説明

作業車の操作装置

【課題】 操作レバーを車体横幅方向に移動操作して旋回操作を行なうときに作業者の手指に疲労が生じることを極力少なくすることができる作業車の操作装置を提供する。
【解決手段】 運転席32の前側に、車体横幅方向に移動操作自在に操作レバー35が設けられ、前記操作レバー35に、その先端側の握り部35aを握った手の甲を受け止める受け止め体35bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転席の前側に、先端側にレバー軸芯方向に沿う握り部を備えた操作レバーが車体横幅方向に移動操作自在に設けられた作業車の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる作業車の操作装置は、例えば、コンバインに用いられるものであって、操作レバーを車体横幅方向に移動操作することにより旋回操作を行なうようにしたものである。
【0003】
従来、かかる作業車の操作装置では、操作レバーの先端側に丸棒状の握り部が設けられるものがあった(例えば、特許文献1参照。)。ちなみに、一般的に、操作レバーは、運転席の前側の右寄りに設けられるものであって、操作レバーの先端側に備えられた丸棒状の握り部を右の手のひらにて握った状態で移動操作することになる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−224228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の作業車の操作装置では、単に、操作レバーの先端側に丸棒状の握り部が設けられるものであるため、操作レバーを左側に移動操作する場合においては、握り部を右の手のひらにてしっかりと握った状態でなくても丸棒状の握り部に右の手のひらを押し当てた状態で操作レバーを左側に移動操作することができるものであるが、操作レバーを右側に移動操作する場合においては、握り部を右の手のひらにてしっかりと握った状態で操作レバーを右側に移動操作しなければならないため、操作レバーを右側に移動操作することは、作業者にとっては疲労し易い操作となるものであった。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、操作レバーを車体横幅方向に移動操作することを作業者が疲労し難い状態で行うことができる作業車の操作装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の作業車の操作装置は、運転席の前側に、先端側にレバー軸芯方向に沿う握り部を備えた操作レバーが車体横幅方向に移動操作自在に設けられたものであって、その第1特徴構成は、前記操作レバーに、前記握り部を握った手の甲を受け止める受け止め体が設けられている点にある。
【0008】
上記第1特徴構成によれば、操作レバーを左側に移動操作する場合においては、握り部を右の手のひらにてしっかりと握った状態でなくても握り部を右の手のひらに押し当てた状態で操作レバーを左側に移動操作することができるものとなる。又、操作レバーを右側に移動操作する場合においては、握り部を右の手のひらにてしっかりと握った状態でなくても受け止め体に右の手の甲を押し当てた状態で操作レバーを右側に移動操作することができるものとなる。
【0009】
このように、操作レバーを車体横幅方向に移動操作する場合において、左側に操作する場合及び右側に操作する場合のいずれにおいても、握り部を右の手のひらにてしっかりと握った状態でなくても操作レバーを車体横幅方向に移動操作することができるので、操作レバーを車体横幅方向に移動操作することを作業者が疲労し難い状態で行なうことができるものとなる。
したがって、操作レバーを車体横幅方向に移動操作することを作業者が疲労し難い状態で行なうことができる作業車の操作装置を提供するに至った。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記受け止め体が、前記握り部の上端部と下端部との夫々に接続される状態で設けられている点を特徴とする。
【0011】
上記第2特徴構成によれば、前記受け止め体が、前記握り部の上端部と下端部との夫々に接続される状態で設けられているから、操作レバーの握り部を右の手のひらにて握った状態で操作レバーを右側に移動操作する場合において、受け止め体に右の手の甲の全体を密着させた状態で操作レバーを右側に移動操作することができるので、操作レバーを車体横幅方向に移動操作することを作業者が一層疲労し難い状態で行なうことができるものとなる。
したがって、操作レバーを車体横幅方向に移動操作することを作業者が一層疲労し難い状態で行なうことができる作業車の操作装置を提供するに至った。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記操作レバーが、車体前後幅方向に移動操作自在に設けられて、車体横幅方向での移動操作により旋回操作し且つ車体前後幅方向での移動操作により刈取処理部を昇降操作するように構成されている点を特徴とする。
【0013】
上記第3特徴構成によれば、前記操作レバーが、車体前後幅方向に移動操作自在に設けられて、車体横幅方向での移動操作により旋回操作し且つ車体前後幅方向での移動操作により刈取処理部を昇降操作するように構成されているから、作業者が操作レバーから手を離すこと無く旋回操作及び刈取処理部の昇降操作することができるものとなり、操縦性及び刈取処理部の操作性を向上させることができるものとなる。
