説明

使い捨ておむつ

【課題】 着用者の腹周りからの液漏れを防止しつつ、ウエストバンド部の結合を解いておむつを交換する操作を衛生的に行うことができる使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】 ウエストバンド部10,10を備えた使い捨ておむつ1において、少なくとも一方のウエストバンド部10が、着用者の肌側に配される透液性シート15と、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シート16と、両シート間に配された親水性長繊維を有するウエブを含む吸収体17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエストバンド部を備えた使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
おむつの背側区域の左右両側縁から側方に延出するウエストバンド部を備えた展開型の使い捨ておむつにおいて、ウエストバンド部を透液性のトップシートと、同じく透液性のバックシートと、両シート間に配置された吸収体とから構成した使い捨ておむつが知られている(特許文献1参照)。このおむつにおいては、着用者の前側に流れ出した液がウエストバンド部の吸収体に一時的に吸収された後、おむつ本体の腹側部に位置する吸収体に再吸収されるようになっている。
【0003】
このおむつにおいては、ウエストバンド部の吸収体に一時的に吸収された液は、透液性である前記バックシートを通じておむつ本体の吸収体に再吸収される。つまり、ウエストバンド部の外面に液が滲み出すことになる。その結果、ウエストバンド部は液で濡れた状態になってしまう。従っておむつを取り替える場合に、液で濡れたウエストバンド部を持たなければならず衛生的とはいえない。また、液で濡れたウエストバンド部によって着用者の肌が湿りがちとなり、あせもが発生しやすい。
【0004】
【特許文献1】特開平3−123550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、股下区域と、その一端側に位置する第1区域と、他端側に位置する第2区域と、第1区域の両側縁部から側方に延出するウエストバンド部とを備え、両ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において互いに結合し、結合された両ウエストバンドに第2区域を結合して着用するようになしてある使い捨ておむつであって、
少なくとも一方のウエストバンド部が、着用者の肌側に配される透液性シートと、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シートと、両シート間に配された親水性長繊維を有するウエブを含む吸収体とを備えた使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
また本発明は、股下区域と、その一端側に位置する第1区域と、他端側に位置する第2区域と、第1区域の両側縁部から側方に延出するウエストバンド部とを備え、両ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において互いに結合し、結合された両ウエストバンドに第2区域を結合して着用するようになしてあるおむつカバーであって、
少なくとも一方のウエストバンド部が、着用者の肌側に配される透液性シートと、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シートと、両シート間に配された親水性長繊維を有するウエブを含む吸収体とを備えたおむつカバーを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の使い捨ておむつ及びおむつカバーによれば、着用者の肌を伝って流れ出した液がウエストバンド部の透液性シートを通じて吸収体に吸収されるので、ウエスト部からの液漏れが効果的に防止される。吸収体を構成する親水性長繊維を有するウエブがウエストバンド部の長手方向に配向している場合には、液がおむつの幅方向に拡散しやすいので、液漏れが一層効果的に防止される。ウエストバンド部における着用者の肌から遠い側に配されるシートは不透液性ないし撥水性なので、ウエストバンド部の吸収体に吸収された液が外側に滲み出ることがなく、その結果ウエストバンド部の外面が液で濡れることはない。従って、ウエストバンド部の結合を解いておむつを交換する操作を衛生的に行うことができる。ウエストバンド部の吸収体を構成する親水性長繊維を有するウエブは液を蒸発させやすいので、着用者の肌はドライな状態が保たれ、あせもが発生しづらくなる。親水性長繊維を有するウエブを含むウエストバンド部の吸収体は柔軟性が高く且つこわれにくいので、ウエストバンド部が着用者の身体にフィットしやすく、また両ウエストバンド部を結合させる操作を行いやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1に示す実施形態のおむつ1は、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在する液保持性の吸収コア4を有しており、実質的に縦長に形成されている。おむつ1は、股下区域Cと、その一端側に位置する第1区域Aと、他端側に位置する第2区域Bとを有している。おむつ1は、第1区域Aと第2区域Bとを結ぶ方向である長手方向及びそれに直交する方向である幅方向を有している。
