説明

作業装置

【課題】耐久性の向上を図ると共に材料詰まりの抑制を図ることができる作業装置を提供すること。
【解決手段】外筒11及び内筒12が互いに近接する方向へ相対移動した状態では、弁体20が弁座30に当接して通過口31を塞ぐことで、第2連通経路R2が遮断され、上流経路RUと下流経路RLとが遮断される。弁体20を弁座30に当接させて上流経路RUと下流経路RLとを遮断する構成であるので、部品に衝撃荷重を加えることがなく、部品の損傷を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。また、弁体20を弁座30に当接させて上流経路RUと下流経路RLとを遮断する構成であるので、材料の経路中に部品を設ける必要がなく、材料の経路面積を大きく確保して、材料詰まりの抑制を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダに装着される作業装置であって、圧縮空気により材料を押圧して地盤中に杭を造成する作業装置に関し、特に、耐久性の向上を図ると共に材料詰まりの抑制を図ることができる作業装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤改良を行う工法の1つとして、圧縮空気により材料(砂など)を押圧して地盤中に杭を造成し、その造成した杭により地盤の圧密改良を行うものが知られている。かかる工法により地盤改良を行うための作業装置として、例えば、特許文献1には、材料を投入する投入口を有するホッパと、そのホッパから材料を地盤中へ導くケーシングと、そのケーシング内に圧縮空気を供給するエア供給手段と、投入口に揺動可能に軸支されると共に揺動することで投入口を開閉する開閉弁とを備えた作業装置が開示されている。
【0003】
この作業装置により地盤改良を行う場合には、まず、投入口を開放すると共に、材料をホッパに投入し、その材料をケーシング内を通じて地盤中へ導入する。そして、開閉弁により投入口を塞ぐと共に、エア供給手段からケーシング内に圧縮空気を供給し、その圧縮空気により材料を押圧する。
【0004】
ところで、従来の作業装置では、一般に、エア供給手段からケーシング内に供給される圧縮空気を開閉弁に向けて噴射することで、開閉弁を揺動させて投入口の開閉を行うように構成されている。
【特許文献1】特開平6−123114号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の作業装置では、上述したように、圧縮空気を開閉弁に向けて噴射する構成であるため、開閉弁に衝撃荷重が加わって、開閉弁が変形したり開閉弁の揺動軸が摩耗したりする等、部品が損傷し易く、耐久性が不十分であるという問題点があった。
【0006】
また、従来の作業装置では、開閉弁を揺動させて投入口の開閉を行う構成であるため、材料の経路中に開閉弁を設ける必要があり、その分、経路面積が小さくなって、材料が詰まり易いという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、耐久性の向上を図ると共に材料詰まりの抑制を図ることができる作業装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために請求項1記載の作業装置は、リーダに装着されるものであって、材料を投入する経路となる上流経路と、その上流経路から前記材料を地盤中へ導く経路となる下流経路と、その下流経路に圧縮空気を供給するための供給口となる空気供給口と、前記上流経路と前記下流経路との間に介設され、前記上流経路と前記下流経路とを連通または遮断する仕切弁装置とを備え、その仕切弁装置により前記上流経路と前記下流経路とを連通して、前記材料を前記上流経路から前記下流経路を通じて地盤中へ導くと共に、前記仕切弁装置により前記上流経路と前記下流経路とを遮断して、前記空気供給口から供給された圧縮空気により前記下流経路内を加圧することで、前記材料を押圧して地盤中に杭を造成するものにおいて、前記仕切弁装置は、前記上流経路に連通する第1連通経路が形成される外筒と、その外筒に内挿され、前記第1連通経路を介して前記上流経路に連通すると共に前記下流経路に連通する第2連通経路が形成される内筒と、その内筒に配設され、前記第2連通経路に連通する通過口が形成される弁座と、前記内筒および前記外筒を互いに近接する方向および離間する方向へ相対移動させる駆動装置と、前記外筒に配設され、前記駆動装置により前記内筒および前記外筒を互いに近接する方向へ相対移動させた場合に、前記弁座に当接して前記通過口を塞ぐ弁体とを備えている。
【0009】
請求項2記載の作業装置は、請求項1記載の作業装置において、前記弁座は、前記外筒に内接すると共に、耐摩耗性を有する材料から構成されている。
【0010】
請求項3記載の作業装置は、請求項1又は2に記載の作業装置において、前記弁座は、前記内筒に配設された状態で前記通過口の断面積が前記下流経路側から前記上流経路側へ向けて漸次拡大するように、前記通過口の内面が傾斜して形成されている。
