説明

作物幹刈機

【課題】従来のたばこ収穫機は、溝切刃が、搬送機構の下側に設けられ、幹の切溝の位置と葉部との間隔が大きくなって、逆さに吊るして乾燥するとき、葉部の位置が低くなり過ぎて乾燥効率が悪く、又葉部が地面に着いて汚れる等の課題と、更に、幹は、上側が挟持され、下側がフリ−の状態にあるから、溝切時に刃が当たると押されて逃げ、安定した位置と、深さに溝が切れない課題があった。
【解決手段】 本願発明は、左右一対の搬送無端帯3,3を、後方に延長して構成した挟持搬送装置4には、その前部下側に、搬送通路5に臨ませた刈取装置6を設け、その後部上側には、傾斜して刃縁を下にした溝切刃7を搬送通路5に臨ませて設け、その溝切刃7の上方位置には少なくとも一方側に搬送無端帯8を設けて構成した作物幹刈機としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、比較的長い幹からなる作物、例えば、たばこ等の収穫機であって、株元側を刈り取って収穫する搬送過程において、幹の上部に生えて成育している葉部を乾燥するために、幹を逆さに吊り下げる吊紐を通す溝を切る溝切刃を備えた作物幹刈機に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、実開平5―34830号公報に記載されて公開されている技術は、走行車体の前部に先開き状に形成した左右一対のガイド杆(分草杆)に後続させて左右一対のベルトによる掻き込み搬送機構が設けられ、該搬送機構の下側に刈取用の切断刃と紐通し溝を作るための溝切刃とが設けられた構成となっている。そして、たばこ用幹刈収穫機は、たばこの幹を搬送機構で搬送しながら前側の切断刃で刈り取って後続する溝切刃で幹に溝を切るものである。このようにして、たばこの幹は、該公報の添付図面(図11参照)に示されているように、下部に幹身に対して斜めの紐通し用の溝が切られ、収穫後、紐を通して逆さに吊るすことができる。
【特許文献1】実開平5−34830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した公報に記載されている従来公知の装置は、考案がねらいとする目的、作用、効果は充分に発揮することができる構成で、きわめて有効な考案である。
【0004】
しかしながら、該公知技術は、溝切刃が、左右一対のベルトによって構成されている掻き込み搬送機構の下側に設けられているから、切溝の位置と上側の葉部との間隔が遠く(空き過ぎ)なって、収穫後、たばこの幹を、逆さに吊るす場合、葉部の位置が低くなり過ぎて葉部が地面に着いて汚れる等の課題があった。
【0005】
更に、該公知技術は、たばこの幹の上部を挟持して搬送し、下側が刈り取られて自由端となって、搬送チエンにぶら下がったフリ−の状態で搬送されているから、溝切時に溝切刃が幹に当たると押されて逃げることがあり、安定した溝の位置、及び溝の深さに切断することができない課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、この出願の請求項1に記載した発明は、走行車体1の前部に設けられた左右一対の分草杆2,2の後方には、作物を挟持して搬送する左右一対の搬送無端帯3,3が配置されて後方に延長した挟持搬送装置4が構成され、該挟持搬送装置4の前部下側には、搬送通路5に臨ませて刈取装置6が、更に、後部上側には搬送通路5に臨ませて搬送される作物の幹に溝を切る溝切刃7がそれぞれ駆動可能に設けられ、該溝切刃7は、前記搬送通路5側を下方にして正面視傾斜状に軸架して設けられ、その溝切刃7の上方にあって、かつその溝切位置と対向する側の作物の幹を片側支持して搬送する搬送無端帯8を設ける構成とした作物幹刈機とする。
【0007】
つぎに、請求項2に記載した発明は、前記搬送無端帯8が作物を支持する側と対向する側には案内ガイド10を設け、該案内ガイド10は前記溝切位置側の作物の幹を支持する構成としたことを特徴とする請求項1記載の作物幹刈機とする。
【0008】
つぎに、請求項3に記載した発明においては、前記溝切刃7の上側に配置した搬送装置9は、搬送始端部分では搬送チエン8と案内ガイド10との間隔(H)を広く形成し、前記溝切刃7による溝切位置の近傍では上記両者の間隔(h)を接近して配置し、挟持作用を強くする構成とした請求項2記載の作物幹刈機とする。
