説明

作業車の制御システム

【課題】PTO軸の回転数が最大回転数を超えないようにエンジンの出力回転数を制限する状態から制限しない状態への切り換えに伴って車体が急加速する不都合の発生を阻止できるようにする。
【解決手段】設定手段Aで設定した設定回転数が得られるようにエンジン2の出力回転数を制御する制御手段25に、PTO軸の回転数が予め設定した最大回転数を超えないようにエンジン2の出力回転数を制限する制限手段25Cを備え、制限手段25Cが、指令手段Bからの出力に基づいてエンジン2の出力回転数を制限する実行状態と制限しない停止状態とに切り換わるように構成した作業車の制御システムにおいて、制御手段25に、指令手段Bからの出力に基づく制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに伴うエンジン2の出力回転数の急上昇を阻止する急上昇阻止手段25Dを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定手段で設定した設定回転数が得られるようにエンジンの出力回転数を制御する制御手段に、PTO軸の回転数が予め設定した最大回転数を超えないように前記エンジンの出力回転数を制限する制限手段を備え、前記制限手段が、指令手段からの出力に基づいて前記エンジンの出力回転数を制限する実行状態と制限しない停止状態とに切り換わるように構成した作業車の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業車の制御システムは、PTO軸の回転数が最大回転数を超えないようにエンジンの出力回転数を制限することにより、PTO軸からの動力で作動する作業装置の過負荷による破損などを防止している。
【0003】
そして、上記のような作業車の制御システムとしては、エンジンの回転数を設定する設定手段と、設定手段で設定した回転数(上記の設定回転数)となるようにエンジンを制御するコントローラ(上記の制御手段に相当)と、PTO軸の回転数の上限値(上記の最大回転数)を設定するPTO軸回転数設定手段と、エンジンの出力軸の回転数を検知する手段とを備えて、設定手段をPTO軸の回転数の上限値を越える操作をしても、PTO軸の回転数が上限値を越えないようにエンジンを制御する構成とし、更に、PTO軸の回転数を制限するか制限しないかを切り換える手段(上記の指令手段に相当)を設けたものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−299902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成では、例えば、設定手段で設定した設定回転数がPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数を大きく上回っている状態において、指令手段によりPTO軸の回転数が最大回転数を超えないようにエンジンの出力回転数を制限する状態から制限しない状態に切り換えると、エンジンの出力回転数がPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数から設定回転数に急上昇する急加速を招く虞があり、エンジンの出力回転数を制御する上において改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、PTO軸の回転数が最大回転数を超えないようにエンジンの出力回転数を制限する状態から制限しない状態への切り換えに伴って車体が急加速する不都合の発生を阻止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の課題解決手段では、
設定手段で設定した設定回転数が得られるようにエンジンの出力回転数を制御する制御手段に、PTO軸の回転数が予め設定した最大回転数を超えないように前記エンジンの出力回転数を制限する制限手段を備え、前記制限手段が、指令手段からの出力に基づいて前記エンジンの出力回転数を制限する実行状態と制限しない停止状態とに切り換わるように構成した作業車の制御システムにおいて、
前記制御手段に、前記指令手段からの出力に基づく前記制限手段の前記実行状態から前記停止状態への切り換えに伴う前記エンジンの出力回転数の急上昇を阻止する急上昇阻止手段を備えてある。
【0008】
この課題解決手段によると、例えば、設定回転数がPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数を大きく上回っている状態において、指令手段からの出力に基づいて制限手段が実行状態から停止状態に切り換わった場合であっても、エンジンの出力回転数がPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数から設定回転数に急上昇する虞を未然に回避することができる。
【0009】
従って、PTO軸の回転数が最大回転数を超えないようにエンジンの出力回転数を制限する状態から制限しない状態への切り換えに伴って車体が急加速する不都合の発生を阻止することができる。
【0010】
本発明の第2の課題解決手段では、上記第1の課題解決手段において、
