説明

作業機本体移動装置

【課題】ねじ機構により作業機本体をベースに対して移動させる作業機本体移動装置を改善する。
【解決手段】印刷機本体20が保持する雄ねじ部材148の前端部にフランジ部240を設けてロッド252を軸方向に相対移動可能に嵌合し、その移動により、ロッド252のフランジ部240から後方への突出部に取り付けた係合板292を、ベース22に固定の係合部材330と係合する係合位置と、軸方向において係合部材330から外れ、係合しない非係合位置とに移動させる。印刷機本体20のベース22からの引出し時には着脱ハンドル302の操作部308を貫通孔250に挿入し、ロッド252を後退させて係合板292を非係合位置へ移動させ、雄ねじ部材148の回転を許容させる。引出し後、作業者は着脱ハンドル302をフランジ部240から取り外し、別の作業者がフランジ部240を回転させて印刷機本体20を後退させることができないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機本体移動装置に関するものであり、特に、互いに螺合された雄ねじ部材およびナットを含むねじ機構により、作業機本体をベースに対して移動させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、システムベース上に複数の電子回路部品装着機が1列に配置された電子回路部品装着システムが記載されている。この電子回路部品装着システムにおいては、電子回路部品装着機の装着機本体に車輪が設けられており、システムベース上に設けられたガイドレールに係合させられることにより、作業者はガイドレールに案内させつつ、装着機本体をシステムベースから前方へ引き出し、電子回路部品装着機についてメンテナンス等を行うことができる。
【0003】
また、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2010−110427の明細書に記載のスクリーン印刷機においては、ベースに印刷機本体を前方へ移動可能に支持させるとともに、ねじ機構によって移動させるようにされている。雄ねじ部材が印刷機本体に回転可能かつ軸方向に相対移動不能に設けられ、ナットがベースに回転不能かつ軸方向に僅かな距離相対移動可能に設けられており、雄ねじ部材が回転させられることにより、印刷機本体がベースに対して前進,後退させられる。このねじ機構は、雄ねじ部材とナットとが複数のボールを介して螺合させられたボールねじ機構とされており、雄ねじ部材とナットとの間の摩擦係数が小さく、作業者は雄ねじ部材を小さい力で回転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−104075公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このねじ機構を含む印刷機本体移動装置には未だ改善の余地がある。例えば、印刷機本体をベースから引き出すことにより印刷機本体の後方に得られるスペースに作業者が入り、印刷機本体の後方から内部の装置についてメンテナンス作業等を行っている最中に、別の作業者によって印刷機本体が移動させられることがあれば、作業中の装置の部品や配線、あるいは使用中の計器等に無用な力が加えられて損傷する恐れがあり、また、作業者を驚かせることがあるという不都合があるのである。特に、ねじ機構がボールねじ機構とされている場合、作業者が雄ねじ部材を回転操作しなくても、印刷機本体に前進方向あるいは後退方向の力を加えれば雄ねじ部材が回転し、印刷機本体を動かし得るため、一層部品や配線あるいは計器の損傷が生じ、あるいは作業者を驚かせ易い。
この不都合は、電子回路部品装着機,接着剤塗布機,回路基板検査機,装着状態検査機等、スクリーン印刷機以外の対回路基板作業機や、対回路基板作業機以外の作業機、例えば、対象物に対する被組付物の組付けを行う組付機、対象物を加熱する加熱機等、種々の作業機において作業機本体がベースに対して移動させられる場合に同様に生じる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、ねじ機構により作業機本体をベースに対して移動させる作業機本体移動装置の改善を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、互いに螺合された雄ねじ部材とナットとの一方が作業機の本体である作業機本体に、他方がその作業機本体を移動可能に支持するベースに、それぞれ軸方向に相対移動不能に保持されるとともに、それら雄ねじ部材とナットとのいずれか一方が回転可能な回転ねじ部材とされる一方、それら雄ねじ部材とナットとの他方が回転不能とされ、前記回転ねじ部材が回転させられることにより、前記作業機本体を前記ベースに対して移動させるねじ機構を含む作業機本体移動装置を、(a)操作装置本体とその操作装置本体に着脱が可能な操作部材とを含み、前記作業機本体と前記ベースとの一方に設けられ、前記操作部材が前記操作装置本体に取り付けられて回転操作されることにより、前記回転ねじ部材を回転させる回転操作装置と、(b)前記作業機本体と前記ベースとのうち前記回転操作装置を保持する側のものに固定的に設けられた固定係合部と、(c)前記回転操作装置に設けられ、前記固定係合部と係合してその回転操作装置の回転を妨げる係合位置と、係合しない非係合位置とに移動可能な可動係合部と、(d)前記操作部材が前記操作装置本体から取り外された状態では前記可動係合部を前記係合位置に保ち、操作部材が装着されればその可動係合部を前記非係合位置へ移動させる可動係合部制御装置とを含むものとすることにより解決される。
なお、「互いに螺合された雄ねじ部材とナットとの一方が作業機本体に、他方がベースに、それぞれ軸方向に相対移動不能に保持される」といっても、作業機本体移動装置の構成要素として機能する上で、原理上、作業機本体およびベースに対して移動しないということであって、後述の実施形態におけるように、実際上の都合によって、僅かな距離相対移動可能とされることまで排除するものではない。
【発明の効果】
【0007】
操作部材を操作装置本体に装着すれば、その操作により作業者は回転ねじ部材を容易に回転させることができる上、可動係合部は操作部材が装着されない限り係合位置に位置して回転操作装置の回転操作を妨げる。そのため、回転操作装置に何らかの手段により回転トルクが加えられても、あるいは作業機本体に前進方向あるいは後退方向の力が加えられても、回転ねじ部材の回転が阻止され、作業機本体が前進あるいは後退させられることが防止される。それにより、例えば、作業者が作業機本体をベースから前方へ引き出した状態で操作部材を回転操作装置から取り外し、可動係合部が非係合位置へ移動させられないようにしておけば、作業機本体が後退させられることはなく、作業者が作業機本体の後方において作業中であっても、作業対象装置の部品や配線、あるいは使用中の計器が損傷したり、作業者が驚かされたりすることが回避される。
【発明の態様】
【0008】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むことがある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施形態の記載,従来技術,技術常識等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0009】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項が請求項4に、(5)項が請求項5に、(6)項が請求項6に、(7)項が請求項7に、(10)項が請求項8にそれぞれ相当する。