【0011】
請求項4記載の作業装置は、請求項3記載の作業装置において、前記弁体は、前記通過口の内面に当接して前記通過口を塞ぐと共に前記通過口の内面に対応して傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面にゴム状弾性体から構成されるリップが形成されている。
【0012】
請求項5記載の作業装置は、請求項4記載の作業装置において、前記弁体は、前記内筒および前記外筒が互いに相対移動する方向と直交する方向へ移動可能に前記外筒に配設されている。
【0013】
請求項6記載の作業装置は、請求項4又は5に記載の作業装置において、前記弁座は、前記内筒および前記外筒が互いに相対移動する方向と直交する方向へ移動可能に前記内筒に配設されている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の作業装置によれば、外筒に形成された第1連通経路および内筒に形成された第2連通経路により、上流経路と下流経路とが連通される。これにより、材料(砂など)を上流経路から下流経路を通じて地盤中へ導くことができる。
【0015】
また、駆動装置により内筒および外筒を互いに近接する方向(相対的に内筒が外筒内へ挿入される方向)へ相対移動させると、弁体が弁座に当接して通過口が塞がれることで、第2連通経路が閉塞され、上流経路と前記下流経路とが遮断される。これにより、空気供給口から下流経路に供給された圧縮空気を上流経路側へ逃がすことなく、圧縮空気により材料を押圧することができる。
【0016】
このように、本発明の作業装置によれば、弁体を弁座に当接させて上流経路と下流経路とを遮断する構成であるので、部品に衝撃荷重を加えることがなく、耐久性の向上を図ることができるという効果がある。即ち、従来の作業装置では、部品に衝撃荷重が加わって、部品が損傷し易かったところ、本発明の作業装置によれば、部品に衝撃荷重を加えないので、部品の損傷を抑制することができ、その結果、耐久性の向上を図ることができる。
【0017】
また、本発明の作業装置によれば、弁体を弁座に当接させて上流経路と下流経路とを遮断する構成であるので、材料の経路中に部品を設ける必要がなく、材料の経路面積を大きく確保して、材料詰まりの抑制を図ることができるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の作業装置によれば、請求項1記載の作業装置の奏する効果に加え、弁座は、外筒に内接するので、材料を地盤中へ導く際に、外筒と内筒との隙間からの材料の漏れを防止することができる。
【0019】
また、弁座が外筒に内接する構成の場合には、内筒および外筒を相対移動させることに伴い、弁座が外筒内を摺動して摩耗を生じ易いところ、本発明の作業装置によれば、弁座は、耐摩耗性を有する材料から構成されているので、弁座の摩耗を抑制して、耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
【0020】
請求項3記載の作業装置によれば、請求項1又は2に記載の作業装置の奏する効果に加え、弁座は、内筒に配設された状態で通過口の断面積が下流経路側から上流経路側へ向けて漸次拡大するように、通過口の内面が傾斜して形成されているので、材料を通過し易くすると共に通過口に材料を通過口に残留し難くして、材料詰まりの抑制を図ることができるという効果がある。
【0021】
請求項4記載の作業装置によれば、請求項3記載の作業装置の奏する効果に加え、弁体は、通過口の内面に当接して通過口を塞ぐと共に通過口の内面に対応して傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面にゴム状弾性体から構成されるリップが形成されているので、内筒および外筒を互いに近接する方向へ相対移動させることに伴い、傾斜面が通過口の内面を滑動して、通過口の内面に付着した材料をリップにより掻き払うことができる。これにより、傾斜面と通過口の内面との間に材料を残留し難くして、弁体と弁座とを確実に密着させることができるという効果がある。その結果、上流経路と下流経路とを確実に遮断することができるという効果がある。
【0022】
請求項5記載の作業装置によれば、請求項4記載の作業装置の奏する効果に加え、弁体は、内筒および外筒の相対移動方向と直交する方向へ移動可能に外筒に配設されているので、かかる相対移動方向と直交する方向において弁体と弁座とに位置ずれが生じている場合でも、傾斜面が通過口の内面を滑動することに伴い、かかる相対移動方向と直交する方向へ弁体を移動させることができる。よって、弁座に対する弁体の位置ずれを解消して、弁体と弁座とを確実に密着させることができるという効果がある。その結果、上流経路と下流経路とを確実に遮断することができるという効果がある。
【0023】