前記制御手段の制御作動で前記エンジンから前記PTO軸への伝動を断続するPTOクラッチを備え、
前記指令手段が前記PTOクラッチの断続を指令し、前記指令手段からの前記PTOクラッチの接続指令に基づいて前記制御手段が前記PTOクラッチを接続状態に切り換えるとともに前記制限手段が前記実行状態に切り換わり、又、前記指令手段からの前記PTOクラッチの遮断指令に基づいて前記制御手段が前記PTOクラッチを遮断状態に切り換えるとともに前記制限手段が前記停止状態に切り換わるように構成してある。
【0011】
この課題解決手段によると、指令手段がPTOクラッチの接続指令を出力すると、PTOクラッチが接続状態に切り換わるとともに制限手段が実行状態に切り換わり、PTO軸の回転数が最大回転数を超えないように制限手段がエンジンの出力回転数を制限する。又、指令手段がPTOクラッチの遮断指令を出力すると、PTOクラッチが遮断状態に切り換わるとともに制限手段が停止状態に切り換わり、制限手段がエンジンの出力回転数を制限しなくなる。
【0012】
つまり、PTOクラッチの断続を指令するPTOスイッチやPTOクラッチレバーの操作位置又はPTOクラッチの断続状態を検出する検出手段などを指令手段に兼用することができ、制限手段の実行状態と停止状態との切り換えを指令する専用の指令手段を設ける場合に比較して、操作性の向上及びコストの削減などを図ることができる。
【0013】
そして、このようにPTOスイッチやPTOクラッチレバーの操作などに基づいてPTOクラッチの断続操作とともに制限手段の実行状態と停止状態との切り換えを行えるように構成しながらも、PTOクラッチの遮断操作とともに制限手段が停止状態に切り換わる場合に、その切り換えに伴ってエンジンの出力回転数が不測にPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数から設定回転数に急上昇する虞を未然に回避することができる。
【0014】
従って、操作性の向上及びコストの削減などを図りながらPTOクラッチの遮断操作に伴って車体が急加速する不都合の発生を阻止することができる。
【0015】
本発明の第3の課題解決手段では、上記第2の課題解決手段において、
前記エンジンの出力回転数を検出する検出手段を備え、
前記制御手段が、前記指令手段からの前記PTOクラッチの接続指令に基づいて前記検出手段の出力と前記最大回転数に対応するエンジン回転数とを比較し、前記検出手段の出力が前記最大回転数に対応するエンジン回転数を超えていると前記PTOクラッチを遮断状態に維持し、又、前記検出手段の出力が前記最大回転数に対応するエンジン回転数以下であると前記PTOクラッチを接続状態に切り換えるように構成してある。
【0016】
この課題解決手段によると、検出手段が出力するエンジンの出力回転数がPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数を超えている場合に指令手段からPTOクラッチの接続指令が出力されても、その接続指令に基づいてPTOクラッチが直ちに接続状態に切り換わることはなく、その接続指令に基づいて実行状態に切り換わる制限手段の制御作動で、検出手段が出力するエンジンの出力回転数がPTO軸の最大回転数に対応するエンジン回転数まで低下するのに伴ってPTOクラッチが接続状態に切り換わることになる。
【0017】
つまり、PTOスイッチやPTOクラッチレバーの操作などに基づいてPTOクラッチの断続操作とともに制限手段の実行状態と停止状態との切り換えを行うように構成しながらも、エンジンの出力回転数が最大回転数に対応するエンジン回転数を超えている場合での指令手段からのPTOクラッチの接続指令に基づいてPTOクラッチが接続状態に切り換わることを阻止することができる。
【0018】
従って、操作性の向上及びコストの削減などを図りながら、PTO軸の回転数が最大回転数を超えることに起因してPTO軸からの動力で作動する作業装置が過負荷で破損するなどの不都合の発生を阻止することができる。
【0019】
本発明の第4の課題解決手段では、上記第1〜3の課題解決手段のいずれか一つにおいて、
前記制限手段の前記実行状態から前記停止状態への切り換え後は、前記急上昇阻止手段の制御作動で前記PTO軸の回転数が前記最大回転数を超えないように前記エンジンの出力回転数を制限し、かつ、前記設定回転数が前記最大回転数に対応するエンジン回転数まで低下すると前記急上昇阻止手段の制御作動による前記エンジンの出力回転数の制限を解除するように構成してある。
【0020】
この課題解決手段によると、制限手段を実行状態に切り換えてエンジンの出力回転数を制限すると、制限手段を停止状態に切り換えても、設定手段を操作して設定回転数を最大回転数に対応するエンジン回転数まで低下させない限り、エンジンの出力回転数を制限する状態を解除することができなくなる。これにより、エンジンの出力回転数を制限する状態を解除した場合には、制御手段が、最大回転数に対応するエンジン回転数まで低下させた設定回転数が得られるようにエンジンの出力回転数を制御するようになり、その後、設定手段を操作して設定回転数を任意に設定変更すると、制御手段が、変更後の設定回転数が得られるようにエンジンの出力回転数を制御するようになる。
