溶湯保持室から加圧室への1ショット分の溶湯の供給は、溶湯流路口の開状態下で両室の湯面の高低差を利用して行われる。なお、操業開始或いは溶湯保持室内への溶湯補充時における溶湯の湯面高さについては、加圧室における溶湯の湯面高さより高くする方式と、加圧室における溶湯の湯面高さと同一高さにする方式とがある。
【0006】
特許文献3には、前記溶湯保持室に相当する加圧室と前記加圧室に相当する汲出室とが溶湯流路口を介して互いに連通するとともに、この溶湯流路口が遮断弁により開閉され、溶湯流路口が開かれた状態下で、加圧室内に加圧用気体を供給して、溶湯の表面を加圧して、溶湯を汲出室に一定湯面レベルになるまで流入させ、溶湯流路口の閉状態下で汲出室内に加圧用気体を供給して、溶湯の表面を加圧することにより、所定量の溶湯を給湯管、給湯口を経て射出スリーブに供給するようにしたダイカスト鋳造用溶湯保持炉が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の低圧鋳造用溶湯保持炉の場合、加圧室の湯面上方に加圧室の上限湯面高さと下限湯面高さとの高低差に等しい高さを有する空間が最小限必要となる。また、特許文献2に記載の低圧鋳造用溶湯保持炉の場合、加圧部の湯面上方に加圧部の上限湯面高さと下限湯面高さとの高低差に等しい高さの空間が最小限必要となる。このため、特許文献1に記載の低圧鋳造用溶湯保持炉の場合、ストークが長大化するとともに、加圧室が大型化するという問題がある。また、特許文献2に記載の低圧鋳造用溶湯保持炉の場合、加圧部が大型化するという問題がある。さらに、特許文献1及び2のそれぞれに記載の低圧鋳造用溶湯保持炉の場合、溶湯を金型のキャビティ内に溶湯を充填して後、加圧室或いは加圧部の湯面上方の空間を大気圧まで降下させる際に、高温の加圧用気体を大気放出させるため、熱エネルギの損失が大きいという問題がある。
【0008】
ところで、前記両保持炉では、一回の鋳造毎に溶湯保持室内に貯めた溶湯が加圧室に供給され、溶湯保持室内の湯面レベルが下限レベルに達する迄、この鋳造が何回か繰り返される。即ち、鋳造の繰り返しとともに加圧室内或いは抽出部内の湯面レベルが低下してくため、金型のキャビティ内へ溶湯を充填する時間間隔が初期鋳造時以降、長くなってゆき、生産効率が低下するだけでなく、ストーク或いは出湯口内での溶湯の滞留時間が長くなる。この結果、金型に充填される溶湯温度が低下してゆくため、一定品質の鋳造品が得難いという問題が生じる。
【0009】
一方、特許文献3に記載のダイカスト鋳造用溶湯保持炉の場合、前記溶湯保持室に相当する加圧室から前記加圧室に相当する汲出室への溶湯供給に関しては、この加圧室内が加圧されるようになっており、特許文献1及び2とは異なる面もあるが、この特許文献3における加圧室から汲出室への溶湯供給方法を特許文献1或いは2に記載の低圧鋳造溶湯保持炉に適用したところ、加圧室における湯面の揺動現象が発生し、これが加圧室への溶湯の安定的供給を阻害するため、一定品質の鋳造品が得難いという問題がある。
【0010】
そこで、本願発明者は種々の実験及び検討を重ねた結果、前記揺動現象の発生は、前記溶湯保持室と前記加圧室との連通を開始させる時点、即ち前記遮断弁の上昇開始時点における前記溶湯保持室内の圧力に関係し、これに起因しているとの知見を得た。
【0011】
本発明は、斯かる従来の問題をなくすことを課題として前記知見に基づきなされたもので、小型化、熱エネルギの損失の軽減、鋳造製品の品質の安定化を可能とした低圧鋳造用溶湯保持炉及びそこでの溶湯供給方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、第1発明は、開閉可能な溶湯流通口を介して連通する並設された溶湯保持室と加圧室とを備え、前記溶湯流通口の閉状態下で貯められた前記溶湯保持室内の溶湯を前記溶湯流通口の開状態下で前記溶湯保持室から前記加圧室に供給した後、前記溶湯流通口の閉状態下で前記加圧室内を加圧することにより前記加圧室内の溶湯を金型のキャビティ内に充填可能に形成した低圧鋳造用溶湯保持炉において、前記供給に先立ち、前記溶湯流通口を開状態にした際に前記溶湯保持室から前記加圧室に流動する溶湯に逆流を生じさせない予圧を前記溶湯流通口の閉状態下で前記溶湯保持室内に与え、前記溶湯流通口の開状態下での前記供給時も、前記溶湯保持室内の加圧状態を維持する加圧用気体を導入する加圧用気体供給口を前記溶湯保持室に設けた構成とした。