【0010】
吸収コア4は、表面シート2及び裏面シート3により挟持・固定されている。吸収体4の周縁部におけるウエスト部5とレッグ部6には、おむつ着用者に各部位をフィットさせるためのウエスト部弾性部材51及びレッグ弾性部材61が配されている。おむつ1の長手方向左右両側には、それぞれ立体ガード7が形成されている。立体ガード7の自由端には立体ガード弾性部材71が配されて、ギャザーが形成されている。
【0011】
第1区域Aの左右両側縁には、側方に延出するウエストバンド部10,10がそれぞれ連設されている。ウエストバンド部10,10の一方の先端部にはバンド止着部11が設けられている。バンド止着部11は、両ウエストバンド部10,10を着用者の腹側又は背側において結合するものである。第2区域Bの表面シート2側における両側部には、結合された状態の両ウエストバンド部10,10に第2区域Bを結合させるためのおむつ止着部20,20が設けられている。バンド止着部11及びおむつ止着部20としては例えば面ファスナのフック部材を用いることができる。該フック部材を用いる場合、該フック部材が止着される部位の構成材料は、該フック部材に係合し得る材料、例えば不織布であることが好ましい。
【0012】
ウエストバンド部10は、その基端13からその先端14に向かって、その幅が漸次減少する略帯状の形状を有している。図4に示すように、ウエストバンド部10は、着用者の肌側に配される透液性シート15と、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シート16と、両シート間に配された吸収体17とを含んで構成されている。吸収体17は親水性長繊維を有するウエブを含んでいる。ウエブは、ウエストバンド部10の長手方向(基端13と先端14とを結ぶ方向)に配向している。吸収体17は、ウエストバンド部10の長手方向の概ね全域に亘って配されている。なお本実施形態においては、ウエストバンド部10の長手方向が、おむつ1の幅方向と一致している。
【0013】
おむつ1を着用する手順の一例が図2及び図3に示されている。先ず、図2に示すように、着用者30の背側に第1区域Aを当接させ、両ウエストバンド部10a,10bを着用者30の腹側にもってくる。そして、一方のウエストバンド部10aを、他方のウエストバンド部10bに重ねるようにして、一方のウエストパンド部10aの先端部に設けられたバンド止着部11を、他方のウエストバンド部10bの裏面シート側に係合止着する。次に、第2区域Bを着用者30の股間に沿って腹側に引き上げ、図3に示すように、おむつ止着部20,20を、両ウエストバンド部10,10上に係合止着する。この例では、両ウエストバンド部10,10を着用者の腹側で結合しているが、これとは逆に、着用者30の腹側に第1区域Aを当接させ、両ウエストバンド部10,10を着用者30の背側において結合して装着することもできる。
【0014】
本実施形態のおむつ1の着用中に、排泄された液が着用者の肌を伝って流れ出た場合、液はウエストバンド部10の透液性シート15を通じて吸収体17に吸収される。従って、ウエスト部5からの液漏れが効果的に防止される。特に本実施形態のおむつ1においては、吸収体17を構成する親水性長繊維を有するウエブがウエストバンド部10の長手方向(基端13と先端14とを結ぶ方向)に配向しているので、ウエブに吸収された液はその配向方向、即ちおむつ1の幅方向に優先的に拡散する。その結果、液漏れが一層効果的に防止される。
【0015】
着用者の肌を伝って流れ出る液の量は、おむつ1の吸収コア4に吸収される液の量に比べると僅かである。従って、ウエストバンド部10に備えられた吸収体17の吸収容量は、おむつ1の吸収コア4の吸収容量よりも低くすることができる。この観点から、吸収体17に含まれる親水性長繊維を有するウエブの坪量は、5〜150g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。この範囲の坪量は、後述するように、ウエストバンド部10を柔軟なものにする観点からも有利である。
【0016】
ウエストバンド部10の外面をなすシート、即ち着用者の肌から遠い側に配されるシート16は不透液性ないし撥水性のものなので、吸収体17に吸収された液がウエストバンド部10の外面に滲み出すことはない。その結果ウエストバンド部10の外面が液で濡れることはない。従って、ウエストバンド部10の結合を解いておむつを交換する操作を衛生的に行うことができる。
【0017】
