作業車両用ミラー装置
【課題】車両走行中の振動によりミラーが開き状態から閉じ状態に変位することを確実に防止することが可能になると共に、構成部品も比較的簡単なものですみ、比較的廉価に製造できる作業車両用ミラー装置を提供する。
【解決手段】車体側に、外側に突出して固定ステー9を設ける。固定ステー9の先端に回動ステー10を回動可能に取付ける。回動ステー10にミラー7を取付ける。車体側と回動ステー10との間にダンパー11を設ける。固定ステー9と回動ステー10との間に設けられ、前記回動ステーの姿勢を開き状態に規制する回動規制手段とを備える。
【解決手段】車体側に、外側に突出して固定ステー9を設ける。固定ステー9の先端に回動ステー10を回動可能に取付ける。回動ステー10にミラー7を取付ける。車体側と回動ステー10との間にダンパー11を設ける。固定ステー9と回動ステー10との間に設けられ、前記回動ステーの姿勢を開き状態に規制する回動規制手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックや建設機械等の作業車両に取付けられるミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックや建設機械等の作業車両においては、運転室にいるオペレータが車体の側方や後方を視認するため、運転室の側方にミラーが取付けられる。このようなミラーは、車体の側方や後方の視界を良好にするために、車体の側面から外側に突出した位置に取付けられる。
【0003】
このような作業車両は、保守点検や修理作業を行なうため、作業車両を整備工場の出入口から搬入、搬出する場合、出入口が狭いと、運転室や運転室の側部のデッキから外方に突出して設けたミラーが邪魔となり、出入りが困難になる場合がある。このため、整備工場に搬入、搬出する場合は、ミラーを外方に張り出した開き状態から、車体寄りに閉じた状態に変位させることができるように、ミラーを回動ステーに取付け、この回動ステーを、車体に鉛直に取付けた支軸に回動可能に取付けることが行なわれている。
【0004】
そして、ミラーが外側に張り出した開き状態と、閉じ状態とでそれぞれミラーを変位、固定するため、回動ステーを支軸に固定する手段として固定用ボルトを設け、この固定用ボルトを緩めてミラーと共に回動ステーを回動させ、固定用ボルトを締めてミラーと共に回動ステーを開き状態または閉じ状態に固定することが従来より一般的に行なわれている。
【0005】
ミラーの回動を防ぐ他の手段として、例えば特許文献1に記載のように、ミラー取付け用コ字形ロッドと車体に取付けた支軸との連結部に、ロッドの回動を防ぐための押圧ばねを用いたボールラッチ機構等のような回動抵抗を付与する機構を設けることも行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4414919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ミラーを開き状態と閉じ状態とでそれぞれ回動ステーを固定するため、固定用ボルトで回動ステーを支軸に固定する構造によると、走行中に回動ステーやミラーに加わる振動により、固定用ボルトが緩み、回動ステーと共にミラーの向きが変化してミラーが本来の役目を果たさなくなる虞がある。
【0008】
一方、特許文献1に記載のように、走行中のミラーの回動を防止するため、押圧ばねを有するボールラッチ機構等の回動抵抗付与機構を用いたものでは、大型車両の場合、回動抵抗付与機構が大掛かりとなる。例えば作業車両が大型のダンプトラックの場合、ミラーも例えば20kgにも及ぶ重量物となり、回動抵抗付与機構も大型となってミラー装置の価格上昇を招くという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、車両走行中の振動によりミラーが開き状態から閉じ状態に変位することを確実に防止することが可能になると共に、構成部品も比較的簡単なものですみ、比較的廉価に製造できる作業車両用ミラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の作業車両用ミラー装置は、
車体側に取付けられ、外側に突出して設けられる固定ステーと、
前記固定ステーの先端に回動可能に取付けられる回動ステーと、
前記回動ステーに取付けられるミラーと、
前記車体側と前記回動ステーとの間に設けられるダンパーと、
前記固定ステーと前記回動ステーとの間に設けられ、前記回動ステーの姿勢を開き状態に規制する回動規制手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0011】
請求項2の作業車両用ミラー装置は、請求項1に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記回動規制手段は、前記固定ステーに設けられた固定側部材と、
前記回動ステーに設けられた可動側部材と、
前記固定側部材の前記可動側部材との当接面に設けられ、一方向に連続した凸部または凹部と、
前記可動側部材の前記固定側部材との当接面に設けられ、前記回動ステーが開き状態のときに前記凸部または凹部に嵌合される一方向に連続した凹部または凸部と、
前記固定側部材と前記可動側部材とを連結する連結具と、