【0010】
(1)互いに螺合された雄ねじ部材とナットとの一方が作業機の本体である作業機本体に、他方がその作業機本体を移動可能に支持するベースに、それぞれ軸方向に相対移動不能に保持されるとともに、それら雄ねじ部材とナットとのいずれか一方が回転可能な回転ねじ部材とされる一方、それら雄ねじ部材とナットとの他方が回転不能とされ、前記回転ねじ部材が回転させられることにより、前記作業機本体を前記ベースに対して移動させるねじ機構を含む作業機本体移動装置であって、
操作装置本体とその操作装置本体に着脱が可能な操作部材とを含み、前記作業機本体と前記ベースとの一方に設けられ、前記操作部材が前記操作装置本体に取り付けられて回転操作されることにより、前記回転ねじ部材を回転させる回転操作装置と、
前記作業機本体と前記ベースとのうち前記回転操作装置を保持する側のものに固定的に設けられた固定係合部と、
前記回転操作装置に設けられ、前記固定係合部と係合してその回転操作装置の回転を妨げる係合位置と、係合しない非係合位置とに移動可能な可動係合部と、
前記操作部材が前記操作装置本体から取り外された状態では前記可動係合部を前記係合位置に保ち、操作部材が装着されればその可動係合部を前記非係合位置へ移動させる可動係合部制御装置と
を含むことを特徴とする作業機本体移動装置。
ベースは作業機の構成要素とされてもよく、作業機に含まれず、作業機を支持する部材であってもよい。
固定係合部は、作業機本体とベースとのうち回転操作装置を保持する側のものの一部により構成されてもよく、別体の部材が固定されてもよい。
(2)前記可動係合部制御装置が、
前記可動係合部を前記係合位置に向かって付勢する付勢装置と、
前記操作装置本体に相対移動可能に保持され、前記操作部材が前記操作装置本体に装着されれば、その操作部材の一部によって移動させられて、前記可動係合部を前記付勢装置の付勢力に打ち勝って前記非係合位置へ移動させる可動部材と
を含む(1)項に記載の作業機本体移動装置。
操作部材をクランク状のものとし、回転操作装置の回転中心位置に相対回転不能に嵌合させることにより、回転操作装置の回転操作を可能とするとともに、可動係合部を非係合位置へ移動させることも可能である。しかし、次項に記載の態様のように、操作部材を真っ直ぐな棒状のものとすれば、操作部材の着脱や収納が容易になる。
(3)前記操作装置本体に、その操作装置本体の回転軸線から外れた位置に、その回転軸線に平行に貫通孔が形成され、その貫通孔に前記可動部材が軸方向に移動可能かつその貫通孔から前方へは突出しない状態で嵌合されるとともに、前記操作部材が真っ直ぐな棒状とされ、その操作部材の前記一部としての先端部が前記貫通孔に挿入されるのに伴って前記可動部材を軸方向に移動させ、その軸方向の移動に基づいて前記可動係合部が前記付勢装置の付勢力に抗して前記非係合位置へ移動させられる(2)項に記載の作業機本体移動装置。
可動部材が貫通孔から前方へは突出しない状態で貫通孔に嵌合されるため、作業者が操作部材を用いることなく、直接、可動部材を非係合位置へ移動させることが困難であり、操作部材がなくても可動部材が非係合位置へ移動させられることが防止される。可動部材は貫通孔の開口より奥まった位置に配設されることが特に望ましい。
棒状の操作部材は、貫通孔に相対回転可能に嵌合されるものとするか、操作部材の手によって把持される部分を、貫通孔に嵌合される部分に対して相対回転可能とすることが望ましい。
(4)前記可動部材の前記貫通孔から後方に常時突出している突出部に、その可動部材より大径の大径部が設けられ、前記可動部材が前記付勢装置により前進位置に保たれている状態では前記大径部が前記固定係合部に係合して前記回転操作装置の回転操作を妨げ、前記可動部材が前記付勢装置の付勢力に抗して後退させられれば、前記大径部が前記固定係合部と係合しない状態となり、その大径部が前記可動係合部として機能する(3)項に記載の作業機本体移動装置。
可動部材を操作装置本体に相対回転不能に嵌合し、その可動部材から前記固定係合部に向かって突出した突部を設け、その突部を可動係合部として機能させることも可能である。しかし、可動部材に大径部を設け、その大径部を可動係合部として機能させれば、可動部材および大径部を回転不能とする必要がなくなる利点がある。
(5)前記操作装置本体の前記貫通孔とは異なる部分に、その貫通孔から取り外された前記操作部材を収納可能な操作部材収納部が設けられた(3)項または(4)項に記載の作業機本体移動装置。
操作部材は、任意の収納部へ収納可能とすればよいのであるが、操作装置本体に収納部を設ければ、操作部材の取り扱いが容易となる。
(6)前記雄ねじ部材に、その雄ねじ部より大径のフランジ部が設けられ、そのフランジ部が前記操作装置本体を構成し、そのフランジ部の回転軸線から偏心した第1偏心部に前記貫通孔が形成され、その第1偏心部とは別の第2偏心部に前記操作部材収納部としての収納孔がそれぞれ形成された(5)項に記載の作業機本体移動装置。
ナットを回転ねじ部材とすることも可能である。しかし、その場合には、雄ねじ部材が貫通した状態にあるナットを回転させることが必要となって、回転操作装置を、ナットとは別の回転部材と、その別の回転部材の回転をナットに伝達する回転伝達装置とが必要となり、回転操作装置の構成が複雑になる。それに対し、本項の構成とすれば、雄ねじ部に固定のフランジ部を操作装置本体として機能させることが可能であって、構成の単純化を図ることができる。なお、フランジ部は横断面形状が円形のものでも、非円形のものでもよい。
(7)前記雄ねじ部材が、前記作業機本体に保持され、前記ナットが前記ベースに保持された(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の作業機本体移動装置。
本項が(6)項に従属する態様においては、作業機本体に保持された回転ねじ部材たる雄ねじ部材を回転させる回転操作装置が作業者によって操作される際、その回転操作装置が作業機本体と共にベースに対して移動させられる。そのため、作業者は回転操作装置の操作によって作業機本体が移動することを認識し、かつ、実際の移動を感じながら操作することとなる。作業機本体がハウジングにより覆われるとともに、ハウジングが作業機本体と共にベースに対して移動させられる場合、作業者はハウジングの移動も認識することができる。
(8)前記ねじ機構が、雄ねじ部材と前記ナットとが複数のボールを介して螺合させられたボールねじ機構である(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の作業機本体移動装置。
ボールねじ機構においては、雄ねじ部材とナットとが相対回転し易く、作業機本体とベースとの相対移動が生じ易いため、操作部材が装着されない限り、回転ねじ部材が回転させられないようにする構成は、特に有効である。
(9)前記ベースに、前記操作部材をその操作部材の一部が前記作業機本体の移動軌跡内に位置する状態で保持可能な操作部材保持部が設けられ、その操作部材保持部に前記操作部材が保持させられることにより、前記作業機本体の少なくとも一方向の移動が阻止される(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の作業機本体移動装置。
操作部材がストッパとしても機能し、操作部材を使用することなく可動係合部が非係合位置へ移動させられ、回転ねじ部材が回転させられることがあっても、作業機本体の移動が阻止される。