また、弁体を移動可能として弁座に対する位置ずれを解消することで、作業装置の製作時における寸法誤差を吸収することができるので、加工精度や組立精度を高精度に管理する必要がなく、その分、製作コストの低減を図ることができるという効果がある。
【0024】
請求項6記載の作業装置によれば、請求項4又は5に記載の作業装置の奏する効果に加え、弁座は、内筒および外筒の相対移動方向と直交する方向へ移動可能に内筒に配設されているので、かかる相対移動方向と直交する方向に対して弁体と弁座とに位置ずれが生じている場合でも、傾斜面が通過口の内面を滑動することに伴い、かかる相対移動方向と直交する方向へ弁座を移動させることができる。よって、弁体に対する弁座の位置ずれを解消して、弁体と弁座とを確実に密着させることができるという効果がある。その結果、上流経路と下流経路とを確実に遮断することができるという効果がある。
【0025】
また、弁座が外筒に内接する構成の場合には、かかる相対移動方向と直交する方向において内筒と外筒とに位置ずれが生じている場合でも、弁座は外筒の内面に沿って移動することができる。よって、内筒と外筒とを確実に相対移動させることができるという効果がある。更に、弁座が外筒の内面に沿って移動できるので、弁座と外筒との間の摩擦が小さくなり、耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
【0026】
また、弁座を移動可能として弁体に対する位置ずれを解消することで、作業装置の製作時における寸法誤差を吸収することができるので、加工精度や組立精度を高精度に管理する必要がなく、その分、製作コストの低減を図ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における作業装置1が装着された杭打機100の側面視を模式的に示した模式図である。なお、図1では、ケーシング3を地盤中に貫入した状態を図示している。
【0028】
まず、図1を参照して、杭打機100の概略構成について説明する。杭打機100は、地盤中に杭を造成して地盤改良を行うためのものであり、図1に示すように、本体101と、その本体101に立設されるリーダ102と、そのリーダ102に装着される作業装置1とを主に備えている。なお、本体101には、クローラ式の下部走行体101aが設けられ、その下部走行体101aによって自走可能に構成されている。
【0029】
作業装置1は、材料(砂など)を押圧して地盤中に杭を造成するための装置であり、材料が投入されるホッパ2と、そのホッパ2に投入された材料を地盤中へ導くケーシング3と、そのケーシング3内に圧縮空気を供給するための供給口となる空気供給口4(図2参照)とを主に備えている。
【0030】
この作業装置1は、昇降装置5を介してリーダ102に昇降可能に支持されると共に、本体101から繰り出されるワイヤロープ103によって吊り下げられ、ワイヤロープ103を巻上げることにより、リーダ102に沿って昇降するように構成されている。昇降装置5は、ラックアンドピニオン(図示せず)によって構成され、その昇降装置5によって、リーダ102に対する作業装置1の昇降位置を所定の位置で保持可能に構成されている。
【0031】
杭打機100によって地盤中に杭を造成する場合には、まず、図1に示すように、作業装置1を下降し、ケーシング3を地盤中に貫入する。そして、ホッパ2に材料を投入し、その材料をケーシング3内を通じて地盤中に導入する。その後、空気供給口4からケーシング3内に圧縮空気を供給し、その圧縮空気によって材料を押圧する。
【0032】
ここで、圧縮空気によって材料を押圧するためには、圧縮空気がホッパ2側へ逃げないように、材料を投入する経路となるホッパ2に形成された上流経路RU(図2参照)と、材料を地盤中へ導く経路となるケーシング3に形成された下流経路RL(図2参照)とを遮断する必要がある。そこで、本実施の形態における作業装置1には、ホッパ2とケーシング3との間に、上流経路RUと下流経路RLとを連通または遮断するための仕切弁装置10が介設されている。
【0033】
次いで、図2及び図3を参照して、仕切弁装置10について説明する。図2は、図1の矢印II方向視における作業装置1の正面図であり、(a)は外筒11及び内筒12が互いに離間する方向へ相対移動した状態を、(b)は外筒11及び内筒12が互いに近接する方向へ相対移動した状態を、それぞれ図示している。
【0034】
図2に示すように、仕切弁装置10は、ホッパ2に連結される外筒11と、その外筒11に内挿されると共にケーシング3に連結される内筒12と、それら外筒11及び内筒12を互いに相対移動させる一対の駆動装置13とを主に備えている。
【0035】
駆動装置13は、油圧シリンダによって構成され、本体部13aが外筒11に連結されると共に、ロッド13bがケーシング3(内筒12)を支持するベースプレート6に連結されている。従って、図2(a)に示すように、駆動装置13が伸長すると、外筒11及び内筒12が互いに離間する方向(矢印F方向)へ相対移動する一方、図2(b)に示すように、駆動装置13が収縮すると、外筒11及び内筒12が互いに近接する方向(矢印N方向)へ相対移動する。
