説明

便器の洗浄および/または脱臭装置

便器の内側表面に洗浄流体を噴霧する装置が開示される。装置は、流体用容器と、エンクロージャの壁の内側表面に流体を噴霧するための流体噴霧器と、容器から流体噴霧器へ流体を供給するためのポンプ装置と、流体噴霧器の近くに物体が存在することを検出するセンサと、制御装置と、を含む。制御装置は格納されたプログラムを実行して、時間区間の開始時に、コントローラ中に格納された噴霧予定時間より前の時間区間の開始時にセンサを起動し、センサからの電気信号をモニタして流体噴霧器の付近に物体がないかどうかを判定し、その時間区間中にセンサ近辺には物体がなかったと制御装置が判定した場合に、ポンプ装置を起動して容器から流体噴霧器へ流体を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器の全周にわたって便器の内側表面を洗浄することが可能な自動および/または手動の便器洗浄装置に関する。本装置は、装置の流体噴霧器の近くに物体があるかどうかを判定するセンサを備えている。センサの近くに物体がない場合には、本装置のポンプ装置が流体を容器から流体噴霧器へ供給する。本ポンプ装置は自動的におよび/または手動で一定量供給(dispensing)を開始することが可能である。
【背景技術】
【0002】
便器は、見苦しい付着物の蓄積防止、臭気の低減、および細菌の増殖防止のための手入れが必要である。従来、便器の洗浄、脱臭、および消毒は、液体または粉末の洗浄殺菌剤を使用して、手でこすり洗いをすることで行われてきた。この仕事は、便器を清潔に保つために、人手による骨の折れる作業が必要であった。
【0003】
この嫌な手によるこすり洗いを不要にするために、様々な便器用洗剤ディスペンサが提案されてきた。あるタイプのディスペンサは、洗浄および清浄化のための物質の固形ブロックまたは固形粒子を、便器のリムから、噴出水の経路中に配置された容器の中につり下げる。米国特許第4,777,670号は、このタイプの便器洗浄システムの一例を示している。典型的には、水を噴出させるたびに、固形ブロックの一部が噴出水に溶解し、溶解した製品を含む一定量の噴出水が便器洗浄のために便器内に供給される。
【0004】
他の便器洗浄システムは、便器内に一定量供給される液体洗剤を用いる。たとえば、米国特許第6,178,564号および第6,230,334号、ならびに国際公開第99/66139号および第99/66140号はすべて、水を噴出させるたびに液体作用物質を瓶から噴出水に投入するために便器のリムからつり下げることが可能な洗浄および/または清浄化装置を開示している。これらの便器のリム下に配置される装置の場合、液体作用物質は、リザーバから下に向かって、便器リムからつり下げられたベースで支持されているディスペンサプレートに吐出される。この装置は、便器からの噴出水の流れが噴出時にディスペンサプレートに当たるように、便器リムからつり下げられる。噴出水は、ディスペンサプレート上の液体作用物質を便器内に運び、便器を洗浄および清浄化する。
【0005】
他の便器用ディスペンサは、一定量のエアロゾル脱臭剤および/または洗剤を便器リムに取り付けられた導管を通して便器内に供給する。たとえば、米国特許第3,178,070号は、ブラケットで便器リムに取り付けられて、リムの上に管が延びるエアロゾル容器を開示しており、米国特許第6,029,286号および第5,862,532号は、流体の加圧リザーバと、流体源に接続された導管と、便器リムに取り付けられた噴霧ノズルとを含む便器用ディスペンサを開示している。
【0006】
これらの既知の便器リム型ディスペンサ装置の弱点の1つは、これらの装置が、脱臭剤および/または洗剤を、便器内の水の一か所、または便器内の水または便器の内側表面の限定された範囲にしか当てることができない点である。結果として、便器の内側表面の洗浄は、便器の装置のそばの範囲に限定される可能性がある。
【0007】
米国特許出願公開第2007/0136937号、第2007/0234470号、第2007/0240252号および第2008/0017762号は、本発明の所有者が所有する(これらは参照により本明細書に組み込まれる)。これらの出願は、特に、便器の全周にわたって便器の内側表面を洗浄する、自動または手動の便器洗浄装置について説明している。
【0008】
米国特許出願公開第2007/0136937号で説明されている例示的な一実施形態では、洗浄流体を外に向けて噴霧して、便器の内側表面の便器水位線の下、および/または便器水位線の位置、および/または便器水位線の上、および/または便器リムの下に当てることが可能なノズルの中で流体供給導管の下流端部が終わっている。ノズルは、便器のリムのそばに取り付けクリップで取り付けられる。取り付けクリップは、人の存在を検知する近接センサまたは動きセンサを収容することが可能である。洗浄流体の流体供給容器から流体供給導管への手動供給は、制御回路と電気導通している手動作動ボタンを押して、電気駆動ポンプを回転させ、洗浄流体を流体供給導管から噴霧ノズルへ供給することにより行うことができる。洗浄流体の流体供給容器から流体供給導管への自動供給もまた、制御回路と電気導通している起動ボタンを押して、電気駆動ポンプを制御することにより行うことができる。ユーザが起動ボタンを押すと直ちに、選択された時間間隔で(たとえば、8時間毎に)流体が供給される。制御回路と電気導通している近接センサは、人が便器の近くにいる場合には、噴霧サイクルの開始を停止することができる。
【0009】
米国特許出願公開第2007/0136937号、第2007/0234470号、第2007/0240252号および第2008/0017762号の装置で提供される技術の進歩を考慮すると、本技術への更なる改良がなされれば、それは消費者にとって有益なものとなるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,777,670号明細書
【特許文献2】米国特許第6,178,564号明細書
【特許文献3】米国特許第6,230,334号明細書
【特許文献4】国際公開第99/66139号パンフレット
【特許文献5】国際公開第99/66140号パンフレット
【特許文献6】米国特許第3,178,070号明細書
【特許文献7】米国特許第6,029,286号明細書
【特許文献8】米国特許第5,862,532号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2007/0136937号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2007/0234470号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2007/0240252号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2008/0017762号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
先述の要求は、化学物質を便器の中へ吐出する本発明による便器の洗浄および/または脱臭装置により満たすことが可能である。「化学物質」と言う用語は、1つの化学成分、または複数の化学成分の混合物を意味する。様々な洗浄用および/または脱臭用の化学物質が、本発明による便器洗浄装置での使用に好適である。便器の洗浄および/または脱臭装置は、適切な化学物質とディスペンサシステムとを含む。本明細書における用語「洗浄」は殺菌および/または消毒も含み、用語「脱臭」は清浄化も含む。
【0012】
化学物質に関しては、便器を洗浄し清浄化するために、化学物質が便器の内側表面および/または便器内の水の中に直接適用される。便器の内側表面に適用される場合には、化学物質は典型的には(単一または複数の化学成分の)液体である。便器内の水に加えられる場合にも、化学物質は(単一または複数の化学成分の)液体であってよく、水に加えられて、予防手段として作用するか、または、便器を自動的に清浄化するように作用する環境を生成する。
【0013】
ディスペンサシステムに関しては、システムは、洗浄プロセスを遂行するために便器の内側表面に適切な化学物質を当てる手段となるいくつかのサブシステムを含む。ディスペンサシステムは、これに限定されるものではないが、(i)化学物質貯蔵容器と、(ii)化学物質送出システムと、(iii)化学物質吐出システムと、(iv)便器インタフェースとを含む。これらのサブシステムは連係して作用し、(所定量の)適切な化学物質を吐出して、消費者に所望の利益を提供する。