【発明の効果】
【0009】
まず、請求項1に記載した発明は、刈り取られた後、たばこの幹が溝切刃の作用する部位の上側と下側との両方が保持された状態で搬送されている場所を溝切作業が行われるため、溝切作用が安定して行われ、溝の位置や溝の深さにばらつきがほとんどなくなって、収穫後の乾燥作業が適確に行われる特徴がある。そして、本案は、さらに、溝切り位置の上部に特に部材を設けず開放状態にすることが可能になるため、溝切り刃の上側に生えている葉部により近い位置で溝切刃で溝切りすることができる。従って、収穫後、たばこの幹を、逆さに吊るす場合、葉部の位置が低くなり過ぎて葉部が地面に着いて汚れる等の課題従来型の課題を解決できる効果を有する。
【0010】
そして、請求項2に記載した発明は、刈り取られて搬送されて来るたばこの幹の溝切り位置の上部側を案内ガイド10で形成することで、溝切り刃の上側に生えている葉部により近い位置で溝切りすることができるものでありながら、上下両方が挟持されているから、駆動されている溝切刃が当たっても逃げることがなく、適確に溝切ができる。
【0011】
そして、請求項3に記載した発明は、上側にある搬送装置の始端部分の間隔が広くなっているから、たばこの幹、特に、葉部に近い上部が搬送装置の内部に誘導され易くなって円滑に搬送できる特徴がある。そして、搬送装置は、溝切刃の近くになると搬送チエンと案内ガイドとを接近させて間隔を狭め、搬送装置の挟持力を強くしているから、幹の上下両方を確実に挟持した状態で溝切作用を確実に、安定よく行うことができる特有の効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を具体的に説明する。
【0013】
本発明は、たばこの幹を刈り取って収穫する作物幹刈機であって、圃場の畦に生育しているたばこの幹を、挟持搬送装置4によって挟持状態で搬送する過程に、挟持位置より下側の株元側を刈取装置6で高刈りし、挟持位置より上側の葉部に近い側において、たばこの幹に、乾燥時に逆さまに吊るすための紐を通す溝を切り収穫する刈取収穫機である。
【0014】
まず、走行車体1は、図1、乃至図3に示すように、左右一対の前輪11,11と後輪12,12とを軸架して設け、後輪駆動で走行する構成としている。この場合、後輪12,12は、図2に示すように、走行車体1の後部に搭載されている第一エンジン13から走行ミッション装置14を経由した走行動力が、左右両側に分岐されて第1伝動ケ−ス15から第2伝動ケ−ス16を経由して左右両側に伝動される構成としている。
【0015】
一方、前輪11、11は、図面から解るように、基部を走行車体1の前部下側に枢着している前輪支持杆17の先端部分に軸装して走行車体1を支持して走行できる構成としている。そして、この実施例の場合、上記前輪支持杆17は、伸縮調節可能に構成しており、前輪11,11の上下調節によって、走行車体1の前部の高さを自由に調節できるものとなっている。
【0016】
そして、前輪11,11と後輪12,12とは、図2に示すように、前記前輪支持杆17の基部と前記第2伝動ケ−ス16の基部とにそれぞれ連結して下側に突出させたア−ム18,18の下端部を連杆19で連結して車体後部の上下調節ハンドル20の回転操作で、前輪支持杆17と第2伝動ケ−ス16の対地角度を変更して車高を調節できる構成としている。
【0017】
なお、本案実施例では、上記の通り手動操作によって上下調節する機構を採用しているが、車体の対地姿勢を検出するセンサと車輪を昇降駆動する油圧機構とを設けて自動制御に構成することもできる。
【0018】
このように、走行車体1は、前輪11,11と後輪12,12との高さの調節によって、圃場の畦の高さに合わせて作業位置(後述する刈高さの位置等)を決める事ができるものである。
【0019】
21は左右のハンドルであって、その周辺に各部の操作レバ−類を集中させて配置した構成としている。
【0020】