【0036】
図3は、仕切弁装置10の正面図であり、(a)は外筒11及び内筒12が互いに離間する方向へ相対移動した状態を、(b)は外筒11及び内筒12が互いに近接する方向へ相対移動した状態を、それぞれ示している。なお、図3では、発明の理解を容易とするために、駆動装置13を省略して図示していると共に、外筒11、内筒12、弁体20及び弁座30を断面視で図示している。
【0037】
図3に示すように、外筒11内には、上流経路RU(図2参照)に連通する第1連通経路R1が形成されると共に、内筒12内には、下流経路RL(図2参照)に連通する第2連通経路R2が形成されている。従って、図3(a)に示すように、外筒11及び内筒12が互いに離間する方向(矢印F方向)へ相対移動した状態では、第2連通経路R2が第1連通経路R1を介して上流経路RUに連通することで、上流経路RUと下流経路RLとが連通される。
【0038】
また、図3に示すように、外筒11には、弁体20が配設されると共に、内筒12には、第2連通経路R2に連通する通過口31が形成された弁座30が配設されている。従って、図3(b)に示すように、外筒11及び内筒12が互いに近接する方向(矢印N方向)へ相対移動した状態では、弁体20が弁座30に当接して通過口31を塞ぐことで、第2連通経路R2が遮断され、上流経路RUと下流経路RLとが遮断される。
【0039】
これにより、外筒11及び内筒12を相対移動させることで、上流経路RUと下流経路RLとを連通して、材料を上流経路RUから下流経路RLを通じて地盤中へ導くことができると共に、上流経路RUと下流経路RLとを遮断して、空気供給口4から下流経路RLに供給された圧縮空気を上流経路RU側(ホッパ2側)へ逃がすことなく、圧縮空気よって材料を押圧することができる。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、弁体20を弁座30に当接させて上流経路RUと下流経路RLとを遮断する構成であるので、部品に衝撃荷重を加えることがなく、部品の損傷を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。また、弁体20を弁座30に当接させて上流経路RUと下流経路RLとを遮断する構成であるので、材料の経路中に部品を設ける必要がなく、材料の経路面積を大きく確保して、材料詰まりの抑制を図ることができる。
【0041】
次いで、図4を参照して、弁体20及び弁座30の詳細構成について説明する。図4は、図3(b)のAで示す部分を拡大した仕切弁装置10の拡大図である。図4に示すように、弁座30は、通過口31の断面積が下流経路RL側(図4下側)から上流経路RU(図4上側)へ向けて漸次拡大するように、通過口31の内面が傾斜して形成されている。
【0042】
従って、材料を地盤中へ導く際、材料が通過口31を通過するが、通過口31の内面が傾斜して形成されているので、材料を通過し易くすると共に材料を通過口31に残留し難くして、材料詰まりの抑制を図ることができる。
【0043】
また、弁座30は、外筒11に内接するように、外周形状が外筒11の内周形状と同一形状に形成されている。これにより、材料を地盤中へ導く際に、外筒11と内筒12との隙間Cからの材料の漏れを防止することができる。
【0044】
更に、弁座30は、超高分子量ポリエチレンから構成されている。従って、弁座30が外筒11に内接する構成の場合には、外筒11及び内筒12を相対移動させることに伴い、弁座30が外筒11内を摺動して摩耗を生じ易いところ、弁座30が超高分子量ポリエチレンから構成されているので、超硬分子量ポリエチレンの特性、即ち、耐摩耗性を有すると共に自己潤滑性を有する特性によって、弁座30の摩耗を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。同様に、自己潤滑性を有する特性によって、材料を弁座30に付着し難くして、仕切弁装置10内における材料詰まりの抑制を図ることができる。
【0045】
一方、弁体20は、ゴム状弾性体から構成されている。これにより、弁体20と弁座30とを確実に密着させることができる。その結果、上流経路RUと下流経路RLとを確実に遮断することができる。
【0046】
また、弁体20は、図4に示すように、通過口31の内面に対応して傾斜する傾斜面21を備え、その傾斜面21には、複数(本実施の形態では4つ)のリップ22が設けられている。従って、外筒11及び内筒12を互いに近接する方向へ相対移動させることに伴い、傾斜面21が通過口31の内面を滑動して、通過口31の内面に付着した材料をリップ22によって掻き払うことができる。
【0047】
これにより、傾斜面21と通過口31の内面との間に材料を残留し難くして、弁体20と弁座30とを確実に密着させることができる。その結果、上流経路RUと下流経路RLとを確実に遮断することができる。
【0048】