【0014】
化学物質貯蔵容器は、便器の洗浄に用いられる化学物質を保持、貯蔵するためのものである。非限定的な例としては、トリガ式の噴霧器に見られるような標準的なプラスチック瓶がある。
【0015】
化学物質送出システムは、適切なエネルギを与えて化学物質を吐出システムを通って移動させ、貯蔵容器から便器内の適切なる範囲へ移動できるような方法を提供する。このサブシステムの例としては、ベーンポンプ、ベローズポンプ、羽根車ポンプ、ピストンポンプ、蠕動ポンプ、ギアポンプなどの液体を移動させるためのポンプまたはポンプ機構が含まれる。
【0016】
化学物質吐出システムは、貯蔵容器から便器内の適切な範囲へ化学物質を移動させる方法を提供する。この供給サブシステムは、ホース及び噴霧器(たとえば、回転ノズル)を含んでもよい。
【0017】
便器インタフェースは、ホースが邪魔にならないようにし、捩れないようにし、そして噴霧器ノズルが便器リムまたは便器の蓋の上に固定されるようにするための、便器への取付手段及び方法を提供する。
【0018】
例示的な一実施形態では、便器の洗浄および/または脱臭装置は、便器洗浄液を満たした交換可能なプラスチックの透明容器を含み、これは、倒立した状態で容器ホルダベースディスペンサユニットに独自な方法で固定される。容器ホルダベースは、独自の係合方式と密封式のキャップとを有する詰め替え容器を受容する。容器が容器ホルダベースに挿入されて、安全に一定量供給可能な状態になると、装置がそれを検知する。ボタン解除システムは、容器のキャップと嵌合する固定タブを介して容器を固定する。ベースディスペンサユニットは、一日に約3回ポンプを起動し、容器から導管を通ってノズルアセンブリへ流体を自動的に移送させる。ノズルアセンブリは、洗浄用流体ディスペンサノズルが便器の内側で内側リムの下になるように、便器のリムへ取り付けられる。検知器は、このアセンブリに組み込まれて、噴霧範囲の近くに人やペットがいないかどうかを検知する。検知された場合、ユニットは特定の時間だけ一定量供給を遅らせて、不慮の放出を最小化する。機能的な一定量供給サイクルの結果として、プラスチック容器からの化学物質が水位線からリムの底部までの間の便器の壁面上に継続的に被覆される。
【0019】
一態様において、本発明は、エンクロージャの壁の内側表面を流体で噴霧する装置を提供する。エンクロージャは、浴槽、シャワー、便器のいずれかであってよい。この装置は、流体のための容器と、エンクロージャの壁の内側表面に流体を噴霧するための流体噴霧器と、容器及び流体噴霧器と流体連通している流体導管と、エンクロージャの壁の内側表面近くに流体噴霧器を取り付けるための支持体と、起動されるとき容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、流体噴霧器の近くに物体が存在することを検知するセンサと、ポンプ装置とセンサと電源(たとえば、電池)とに電気導通した制御装置と、を備える。
【0020】
制御装置は格納されたプログラムを実行して、制御装置中に格納された噴霧予定時間より前のある時間区間の開始時にセンサを起動し、時間区間中にセンサからの電気信号をモニタして、流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、時間区間中にセンサの近くに物体がなかったと制御装置が判定する場合、ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出する。制御装置の格納されたプログラムは、制御装置が、時間区間中にセンサの近くに物体があると判定する場合には、噴霧予定時間にポンプ装置を起動することを防止し、噴霧予定時間よりも時間的に後の第2の噴霧予定時間を制御装置に格納することも可能である。制御装置の格納されたプログラムは、制御装置中に格納された第2の噴霧予定時間より前の第2の時間区間の第2の開始時にセンサを起動し、第2の時間区間中にセンサからの電気信号をモニタして、流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、第2の時間区間中にセンサの近くに物体がなかったと制御装置が判定する場合、ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出することも可能である。
【0021】
制御装置の格納されたプログラムは、ポンプサイクル時間が終了した後に第2の噴霧予定時間を制御装置に格納することも可能である。制御装置は格納されたプログラムを実行して、制御装置中に格納された第2の噴霧予定時間より前の第2の時間区間の第2の開始時にセンサを起動し、第2の時間区間中にセンサからの電気信号をモニタして、流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、第2の時間区間中にセンサの近くに物体がなかったと制御装置が判定する場合、ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して、容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出することも可能である。制御装置は格納されたプログラムを実行して、ポンプ装置を起動したときはいつでもその後にセンサからの電気信号をモニタし、制御装置がセンサの近くに物体があると判定する場合には、ポンプ装置を起動停止することも可能である。
【0022】
ある形態では、ポンプ装置は、制御装置と電気導通しているモータと、容器と流体連通しているポンプチャンバと、ポンプチャンバと流体連通し且つ流体導管と流体連通している吐出導管と、モータの起動によりポンプチャンバ内を往復して容器から流体をポンプチャンバ内へ吸引し且つポンプチャンバから吐出導管を介して流体導管中へ流体を移動させる、モータに連結されたピストンと、を備える。流体噴霧器は回転ノズルであってよく、また、センサは支持体の上に配置されてよい。
【0023】
別の一態様において、本発明は、エンクロージャの壁の内側表面を流体で噴霧する装置を提供する。エンクロージャは、浴槽、シャワー、便器のいずれかであってよい。この装置は、流体のための容器と、エンクロージャの壁の内側表面に流体を噴霧するための流体噴霧器と、容器及び流体噴霧器と流体連通している流体導管と、エンクロージャの壁の内側表面近くに流体噴霧器を取り付けるための支持体と、起動されるときに容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、流体噴霧器の近くに物体が存在することを検知するセンサと、ポンプ装置用の手動アクチュエータと、ポンプ装置と手動アクチュエータとセンサと電源とに電気導通した制御装置と、を備える。
【0024】
制御装置は格納されたプログラムを実行して、手動アクチュエータから起動信号を受信し、センサを起動し、起動信号を受信した後の時間期間中にセンサからの電気信号をモニタして、流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、時間期間中にセンサの近くに物体がなかったことを制御装置が判定する場合、ポンプ装置を起動して、容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出する。制御装置は、ポンプ装置が起動した後にセンサからの電気信号をモニタし、制御装置がセンサの近くに物体があると判定する場合には、ポンプ装置を起動停止することも可能である。ある形態では、制御装置は格納されたプログラムを実行して、流体の噴霧予定時間より前の時間区間の開始時にセンサを起動し、時間区間中にセンサからの電気信号をモニタして、流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、時間区間中にセンサの近くに物体がなかったことを制御装置が判定する場合、ポンプ装置を起動して、容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出する。
【0025】