そして、前述した第一エンジン13は、図2に示すように、前記走行ミッション装置14側から回転動力を前側に取り出して、後述する各搬送装置を伝動する構成にしている。したがって、後述の挟持搬送装置4や他の搬送装置は、車速追従型で伝動されて、作業能率(走行速度)に応じた速度に自動的に追従変速されてたばこの幹を搬送できる利点がある。
【0021】
つぎに、本案実施例の主要な作業装置について説明する。
【0022】
まず、走行車体1は、図1、乃至図3に示すように、前部の左右両側に左右一対の分草杆2,2を設け、そのすぐ後方位置に接近させて上下2段に搬送装置9,4を設けて構成している。この場合、挟持搬送装置4は、図1、乃至図4から解るように、左右一対の挟持搬送チエン3,3の搬送始端部を平面視ハ字状に前端部を開いて配置し、前記左右の分草杆2,2の後方下側位置に接近させて臨ませ、中間部分から後方へ向かう延長部分を、畝Uに植立するたばこの幹Wを左右両側から挟持できるように接近して設けた構成としている。そして、本件明細書中に記載している搬送通路5は、上述のように、左右両側の挟持搬送チエン3,3の間で幹Wが通る通路を指している。
【0023】
そして、挟持搬送装置4は、図示しないが左右一対の挟持搬送チエン3,3の各搬送爪3a,3bを半ピッチずらして対向させた構成を採用している。そして、左右一対の挟持搬送チエン3,3は、半ピッチの長さチエンを進行方向(前後方向)にずらすことによって挟持幅を調節できる構成にしてもよい。
【0024】
上記のように、左右一対の挟持搬送チエン3、3は、対向する搬送爪3a,3bを半ピッチずらして幹を挟持すると、幹の径が細い場合でも確実に挟持することができるものであって、適確な挟持搬送ができる特徴がある。そして、挟持搬送チエン3,3は、これを半ピッチずらす構成を採用した場合は、たばこの幹の径の大、小に対応して挟持幅を調節しながら作業ができる特徴がある。
【0025】
つぎに、刈取装置6は、図1、及び図2に示すように、上記挟持搬送装置4のすぐ下側に、円盤刈刃が軸架して設けられ、その刃縁部分を上記挟持搬送装置4で形成する搬送通路5に臨ませて幹の刈り取りができる構成としている。なお、6aは、刈取装置6で刈り残った残幹を切断するセカンド刈刃を示している。
【0026】
そして、溝切刃7は、図1、乃至図3に示すように、円盤切刃を2枚重ねにして切り口に厚みを持たせ、搬送通路5側を低く、正面視で傾斜状態に軸架して設け、搬送されてくるたばこの幹に対して、幹身方向に斜め下方に向けて切溝を形成できる構成としている。なお、この切溝は、収穫後に幹を乾燥するとき逆さまにして吊るすための吊紐を通す溝に利用するものである。
【0027】
そして、上記溝切刃7と、前記刈取装置6、及びセカンド刈刃6aとは、図1、乃至図3から解るように、走行車体1の前部左側に搭載している第二エンジン13aから一連の伝動機構を介して伝動される構成としている。通常、切断に伴う駆動負荷は、この種の作業機においては、走行駆動負荷や挟持搬送に伴う負荷に比較して、格段に大きい駆動負荷が必要であるから、前述した第一エンジン13とは別に搭載した第二エンジン13aによって駆動する構成にしている。このように、本案の実施例に係る幹刈機は、2つのエンジンを搭載してそれぞれ分担して駆動する構成にすることにより、切断負荷が走行や搬送に影響せず、全体が円滑に作動して能率よく作業ができるものとしている。
【0028】
つぎに、搬送装置9は、上記した挟持搬送装置4と溝切刃7の上方位置に設け、一方側に搬送チエン8を巻回し、対向側に案内ガイド10を沿わせて設けた構成としている。
【0029】
そして、搬送装置9は、挟持搬送装置4より上方位置に、搬送チエン8と案内ガイド10とを対向してたばこの幹を挟持状態にして搬送する装置に構成した実施例の場合、案内ガイド10を張圧ばねによってチエン8側に弾圧して押し付ける構成として、幹の径の大小に対応できる構成としている。
【0030】
そして、上述の搬送チエン8と案内ガイド10とから構成した搬送装置9は、図4に示すように、搬送始端部から溝切刃7の手前までの間の搬送部分を、両者の間隔(H)を広く形成し、その位置より搬送下手側で前記溝切刃7による溝切位置の近傍に達すると、上記両者の間隔(h)を接近して配置し、搬送している幹を左右両側から挟持して搬送できる構成としている。
【0031】