したがって、操縦性及び操作性の向上が図れる作業車の操作装置を提供するに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る作業車の操作装置を、作業車としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1L、1Rの駆動により走行機体2が走行自在に構成され、その走行機体2の前部に、昇降操作自在でかつ圃場の植立穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を後方に搬送する刈取処理装置3(刈取処理部の一例)が設けられ、走行機体2に、刈取処理装置3にて刈り取られた刈取穀稈を受け取って脱穀および選別処理する脱穀装置4と、脱穀装置4にて脱穀および選別処理することにより得られた穀粒を貯留する穀粒タンク5とが搭載されるとともに、穀粒タンク5の前方箇所に操縦ボックス6が形成されている。
【0015】
前記刈取処理装置3について説明を加えると、植立穀稈を分草する分草具7、植立穀稈を刈り取るバリカン型の刈取装置8、刈り取られた植立穀稈を横倒れ姿勢に姿勢変更させながら後方に搬送する縦搬送装置9等を備えて構成され、走行機体2に対して車体横幅方向に沿う軸芯X1周りで回動自在に連結されている。昇降用油圧シリンダCYが、刈取処理装置3と走行機体2との間に介在する状態で連結されており、昇降用油圧シリンダCYの伸縮操作により刈取処理装置3が駆動昇降されるように構成されている。前記分草具7の後方側箇所に、対地高さを検出する非接触式の超音波センサ10が設けられている。
【0016】
次にコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、エンジンEの動力が直進用の無段変速装置11と旋回用の無段変速装置12に伝達され、これら無段変速装置11、12の変速出力は、ミッションケース13を経由して、走行装置1R、1Lの夫々に伝達されている。前記直進用の無段変速装置11と旋回用の無段変速装置12は、コンバインの走行機体に搭載されているエンジンEからの動力によって駆動される可変油圧ポンプ11A、12Aと、その可変油圧ポンプ11A、12Aからの供給油で回転駆動される油圧モータ11B、12Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。ちなみに、エンジンEの動力は、伝動ベルト14及び伝動プーリ15を介して可変油圧ポンプ11A、12Aの伝動軸16に伝達される。
【0017】
前記ミッションケース13は、その内部に、前記直進用の無段変速装置11の出力軸17と、前記旋回用の無段変速装置12の出力軸18との夫々が内挿され、これら両出力軸17、18からの変速出力が左右一対の走行装置1R、1Lに伝達される一方、直進用の無段変速装置11の出力軸17からの変速出力が刈取処理装置3に伝達される構成となっている。尚、前記旋回用の無段変速装置12の出力軸18には、右側出力ギヤ18aと左側出力ギヤ18bとが固着されている。
【0018】
前記直進用の無段変速装置11の出力軸17には、副変速用の大小一対の出力ギヤ17a、17b及び刈取部駆動用の出力ギヤ17cが固着されている。副変速軸19には、前記出力ギヤ17a、17bが常時噛合する副変速用の小径ギヤ19aと大径ギヤ19bとが相対回転自在に支持され、その両ギヤ19a、19bの中間位置に、副変速軸19と一体回転する副変速用シフトギヤ19dが軸芯方向で摺動自在に外嵌されている。この副変速用シフトギヤ19dを摺動操作することで高低二段に変速操作自在な副変速装置が構成されている。又、副変速軸19には出力ギヤ19eが固着されており、この出力ギヤ19eに対して、支持軸20に一体に設けたセンターギヤ21が常時噛合する状態で設けられている。
【0019】
前記支持軸20には、センターギヤ21を挾む両側に、伝動状態切換手段Aが設けられており、この伝動状態切換手段Aは、前記左側出力ギヤ18aに常時かみ合いの左側外周ギヤ部22aを備えた左側の多板式の摩擦クラッチ22と、前記右側出力ギヤ18bに常時噛み合いの右側外周ギヤ部22bを備えた右側の多板式の摩擦クラッチ22と、前記センターギヤ21の両側面とこれに対向するシフトギヤ23との間に形成された左右一対の噛み合いクラッチ24、24とで構成されている。
【0020】
左側の摩擦クラッチ22により、旋回用の無段変速装置12と左側の走行装置1Lとの間の伝動を遮断する状態に切り換え可能な左側のクラッチが構成され、右側の摩擦クラッチ22により、旋回用の無段変速装置12と右側の走行装置1Rとの間の伝動を遮断する状態に切り換え可能な右側のクラッチが構成されている。
【0021】
前記左右のシフトギヤ23は、回転軸芯方向にシフト操作自在であって、シフト操作することにより噛み合いクラッチ24が噛み合って伝動入りとなる状態と、噛み合いクラッチ24が噛み合わない伝動を遮断する状態とに切り換え自在に構成され、また、シフトギヤ23における摩擦板が摩擦クラッチ22の本体部に対してシフト移動自在に構成されており、多板式の摩擦クラッチ22が圧接して伝動入りとなる状態と、多板式の摩擦クラッチ22が圧接しない伝動を遮断した状態とに切り換え自在に構成されている。
