説明

作業車両の作業機装着装置

【課題】部品交換をすることなく調整を行うことができる3点リンク機構を具備する作業車両の作業機装着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】機体に軸支されるリフトアーム13・13と、リフトアーム13・13に軸支されるリフトリンク14L・14Rと、機体に軸支されるロアリンク16・16と、を備え、ロアリンク16には、ロアリンク軸16aを中心とする高さ調整用円弧R1・R2・とリフトリンク軸14aを中心とする基準円弧R0との交点P1・P2・から任意の周長L1・L2・だけ離間した高さ調整用円弧R1・R2・上の位置に形成される高さ調整用取り付け孔30・31・32・が任意の異なる半径に設定される高さ調整用円弧R1・R2・・毎に形成され、高さ調整用取り付け孔30・31・32・のうち一の前記高さ調整用取り付け孔31にリフトリンク14L・14Rの他側が連結される3点リンク機構を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に作業機を装着する作業機装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両に作業機を装着する作業機装着装置に関する技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の技術の如くである。特許文献1に記載された技術は、作業車両である乗用管理機の作業機昇降装置(作業機装着装置)に関するものである。
【0003】
上述した特許文献1に開示された構成では、リフトリンクの下部にその延出方向にそって複数の孔(取り付け孔)が形成され、ロアリンクの途中部にその延出方向にそって複数の取り付け孔が形成される。リフトリンクの複数の取り付け孔から選択した一の取り付け孔とロアリンクの複数の取り付け孔から選択した一の取り付け孔とを連結することでロアリンクの高さを調整したり、回動角度及び揚力を変更したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−41091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような構成においては、ロアリンクの高さの調整量が小さい場合、リフトリンクの取り付け孔が形成されていない位置にロアリンクの連結部が配置されることになり、所望の高さに調整できないことがあり不利であった。また、ロアリンクの回動角度及び揚力を変更する場合、リフトリンクの取り付け孔とロアリンクの取り付け孔の連結位置によっては、ロアリンクの高さが変動する点で不利であった。
つまり、作業機装着装置を所望の状態に調整するために、リフトリンクを交換したり、別途部品を追加したりしなければならない場合があり、作業機装着装置の調整を煩雑なものにしていた。
【0006】
そこで本発明は、部品交換をすることなく作業機装着装置の調整を行うことができる作業車両の作業機装着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、機体に一側端を軸支されるリフトアームと、前記リフトアームの他側端に一側端を軸支されるリフトリンクと、前記機体に一側端を軸支されるロアリンクと、を備え、前記ロアリンクには、前記リフトリンクの軸支点を中心とする基準円弧と前記ロアリンクの軸支点を中心とする高さ調整用円弧との交点から任意の周長だけ離間した前記高さ調整用円弧上の位置に設定される高さ調整用取り付け孔が任意の異なる半径の複数の前記高さ調整用円弧毎に形成され、複数の前記高さ調整用取り付け孔のうち、一の前記高さ調整用取り付け孔に前記リフトリンクの他側が連結される3点リンク機構を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記ロアリンクには、前記基準円弧上の任意の位置に複数の揚力調整用取り付け孔が形成されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1の如く構成することで、隣り合う高さ調整用取り付け孔は、基準円弧上の任意の異なる交点を基準として前後方向及び上下方向に離間した位置に形成されるので、高さ調整量に関わらず隣り合う高さ調整用取り付け孔同士の重複を回避することができる。これにより、ロアリンクの高さ調整量が制限されることがないので、部品交換をすることなく作業機装着装置の調整を行うことができる。
【0012】