なお、本項の態様において、操作部材がベースの操作部材保持部に保持させられる際、例えば、作業機本体から水平に突出させられた耳部に上下方向に貫通して形成された貫通穴を通して操作部材保持部に保持させられるようにする等、操作部材が操作部材保持部に保持された状態で、作業機本体の移動方向においてその操作部材の両側に当接部が位置する状態とすれば、作業機本体の前進および後退の両方が阻止されるようにすることができる。
(10)前記作業機本体が前記ベースに対して前進端位置と後退端位置との少なくとも一方にある状態で、前記操作部材保持部に保持された前記操作部材が、前記作業機本体に係合可能となる位置に、前記操作部材保持部が設けられた(9)項に記載の作業機本体移動装置。
操作部材保持部は、作業機本体がベースに対して、前進端位置と後退端位置との間の位置において移動が阻止されるように設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】請求可能発明の一実施形態である印刷機本体移動装置を備えたスクリーン印刷機を含む電子回路組立ラインを示す斜視図である。
【図2】上記スクリーン印刷機を示す側面図である。
【図3】上記スクリーン印刷機の印刷装置,マスク保持装置等を示す側面図である。
【図4】上記印刷機本体移動装置のねじ機構を示す側面図(一部断面)である。
【図5】上記印刷機本体のベースに対する引出し,引込み時におけるねじ機構のナットの移動を説明する図である。
【図6】上記スクリーン印刷機の引込装置を示す側面図(一部断面)である。
【図7】上記スクリーン印刷機を示す背面図であり、図7(a)は嵌合穴に着脱ハンドルが嵌合されていない状態を示す図であり、図7(b)は嵌合穴に着脱ハンドルが嵌合された状態を示す図である。
【図8】上記印刷機本体移動装置を断面にして示す斜視図である。
【図9】上記印刷機本体移動装置の可動係合部制御装置を示す平面図(一部断面)であり、図9(a)は係合板が係合位置に位置する状態を示す図であり、図9(b)は係合板が非係合位置に位置する状態を示す図である。
【図10】上記印刷機本体移動装置の回転操作装置および係合部材等を示す斜視図である。
【図11】上記回転操作装置および係合部材の一部を示す正面図である。
【図12】上記印刷機本体がベースから前方へ引き出された状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、請求可能発明の実施形態を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0013】
図1に、電子回路組立ラインを図示する。本電子回路組立ラインは、1台以上、本実施形態においては複数台、例えば、2台のスクリーン印刷機10(以後、印刷機10と略称する)と、1台以上、本実施形態においては複数台、例えば、4台の電子回路部品装着機14(以後、装着機14と略称する)とを備えている。印刷機10および装着機14は、作業対象材たる回路基板に対して作業を施す対基板作業機の一種であり、電子回路組立ラインは対基板作業ラインの一種である。
【0014】
2台の印刷機10はスクリーン印刷ラインを構成し、4台の装着機14に対して、電子回路組立ラインにおける回路基板の搬送方向において上流側に互いに隣接し、回路基板の搬送方向に平行に左右に並んで配設されている。本実施形態においては、左右方向が回路基板の搬送方向であり、搬送方向と直交する方向を前後方向とする。本実施形態においては、左右方向および前後方向はいずれも水平である。
【0015】
2台の印刷機10は同様に構成されており、上流側の印刷機10を代表して説明する。
印刷機10は、本実施形態においては、図2に示すように、作業機本体たる印刷機本体20およびベース22を含む。ベース22は、その4隅に設けられた脚部24において床面26上に設置され、印刷機本体20はベース22により、全体がベース22上に載った状態から前方へ移動可能に支持されている。
【0016】
印刷機本体20は複数の部材が組み付けられて成り、複数の段部、本実施形態においては上段部28,中段部30および下段部32を含む。図3に示すように、上段部28にマスク保持装置34および印刷装置36が設けられ、中段部30に基板搬送支持装置38および通過基板搬送装置40(図2参照)が設けられている。本マスク保持装置34は、マスク支持台42上に載置されたマスク44を水平な姿勢で保持する。印刷装置36は、1対のスキージ46,それらスキージ46をマスク44に沿って前後方向に移動させるスキージ移動装置48および1対のスキージ46をそれぞれ昇降させ、マスク44に接触,離間させるスキージ昇降装置50を含み、マスク保持装置34の上方に設けられている。
【0017】
基板搬送支持装置38は中段部30の前後方向において一方の側に設けられ、コンベヤ装置60および基板支持装置62を含む。本印刷機10においては、前後方向において基板搬送支持装置38が設けられた側を前側とする。前記マスク保持装置34および印刷装置36は、基板搬送支持装置38の上方に設けられている。コンベヤ装置60は、本実施形態においてはベルトコンベヤにより構成され、回路基板64はコンベヤ装置60により、その被印刷面が水平となる姿勢で搬送されてマスク44の下方へ搬入され、基板支持装置62を構成する支持ピン66により下方から支持されるとともに、基板クランプ装置(図示省略)によりクランプされ、その状態で昇降装置(図示省略)により昇降させられてマスク44の下面に接触,離間させられる。
【0018】
前記通過基板搬送装置40は、図2に示すように中段部30の後部に設けられ、コンベヤ装置を備え、基板搬送支持装置38と平行に設けられている。このコンベヤ装置は、本実施形態においてはベルトコンベヤにより構成され、通過基板搬送装置40は、回路基板64を、はんだの印刷を行われることなく、スクリーン印刷機10を通過させる。
【0019】
印刷機本体20の下段部32内には、図7に示すように印刷機10を構成する装置、例えば、電装品の一種であり、印刷機10を制御する制御装置70が収納されている。制御装置70はコンピュータを主体として構成され、印刷機10を構成する各種装置の駆動源等を制御する。本印刷機10において駆動源を構成するモータの多くは、電動モータの一種であり、回転角度の正確な制御が可能な回転電動モータであるサーボモータにより構成される。パルスモータあるいはリニアモータにより構成されてもよい。制御装置70は、電子回路組立ライン全体を制御する統括制御装置72(図1参照)により統括して制御される。統括制御装置72はコンピュータを主体として構成されている。
【0020】
本印刷機10において印刷機本体20は、作業者が作業機本体移動装置たる印刷機本体移動装置120を操作することによりベース22に対して前後方向に進退させられ、基板支持装置38が下流側に位置し、通過基板搬送装置40が上流側に位置する方向の移動により、印刷機本体20が前進させられ、ベース22から前方へ引き出される。印刷機本体20のベース22に対する相対移動の抵抗は、抵抗軽減装置122により軽減される。また、印刷機本体20には、その前端部の幅方向の中央部に車輪装置124が設けられている。車輪装置124は、前記特願2010−110427の明細書に記載の車輪装置と同様に構成されており、説明を省略する。
【0021】