制御装置の格納されたプログラムは、ポンプサイクル時間が終了した後に第2の噴霧予定時間を制御装置に格納し、制御装置中に格納された第2の噴霧予定時間より前の第2の時間区間の第2の開始時にセンサを起動し、第2の時間区間中にセンサからの電気信号をモニタして、流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、第2の時間区間中にセンサの近くに物体がなかったと制御装置が判定する場合、ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して、容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出することも可能である。制御装置の格納されたプログラムは、手動アクチュエータからの起動信号を受信した後、遅延時間分センサの起動を遅延させることも可能である。
【0026】
更に別の一態様において、本発明は、エンクロージャの壁の内側表面を流体で噴霧する装置を提供する。エンクロージャは、浴槽、シャワー、便器のいずれかであってよい。この装置は、流体のための容器と、流体をエンクロージャの中又はエンクロージャに噴霧することが可能な流体噴霧器と、容器及び流体噴霧器と流体連通している流体導管と、起動されるときに容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、ポンプ装置と電源とに電気導通した制御装置と、を備える。制御装置は格納されたプログラムを実行して、ポンプ装置を起動して、流体を容器から流体導管を介して流体噴霧器へ吐出させ、電源からポンプ装置へ供給される電圧をモニタし、モニタした電圧に基づいてポンプ装置のポンプ時間を調節する。モニタした電圧の大きな低下が検知された場合、ポンプ時間を長くする。制御装置の格納されたプログラムは、電源から供給される電圧が所定の電圧より下がった場合には、ポンプ装置の起動を防止することも可能である。制御装置の格納されたプログラムは、制御装置に格納された噴霧予定時間に基づいてポンプ装置を起動することも可能である。制御装置の格納されたプログラムは、手動アクチュエータが起動された場合にポンプ装置を起動することも可能である。
【0027】
更に別の一態様において、本発明は、エンクロージャの壁の内側表面を流体で噴霧する装置を提供する。エンクロージャは、浴槽、シャワー、便器のいずれかであってよい。この装置は、流体のための容器と、流体をエンクロージャの中又はエンクロージャに噴霧することが可能な流体噴霧器と、容器及び流体噴霧器と流体連通している流体導管と、起動されるときに容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、流体噴霧器の近くに物体が存在することを検知するセンサと、ポンプ装置とセンサとに電気導通した制御装置と、を備える。センサはパイロ電気感知素子を含み、感知素子の長手軸はエンクロージャを支持する面に直交しないような方向となっている。制御装置は、制御装置がセンサの近くに物体がないと判定する場合は、格納されたプログラムを実行してポンプ装置を起動し、容器から流体導管を介して流体噴霧器へ流体を吐出させる。一つの形式では、センサは一対のパイロ電気感知素子を含み、各感知素子の長手軸がエンクロージャを支持する面とは直交していない。別の形式では、センサは一対のパイロ電気感知素子を含み、各感知素子の長手軸がエンクロージャを支持する面に平行である。
【0028】
本発明のこれらおよび他の、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明、図面、および添付の特許請求の範囲を検討することにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】便器に取り付けられた本発明の一実施形態による便器洗浄装置の斜視図である。
【図2】図1の便器洗浄装置のクリップを示す、図1の線2−2に沿った部分の斜視図である。
【図3】図2のクリップの内部の一部を示す切欠きを有する側面図である。
【図4】図2のクリップの背面斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態によるクリップのフックを示す、図2のクリップの一部の正面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるクリップのベースを示す、図2のクリップの一部の背面図である。
【図7】回転した後の向き(二点鎖線)および回転していない向き(実線)のクリップを示す、図2のクリップの正面図である。
【図8】図3の線8−8に沿った、クリップのノズルの一部分の上面図である。
【図9】図1の便器洗浄装置の容器ホルダを示す上部平面図である。
【図10】図1の便器洗浄装置での使用に好適な電気ポンプの一例の分解斜視図である。
【図11】図7の線11−11に沿った、図2のクリップの垂直部分断面図である。
【図12】図11の線12−12に沿った、図2のクリップの赤外検知器の背面図である。
【図13】図12の赤外検知器の電気回路の模式図である。
【図14】図1の便器洗浄装置の操作方法の一実施例におけるステップの機能フロー図である。
【0030】
以下において図面を説明する場合、複数の図面にわたる類似の要素については類似の参照符号を用いる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明による洗浄装置は、便器、シャワーのエンクロージャ、浴槽のエンクロージャなどのようなエンクロージャの中および/またはエンクロージャの内側表面上へ、洗浄用流体を一定量供給を行うために使用することが可能である。以下、図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態を説明する。これらの実施形態は、例示を目的として図示及び説明されるものであって、本発明をいかなる形でも限定するものではない。
【0032】
図1および2は、便器の内側表面に化学物質を噴霧するための装置(全体を参照番号8で示す)の一例示的実施形態を示している。装置8は、流体吐出装置をエンクロージャ(ここでは便器12)へ取り付けるためのクリップ10を含む。クリップ10は、フック16によって、便器12のリム14に固定されている。ベース18が、フック16で支持され、流体吐出装置(ここではノズル20)を収容している。流体25が、容器22から流体導管24を介してノズル20に供給され、便器12の内側表面26に一定量供給される。流体25は、容器ホルダ23に収容されているポンプ装置と制御装置によって、容器22からノズル20へ供給可能である。ポンプ装置、制御装置、容器ホルダ23については以下に更なる詳細を述べる。
【0033】
図3、4、および5を参照すると、フック16は、ベース18を支持し、クリップ10を便器12に取り付け、3つの主要部分を有する。それらは、便器部分28、上部リム部分30、および内側リム部分32である。3つの部分28、30、32のすべてが、好ましくは、プラスチック(たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン)から一体成形されて、フレキシブルフック16を形成する。便器部分28は、ほぼ長方形の断面を有し、便器12へのクリップ10の固定を支援するために、エラストマー製リブ37が付いた、フレアー形のエラストマー製把持用足部34を下端に有する。把持用足部34およびリブ37に好適なエラストマー材料としては、ネオプレン、ポリウレタンゴム、シリコーンゴムなどがあるが、これらに限定されるわけではない。便器部分28は、ほぼ垂直に上方に延びて、フレキシブル肘部35において上部リム部分30とつながっている。フレキシブル肘部35により、フック16は、主に(図3に示した)F−F方向に曲がることによって、クリップ10を様々な形状およびサイズの便器に固定することが可能である。上部リム部分30は、ほぼ長方形の断面を有し、便器12のリム14の端から端まで水平方向に延びており、別のフレキシブル肘部36で内側リム部分32とつながり、ここでもフレキシブル肘部36によってフック16を曲げることが可能である。内側リム部分32は、肘部36から垂直に下方に延び、ベース18を連結して支持するように構成されている。
【0034】
フック16の内側リム部分32は、前面38と背面40とが、2つの短い側面42で連結されている。内側リム部分32の背面40からリブ44が突出し、内側リム部分32の長さだけ延びている。後で詳述するように、リブ44は、フック16に対するベース18の回転角度を制限する。本例示的実施形態のリブ44は、ほぼ長方形の断面を有するが、リブ44は、湾曲断面であっても、方形断面であっても、互いに離れている2つの部材で構成されていても、それ以外であってもよい。さらに、リブ44は、ベース18の所望の調節可能範囲にわたってベース18と嵌合されていれば、内側リム部分32の長さまで延びていなくてもよい。短い側面42は、ラチェット歯46を有し、ラチェット歯46は、ベース18と連結されて、ベース18の垂直方向の動きを垂直軸48に沿うように制限する。他の制限、たとえば、フック16とベース18との間の摩擦嵌合なども可能である。