【0022】
つまり、左右一対の走行装置1L、1Rへの動力伝達は、噛み合いクラッチ24が噛み合った伝動入り状態では、直進用の無断変速装置11からの動力が伝達され、摩擦クラッチ22が圧接した伝動入り状態では、旋回用の無断変速装置12からの動力が伝達され、噛み合いクラッチ24と摩擦クラッチ22の両方が伝動入り状態であれば、直進用の無段変速装置11と旋回用の無段変速装置12との両方からの動力が伝達され、噛み合いクラッチ24と摩擦クラッチ22の両方が伝動遮断状態であれば、直進用の無段変速装置11と旋回用の無段変速装置12とのどちらからも動力が伝達されないように構成されている。
【0023】
前記左右のシフトギヤ23、23は夫々、押圧スプリング25、25による押圧力にて噛み合いクラッチ24、24が噛み合う伝動入り状態に付勢されており、左右のシフトギヤ23、23の夫々を押圧スプリング25、25による押圧力に抗して遮断用油圧シリンダ26L、26Rでシフト操作することにより、噛み合いクラッチ24、24がかみ合わない伝動遮断状態に切り換え操作可能に構成されている。
【0024】
そして、この伝動遮断状態において、操向用油圧シリンダ27L、27Rでシフトギヤ23における摩擦板をシフト操作することにより、摩擦クラッチ22、22が圧接する伝動入り状態に切り換え操作可能に構成されている。そして、この操向用油圧シリンダ27L、27Rおよび遮断用油圧シリンダ26L、26Rの操作は、操向用電磁弁29L、29Rおよび遮断用電磁弁28L、28Rを切り換えることにより行うように構成されている。
シフトギヤ23からはファイナルギヤ30を介して左右一対の走行装置1L、1Rに伝達される。このシフトギヤ23は、噛み合いクラッチ24が噛み合いしているときも噛み合いしていないときも常時走行装置への伝動系の中継ギヤ31に噛合するように構成されている。
【0025】
これにより、左右の噛み合いクラッチ24を伝動入り状態に切り換え、左右の摩擦クラッチ22を伝動遮断状態に切り換えることで、直進用伝動状態となり、右の噛み合いクラッチ24を伝動入り状態に切り換え、右の摩擦クラッチ22を伝動遮断状態に切り換え、左の噛み合いクラッチ24を伝動遮断状態に切り換え、左の摩擦クラッチ22を伝動入り状態に切り換えることで、左旋回用伝動状態となり、右の噛み合いクラッチ24を伝動遮断状態に切り換え、右の摩擦クラッチ22を伝動入り状態に切り換え、左の噛み合いクラッチ24を伝動入り状態に切り換え、左の摩擦クラッチ22を伝動遮断状態に切り換えることで、右旋回用伝動状態となり、左右の噛み合いクラッチ24を伝動遮断状態に切り換え、左右の摩擦クラッチ22を伝動遮断状態に切り換えることで、中立状態となるように構成されている。
【0026】
つまり、左右の噛み合いクラッチ24および左右の摩擦クラッチ22を主要部として、直進用の無段変速装置11の変速出力を左右一対の走行装置1L、1Rの夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置11の変速出力を右側の走行装置1Rに伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力12を左側の走行装置1Lに伝達する左旋回用伝動状態、前記直進用の無段変速装置11の変速出力を左側の走行装置1Lに伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置12の変速出力を右側の走行装置1Rに伝達する右旋回用伝動状態、前記直進用の無段変速装置11及び前記旋回用の無段変速装置12のいずれの変速出力も左右一対の走行装置1L、1Rの夫々に伝達しない中立状態に切り換え自在な伝動状態切換手段Aが構成されている。
【0027】
図3に示すように、前記操縦ボックス6には、その内部に、運転席32が設けられており、運転席32の横側に位置する操縦ボックス6の上面部には、車体前後幅方向の揺動操作により走行速度を指令する手動操作式の主変速レバー33、ダイヤル操作により旋回モードを3段階に切り換える旋回モード切換え操作具34等が設けられている。そして、運転席32の前方の右寄りに位置する操縦ボックス6の上面部には、車体横幅方向及び車体前後幅方向に移動操作自在に設けられて、車体横幅方向での揺動操作により走行機体2の直進、左旋回、及び、右旋回を指令するとともに、車体前後幅方向での揺動操作により刈取処理装置3の上昇、及び、下降を指令する操作レバー35が設けられている。
【0028】
前記操作レバー35について説明を加えると、図4〜図6に示すように、操作レバー35の右側に、その先端側にレバー軸芯方向に沿う握り部35aを握った手の甲を受け止める受け止め体35bが設けられている。又、受け止め体35bが、握り部35aの上端部と下端部との夫々に接続される状態で設けられている。そして、握り部35aには、押し操作により旋回力を増大させるスイッチ式の旋回力アップボタン36が設けられている。前記操作レバー35には、車体横幅方向での操作位置を検出するポテンショメータ形式の旋回センサ37、及び、車体前後幅方向での操作位置を検出するポテンショメータ形式の昇降センサ38が設けられており、車体横幅方向の揺動により旋回センサ37を操作するように構成され、車体前後幅方向の揺動により昇降センサ38を操作するように構成されている。