本抵抗軽減装置122は、図2に示すように、第1の抵抗軽減部130と第2の抵抗軽減部132とを含む。抵抗軽減部130は、ベース22に設けられた1対のガイド134と、印刷機本体20に設けられた1対の係合ブロック136とを含む。本ガイド134はレール状を成し、べース22の上面後部の左右方向に隔たった両端部にそれぞれ、前後方向に平行に固定されている。また、1対の係合ブロック136は、印刷機本体20の下面の後端部の左右方向に隔たった両端部にそれぞれ固定して設けられている。図2には、1対のガイド134および係合ブロック136の各一方が図示されている。
【0022】
抵抗軽減部132は、印刷機本体20に設けられた1対のガイド138と、ベース22に設けられた1対の係合ブロック140とを含む。本ガイド138はレール状を成し、印刷機本体20の下面前部の左右方向に隔たった両端部にそれぞれ、前後方向に平行に固定され、係合ブロック140はベース22の上面の前端部の左右方向に隔たった両端部にそれぞれ固定して設けられている。図2には、1対のガイド138および係合ブロック140の各一方が図示されている。
【0023】
係合ブロック136,140はそれぞれ、ガイド134,138に前後方向に相対移動可能に嵌合されている。本実施形態においては、係合ブロック136,140がそれぞれ複数の鋼球(図示省略)を周回路に沿って周回可能に保持し、それら鋼球の一部により、ガイド134,138の各一対の側面にそれぞれ、前後方向に延びる状態で形成されたガイド溝と係合させられ、印刷機本体20の荷重を支持するのみならず、何らかの理由で印刷機本体20に外力が加えられた場合に、印刷機本体20がベース22から浮き上がることを防止する。本実施形態においては、転動体たる複数の鋼球およびガイド134,138のガイド溝が浮き上がり防止装置を構成している。この浮き上がり防止装置の構成はよく知られており、図示および説明を省略する。
【0024】
前記印刷機本体移動装置120は、図4に示すように、互いに螺合された雄ねじ部材148およびナット150を含むねじ機構151を含む。雄ねじ部材148は、印刷機本体20の下面の前部側に、その雄ねじ部152が前後方向に平行となる姿勢で軸方向に相対移動不能かつ回転可能に取り付けられており、回転操作装置154が作業者によって操作されることにより回転させられる。雄ねじ部材148の前端部は、印刷機本体20の前端部に至っている。また、雄ねじ部材148は、印刷機本体20の左右方向において、前記車輪装置124と、一対ずつの係合ブロック140およびガイド138のうちの各一方との間に設けられており、ねじ機構151は、それぞれ1対ずつ設けられた係合ブロック136,140,ガイド134,138のうちの各一方に近い側に設けられている。
【0025】
ナット150は、図4に示すように、ベース22の前部に設けられ、複数の鋼球を保持して雄ねじ部材148の雄ねじ部152と螺合されている。本実施形態においては、雄ねじ部材148が回転ねじ部材とされ、ねじ機構151はボールねじ機構であるのである。なお、図8においては、鋼球の図示は省略されている。本実施形態においては、ナット150には、その下面の前後方向に隔たった2箇所にそれぞれ突部156,158が突設されて係合部を構成し、それら突部156,158が、べース22に設けられた係合部160の前後に位置する状態でナット150が設けられている。係合部160はべース22の左右方向の梁材により構成され、突部156,158の間隔は係合部160の前後方向の長さより長くされ、図4に示すように、ナット150とべース22との間には前後方向の遊隙が設けられている。
【0026】
ナット150と係合部160との間の上下方向の隙間は小さくされており、それによりナット150のべース22に対する前後方向に平行な軸線まわりの回転が阻止され、回転不能とされている。また、ナット150は、ベース22との間に前後方向の遊隙が設けられることにより、ベース22に対して僅かな距離、軸方向に相対移動可能とされるが、突部156,158の一方が係合部160に係合することによりべース22に対する軸方向の移動を阻止されて軸方向に相対移動不能となり、その状態で回転操作装置154が回転操作されることにより、雄ねじ部材148が回転させられつつ軸方向に移動させられ、印刷機本体20がべース22に対して前進,後退させられる。遊隙を設ける理由は後に説明する。ベースに1対の係合部が設けられ、ナットに、それら1対の係合部と択一的に係合する係合部が設けられてもよい。
【0027】
印刷機本体20のべース22に対する前進端位置および後退端位置は、図6に示すストッパ装置164により規定される。ストッパ装置164は、本実施形態においては、印刷機本体20の下面から下方へ突出させられた突部状の印刷機本体側ストッパ部166と、べース22の上面から上方へ突出させられた突部状の1対のベース側ストッパ部168,170とを含む。ベース側ストッパ部168,170は前後方向に距離を隔てて設けられ、印刷機本体側ストッパ部166の前側のベース側ストッパ部168への当接により印刷機本体20の前進端位置が規定され、後側のベース側ストッパ部170への当接により後退端位置が規定される。
【0028】
本実施形態においては、前側のベース側ストッパ部168は、印刷機本体20がべース22に対して前進端位置へ移動させられた状態で、印刷機本体20の重心が、べース22の印刷機本体20を支持する部分の前端より後方に位置する位置に設けられている。また、後側のベース側ストッパ部170は、図6に示すように、印刷機本体20全体がべース22上に引き込まれた位置を後退端位置とする位置に設けられている。
【0029】
本実施形態においては、図6に示すように、動力駆動装置たる引込装置180が設けられ、印刷機本体20は自動的に後退端位置に位置決めされる。本引込装置180はエアシリンダ182を駆動源とする。エアシリンダは、流体圧アクチュエータたる流体圧シリンダの一種であり、圧縮エアを動力として作動する。本実施形態においてはエアシリンダ182はピストンが図示しない弾性部材により後退方向に付勢された単動シリンダとされ、そのシリンダハウジング184の一端部がべース22に回動可能に取り付けられ、ピストンロッド186の先端部に係合部材たるレバー188が取り付けられている。レバー188はべース22に回動可能に取り付けられ、その回動軸線から延び出させられたアーム部190がピストンロッド186に回動可能に連結されている。また、レバー188の回動軸線から、アーム部190とは反対側へ延び出させられた別のアーム部192の先端部にはローラ194が回転可能に取り付けられ、係合部たる回転係合部を構成している。
【0030】
印刷機本体20の下端部には、図6に示すように係合突部196が突設され、被係合部を構成している。レバー188はピストンロッド186の伸縮により回動させられ、実線で示すように、ローラ194が係合突部196の移動経路より下方に位置してその進退を許容する退避位置と、二点鎖線で示すように、ローラ194が上記移動経路内へ進入させられ、係合突部196に係合して印刷機本体20を後退させる作用位置とに移動させられる。なお、引込装置180および係合突部196と前記ストッパ装置164とは、左右方向において異なる位置に設けられている。
【0031】