【0035】
便器部分28および上部リム部分30は、一連のC字形溝50を含んでおり、溝50は、導管24がフック16の周辺部を引き回されてベース18のノズル20に達するように、導管24を拘束している。本実施形態の便器部分28は、開口部が互い違いである3つのC字形溝50を含んでいる。導管24は、C字形溝50に押し込まれているが、溝50は、導管24を拘束するために長方形または他の任意の好適な形状であってよい。上部リム部分30では、好ましくは1つの溝50が導管24の引き回しを支援するが、必要に応じて複数の溝50を用いてよい。
【0036】
図3、4、および6を参照すると、ベース18は、背面52と、背面52から前方に延びる互いに離れている一対の側面54と、側面54の間に延びる上面56および前面58と、側面54、上面56、および前面58の間に延びる曲面60と、を有している。面52、54、56、58、60は、ノズル20の一部を収容する部分キャビティ62を画定している。ベース18は、ベース18の背面52から後方に延びるタブ53を有している。タブ53は、後述するように、クリップ10が便器12に取り付けられる際に、リム14に対するベース18の方向づけを支援する。タブ53は、本例示的実施形態に示すように、連続した1つの部材であってよい。代替として、タブ53は、ベース18から延びる複数の部材を含んでもよい。ベース18は、プラスチック(たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン)から成形することが好ましい。
【0037】
図6を重点的に参照すると、ベース18は、フック16の内側リム部分32を受ける溝64を含んでいる。溝64は、リブ44を受けるスリット66を含んでおり、スリット66は、入口68と、出口70と、中間位置72とを有している(中間位置72は、入口68および出口70から等距離にあってもなくてもよい)。スリット66の幅は、入口68から中間位置72にかけて狭まっており、中間位置72から出口70にかけて広がっている。一実施形態では、中間位置72は、入口68と出口70とのほぼ中間にあるが、最も狭くなる箇所は、入口68と出口70との中間でなくてもよく、スリット66の両端の間のどこにあってもよい。さらに、スリット66の最大幅は、フック16に対するベース18の所望の調節度合に応じて異なってよい。ベース18の所望の回転調節度合がより大きければ、入口68および出口70におけるスリット66の最大幅を増やすことが可能であり、代替として、または追加でリブ44の幅を減らすことが可能である。
【0038】
溝64は、溝64の短い側面65の壁から延びる一対の突起74を含んでおり、突起74は、内側リム部分32が溝64内をスライドするときにフック16のラチェット歯46と噛み合う。突起74は、ラチェット歯46と噛み合うことによって、ベース18がフック16に対して垂直方向に滑ることを抑えるように構成されている。突起74は、丸みのある形状、とがった形状、または他の好適な形状であってよい。この所望の制限は、他の多くの構造によって提供可能であり、たとえば、バネ仕掛けの玉が、溝64内に形成されたキャビティに収容されていて、溝64の外形(たとえば、ラチェット歯46)に対して押し出される構造によって可能である。突起74とラチェット歯46との噛み合いは、突起74とラチェット歯46との噛み合いが外れることなくベース18の所望の回転(後述)が可能であるように行われる。
【0039】
ベース18はさらに、流体吐出装置20(例えば、ノズル20)を取り付ける手段を含んでいる。本例示的実施形態では、ノズル20は、流体注入口80とバレル78との間で横方向に拘束されている。ベース18は、ベース18から下方に延びるアーム76を含んでいる。アーム76は、J字形に曲がって先に延びる平棒支持部分77を有し、支持部分77の遠位端にバレル78がある。バレル78は、ノズル20の底部を受ける管状のくぼみを含んでいる。さらに、ベース18の曲面60の中に流体注入口80があり、流体注入口80は開口部から先細りになっている(図3に示す)。流体注入口80とバレル78との組み合わせによって、ノズル20の横方向の動きが制限されているが、ノズル20がノズル軸82のまわりを回転することは可能である。
【0040】
クリップ10を取り巻く環境を感知するセンサ98を、ベース18またはフック16に取り付けることが可能である。センサ98は、実質的に前面58に取り付けることが好ましいが、角度が付いた面60、または他の任意の好適な(たとえば、ユーザが存在するかどうかが正確にわかるような、ユーザのビューを提供できる)場所に取り付けることが可能である。センサ98は、動きセンサ、近接センサ、赤外検知器などであってよい。センサ98は、以下で説明するような所定の論理に基づいて、便器12に流体25を一定量供給するタイミングを制御するために、制御装置と電気的に接続されている。
【0041】
図8を参照して、ノズル20の一実施形態を説明する。ノズル20は、プラスチック(たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン)から成形することが好ましい。ノズル20は、円形偏向板84と、偏向板84から上方に延びていて流体注入口80と流体連通している通路86とを含んでいる。偏向板84のそばの通路86から半径方向に外に向かって溝88が延びており、溝88は、図8に示すように、点Aで、溝88の最初の通り道から曲げられている。溝88の両側に、偏向板84から上方に延びる一対のフィン90が位置する。溝88およびフィン90の外形は、ノズル20の所望の回転速度、流体25の圧力などに応じて様々であってよい。
【0042】
図3および図8に最も明確に示すように、偏向板84の下側から延びるスピンドル92をアーム76のバレル78のくぼみに差し込むことによって、かつ、流体注入口80の先細った端部を通路86に差し込んで、通路86内に形成された棚状突起94に当てることによって、ノズル20は、ベース18内で横方向に拘束されている。ノズル20は、ノズル軸82のまわりを自由に回転するが、横方向の動きは抑えられている。
【0043】
流体吐出装置を取り付ける手段は、アーム76を使用せずに、ノズル20をベース18からつり下げることを含んでよい。流体吐出装置(ここではノズル20)は、ベース18にパチンとはめ込んでもよく、ベース18にねじ留めしてもよく、ベース18に押し込んでもよい。さらに、ベース18から弧状アーム(図示せず)を延ばしてノズル20を支持してもよい。
【0044】
作動時には、流体25は、容器22から、フック16に沿って溝50内を引き回された導管24を通って、ベース18の流体注入口80に移動する。流体25は、ノズル20の上部に流れ込み、通路86を下り、溝88によって半径方向に外へ向けられる。流体25が溝88を出ると、流体の経路は、溝88の両側に位置する、角度を付けられたフィン90によって変更される。その反動によって、ノズル20は、図8に見られるように、反時計回りに回転する。結果として、流体25は、ノズル20から半径方向に外に向けて吐出され、便器12の内側表面26に当たる。
【0045】
流体吐出装置の全体的な構造および動作について説明したが、次に、ノズル20から一定量供給される流体によってカバーされる範囲を、ベース18を回転させて調節する手段に着目する。図4および図6に戻り、図7を参照すると、ベース18は、垂直軸48とベース18の背面52とで画定される面からほぼ垂直に延びる水平軸96のまわりを、フック16に対して回転することが可能である。溝64に形成されたスリット66は、入口68および出口70においてフレアー状になっている。これにより、ベース18は、フック16から突出しているリブ44が、背面52に形成されたスリット側面45に当たるまで、中間位置72の近辺で、水平軸96のまわりを回転することが可能になる。
【0046】
たとえば、図7を参照すると、ベース18が垂直軸48に対して(一点鎖線で示すように)角度R1だけ回転した場合、ノズル20の相対的な配置は、それに応じて角度が付き、これによって、ノズル20から一定量供給される流体によってカバーされる範囲が変化する。さらに、ベース18が反対方向に角度R2だけ回転すると、ノズル20から一定量供給される流体によってカバーされる範囲が再度変化する。ベース18が回転するにつれて、突起74は、ラチェット歯46のそれぞれの歯の中で滑る。従って、突起74とラチェット歯46との噛み合いは、ベース18を自由に回転させながら、なおかつ、ベース18の垂直方向の動きを抑えるものでなければならない。このように回転を調節することにより、クリップ10は、様々な形状の便器およびエンクロージャに対応することが可能になる。