前記連結具と前記固定側部材および/または前記可動側部材との間に設けられ、前記凸部との凹部との嵌合面を圧接させる弾性材とを備えた
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の作業車両用ミラー装置は、請求項1または2に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記ダンパーは前記回動ステーが開き状態にあるときに前記回動ステーを開く方向に付勢する付勢手段を備え、
前記回動ステーを車体側に回動させた閉じ状態では、前記ダンパーが、前記回動ステーの回動中心よりも車体側に位置して前記回動ステーを閉じ状態を維持する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、回動ステーは、その回動中心ではなく、回動中心から離れた箇所でダンパーによって車体側に連結することができるため、回動ステーをその回動中心部で固定ステーに固定する場合に比較し、回動ステーを固定するための部材が簡単で軽量なものですむ。このため、比較的安価に製造することができ、ユーザーは比較的廉価に入手することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、回動ステーの回動規制手段を、固定側部材と可動側部材との当接面に設けた凹凸嵌合部と連結具と弾性材とにより構成したので、比較的小型に回動規制手段を構成することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、回動ステーが開いた状態と閉じた状態とで、それぞれ回動ステーがダンパーにより開き方向、閉じ方向、すなわち姿勢を維持する方向に付勢されるため、ミラーを開閉する作業者は回動ステーを回すことによって、他の固定手段を要することなく、回動ステーをそれぞれ開き状態、閉じ状態に維持させておくことができ、開閉操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のミラー装置を適用する車両の一例を示す側面図である。
【図2】図1の車両の正面図である。
【図3】この実施の形態のミラー装置を示す分解斜視図である。
【図4】この実施の形態のミラー装置を示す正面図である。
【図5】この実施の形態のミラー装置を示す側面図である。
【図6】この実施の形態のミラー装置を示す平面図である。
【図7】この実施の形態のミラー装置において、固定ステーに対する回動ステーの結合構造を示す断面図である。
【図8】この実施の形態において、回動ステーの下部アームとミラー取付け軸との結合構造を示す背面図である。
【図9】この実施の形態のミラー装置のミラー閉じ状態を示す平面図である。
【図10】本発明のミラー装置の固定ステーと回動ステーとの連結部の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明のミラー装置を適用したダンプトラックを示す側面図、図2はその正面図である。図1、図2において、1はダンプトラックの車体、2はこの車体前部に設置した運転室、3はベッセル、4は運転室2の周囲に設けたデッキ、5はデッキ4の周囲に設けた手摺、6はデッキ4に昇降するための梯子である。7は車体前部の左右に設けたミラーであり、運転室2にいるオペレータが車体1の側方や後方を視認するために設けたものである。8はミラー装置を取付けるためにデッキ4に設けた取付け板、9はこの取付け板8に取付けた固定ステー、10はこの固定ステー9に取付けた回動ステー、11は回動ステー10と取付け板8に両端をそれぞれ連結して取付けたダンパーである。ミラー7は回動ステー10に取付けられる。
【0018】
ここで、ダンパー11は気体や液体を内蔵してその流動抵抗により振動を防止するタイプのものと、ばねを内蔵して振動を防止するタイプのものがある。本発明においては、これを伸縮可能な連結手段として用いるものであり、いずれのタイプのものも用いることができる。
【0019】
図3はこの実施の形態のミラー装置を示す分解斜視図、図4はこのミラー7が外側に張り出した開き状態について示す正面図、図5、図6はそれぞれその側面図、平面図である。図4、図5に示すように、ミラー装置の取付け板8は、デッキ4にボルト12によって取付ける。固定ステー9は回動ステー10の上下を支持するために2個備え、取付け板8の上下にそれぞれ取付ける。この各固定ステー9は取付け部9aを備え、図3、図6に示すようにこれらの取付け部9aに設けたボルト挿通孔9bにボルト13を挿通して取付け板8に設けたねじ孔8aに螺合して締結することにより、固定ステー9を取付け板8に取付ける。
【0020】
回動ステー10は、大略、上下の固定ステー9に水平回動可能に取付けるアーム10aと、上下のアーム10a、10a間に取付けるミラー取付け軸10bとからなる。アーム10aの基端部は、固定ステー9の先端に連結部14を介して回動可能に取付けられる。この連結部14は、固定ステー9に溶接により設けた固定側部材15と、アーム10aに溶接により設けた可動側部材17と、固定側部材15に可動側部材17を回動可能に連結する連結具として設けられたボルト16およびナット19と、可動側部材17とボルト16の頭部との間に弾性材として挟持されたばねワッシャ18とからなる。
