説明

低汚染性の建築用シール材及び建築材料

【課題】 シリコーンオイル付着に起因する汚れの発生を防止でき、また、光触媒膜や親水性膜による防汚効果、セルフクリーニング効果を低下させることのない建築用シール材及び建築材料を提供する。
【解決手段】 建築材料と組み合わせて用いられるシール材として、変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなるシール材を用いる。このようなシーラント材からなる建築用シール材を用い、光触媒膜や親水性膜による防汚処理を施したガラス、アルミパネル、アルミ押出形材、タイル等の建築材料の施工・取付を行なう。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低汚染性の建築用シール材(予め成形された所定形状の固体のシール材及び液状のシール材のいずれも含む。)及び建築材料に関し、さらに詳しくは、防汚作用、特に光触媒作用を利用した建築物外装等の汚れの低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】カーテンウォール等の外装建材の場合、ガラス、金属、石材等のパネル材を枠材に固定し、水密性、気密性を持たせる為のシール材として、耐候性に優れ、適度な弾力を有するシリコーン系のシール材(シリコーンシーラント)が広範に使用されている。しかし、シリコーンシーラントを用いた場合、時間の経過と共にその内部に含有されたシリコーン系のオイルが表面に徐々に滲み出し、さらには、風雨等によって飛散してパネル材や枠材の表面(室外側表面)に拡散、付着する。シリコーンオイルは疎水性であり、種々の汚れが付着し易い。そのため、排気ガス、煤煙、塵埃などの汚れを建材表面に固着させるバインダーとして作用する。従って、シリコーンシーラントを用いた建築物外装は非常に汚れ易く、建築物外装の黒ずみ汚れの原因となり、建築物の美観を低下させる大きな問題となっていた。さらに、この汚れは通常の界面活性剤を用いた洗浄剤によるビル清掃等で除去することができず、クリーニング方法が課題とされていた。
【0003】上記のような課題に対して、本発明者らは、外装建材に、シール材に接する部位を除き、その近傍表面に光触媒膜をコーティングすることによって、シリコーンオイルに起因する汚れを低減できることを見出し、既に特許出願している(特開平8−302856号)。また、基材に対する水の接触角を低下させ、親水性を呈するようにすると、汚れも低減するいう現象も見出され、この作用を利用した防汚建材が開発されている(例えば、特開平9−228602号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、光触媒を外装建材に応用すると、シリコーンオイルに起因する汚れの防止及びセルフクリーニング化にかなりの効果がある。しかし、外装建材のシール材直下部等、シリコーンオイルが大量に滞留する部位では、汚染速度が光触媒作用による分解除去速度や親水性による洗浄速度を上回り、汚れの除去効果が低下してしまう。また、一旦シリコーンオイルが付着すると、このシリコーンオイル自身が光触媒作用によって変質してしまい、光触媒膜表面から容易に除去できないことが判明した。
【0005】上記の点について説明すると、シリコーンオイルは珪素−酸素結合を骨格としており、また珪素にメチル基等のアルキル基が結合している。一方、酸化チタン等の光触媒は、紫外線照射下で空気中の水分や酸素を活性種に変化させ、この活性種がシリコーンオイルのアルキル基を酸化・分解し、珪素−酸素結合を生じさせていく。従来の光触媒膜の組成は、例えば特許第2756474号公報に示されているように、光触媒膜の親水性を向上させるために、あるいは暗時での水接触角の増大を防止するために、無機系酸化物、特にシリカ系酸化物やシリコーン樹脂が配合されている。このような物質と前記珪素−酸素結合を生じて高分子化したシリコーンオイルは、同様の化学結合を有しているため化学的親和性に優れており、一旦シリコーンオイルが変質して光触媒膜上に付着すると、その除去が非常に困難となる。