【0029】
操作レバー35の握り部35aを右の手指にて握った状態で操作レバー35を左側に揺動操作する場合において、握り部35aを右の手指にてしっかりと握った状態でなくても握り部35aに右の手のひらを押し当てた状態で操作レバー35を左側に移動操作することができるものとなる。操作レバー35の握り部35aを右の手指にて握った状態で操作レバー35を右側に揺動操作する場合において、握り部35aを右の手指にてしっかりと握った状態でなくても受け止め体35bに右の手の甲を押し当てた状態で操作レバー35を右側に移動操作できるものとなる。これにより、操作レバー35の握り部35aを右の手指にて握った状態で操作レバー35を車体横幅方向に揺動操作して旋回操作を行なうときに作業者の手指が疲労し難い状態とすることができるものとなる。
【0030】
前記直進用の無段変速装置11は、中立位置から正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっており、主変速レバー33の手動操作により変速操作を行なえるようになっている。
前記主変速レバー33は、中立位置から車体前後幅方向に沿って所定の前後操作範囲にわたり手動操作によって揺動可能に構成されている。そして、図7に示すように、可変油圧ポンプ11Aの直進用斜板39が油圧サーボ機構SVを介して主変速レバー33に連係され、主変速レバー33の操作指令に基づいて直進用斜板39の角度を変更することにより油圧モータ11B側の出力状態を無段階に変更するように構成されている。つまり、主変速レバー33に対する手動操作があれば、その操作に対して油圧サーボ機構SVの作用により油圧操作力にてアシスト操作を行うことにより変速操作を軽く操作することができる構成となっている。
【0031】
そして、図8に示すように、主変速レバー33が中立域にあり中立状態が指令されていると、前記直進用斜板39が中立状態となり油圧モータ11Bは回転せず停止状態に維持され、主変速レバー33からの指令が前進増速側もしくは後進増速側への変速指令であると、主変速レバー33の操作指令に応じて油圧サーボ機構SVによって直進用斜板39の角度が正転方向(前進増速方向)もしく逆転方向(後進増速方向)に油圧操作力によって主変速レバー33による指令量だけ傾倒操作され、油圧モータ11Bが指令に応じた速度で正転方向又は逆転方向に回転駆動されるように変速操作される構成となっている。
【0032】
前記旋回用の無段変速装置12も前記直進用の無段変速装置11と同様に、正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっており、油圧式の変速操作手段HSにより変速操作を行なえるようになっている。
説明を加えると、可変油圧ポンプ12Aの旋回用斜板40が油圧式の変速操作手段HSに連係され、この変速操作手段HSにより斜板角を変更することにより油圧モータ12B側の出力状態を変更するように構成されている。この変速操作手段HSは、図7に示すように、旋回用の無段変速装置12における旋回用斜板40に連動連結された複動型の変速用油圧シリンダ41と、この変速用油圧シリンダ41に対する作動油の給排状態を切り換え操作する変速用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットVU1とを備えて構成されている。前記変速用油圧シリンダ41は、中立位置から正方向並びに逆方向夫々に操作自在な複動型に構成されており、内装される左右一対のバネ41a、41bの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
【0033】
前記変速用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットVU1は、図9に示すように、変速用油圧シリンダ41を中立変速位置から正方向及び逆方向夫々に駆動すべく油圧供給状態を制御する油圧パイロット式の制御弁42を備えて構成されている。この制御弁42は、中立位置から正方向に移動した正方向出力位置、及び、その中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動操作自在なスプール43と、そのスプール43を中立位置に復帰付勢する付勢手段としての一対のコイルバネ44、45と、パイロット油路用のリリーフ弁46とを備えて構成されている。
【0034】
又、この制御弁42には、前記スプール43を正方向に移動させるために作動油が供給される正転用の圧力操作部47、及び、前記スプール43を逆方向に移動させるために作動油が供給される逆転用の圧力操作部48が夫々備えられ、正転用の圧力操作部47に対
する作動油の供給状態を制御するパイロット圧制御用の正転用電磁弁49と、逆転用の圧力操作部48に対する作動油の供給状態を制御するパイロット圧制御用の逆転用電磁弁50が、作動油を供給する供給状態と作動油を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ排出状態に復帰付勢される状態で設けられている。
【0035】