次いで、図4を参照して、弁体20の外筒11への取付構造および弁座30の内筒12への取付構造について説明する。図4に示すように、弁体20は、プレート40に取り付けられ、そのプレート40を介して外筒11に着脱可能に取り付けられている。
【0049】
これにより、弁体20の交換を可能として、機能性を長期に渡って確保することができる。また、弁体20を容易に交換できるので、メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0050】
外筒11には、保持部11aが開口形成され、その保持部11aにプレート40が保持されるように構成されている。プレート40と保持部11aとの間には、外筒11及び内筒12が相対移動する方向(以下、「相対移動方向」と称す。図4上下方向)に隙間が設けられており、その隙間の分だけ、弁体20が相対移動方向へ移動可能に構成されている。また、プレート40と保持部11aとの間には、相対移動方向と直交する方向(図4左右方向)にも隙間が設けられており、その隙間の分だけ、弁体20が相対移動方向と直交する方向へ移動可能に構成されている。
【0051】
これにより、相対移動方向と直交する方向において弁体20と弁座30とに位置ずれが生じている場合でも、傾斜面21が通過口31の内面を滑動することに伴い、弁体20を相対移動方向と直交する方向へ移動させることができる。よって、弁座30に対する弁体20の位置ずれを解消して、弁体20と弁座30とを確実に密着させることができる。
【0052】
また、弁体20を移動可能として弁座30に対する位置ずれを解消することで、作業装置1の製作時における寸法誤差を吸収することができるので、加工精度や組立精度を高精度に管理する必要がなく、その分、製作コストの低減を図ることができる。
【0053】
また、弁体20が相対移動方向へ移動可能に構成されているので、相対移動方向と直交する方向へ弁体20を容易に移動させることができる。
【0054】
一方、図4に示すように、弁座30は、ゴム状弾性体から構成されるシート50を介してボルト60によって内筒12に着脱可能に取り付けられている。これにより、弁座30の交換を可能として、機能性を長期に渡って確保することができる。また、弁座30を容易に交換できるので、メンテナンス作業の作業性を向上させることができる。更に、弁座30と内筒12との間にシート50が介設されているので、弁体20を弁座30に当接させた際に、シート50が弾性変形して、弁座30と内筒12とを確実に密着させることができる。その結果、上流経路RUと下流経路RLとを確実に遮断することができる。
【0055】
内筒12には、ボルト孔12aが貫通形成され、そのボルト孔12aにボルト60が挿通されている。ボルト60とボルト孔12aとの間には、相対移動方向と直交する方向に隙間が設けられており、その隙間の分だけ、弁座30が相対移動方向と直交する方向へ移動可能に構成されている。
【0056】
また、弁座30がカラー70を介して内筒12に取り付けられることで、弁座30と内筒12との間には、相対移動方向に隙間が設けられているため、弁座30を相対移動方向と直交する方向へ容易に移動させることができる。
【0057】
これにより、相対移動方向と直交する方向において弁体20と弁座30とに位置ずれが生じている場合でも、傾斜面21が通過口31の内面を滑動することに伴い、弁座30を相対移動方向と直交する方向へ移動させることができる。よって、弁体20に対する弁座30の位置ずれを解消して、弁体20と弁座30とを確実に密着させることができる。
【0058】
なお、本実施の形態のように、弁座30が外筒11に内接する構成の場合には、相対移動方向と直交する方向において外筒11と内筒12とに位置ずれが生じている場合でも、弁座30は外筒11の内面に沿って移動することができる。よって、外筒11と内筒12とを確実に相対移動させることができる。更に、弁座30が外筒11の内面に沿って移動できるので、弁座30と外筒11との間の摩擦が小さくなり、耐久性の向上を図ることができる。
【0059】
また、弁座30を移動可能として弁体20に対する位置ずれを解消することで、作業装置1の製作時における寸法誤差を吸収することができるので、加工精度や組立精度を高精度に管理する必要がなく、その分、製作コストの低減を図ることができる。
【0060】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0061】
上記実施の形態では、作業装置1を自走可能な杭打機100に装着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、やぐらや台船などに装着して使用しても良い。
【0062】
上記実施の形態では、駆動装置13を油圧シリンダで構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、油圧モータを利用したラックアンドピニオン機構などで構成しても良い。
【0063】