【0006】さらに、光触媒作用によるシリコーンオイルのアルキル基の分解が不充分であった場合、このシリコーンオイル変質物は、残存アルキル基によって撥水性を示す。このような物質が光触媒膜表面に固着すると、光触媒膜の親水化を阻害するため、水による易洗浄性を大きく低下させる。易洗浄性が低下した光触媒膜表面には各種汚れが堆積してしまい、光触媒膜表面を覆い、この光触媒膜への光の入射量を著しく低減させてしまう。従って、光触媒膜の有する有機物酸化分解効果が低下し、シリコーンオイル変質物の残存アルキル基の分解が行なえなくなってしまう。また、光触媒膜の親水化現象をも阻害してしまう。
【0007】前記のような理由により、シリコーンオイルが光触媒膜表面に多量に付着すると、光触媒膜の有する有機物分解効果及び親水化効果を阻害し、その除去自体が困難になるばかりでなく、このシリコーンオイル変質物によって堆積した汚れを水によって除去することが非常に困難となる。従って、本発明の目的は、前記したようなシリコーンオイル付着に起因する汚れの発生を防止でき、また、光触媒膜や親水性膜による防汚効果、セルフクリーニング効果を低下させることのない建築用シール材と建築材料及びそれらの組合せ技術を提供することにあり、さらに、このような建築用シール材や建築材料を用いることによって長期間に亘ってきれいな美観を維持できる建築物外装を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明によれば、建築材料と組み合わせて用いられるシール材であって、変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなることを特徴とする建築用シール材が提供される。さらに本発明によれば、変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなるシール材と組み合わせて用いられる建築材料であって、建築材料の表面に防汚作用を有する材料層、特に光触媒作用を有する材料層が設けられていることを特徴とする建築材料が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】前記した課題を解決するために、本発明は、建築材料と組み合わせて用いられるシール材として、シリコーンオイルが滲み出すことのない変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなるシール材を用いるものである。このようなシーラント材からなる建築用シール材を用い、光触媒膜や親水性膜による防汚処理を施したガラス、アルミパネル、アルミ押出形材、タイル等の建築材料の施工・取付を行なうことにより、シリコーンオイル付着に起因する汚れの発生がないため、光触媒膜や親水性膜による防汚効果、セルフクリーニング効果を長期に亘って安定して発揮することができ、建築物外装の美観を長期に亘って維持することができる。
【0010】上記シール材と組み合わせて用いる建築材料としては、表面に親水性膜や光触媒膜等の防汚作用を有する材料層、特に光触媒作用を有する材料層を設けたものが用いられる。親水性膜としては、無機系酸化物、特にシリカ系酸化物を含有する膜が好適に用いられ、表面を親水性にすることによって汚れが付着し難くなり、また雨水や洗浄水等によってクリーニングし易くなるが、特に光触媒作用によって積極的に汚れを分解する光触媒膜を設けた建築材料を用いることが好ましい。光触媒微粒子は光照射下で生じる活性酸素種により抗菌・防黴効果を発揮することが知られており、外装建材の汚れを低減できるのみならず、菌や黴の発生をも防止することが可能となる。
【0011】外装建材の上に形成される前記光触媒膜としては、従来公知の種々の光触媒膜とすることができ、また、光触媒作用を示す半導体そのものからなる薄膜や、光触媒微粒子のみから形成される薄膜、抗菌性金属又は抗菌性金属化合物の微粒子を担持する光触媒微粒子から形成される薄膜、さらには、光触媒微粒子あるいはさらに必要に応じて抗菌性金属又は抗菌性金属化合物の微粒子を適当な無機系、有機系のバインダーや塗料中に添加、分散した混合物から形成した膜など、種々の態様を含む。また、光触媒膜の構造は、連続薄膜、不連続薄膜、島状分散薄膜等のいずれの構造であってもよく、さらに単一層に限られるものではなく、多層構成としてもよい。さらに、半導体微粒子もしくは半導体微粒子を含む材料からなる光触媒膜と、膜中又は/及び膜表面に酸化剤又は/及び撥油剤あるいはさらに光触媒作用促進剤を添加又は/及び担持させた光触媒膜との二層構造とすることもできる。