つまり、前記一対のパイロット圧制御用の電磁弁49、50は、図示しない油圧ポンプから供給される作動油を前記各圧力操作部47、48に供給する供給状態と油圧ポンプからの供給を停止して圧力操作部47、48を排油路51に接続する排出状態との二位置に切り換え自在な二位置切り換え式の電磁弁で構成され、これらのパイロット圧制御用の電磁弁49、50はバネ52、53により前記排出状態に復帰付勢される構成であり、ソレノイド54、55に通電して励磁することでバネ52、53の付勢力に抗して弁体を操作して前記供給状態に切り換える構成となっている。従って、このパイロット圧制御用の電磁弁49、50は通電を停止すると常に排出状態になりその状態を維持することになる。
【0036】
そして、前記制御弁42には、変速用の油圧シリンダ41の一対の作動油室41A、41Bに各別に接続される一対の出力ポートOP1、OP2が設けられ、図9に示すような中立位置では、一対の出力ポートOP1、OP2の夫々を入力ポートIP及び排出ポートDPのいずれにも接続されない状態となるように構成されている。従って、変速用油圧シリンダ41はそのときの変速位置をそのまま保持する状態となる。
【0037】
そして、前記スプール43が前記正方向出力位置となると、一対の出力ポートOP1、OP2のうちの変速用油圧シリンダ41の正方向操作用の作動油室41Aに接続される一方の正方向出力ポートOP1を入力ポートIPに接続し、且つ、変速用油圧シリンダ41の逆方向操作用の作動油室41Bに接続される逆方向出力ポートOP2を排出ポートDPに接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ41は正方向(前進増速方向)に移動操作されることになる。
また、前記スプール43が前記逆方向出力位置となると、前記正方向出力ポートOP1を排出ポートDPに接続し、且つ、前記逆方向出力ポートOP2を入力ポートIPに接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ41は逆方向(後進増速方向)に移動操作される。
【0038】
前記直進用の無段変速装置11及び前記旋回用の無段変速装置12の変速動作について説明を加えると、図8に示すように、斜板39、40の変速位置が直進用指令位置を含む所定幅を有する中立域にあれば変速出力(走行速度)は零となり、斜板39、40の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、斜板39、40が中立域から所定方向と反対方向に操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
【0039】
前記昇降用油圧シリンダCYは、単動型シリンダにて構成され、この昇降用油圧シリンダCYに対する作動油の給排状態を切り換え操作する昇降用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットVU2が設けられている。
【0040】
前記昇降用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットVU2は、図10に示すように、油圧ポンプPから昇降用油圧シリンダCYに対する作動油供給路56の途中に設けられた上昇制御弁57、作動油供給路56の途中から並列状態で分岐されるドレン油路58の途中に設けられた下降制御弁59を備えて構成されている。上昇制御弁57は、油圧ポンプPからの作動油の供給を停止する中立位置、油圧ポンプPから供給される作動油を昇降用油圧シリンダCYに供給する上昇位置、及び、その他の油圧装置に作動油を供給する供給位置に切り換え自在な3位置切り換え式にて構成され、左右一対のコイルバネ60、61により中立位置に復帰付勢されるようになっている。そして、左側のソレノイド62に通電して励磁することでコイルバネ60、61の付勢力に抗して上昇位置に切り換え、右側のソレノイド63に通電して励磁することでコイルバネ60、61の付勢力に抗して供給位置に切り換えるようになっている。
【0041】
前記下降制御弁59は、昇降用油圧シリンダCYから作動油を排出する排出位置、昇降用油圧シリンダCYからの作動油排出を停止させる停止位置に切り換え自在な2位置切り換え式にて構成され、コイルバネ64により停止位置に復帰付勢されるようになっている。そして、ソレノイド65に通電して励磁することでコイルバネ64の付勢力に抗して排出位置に切り換えるようになっている。
【0042】
前記上昇制御弁57が中立位置になり、下降制御弁59が停止位置になると、昇降用油圧シリンダCYに対して作動油の供給や排出が無いものとなり、刈取処理装置3の昇降が停止される昇降停止状態となる。上昇制御弁57が上昇位置になると、昇降用油圧シリンダCYに作動油を供給するものとなり、刈取処理装置3が上昇する上昇状態となる。この上昇状態において、下降制御弁59が停止位置になると、高速上昇速度となり、下降制御弁59が排出位置になると、低速上昇速度となる。このとき、下降制御弁59を停止位置と排出位置との2位置に短時間毎に繰り返し切り換えるデューティ制御を行なうことにより、高速上昇速度と低速上昇速度との間の任意の上昇速度に変更調節できるものとなる。
【0043】
前記上昇制御弁57が中立位置になり、下降制御弁59が排出位置になると、昇降用油圧シリンダCYから作動油が排出されるものとなり、刈取処理装置3が下降する下降状態となる。この下降状態において、下降制御弁59が排出位置に維持させると、高速下降速度となる。そして、上述の如く、下降制御弁59に対してデューティ制御を行なうことにより、ゼロ速度と高速下降速度との間の任意の上昇速度に変更調節できるものとなる。