エアシリンダ182は、べース22に設けられたセンサ200(図1参照)の出力信号に基づいて作動させられ、センサ202(図1,図5参照)の出力信号に基づいて作動を解除される。センサ200,202は、例えば、非接触型センサの一種である光電センサたる透過型光電センサにより構成され、受光部の受光の有無によって異なる信号を出力する。本実施形態においては、センサ200は印刷機本体側ストッパ部166により受光部の受光が妨げられ、信号がONからOFFに変化し、その変化に基づいてエアシリンダ182に圧縮エアが供給され、レバー188が作用位置へ回動させられる。そのため、センサ200および係合突部196は、印刷機本体側ストッパ部166と後側のベース側ストッパ部170との距離がローラ194の作動ストロークより短くなった状態でローラ194が係合突部196の前端面に係合し、印刷機本体20を後方へ押し、後退端位置に位置させた状態においても押し続ける状態が得られる位置に設けられている。印刷機本体側ストッパ部166には、その前端から前方へ延び出す突条部204が設けられ、印刷機本体側ストッパ部166と共に被検出部を構成しており、印刷機本体20が後退端位置へ移動させられた状態においても受光部の受光が妨げられる。そのため、エアシリンダ182の作動により印刷機本体20が後退端位置に位置する状態に保たれる。
【0032】
センサ202はべース22の、前記ナット150の後側の突部158と係合部160との間の遊隙の大きさに応じて出力信号が変化する位置に設けられている。印刷機本体20が後退端位置に位置決めされた状態では、図5(a)に示すように突部156,158と係合部160との間に隙間があるが、後に説明するように、印刷機本体20がべース22から引き出される際にナット150が雄ねじ部材148に対して後方へ移動し、突部156が係合部160に係合するため、突部158と係合部160との間の隙間が大きくなり、図5(b)に示すように最大となる。そのため、センサ202は、印刷機本体20が後退端位置に位置決めされ、隙間が最大より短い状態では受光部の受光が妨げられてOFF信号を出力し、隙間が最大の状態となる以前に受光部が受光状態となってON信号を出力する位置に設けられている。
【0033】
センサ202の出力信号のOFFからONへの変化に基づいてエアシリンダ182のエア室が大気に開放され、レバー188が退避位置へ回動させられて印刷機本体20のべース22に対する前進が許容される。本実施形態においては、センサ202が、引込装置180の作動解除を指令する解除指令装置を構成している。解除指令装置は、作業者により操作されるスイッチにより構成されてもよい。作業者が印刷機本体20のべース22からの引出し操作に先立ってスイッチを操作し、作動解除を制御装置に入力し、エアシリンダ182のエア室が大気に開放されるようにするのである。
【0034】
印刷機本体20は、図1に示すようにハウジング220により覆われている。ハウジング220には、印刷機10の下流側および上流側において回路基板の受渡しに必要な開口が設けられているとともに、ハウジング220の前面の前記雄ねじ部材148に対応する部分に開口222が形成されている。
【0035】
雄ねじ部材148の前端部には、図4に示すように、雄ねじ部152より大径の円板が同心状に固定されてフランジ部240が設けられ、前記回転操作装置154の操作装置本体を構成しており、雄ねじ部152と一体的に回転させられる。上記開口222は、本実施形態においては、フランジ部240の直径よりやや大きい直径の円形を成す。
【0036】
フランジ部240には、図8に示すように、その回転軸線から外れ、偏心した第1偏心部に、その回転軸線に平行に貫通孔250が形成されるとともに、可動部材の一種である直線移動部材としてのロッド252がスリーブ254を介して軸方向に移動可能に嵌合されている。貫通孔250は、図9に示すように段付状を成し、フランジ部240の前面に開口させられた部分が直径が最小の小径孔部256とされ、後面に開口させられた部分が直径が最大の大径孔部258とされ、それら孔部256,258の間の部分が、直径が小径孔部256より大きく、大径孔部258より小さい中径孔部260とされている。小径孔部256の直径は、本実施形態においては作業者が指を突っ込むことができない大きさ、例えば、8mmとされている。
【0037】
スリーブ254は横断面形状が円形の段付状を成し、大径部264が大径孔部258に嵌合されてフランジ部240に固定され、小径部266はフランジ部240の後面から後方へ突出させられている。大径部264の内径は、小径部266の内径より大きく、中径孔部260の内径より小さくされている。
【0038】
ロッド252は横断面形状が円形を成し、その嵌合部268においてスリーブ254の小径部266内に軸方向に移動可能に嵌合されるとともに、小径部266から前方への突出部は大径部264および中径孔部260内に収容されている。嵌合部268の前端部には、嵌合部268より大径のフランジ部270が設けられており、ロッド252は、フランジ部270と、スリーブ254の大径部264と小径部266との間の段付状の肩面272との間に配設された圧縮コイルスプリング274により、前方へ付勢されている。圧縮コイルスプリング274は、付勢装置の一種である弾性部材たるスプリングである。このスプリング274の付勢によるロッド252の前進限度は、図9(a)に示すように、フランジ部270が、中径孔部260と小径孔部256との間の段付状の肩面276に当接することにより規定され、ロッド252は貫通孔250の前端開口より奥まった位置に位置する状態で貫通孔250に嵌合されている。ロッド252の前進限度が規定された状態での位置を前進位置とする。
【0039】
ロッド252の後部は、図9(a)に示すように、ロッド252が前進位置に位置する状態においてもスリーブ254から後方へ突出させられ、後方に常時突出している突出部290とされている。この突出部290には、係合板292が同心状に着脱可能に固定されている。係合板292は、直径が嵌合部268より大きい円板状を成し、大径部を構成している。
【0040】
フランジ部240には、図8に示すように、貫通孔250が設けられた部分とは別の、フランジ部240の回転軸線から偏心した第2偏心部であって、その回転軸線に対して貫通孔250とは反対側(貫通孔250から回転軸線のまわりに180度離れた側)に収納孔300が形成され、操作部材収納部が設けられている。収納孔300は、フランジ部240を、その回転軸線に平行に貫通して形成されており、操作部材たる着脱ハンドル302が嵌合される。
【0041】
着脱ハンドル302は横断面形状が円形の真っ直ぐな棒状とされ、フランジ部240と共に回転操作装置154を構成している。着脱ハンドル302の収納孔300に嵌合される嵌合部306は、貫通孔250の小径孔部256の直径より大きくされている。嵌合部306の軸方向の一端部である先端部には、嵌合部306より直径が小さく、小径孔部256に挿入可能な直径の操作部308が設けられている。操作部308の直径は、小径孔部256に摺動クリアランスを有して軸方向に摺動可能に嵌合される大きさとされている。また、着脱ハンドル302の軸方向の他端部には、嵌合部306より大径の頭部310が設けられている。したがって、着脱ハンドル302は、操作部308から収納孔300に挿入されることとなる。
【0042】
フランジ部240には、図8に示すように、収納孔300の中心線に平行な方向の中央部に対応する部分に係合具たるボールプランジャ312が設けられている。ボールプランジャ312は、ハウジング314内にボール316が移動可能に嵌合されるとともに、スプリング(図示省略)によりハウジング314から突出する向きに付勢されたものであり、収納孔300に対して直角に設けられている。着脱ハンドル302の嵌合部306には、その外周面に開口して、凹部たる円環状の溝318が形成されている。溝318は、周方向に直角な断面形状が台形状を成し、収納孔300に嵌合された嵌合部306の溝318にボール316が嵌入させられ、着脱ハンドル302を収納孔300内に引き込む。着脱ハンドル302の引込限度ないし収納孔300への差込限度は、頭部310がフランジ部240の前面に当接することにより規定される。それにより、着脱ハンドル302は頭部310がフランジ部240の前面に当接してフランジ部240から前方へ突出し、フランジ部240に抜け出しを阻止された状態で収納され、保持される。この状態において頭部310はハウジング220内に位置する。ボール316が嵌入させられる凹部は円環状の溝318とされているため、着脱ハンドル302を収納孔300に挿入する際の位相はいずれでもよく、作業者は着脱ハンドル302の収納孔300への収納を容易に行うことができる。