請求項2の如く構成することで、前記ロアリンクの基準円弧上に揚力調整用取り付け孔が複数形成されるので、リフトリンクの軸支点から揚力調整用取り付け孔までの距離を変えることなく、ロアリンクの軸支点から揚力調整用取り付け孔までの距離を変更することができる。これにより、リフトロッドとロアリンクとの連結位置を変更してロアリンクの上下方向の移動量及び揚力を調整してもロアリンクの高さが変動することがないので、部品交換をすることなく作業機装着装置の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の一形態に係るトラクタの全体的な構成を示した全体側面図。
【図2】同じくトラクタの作業機装着装置を示す側面拡大図。
【図3】同じくトラクタの作業機装着装置を示す平面拡大図。
【図4】同じくトラクタの作業機装着装置における高さ調整用取り付け孔及び揚力調整用取り付け孔の配置を示す側面図。
【図5】(a)同じくトラクタの作業機装着装置における一の高さ調整用取り付け孔による高さ調整の態様を示す側面図(b)同じくトラクタの作業機装着装置における他の高さ調整用取り付け孔による高さ調整の態様を示す側面図。
【図6】(a)同じくトラクタの作業機装着装置における一の揚力調整用取り付け孔による揚力調整の態様を示す側面図(b)同じくトラクタの作業機装着装置における他の揚力調整用取り付け孔による揚力調整の態様を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
まず、本発明に係る作業車両の実施の一形態であるトラクタ1の全体構成について図1を用いて説明する。
以下の説明では矢印X方向をトラクタ1の前方向として前後方向を規定し、矢印Y方向をトラクタ1の左方向として左右方向を規定する。
【0016】
トラクタ1は種々の作業機(ロータリ等)を装着し、装着した作業機を用いて種々の作業を行うものである。
図1に示すように、トラクタ1は、機体フレーム2が長手方向を前後方向として配置され、その後部でエンジン3に連結される。エンジン3の後部には、トラクタ1の動力伝達機構の一部を収納するトランスミッションケース4が長手方向を前後方向として連結される。機体フレーム2の前部はフロントアクスルを介して左右一対の前輪5に支持され、トランスミッションケース4の後部はリアアクスルを介して左右一対の後輪6に支持される。
【0017】
そして、エンジン3の動力が前記動力伝達機構で変速された後、前記フロントアクスルを経て左右一対の前輪5に伝達可能とされるとともに、前記リアアクスルを経て左右一対の後輪6に伝達可能とされる。エンジン3の動力が伝達されることによって、左右一対の前輪5および左右一対の後輪6が回転駆動され、トラクタ1の走行が行われる。
【0018】
また、エンジン3の動力が前記動力伝達機構で変速された後、トランスミッションケース4に対して作業機装着装置10を介して装着された図示しない耕耘装置等の作業機にも伝達可能とされる。さらに、エンジン3の動力によって、駆動される図示しない油圧ポンプにより圧送される作動油を、機体フレーム2及びトランスミッションケース4に対して装着された図示しないフロントローダ等の作業機や作業機装着装置10に供給可能とされる。このようにして、エンジン3の動力が伝達されることによって、種々の作業機が駆動される。
【0019】
トランスミッションケース4の上部においては、作業者が搭乗してトラクタ1を操作するための運転操作部7が設けられ、キャビン8によって覆われる。また、キャビン8の前方には、エンジン3を覆うボンネット9が設けられる。
【0020】
以下では、図2から図4を用いて、作業機装着装置10の構成について具体的に説明する。
【0021】
作業機装着装置10は、耕耘装置等の作業機を昇降可能に保持するものである。図2及び図3に示すように、作業機装着装置10は、トラクタ1の後部に配置され、作業機が装着される。作業機装着装置10は、主として支持ケース11、昇降シリンダ12・12、リフトアーム13・13、リフトリンク14L・14R、リフトリンクシリンダ15、ロアリンク16・16、トップリンク17等を具備する。
【0022】
支持ケース11は略箱状の部材である。支持ケース11はトランスミッションケース4の後方の上部に配置される。
【0023】
昇降シリンダ12・12は、昇降シリンダ本体12a、及び昇降シリンダ本体12aに摺動可能に挿入された昇降シリンダロッド12bからなる油圧シリンダである。
昇降シリンダ本体12aは、昇降シリンダロッド12bが略上方に向かって伸縮可能となる向きで、その下方をトランスミッションケース4の後部左側及び後部右側にそれぞれ前後に回動可能に配置される。
【0024】
リフトアーム13・13は略柱状の部材である。リフトアーム13・13の一端(前端)は支持ケース11の左側面と右側面とを貫通する孔に挿入され軸支される一本のリフトアーム軸13aの両端にそれぞれ固設される。