【0013】
第2発明は、第1発明の構成に加えて、前記充填が前記金型の下方から溶湯面下にかけて配置されたストークを介して行われる構成とした。
【0014】
第3発明は、第1発明の構成に加えて、前記加圧室が、前記溶湯流通口に通じる下部流通路と、底部で前記下部流通路に開口した加圧部と、前記加圧部とは分離して並設され、底部で前記下部流通路に開口した出湯部とからなり、前記加圧が前記加圧部にて行われ、前記充填が前記出湯部から行われる構成とした。
【0015】
第4発明は、溶湯保持室の底部の開閉可能な溶湯流通口の閉状態下で貯められた溶湯保持室内の溶湯を、前記溶湯保持室に前記溶湯流通口を介して連通し、並設された加圧室に溶湯流通口の開状態下で供給した後、溶湯流通口の閉状態下で前記加圧室内を加圧して前記加圧室内の溶湯を金型のキャビティ内に充填する低圧鋳造用溶湯保持炉における溶湯供給方法において、前記供給に先立ち、前記溶湯流通口を開状態にした際に前記溶湯保持室から前記加圧室に流動する溶湯に逆流を生じさせない予圧を前記溶湯流通口の閉状態下で前記溶湯保持室内に与え、前記溶湯流通口の開状態下での前記供給時も、前記溶湯保持室内の加圧状態を維持する構成とした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、溶湯保持室から加圧室への溶湯の供給時に、溶湯の逆流防止或いは脈動防止により加圧室内での溶湯の揺動現象の発生が抑制される結果、湯面上の酸化物の溶湯中への混入が減少し、溶湯の良好な純度が維持されるという効果を奏する。
【0017】
また、前記揺動現象の抑制により、湯面レベルを精度良く把握でき、定湯面を確実に確保できるため、定湯面位置を加圧室内の天井部近傍に設定することが可能となり、加圧室の内容積の縮小、ストーク長の短縮による低圧鋳造用溶湯金属保持炉の小型化が可能となる他、溶湯温度の低下も抑制され、これら全てが関係し合って熱エネルギの損失も軽減される等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る低圧鋳造用溶湯保持炉1を示し、この低圧鋳造用溶湯保持炉1は、並列配置された溶湯保持室10と加圧室20と備え、この両室は溶湯流路口30を介して互いに連通している。
【0019】
溶湯保持室10は、上部に保持室蓋11を備えるとともに、耐火物からなる内壁の側面部にチューブヒータ12及び温度センサ13を備え、溶湯は保持室蓋11を貫いて設けられた溶湯供給口14から供給され、内部に貯えた溶湯を一定温度範囲内に保持可能に形成されている。また、この溶湯保持室10は加圧用気体供給口15に通じており、ここからの加圧用気体により室内の加圧が可能となっており、その圧力は圧力センサ16により検出される。さらに、保持室蓋11の下方に向けて湯面の上限レベルを検出するためのレベルセンサ17が設けられている。
【0020】
加圧室20は、上部に加圧室蓋21を備えるとともに、耐火物からなる内壁の側面部にチューブヒータ22を備え、加圧用気体供給口23に通じており、ここからの加圧用気体により室内の加圧が可能となっている。加圧室蓋21の上面には下ダイベース24が固定され、下ダイベース24から加圧室蓋21を貫いて筒状のストーク25が設けられている。また、下ダイベース24上には、金型26が固定され、金型26のキャビティ27と加圧室20内とは、ストーク25とキャビティ27との間に形成された湯口28及びストーク25内の空間部を介して連通している。さらに、加圧室蓋21の下方に向けて溶湯供給時における定湯面レベルを検出するためのレベルセンサ29がその先端を天井部近傍に位置させるように設けられている。
【0021】
溶湯流路口30は、溶湯保持室10の底部に設けられ、この溶湯流路口30を介して溶湯保持室10と加圧室20とが連通可能となっている。この溶湯流路口30の溶湯保持室10への開口部に形成された弁座31の上方には、保持室蓋11を気密に、かつ昇降可能に貫いて、溶湯流路口30を開閉する遮断弁32が設けられている。即ち、遮断弁32は、下降時に弁座31に押圧して溶湯流路口30を閉じ、上昇時に弁座31から離れて溶湯流路口30を開く。