そして、上記案内ガイド10は、図4に示すように、搬送通路5上において、始端部ガイド10aと終端部ガイド10bとの2本を繋ぎ合わせて一連のガイド機構を構成している。すなわち、案内ガイド10は、上記搬送チエン8との間隔(H)を広く形成した部分を始端部ガイド10aとし、間隔(h)を狭く接近して配置した部分を終端部ガイド10bとして別々の杆材によって、別々に搬送チエン8側に張圧した構成としている。そして、終端部ガイド10bは、図3に示すように長く後方に伸ばして設け、溝切後の幹を、切溝より上側で支えながら倒伏をなくするように搬送できる構成としている。
【0032】
以上のように、案内ガイド10は、始端部ガイド10aと終端部ガイド10bとを別体に構成して搬送チエン8側に別々に弾発しているから、両者がそれぞれ適する挟持力で保持して搬送し、相互間に悪影響を与えることがなくなった特徴がある。
【0033】
更に、従来のこの種の装置では、本案実施例のように、搬送中の幹を排出口23まで倒れないように支えながら案内する案内ガイド10に相当する部材がないために、溝切後の搬送過程において、強度上弱くなった切溝の部分から折れることがあり、商品にならない損失があった。
【0034】
それに対して、本案は、上述の通り、案内ガイド10を排出口23の近傍まで延長することによって幹の折れ曲がりを未然に防止して損失を極端に減少した特徴がある。なお、案内ガイド10は、実施例の場合、下方位置にある挟持搬送装置4の搬送終端部と同等の位置まで延長して設け、挟持搬送装置4が搬送を続けている間は幹の上部を支えるように構成している。
【0035】
図5から図7に示す実施例は、溝切刃7を軸受け支持している伝動ケ−ス22のある側(進行方向左側)には、上側に搬送チエンも案内ガイドも設けないで、下側(挟持搬送装置4)に挟持搬送チエン3を1本だけとして、搬送通路5を挟んだ反対側には、上記挟持搬送チエン3(左側)に対応する挟持搬送チエン3(右側)と上方位置に搬送無端帯(搬送チエン)8を設けた上下2本の構成としている。
【0036】
このように、搬送無端帯8は、図1に示す場合、溝切刃7に対応する側にのみ設けることによって、切溝の位置と幹の上部に成長している葉部とが接近できる利点がある。更に、たばこの幹は、溝を切り込むために溝切刃7が押し当てられた状態になったとき、反対側の上下2箇所が搬送帯によって受け止められているから逃げることができず、適確に、安定した状態で溝が切られることになる。
【0037】
そして、搬送チエン8は、図1、及び図4に示すように、上側の搬送爪(チエンの搬送ラグに相当する)を取り除いた下側の搬送爪のみの構成にしている。このように構成すると、搬送チエン8は、たばこの幹に生えて成長している葉に接近した位置を係合して搬送できるから、葉に近い部位に吊り下げ用の紐を通す切溝を形成することができる特徴がある。
【0038】
つぎに、倒れ防止ガイド25a,25bは、図6、及び図7に示すように、上記排出口23の終端に連続して設けられた左右方向の放出通路24a,24bの入り口部分に、後部機枠に回動自由に枢着して設けられ、放出通路24a,24bを仕切り、開放の切替ができる構成としている。したがって、倒れ防止ガイド25a,25bは、放出通路24a,24bの切り替えが自由であって、左右どちら側からでもたばこの幹を排出できる利点があり、更に、場合によっては、左右両側を開放して両方から放出することもできる特徴がある。
【0039】
そして、倒れ防止ガイド25a,25bは、補助作業者が受取りや取出し作業に間に合わないときや2,3本の幹をまとめたいときには一方を閉めれば、排出口23と放出通路24の始端部に溜めてまとめることもできる利点がある。
【0040】
そして、他の実施例の放出ガイド28は、図3に示すように、たばこの幹を受ける部分を円弧形状に形成して、搬送通路5の終端部の位置に左右方向に切り替え自由に装置して構成している。この構成の場合は、放出ガイド28を収穫作業をする補助作業者側に向ければ、その方向にたばこの幹が放出されるから楽に作業ができるものとなっている。
【0041】