【0012】光触媒作用を有する半導体としては、電子−正孔移動度が比較的大きく、光触媒作用を有する半導体であればいずれも使用可能であり、例えばTiO2、SrTiO3、ZnO、CdS、SnO2等が挙げられるが、これらの中でも特にTiO2が好ましい。また、このような光触媒作用を有する半導体と共に銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属又は抗菌性金属化合物を共存させれば、例えば抗菌性金属又は抗菌性金属化合物を表面に析出させた半導体微粒子を用いたり、光触媒膜中に半導体微粒子と共に分散させたり、あるいは光触媒膜表面に付着させたりすれば、光が照射されない夜間であっても抗菌・防黴性が維持されるようになる。
【0013】光触媒作用を有する半導体、抗菌性金属又は抗菌性金属化合物の形態としては、個々の微粒子の形態、光触媒微粒子の表面に抗菌性金属又は抗菌性金属化合物が部分的に(又は一部の粒子は全体的でも構わない)付着している形態、光触媒微粒子の表面にシリカ等の無機質バインダー微粒子が部分的に付着している形態、光触媒微粒子の表面に無機質バインダー微粒子と抗菌性金属又は抗菌性金属化合物が部分的に付着している形態、抗菌性金属又は抗菌性金属化合物が付着している無機質バインダー微粒子が光触媒微粒子の表面に付着している形態など、種々の形態を採用できる。
【0014】使用する光触媒微粒子の粒径は、約0.005μm以上、約1μm以下、好ましくは約0.01〜0.3μmが適当である。粒径が0.005μmよりも小さくなると、量子サイズ効果によりバンドギャップが大きくなり、高圧水銀灯等の短波長光を発生する照明下でないと光触媒作用が得られないといった問題がある。また、粒径があまりに小さ過ぎると、取り扱いが困難であったり、バインダー中への分散性が悪くなるという問題も生じてくる。取り扱い性の点からは0.01μm以上の粒径が好ましい。一方、粒径が1μmを超えると、膜表面に比較的大きな光触媒微粒子が存在することになるため、表面の滑らかさが乏しくなり、また膜表面に露出した粒子が脱落し易くもなる。表面の平滑さ等を考慮すると0.3μm以下の粒径が好ましい。
【0015】光触媒作用を有する半導体のコーティング方法としては、ディップ法、スパッタ法、溶射法、スプレー法など種々の方法を用いることができるが、適当な塗料中に光触媒微粒子又はその前駆体、あるいは必要に応じて抗菌性金属又は抗菌性金属化合物の微粒子を分散させ、これを基材にスプレー塗布、乾燥することによってコーティングし、加熱硬化する方法が好ましい。基材やその表面の被膜が高温に耐えられる場合には、上記の種々のコーティング方法で光触媒膜の形成が可能であるが、耐熱性が劣る樹脂材料からなる場合は、高温に加熱することが難しくなる。その場合には、適当な塗料中に光触媒微粒子を分散させ、これを基材にスプレー塗布、乾燥することによってコーティングする方法を採用すればよい。また、光触媒微粒子を分散させた塗料の基材(無機系バインダー)が後述するような中間層の塗料の被膜形成成分と同一の場合、中間層と光触媒層の密着性がより一層向上する効果が得られる。
【0016】塗料中に光触媒微粒子を分散させ、これをスプレー塗布するコーティング方法の場合、混合する光触媒微粒子の割合は、光触媒膜全体の体積に対し、0.5〜50%(ここで50%は、光触媒微粒子の体積と塗料基材の体積が等しいことに相当する。)の範囲にあることが好ましい。光触媒微粒子の割合が0.5%より少なくなると、光触媒作用を発揮する光触媒微粒子の量が不足し、ひいては充分な光触媒作用が得られなくなる。
【0017】光触媒膜の膜厚は、0.01〜10μmが適当である。膜厚が厚いと光触媒活性を長期間に亘って高く維持でき、また光干渉による着色も減少するなどの利点があるが、10μmを超える膜厚になると、光触媒膜が剥離し易くなり、また生産性やコストの面からも好ましくない。特に、光触媒膜をコーティングした後、組立時や施工時に剥離が起き易くなる。なお、この程度の膜厚であれば、光触媒膜に白化等の問題を生ずることなく充分に高い透明性を保持できる。