【0022】
なお、図1において、二点鎖線Uは溶湯保持室10内の湯面の上限レベルを示し、二点鎖線Lは湯面の下限レベルを示している。
【0023】
次に、本発明に係る低圧鋳造用溶湯保持炉での溶湯供給方法を上記構成からなる低圧鋳造用溶湯保持炉1に適用して説明する。
遮断弁32が上昇位置にある溶湯流路口30の開状態下で溶湯供給口14から溶湯保持室10内に溶湯を湯面上限レベルUに湯面が達するまで供給した後、遮断弁32を下降させて溶湯流路口30を閉状態とする。そして、加圧用気体供給口15から溶湯保持室10内に加圧用気体を導入して、室内に10〜14kPaの予圧を与え、この圧力状態を維持する。なお、前記予圧は、後の溶湯保持室10から加圧室20への溶湯の供給時に、加圧室20に向けて流動する溶湯に逆流が生じるのを防止するのに必要な圧力であって、この予圧の値は溶湯保持室10及び加圧室20の内容積や溶湯の種類等により異なり、実操業に先立ち、実験的に決定される。また、この予圧は、最終ショット時に対応する圧力値或いは各ショット時に対応する圧力値とすることができる。
【0024】
溶湯保持室10に予圧が与えられると、遮断弁32を上昇させて溶湯流路口30を開き、溶湯保持室10から溶湯流路口30を介して加圧室20に溶湯の流入を開始し、引続き、溶湯保持室10内の加圧状態を維持して、加圧室20に設けたレベルセンサ29により定湯面が検知される迄、溶湯の流入を続けた後、遮断弁32を下降させて溶湯流路口30を閉じるとともに、加圧用気体の導入を停止させ、溶湯の流入を停止させる。なお、前記加圧状態は、予圧時における加圧状態と必ずしも同一に維持する必要はなく、適宜、任意の加圧状態に維持してもよい。例えば、加圧室20への流入期後半における湯面の上昇速度を低下させる場合は、加圧室20内の圧力を降下させ、或いは加圧用気体の導入量を減少させる。
【0025】
溶湯供給口30が閉じられると、この閉状態下で、加圧用気体供給口23から加圧室20内に乾燥空気等の加圧用気体を導入して加圧室20内の溶湯を加圧することによりストーク25内の湯面レベルを押し上げ、金型26のキャビティ27内に溶湯を充填する。
【0026】
溶湯の充填状態を維持したままで、湯口28の箇所における溶湯が凝固する所定時間が経過すると、加圧用気体の導入を停止させ、加圧室20内の圧力を大気圧或いはその近くまで降下させる。
【0027】
続いて、金型26の上金型部と横金型部を開いて鋳物製品を取出した後、再度、金型26の上金型部と横金型部を閉じて一体化させることにより1ショットの操作が完了する。
【0028】
これ以降は、1ショット毎に、溶湯保持室10から加圧室20に溶湯を供給して前述の各操作を繰り返し、溶湯保持室10内の湯面が下限レベルLまで降下すると、溶湯供給口14から溶湯保持室10に新たな溶湯を上限レベルUに達する迄供給する。
【0029】
図2は、本発明の第2実施形態に係る低圧鋳造用溶湯保持炉2を示し、この低圧鋳造用溶湯保持炉2において、図1に示す低圧鋳造用溶湯保持炉1と互いに共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
【0030】
この低圧鋳造用溶湯保持炉2では、溶湯は図示しない溶湯供給口から溶湯保持室10に供給されるようになっている。また、加圧室20は、加圧部20Aと出湯部20Bと下部流通路20Cとからなり、加圧部20Aと出湯部20Bとは互いに分離されて並設され、下部流通路20Cは加圧部20A及び出湯部20Bのそれぞれの底部を連通させるとともに、溶湯流路口30に通じている。
【0031】