【0043】
印刷機本体20の前端部の下面には、図10に示すように係合部材330が固定され、固定係合部を構成している。係合部材330は、L字形の係合部332を備え、互いに交差する2つの係合面であって、本実施形態においては互いに直交し、鉛直な係合面334と、下向きで水平な係合面336(図11参照)とを有する。係合部材330は、本実施形態においては、図9(a)に示すように、ロッド252が前進位置に位置する状態において、ロッド252の軸方向に平行な方向においては係合部332が係合板292と同じ位置に位置し、ロッド252の軸線と交差する方向においては、図11に示すように、係合面334,336が係合板292の、フランジ部240の回転軸線まわりにおける旋回軌跡内に位置する位置に設けられている。
【0044】
したがって、ロッド252が前進位置に位置する状態では、係合板292が係合面334あるいは336に当接することにより、フランジ部240が正逆いずれの方向においても、1回転以上回転することが妨げられ、雄ねじ部材148の回転が妨げられる。それに対し、ロッド252がスプリング274の付勢力に抗して後退させられれば、図9(b)に示すように、ロッド252の軸方向において係合板292が係合部332から外れて係合部332と係合しない状態となり、フランジ部240の回転が許容され、雄ねじ部材148の回転が許容される。本実施形態においては、係合板292が可動係合部を構成し、ロッド252が前進位置に位置する状態での係合板292の位置が係合位置であり、係合板292のロッド252の軸方向において係合部332から外れた位置が非係合位置である。係合板292は、ロッド252を介してスプリング274により係合位置に向かって付勢されており、ロッド252およびスプリング274が可動係合部制御装置たる係合板制御装置340を構成している。
【0045】
ベース22には、図7(a)に示すように、操作部材保持部たる嵌合穴350が形成され、着脱ハンドル302が嵌合されるようにされている。嵌合穴350は、印刷機本体20のベース22に対する移動軌跡内であって、ベース22の左右方向においては、ねじ機構151に対応する位置であって、一対のガイド134のうち、ねじ機構151に近い側のガイド134に隣接する位置に、ベース22を上下方向に貫通して設けられている。また、嵌合穴350は、前後方向においては、図12に示すように、印刷機本体20がベース22に対して前進端位置に位置する状態において、嵌合穴350に嵌合された着脱ハンドル302が印刷機本体20の背面ないし後面に係合可能となる位置に設けられている。したがって、着脱ハンドル302が嵌合穴350に嵌合された状態において、雄ねじ部材148が何らかの手段により強く回転させられ、印刷機本体20に大きな後退方向の力が加えられた場合でも、その力は嵌合穴350に嵌合された着脱ハンドル302によりほぼ同一作用線上において受けられ、印刷機本体20に鉛直軸まわりの大きな回転モーメントが発生することがなく、ガイド134,138や係合ブロック136,140の損傷が良好に回避される。
【0046】
嵌合穴350は、図7(a)に示すように、本実施形態においては段付状を成し、ベース22の上面に開口させられ、着脱ハンドル302の嵌合部306が嵌合される大径穴部352と、大径穴部352より直径が小さく、ベース22の下面に開口させられ、操作部308の挿入を許容する小径穴部354とを含む。着脱ハンドル302の嵌合穴350への嵌合限度は、嵌合部306と操作部308との間のテーパ状の肩面355が大径穴部352と小径穴部354との間の段付状の肩面356に当接することにより規定され、本実施形態においては、着脱ハンドル302が嵌合穴350に嵌合された状態では、嵌合部306の一部および頭部310がベース22から上方へ突出するとともに、頭部310が印刷機本体20の後面と対向し、係合可能な状態となる。
【0047】
本印刷機10には、図2および図7に示すように、印刷機本体20の下流側にシャトルコンベヤ370が取り付けられている。本シャトルコンベヤ370は、図2に示すように、コンベヤ本体372,可動コンベヤ374およびコンベヤ移動装置376を含む。コンベヤ本体372は、印刷機本体20の下流側の側面に複数のボルト(図示省略)によって固定され、シャトルコンベヤ370は、図7に示すように、床面26から浮いた状態で印刷機本体20に取り付けられており、印刷機本体20と共にベース22に対して移動させられる。シャトルコンベヤ370は、上流側と下流側との作業機の間において回路基板の受渡しを行う。シャトルコンベヤ370はハウジング380(図1参照)により覆われており、印刷機10の制御装置70により制御される。
【0048】
前記4台の装着機14は、本実施形態においては特開2004−104075号公報に記載の電子回路部品装着機と同様に構成され、モジュール化されており、図1に一部を示すように、それぞれ、装着機本体390,基板搬送装置392,基板支持装置394,部品供給装置396,部品装着装置398および制御装置400等を含み、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。基板搬送装置392は、1対のコンベヤ402を備えている。これらコンベヤ402は、本実施形態においてはベルトコンベヤにより構成され、装着機本体390の前後方向に並んで平行に設けられている。基板支持装置394は2つのコンベヤ402の各々について設けられ、いずれのコンベヤ402により搬送される回路基板も基板支持装置394により支持され、電子回路部品の装着が行われる。制御装置400はコンピュータを主体として構成され、前記統括制御装置72により統括して制御される。
【0049】
以上のように構成された電子回路組立ラインにおいては、2台の印刷機10において並行して回路基板への被印刷剤、本実施形態においてはクリーム状はんだ(以後、はんだと略称する)の印刷が行われる。2台の印刷機10のうち、上流側の印刷機10においてはんだが印刷される回路基板は基板搬送支持装置38に供給され、基板支持装置62により支持されてマスク44に接触させられ、印刷装置36によりはんだが印刷される。印刷後、回路基板はシャトルコンベヤ370の可動コンベヤ374に移載される。そして、可動コンベヤ374から下流側の印刷機10の通過基板搬送装置40に搬入されてその印刷機10を通過し、下流側の印刷機10のシャトルコンベヤ370によって最上流の装着機14の、例えば、後側のコンベヤ402に搬入され、電子回路部品が装着される。
【0050】
また、下流側の印刷機10においてはんだが印刷される回路基板は、上流側の印刷機10の通過基板搬送装置40に供給され、その上流側印刷機10を通過させられ、シャトルコンベヤ370によって下流側の印刷機10の基板搬送支持装置38に搬入され、はんだが印刷される。そして、シャトルコンベヤ370によって最上流の装着機14の、例えば、前側のコンベヤ402に搬入され、電子回路部品が装着される。
【0051】
