説明

使い捨てデジタルカメラ

【課題】本発明は、一度しか使用できないという使い捨てカメラの性質を強化するとともに、使用者の撮影した写真が流用されるのを防ぎ、製造コストも下げることができるカメラを提供する。
【解決手段】処理器と、処理器と電気的に接続されるとともに画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、処理器と永久的に電気的に接続されるとともに処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつ揮発性メモリと、処理器と永久的に電気的に接続されるとともに処理器によってメモリへ供給される電流を備える電源と、処理器と電気的に接続されるとともにメモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつ通信ポートとによって構成し、通信ポートが画像データを転送した後、処理器は作動しなくなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨てデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の使い捨てカメラと、使い捨てデジタルカメラには多くの欠点がある。例えば、使い捨てカメラは、現像するためには現像所へもって行き、カメラ内のフィルムを処理してもらう必要がある。また、使い捨てデジタルカメラは、専用の画像取り出し口を備えており、デジタルカメラは、小売店にもっていってカメラ上の画像データを取り出してもらわなければならないが、カメラの専用の画像取り出し口から画像を取り出す方法は、すでにハッカーによって解読されている。ハッカーは、この方法をインターネット上に公開しており、この方法を用いると、カメラから画像を取り出すことができ、カメラを小売店に返却必要がなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、一度しか使用できないという使い捨てカメラの性質を強化するとともに、使用者の撮影した写真が流用されるのを防ぎ、製造コストも下げることができるカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によるカメラは、処理器と、処理器と電気的に接続されるとともに画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、処理器と永久的に電気的に接続されるとともに処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつ揮発性メモリと、処理器と永久的に電気的に接続されるとともに処理器によってメモリへ供給される電流を備える電源と、処理器と電気的に接続されるとともにメモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつ通信ポートとによって構成し、通信ポートが画像データを転送した後、処理器は作動しなくなることを特徴とする。
【0005】
本発明のもう一つの実施形態によるカメラは、処理器と、処理器と電気的に接続されるとともに画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、処理器と電気的に接続されるとともに処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつメモリと、処理器と電気的に接続されるとともにメモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつUSBポートと、によって構成し、USBポートが画像データを転送した後、メモリからは画像データが削除されるとともに、処理器は作動しなくなることを特徴とする。
【0006】
本発明のもう一つの実施形態によるカメラは、処理器と、処理器と電気的に接続されるとともに画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、処理器と永久的に電気的に接続されるとともに処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつメモリと、処理器と電気的に接続されるとともにメモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつ通信ポートと、処理器と画像センサとメモリを配置するための内部空間を形成する複数の密封壁を備えるケースと、によって構成し、通信ポートが画像データを転送した後、処理器は作動しなくなることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による使い捨てデジタルカメラの正面を示した斜視図である。
【図2】図1のデジタルカメラの後面を示した斜視図である。
【図3】図1のデジタルカメラの内部の部品を示した説明図である。
【図4】図1のデジタルカメラの構造を示したブロック図である。