上記実施の形態では、弁体20を外筒11と別体に構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弁体20と外筒11とを一体に構成しても良い。同様に、弁座30を内筒12と別体に構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弁座30と内筒12とを一体に構成しても良い。
【0064】
上記実施の形態では、弁座30を高分子量ポリエチレンで構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、耐摩耗性を有する他の材料で構成しても良い。他の材料としては、例えば、セラミックスや超高合金などが例示される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態における作業装置が装着された杭打機の側面視を模式的に示した模式図である。
【図2】図1の矢印II方向視における作業装置の正面図であり、(a)は外筒および内筒が互いに離間する方向へ相対移動した状態を、(b)は外筒および内筒が互いに近接する方向へ相対移動した状態を、それぞれ図示している。
【図3】仕切弁装置の正面図であり、(a)は外筒および内筒が互いに離間する方向へ相対移動した状態を、(b)は外筒および内筒が互いに近接する方向へ相対移動した状態を、それぞれ図示している。
【図4】図3(b)のAで示す部分を拡大した仕切弁装置の拡大図である。
【符号の説明】
【0066】
1 作業装置
4 空気供給口
10 仕切弁装置
11 外筒
12 内筒
13 駆動装置
20 弁体
21 傾斜面
22 リップ
30 弁座
31 通過口
102 リーダ
RU 上流経路
RL 下流経路
R1 第1連通経路
R2 第2連通経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーダに装着される作業装置であって、材料を投入する経路となる上流経路と、その上流経路から前記材料を地盤中へ導く経路となる下流経路と、その下流経路に圧縮空気を供給するための供給口となる空気供給口と、前記上流経路と前記下流経路との間に介設され、前記上流経路と前記下流経路とを連通または遮断する仕切弁装置とを備え、その仕切弁装置により前記上流経路と前記下流経路とを連通して、前記材料を前記上流経路から前記下流経路を通じて地盤中へ導くと共に、前記仕切弁装置により前記上流経路と前記下流経路とを遮断して、前記空気供給口から供給された圧縮空気により前記下流経路内を加圧することで、前記材料を押圧して地盤中に杭を造成する作業装置において、
前記仕切弁装置は、
前記上流経路に連通する第1連通経路が形成される外筒と、
その外筒に内挿され、前記第1連通経路を介して前記上流経路に連通すると共に前記下流経路に連通する第2連通経路が形成される内筒と、
その内筒に配設され、前記第2連通経路に連通する通過口が形成される弁座と、
前記内筒および前記外筒を互いに近接する方向および離間する方向へ相対移動させる駆動装置と、
前記外筒に配設され、前記駆動装置により前記内筒および前記外筒を互いに近接する方向へ相対移動させた場合に、前記弁座に当接して前記通過口を塞ぐ弁体とを備えていることを特徴とする作業装置。
【請求項2】
前記弁座は、前記外筒に内接すると共に、耐摩耗性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1記載の作業装置。
【請求項3】
前記弁座は、前記内筒に配設された状態で前記通過口の断面積が前記下流経路側から前記上流経路側へ向けて漸次拡大するように、前記通過口の内面が傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業装置。
【請求項4】
前記弁体は、前記通過口の内面に当接して前記通過口を塞ぐと共に前記通過口の内面に対応して傾斜する傾斜面を備え、その傾斜面にゴム状弾性体から構成されるリップが形成されていることを特徴とする請求項3記載の作業装置。
【請求項5】
前記弁体は、前記内筒および前記外筒が互いに相対移動する方向と直交する方向へ移動可能に前記外筒に配設されていることを特徴とする請求項4記載の作業装置。
【請求項6】
前記弁座は、前記内筒および前記外筒が互いに相対移動する方向と直交する方向へ移動可能に前記内筒に配設されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の作業装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−133070(P2009−133070A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308149(P2007−308149)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【出願人】(000172961)あおみ建設株式会社 (21)
【Fターム(参考)】