不透液性ないし撥水性シート16は、撥水性の不織布、熱可塑性樹脂のフィルムなどから構成される。撥水性の不織布としては例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布などを用いることができる。熱可塑性樹脂のフィルムとしては例えば、熱可塑性樹脂と有機又は無機フィラーとを混練りしフィルム化した後に延伸したものや、ウレタン系又はエステル系の無開孔透湿フィルムなどを用いることができる。熱可塑性樹脂のフィルムを用いる場合、該フィルムは透湿性を有していることが好ましい。一方、透液性シート15としては、親水性の不織布や熱可塑性樹脂からなる穿孔されたフィルムなどを用いることができる。
【0018】
ウエストバンド部10の吸収体17を構成する親水性長繊維を有するウエブは、液を蒸発させやすいので、吸収体17に吸収された液は長時間を要せずに蒸発しやすい。その結果、ウエストバンド部10によって取り囲まれた着用者の腹周り(腰回り)の肌はドライな状態が保たれ、あせもが発生しずらくなる。
【0019】
長繊維は親水性を有するものである。親水性を有する長繊維として本発明において用いられるものには、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。また、長繊維自体は親水性を有さないが、ウエブ全体として親水性を有するものも包含される。長繊維自体は親水性を有さないが、ウエブ全体として親水性を有するものとしては、例えば親水性を有さない長繊維からなるウエブに親水性を有する材料からなるウエブを一体化させたものが挙げられる。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維である。特にアセテートやレーヨンの長繊維が好ましい。とりわけアセテートは液の蒸発性が良好なので、これを用いることで、上述したあせもの発生を効果的に防止することができる。
【0020】
長繊維の繊維径に特に制限はない。一般に1.0〜7.8dtex、特に1.7〜5.6dtexの長繊維を用いることで満足すべき結果が得られる。本明細書において長繊維とは、繊維長をJIS L1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した場合、好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、一層好ましくは100mm以上である繊維のことをいう。ただし、測定対象とするウエブの全長が100mm未満である場合には、当該ウエブ中の繊維の好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、一層好ましくは80%以上がウエブ全長にわたって延びている場合に、当該ウエブの繊維は長繊維であるとする。
【0021】
長繊維を有するウエブはその密度が0.005〜0.20g/cm3、特に0.01〜0.10g/cm3であることが、液の透過性を良好にする点、吸収体を柔軟に保つ点、液を素早く吸収する点等から好ましい。
【0022】
ウエストバンド部10の吸収体17の構成材料として長繊維を有するウエブを用いることで、ウエストバンド部10を柔軟にすることができるという利点もある。詳細には次の通りである。使い捨ておむつの吸液材料としては粉砕パルプが一般的に用いられている。粉砕パルプはごわごわした材料であることから、粉砕パルプを用いたおむつは、着用者の身体にフィットしづらい傾向にある。これに対して長繊維を有するウエブは柔軟な材料であることから、これをウエストバンド部10の吸収体17として用いることで、ウエストバンド部10を柔軟にすることができ、ウエストバンド部10を着用者の身体にフィットさせやすくなる。また、両ウエストバンド部を結合させる操作(図2参照)を行いやすくなる。
【0023】
使い捨ておむつの吸液材料として一般的に用いられている粉砕パルプは、吸液によって吸収体としての一体的な構造が壊れやすい。これに対して長繊維を有するウエブは吸液しても吸収体としての一体的な構造が壊れにくい。この観点からも、ウエストバンド部10の吸収体17として長繊維を有するウエブを用いることは有利である。
【0024】
ウエストバンド部10の吸収体17は、親水性長繊維を有するウエブに加えて高吸収性ポリマーを含んでいてもよい。これによって吸収体17の吸収容量を向上させることができる。吸収体17が高吸収性ポリマーを含む場合、該高吸収性ポリマーはウエブ中に埋没担持されていることが、ポリマーの脱落防止の観点から好ましい。埋没担持とは、高吸収性ポリマーがウエブを形成する親水性長繊維によって形成される空間内に入り込んで、着用者の激しい動作によっても該ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくくなっている状態を言う。埋没担持された状態では、高吸収性ポリマーが親水性長繊維に絡みつき又は引っ掛かりによって付着している。或いは高吸収ポリマー自身の粘着性によって親水性長繊維に付着している。親水性長繊維が形成する空間は、外部から応力を受けると変形しやすい。しかし親水性長繊維全体で応力を吸収することができるので、当該空間が破壊されることが防止される。高吸収性ポリマーを確実に担持する観点から、長繊維として捲縮しているものを用いることが好ましい。捲縮した長繊維を有するウエブは、粒子を保持し得る多数の空間を有している。その空間内に高吸収性ポリマーが保持される。その結果、吸収体17に多量の高吸収性ポリマーを含有させてもその脱落が起こりにくくなる。また、両ウエストバンド部10の結合及びその解除を繰り返しても吸収体17の構造が破壊されにくくなる。