【図5】図1のデジタルカメラの構成を示した分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1と図2を参照する。本発明の一実施形態によるカメラ10は、密封ケース12を備えている。密封ケース12は、頂壁14と、底壁16と、側壁18、20と、前壁22と、後壁24とからなる。カメラの部品はカメラ内部に配置され(図5を参照)、各壁14、16、18、20、22、24によって囲繞され、カメラ内部の各部品が見られないようにするために、各壁14、16、18、20、22、24は互いに永久的に接続される。これらの壁は、好ましくはプラスチックからなり、溶接、溶着など任意の方法で永久的に連結され、各壁14、16、18、20、22、24には、カメラを開けて内部の部品を見ることができる隙間は一切無い。当然、ケース12を破壊すれば、カメラ内部の部品を見ることができる。
【0009】
カメラ10を組み立てる際には、前部25aと後部25bを相互に連結させ内部を密封させる(図5を参照する)。前部25aは、上壁14と、底壁16と、側壁18、20と、前壁22とによってなり、後部25bは、後壁24を備え、後壁24は、好ましくは溶接によって各壁14、16、18、20に永久的に接続される。
【0010】
図4と図5に示すように、カメラ10は、回路基板26と、電源36と、レンズ42と、フラッシュ46と、フラッシュボタン51とを備える。回路基板26には、画像センサ28と、デジタル信号処理器30と、メモリ32と、通信ポート34とが設けられる。電源36は、連結器38、40によって回路基板26に永久的に接続され、連結器38、40と処理器30の間は、回路基板26によって、永久的に電気的に接続される。図1と図5に示すように、レンズ42は、ケースの前壁22内の開口部44内に設けられる。フラッシュ46は、ケースの前壁22内の開口部48内に設けられる。また、フラッシュ46の位置を開口部48内に保持させるために、フラッシュケース50がフラッシュ46の後面に設けられる。フラッシュボタン51は、ケースの前壁22内に形成される。フラッシュボタン51は前壁22上の円形部分であり、フラッシュボタン51は、連続したスリット51aに囲まれてなる。図1と図2に示すように、前壁22、後壁24には、それぞれファインダー52、54が設けられ、使用者が被写体を見ることができる。
【0011】
図2、図3、図5に示すように、ホイール56がケース12内に設けられるとともに、シャッターボタン58がホイール56上に設けられ、レンズ42を操作することができる。なお、カメラ10に新しい画像を記録させるために、シャッターボタン58を押した後は、ホイール56は、毎回必ず回転させる。一つの実施例においては、ホイール56とシャッターボタン58は機械的に連結され、ホイール56が回転される前にシャッターボタン58が押されてしまうのを防ぐことができる。また、別の実施例においては、ホイール56とシャッターボタン58は処理器30に電気的に接続され、処理器30によって、ホイール56が回転する前にシャッターボタン58がレンズ42を操作するのを防ぐことができる。
【0012】
ケースの頂壁14には、シャッターボタン58上方に配置された可動部60が形成される。図1に示すように、可動部60は矩形であるとともに、頂壁14上の可動部の四つの辺64a、64b、64c、64dからなる連続したスリット62に囲まれてなる。ケースの頂壁14上の開口部68の下方には、回転式画像数カウンター66(図5を参照する)が設けられ、使用者は、既に何枚の写真を保存したのか、或いは、後何枚の写真を保存することができるのか確認することができる。ホイール56が回転する度、回転式画像数カウンター66も回転して、次に撮影する画像が何枚目かを表示する。画像数カウンター66は、図3に示すように、プラスチックフレーム70によってケース内に設けられる、フレーム70はL型であり脚部72、74を有する。脚部72は、開口部68に差し込まれ、脚部74は、ケース内の頂壁14の内表面に沿って延伸する。
【0013】
図2に示すように、ケース12内には、LCDモニター76が設けられており、LCDモニター76は、ケースの後壁24上の開口部78に設けられる。LCDモニター76は、画像のプレビューを表示することができ、それにより、カメラ10の使用者は、レンズ42が照準を合わせる被写体をシャッターボタン58を押す前に確認することができる。さらに、LCDモニター76は、画像数(即ち、既に保存した画像数とこれから保存できる残りの画像数)を表示することもできる。なお、LCDモニター76に画像数を表示させる場合、画像数カウンター66はカメラ10に設けなくてもよい。また、LCDモニター76は、カメラ10に既に記録されている画像を見ることもでき、LCDモニター76がこの機能を備えている場合、使用者はカメラが最後に記録した写真画像のデータを削除することができる。画像数カウンター66とLCDモニター76をカメラ10に設けるかどうかは選択することができ、いずれか一つを省略することもできるし、両方を省略することもできる。
【0014】
図4に示すように、画像センサ28、メモリ32、通信ポート34、電源36、フラッシュ46、シャッターボタン58、及びLCDモニター76は、すべてデジタル信号処理器30に電気的に接続される。なお、図を見やすくするために、図5においては、これらの接続関係を図示していない。これらの部品は、回路基板26上の電気回路、或いはコードによって処理器30に電気的に接続される。なお、これらの部品を接続するための公知の技術は、いずれも本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0015】