【0047】
ベース18を回転させる手段は、前述したスリット66を含まなくてもよい。たとえば、背面52は、フック16のリブ44の回転を制限するために、何対かの対向するフィンガーを、背面52で画定された面に含むことが可能である。入口そばの対向するフィンガーの対の間の開口、および出口そばの対向するフィンガーの対の間の開口は、入口のフィンガーと出口のフィンガーとの間に位置する、対向するフィンガーの対の間の開口より大きい。結果として、ベース18は、リブ44が入口および出口のそばのフィンガーと噛み合うまで回転可能である。別の実施形態では、スリット66は、入口から出口にかけて(または出口から入口にかけて)先細るV字形であることが可能である。したがって、ベース18の回転点は、スリット66の出口のそば、または、入口および出口のうちの小さい方のそばにある。この場合も、ベース18の回転は、リブ44とスリット側面45との噛み合いによって制限される。
【0048】
ベース18の回転調節は、クリップ10のユーザが手動で行ってもよく、クリップ10をエンクロージャ(ここでは便器12)に取り付ける際に自動で行われてもよい。図1から4、6、および7を全体的に参照すると、クリップ10の取り付け方法は、おおむね次のとおりである。便器12のリム14にクリップ10を固定する。そのためには、フック16をベース18から離すようにF−F方向に押し広げて、クリップ10をリム14にかぶせる。フック16を固定したら、タブ53がリム14の下側と嵌合するまで、ベース18を、垂直軸48に沿って、フック16およびラチェット歯46の上方へスライドさせる。ベース18のタブ53はリム14の下側と嵌合し続けるため、ベース18は、水平軸96のまわりを回転し、これによって、ノズル20がリム14の下側の面と並び、ノズル20からの流体が確実に便器12の内側表面26に一定量供給されることを支援する(リム14の下側の面は、リム14の上部側面によって画定される面と平行であると仮定している)。タブ53はさらに、タブ53の遠位端から突出するエラストマー製把持部51を含むことが可能であり、把持部51は、ベース18をリム14上の嵌合位置に固定することを支援する。ベース18は、タブ53を含まなくてもよく、この実施形態では、ベース18は、ユーザが手動で回転させることによって、フック16に対して調節可能である。
【0049】
次に、流体25を容器22から導管24を通ってノズル20に移動させ、便器12の内側表面26の上に一定量供給する手段を説明する。図9を参照すると、容器ホルダ23は外壁103を備え、ここには、容器ホルダ23と容器22とを便器用タンクに吊るすのに利用できるハンガ(図示せず)を支持するための背面取付ブラケット105がある。容器ホルダ23には、図1に示すように容器を倒立位置に保持する受け穴107がある。受け穴107の底面109には、上方向に延びた貫通棒111があり、この貫通棒は、容器22が容器ホルダ23の受け穴107に配置されると、容器22の脆弱シールを貫通して容器22の口の中に入り込む。貫通棒111は、中央貫通端113、通気口115、および流体排出口117を有している。
【0050】
通気口115は、逆止弁(図示せず)と流体連通している。逆止弁は常時閉であって、流体25が通気口115を介して漏れないようになっている。逆止弁は、容器22から流体25が流出して負圧になると開く。逆止弁は空気を容器22へ吸引し、流体25が空気を混入して泡立ったり、ぶくぶくという音をたてたりしないで、容器22から一様に流れ出ることを可能とする。逆止弁は開放されたままであるが、容器22内の圧力が十分に均一化して負圧がなくなると閉じる。
【0051】
流体排出口117は、以下で説明するように、容器22から導管へ、そしてポンプ入口部分248につながる流路を提供する。バルブ119は、流体排出口117からの流体25の排出を制御する。容器22が容器ホルダ23に取り付けられると、容器22の自重でバルブ119が開く。容器22が容器ホルダ23に取り付けられて、容器22の自重が受け穴107の底面109にある電源スイッチ121に掛かると、電源スイッチ121が下側へ動く。電源スイッチ121は、以下で説明するように、電池(図示せず)からの電力を、制御装置、ポンプ装置、およびセンサ98に供給する。容器ホルダ23の正面の垂直面には、手動作動ボタン123および発光ダイオード(LED)125も含まれており、これらは制御装置に電気導通している。容器ホルダ23には、押しボタン127も含まれている。これは容器22を容器ホルダ23に固定するために容器のキャップと嵌合する固定タブ129を動かす。
【0052】
次に、図10は、ポンプ装置の一部であるポンプ200の分解透視図を示している。ポンプ200は、容器ホルダ23の内部に固定されてもよい。ポンプ200は、電池(図示せず)と制御装置とに電気導通している直流モータ202を含んでいる。モータ202は駆動シャフト204を含んでいる。モータ202は、上部ポンプハウジング206の上部環状壁208の中の上部ポンプハウジング206に収容されている。ポンプ200は、駆動シャフト204の下端に接続された駆動歯車210を備えている。駆動歯車210は、ポンプ動力伝達経路中の第2の歯車212と噛合している。歯車212は、その上部表面に偏心した円形ディスク213を有している。歯車210、212は、底部ポンプハウジング214中に収容されている。
【0053】
ポンプ200は、ピストンクランク215を含み、その一端にカラー216を有する。ポンプ200を組み立てると、カラー216の中に、歯車212の円形ディスク213が入る。ポンプ200には、コネクタ218を有するピストン217も含まれ、コネクタは、コネクタピン220によってピストンクランク215の前方端部でヨーク222に組み立てられる。ピストン217の前方部分にある外部溝226に、O−リングシール224が配置される。ピストン217は円筒形のポンプチャンバ228の中を往復運動し、ポンプチャンバ228の内部表面にO−リングシールが嵌合して流体の漏れを防ぐ。ポンプチャンバ228は、一対のO−リングバルブシール232とバルブホルダ234、236を含み、これらは傘型の逆止弁238、242と嵌合する。ポンプコネクタ244が、ポンプチャンバ228の前方の端部245を閉じる。ポンプコネクタ244は、ポンプ出口部246とポンプ入口部248とを含む。
【0054】
ポンプ200の作動時には、制御装置が以下で説明するある条件の下に、電池からの電流をモータ202に供給する。電流がモータ202に供給されると、駆動シャフト204が駆動歯車210を回転させ、それが次に第2の歯車212を回転させる。歯車212の円形ディスク213は、偏心ディスク213とカラー216の噛み合いによって、ピストンクランク215を前後方向に動かすピストンクランク215の後方へのストローク(これはピストンクランク215のカラー端部方向への動き)で、導管(表示せず)を介して貫通棒111の流体排出口117と流体連通しているポンプ入口部248を経由して、流体がポンプチャンバ228の中へ吸引される。ピストンクランク215の前方へのストローク(これはポンプコネクタ244方向への動き)で、流体はポンプ出口部246を経由してポンプチャンバ228から吐出される。このポンプ出口部246は導管24に流体連通しており、導管は流体をノズル20に供給して、前述したように、便器12の内側表面26へ一定量供給されるようにする。
【0055】
次に図11と13を参照すると、クリップ10を取り巻く環境を感知するセンサ98の一例が示されている。センサ98は、レンズ302を含んでいる。これは、便器12の周りの範囲から、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306上への赤外線放射を集光し、フィルタリングし、焦点合わせを行うためのものであり、センサ98の回路と共に、缶308の中に収容されている。レンズ302は、便器12の周りの範囲からの赤外線放射に対して焦点合わせを強化するためのファセットを含んでもよい。
【0056】