【0025】
長繊維が捲縮している場合、その捲縮率(JIS L 0208)は好ましくは20〜90%であり、更に好ましくは40〜90%である。この範囲の捲縮率を有する長繊維を有するウエブを用いることで、高吸収性ポリマーを安定的に且つ多量に埋没担持させることが容易となる。長繊維を捲縮させる手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。捲縮率は、長繊維をまっすぐに、かつ繊維自身を伸張させずに引き伸ばしたときの長さ(A)と、自然状態における繊維の始点と終点との間に結んだ直線の長さ(B)との差の、伸ばしたときの長さに対する百分率で定義され、以下の式から算出される。
捲縮率=(A−B)/A × 100 (%)
【0026】
長繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ10〜20個であることが好ましい。
【0027】
捲縮した長繊維を有するウエブに高吸収性ポリマーを埋没担持させるには、例えば次の方法を用いることができる。先ず、先に述べた捲縮率を有する長繊維を有するウエブを用意する。このウエブを所定手段によって開繊する。開繊には例えば圧縮空気を利用した空気開繊装置を用いることができる。次に、開繊されたウエブを所定の長さに引き伸ばす。この場合長繊維を完全に引き伸ばすことを要せず、高吸収性ポリマーがウエブ内に安定的に埋没保持される程度に引き伸ばせば足りる。
【0028】
長繊維を引き伸ばした状態下に、ホットメルト粘着剤などの各種接着剤をウエブに塗工する。塗工には、散点状の接着を首尾良く行い得るスプレー塗工を用いることが好ましい。接着剤の塗工は、ウエブでの液の透過が妨げられない程度の低量であることが好ましい。
【0029】
接着剤の塗工完了後に、ウエブ上に高吸収性ポリマーを層状に散布する。散布完了後に長繊維の引き伸ばし状態を解除する。これによって引き伸ばされていた長繊維が収縮する。その結果、高吸収性ポリマーは長繊維の収縮によって形成された空間内に保持される。このようにして、ウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持される。必要に応じ、その上に、別途用意しておいたウエブを重ね合わせてもよい。これによって2つのウエブどうしが散点状に接着される。
【0030】
吸収体17が親水性長繊維を有するウエブに加えて高吸収性ポリマーを含んでいる場合、長繊維を有するウエブの量に対して高吸収性ポリマーの量が相対的に大きいことが好ましい。具体的には、吸収体17全体で見たとき、高吸収性ポリマーの坪量がウエブの坪量以上、特に2倍以上、とりわけ3倍以上となっていることが好ましい。これによって吸収体17の薄型化及び低坪量化を図ることができる。ウエブの坪量に対する高吸収性ポリマーの坪量の比率の上限値は、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落防止の観点から決定される。長繊維の捲縮の程度にもよるが、該上限値が10倍程度であれば、着用者が激しい動作を行っても高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくい。
【0031】
高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられる。しかしこれに限られず繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、形状が不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプである場合は、ウエブの坪量に対して同量以上且つ10倍以下の坪量で埋没担持させることができる。球粒凝集タイプや球状タイプの場合は、ウエブの坪量に対して同量以上且つ5倍以下の坪量で埋没担持させることができる。高吸収量と薄型化を両立させたい場合は前者の粒子形状選択しを、風合い(高吸収ポリマーのしゃり感の低減)を重視する場合は後者の粒子形状を選択することが望ましい。高吸収性ポリマーは、その一部がウエブ中に埋没担持されているか、或いは吸収体17の製造条件によってはそのほぼ全部がウエブ中に均一に埋没担持される場合もある。先に述べた通り、長繊維は捲縮を有するものであるから、粒子を保持し得る多数の空間を有している。その空間内に高吸収性ポリマーが保持される。その結果、多量の高吸収性ポリマーを散布してもその極端な移動や脱落が起こりにくくなる。また着用者が激しい動作を行っても吸収体17の構造が破壊されにくくなる。使用する高吸収性ポリマーによって、捲縮率や使用する長繊維の量を適宜調節する。