【0021】
つまり、エンジンの出力回転数を制限する状態を解除した段階では、設定回転数が最大回転数に対応するエンジン回転数まで低下していることから、エンジンの出力回転数が急上昇する虞を確実に回避することができる。
【0022】
従って、PTO軸の回転数が最大回転数を超えないようにエンジンの出力回転数を制限する状態から制限しない状態への切り換えに伴って車体が急加速する不都合の発生を確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】トラクタの全体左側面図である。
【図2】トラクタの伝動構成を示すブロック図である。
【図3】トラクタの制御構成を示すブロック図である。
【図4】PTOクラッチ制御での制御の流れを示す図である。
【図5】制限制御での制御の流れを示す図である。
【図6】急上昇阻止制御での制御の流れを示す図である。
【図7】PTOスイッチの操作とエンジンの出力回転数とPTO軸の回転数との関係を示す図である。
【図8】比較例でのPTOスイッチの操作とエンジンの出力回転数とPTO軸の回転数との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業車の制御システムを作業車の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、トラクタは、その前部に配備した前部フレーム1に水冷式のエンジン2やラジエータ3などを搭載し、その後部に配備したフレーム兼用のトランスミッションケース(以下、T/Mケースと称する)4の上方に搭乗運転部5を形成し、前部フレーム1の左右に、エンジン2からの動力による駆動が可能な操向輪としての左右一対の前輪6を備え、T/Mケース4の後部の左右に、エンジン2からの動力で駆動する駆動輪としての左右一対の後輪7を備えて4輪駆動型に構成してある。
【0026】
搭乗運転部5には、左右の前輪6に操作連係したステアリングホイール8や運転座席9などを備え、搭乗運転空間を形成するキャビン10を配備してある。
【0027】
T/Mケース4の後部には、油圧式で左右一対のリフトシリンダ11の作動で昇降揺動する左右一対のリフトアーム12や、エンジン2からの動力の外部への取り出しを可能にするPTO軸13などを装備してある。これにより、このトラクタは、その後部にロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置(図示せず)を昇降駆動可能に連結することができ、かつ、ロータリ耕耘装置などの駆動型の作業装置に対する作業用動力の取り出しが可能となるように構成してある。
【0028】
図2に示すように、このトラクタでは、エンジン2からの動力をダンパ14を介して走行用のクラッチを兼用する電子油圧制御式の前後進切換装置15の入力軸15Aに伝達する。そして、前後進切換装置15の出力軸15Bから取り出した前後進切換装置15による切り換え後の前進用動力又は後進用動力を走行用として電子油圧制御式の主変速装置16及びシンクロメッシュ式の副変速装置17により変速し、それらによる変速後の走行用動力を後輪用の差動装置18などを介して左右の後輪7に伝達し、かつ、電子油圧制御式の前輪用の駆動切換装置19及び前輪用の差動装置20などを介して左右の前輪6に伝達する。又、前後進切換装置15の入力軸15Aから取り出したエンジン2からの動力を作業用として電子油圧制御式のPTOクラッチ21及びシンクロメッシュ式のPTO変速装置22などを介してPTO軸13に伝達する。
【0029】
図3に示すように、エンジン2は、その調速機(図示せず)の調速レバー23を操作するアクセルシリンダ24の作動で、その出力回転数をアイドリング回転数と定格回転数との間で無段階に調節することができる。アクセルシリンダ24には電動シリンダを採用してある。アクセルシリンダ24の作動は、制御手段として機能する電子制御ユニット(以下、ECUと称する)25に制御プログラムとして備えたアクセル制御手段25Aの制御作動で制御する。
【0030】
ECU25は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。ECU25には、アクセルレバー26の操作位置を検出するレバーセンサ27の出力、アクセルペダル28の操作位置を検出するペダルセンサ29の出力、及び、エンジン2の出力回転数を検出する検出手段としてのエンジンセンサ30の出力、などを入力してある。又、アクセルレバー26の操作位置とエンジン2の出力回転数との関係を示すエンジン回転数設定用の第1データ、及び、アクセルペダル28の操作位置とエンジン2の出力回転数との関係を示すエンジン回転数設定用の第2データ、などを備えてある。
【0031】
アクセルレバー26は、位置保持型に構成してステアリングホイール8の右下方に配備してある。アクセルペダル28は、踏み込み解除位置に自動復帰する自己復帰型に構成して搭乗運転部5の右足元部に配備してある。アクセルレバー用のレバーセンサ27及びアクセルペダル用のペダルセンサ29には回転式のポテンショメータを採用してある。エンジンセンサ30には電磁ピックアップ式の回転センサを採用してある。第1データ及び第2データにはマップデータや関係式などを採用することができる。