画像センサ28、レンズ42、フラッシュ46、シャッターボタン58は、一般的なデジタルカメラに使用されているレンズ、画像センサ、フラッシュ、シャッターボタンを適用させることができる。一つの実施形態において(但し、本発明によるカメラ10はこの実施形態に限定されない)、レンズ42は撮影する被写体の光を画像センサ28上に集める。レンズ42は一枚或いは複数の可動の遮断板を備え、シャッターボタン58が押された時、これらの可動の遮断板が移動することで、光はレンズ42を通って画像センサ28に到達する。画像センサ28は、レンズ42から集められた光を、デジタル信号形式の画像データに変換し、デジタル信号処理器30へ転送する。デジタル信号処理器30は、該デジタル信号をデータファイルに変換する。なお、デジタル信号処理器30によって変換される画像データファイルの形式は、JPEGファイルのような、一般的によく使用されている画像データファイルが好ましい。その後、デジタル信号処理器30は、画像データファイルをメモリ32に転送し、画像データファイルはメモリ32に保存される。フラッシュ46を使用したい場合は、シャッターボタン58を押す前にフラッシュボタン51を押すと、フラッシュ46が充電される。これは、公知の使い捨てカメラと同様である。フラッシュボタン51は、電源36とフラッシュ46に接続するとともに、フラッシュ46に素早く充電させることができるように、電源36は、一般的なアルカリ単三電池にするのが好ましい。また、カメラ10はフラッシュインジケータランプを備え、フラッシュ46が充分に充電された時、フラッシュインジケータランプは点灯する。フラッシュ46が充電されて、シャッターボタン58が押されると、レンズ42内の可動の遮断板が開く直前に、フラッシュ46は閃光を発する。
【0016】
デジタル信号処理器30は、処理器30に命令を与えるハードウェアを含む。このハードウェアが備えるコマンドは、電源管理のコマンドと、画像データを画像データファイルへ変換するコマンドと、画像データをメモリ32へ転送するコマンドと、情報をLCDモニター76へ表示するコマンドと、押されたシャッターボタン58に反応してレンズ42内の可動の遮断板を操作するコマンドと、フラッシュ46の充電のコマンドと、通信ポート34を操作するコマンドと、を含む。
【0017】
電源管理に関して説明を行う。電源管理コマンドは処理器30に命令を与え、電源36を通じてカメラの部品へ最小の電流が供給される。その最小の電流とは、メモリ32が画像データファイルを一定期間保持しておくのに必要な電流のことである。本発明の一実施形態において、メモリ32は、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)などの揮発性メモリである。このため、画像データファイルを保持するために、メモリ32にはコンスタントに電流を供給しなければならない。この実施例において、例えばカメラ10が購入される前などの、画像データファイルがメモリ32に保存される前の状況では、電源管理コマンドに命令された処理器30は、メモリ32へ電流を供給しないか、或いは少量の電流のみを供給し、電源36が放電してしまうのを防ぐ。カメラ10が購入され、メモリ32に少なくとも一つの画像データファイルが保存された時、電源管理コマンドに命令された処理器30は、電源36を通じてメモリ32へ最小の量の電流を供給し、メモリ32の画像データファイルを一定期間保持させる。この場合、最小の量の電流とは、メモリ32が画像データファイルを保持するのに必要な最小の量の電流のことである。また、本発明の一実施形態において、処理器30によって電源36からメモリ32へ最小の量の電流が供給されることで、メモリ32の画像データファイルは、2−5ヶ月(更に好ましくは3−4ヶ月)保持することができる。一旦、電源36が放電してカメラ10に供給される電気量が不足すると、カメラ10は操作できなくなる。
【0018】
カメラが、一定時間使用されない時は、電源管理コマンドによって、処理器30は休眠モードになる。休眠モードでは、処理器30は、カメラの部品に対し、メモリ32上の画像データファイルの保持に必要な最小の電流のみを提供する。シャッターボタン58が押されると、休眠モードが解除され、処理器30は、電源36を通じてカメラの部品へ必要な量の電流を提供し、新しく撮影した画像を受信して記録することができるようになる。
【0019】
画像データファイルをメモリ32上に保持しておける時間の長さは、電源36に保存されている電気量と、メモリが必要とする電気量によって決まる。電源36は、一般的なアルカリ単三電池であるのが好ましい。電源36は、カメラ10が休眠モードの状態のときで、メモリ32上の画像データファイルを3−4ヶ月間保持することができ、画像データファイルが無い状態では、15ヶ月近くもつ。なお、カメラ10内に使用される電池はどんなタイプの電池でもよく、いずれも本発明の範囲内に含まれる。また、メモリ32に少なくとも一つの画像データファイルが保存されている状態で、且つカメラ10が操作されていない時は、カメラ10の部品は、約0.03ミリアンペアの電流を要求するのが好ましい。ただし、これらの部品は、画像データファイルを保持するために、任意の電流量を要求することができる。
【0020】