リフトアーム13・13の略中央部は昇降シリンダロッド12bの端部と連結される。昇降シリンダ12・12が油圧により昇降シリンダロッド12bを伸縮させることで、リフトアーム13・13を回動させ、リフトアーム13・13の他端(後端)を上下に昇降させる。
【0025】
リフトリンク14L・14Rは略棒状の部材である。リフトリンク14Lの一端(上端)は、左側のリフトアーム13の後端に前後に回動可能にリフトリンク軸14aによって軸支される。リフトリンク14Rの一端(上端)は、右側のリフトアーム13の後端に前後に回動可能にリフトリンク軸14aによって連結される。
リフトリンク14L・14Rの他端(下端)は二股に構成され、基準取り付け孔20が左右方向に貫通するようにして形成される。基準取り付け孔20の個数は一つに限定されるものではなく、リフトリンク14L・14Rの軸方向に所定の間隔をあけて複数個形成されてもよい。
【0026】
リフトリンクシリンダ15はリフトリンクシリンダ本体15a、及びリフトリンクシリンダ本体15aに摺動可能に挿入されたリフトリンクシリンダロッド15bからなる油圧シリンダである。リフトリンクシリンダ15はリフトリンク14Rの中途部に設けられる。
リフトリンクシリンダ15が油圧によりリフトリンクシリンダロッド15bを伸縮させることで、リフトリンク14Rを長手方向に伸縮させることができる。
【0027】
ロアリンク16・16は、はトラクタ1に装着される作業機を支持するものである。ロアリンク16・16は、板状の部材である。ロアリンク16・16の一端(前端)は、トランスミッションケース4の左側面の後部及び右側面の後部にそれぞれ上下に回動可能にロアリンク軸16aによって軸支される。ロアリンク16・16の中途部の上側には、上方に延出するようにして側面視略三角形状の取り付け孔用リブ16bが溶接固定される。取り付け孔用リブ16bは、ロアリンク16・16に加わる負荷によって溶着固定部分に発生する応力を緩和するため、前方の斜辺よりも後方の斜辺が長い不等辺三角形に形成されている。
【0028】
図4に示すように、左右のロアリンク16・16又は取り付け孔用リブ16bには、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・が左右方向に貫通するようにしてそれぞれ形成される。高さ調整用取り付け孔30・31・32・・のうち一の高さ調整用取り付け孔31は、ロアリンク軸16aの軸心を中心として任意の異なる半径に設定される複数の円弧(以下、単に「高さ調整用円弧」と言う)R1・R2・・のうち、一の高さ調整用円弧R1とリフトリンク軸14aの軸心を中心としてリフトリンク14L・14Rの基準取り付け孔20の中心までを半径とする円弧(以下、単に「基準円弧」と言う)R0との交点P1から任意の周長L1だけ上方に離間した高さ調整用円弧R1上の位置に形成される。このように、各高さ調整用取り付け孔30・31・32・・は、高さ調整用円弧R1・R2・・と基準円弧R0との交点P1・P2・・から任意の周長L1・L2・・だけ上方に離間した対応する高さ調整用円弧R1・R2・・上の位置にそれぞれ形成される。
【0029】
高さ調整用円弧R1・R2・・の各半径が任意の異なる値に設定されると、各交点P1・P2・・は互いに前後方向及び上下方向に離間した位置に設定される。これにより、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・は、互いに重複しない位置に形成することができる。例えば、交点P1からの周長L1と交点P2からの周長L2との差異が高さ調整用取り付け孔31の半径よりも小さくなるように設定しても、互いに前後方向及び上下方向に離間させることにより、高さ調整用取り付け孔32を高さ調整用取り付け孔31に重複しない位置に形成することができる。また、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・の位置は、ロアリンク16・16の後方になるにつれて上方に配置される。よって、ロアリンク16・16の後方に配置されるチェックチェン16cとリフトリンク14L・14Rとの干渉を回避することができる。
【0030】
さらに、左右のロアリンク16・16又は取り付け孔用リブ16bには、揚力調整用取り付け孔41・42・・が左右方向に貫通するようにしてそれぞれ形成される。揚力調整用取り付け孔41・42・・のうち一の揚力調整用取り付け孔41は、ロアリンク16・16が回動されて高さ調整用取り付け孔31が基準円弧R0上にある場合の基準円弧R0上の位置に形成される。このように、揚力調整用取り付け孔41・42・・は、ロアリンク16・16が回動されて高さ調整用取り付け孔30・31・32・・が基準円弧R0上ある場合に(図4においては高さ調整用取り付け孔30)、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・毎に対応する基準円弧R0上の位置に形成される。