【0021】
図7はこの連結部14の構造を示す断面図、図8はこの連結部を示す背面図である。図7および図8の背面図に示すように、ボルト16は、ばねワッシャ18と、可動側部材17および固定側部材15にそれぞれ設けたボルト挿通孔17a,15aに挿通してナット19に螺合し締結することにより、可動側部材17と固定側部材15とが連結される。
【0022】
ここで、固定側部材15の可動側部材17との当接面に、一方向(本例では固定ステー9の長手方向)に連続した凸部15bを設け、可動側部材17にはこの凸部15aに嵌合される一方向に連続した凹部17bを設ける。この嵌合状態においては、凸部15と凹部17bとの嵌合部が、ばねワッシャ18によって圧接されるので、アーム10aの自由な回動が防止され、アーム10aが外方に開いた状態が維持され、ばねワッシャ18と共に回動ステー10の回動を規制する手段が構成される。そして、ばねワッシャ18の弾性力に打ち勝つ回動力を付与すれば、固定ステー9に対してアーム10aを回動させることが可能である。
【0023】
なお、凸部15bと凹部17bとの嵌合状態を維持するための弾性材として、ばねワッシャ18以外にスプリングを用いてもよい。また、凸部を可動側部材17側に設け、凹部を固定側部材15側に設けてもよい。また、ばねワッシャ18等の弾性材はナット19と固定側部材15との間にも設けてもよく、ナット19と固定側部材15との間のみに設けてもよい。また、固定側部材15と可動側部材17のいずれかにボルト挿通孔を設け、他方にねじ孔を設け、ボルトをボルト挿通孔に通してねじ孔に螺合し固定する構造も採用できる。
【0024】
図3に示すように、アーム10aの先端にミラー取付け軸10bに結合するための筒部10cを溶接する。一方、ミラー取付け軸10bの上端部10d、下端部10eはミラー7を取付ける中間部分に比較して小径に形成し、これらの小径部10d,10eの上下端に、アーム10aやダンパー11を取付けるための雄ねじ部10g,10hを設ける。
【0025】
図3〜図5および図8に示すように、ミラー取付け軸10bの下端部とアーム10aとの結合は、アーム10aの先端の筒部10cの上下面に面圧低下用のワッシャ20、21を位置させてこれらを小径部10eに嵌合し、さらにワッシャ21の下面にばねワッシャ22を嵌めてナット23を雄ねじ部10hに螺合し締結することにより行なう。
【0026】
一方、ミラー取付け軸10bの上端部に対するアーム10aの結合は、アーム10aの先端の筒部10cの上下面に面圧低下用のワッシャ24、25を位置させてこれらを小径部10dに嵌合して行なう。そしてこのアーム10aの連結と共にダンパー1の連結を行なうため、ダンパー11のロッド側端部のボス11aを小径部10dに嵌合し、ボス11aの上面にワッシャ26を嵌め、さらにばねワッシャ27を嵌め、ナット28を螺合する。この構造においては、ダンパー11のボス11aは小径部10dに相対的に回動可能である。
【0027】
図3〜図6において、30はダンパー11のチューブ側端部のボス11bを取付け板8に取付けるための取付け金具である。この取付け金具30は、ボルト挿通孔30aに挿通するボルト31を取付け板8のねじ孔8bに螺合、締結して取付け板8に取付けるものである。このダンパー11の取付け金具30への連結は、チューブ側端部のボス11bを、取付け金具30の上板32、下板33間に挟み、これらの板にそれぞれ設けた貫通孔32a、33aおよびボス11bにピン34を挿着して行なう。このダンパー11のボス11bは取付け金具30に対して相対的に回動可能である。
【0028】
図4、図5に示すように、ミラー取付け軸10bに対するミラー7の取付けは、取付け金具35およびボルト36を用いて行なう。
【0029】
この実施の形態のミラー装置において、図4〜図6に示すように、回動ステー10の開いた状態では、回動ステー10のアーム10aは固定ステー9の延長上にある。この回動ステー10が開いた状態では、ダンパー11によってダンプトラックの走行による振動が吸収され、回動ステー10の回動が防止される。また、連結部14における固定側部材15の凸部15bと可動側部材17の凹部17bとの嵌合構造、およびばねワッシャ18による押圧力により、回動ステー10の回動が防止され、回動ステー10を開いた状態が維持される。
【0030】
この実施の形態において、ダンプトラックを出入口の狭い整備工場に入れる等、ミラー7を閉じる必要が生じた場合には、固定ステー9と回動ステー10との連結部14におけるばねワッシャ18による回動抵抗に抗して回動ステー10をダンパー11が伸びる方向に回す。そして図9に示すように、回動ステー10と共にミラー7が車体側に近接した状態とする。
【0031】
このように、この実施の形態においては、回動ステー10の回動中心部(ボルト16)から離れた箇所で回動ステー10をダンパー11に連結するため、回動ステー10をその回動中心部で固定ステーに完全に固定する場合に比較し、回動ステー10を固定するための部材が簡単で軽量なものですむ。このため、比較的安価に製造することができ、ユーザーは比較的廉価に入手することができる。
【0032】