【0032】
「均一」とは、ウエブの厚み方向あるいは幅方向において、高吸収性ポリマーが完全に一様に配されている場合、及びウエブの一部を取り出した時に、高吸収性ポリマーの存在量のばらつきが、坪量で2倍以内の分布を持つ場合をいう。このようなばらつきは、吸収体17を製造する上で、まれに高吸収性ポリマーが過剰に供給され、部分的に散布量が極端に高い部分が生じることに起因して生ずるものである。つまり前記の「均一」は、不可避的にばらつきが生ずる場合を包含するものであり、意図的にばらつきが生じるように高吸収性ポリマーを分布させた場合は含まれない。
【0033】
高吸収性ポリマーが埋没担持される程度の評価法として、次の方法を用いることができる。100×200mmに作製したウエブの長手方向中央部を切断し、100×100mmの試験片を得る。この切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で左右に往復20回振動を与える。切断面からの落下したポリマーの重量を測定する。脱落した高吸収性ポリマーの重量が、試験片中に存在していた高吸収性ポリマーの全量に対して、25重量%以下、特に20重量%以下、とりわけ10重量%以下である場合、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こり難くなっている状態であると言える。
【0034】
前記の脱落評価の試験を行った試験片に対して、次の評価法を行うこともできる。脱落評価の試験を行った試験片に対して、生理食塩水(0.9重量%NaCl)を50g均等に散布して、試験片の膨らみ方を目視観察する。試験片の厚みのばらつきが2倍以内の場合、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こり難くなっている状態であると言える。
【0035】
前記の各評価法においては、ウエブを水平方向で見たときに、高吸収ポリマーが同一坪量で散布してある領域から試験片をサンプリングする。
【0036】
ウエブへの高吸収性ポリマーの埋没担持性が十分でない時は、ホットメルト、各種バインダー(例えばアクリル系エマルジョン粘着剤など)、カルボキシメチルセルロースやエチルセルロースなどの糖誘導体、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂等をウエブに適宜添加できる。さらに、凹凸加工や植毛を施したシートなどを併用しても良い。
【0037】
吸収体17は高吸収性ポリマーの他に、他の粒子、例えば、活性炭やシリカ、アルミナ、酸化チタン、各種粘度鉱物(ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、カンクリナイト等)等の有機、無機粒子(消臭剤や抗菌剤)を含んでいてもよい。無機粒子は一部金属サイトを置換したものを用いることができる。或いは、各種有機、無機緩衝剤、すなわち、酢酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、乳酸及びこれらの塩を単独であるいは組み合わせたものや、各種アミノ酸を含んでいてもよい。これら成分の働きは、吸収体17に吸収された液の臭いや素材由来の臭いを抑制することである。また、各種有機、無機緩衝剤は、排泄物、例えば尿の分解で発生するアンモニアを中和し、おむつを中性〜弱酸性に保つ効果があり、それによって、万一、吸収体17から肌への排泄物の液戻りがあっても、肌への影響が少なくなる。或いは長繊維を有するウエブとして、アセテート繊維など、分子構造内にエステルを有する繊維を用いても、アルカリによる損傷を防ぐ効果が期待できる。
【0038】
以上の構造を有する吸収体17は、薄型で柔軟、かつ適度な構造安定性を有するものとなる。吸収体17の厚さや坪量は、吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。吸収体17が使い捨ておむつのウエストバンド部に用いられる場合には、該吸収体17が前記のどのような形態である場合でもその厚みが0.5〜4mm、特に1〜3mmという薄型のものであることが好ましい。
【0039】
吸収体17を備えたウエストバンド部10は柔軟であることが望ましい。柔軟性の評価として、ハンドルオ・メーターによる測定値が4N以下、特に2N以下であることが好ましい。ハンドルオ・メーターによる測定方法は次の通りである。JIS L1096(剛軟性測定法)に準じて測定を行う。幅60mmの溝を刻んだ支持台上に、長手方向(基端13と先端14とを結ぶ方向)に150mm、幅方向に50mm切断したウエストバンド部を、溝と直交する方向に配置する。ウエストバンド部の中央を厚み2mmのブレードで押した時に要する力を測定する。本発明で用いた装置は、大栄科学精機製作所製、風合い試験機(ハンドルオ・メーター法)、HOM−3型である。3点の平均値を測定値とする。