【0044】
図7に示すように、操作レバー35の車体横幅方向での操作位置を検出する旋回センサ37、操作レバー35の車体前後幅方向での操作位置を検出する昇降センサ38、一対の無段変速装置11、12夫々の出力回転速度を前記出力ギヤ19e及び右側出力ギヤ18aの歯数をカウントすることにより検出する回転センサ66、67、前記直進用の無段変速装置11の直進用斜板39の斜板角を検出するポテンショメータ式の直進用変速位置センサ68、前記旋回用の無段変速装置12の旋回用斜板40の斜板角を検出するポテンショメータ式の旋回用変速位置センサ69、旋回モード切換え操作具34の操作位置を検出するモードセンサ70、走行機体2の対地高さを検出する超音波センサ10、刈取処理装置3の自動昇降制御を実行するオン状態と自動昇降制御を実行しないオフ状態とに切り換え自在な対地高さ制御入切スイッチ71、刈取作業中における刈取処理装置3の設定高さを設定するポテンショメータ方式の刈高さ設定器72、押し操作により旋回力を増大させるスイッチ式の旋回力アップボタン36が備えられ、これらの入力情報に基づいて、変速操作手段HS、操向用油圧シリンダ27R、27L、遮断用油圧シリンダ26R、26L、昇降用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットVU2の動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが備えられている。
そして、直進用変速位置センサ68は、直進用の無断変速装置11における直進用斜板39の角度(傾倒位置)に応じた電圧が出力されるものであり、その電圧がA/D変換されて直進用検出値として制御装置Hに入力され、旋回用変速位置センサ69は、旋回用の無断変速装置12における旋回用斜板40の角度(傾倒位置)に応じた電圧が出力されるものであり、その電圧がA/D変換されて旋回用検出値として制御装置Hに入力されるように構成されている。
【0045】
前記制御装置Hによる刈取処理装置3の昇降制御について説明を加えると、対地高さ制御入切スイッチ71がオン状態に操作されていると、超音波センサ10の検出情報に基づいて、刈取処理部3の対地高さが刈高さ検出器72にて設定された目標設定高さになるように、昇降用油圧シリンダCYを伸縮作動させる対地高さ制御を実行するように構成されている。対地高さ制御入切スイッチ71がオフ状態に操作されていると、対地高さ制御の実行を停止するように構成されている。そして、操作レバー35が車体前後幅方向に揺動操作されるときには、対地高さ制御に優先して、操作レバー35の車体前後幅方向への揺動操作に基づいて、昇降用油圧シリンダCYを伸縮作動させる手動昇降制御を実行するように構成されている。尚、対地高さ制御入切スイッチ71がオン状態に操作されている状態で、操作レバー35が昇降停止指令位置より前方側(下降側)に揺動操作されるときには、対地高さ制御を実行するように構成されている。
【0046】
前記制御装置Hによる刈取処理装置3の手動昇降制御について説明を加えると、操作レバー35が昇降停止指令位置から前方側(下降側)に揺動操作されると、操作レバー35が昇降停止指令位置から離れて位置するほど高速とする形態で刈取処理部3を下降させるように、昇降用油圧シリンダCYの作動を制御し、操作レバー35が昇降停止指令位置から後方側(上昇側)に揺動操作されると、操作レバー35が昇降停止指令位置から離れて位置するほど高速とする形態で刈取処理部3を上昇させるように、昇降用油圧シリンダCYの作動を制御するように構成されている。尚、刈取処理装置3の昇降速度は、操作レバー35の操作位置と速度演算情報(図11参照)に基づいて求める。
【0047】
前記制御装置Hによる走行機体2の旋回制御について説明を加えると、操作レバー35が直進用指令位置にあるときは、伝動状態切換手段Aを直進用伝動状態に切り換えて、旋回用の無段変速装置12を直進用の無段変速装置11の回転速度を検出する回転センサ66の検出速度と同じ速度になるように変速操作する直進制御処理を実行する。そして、操作レバー35が直進用指令位置から左側に旋回操作されると、伝動状態切換手段Aを左旋回用伝動状態に切り換えて、旋回用の無段変速装置12が旋回用の目標速度になるように変速操作する旋回制御処理を実行する。操作レバー35が直進用指令位置から右側に旋回操作されると、伝動状態切換手段Aを右旋回用伝動状態に切り換えて、旋回用の無段変速装置12が旋回用の目標速度になるように変速操作する旋回制御処理を実行する。
【0048】
前記旋回用の無段変速装置12が旋回用の目標速度になるように変速操作手段HSの作動を制御する処理について説明を加えると、旋回センサ37にて検出される操作レバー35の操作位置と左右の走行装置1R、1Lの回転速度の速度比率との関係が図12に示すように二次関数に対応する関係として定めて記憶されており、前記直進用変速位置センサ68からの直進用検出値と、図12に示すような関係の関数とから、旋回用の無段変速装置12の目標速度としての目標変速位置すなわち目標斜板位置を求める。そして、旋回用変速位置センサ69からの旋回用検出値が目標変速位置になるように変速操作手段HSの作動を制御して変速操作を行う。ちなみに、直進用の無段変速装置11は主変速レバー33に対する手動操作にて変速位置が調整されることになる。