メモリ32は、SDRAMなどの揮発性メモリである。このメモリ32は、約500から1000個のJPEG画像データファイルを保存させることができるように、64バイトのSDRAMを使用するのが好ましい。なお、これらの画像データファイルの解像度は、約1.3テラピクセルである。ただし、このメモリ32は、任煮の保存量をもつとともに任意の数量の画像データファイルを保存することができるメモリにすることができる。例えば、メモリ32が保存できる画像データファイルの量を制限することにより、本発明の使い捨てカメラとしての性質を強化することができる。また、メモリ32はSDRAMであるため、フラッシュメモリなどの高価な不揮発性メモリを使用した一般的なデジタルカメラと比べ、カメラ10の生産コストを下げることができる。
【0021】
電源36は、デジタル信号処理器30に永久的に電気的に接続され、カメラを不注意で落としてしまった時や、カメラに震動が加えられた時でも、電源36が処理器30と分断されない。また、処理器30は、メモリ32に永久的に接続され、カメラを不注意で落としてしまった時や、カメラに震動が加えられた時でも、処理器30は、電源36からメモリ32に電流を供給し続けることができる。電源36の連結器38、40は、回路基板26に永久的に接続される。電源36の連結器38、40と回路基板26を永久的に接続することで、連結器38、40のプラグと、それに対応する回路基板26のソケットを設ける必要がなくなり、カメラ10のコストを下げることができる。
【0022】
処理器30とメモリ32は、回路基板26に永久的に接続される。また、連結器38、40が回路基板26に連結されている箇所と、処理器30の間は、回路基板26によって永久的に電気的に接続される。それにより、処理器30はメモリ32へコンスタントに電流を供給することができる。メモリ32が、画像データファイルを保持するためにコンスタントな電流の供給を必要とする揮発性メモリである場合、上述したような、永久的な電気的接続は、電源36からメモリ32へコンスタントに電流を供給するために重要である。連結器38、40は、溶接や溶着など任意の方法によって、電源36と回路基板26に永久的に接続される。また、処理器30とメモリ32は、溶接や溶着など任意の方法によって、回路基板26に、永久的に接続される。
【0023】
本発明の一実施形態において、電源36は、連結器38、40を使用せず、溶接や溶着によって、直接、回路基板26に永久的に接続させることもできる。本実施例において、電源36と処理器30の間、及び処理器30とメモリ32の間は、回路基板26によって、永久的に電気的に接続される。
【0024】
通信ポート34は、USB Implementers Forum、Incが出版しているUSBの説明書に書かれているような、標準のユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートである。通信ポート34は、メモリ32から画像データファイルを受け取り、通信ポート34に接続されたケーブルを通じて、これらの画像データファイルを転送する。そして、ケーブルによって、これらの画像データファイルは、個人のパソコンやプリンターなどの外部機器に転送される。なお、通信ポート34は、USB2.0或いはUSB3.0のUSBポートが好ましく、それは、AタイプのUSBポート、BタイプのUSBポート、Mini−BタイプのUSBポート、Micro−ABタイプのUSBポートを含む。最も好ましい通信ポート34はMini−BタイプのUSBポートである。
【0025】
このUSBケーブルによって、カメラ10から画像データファイルを取り込むことができる。USBケーブルはUSBコネクタを備えており、USBケーブルの一端によってカメラ10のUSBポートからのデータが受け取られるとともに、USBケーブルの他端からそのデータが個人のパソコンやプリンターに転送される。なお、大多数の個人のパソコンはAタイプのUSBポートを有しているため、USBケーブルの一端はAタイプUSBコネクタを備えているのが好ましい。また、USBケーブルの他端は、USBポート型の通信ポート34からデータを受け取ることができるUSBコネクタである。以上のように、本実施例において、通信ポート34はUSBポートであるため、USBケーブルをもっていれば、使用者は、カメラ10から画像データファイルを個人のパソコンに取り込むことができる(USBケーブルによって、通信ポート34からのデータが個人のパソコンへ転送される)。また、カメラ10から画像データファイルを取り込むのに必要なUSBケーブルは、カメラ10と一緒に提供されるわけではないが、カメラ10とUSBケーブルをワンセットで提供する方式も本発明の範囲内に含まれる。
【0026】
カメラに、一度しか使用できないという使い捨ての性質をもたせるために、処理器30のハードウェアには、使用者がカメラ10から通信ポート34を通じて画像データファイルを取り込んだ後に処理器30を無効にするコマンドが含まれており、画像データファイルが取り込まれた後は、カメラ10は作動しなくなる。また、密封ケース12を破壊しない限り放電された電源36を交換することができないというのも、カメラ10の使い捨ての性質を強化するもう一つの要素である。さらに、カメラ10の使用は、ホイール56と画像数カウンター66によっても制限を受ける。画像数カウンター66は不可逆的であり、画像数カウンター66が最後まで回転した後は、画像数カウンター66、或いは画像数カウンターと連結されたホイール56は回転させることはできなくなる。シャッターボタン58を押すためには、ホイール56を回転させなければならないため、ホイール56を回転させられないと、シャッターボタン58を押すのは不可能である。ケース12は密封されているため、ケース12を破壊しない限り、画像数カウンター66を逆に回転させることはできない.