【0018】また、各種有機材料や有機被膜を形成した材料上に光触媒膜を形成する場合、光触媒作用によって有機基材(有機被膜)が侵されないように、有機基材(有機被膜)と光触媒膜との間に、光触媒作用により侵されない材料からなる膜厚約3.2μm以上、数十μm程度以下、好ましくは約10μm以下の中間層を介在させることが好ましい。光触媒作用により侵されない中間層としては、シリカ、アルミナ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、SiO2+MOx(MOxはP25、B23、ZrO2、Ta25等の少なくとも1種の金属酸化物)、あるいは窒化物、酸窒化物、硫化物、炭化物、カーボン等のセラミックス、金属などの各種無機材料の薄膜を好適に用いることができる。また、光触媒作用によって侵されない、もしくは非常に侵され難いシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等の有機材料の薄膜も用いることができる。なお、これらの材料は光触媒微粒子の分散塗料の基剤(バインダー)としても使用できる。
【0019】さらに、光触媒膜中又は/及び光触媒膜表面に酸化剤又は/及び撥油剤を添加又は/及び担持させることによって、光触媒作用による有機物酸化分解と酸化剤による有機物酸化分解の相乗効果で有機物酸化分解能力を著しく向上させることができ、あるいは光触媒膜と油脂分との化学的親和性を低下させる、すなわち撥油性を高めることができる。このような酸化剤としては、例えば、Na2CrO4等のクロム酸塩及びクロム酸関連化合物、KMnO4等の過マンガン酸塩、AgNO3等の硝酸塩及び硝酸関連化合物、CuSO4等の硫酸塩、FeCl3等の金属塩化物類、CuO、Ag2O等の酸化物などが挙げられる。
【0020】また、上記酸化剤の他に、光触媒膜中又は/及び光触媒膜表面に、光触媒作用促進剤としてAu、Ag、Pt、Pd、Cu等の金属や金属イオン、これらの金属の塩化物、硫化物、硝酸化合物等の金属化合物の少なくとも1種を添加又は/及び担持させることによって、光触媒作用がさらに向上し、汚染をさらに低減することができる。なお、これらの金属や金属化合物の大部分は、前述した抗菌性金属もしくは抗菌性金属化合物としても作用する。
【0021】また、通常の光触媒膜は、光照射下で水の接触角が小さくなるという親水化と同時に、各種油脂成分の接触角も低下するという親油化現象を起こすことが知られている。すなわち、光照射下の光触媒膜表面は、水のみならず各種油脂成分に対する化学的親和性に優れているため、油脂分が付着した場合、この油脂分と光触媒膜の界面に水が入り込んで油脂分を浮かび上がらせることが困難となっている。しかし、光触媒膜中又は/及び光触媒膜表面に撥油剤を添加又は/及び担持させて光触媒膜を撥油化し、光触媒膜表面と油脂分の化学的親和性を小さくすれば、油脂分と光触媒膜の界面に水が入り込んで油脂分を浮かび上がらせ易くなり、この浮かび上がった油脂分は水で容易に洗い流すことが可能になる。このような撥油剤としては、フッ素化合物、シリコン化合物等の撥油性を示す化合物が挙げられ、光触媒膜中にこれらの撥油剤を添加したり、光触媒膜表面に塗布するなど、種々の態様で実施できる。
【0022】本発明のシール材は様々な用途に適用可能であるが、低汚染性であるため、建築用外装材、例えば枠材、パネル材、シール材からなる外装建材ユニット(例えばカーテンウォール)の他、サイディング材、屋根材などの目地にシール材を用いる外装建材、タイル材などの目地にシール材を用いる内装あるいは外装建材、建材と壁材との接合部にシール材を用いる外装建材などに特に有利に適用できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例、比較例及び試験例を示して本発明の効果についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下の実施例及び比較例で用いたパネル材は、図1に示す形状及びサイズのパネル材(アルミ曲げ加工材)1に、フッ素塗装(日本ペイント(株)製デュフロンK500、色:白色)を施し、その後、日本曹達(株)製シリコーン系コーティング剤「ビストレーターL、NSC−200A」をスプレーで塗布し、90℃で30分間加熱して硬化させて中間層を形成し、さらにこの上に、日本曹達(株)製光触媒膜コーティング剤「ビストレーターL、NSC−200C」をスプレーで塗布し、120℃で30分間加熱して硬化させて作製したものである。
【0024】実施例1前記パネル材1の目地部2に、図2に示すように、シール材3として、横浜ゴム(株)製変成シリコーン系シーラント材「ハマタイトスーパーII」を施工した。