センサ用回路の一実施例を図13に示す。第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とは、感知回路312の中で、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とが相互に減算するように接続されている。これにより、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とに共通な信号は、全てキャンセルされるようになる。対象物体がセンサ98の前を通過すると、第1のパイロ電気感知素子304が起動され、次いで第2のパイロ電気感知素子306が起動される。背景信号は第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とに同時に影響を与え、それはキャンセルされる。
【0057】
図12に示されるセンサ98の場合には、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とはどちらも長方形であり、第1のパイロ電気感知素子304は第2のパイロ電気感知素子306の上側に配置されている。より強力な物体検知をするために、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とは、各感知素子304,306の長手軸304a、306aが便器を支える面(たとえば床F)とは直交しない方向に向けられる。配置の一実施例としては、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306の長手軸304a,306aが便器を支える面に平行になるように、第1のパイロ電気感知素子304と第2のパイロ電気感知素子306とが配向される。
【0058】
図13では、センサ98の感知回路312は、コンデンサ314、ゲート抵抗316および電界効果型トランジスタ(FET)318を含んでいる。感知回路312は、アース接続322、ドレーン接続324、およびソース接続326を含んでいる。アース接続322、ドレーン接続324、およびソース接続326は、以下に述べるポンプ200の動作を制御する制御装置と電気導通している。好適なセンサ98の例としては、これに制限されるものではないが、カリフォルニア州サンタクララのパーキンエルマーオプトエレクトロニクス社(PerkinElmer Optoelectronics)から発売されているLH778パイロ電気赤外線検知器がある。
【0059】
便器の内側表面に化学物質を噴霧する装置8の例示的な一実施形態の部品について述べたが、装置8の動作のためのソフトウェアのプログラムルーチンの機能フロー図を図14を参照して説明する。機能フロー図は、装置8を制御するソフトウェアプログラムを生成するために使用される。装置8の制御装置は、制御装置のメモリに格納されたソフトウェアプログラムで制御されるマイクロプロセッサを含んでいる。ソフトウェアプログラムは、通常の手法により制御装置のメモリに格納することが可能である。制御装置は、容器ホルダ23の内部に固定されてもよい。制御装置は、電源スイッチ121、手動作動ボタン123、LED125、ポンプ200のモータ202、センサ98の感知回路312、および電源(たとえば、容器ホルダ23の内部に固定された電池)と電気導通している。好適な制御装置として、台湾の新竹市の義隆電子(Elan Microelectronics Corp.)から発売されている、マイクロコントローラがある。
【0060】
図14の機能フロー図を参照すると、第1のステップ400で、ユーザが容器ホルダ23の電池室に電池を挿入する。電池室およびその制御装置への配線は当技術分野において周知のものであり、従って、特に説明はしない。第2のステップ402で、容器22(これは液体の詰め替えであってもよい)が容器ホルダ23に取り付けられ、それによって容器ホルダ23の受け穴107の底面109にある電源スイッチ121が下方向に移動して、電池から制御装置への電源供給回路が完成する。この結果、全ての制御装置システムカウンタおよび故障状態がリセットされ、LED125が点滅を開始して、装置8に適切に電力が供給され、第1の自動放出(以下で説明)のためにタイマがスタートしたことをユーザに知らせる。そうしてLED125はオンのままとなる。例示的な一実施形態では、全ての制御装置システムカウンタおよび故障状態がリセットされてから8時間後に起きる自動的に放出に向けて、タイマがスタートする。
【0061】
次にソフトウェアルーチンはステップ406へ進む。装置8は、電池の平均電圧が、ポンプ200が回転しなくなる下限の閾値電圧に達するまで機能するはずである。ステップ406で、制御装置が有効な電池電圧をチェックする。電池電圧が所定の電圧より低い場合には、制御装置用マイクロプロセッサが失調する前に、ステップ408で低電圧による遮断が起きる。ステップ408で、LED125が切れて、電力遮断シーケンスが起きる。電池電圧が所定値以上である場合には、ルーチンは継続されてステップ410へ進む。
【0062】
ステップ410で、手動作動ボタン123が押されて手動サイクル要求があれば、制御装置はそれに応答する。手動作動ボタン123が押されている場合には、ルーチンはステップ412へ進む。手動サイクルでは、便器12の上または近くに物体(たとえば、人やペット)がセンサ98で検知されない場合には、手動作動ボタン123が押されて離された後、5秒間洗浄用液が一定量供給される。ステップ412で、手動作動ボタン123が押された後、LED125が点滅し、制御装置は4.5秒の間センサ98を無視する(その間に、手動作動ボタン123を押した人がその場を離れることができる)。ステップ414で、制御装置はセンサ98の感知回路312からの信号を受信する。制御装置が、センサ98の感知回路312から、便器12の近くにおける物体の存在を示す信号を何も受信しない場合には、ルーチンはステップ416へ進み、制御装置がポンプ200のモータ202へ電流を供給してノズル20へ流体を供給し、これまでに説明したように、便器12の内側表面26上へ一定量供給を行う。制御装置は、ポンプ200のモータ202へ任意の選択された時間の間、電流を供給することが可能であり、これは便器12の内側表面26上へ一定量供給するのに必要な流体量に依存する。一実施例では、ポンプ時間の長さは1秒であるが、それに限定されるものではない。その後、ルーチンはステップ418へ進む。制御装置が、便器12の近くにおける物体の存在を示すセンサ98の感知回路312からの信号を受信した場合には、ルーチンはステップ418へ進み、制御装置はポンプ200のモータ202への電流供給を抑制する。ステップ418の後、ルーチンはステップ406に戻る。
【0063】
ステップ406において、電池電圧が低くなく、且つ、ステップ410において、手動作動ボタン123による手動サイクル要求が始動されていない場合には、ルーチンはステップ420へ進む。ステップ420で、全ての制御装置システムカウンタおよび故障状態のリセットにより開始された自動放出タイマの時間計数を制御装置がチェックする。30分以内に自動放出の予定がない場合には、ルーチンはステップ406に戻る。30分以内に自動放出が予定されている場合には、ルーチンはステップ422に進む。ステップ422で、制御装置はセンサ98の感知回路312からの信号を受信する。制御装置が、便器12の近くにおける物体の存在を示すセンサ98の感知回路312からの信号を受信した場合には、ルーチンはステップ424へ進み、自動放出タイマの放出時間が30分だけ加算される。その後、ルーチンは406に戻る。制御装置がステップ422で、便器12の近くにおける物体の存在を示すセンサ98の感知回路312からの信号を何も受信しない場合には、ルーチンはステップ426へ進む。
【0064】
ステップ426で、全ての制御装置システムカウンタおよび故障状態のリセットにより開始された自動放出タイマの時間計数を制御装置がチェックする。自動放出タイマの時間計数が自動的な一定量供給はまだ起きないことを示す場合、ルーチンはステップ406に戻る。自動放出タイマの時間計数が自動的な一定量供給が起きる予定になっていることを示す場合(例えば、一定量供給時間間隔の8時間に既に達している場合に)、ルーチンはステップ428に進む。
【0065】