ここで、ダンパー11としては圧縮ガスを内蔵せず、ダンパー11の伸縮に伴なってガス等の流体の流動が生じ、その流動抵抗で振動抑制作用を生じるものを用いることができる。この場合、図9に示す回動ステー10の閉じ状態において、例えば回動ステー10またはダンパー11を取付け板8や固定ステー9に例えばフック等の何らかの固定手段によって固定し、これによって回動ステー10が閉じ状態を維持するようにしてもよい。
【0033】
しかしながら、ダンパー11として例えば圧縮ガスを内蔵することにより、図9の矢印37に示すような引張り力を発生させる付勢手段を有するものを用い、平面視において、閉じ状態ではダンパー11が連結部14よりも車体側に位置するように構成すれば、ダンパー11の引張り力を固定手段として兼用することができ、閉じ状態においても回動ステー10が開き方向に回動することが防止される。このため、回動ステー10を固定するための別設の固定手段を要することなく、回動ステー10を閉じ状態に維持させておくことができる。また、開き状態においては、連結部14における前記凸部15bと凹部17bとの嵌合とばねワッシャ18により、開き状態が維持される。したがって開閉操作に伴う固定作業が不要となり、開閉操作が容易となる。
【0034】
また、この実施の形態においては、回動ステー10の回動規制手段を、固定側部材15と可動側部材17との当接面に設けた凸部15b、凹部17bとの嵌合部と、連結具であるボルト16、ナット19と、弾性材であるばねワッシャ18とにより構成したので、比較的小型に回動規制手段を構成することができる。
【0035】
図10は固定ステー9と回動ステー10のアーム10aとの連結部14Aの他の例を示す平面図である。この連結部14Aは、図9に示すように、ダンパー11として、矢印37に示す引張り力を有するものを用いた場合に適用されるものである。この例の連結部14Aは、固定側部材15に、可動側部材17の開き状態における回動限界を規制するストッパ15cを設け、矢印Rに示すようにアーム10aが開く際に、可動側部材17の側面17cが固定側部材15のストッパ15cに当接すると、より以上のアーム10aの回動が防止されるように構成したものである。
【0036】
このように構成すれば、ダンパー11の持つ引張り力により、ストッパ15のストッパ15cに可動側部材17の側面17cが当接した開き状態が維持され、図7に示したような凹凸嵌合により回動を防ぐ構造を設ける必要が無くなる。
【0037】
なお、図9、図10の説明においては、ダンパー11を引張り力を持たせたものとして行なったが、このダンパー11として押圧力を持たせたものを用いることができ、この押圧力を持たせたものを用いる場合には、ダンパー11の前後方向の向きを反対とする。
【0038】
本発明を実施する場合、ミラーの取付け位置は、デッキ4ではなく、車体1上の他の部位とすることも可能であり、車体1の後部に設けるミラーにも本発明を適用することが可能である。また、本発明は、油圧ショベル等の建設機械にも適用することができる。その他、本発明を実施する場合、上記実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:車体、2:運転室、3:ベッセル、4:デッキ、5:手摺、6:梯子、7:ミラー、8:取付け板、9:固定ステー、10:回動ステー、10a:アーム、10b:ミラー取付け軸、12,13:ボルト、14,14A:連結部、15:固定側部材、15b:凸部、15c:ストッパ、16:ボルト、17:可動側部材、17b:凹部、18:ばねワッシャ、19:ナット、10d,10e:小径部、10g,10h:雄ねじ部、11:ダンパー、20,21:ワッシャ、22:ばねワッシャ、23:ナット、24〜27:ワッシャ、28:ばねワッシャ、29:ナット、30:取付け金具、31:ボルト、34:ピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックや建設機械等の作業車両に取付けられるミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックや建設機械等の作業車両においては、運転室にいるオペレータが車体の側方や後方を視認するため、運転室の側方にミラーが取付けられる。このようなミラーは、車体の側方や後方の視界を良好にするために、車体の側面から外側に突出した位置に取付けられる。
【0003】
このような作業車両は、保守点検や修理作業を行なうため、作業車両を整備工場の出入口から搬入、搬出する場合、出入口が狭いと、運転室や運転室の側部のデッキから外方に突出して設けたミラーが邪魔となり、出入りが困難になる場合がある。このため、整備工場に搬入、搬出する場合は、ミラーを外方に張り出した開き状態から、車体寄りに閉じた状態に変位させることができるように、ミラーを回動ステーに取付け、この回動ステーを、車体に鉛直に取付けた支軸に回動可能に取付けることが行なわれている。
【0004】
そして、ミラーが外側に張り出した開き状態と、閉じ状態とでそれぞれミラーを変位、固定するため、回動ステーを支軸に固定する手段として固定用ボルトを設け、この固定用ボルトを緩めてミラーと共に回動ステーを回動させ、固定用ボルトを締めてミラーと共に回動ステーを開き状態または閉じ状態に固定することが従来より一般的に行なわれている。