【0040】
ウエストバンド部10の構成材料である透液性シート15及び不透液性ないし撥水性シート16の全体又はその一部が伸縮性を有する場合にも、長繊維が捲縮していることが好ましい。これによって、ウエストバンド部10全体として伸縮性を確保することができ、ウエストバンド部10を着用者の身体にぴったりとフィットさせることが一層容易となる。ウエストバンド部10の一部に伸縮性を付与する場合には、例えば、ウエストバンド部10の基端13近傍の領域、具体的には図1中、符号12の示す領域を伸縮性とすることができる。伸縮領域12は、おむつ1の幅方向及び/又は長手方向に伸縮可能になされている。
【0041】
不透液性ないし撥水性シート16は水蒸気透過性を有していることが好ましい。水蒸気透過性の程度(透湿度)は、好ましくは1.0〜3.5g/(100cm2・h)、更に好ましくは1.2〜3.0g/(100cm2・h)である。透湿度この範囲内であれば、吸収体17に鳩首された液の滲み出しを防止しつつ、十分な水蒸気透過性を確保で、ムレ感やカブレの発生を防止できる。透湿度はJIS Z0208(カップ法)に準じ、30℃/90%RHの条件下で測定する。
【0042】
水蒸気透過性を有する不透液性ないし撥水性シート16は、多孔性シート単独でもよく、或いは不織布や紙等のシート類と繊維とを複合化したものでもよい。
【0043】
水蒸気透過性シートとして多孔性シートを用いる場合、該多孔性シートは、樹脂組成物の溶融混練物から成形したシートを延伸処理してなる多孔性シートである。該多孔性シートは、成形性やシートの強度を維持しつつ、シートの透湿性が十分なものであることが好ましい。また、得られたシートには必要に応じてエンボス処理や各種表面処理を行ってもよく、他のシート、例えば不織布、紙等と複合化して用いても良い。
【0044】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態は使い捨ておむつに係るものであったが、本発明をおむつカバーに適用することもできる。そのようなおむつカバーは、前記実施形態の使い捨ておむつにおいて、吸収コア4を備えていないものと類似の形態を有するものであり、長手方向の一端側に位置する第1区域と、他端側に位置する第2区域と、両区域間に位置する股下区域と、第1区域の両側縁部から側方に延出するウエストバンド部とを備え、両ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において互いに結合し、結合された両ウエストバンドに第2区域を結合して着用するようになしてある。そして、少なくとも一方のウエストバンド部が、着用者の肌側に配される透液性シートと、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シートと、両シート間に配された親水性長繊維を有するウエブを含む吸収体とを備えている。斯かるおむつカバーについても、前述した実施形態の使い捨ておむつと同様の効果が奏される。
【0045】
また前記実施形態においては両ウエストバンド部10,10が、透液性シート15、不透液性ないし撥水性シート16及び吸収体17を備えていたが、これに代えて何れか一方のウエストバンド部10のみが、透液性シート15、不透液性ないし撥水性シート16及び吸収体17を備えていてもよい。一方のウエストバンド部10のみが、透液性シート15、不透液性ないし撥水性シート16及び吸収体17を備えている場合には、当該ウエストバンド部10が着用者の身体に当接するように、両ウエストバンド部10を結合する。
【0046】
また前記実施形態においては、ウエストバンド部10の長手方向の概ね全域に亘って吸収体17が配されていたが、これに代えてウエストバンド部10の先端14寄りに吸収体17を偏倚させて配してもよい。
【0047】
また前記実施形態においては、長繊維を有するウエブがウエストバンド部10の長手方向に配向していたが、ウエブの配向方向はこれに限られない。例えばウエストバンド部10の長手方向と直交する方向にウエブを配向させてもよい。
【実施例】
【0048】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
【0049】
〔実施例1〕
ウエストバンド部に使用される吸収体を製造した。先ず捲縮したアセテート繊維の長繊維を有するウエブを用意した。この繊維の捲縮率は70%、1cm当たりの捲縮数は15個、繊維径は2.2dtexであった。このウエブを、空気開繊装置を用いて幅100mm幅に開繊した後、最大伸張長さの1/2まで引き伸ばした。この状態下に、開繊ウエブの上面にホットメルト粘着剤をスプレー塗工した。塗工量は5g/m2であった。次いで、ホットメルト粘着剤の塗工面に、高吸収性ポリマーの粒子を散布坪量100g/m2で層状に均一散布した。散布完了後、開繊ウエブの引き伸ばし状態を解除した。これによって開繊ウエブは収縮して高吸収性ポリマーの粒子は開繊ウエブ中に埋設保持された。開繊ウエブの坪量は25g/m2であった。