そして、既に述べたセカンド刈刃6aは、図9に示すように、幹の上部を前方にある刈取装置6で高刈り状態に刈り取って圃場に残っている株元側の幹を刈り取る円盤刃であるが、これに羽根30を付けて刈り取った幹を遠方に跳ね飛ばす構成にしている。したがって、刈り取られた幹は、刈り取り位置から遠方に飛ばされ、走行車体1側に滞留することがなく、回転部分に巻き付いたり、ガイドに挟まれることがなくなる利点がある。
【0042】
なお、31は株元側の幹をセカンド刈刃6aに案内する案内部材を示している。
【0043】
以上述べたように、本案発明の請求項1に係る実施例は、刈り取られた後、たばこの幹が溝切刃7の作用する部位の上側と下側との両方が保持された状態で搬送されているから、溝切作用をきわめて安定した状態で行なうことができる。したがって、実施例は、溝の位置や溝の深さにばらつきがほとんどなくなって、収穫後の乾燥作業が適確に行われるものとなっている。そして、本案の実施例は、溝切刃7によって切削する切溝の位置と上側に成長している葉部との間隔が接近するから、逆さに吊るしたとき葉部の位置が高くなって、乾燥効率をあげることができ、更には、葉部が接地して汚れることもなくなった。
【0044】
つぎに、本案発明の請求項2に係る実施例は、刈り取られて搬送されて来るたばこの幹は、上下両方が挟持されているから、駆動されている溝切刃7が当たっても逃げることがなく、適確に溝切ができるので溝の位置と溝の深さが常に安定するものとなっている。
【0045】
つぎに、本案発明の請求項3に係る実施例は、上側にある搬送装置9の始端部分の間隔が広くなっているから、たばこの幹、特に、葉部に近い上部が搬送装置9の内部に誘導され易くなって円滑に搬送できるものとなっている。そして、搬送装置9は、溝切刃7の近くになると搬送チエン8と案内ガイド10とを接近させて間隔を狭め、搬送装置9の挟持力を強くしているから、幹の上下両方を確実に挟持した状態で溝切作用を確実に、安定よく行うことができる特有のものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】要部の切断正面図
【図2】一部破断した側面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の平面図
【図5】要部の切断正面図
【図6】要部の平面図
【図7】一部破断した側面図平面図
【符号の説明】
【0047】
1 走行車体
2、2 分草杆
3、3 搬送無端帯(挟持搬送チエン)
4 挟持搬送装置
5 搬送通路
6 刈取装置
7 溝切刃
8 搬送無端帯(搬送チエン)
9 搬送装置
10 案内ガイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体1の前部に設けられた左右一対の分草杆2,2の後方には、作物を挟持して搬送する左右一対の搬送無端帯3,3が配置されて後方に延長した挟持搬送装置4が構成され、該挟持搬送装置4の前部下側には、搬送通路5に臨ませて刈取装置6が、更に、後部上側には搬送通路5に臨ませて搬送される作物の幹に溝を切る溝切刃7がそれぞれ駆動可能に設けられ、該溝切刃7は、前記搬送通路5側を下方にして正面視傾斜状に軸架して設けられ、その溝切刃7の上方にあって、かつその溝切位置と対向する側の作物の幹を片側支持して搬送する搬送無端帯8を設ける構成とした作物幹刈機。
【請求項2】
前記搬送無端帯8が作物を支持する側と対向する側には案内ガイド10を設け、該案内ガイド10は前記溝切位置側の作物の幹を支持する構成としたことを特徴とする請求項1記載の作物幹刈機。
【請求項3】
前記溝切刃7の上側に配置した搬送装置9は、搬送始端部分では搬送チエン8と案内ガイド10との間隔(H)を広く形成し、前記溝切刃7による溝切位置の近傍では上記両者の間隔(h)を接近して配置し、挟持作用を強くする構成とした請求項2記載の作物幹刈機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−6267(P2006−6267A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191312(P2004−191312)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】