【0005】
ミラーの回動を防ぐ他の手段として、例えば特許文献1に記載のように、ミラー取付け用コ字形ロッドと車体に取付けた支軸との連結部に、ロッドの回動を防ぐための押圧ばねを用いたボールラッチ機構等のような回動抵抗を付与する機構を設けることも行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4414919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ミラーを開き状態と閉じ状態とでそれぞれ回動ステーを固定するため、固定用ボルトで回動ステーを支軸に固定する構造によると、走行中に回動ステーやミラーに加わる振動により、固定用ボルトが緩み、回動ステーと共にミラーの向きが変化してミラーが本来の役目を果たさなくなる虞がある。
【0008】
一方、特許文献1に記載のように、走行中のミラーの回動を防止するため、押圧ばねを有するボールラッチ機構等の回動抵抗付与機構を用いたものでは、大型車両の場合、回動抵抗付与機構が大掛かりとなる。例えば作業車両が大型のダンプトラックの場合、ミラーも例えば20kgにも及ぶ重量物となり、回動抵抗付与機構も大型となってミラー装置の価格上昇を招くという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、車両走行中の振動によりミラーが開き状態から閉じ状態に変位することを確実に防止することが可能になると共に、構成部品も比較的簡単なものですみ、比較的廉価に製造できる作業車両用ミラー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の作業車両用ミラー装置は、
車体側に取付けられ、外側に突出して設けられる固定ステーと、
前記固定ステーの先端に回動可能に取付けられる回動ステーと、
前記回動ステーに取付けられるミラーと、
前記車体側と前記回動ステーとの間に設けられるダンパーと、
前記固定ステーと前記回動ステーとの間に設けられ、前記回動ステーの姿勢を開き状態に規制する回動規制手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0011】
請求項2の作業車両用ミラー装置は、請求項1に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記回動規制手段は、前記固定ステーに設けられた固定側部材と、
前記回動ステーに設けられた可動側部材と、
前記固定側部材の前記可動側部材との当接面に設けられ、一方向に連続した凸部または凹部と、
前記可動側部材の前記固定側部材との当接面に設けられ、前記回動ステーが開き状態のときに前記凸部または凹部に嵌合される一方向に連続した凹部または凸部と、
前記固定側部材と前記可動側部材とを連結する連結具と、
前記連結具と前記固定側部材および/または前記可動側部材との間に設けられ、前記凸部との凹部との嵌合面を圧接させる弾性材とを備えた
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の作業車両用ミラー装置は、請求項1または2に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記ダンパーは前記回動ステーが開き状態にあるときに前記回動ステーを開く方向に付勢する付勢手段を備え、
前記回動ステーを車体側に回動させた閉じ状態では、前記ダンパーが、前記回動ステーの回動中心よりも車体側に位置して前記回動ステーを閉じ状態を維持する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、回動ステーは、その回動中心ではなく、回動中心から離れた箇所でダンパーによって車体側に連結することができるため、回動ステーをその回動中心部で固定ステーに固定する場合に比較し、回動ステーを固定するための部材が簡単で軽量なものですむ。このため、比較的安価に製造することができ、ユーザーは比較的廉価に入手することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、回動ステーの回動規制手段を、固定側部材と可動側部材との当接面に設けた凹凸嵌合部と連結具と弾性材とにより構成したので、比較的小型に回動規制手段を構成することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、回動ステーが開いた状態と閉じた状態とで、それぞれ回動ステーがダンパーにより開き方向、閉じ方向、すなわち姿勢を維持する方向に付勢されるため、ミラーを開閉する作業者は回動ステーを回すことによって、他の固定手段を要することなく、回動ステーをそれぞれ開き状態、閉じ状態に維持させておくことができ、開閉操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のミラー装置を適用する車両の一例を示す側面図である。
【図2】図1の車両の正面図である。
【図3】この実施の形態のミラー装置を示す分解斜視図である。
【図4】この実施の形態のミラー装置を示す正面図である。
【図5】この実施の形態のミラー装置を示す側面図である。
【図6】この実施の形態のミラー装置を示す平面図である。