次いでこれら全体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み吸収体を得た。得られた吸収体の肌当接面側にエアスルー不織布を重ね、また肌非当接面側にスパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンドンド(SMMS)不織布を重ねてホットメルトで接着し、ウエストバンド部を形成した。エアスルー不織布は、芯がポリプロピレン、鞘が直鎖状低密度ポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維(太さ2.1dtex、界面活性剤で表面処理、液透過性を有する)からなるものであった。SMMSは、坪量15g/m2で、撥水性かつ透湿性のものであった。ウエストバンド部全体の坪量は212g/m2、厚さは1.5mmであった。
【0050】
得られたウエストバンド部を用いて図1に示す使い捨ておむつを製造した。表面シートとしては、坪量25g/m2の芯鞘型複合繊維のエアスルー不織布(液透過性を有する)を用いた。芯鞘型複合繊維は、芯がポリプロピレン、鞘が直鎖状低密度ポリエチレンからなり、太さ2.1dtexであり、界面活性剤で表面処理が施されていた。裏面シートとしては、坪量20g/m2の多孔質フィルムに、坪量20g/m2のポリプロピレン製スパンボンド不織布をホットメルト1.5g/m2で接着して複合化したものを用いた。多孔質フィルムは、密度0.925g/cm2の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂100重量部に、炭酸カルシウム150重量部、第三成分としてエステル化合物を均一混合したものを、インフレーション成形後、縦方向に2倍に1軸延伸したものであった。吸収コアとしては、開繊したフラッフパルプ100重量部と高吸収性ポリマー100重量部とを気流中で均一混合して得られた、合計坪量520g/m2の混合体を、坪量16g/m2のティッシュペーパーで包んだものを用いた。フラッフパルプ及び高吸収ポリマーの坪量はそれぞれ260g/m2であった。
【0051】
〔比較例1〕
ウエストバンド部に使用される吸収体として、開繊したフラッフパルプ200重量部と高吸収性ポリマー100重量部とを気流中で均一に混合して得られた、合計坪量300g/m2の混合体を用いた。得られた混合体を、坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み吸収体を得た。混合体とティッシュペーパーの間に、ホットメルト粘着剤を坪量5g/m2でスプレー塗工した。吸収体全体の坪量は382g/m2、厚さは4.2mmであった。それ以外は実施例1と同様にしてウエストバンド部及び使い捨ておむつを得た。
【0052】
〔比較例2〕
ウエストバンド部に使用される吸収体として、開繊したフラッフパルプ100重量部と高吸収性ポリマー100重量部とを気流中で均一混合し、合計坪量200g/m2の混合体を得た。これ以外は、比較例1と同様にウエストバンド部及び使い捨ておむつを得た。吸収体全体の坪量は282g/m2、厚さは3.5mmであった。
【0053】
〔比較例3〕
比較例1において、SMMS不織布からなる撥水性シートの代わりに、液透過性のシート(肌当接側に用いたシートと同じもの、坪量25g/m2)を用いた以外は比較例1と同様にしてウエストバンド部及び使い捨ておむつを得た。吸収体全体の坪量は291g/m2、厚さは3.8mmであった。
【0054】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた使い捨ておむつについて、ウエストバンド部の汚れ、ウエストバンド部の吸収体の構造安定性及びウエストバンド部の柔軟性を以下の方法で評価した。結果を以下の表1に示す。
【0055】
〔ウエストバンド部の汚れ〕
長手方向1/2に切断したおむつ(前身ごろ部分)に、着色した生理食塩水200gを均等に吸収させた。着色には赤色1号を用いた。添加量は50ppmとした(生理食塩水10リットルに対して0.5g)。生理食塩水の添加後、ウエストフラップ部を図2に示すように重ねた。3.43kPaの圧力を2分間加えた後に圧力を開放し、ウエストフラップ部における肌非対向側の面を目視観察した。その後、アドバンテック社製ろ紙No.4Aを10枚重ねたものの上に、ウエストフラップ部における肌非対向側の面をろ紙側にして重ね、上記圧力と同条件下に加圧した。そして加圧前後でのろ紙の重量変化を測定した。ろ紙の重量変化を、ウエストフラップ部からの液戻り量と考え、以下の基準で評価した。
○:ウエストフラップ部における肌非対向側の面に液の付着がほとんどなく、ウエストフラップ部からの液戻り量が0.2g以下である。
△:ウエストフラップ部における肌非対向側の面に液の付着があるが、ウエストフラップ部からの液戻り量が0.2g以下である。
×:ウエストフラップ部における肌非対向側の面に液の付着が明瞭にあり、ウエストフラップ部からの液戻り量が0.2gを超える。
【0056】