本印刷機10において通常は、図2に示すように、印刷機本体20がべース22上に引き込まれ、引込装置180の作動により後退端位置に位置する状態に保たれている。また、図5(a)に示すように、ナット150の突部156,158とべース22の係合部160との間に隙間がある。さらに、着脱ハンドル302は、図8に示すように収納孔300に収納され、ロッド252は、図9(a)に示すように、スプリング274の付勢力によって前進位置に位置し、係合板292が係合位置に位置して雄ねじ部材148の回転を妨げる状態にある。
【0052】
そのため、作業者は、メンテナンス等を行うために印刷機本体20をべース22から引き出す際には、開口222からハウジング220内に手を入れて着脱ハンドル302を収納孔300から抜き出し、図9(a)に示すように操作部308を小径孔部256に挿入する。着脱ハンドル302を抜き出す際、作業者は頭部310をつまんで取り出す。頭部310がつまみとして利用されるのである。そして、作業者は操作部308によりロッド252を押し、スプリング274の付勢力に抗して移動させ、図9(b)に示すように、フランジ部270がスリーブ254の大径部264に当接するまで後退させる。ロッド252の後退により係合板292が非係合位置へ移動させられ、係合部332から外れた状態となる。操作部308は、係合板292を係合位置から非係合位置へ移動させるのに十分な長さを有し、着脱ハンドル302は係合解除部材でもある。また、スリーブ254は、ロッド252の移動を案内する案内部材として機能するとともに、ロッド252の後退限度および係合板292の非係合位置を規定する位置規定部材ないしストッパとしても機能する。
【0053】
係合板292の非係合位置への移動により、作業者は着脱ハンドル302によりロッド252を押したままの状態でフランジ部240を、その回転軸線まわりに回転させ、雄ねじ部材148を回転させて印刷機本体20をベース22上から前方へ引き出すことができる。回転操作装置154が作業者によって操作される際、印刷機本体20を覆うハウジング220と印刷機本体20に設けられた回転操作装置154とは、印刷機本体20と共にベース22から引き出される。このように着脱ハンドル302を使用することにより、作業者はフランジ部240を直接回転させる場合より容易に回転させることができる。また、着脱ハンドル302は、操作部308が貫通孔250に挿入され、係合板292を非係合位置へ移動させた状態では、嵌合部306の一部および頭部310がハウジング220の外へ突出した状態となる。そのため、作業者は、操作部308の貫通孔250への挿入操作および雄ねじ部材148の回転操作を、ハウジング220の外において行うことができ、操作が容易である。
【0054】
ナット154の突部156,158とベース22の係合部160との間に隙間があるため、回転操作装置304の操作開始当初は雄ねじ部材148は移動せず、ナット150が雄ねじ部材148に対して後退させられ、図5(b)に示すように、前側の突部156が係合部160に係合させられる。そのため、突部158と係合部160との間の隙間が大きくなり、センサ202の信号がOFFからONに変わり、印刷機本体20の引出しが行われることが検出される。そして、レバー188が退避位置へ回動させられて印刷機本体20の引出しが許容され、フランジ部240が回転操作されることにより雄ねじ部材148が前進させられ、それにより、図12に示すように印刷機本体20がハウジング220と共にべース22から引き出される。印刷機本体20と共にシャトルコンベヤ370も引き出され、べース22に対して前方へ移動させられる。
【0055】
印刷機本体20の引出しは、ガイド134,138および係合ブロック136,140により案内されるとともに、鋼球の転動により移動抵抗が軽減され、軽快に行われる。作業者は印刷機本体20を前進端位置まで引き出すことができるが、係合ブロック136,140のガイド134,138との嵌合により、印刷機本体20はべース22からの引出し量の大きさにかかわらず、べース22と重なる部分が常に4隅において支持され、安定して支持される。
【0056】
作業者が印刷機本体20を前進端位置まで引き出した状態では、図12に示すように、べース22の後部上方に空いたスペースが得られる。印刷機10は、その背面が壁面に沿った状態で設けられることが多いが、印刷機本体20と共にシャトルコンベヤ370もべース22より前へ移動させられるため、シャトルコンベヤ370の後方にも空いたスペースが得られ、作業者が印刷機本体20の後方スペースへ入ることができ、印刷機本体20の後ろ側から制御装置70等についてメンテナンスを行うことができる。印刷機10が別の装置と背中合わせに配設される場合にも、印刷機本体20およびシャトルコンベヤ370の前方への移動により、それらの後方に空いたスペースが得られる。別の装置は、印刷機でもよく、装着機,接着剤塗布機,基板検査機等、印刷機以外の対基板作業機でもよく、対基板作業機以外の装置でもよい。例えば、図1に示す電子回路組立ラインと同様のラインを2組、左右対称に配設し、印刷機同士、装着機同士が背中合わせとなるように設けてもよく、あるいは2組の電子回路組立ラインを180度回転させた位相で設け、印刷機と装着機とが背中合わせとなるように設けてもよい。
【0057】
印刷機本体20の引出し後、作業者は着脱ハンドル302の操作部308を貫通孔250から抜き出す。それにより、ロッド252がスプリング274の付勢力によって、図9(a)に示すように前進位置へ移動させられるとともに、係合板292が係合位置へ移動させられる。そして、作業者はフランジ部240から外した着脱ハンドル302を持って印刷機本体10の後ろ側のスペースに入り、図7(b)および図12に示すように、べース22の嵌合穴350に嵌合する。
【0058】
そのため、着脱ハンドル302がフランジ部240になく、引き出された印刷機本体20の正面に来た別の作業者は、フランジ部240を回転させて印刷機本体20を後退させることができない。仮に、別の作業者が開口222からハウジング220内に手を入れ、フランジ部240を回転させて雄ねじ部材148を回転させ、印刷機本体20をベース22上へ戻そうとしても、係合板292が係合位置に位置するため、印刷機本体20に設けられて係合板292と共にベース22から前方へ引き出された状態にある係合部材330の係合部332に当接し、雄ねじ部材148の回転を妨げる。そのため、印刷機本体20が後退させられ、ベース22上へ戻されることはなく、印刷機本体20の後ろ側にいて作業中の作業者を驚かせたり、作業対象である制御装置70の部品や配線等が損傷することが回避される。別の作業者が印刷機本体20を押してベース22上に戻そうとする場合も同様である。
【0059】
ロッド252は、前進位置において貫通孔250の前端開口から奥へ引っ込んだ位置に位置するため、別の作業者が手でロッド252を押して後退させ、係合板292を非係合位置に位置させつつフランジ部240を回転させることは困難である。特に、本実施形態においては、小径孔部256の直径が作業者が指を突っ込むことができない大きさとされているため、ロッド252を押すことができず、係合板292を非係合位置へ移動させることができない。仮に、別の作業者が着脱ハンドル302とは別に、着脱ハンドル302と同様の棒状部材を小径孔部256に突っ込み、ロッド252を押して係合板292を非係合位置へ移動させ、雄ねじ部材148を回転させて印刷機本体20をベース22上に収納しようとしても、ベース22に嵌合された着脱ハンドル302が印刷機本体20の背面に当たり、後退を阻止する。