【0027】
また、処理器30のハードウェアから出された命令により、処理器30は、通信ポート34を通じてカメラから画像データファイルが取り込まれた後のメモリ32に保存されている全ての画像を削除する。これは、カメラ10の後続の処理者が、使用者の画像データファイルを簡単にリカバリーできないようにするためである。このカメラ10は、購入者がカメラ10から画像データファイルを取り込んだ後、メーカーへ返却され、カメラの一部の部品が再利用される。即ち、カメラ10を販売する小売店は、購入者から使用済みのカメラ10を受け取り、そのカメラ10をメーカーへ返却する。従って、小売店の従業員によって使用者の画像データファイルが取得され、使用者のプライバシーが侵害されるのを防ぐために、カメラ10から使用者の画像データファイルを削除することは重要である。
【0028】
ここで、カメラを操作する手順を説明する。まず、フラッシュが必要なときは、フラッシュボタン51をフラッシュインジケータランプが点灯するまで押し続け、フラッシュ46を充電させる。その後、ファインダー52、54を通して、或いはLCDモニター76を通じて、カメラの照準を被写体に合わせる。使用者がケース12の可動部60を押すと、シャッターボタン58が押される。そして、シャッターボタン58が押されたのを処理器30が感知してコマンドを実行し、フラッシュ46が閃光を発するとともに、レンズ42内の遮断板が操作され、光が画像センサ28上に集められる。画像センサ28は、光をデジタル信号に変換し、処理器30は画像センサ28からデジタル信号を受け取るとともに、デジタル信号を画像データファイルに変換してメモリ32へ転送し、画像データファイルはメモリ32に保存される。その後、ホイール56を、既に保存した画像データファイルの数量、或いは、メモリ22が残り保存できる画像データファイルの数量を画像数カウンター66が表示するまで回転させる。これらの手順を、メモリ32が画像データファイルを保存できなくなるまで、或いは、所定の数量の画像データファイルがメモリ32に保存されるまで 繰り返し行う。その後、ケーブルの一端のプラグを通信ポート34に差し込み、ケーブルの他端のプラグを外部機器(個人のパソコンやプリンターなど)の通信ポートに差込む。カメラ10から画像データファイルが取り込まれると、処理器はメモリ32上の画像データファイルを削除し、その後、処理器は作動しなくなり、カメラ10は二度と使用できなくなる。
【0029】
上述したように、カメラ10から全ての画像データファイルが取り出されると、カメラ10は作動しなくなり、使用者は、そのカメラをゴミ箱へ捨てるか、メーカーへ返却することができる。なお、使用者がカメラをメーカーに返却するのを促すためには、メーカーは使用者にインセンティブを与えたほうがよい。使用済みのカメラ10を回収した後、カメラのケース12を破壊し、ケース12から回路基板26と電源36を取り出す。処理器30を再び作動させることができるように、処理器30上のハードウェアを起動させるか交換する。また、電源36は、充電するか、或いは新しい電源36に交換し、溶着によって連結器38、40を通じて回路基板26に永久的に接続される。なお、値段の高い充電可能な電源を使用しなくてもいいように、電源36は交換されるのが好ましい。また、回路基板26、画像センサ28、メモリ32、通信ポート34、レンズ42、フラッシュ46、フラッシュケース50、ホイール56、シャッターボタン58、画像数カウンター66、フレーム70、LCDモニター76は、破壊されたケース12から取り出されるとともに、充電された或いは交換された電源36及び新しい処理器30と一緒に新しいケース12に入れられる。その後、新しいケース12は、プラスチック溶接によって永久的に密封されるか、或いは、その他の適切な技術により、カメラ内部の部品を取り出せないように処理される。
【符号の説明】
【0030】
10 カメラ
12 ケース
14 上壁
16 底壁
18、20 側壁
22 前壁
24 後壁
25a 前部
25b 後部
26 回路基板
28 画像センサ
30 処理器
32 メモリ
34 通信ポート
36 電源
38、40 連結器
42 レンズ
44 開口部
46 フラッシュ
48 開口部
50 フラッシュケース
51、51a フラッシュボタンスリット
52、54ファインダー
56 ホイール
58 シャッターボタン
60、64a、64b、64、64d 可動部
62 スリット
66 カウンター
68 開口部
70 フレーム
72、74 脚部
76 LCDモニター
78 開口部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理器と、
処理器と電気的に接続されるとともに、画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、
処理器と永久的に電気的に接続されるとともに、処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつ揮発性メモリと、
処理器と永久的に電気的に接続されるとともに、処理器によってメモリへ供給される電流を備える電源と、
処理器と電気的に接続されるとともに、メモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつ通信ポートと、
によって構成し、
通信ポートが画像データを外部機器へ転送した後、処理器は作動しなくなることを特徴とする、カメラ。
【請求項2】