【0025】実施例2前記パネル材1の目地部2に、図2に示すように、シール材3として、サンスター技研(株)製ポリイソブチレン系シーラント材「ペンギンシール7000」を施工した。
【0026】比較例1前記パネル材1の目地部2に、図2に示すように、シール材3として、信越化学(株)製シリコーン系シーラント材「シーラント70」を施工した。
【0027】試験例前記実施例1、2及び比較例1において作製した各パネル材を屋外に暴露し、パネル材下半部の中心部とシール材直下部の色差ΔEの経時変化を測定し、汚染状況を判定した。ここで、ΔEは、暴露前の色相と暴露後の色相の差異を示し、この数字が大きいほど汚染状況が顕著であったことを示す。その結果を図3に示す。
【0028】図3に示す結果から明らかなように、実施例1及び2ではパネル材下半部の中心部及びシール材直下部共に色差2程度の変化であり、良好な防汚性能を発揮した。しかし、比較例1では、まず、シール材直下部が著しく汚れ、さらに時間の経過と共にパネル中心部(パネル下半部の中心部、以下同様)まで汚れていったことがわかる。これは、シリコーン系シーラント材からシリコーンオイル成分が滲み出し、当初はシール材直下部のみを汚染するが、徐々に汚染領域が拡大し、パネル中心部にまで達したことを意味する。このように、光触媒防汚建材の施工にシリコーン系シーラントを使用することは防汚効果を安定に発揮させるためには好ましくなく、変成シリコーン系シーラントやポリイソブチレン系シーラントを用いることが好ましいことがわかる。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シリコーンオイルが滲み出すことのない変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなる建築用シール材を用い、光触媒膜や親水性膜による防汚処理を施したガラス、アルミパネル、アルミ押出形材、タイル等の建築材料の施工・取付を行なうことにより、シリコーンオイル付着に起因する汚れの発生がないため、光触媒膜や親水性膜による防汚効果、セルフクリーニング効果を長期に亘って安定して発揮することができ、建築物外装の美観を長期に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いたパネル材の形状及びサイズを示し、(A)は正面図、(B)は断面図を示している。
【図2】図1に示すパネル材にシール材を施工した態様を示し、(A)は正面図、(B)は断面図を示している。
【図3】試験例における屋外暴露試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 パネル材
2 目地部
3 シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 建築材料と組み合わせて用いられるシール材であって、変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなることを特徴とする建築用シール材。
【請求項2】 変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなるシール材と組み合わせて用いられる建築材料であって、シール材以外の建築材料の表面に防汚作用を有する材料層が設けられていることを特徴とする建築材料。
【請求項3】 変成シリコーン系又はポリイソブチレン系のシーラント材からなるシール材と組み合わせて用いられる建築材料であって、シール材以外の建築材料の表面に光触媒作用を有する材料層が設けられていることを特徴とする建築材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2002−167871(P2002−167871A)
【公開日】平成14年6月11日(2002.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−368560(P2000−368560)
【出願日】平成12年12月4日(2000.12.4)
【出願人】(591115936)
【出願人】(592116165)
【出願人】(000006828)ワイケイケイ株式会社 (263)
【Fターム(参考)】