【0049】
図12のラインL1は基準となる直進側の無段変速装置の速度を示し、ラインL2は緩旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL3は信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL4は超信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示しており、前記旋回モード切換え操作具34にて指定された旋回モードが選択されることになる。説明を加えると、ラインL2にて示す緩旋回モードでは、操作レバー35が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置が反対側の走行装置の走行速度Vの約1/3の速度にまで減速されるように、操作レバー35の操作位置に対する、左右の走行装置1R、1Lの速度比率の変化特性が予め設定されている。ラインL3で示す信地旋回モードにおいては、操作レバー35が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が零となるまで減速されるように、操作レバー35の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。又、ラインL4に示す超信地旋回モードにおいては、操作レバー35が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が反対側の走行装置の駆動回転方向とは逆回転方向で、反対側の走行装置の速度と同速度になるように、操作レバー35の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。
【0050】
前記旋回力アップボタン36の押し操作により旋回力を増大させるように変速操作手段HSの作動を制御する旋回力増大処理について説明を加えると、旋回モード切換え操作具34にて緩旋回モード又は信地旋回モードが選択されている場合において、旋回力アップボタン36が押し操作されると、超信地旋回モードが選択されて、直進用変速位置センサ68からの直進用検出値と、操作レバー35における直進用指令位置から離れる方向への移動量と超信地旋回モードにおける速度比率との関係の関数とから、旋回用の無段変速装置12の目標速度としての目標変速位置を求めて、旋回用変速位置センサ69からの旋回用検出値が目標変速位置になるように変速操作手段HSの作動を制御する。したがって、旋回モード切換え操作具34にて緩旋回モード又は信地旋回モードが選択されている場合において、旋回力アップボタン36が押し操作されると、操作レバー35の操作位置を移動させること無く旋回力を一気に増大させることが可能となる。ちなみに、旋回モード切換え操作具34にて超信地旋回モードが選択されている場合において、旋回力アップボタン36が押し操作されたとしても、同じ超信地旋回モードが選択されているので旋回力が変化することは無い。
【0051】
前記旋回用の無段変速装置12を変速操作するときの前記変速操作手段HSの作動を制御する処理について説明する。例えば、操作レバー35の操作に伴って旋回用の無段変速装置12を前進増速方向に変速させるときには、前記制御弁45におけるスプール43を正方向出力位置に移動操作させる。具体的には、正転用の圧力操作部47に対するパイロット圧制御用の電磁弁49におけるソレノイド54に設定周期毎にオンとオフとを繰り返すパルス電流を供給するようにしており、そのデューティ比に応じて電磁弁49が供給状態と排出状態に切り換え操作される。そのことによりスプール43が電磁力によってバネ45の付勢力に抗して移動操作され、正方向出力位置に移動するのである。旋回用の無段変速装置12を後進増速方向に変速させるときには、前記制御弁42におけるスプール43を逆方向出力位置に移動操作させるが、このときは、逆転用の圧力操作部48に対するパイロット圧制御用の電磁弁50を同様にして制御することになる。
【0052】
そして、増速操作によって旋回用の無段変速装置12の出力回転速度が目標回転速度になると、前記スプール43を中立位置に移動させる。その結果、変速用油圧シリンダ41から作動油が排出されなくなり変速用油圧シリンダ41はそのときの変速位置をそのまま保持するのである。尚、逆方向保持位置で保持させる場合にもこのような正方向保持位置での操作を同様な処理を行う。
【0053】
〔別実施の形態〕
(1)上記実施の形態では、運転席32の前方に位置する操縦ボックス6の上面部に、一方の操作対象としての旋回センサ37、他方の操作対象としての昇降センサ38を操作する操作レバー35が設けられる構成を例示したが、これに代えて、運転席の横側に位置する操縦ボックス6の上面部に、操作レバー35が設けられるように構成してもよい。
【0054】
(2)上記実施の形態では、操作レバー35の右側に、その先端側の握り部35aを握った手の甲を受け止める受け止め体35bが設けられる構成を例示したが、操作レバー35の左右両側に、その先端側の握り部35aを握った手の甲を受け止める受け止め体35bが設けられるように構成してもよい。
【0055】