〔ウエストバンド部の吸収体の構造安定性〕
(1)ドライ時
100×200mmの吸収体の中央部を切断し、100×100mmの吸収体を得た。切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で20回振動を与えた。切断面からの落下したポリマーの量を測定した。以下の判断基準に従って構造安定性を評価した。
○:混合した高吸収ポリマーのうち、脱落した高吸収ポリマーの割合が10%以下である。
△:混合した高吸収ポリマーのうち、脱落した高吸収ポリマーの量が10%を超え、25%以下である。
×:混合した高吸収ポリマーのうち、脱落した高吸収ポリマーの量が25%を超える
(2)ウエット時
100×200mmに切断した吸収体全面に、生理食塩水200gをほぼ均等に吸収させた。静かに吸収体を持ち上げ、吸収体が破壊しないかどうかを目視判定した。
【0057】
〔ウエストバンド部の柔軟性〕
先に述べたハンドルオ・メーターによる柔軟性の評価を行った。以下の判断基準に従って柔軟性を評価した。
○:ハンドルオ・メーターの測定値が2N以下である。
△:ハンドルオ・メーターの測定値が2Nを超え、4N以下である。
×:ハンドルオ・メーターの測定値が4Nを超える。
【0058】
【表1】

【0059】
表1に示す結果から明らかなように、実施例の使い捨ておむつ(本発明品)は、ウエストバンド部が汚れず、またウエストバンド部の吸収体はその構造がドライ時及びウエット時の何れも安定しており、更にウエストバンド部が柔軟であることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の使い捨ておむつの一実施形態を平面状に拡げた状態を示す平面図である。
【図2】図1の使い捨ておむつを装着する途中の状態を示す図である。
【図3】図1の使い捨ておむつを装着した状態を示す図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 ウエスト部
6 レッグ部
7 立体ガード
10 ウエストバンド部
11 バンド止着部
12 伸縮領域
15 透液性シート
16 不透液性ないし撥水性シート
17 吸収体
20 おむつ止着部
A 第1区域
B 第2区域
C 股下区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
股下区域と、その一端側に位置する第1区域と、他端側に位置する第2区域と、第1区域の両側縁部から側方に延出するウエストバンド部とを備え、両ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において互いに結合し、結合された両ウエストバンドに第2区域を結合して着用するようになしてある使い捨ておむつであって、
少なくとも一方のウエストバンド部が、着用者の肌側に配される透液性シートと、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シートと、両シート間に配された親水性長繊維を有するウエブを含む吸収体とを備えた使い捨ておむつ。
【請求項2】
親水性長繊維を有するウエブが、ウエストバンド部の長手方向に配向している請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
吸収体が親水性長繊維を有するウエブに加えて高吸収性ポリマーを含む請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
親水性長繊維が捲縮している請求項1ないし3の何れかに記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
不透液性ないし撥水性シートが水蒸気透過性を有している請求項1ないし4の何れかに記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
股下区域と、その一端側に位置する第1区域と、他端側に位置する第2区域と、第1区域の両側縁部から側方に延出するウエストバンド部とを備え、両ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において互いに結合し、結合された両ウエストバンドに第2区域を結合して着用するようになしてあるおむつカバーであって、
少なくとも一方のウエストバンド部が、着用者の肌側に配される透液性シートと、着用者の肌から遠い側に配される不透液性ないし撥水性シートと、両シート間に配された親水性長繊維を有するウエブを含む吸収体とを備えたおむつカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−141535(P2006−141535A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333077(P2004−333077)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】