各揚力調整用取り付け孔41・42・・は、図6に示すように、対応する高さ調整用取り付け孔30・31・32・・と同一の基準円弧R0上の異なる位置に形成されるので、リフトアーム13・13に対するロアリンク16・16の高さを変更することなくロアリンク軸16aからリフトリンク14L・14Rとロアリンク16・16との連結位置(揚力調整用取り付け孔41・42・・)までの長さL3を変更することができる。
【0031】
左側のロアリンク16は、リフトリンク14Lの他端(下端)の二股部分の間に配置されてリフトリンク14Lの下端に連結される。この際、左側のロアリンク16には、リフトリンク14Lの基準取り付け孔20、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・のうち一の高さ調整用取り付け孔31、の順に取り付けピン16dが挿入される。
トラクタ1の右側のロアリンク16は、リフトリンク14Rの他端(下端)の二股部分の間に配置されてリフトリンク14Rの下端に連結される。この際、右側のロアリンク16には、リフトリンク14Rの基準取り付け孔20、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・のうち一の高さ調整用取り付け孔31、の順に取り付けピン16dが挿入される。
【0032】
図2に示すように、トップリンク17はトラクタ1に装着される作業機を支持するものである。トップリンク17の一端(前端)はトップリンクブラケット17aを介して支持ケース11に上下に回動可能に支持される。
【0033】
作業機装着装置10は、ロアリンク16・16及びトップリンク17から3点リンク機構が構成され、ロアリンク16・16の後端及びトップリンク17の後端を作業機に連結させることで、作業機装着装置10を介してトラクタ1に当該作業機が装着される。
【0034】
また、トラクタ1に装着された作業機と図示しないPTO軸とをユニバーサルジョイント等を用いて連結することで、回転動力を当該作業機に伝達することができる。
【0035】
次に、図2及び図3を用いて作業機装着装置10の動作態様について説明する。
【0036】
図2に示すように、作業機装着装置10は、昇降シリンダ12・12が昇降シリンダロッド12bを伸縮させることで、リフトアーム13・13、リフトリンク14L・14R等を介してロアリンク16・16の後端が上下に昇降される。これにより、トラクタ1に作業機装着装置10の3点リンク機構を介して装着された作業機が上下に昇降される。
図3に示すように、リフトリンクシリンダ15がリフトリンクシリンダロッド15bを伸縮させることで、トラクタ1の右側のロアリンク16がトラクタ1の左側のロアリンク16とは独立して昇降される。これによりトラクタ1に作業機装着装置10の3点リンク機構を介して装着された作業機の左右方向の傾斜を変化させることが可能となる。
【0037】
以下では図5及び図6を用いて作業機装着装置10の調整の態様について説明する。
【0038】
図5に示すように、トラクタ1の後輪6(図1参照)がクローラ等に変更されることで地上から後輪6の車軸6aまでの高さ(地上高)が変動した場合、リフトリンク14L・14Rとロアリンク16・16とを連結するために高さ調整用取り付け孔31に挿入されている取り付けピン16d(図5(a)参照)を、高さ調整用取り付け孔32に挿入する(図5(b)参照)。高さ調整用取り付け孔32は、交点P2から任意の周長L2(図4参照)だけ離間した高さ調整用円弧R2上に形成されているので、任意の周長L2に比例してロアリンク16・16の後端が上下に昇降される。高さ調整用取り付け孔32は、前述の通り高さ調整量に関わらず高さ調整用取り付け孔31に重複しない位置に形成することができるので、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・の配置によってロアリンク16・16の高さ調整量が制限されることがない。
【0039】
図6に示すように、トラクタ1に装着される作業機の重量が増加する場合、リフトリンク14L・14Rとロアリンク16・16とを連結するために揚力調整用取り付け孔41に挿入されている取り付けピン16d(図6(a)参照)を、揚力調整用取り付け孔41よりも後方の他の揚力調整用取り付け孔42に挿入する(図6(a)参照)。これにより、ロアリンク16・16の高さを変更することなく、ロアリンク軸16aからロアリンク16・16の後端までの長さに対する長さL3の比が大きくなり、ロアリンク16・16に発生する揚力が増加する。