【0032】
アクセル制御手段25Aは、アクセルレバー用のレバーセンサ27の出力、アクセルペダル用のペダルセンサ29の出力、及び、エンジンセンサ30の出力などに基づいてアクセル制御を行う。具体的には、アクセルレバー用のレバーセンサ27の出力、アクセルペダル用のペダルセンサ29の出力、第1データ、及び第2データに基づいて、アクセルレバー26の操作位置に対応する設定回転数とアクセルペダル28の操作位置に対応する設定回転数とを求め、求めたアクセルレバー26による設定回転数とアクセルペダル28による設定回転数とを比較する。そして、アクセルペダル28による設定回転数がアクセルレバー26による設定回転数以下である場合は、アクセルレバー26による設定回転数を目標回転数として採用する。又、アクセルペダル28による設定回転数がアクセルレバー26による設定回転数よりも高い場合は、アクセルペダル28による設定回転数を目標回転数として採用する。そして、採用した目標回転数にエンジンセンサ30の出力が一致する(目標回転数の不感帯幅内に収まる)ようにアクセルシリンダ24の作動を制御する。
【0033】
つまり、この実施形態では、アクセルレバー26とレバーセンサ27とからレバー操作でエンジン2の設定回転数を設定する設定手段Aを構成してあり、アクセルペダル28とペダルセンサ29とからペダル操作でエンジン2の設定回転数を設定する設定手段Aを構成してある。
【0034】
図3に示すように、PTOクラッチ21は、電磁制御弁を利用して構成したクラッチ弁31の作動で、エンジン2からの動力をPTO変速装置22を介してPTO軸13に伝動する接続状態と、その伝動を遮断する遮断状態とに切り換わる。クラッチ弁31の作動は、ECU25に制御プログラムとして備えたPTOクラッチ制御手段25Bの制御作動で制御する。PTOクラッチ21には多板型の油圧クラッチを採用してある。
【0035】
ECU25には、PTOクラッチ21の断続を指令するPTOスイッチ32の出力、及び、リフトアーム12の揺動角を作業装置の高さとして検出するアームセンサ33の出力、などを入力してある。
【0036】
PTOスイッチ32は、搭乗運転部5における運転座席9の右側方箇所に配備してある。PTOスイッチ32には、PTOクラッチ21の遮断を指令する「切」位置とPTOクラッチ21の接続を指令する「入」位置とアームセンサ33の出力をPTOクラッチ21の断続指令とする「自動」位置とに切り換え可能な3位置切り換え式で下方への押圧操作で「切」位置に復帰するように構成したダイヤル型の多接点スイッチを採用してある。アームセンサ33には回転式のポテンショメータを採用してある。
【0037】
図4に示すように、PTOクラッチ制御手段25Bは、PTOスイッチ32の出力などに基づいてPTOクラッチ21を断続操作するPTOクラッチ制御を行う。基本的には、PTOスイッチ32の出力に基づいてPTOスイッチ32の操作位置を判別する〔#1,#2〕。そして、PTOスイッチ32の操作位置が「入」位置である場合は、このときのPTOスイッチ32の出力を接続指令として受け取り、この接続指令に基づいてPTOクラッチ21が接続状態になるようにクラッチ弁31の作動を制御する〔#5〕。PTOスイッチ32の操作位置が「切」位置である場合は、このときのPTOスイッチ32の出力を遮断指令として受け取り、この遮断指令に基づいてPTOクラッチ21が遮断状態になるようにクラッチ弁31の作動を制御する〔#6〕。PTOスイッチ32の操作位置が「自動」位置である場合は、アームセンサ33の出力をPTOクラッチ21の断続指令とし、アームセンサ33が出力するリフトアーム12の揺動角が設定角度未満の接地側の角度領域内であると、このときのアームセンサ33の出力を接続指令として受け取り、この接続指令に基づいてPTOクラッチ21が接続状態になるように、又、アームセンサ33が出力するリフトアーム12の揺動角が設定角度以上の浮上側の角度領域内であると、このときのアームセンサ33の出力を遮断指令として受け取り、この遮断指令に基づいてPTOクラッチ21が遮断状態になるようにクラッチ弁31の作動を制御する〔#3,#5,#6〕。
【0038】
つまり、作業装置としてPTO軸13からの動力で作動するロータリ耕耘装置などの接地作業式の作業装置を連結している場合には、PTOスイッチ32を「自動」位置に操作しておくことにより、作業装置の下降操作によりリフトアーム12の揺動角が設定角度未満になるのに連動して作業装置を作動させることができる。又、作業装置の上昇操作によりリフトアーム12の揺動角が設定角度以上になるのに連動して作業装置の作動を停止させることができる。
【0039】
図示は省略するが、PTO変速装置22は、搭乗運転部5における運転座席9の右側方に配備したPTO変速レバー34にPTO変速用の機械式連係機構を介して連係してあり、PTO変速レバー34の操作に連動してエンジン2からの動力を高低2段に切り換えるように構成してある。
【0040】