斯かる構成により、溶湯流路口30の閉状態下で加圧用気体供給口23から加圧部20A内に乾燥空気等の加圧用気体を導入して加圧部20A内の溶湯を加圧することにより出湯部20B内の湯面レベルが押し上げられ、金型26のキャビティ27内に溶湯が充填されるようになっており、低圧鋳造用溶湯保持炉2は低圧鋳造用溶湯保持炉1におけるストーク25内を出湯部20Bとみなし、加圧室20内でかつストーク25外の部分を加圧部20Aと見なせば、低圧鋳造用溶湯保持炉1及び2は実質的に同一となる。従って、この低圧鋳造用溶湯保持炉2での溶湯供給方法についても、ストーク25内を出湯部20Bと見なし、加圧室20内でかつストーク25外の部分を加圧部20Aと見なせば、実質的に同一となる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明に係る低圧鋳造用溶湯保持炉及びそこでの溶湯供給方法は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金鋳物の製造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態に係る低圧鋳造用溶湯保持炉の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る低圧鋳造用溶湯保持炉の断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1,2 低圧鋳造用溶湯保持炉
10 溶湯保持室
11 保持室蓋
12 チューブヒータ
13 温度センサ
14 溶湯供給口
15 加圧用気体供給口
16 圧力センサ
17 レベルセンサ
20 加圧室
20A 加圧部
20B 出湯部
20C 下部流通路
21 加圧室蓋
22 チューブヒータ
23 加圧用気体供給口
24 下ダイベース
25 ストーク
26 金型
27 キャビティ
28 湯口
29 レベルセンサ
30 溶湯流路口
31 弁座
32 遮断弁
U 湯面上限レベル
L 湯面下限レベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な溶湯流通口を介して連通する並設された溶湯保持室と加圧室とを備え、前記溶湯流通口の閉状態下で貯められた前記溶湯保持室内の溶湯を前記溶湯流通口の開状態下で前記溶湯保持室から前記加圧室に供給した後、前記溶湯流通口の閉状態下で前記加圧室内を加圧することにより前記加圧室内の溶湯を金型のキャビティ内に充填可能に形成した低圧鋳造用溶湯保持炉において、
前記供給に先立ち、前記溶湯流通口を開状態にした際に前記溶湯保持室から前記加圧室に流動する溶湯に逆流を生じさせない予圧を前記溶湯流通口の閉状態下で前記溶湯保持室内に与え、前記溶湯流通口の開状態下での前記供給時も、前記溶湯保持室内の加圧状態を維持する加圧用気体を導入する加圧用気体供給口を前記溶湯保持室に設けたことを特徴とする低圧鋳造用溶湯保持炉。
【請求項2】
前記充填が前記金型の下方から溶湯面下にかけて配置されたストークを介して行われることを特徴とする請求項1に記載の低圧鋳造用溶湯保持炉。
【請求項3】
前記加圧室が、
前記溶湯流通口に通じる下部流通路と、
底部で前記下部流通路に開口した加圧部と、
前記加圧部とは分離して並設され、底部で前記下部流通路に開口した出湯部とからなり、
前記加圧が前記加圧部にて行われ、前記充填が前記出湯部から行われることを特徴とする請求項1に記載の低圧鋳造用溶湯保持炉。
【請求項4】
溶湯保持室の底部の開閉可能な溶湯流通口の閉状態下で貯められた溶湯保持室内の溶湯を、前記溶湯保持室に前記溶湯流通口を介して連通し、並設された加圧室に溶湯流通口の開状態下で供給した後、溶湯流通口の閉状態下で前記加圧室内を加圧して前記加圧室内の溶湯を金型のキャビティ内に充填する低圧鋳造用溶湯保持炉における溶湯供給方法において、
前記供給に先立ち、前記溶湯流通口を開状態にした際に前記溶湯保持室から前記加圧室に流動する溶湯に逆流を生じさせない予圧を前記溶湯流通口の閉状態下で前記溶湯保持室内に与え、
前記溶湯流通口の開状態下での前記供給時も、前記溶湯保持室内の加圧状態を維持する
ことを特徴とする低圧鋳造用溶湯保持炉での溶湯供給方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−231341(P2006−231341A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45368(P2005−45368)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000142883)株式会社五十鈴製作所 (14)
【出願人】(391003727)株式会社トウネツ (12)
【Fターム(参考)】