【図7】この実施の形態のミラー装置において、固定ステーに対する回動ステーの結合構造を示す断面図である。
【図8】この実施の形態において、回動ステーの下部アームとミラー取付け軸との結合構造を示す背面図である。
【図9】この実施の形態のミラー装置のミラー閉じ状態を示す平面図である。
【図10】本発明のミラー装置の固定ステーと回動ステーとの連結部の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明のミラー装置を適用したダンプトラックを示す側面図、図2はその正面図である。図1、図2において、1はダンプトラックの車体、2はこの車体前部に設置した運転室、3はベッセル、4は運転室2の周囲に設けたデッキ、5はデッキ4の周囲に設けた手摺、6はデッキ4に昇降するための梯子である。7は車体前部の左右に設けたミラーであり、運転室2にいるオペレータが車体1の側方や後方を視認するために設けたものである。8はミラー装置を取付けるためにデッキ4に設けた取付け板、9はこの取付け板8に取付けた固定ステー、10はこの固定ステー9に取付けた回動ステー、11は回動ステー10と取付け板8に両端をそれぞれ連結して取付けたダンパーである。ミラー7は回動ステー10に取付けられる。
【0018】
ここで、ダンパー11は気体や液体を内蔵してその流動抵抗により振動を防止するタイプのものと、ばねを内蔵して振動を防止するタイプのものがある。本発明においては、これを伸縮可能な連結手段として用いるものであり、いずれのタイプのものも用いることができる。
【0019】
図3はこの実施の形態のミラー装置を示す分解斜視図、図4はこのミラー7が外側に張り出した開き状態について示す正面図、図5、図6はそれぞれその側面図、平面図である。図4、図5に示すように、ミラー装置の取付け板8は、デッキ4にボルト12によって取付ける。固定ステー9は回動ステー10の上下を支持するために2個備え、取付け板8の上下にそれぞれ取付ける。この各固定ステー9は取付け部9aを備え、図3、図6に示すようにこれらの取付け部9aに設けたボルト挿通孔9bにボルト13を挿通して取付け板8に設けたねじ孔8aに螺合して締結することにより、固定ステー9を取付け板8に取付ける。
【0020】
回動ステー10は、大略、上下の固定ステー9に水平回動可能に取付けるアーム10aと、上下のアーム10a、10a間に取付けるミラー取付け軸10bとからなる。アーム10aの基端部は、固定ステー9の先端に連結部14を介して回動可能に取付けられる。この連結部14は、固定ステー9に溶接により設けた固定側部材15と、アーム10aに溶接により設けた可動側部材17と、固定側部材15に可動側部材17を回動可能に連結する連結具として設けられたボルト16およびナット19と、可動側部材17とボルト16の頭部との間に弾性材として挟持されたばねワッシャ18とからなる。
【0021】
図7はこの連結部14の構造を示す断面図、図8はこの連結部を示す背面図である。図7および図8の背面図に示すように、ボルト16は、ばねワッシャ18と、可動側部材17および固定側部材15にそれぞれ設けたボルト挿通孔17a,15aに挿通してナット19に螺合し締結することにより、可動側部材17と固定側部材15とが連結される。
【0022】
ここで、固定側部材15の可動側部材17との当接面に、一方向(本例では固定ステー9の長手方向)に連続した凸部15bを設け、可動側部材17にはこの凸部15aに嵌合される一方向に連続した凹部17bを設ける。この嵌合状態においては、凸部15と凹部17bとの嵌合部が、ばねワッシャ18によって圧接されるので、アーム10aの自由な回動が防止され、アーム10aが外方に開いた状態が維持され、ばねワッシャ18と共に回動ステー10の回動を規制する手段が構成される。そして、ばねワッシャ18の弾性力に打ち勝つ回動力を付与すれば、固定ステー9に対してアーム10aを回動させることが可能である。
【0023】
なお、凸部15bと凹部17bとの嵌合状態を維持するための弾性材として、ばねワッシャ18以外にスプリングを用いてもよい。また、凸部を可動側部材17側に設け、凹部を固定側部材15側に設けてもよい。また、ばねワッシャ18等の弾性材はナット19と固定側部材15との間にも設けてもよく、ナット19と固定側部材15との間のみに設けてもよい。また、固定側部材15と可動側部材17のいずれかにボルト挿通孔を設け、他方にねじ孔を設け、ボルトをボルト挿通孔に通してねじ孔に螺合し固定する構造も採用できる。
【0024】
図3に示すように、アーム10aの先端にミラー取付け軸10bに結合するための筒部10cを溶接する。一方、ミラー取付け軸10bの上端部10d、下端部10eはミラー7を取付ける中間部分に比較して小径に形成し、これらの小径部10d,10eの上下端に、アーム10aやダンパー11を取付けるための雄ねじ部10g,10hを設ける。
【0025】
図3〜図5および図8に示すように、ミラー取付け軸10bの下端部とアーム10aとの結合は、アーム10aの先端の筒部10cの上下面に面圧低下用のワッシャ20、21を位置させてこれらを小径部10eに嵌合し、さらにワッシャ21の下面にばねワッシャ22を嵌めてナット23を雄ねじ部10hに螺合し締結することにより行なう。
【0026】