図3、図5及び図7に示すように、ECU25には、PTO軸13の回転数が予め記憶された最大回転数を超えないようにエンジン2の出力回転数を制限する制限手段25Cを制御プログラムとして備えてある。又、PTO変速レバー34の操作位置からPTO変速装置22の変速段を検出するPTO変速センサ35の出力などを入力してある。
【0041】
図5及び図7に示すように、制限手段25Cは、予め記憶された最大回転数及びエンジンセンサ30の出力などに基づいてエンジン2の出力回転数を制限する制限制御を行う。具体的には、PTOスイッチ32の「入」位置への操作に伴ってPTOスイッチ32が出力する接続指令に基づいてエンジン2の出力回転数を制限する実行状態に切り換わり〔図5の#1,#4〕、PTOスイッチ32の「切」位置への操作に伴ってPTOスイッチ32が出力する遮断指令に基づいてエンジン2の出力回転数を制限しない停止状態に切り換わる〔図5の#2,#5〕。又、PTOスイッチ32が「自動」位置であると、リフトアーム12の揺動角が設定角度未満の接地側の角度領域内である場合にアームセンサ33が出力する接続指令に基づいて実行状態に切り換わり〔図5の#3,#4〕、リフトアーム12の揺動角が設定角度以上の浮上側の角度領域内である場合にアームセンサ33が出力する遮断指令に基づいて停止状態に切り換わる〔図5の#3,#5〕。そして、その実行状態では、PTO変速センサ35の出力に基づいてPTO変速装置22の変速段を判別するとともに、判別した変速段に対応する変速比とPTO軸13の最大回転数とからエンジン2の制限回転数を演算し〔図5の#6〕、この演算したエンジン2の制限回転数とエンジン2の目標回転数(大きい方の設定回転数)とを比較し〔図5の#7〕、エンジン2の制限回転数がエンジン2の目標回転数よりも低い場合は、エンジン2の制限回転数を新たな目標回転数として採用し、この新たな目標回転数とエンジンセンサ30の出力とに基づいてエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数を超えないようにアクセルシリンダ24の作動を制御するアクセル制限制御をアクセル制御手段25Aのアクセル制御に優先して行うことで、PTO軸13の回転数が最大回転数を超えないようにする〔図5の#8〕。エンジン2の制限回転数がエンジン2の目標回転数(大きい方の設定回転数)以上の場合はアクセル制御手段25Aのアクセル制御を優先させる〔図5の#9〕。
【0042】
これにより、PTO軸13の回転数が最大回転数を超えることに起因して、PTO軸13からの動力で作動するロータリ耕耘装置などの作業装置が過負荷で破損するなどの不都合の発生を阻止することができる。又、アクセルレバー26及びアクセルペダル28による制限回転数以下でのアクセル操作を行うことができる。
【0043】
尚、この実施形態では、PTOスイッチ32及びアームセンサ33が、PTOクラッチ21の断続及び制限手段25Cの実行状態と停止状態との切り換えを指令する指令手段Bとして機能する。
【0044】
ところで、上記の構成においては、例えば図8に示すように、PTOスイッチ32の「入」位置への操作に伴ってPTOスイッチ32が出力する接続指令(図8ではオン信号)に基づいて、制限手段25Cが停止状態から実行状態に切り換わると同時にPTOクラッチ21が遮断状態から接続状態に切り換わるように構成すると、制限手段25Cの制御作動でエンジン2の出力回転数が前述したエンジン2の制限回転数(PTO軸13の最大回転数に対応するエンジン回転数)に低下するまでの間でPTOクラッチ21が接続状態に切り換わり、PTO軸13の回転数が最大回転数を超えることがある。
【0045】
又、PTOスイッチ32の「切」位置への操作に伴ってPTOスイッチ32が出力する遮断指令(図8ではオフ信号)に基づいて、PTOクラッチ21が接続状態から遮断状態に切り換わると同時に制限手段25Cが実行状態から停止状態に切り換わるように構成すると、アクセルレバー26又はアクセルペダル28で設定したエンジン2の設定回転数が前述したエンジン2の制限回転数を大きく上回っている場合に、PTOクラッチ21の遮断状態への切り換えに伴ってエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数から設定回転数まで不測に急上昇する急加速を招く虞がある。
【0046】
そこで、このECU25では、図4及び図7に示すように、PTOスイッチ32の「入」位置への操作に伴って、PTOスイッチ32からPTOクラッチ21の接続指令(図7ではオン信号、図4の#1)が出力されると、この接続指令に基づいて、PTOクラッチ制御手段25Bがエンジン2の制限回転数とエンジンセンサ30の出力とを比較し、エンジンセンサ30が出力するエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数以下でなければPTOクラッチ21が遮断状態を維持し、エンジン2の制限回転数以下であればPTOクラッチ21が接続状態に切り換わるようにクラッチ弁31の作動を制御するように構成してある〔図4の#4,#5〕。
【0047】