ステップ428で、制御装置は、先ずポンプ200のモータ202へ電流を供給してノズル20へ流体を供給し、既に説明したように、便器12の内側表面26上への一定量供給を行う。所定の時間が経過した後、制御装置は電池からの電圧降下を計測する。電圧降下が所定値以下であれば、制御装置は、所定のポンプ時間の間(たとえば、1秒)ポンプ200のモータ202へ電流を供給する。しかし、電圧降下が所定値(たとえば、1秒)を超えている場合には、制御装置は、所定のポンプ時間の長さよりも長いポンプ時間(たとえば、1.2秒)の間、ポンプ200のモータ202へ電流を供給する。更に、測定された電圧降下の大きさによって、ポンプ時間の延長長さが選択されてもよい。例えば、電圧降下がより大きければ、ポンプ時間は1.4秒または1.6秒にしてもよい。ポンプ時間の延長幅を選択するのに、適切なソフトウェアサブルーチンを利用することも可能である。電圧が低い時の延長されたポンプ時間は、低い電圧によってポンプモータの回転速度が低くなり、便器12に一定量供給される流体の量が減るという点において、有益である。低いポンプ速度でポンプ時間を長くすることにより、より高い電圧でのポンプ速度に比べるとポンプ速度は下がるが、一定量(たとえば5ミリリットル)の流体が一定量供給できる。
【0066】
ステップ428の間、制御装置は、センサ98の感知回路312からの信号をモニタするステップ430も実行する。センサ98からの信号が便器12付近に物体があることを示す場合、制御装置はモータ202への電流供給を停止し、ルーチンはステップ424へ進む。そこで、自動放出タイマの放出時間が30分だけ加算されて、ルーチンはステップ406に戻る。便器12付近に物体があることを示すセンサ98からの信号がない場合、制御装置はポンプ時間期間の終わりでモータ202への電流供給を停止し、ルーチンはステップ432へ進み、ポンプ時間期間の終わりから8時間後に起きる第2の自動放出へ向けて再スタートを掛けられてもよい。その後、ルーチンはステップ406に戻る。ルーチンは閉回路構成になっているので、ルーチンが次にステップ432に達すると、タイマは、第2のポンプ時間期間の終わりから8時間後に起きる第3の自動放出へ向けて再スタートを掛けられる。このプロセスは自動的に反復するので、電池電圧が下がり過ぎたり(ステップ406と408を参照)、流体がなくなるまで、この8時間間隔で自動的な一定量供給が継続される。
【0067】
ソフトウェアルーチンでは、時間の長さに関して任意の代わりの数も利用し得ることに留意されたい。例えば、自動放出間隔は、これに限定されないが、4時間、6時間、又は10時間であってもよい。ステップ420及び422の物体検知サブルーチンは、これに限定されないが、自動放出が予定されている20分前、15分前、または10分前に開始されてもよい。ステップ424の遅延時間は、これに限定されないが、40分または50分であってもよい。これらおよびその他の変数は、ソフトウェアプログラミング手法によって、簡単に調整することが可能である。
【0068】
このように、本発明は、便器に化学物質を供給する、便器洗浄装置および/または脱臭装置を提供する。この装置は、便器洗浄流体の自動・無人の一定量供給を消費者に提供する。この装置は、こすり洗いすることなしに最大30日間便器を清浄に保つことが可能であり、また、汚れた便器を数日間できれいにする。この装置は、光沢を増加し、水垢の線を除去し、バイオフィルムやカビや白カビの成長を抑制することによって、全体として便器の清浄さを提供する。本装置は、静かで、無人動作ができ、自動サイクルに加えて手動放出も可能である。
【0069】
特定の実施形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば理解されるように、本発明は、説明した実施形態以外の実施形態によっても実施可能であり、説明した実施形態は、限定ではなく例示を目的として提示したものである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に含まれている実施形態の記載に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、自動および/または手動の便器洗浄装置を提供し、洗浄流体を適用することにより、便器の全周にわたって便器の内側表面を洗浄することが可能である。
【0071】
関連出願の相互参照
本願は、2005年12月20日出願の米国特許出願第11/312,281号の一部継続出願である2007年5月4日出願の米国特許出願第11/800,488号の一部継続出願である2007年7月31日出願の米国特許出願第11/831,653号の一部継続出願である。
連邦政府援助の研究/開発に関する記述
該当せず。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンクロージャの壁の内側表面に流体を噴霧する装置であって、
流体のための容器と、
エンクロージャの壁の内側表面に流体を噴霧するための流体噴霧器と、
前記容器および前記流体噴霧器と流体連通している流体導管と、
前記エンクロージャの壁の内側表面近くに前記流体噴霧器を取り付けるための支持体と、
起動されるときに前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、
前記流体噴霧器の近くに物体が存在することを検知するセンサと、
前記ポンプ装置と前記センサと電源とに電気導通した制御装置と、
を備え、
前記制御装置は格納されたプログラムを実行して、
(i)前記制御装置に格納された噴霧予定時間より前の時間区間の開始時に前記センサを起動し、
(ii)前記時間区間中に前記センサからの電気信号をモニタして、前記流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、
(iii)前記時間区間中に前記センサの近くに物体がなかったと前記制御装置が判定する場合、前記ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出する、
装置。
【請求項2】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(iv)前記時間区間中に前記センサの近くに物体があると前記制御装置が判定した場合、前記噴霧予定時間に前記ポンプ装置を起動することを防止し、
(v)前記噴霧予定時間よりも時間的に後の第2の噴霧予定時間を前記制御装置に格納する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(v)前記制御装置に格納された第2の噴霧予定時間より前の第2の時間区間の第2の開始時に前記センサを起動し、
(vi)前記第2の時間区間中に前記センサからの電気信号をモニタして、前記流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、
(iii)前記第2の時間区間中に前記センサの近くに物体がなかったと前記制御装置が判定する場合、前記ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(iv)前記ポンプサイクル時間が終了した後に第2の噴霧予定時間を制御装置に格納する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(v)前記制御装置に格納された第2の噴霧予定時間より前の第2の時間区間の第2の開始時に前記センサを起動し、
(vi)前記第2の時間区間中に前記センサからの電気信号をモニタして、前記流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、
(vii)前記第2の時間区間中に前記センサの近くに物体がなかったと前記制御装置が判定する場合、前記ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出する、
請求項5に記載の装置。
【請求項6】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(iv)前記ポンプ装置が起動したときはいつでもその後に前記センサからの電気信号をモニタし、
(v)前記制御装置が前記センサの近くに物体があると判定する場合には、前記ポンプ装置を起動停止する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記エンクロージャは便器である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ポンプ装置は、
前記制御装置と電気導通しているモータと、
前記容器と流体連通しているポンプチャンバと、
前記ポンプチャンバと流体連通し且つ前記流体導管と流体連通している吐出導管と、