一方、ミラー取付け軸10bの上端部に対するアーム10aの結合は、アーム10aの先端の筒部10cの上下面に面圧低下用のワッシャ24、25を位置させてこれらを小径部10dに嵌合して行なう。そしてこのアーム10aの連結と共にダンパー1の連結を行なうため、ダンパー11のロッド側端部のボス11aを小径部10dに嵌合し、ボス11aの上面にワッシャ26を嵌め、さらにばねワッシャ27を嵌め、ナット28を螺合する。この構造においては、ダンパー11のボス11aは小径部10dに相対的に回動可能である。
【0027】
図3〜図6において、30はダンパー11のチューブ側端部のボス11bを取付け板8に取付けるための取付け金具である。この取付け金具30は、ボルト挿通孔30aに挿通するボルト31を取付け板8のねじ孔8bに螺合、締結して取付け板8に取付けるものである。このダンパー11の取付け金具30への連結は、チューブ側端部のボス11bを、取付け金具30の上板32、下板33間に挟み、これらの板にそれぞれ設けた貫通孔32a、33aおよびボス11bにピン34を挿着して行なう。このダンパー11のボス11bは取付け金具30に対して相対的に回動可能である。
【0028】
図4、図5に示すように、ミラー取付け軸10bに対するミラー7の取付けは、取付け金具35およびボルト36を用いて行なう。
【0029】
この実施の形態のミラー装置において、図4〜図6に示すように、回動ステー10の開いた状態では、回動ステー10のアーム10aは固定ステー9の延長上にある。この回動ステー10が開いた状態では、ダンパー11によってダンプトラックの走行による振動が吸収され、回動ステー10の回動が防止される。また、連結部14における固定側部材15の凸部15bと可動側部材17の凹部17bとの嵌合構造、およびばねワッシャ18による押圧力により、回動ステー10の回動が防止され、回動ステー10を開いた状態が維持される。
【0030】
この実施の形態において、ダンプトラックを出入口の狭い整備工場に入れる等、ミラー7を閉じる必要が生じた場合には、固定ステー9と回動ステー10との連結部14におけるばねワッシャ18による回動抵抗に抗して回動ステー10をダンパー11が伸びる方向に回す。そして図9に示すように、回動ステー10と共にミラー7が車体側に近接した状態とする。
【0031】
このように、この実施の形態においては、回動ステー10の回動中心部(ボルト16)から離れた箇所で回動ステー10をダンパー11に連結するため、回動ステー10をその回動中心部で固定ステーに完全に固定する場合に比較し、回動ステー10を固定するための部材が簡単で軽量なものですむ。このため、比較的安価に製造することができ、ユーザーは比較的廉価に入手することができる。
【0032】
ここで、ダンパー11としては圧縮ガスを内蔵せず、ダンパー11の伸縮に伴なってガス等の流体の流動が生じ、その流動抵抗で振動抑制作用を生じるものを用いることができる。この場合、図9に示す回動ステー10の閉じ状態において、例えば回動ステー10またはダンパー11を取付け板8や固定ステー9に例えばフック等の何らかの固定手段によって固定し、これによって回動ステー10が閉じ状態を維持するようにしてもよい。
【0033】
しかしながら、ダンパー11として例えば圧縮ガスを内蔵することにより、図9の矢印37に示すような引張り力を発生させる付勢手段を有するものを用い、平面視において、閉じ状態ではダンパー11が連結部14よりも車体側に位置するように構成すれば、ダンパー11の引張り力を固定手段として兼用することができ、閉じ状態においても回動ステー10が開き方向に回動することが防止される。このため、回動ステー10を固定するための別設の固定手段を要することなく、回動ステー10を閉じ状態に維持させておくことができる。また、開き状態においては、連結部14における前記凸部15bと凹部17bとの嵌合とばねワッシャ18により、開き状態が維持される。したがって開閉操作に伴う固定作業が不要となり、開閉操作が容易となる。
【0034】
また、この実施の形態においては、回動ステー10の回動規制手段を、固定側部材15と可動側部材17との当接面に設けた凸部15b、凹部17bとの嵌合部と、連結具であるボルト16、ナット19と、弾性材であるばねワッシャ18とにより構成したので、比較的小型に回動規制手段を構成することができる。
【0035】
図10は固定ステー9と回動ステー10のアーム10aとの連結部14Aの他の例を示す平面図である。この連結部14Aは、図9に示すように、ダンパー11として、矢印37に示す引張り力を有するものを用いた場合に適用されるものである。この例の連結部14Aは、固定側部材15に、可動側部材17の開き状態における回動限界を規制するストッパ15cを設け、矢印Rに示すようにアーム10aが開く際に、可動側部材17の側面17cが固定側部材15のストッパ15cに当接すると、より以上のアーム10aの回動が防止されるように構成したものである。
【0036】
このように構成すれば、ダンパー11の持つ引張り力により、ストッパ15のストッパ15cに可動側部材17の側面17cが当接した開き状態が維持され、図7に示したような凹凸嵌合により回動を防ぐ構造を設ける必要が無くなる。
【0037】