また、作業機の上下方向の移動量を大きく設定する場合、揚力調整用取り付け孔42に挿入されている取り付けピン16d(図6(b)参照)を、揚力調整用取り付け孔42よりも前方の揚力調整用取り付け孔41に挿入する(図6(a)参照)。これにより、ロアリンク16・16の高さを変更することなく、ロアリンク軸16aからロアリンク16・16の後端までの長さに対する長さL3の比が小さくなり、ロアリンク16・16の上下方向の移動量が増加する。このように、ロアリンク16・16の高さを変更することなくロアリンク16・16に発生する揚力、及び上下方向の移動量を変更することができる。
【0040】
以上の如く、本実施形態におけるトラクタ1の機体のトランスミッションケース4に一側端を軸支されるリフトアーム13・13と、リフトアーム13・13の他側端に一側端を軸支されるリフトリンク14L・14Rと、機体のトランスミッションケース4に一側端を軸支されるロアリンク16・16と、を備え、ロアリンク16・16には、リフトリンク14L・14Rの軸支点であるリフトリンク軸14aの軸心を中心とする基準円弧R0とロアリンク16・16の軸支点であるロアリンク軸16aの軸心を中心とする高さ調整用円弧R1・R2・・との交点P1・P2・・から任意の周長L1・L2・・だけ離間した高さ調整用円弧R1・R2・・上の位置に設定される高さ調整用取り付け孔30・31・32・・が任意の異なる半径の複数の高さ調整用円弧R1・R2・・毎に形成され、高さ調整用取り付け孔30・31・32・・のうち一の前記高さ調整用取り付け孔31にリフトリンク14L・14Rの他側が連結される3点リンク機構を具備するものである。
このように構成することにより、隣り合う高さ調整用取り付け孔31と高さ調整用取り付け孔32とは、基準円弧R0上の任意の異なる交点P1及び交点P2を基準として前後方向及び上下方向に離間した位置に形成されるので、高さ調整量に関わらず隣り合う高さ調整用取り付け孔31と高さ調整用取り付け孔32の重複を回避することができる。これにより、ロアリンク16・16の高さ調整量が制限されることがないので、部品交換をすることなく作業機装着装置10の調整を行うことができる。
【0041】
また、ロアリンク16・16には、基準円弧R0上の任意の位置に複数の揚力調整用取り付け孔41・42・・が形成されるものである。
このように構成することにより、ロアリンク16・16のリフトリンク14L・14Rの軸支点であるリフトリンク軸14aの軸心から揚力調整用取り付け孔41・42・・の中心までの距離を変えることなく、ロアリンクの軸支点であるロアリンク軸16aの軸心から揚力調整用取り付け孔41・42・・までの距離を変更することができる。これにより、ロアリンク16・16の上下方向の移動量及び揚力を変更してもロアリンク16・16の高さが変動することがないので、部品交換をすることなく作業機装着装置10の調整を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 トラクタ
13 リフトアーム
14L リフトリンク
14R リフトリンク
14a リフトリンク軸
16 ロアリンク
16a ロアリンク軸
30 高さ調整用取り付け孔
31 高さ調整用取り付け孔
32 高さ調整用取り付け孔
R0 基準円弧
R1 高さ調整用円弧
R2 高さ調整用円弧
P1 交点
P2 交点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に一側端を軸支されるリフトアームと、
前記リフトアームの他側端に一側端を軸支されるリフトリンクと、
前記機体に一側端を軸支されるロアリンクと、を備え、
前記ロアリンクには、
前記リフトリンクの軸支点を中心とする基準円弧と前記ロアリンクの軸支点を中心とする高さ調整用円弧との交点から任意の周長だけ離間した前記高さ調整用円弧上の位置に設定される高さ調整用取り付け孔が任意の異なる半径の複数の前記高さ調整用円弧毎に形成され、複数の前記高さ調整用取り付け孔のうち、一の前記高さ調整用取り付け孔に前記リフトリンクの他側が連結される3点リンク機構を具備する作業車両の作業機装着装置。
【請求項2】
前記ロアリンクには、前記基準円弧上の任意の位置に複数の揚力調整用取り付け孔が形成される請求項1に記載の作業車両の作業機装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−90608(P2012−90608A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242691(P2010−242691)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】