モータの起動により前記ポンプチャンバ内を往復して、前記容器から流体を前記ポンプチャンバ内へ吸引し、前記ポンプチャンバから前記吐出導管を介して前記流体導管へ流体を移動させる、前記モータに連結したピストンと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記流体噴霧器は回転ノズルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記センサは前記支持体上に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
エンクロージャの壁の内側表面を流体で噴霧する装置であって、
流体のための容器と、
前記エンクロージャの壁の内側表面に流体を噴霧するための流体噴霧器と、
前記容器および前記流体噴霧器と流体連通している流体導管と、
前記エンクロージャの壁の内側表面近くに前記流体噴霧器を取り付けるための支持体と、
起動されるとき前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、
前記流体噴霧器の近くに物体が存在することを検知するセンサと、
前記ポンプ装置用の手動アクチュエータと、
前記ポンプ装置と前記手動アクチュエータと前記センサと電源とに電気導通した制御装置と、
を備え、
前記制御装置は格納されたプログラムを実行して、
(i)前記手動アクチュエータから起動信号を受信し、
(ii)前記センサを起動し、
(iii)前記起動信号を受信した後の時間期間中に前記センサからの電気信号をモニタして、前記流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、
(iv)前記時間期間中に前記センサの近くに物体がなかったと前記制御装置が判定する場合、前記ポンプ装置を起動して前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出する、
装置。
【請求項12】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(v)前記ポンプ装置が起動した後に前記センサからの電気信号をモニタし、
(vi)前記制御装置が前記センサの近くに物体があると判定する場合には、前記ポンプ装置を起動停止する、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(v)前記流体の噴霧予定時間より前のある時間区間の開始時に、前記センサを起動し、
(vi)前記時間区間中に前記センサからの電気信号をモニタして、前記流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、
(vii)前記時間区間中に前記センサの近くに物体がなかったと前記制御装置が判定する場合、前記ポンプ装置を起動して前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出する、
請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(viii)ポンプサイクル時間が終了した後に第2の噴霧予定時間を前記制御装置に格納し、
(ix)前記制御装置に格納された前記第2の噴霧予定時間より前の第2の時間区間の第2の開始時に前記センサを起動し、
(x)前記第2の時間区間中に前記センサからの電気信号をモニタして、前記流体噴霧器の近くに物体がないかどうかを判定し、
(xi)前記第2の時間区間中に前記センサの近くに物体がなかったと前記制御装置が判定する場合、前記ポンプ装置をポンプサイクル時間の間起動して前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出する、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記制御装置は、前記格納されたプログラムを実行して、前記手動アクチュエータからの起動信号を受信した後、遅延時間分前記センサの起動を遅延させる、
請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記エンクロージャは便器である、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
エンクロージャの中またはエンクロージャに流体を噴霧する装置であって、
流体のための容器と、
前記流体を前記エンクロージャの中またはエンクロージャに噴霧することが可能な流体噴霧器と、
前記容器および前記流体噴霧器と流体連通している流体導管と、
起動されるとき前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、
前記ポンプ装置と電源とに電気導通した制御装置と、
を備え、
前記制御装置は格納されたプログラムを実行して、
(i)前記ポンプ装置を起動して流体を前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ吐出させ、
(ii)前記電源から前記ポンプ装置へ供給される電圧をモニタし、
(iii)前記モニタした電圧に基づいて前記ポンプ装置のポンプ時間を調節する、
装置。
【請求項18】
前記制御装置は前記格納されたプログラムを実行して、
(iv)前記電源から供給される電圧が所定の電圧より下がった場合には、前記ポンプ装置の起動を防止する、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記エンクロージャは便器である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記制御装置は、前記制御装置に格納された噴霧予定時間に基づいて前記ポンプ装置を起動する、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記制御装置は、手動アクチュエータが起動されるとき前記ポンプ装置を起動する、請求項17に記載の装置
【請求項22】
前記モニタした電圧が所定値より下がった場合、前記ポンプ時間を延長する、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
エンクロージャの中またはエンクロージャに流体を噴霧する装置であって、
流体のための容器と、
前記流体を前記エンクロージャの中またはエンクロージャに噴霧することが可能な流体噴霧器と、
前記容器および前記流体噴霧器と流体連通している流体導管と、
起動されるとき前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出するためのポンプ装置と、
前記流体噴霧器の近くに物体が存在することを検知するセンサと、
前記ポンプ装置と前記センサとに電気導通した制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記センサの近くに物体がないと前記制御装置が判定する場合、格納されたプログラムを実行して、前記ポンプ装置を起動し、前記容器から前記流体導管を介して前記流体噴霧器へ流体を吐出させ、
前記センサは、長手軸が前記エンクロージャを支持する面に直交していないパイロ電気感知素子を備える、
装置。
【請求項24】
前記センサは、感知素子各々の長手軸が前記エンクロージャを支持する面に直交していない一対のパイロ電気感知素子を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記センサは、感知素子各々の長手軸が前記エンクロージャを支持する面に平行である一対のパイロ電気感知素子を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記センサは、一対の一方の感知素子が他方の感知素子の上にあるように配向された一対のパイロ電気感知素子を備える、請求項23に記載の装置
【請求項27】
前記エンクロージャは便器である、請求項23に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−524954(P2011−524954A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514602(P2011−514602)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/003610
【国際公開番号】WO2009/154743
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】