(3)上記実施の形態では、受け止め体35bが、握り部35aの上端部と下端部との夫々に接続される状態で設けられている構成を例示したが、このような構成に限るものではなく、握り部の上下方向に異なる2つの箇所に接続される状態で設けられるように構成してもよい。
【0056】
(4)上記実施の形態では、押し操作により旋回力を増大させるスイッチ式の旋回力アップボタン36を例示したが、このような構成に限らず、例えば、足踏み式の旋回力アップペダルとしたりする構成等、各種の形態で実施してもよい。
【0057】
(5)上記実施の形態では、押し操作により旋回力を増大させるスイッチ式の旋回力アップボタン36を例示したが、このような構成に代えて、押し操作の操作量に伴って旋回力を漸次増大させるボリューム式の旋回力アップボタン36としてもよい。
【0058】
(6)上記実施の形態では、前記旋回力アップボタン36の押し操作により旋回力を増大させる構成として、旋回モード切換え操作具34にて緩旋回モード又は信地旋回モードが選択されている場合において、旋回力アップボタン36が押し操作されると、超信地旋回モードが選択されて、直進用変速位置センサ68からの直進用検出値と、操作レバー35における直進用指令位置から離れる方向への移動量と超信地旋回モードにおける速度比率との関係の関数とから、旋回用の無段変速装置12の目標速度としての目標変速位置を求めて、旋回用変速位置センサ69からの旋回用検出値が目標変速位置になるように変速操作手段HSの作動を制御する構成を例示したが、これに代えて、旋回力アップボタン36が押し操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が反対側の走行装置の駆動回転方向とは逆回転方向で、反対側の走行装置の速度と同速度となる旋回用の無段変速装置12の目標速度としての目標変速位置を求めて、旋回用変速位置センサ69からの旋回用検出値が目標変速位置になるように変速操作手段HSの作動を制御するように構成してもよい。
【0059】
(7)上記実施の形態では、操作レバー35の移動操作量を旋回センサ37にて検出して、操作レバー35の操作に伴って旋回用の無段変速装置12を無段階に変速操作させる構成としたが、このような構成に限らず、例えば、操作レバー35の移動操作量の変位を複数のスイッチで段階的に検出するようにしたり、旋回指令用のスイッチを押し操作する時間で旋回半径を異ならせるように指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。
【0060】
(8)上記実施の形態では、制御弁を、旋回用の無段変速装置12を変速操作する変速操作手段HSに適用したものを例示したが、前記制御弁は、複動型の被制御対象、例えば流体圧シリンダ等を切り換え制御するものであれば、変速操作装置に限らずどのような装置にも適用することができる。
【0061】
(9)上記実施の形態では、旋回用の無段変速装置12が旋回用の目標速度になるように変速操作手段HSの作動を制御する処理として、旋回用斜板40の斜板位置から目標速度
を求めたものを例示したが、これに代えて、回転センサ67の出力回転速度から目標速度を求めるように構成してもよい。
【0062】
(10)上記実施の形態では、作業車としてのコンバインを例示したが、コンバインに限らず、トラクターやその他の農作業機でもよく建設用作業車等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略構成図
【図3】操縦ボックスの平面図
【図4】操作レバーの構成を示す図
【図5】操作レバーの構成を示す図
【図6】操作レバーの構成を示す図
【図7】制御ブロック図
【図8】変速位置と変速出力との関係を示す図
【図9】変速用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットの構成を示す図
【図10】昇降用油圧シリンダ制御用の油圧制御ユニットの構成を示す図
【図11】操作レバーの操作位置と刈取処理装置の昇降速度との関係を示す図
【図12】操作レバーの操作位置と速度比率を示す図
【符号の説明】
【0064】
3 刈取処理部
32 運転席
35 操作レバー
35a 握り部
35b 受け止め体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の前側に、先端側にレバー軸芯方向に沿う握り部を備えた操作レバーが車体横幅方向に移動操作自在に設けられた作業車の操作装置であって、
前記操作レバーに、前記握り部を握った手の甲を受け止める受け止め体が設けられている作業車の操作装置。
【請求項2】
前記受け止め体が、前記握り部の上端部と下端部との夫々に接続される状態で設けられている請求項1記載の作業車の操作装置。
【請求項3】
前記操作レバーが、車体前後幅方向に移動操作自在に設けられて、車体横幅方向での移動操作により旋回操作し且つ車体前後幅方向での移動操作により刈取処理部を昇降操作するように構成されている請求項1又は2に記載の作業車の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−89420(P2007−89420A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280143(P2005−280143)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】