【0060】
印刷機本体20の後方スペースにおける作業終了後、作業者が印刷機本体20をべース22上に戻す場合には、着脱ハンドル302を嵌合穴350から外し、操作部308を小径孔部256に挿入してロッド252を押し、係合板292を非係合位置へ移動させ、その状態で着脱ハンドル302を印刷機本体20の引出し時とは逆向きに回転操作する。回転操作開始当初は雄ねじ部材148は軸方向に移動せず、ナット150が雄ねじ部材148に対して前方へ移動させられ、図5(c)に示すように、後側の突部158が係合部160に係合させられる。その状態から更に着脱ハンドル302が回転操作されることにより、雄ねじ部材148が後退させられ、印刷機本体20がハウジング220と共にべース22上に引き込まれる。なお、このナット150の移動によりセンサ202の検出信号がONからOFFに変わるが、この変化は制御装置70において無視され、利用されない。回転操作装置154が作業者によって操作される際、回転操作装置154は印刷機本体20およびハウジング220と共に移動させられ、ベース22上へ戻される。
【0061】
印刷機本体20のベース22上への引込みに伴って印刷機本体側ストッパ突部166がセンサ200により検出されれば、エアシリンダ182が作動させられてレバー188が作用位置へ回動させられ、印刷機本体20を自動的に後退端位置へ移動させる。作業者が意識しなくても、印刷機本体20が常に確実に後退端位置に位置決めされるのである。この際、ナット150は、図5(c)に示すように、突部156と係合部160との間に隙間があるため、雄ねじ部材148と共に後方へ移動させられる。そのため、雄ねじ部材148が回転させられず、後退するのみであり、回転操作装置154も回転させられない。ナット150と係合部160との間の遊隙は、引込装置180が印刷機本体20を後退端位置へ後退させるストロークより大きくされており、引込装置180による印刷機本体20の引込みが雄ねじ部材148および回転操作装置154の回転を伴うことなく許容される。そのため、作業者が自身の操作以上に回転操作装置154が回転して違和感を感じることがない。印刷機本体20の引込みと共にシャトルコンベヤ370も後退させられ、他の印刷機10等と並ぶ位置へ戻される。戻し後、作業者は着脱ハンドル302を貫通孔250から外し、収納孔300に嵌合し、フランジ部240に収納する。
【0062】
なお、電子回路組立ラインは、印刷機を1台含むラインとしてもよい。
また、印刷機は通過基板搬送装置は有さないものとしてもよい。このような印刷機においてシャトルコンベヤは必要に応じて設けられ、例えば、被印刷剤が印刷された回路基板が供給される装置が、平行に配設された複数の基板搬送装置を備える場合に設けられる。
【符号の説明】
【0063】
10:スクリーン印刷機 20:印刷機本体 22:ベース 120:印刷機本体移動装置 151:ねじ機構 240:フランジ部 292:係合板 302:着脱ハンドル 330:係合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに螺合された雄ねじ部材とナットとの一方が作業機の本体である作業機本体に、他方がその作業機本体を移動可能に支持するベースに、それぞれ軸方向に相対移動不能に保持されるとともに、それら雄ねじ部材とナットとのいずれか一方が回転可能な回転ねじ部材とされる一方、それら雄ねじ部材とナットとの他方が回転不能とされ、前記回転ねじ部材が回転させられることにより、前記作業機本体を前記ベースに対して移動させるねじ機構を含む作業機本体移動装置であって、
操作装置本体とその操作装置本体に着脱が可能な操作部材とを含み、前記作業機本体と前記ベースとの一方に設けられ、前記操作部材が前記操作装置本体に取り付けられて回転操作されることにより、前記回転ねじ部材を回転させる回転操作装置と、
前記作業機本体と前記ベースとのうち前記回転操作装置を保持する側のものに固定的に設けられた固定係合部と、
前記回転操作装置に設けられ、前記固定係合部と係合してその回転操作装置の回転を妨げる係合位置と、係合しない非係合位置とに移動可能な可動係合部と、
前記操作部材が前記操作装置本体から取り外された状態では前記可動係合部を前記係合位置に保ち、操作部材が装着されればその可動係合部を前記非係合位置へ移動させる可動係合部制御装置と
を含むことを特徴とする作業機本体移動装置。
【請求項2】
前記可動係合部制御装置が、
前記可動係合部を前記係合位置に向かって付勢する付勢装置と、
前記操作装置本体に相対移動可能に保持され、前記操作部材が前記操作装置本体に装着されれば、その操作部材の一部によって移動させられて、前記可動係合部を前記付勢装置の付勢力に打ち勝って前記非係合位置へ移動させる可動部材と
を含む請求項1に記載の作業機本体移動装置。
【請求項3】
前記操作装置本体に、その操作装置本体の回転軸線から外れた位置に、その回転軸線に平行に貫通孔が形成され、その貫通孔に前記可動部材が軸方向に移動可能かつその貫通孔から前方へは突出しない状態で嵌合されるとともに、前記操作部材が真っ直ぐな棒状とされ、その操作部材の前記一部としての先端部が前記貫通孔に挿入されるのに伴って前記可動部材を軸方向に移動させ、その軸方向の移動に基づいて前記可動係合部が前記付勢装置の付勢力に抗して前記非係合位置へ移動させられる請求項2に記載の作業機本体移動装置。
【請求項4】
前記可動部材の前記貫通孔から後方に常時突出している突出部に、その可動部材より大径の大径部が設けられ、前記可動部材が前記付勢装置により前進位置に保たれている状態では前記大径部が前記固定係合部に係合して前記回転操作装置の回転操作を妨げ、前記可動部材が前記付勢装置の付勢力に抗して後退させられれば、前記大径部が前記固定係合部と係合しない状態となり、その大径部が前記可動係合部として機能する請求項3に記載の作業機本体移動装置。
【請求項5】
前記操作装置本体の前記貫通孔とは異なる部分に、その貫通孔から取り外された前記操作部材を収納可能な操作部材収納部が設けられた請求項3または4に記載の作業機本体移動装置。
【請求項6】
前記雄ねじ部材に、その雄ねじ部より大径のフランジ部が設けられ、そのフランジ部が前記操作装置本体を構成し、そのフランジ部の回転軸線から偏心した第1偏心部に前記貫通孔が形成され、その第1偏心部とは別の第2偏心部に前記操作部材収納部としての収納孔がそれぞれ形成された請求項5に記載の作業機本体移動装置。
【請求項7】
前記雄ねじ部材が、前記作業機本体に保持され、前記ナットが前記ベースに保持された請求項1ないし6のいずれかに記載の作業機本体移動装置。
【請求項8】
前記ベースに、前記操作部材をその操作部材の一部が前記作業機本体の移動軌跡内に位置する状態で保持可能であり、前記作業機本体が前記ベースに対して前進端位置と後退端位置との少なくとも一方にある状態で、前記操作部材が、前記作業機本体に係合可能となる位置に操作部材保持部が設けられ、その操作部材保持部に前記操作部材が保持させられることにより、前記作業機本体の少なくとも一方向の移動が阻止される請求項1ないし7のいずれかに記載の作業機本体移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−27968(P2013−27968A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167483(P2011−167483)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】