前記処理器は、メモリに供給する電流量を管理することを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記処理器は、メモリ上の画像データを保持するために、メモリに最小の量の電流を供給することを特徴とする、請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記電源は、メモリ上の画像データを2から5ヶ月保持するのに必要な最小の量の電流を提供することを特徴とする、請求項3に記載のカメラ。
【請求項5】
前記電源は、メモリ上の画像データを3から4ヶ月保持するのに必要な最小の量の電流を提供することを特徴とする、請求項4に記載のカメラ。
【請求項6】
前記メモリ上の画像データを保持するのに必要な最小の量の電流は、0.03ミリアンペアであることを特徴とする、請求項3に記載のカメラ。
【請求項7】
前記カメラはさらにケースを含み、ケースは、内部空間を形成する複数の密封壁を備え、処理器、画像センサ、メモリ、及び電源は、その内部空間内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
【請求項8】
前記通信ポートはUSBポートであり、USBポートによって画像データが外部機器へ転送された後、メモリからは画像データが削除されることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
【請求項9】
前記揮発性メモリは、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリであることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
【請求項10】
前記カメラは、処理器と電気的に接続されるフラッシュを更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
【請求項11】
前記電源は、フラッシュを素早く充電させることを特徴とする、請求項10に記載のカメラ。
【請求項12】
前記カメラは、処理器と電気的に接続されるLCDモニターを更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のカメラ。
【請求項13】
処理器と、
処理器と電気的に接続されるとともに、画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、
処理器と電気的に接続されるとともに、処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつメモリと、
処理器と電気的に接続されるとともに、メモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつUSBポートと、
によって構成し、
USBポートが画像データを転送した後、メモリからは画像データが削除されるとともに、処理器は作動しなくなることを特徴とする、カメラ。
【請求項14】
前記USBポートは、AタイプのUSBポート、BタイプのUSBポート、Mini−BタイプのUSBポート、Micro−BタイプのUSBポート、Micro−ABタイプのUSBポート、の内のいずれか一つであることを特徴とする、請求項13に記載のカメラ。
【請求項15】
前記USBポートは、USB Implementers Forum、Incが出版している説明書に書かれている標準のユニバーサル・シリアル・バスポートであることを特徴とする、請求項13に記載のカメラ。
【請求項16】
前記画像データは、JPEGファイルとしてメモリに保存されることを特徴とする、請求項13に記載のカメラ。
【請求項17】
処理器と、
処理器と電気的に接続されるとともに、画像データを取得し処理器へ転送する機能をもつ画像センサと、
処理器と永久的に電気的に接続されるとともに、処理器から画像データを受け取り保存する機能をもつメモリと、
処理器と電気的に接続されるとともに、メモリから画像データを受け取り外部機器へ転送する機能をもつ通信ポートと、
処理器と画像センサとメモリを配置するための内部空間を形成する複数の密封壁を備えるケースと、
によって構成し、
通信ポートが画像データを転送した後、処理器は作動しなくなることを特徴とする、カメラ。
【請求項18】
前記複数の密封壁における各二つの密封壁の間は隙間がないことを特徴とする、請求項17に記載のカメラ。
【請求項19】
前記画像センサとメモリは、ケースを破壊しない限り、ケースから取り出すことができないことを特徴とする、請求項17に記載のカメラ。
【請求項20】
前記通信ポートによって画像データが外部機器へ転送された後、メモリからは画像データが削除されることを特徴とする、請求項18に記載のカメラ。
【請求項21】
前記カメラは電源をさらに含み、電源と処理器は電気的に接続され、処理器は電源を通じて電流をメモリに供給し、電源はケースの内部空間内に永久的に密封されることを特徴とする、請求項18に記載のカメラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−166723(P2011−166723A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121270(P2010−121270)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(510148533)
【Fターム(参考)】