なお、図9、図10の説明においては、ダンパー11を引張り力を持たせたものとして行なったが、このダンパー11として押圧力を持たせたものを用いることができ、この押圧力を持たせたものを用いる場合には、ダンパー11の前後方向の向きを反対とする。
【0038】
本発明を実施する場合、ミラーの取付け位置は、デッキ4ではなく、車体1上の他の部位とすることも可能であり、車体1の後部に設けるミラーにも本発明を適用することが可能である。また、本発明は、油圧ショベル等の建設機械にも適用することができる。その他、本発明を実施する場合、上記実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:車体、2:運転室、3:ベッセル、4:デッキ、5:手摺、6:梯子、7:ミラー、8:取付け板、9:固定ステー、10:回動ステー、10a:アーム、10b:ミラー取付け軸、12,13:ボルト、14,14A:連結部、15:固定側部材、15b:凸部、15c:ストッパ、16:ボルト、17:可動側部材、17b:凹部、18:ばねワッシャ、19:ナット、10d,10e:小径部、10g,10h:雄ねじ部、11:ダンパー、20,21:ワッシャ、22:ばねワッシャ、23:ナット、24〜27:ワッシャ、28:ばねワッシャ、29:ナット、30:取付け金具、31:ボルト、34:ピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に取付けられ、外側に突出して設けられる固定ステーと、
前記固定ステーの先端に回動可能に取付けられる回動ステーと、
前記回動ステーに取付けられるミラーと、
前記車体側と前記回動ステーとの間に設けられるダンパーと、
前記固定ステーと前記回動ステーとの間に設けられ、前記回動ステーの姿勢を開き状態に規制する回動規制手段とを備えた
ことを特徴とする作業車両用ミラー装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記回動規制手段は、前記固定ステーに設けられた固定側部材と、
前記回動ステーに設けられた可動側部材と、
前記固定側部材の前記可動側部材との当接面に設けられ、一方向に連続した凸部または凹部と、
前記可動側部材の前記固定側部材との当接面に設けられ、前記回動ステーが開き状態のときに前記凸部または凹部に嵌合される一方向に連続した凹部または凸部と、
前記固定側部材と前記可動側部材とを連結する連結具と、
前記連結具と前記固定側部材および/または前記可動側部材との間に設けられ、前記凸部との凹部との嵌合面を圧接させる弾性材とを備えた
ことを特徴とする作業車両用ミラー装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記ダンパーは前記回動ステーが開き状態にあるときに前記回動ステーを開く方向に付勢する付勢手段を備え、
前記回動ステーを車体側に回動させた閉じ状態では、前記ダンパーが、前記回動ステーの回動中心よりも車体側に位置して前記回動ステーを閉じ状態を維持する
ことを特徴とする作業車両用ミラー装置。
【請求項1】
車体側に取付けられ、外側に突出して設けられる固定ステーと、
前記固定ステーの先端に回動可能に取付けられる回動ステーと、
前記回動ステーに取付けられるミラーと、
前記車体側と前記回動ステーとの間に設けられるダンパーと、
前記固定ステーと前記回動ステーとの間に設けられ、前記回動ステーの姿勢を開き状態に規制する回動規制手段とを備えた
ことを特徴とする作業車両用ミラー装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記回動規制手段は、前記固定ステーに設けられた固定側部材と、
前記回動ステーに設けられた可動側部材と、
前記固定側部材の前記可動側部材との当接面に設けられ、一方向に連続した凸部または凹部と、
前記可動側部材の前記固定側部材との当接面に設けられ、前記回動ステーが開き状態のときに前記凸部または凹部に嵌合される一方向に連続した凹部または凸部と、
前記固定側部材と前記可動側部材とを連結する連結具と、
前記連結具と前記固定側部材および/または前記可動側部材との間に設けられ、前記凸部との凹部との嵌合面を圧接させる弾性材とを備えた
ことを特徴とする作業車両用ミラー装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業車両用ミラー装置において、
前記ダンパーは前記回動ステーが開き状態にあるときに前記回動ステーを開く方向に付勢する付勢手段を備え、
前記回動ステーを車体側に回動させた閉じ状態では、前記ダンパーが、前記回動ステーの回動中心よりも車体側に位置して前記回動ステーを閉じ状態を維持する
ことを特徴とする作業車両用ミラー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−149391(P2012−149391A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7022(P2011−7022)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】
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