同様に、PTOスイッチ32を「自動」位置に位置させた状態でのリフトアーム12の設定角度未満への下降揺動に伴って、アームセンサ33からPTOクラッチ21の接続指令が出力されると、この接続指令に基づいて、PTOクラッチ制御手段25Bがエンジン2の制限回転数とエンジンセンサ30の出力とを比較し、エンジンセンサ30が出力するエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数以下でなければPTOクラッチ21が遮断状態を維持し、又、エンジンセンサ30が出力するエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数以下であればPTOクラッチ21が接続状態に切り換わるようにクラッチ弁31の作動を制御するように構成してある〔図4の#3〜5〕。
【0048】
これにより、PTOスイッチ32又はアームセンサ33からPTOクラッチ21の接続指令が出力されたときにエンジンセンサ30の出力がエンジン2の制限回転数を超えている場合には、このときの接続指令で実行状態に切り換わった制限手段25Cの制御作動でエンジンセンサ30の出力がエンジン2の制限回転数に低下するまでの間はPTOクラッチ21が遮断状態を維持し、エンジンセンサ30の出力がエンジン2の制限回転数に達するのに伴ってPTOクラッチ21が接続状態に切り換わることから、PTO軸13の回転数が最大回転数を超えることに起因して、PTO軸13からの動力で作動する作業装置が過負荷で破損するなどの不都合の発生を阻止することができる。
【0049】
又、PTOスイッチ32又はアームセンサ33からPTOクラッチ21の接続指令が出力されたときにエンジンセンサ30の出力がエンジン2の制限回転数以下である場合には、このときの接続指令で制限手段25Cが実行状態に切り換わるとともにPTOクラッチ21が接続状態に切り換わることから、PTO軸13からの動力で作動する作業装置を直ちに作動させることができる。
【0050】
そして、図3、図6及び図7に示すように、このECU25には、PTOスイッチ32又はアームセンサ33からのPTOクラッチ21の遮断指令に基づく制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに伴うエンジン2の出力回転数の急上昇を阻止する急上昇阻止手段25Dを制御プログラムとして備えてある。
【0051】
急上昇阻止手段25Dは、制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに基づいて急上昇阻止制御を行う。具体的には、PTOスイッチ32又はアームセンサ33が出力するPTOクラッチ21の遮断指令に基づいて制限手段25Cが実行状態から停止状態に切り換わったか否かを判別し〔図6の#1〕、停止状態に切り換わった場合に、PTO変速センサ35の出力に基づいてPTO変速装置22の変速段を判別するとともに、判別した変速段に対応する変速比とPTO軸13の最大回転数とからエンジン2の制限回転数を演算し〔図6の#2〕、この演算したエンジン2の制限回転数とアクセルレバー26及びアクセルペダル28による設定回転数とを比較し〔図6の#3〕、アクセルレバー26による設定回転数とアクセルペダル28による設定回転数とのいずれかがエンジン2の制限回転数よりも大きい間は制限制御に引き継いでアクセル制限制御を行い〔図6の#4〕、アクセルレバー26による設定回転数とアクセルペダル28による設定回転数との双方がエンジン2の制限回転数以下に低下すると、急上昇阻止制御を停止してアクセル制御手段25Aのアクセル制御に移行させる〔図6の#5〕。
【0052】
つまり、制限手段25Cを実行状態に切り換えてPTO軸13の回転数が最大回転数を超えないようにエンジン2の出力回転数を制限すると、制限手段25Cを停止状態に切り換えても、アクセルレバー26及びアクセルペダル28を操作してエンジン2の目標回転数となるアクセルレバー26及びアクセルペダル28による設定回転数をPTO軸13の最大回転数に対応するエンジン2の制限回転数まで低下させない限り、エンジン2の出力回転数を制限する状態を解除することができなくなる。
【0053】
これにより、エンジン2の出力回転数を制限する状態を解除した場合には、アクセル制御手段25Aが、エンジン2の制限回転数まで低下させたエンジン2の目標回転数に基づいてアクセル制御を行うことになり、その結果、エンジン2の出力回転数を制限する状態を解除するのに伴ってエンジン2の出力回転数が急上昇して車体が急加速する不都合の発生を確実に回避することができる。そして、エンジン2の出力回転数を制限する状態を解除した後は、エンジン2の出力回転数をアクセルレバー26又はアクセルペダル28の操作で設定する任意の設定回転数に変更することができる。
【0054】
〔別実施形態〕
【0055】
〔1〕作業車としては、乗用田植機や乗用草刈機又は除雪作業車などであってもよい。又、作業車としては、PTO変速装置22を備えていないもの、3段以上の変速が可能なPTO変速装置22、又は、無段変速式のPTO変速装置22、などを備えたものであってもよい。更に、車体の前部や前後中間部にPTO軸13を配備したものであってもよい。
【0056】
〔2〕設定手段Aとして、レバー式とペダル式のいずれか一方を備えるようにしてもよく、又、ダイヤル式のものを備えるようにしてもよい。
【0057】
〔3〕エンジン2として、燃料の噴射量や噴射タイミングを電子制御するコモンレール式の燃料噴射装置を備えたものを採用し、制御手段25が、設定手段Aが出力する設定回転数や検出手段30が出力するエンジン2の出力回転数などに基づいて、燃料圧送用のサプライポンプや燃料噴射用の複数のインジェクタなどの作動を制御して燃料噴射量を調節することにより、エンジン2の回転数を制御するように構成してもよい。
【0058】
〔4〕制御手段25としては、アクセルレバー用のレバーセンサ27の出力、アクセルペダル用のペダルセンサ29の出力、及び、調速レバーの操作位置を検出するレバーセンサの出力に基づいて、アクセルレバー26の操作位置とアクセルペダル28の操作位置のうちの高速側の操作位置に調速レバー23の操作位置が対応するようにアクセルシリンダ24の作動を制御するものであってもよい。
【0059】
〔5〕制御手段25としては、主変速装置16やPTOクラッチ21などの作動を制御するメインECUとエンジン制御用のエンジンECUとをCAN通信などの車内通信によって相互通信可能に接続して構成したものであってもよい。又、制限手段25Cが急上昇阻止手段25Dとして機能するように構成したものであってもよい。
【0060】
〔6〕制限手段25Cとしては、PTO変速センサ35の出力に基づいてPTO変速装置22の変速段を判別し、判別した変速段に対応する変速比とエンジンセンサ30の出力とに基づいてPTO軸13の回転数を演算し、この演算したPTO軸13の回転数と予め設定した最大回転数とに基づいてPTO軸13の回転数が最大回転数を超えないようにエンジン2の出力回転数を制御するものであってもよい。又、PTO軸13の回転数を検出する回転センサの出力と予め設定した最大回転数とに基づいてPTO軸13の回転数が最大回転数を超えないようにエンジン2の出力回転数を制御するものであってもよい。
【0061】
〔7〕指令手段Bに兼用するPTOスイッチ32としてPTOクラッチ21の断続を指令する2位置切り換え式のものを採用してもよい。又、PTOスイッチ32に代えて、PTOクラッチレバーの操作位置を検出する検出手段、あるいは、PTOクラッチ32の断続状態を検出する検出手段などを指令手段Bに兼用するように構成してもよい。更に、指令手段Bとして制限手段25Cの実行状態と停止状態との切り換えのみ指令する専用のものを備えるようにしてもよい。
【0062】
〔8〕急上昇阻止手段25Dとしては、設定手段Aで設定したエンジン2の設定回転数がエンジン2の制限回転数(PTO軸13の最大回転数に対応するエンジン回転数)よりも大きい場合に、指令手段Bからの出力に基づく制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに伴って、エンジン2の出力回転数が予め設定した上昇率で設定回転数に向けて緩やかに上昇するようにエンジン2の出力回転数を制御するものであってもよい。又、設定手段Aで設定したエンジン2の設定回転数がエンジン2の制限回転数(PTO軸13の最大回転数に対応するエンジン回転数)よりも大きい場合に、指令手段Bからの出力に基づく制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに伴ってエンジン回転数の上昇を運転者に報知し、制限手段25Cの停止状態への切り換えから所定時間の経過後にエンジン2の出力回転数が予め設定した上昇率で設定回転数に向けて緩やかに上昇するようにエンジン2の出力回転数を制御するものであってもよい。
【0063】
〔9〕前述した実施形態のように制限手段25Cの停止状態への切り換え後に急上昇阻止手段25Dがアクセル制限制御を継続して行うように構成した場合には、急上昇阻止手段25Dを停止状態に切り換える(急上昇阻止手段25Dによるアクセル制限制御を停止させる)ための専用のスイッチなどの指令手段を備えるようにしてもよい。そして、この構成においては、その指令手段で急上昇阻止手段25Dを停止状態に切り換えた場合に、設定手段Aで設定したエンジン2の設定回転数がエンジン2の制限回転数(PTO軸13の最大回転数に対応するエンジン回転数)よりも大きければ、その指令手段による急上昇阻止手段25Dの停止状態への切り換え後にエンジン2の出力回転数が予め設定した上昇率で設定回転数に向けて緩やかに上昇するように構成してもよい。
【0064】
〔10〕制御手段25としては、設定手段Aで設定したエンジン2の設定回転数とエンジン2の制限回転数(PTO軸13の最大回転数に対応するエンジン回転数)との差からエンジン2の出力回転数が制限回転数まで低下するのに要する時間を求め、その求めた時間の経過後にPTOクラッチ21を接続状態に切り換えるように構成したものであってもよい。
【0065】
〔11〕制御手段25としては、アクセル制御手段25Aと制限手段25Cと急上昇阻止手段とを備えて、PTOクラッチ21の接続とともにPTO軸13の回転数が最大回転数を超えることは阻止せずに、指令手段Bからの出力に基づく制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに伴うエンジン2の出力回転数の急上昇だけを阻止するように構成したものであってもよい。そして、この構成における急上昇阻止手段25Dとして上記〔8〕の別実施形態で例示したものなどを採用するようにしてもよい。
【0066】
〔12〕制御手段25としては、アクセル制御手段25AとPTOクラッチ制御手段25Bと制限手段25Cとを備えて、指令手段BからのPTOクラッチ21の接続指令を受けたときにエンジンセンサ30が出力するエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数を超えている場合は、このときの接続指令で実行状態に切り換わった制限手段25Cの制御作動でエンジンセンサ30の出力がエンジン2の制限回転数に低下するまでの間はPTOクラッチ制御手段25BがPTOクラッチ21を遮断状態に維持し、エンジンセンサ30が出力するエンジン2の出力回転数がエンジン2の制限回転数に低下するのに伴ってPTOクラッチ制御手段25BがPTOクラッチ21を接続状態に切り換えるように構成することで、指令手段Bからの出力に基づく制限手段25Cの実行状態から停止状態への切り換えに伴うエンジン2の出力回転数の急上昇は阻止せずに、PTOクラッチ21の接続とともにPTO軸13の回転数が最大回転数を超えることだけを阻止するようにしてもよい。そして、この構成における制御手段25として上記〔10〕の別実施形態で例示したものなどを採用するようにしてもよい。
【0067】
〔13〕PTO軸13の最大回転数の設定変更を可能にする操作具を備えたものであってもよい。又、連結する作業装置に応じてPTO軸13の最大回転数を自動的に設定変更するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る作業車の制御システムは、PTO軸の回転数を制限する必要のある作業装置を装備するトラクタや乗用田植機などの作業車に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
2 エンジン
13 PTO軸
21 PTOクラッチ
25 制御手段
25C 制限手段
25D 急上昇阻止手段
30 検出手段
A 設定手段
B 指令手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定手段で設定した設定回転数が得られるようにエンジンの出力回転数を制御する制御手段に、PTO軸の回転数が予め設定した最大回転数を超えないように前記エンジンの出力回転数を制限する制限手段を備え、前記制限手段が、指令手段からの出力に基づいて前記エンジンの出力回転数を制限する実行状態と制限しない停止状態とに切り換わるように構成した作業車の制御システムにおいて、
前記制御手段に、前記指令手段からの出力に基づく前記制限手段の前記実行状態から前記停止状態への切り換えに伴う前記エンジンの出力回転数の急上昇を阻止する急上昇阻止手段を備えてある作業車の制御システム。
【請求項2】
前記制御手段の制御作動で前記エンジンから前記PTO軸への伝動を断続するPTOクラッチを備え、
前記指令手段が前記PTOクラッチの断続を指令し、前記指令手段からの前記PTOクラッチの接続指令に基づいて前記制御手段が前記PTOクラッチを接続状態に切り換えるとともに前記制限手段が前記実行状態に切り換わり、又、前記指令手段からの前記PTOクラッチの遮断指令に基づいて前記制御手段が前記PTOクラッチを遮断状態に切り換えるとともに前記制限手段が前記停止状態に切り換わるように構成してある請求項1に記載の作業車の制御システム。
【請求項3】
前記エンジンの出力回転数を検出する検出手段を備え、
前記制御手段が、前記指令手段からの前記PTOクラッチの接続指令に基づいて前記検出手段の出力と前記最大回転数に対応するエンジン回転数とを比較し、前記検出手段の出力が前記最大回転数に対応するエンジン回転数を超えていると前記PTOクラッチを遮断状態に維持し、又、前記検出手段の出力が前記最大回転数に対応するエンジン回転数以下であると前記PTOクラッチを接続状態に切り換えるように構成してある請求項2に記載の作業車の制御システム。
【請求項4】
前記制限手段の前記実行状態から前記停止状態への切り換え後は、前記急上昇阻止手段の制御作動で前記PTO軸の回転数が前記最大回転数を超えないように前記エンジンの出力回転数を制限し、かつ、前記設定回転数が前記最大回転数に対応するエンジン回転数まで低下すると前記急上昇阻止手段の制御作動による前記エンジンの出力回転数の制限を解除するように構成してある請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業車の制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−77641(P2012−77641A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221892(P2010−221892)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】