説明

保冷敷きシーツ

【課題】身体全体に保冷効果をもたらすことができるとともに、汚れた場合に洗濯が可能な保冷敷きシーツを提供すること。
【解決手段】メッシュ地からなる表布2と、保冷剤を封入した保冷部材3と、中綿42を封入したシーツ本体4とからなり、表布2とシーツ本体4の間に開口部5bを備えた空間部5を形成し、この空間部5に保冷部材3を出入可能に挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷敷きシーツに関し、特に、保冷剤を封入した保冷部材を用いた保冷敷きシーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、保冷剤を封入した保冷部材によって就寝中に清涼感を持続させることができるようにした保冷寝具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、従来の保冷寝具は、頭部等の身体のごく一部を保冷する機能しか有していないため、保冷効果が限られるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−131308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の保冷寝具の有する問題点に鑑み、身体全体に保冷効果をもたらすことができるとともに、汚れた場合に洗濯が可能な保冷敷きシーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の保冷敷きシーツは、メッシュ地からなる表布と、保冷剤を封入した保冷部材と、中綿を封入したシーツ本体とからなり、表布とシーツ本体の間に開口部を備えた空間部を形成し、該空間部に保冷部材を出入可能に挿入してなることを特徴とする保冷敷きシーツ。
【0007】
表布の表側のメッシュ地を綿繊維で、裏側の基布を合成繊維又は合成繊維と綿繊維の混紡繊維で、それぞれ構成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の保冷敷きシーツによれば、メッシュ地からなる表布と、保冷剤を封入した保冷部材と、中綿を封入したシーツ本体とからなり、表布とシーツ本体の間に開口部を備えた空間部を形成し、該空間部に保冷部材を出入可能に挿入するようにすることにより、保冷部材の保冷効果を、空気層を形成するメッシュ地からなる表布を介して、身体全体に穏やかにもたらすことができる。
また、この保冷敷きシーツは、保冷部材を取り出すことによって、通常の敷きシーツと同様に洗濯が可能であり、常に清潔な状態を維持することができる。
【0009】
また、表布の表側のメッシュ地を綿繊維で、裏側の基布を合成繊維又は合成繊維と綿繊維の混紡繊維で、それぞれ構成することにより、表布の表側のメッシュ地の肌触りや吸湿性を良好に維持しながら、メッシュ地の強度及び保形性を裏側の基布の作用によって向上することができ、これによって、空気層を確実に形成するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の保冷敷きシーツの一実施例を示し、(a)は外観斜視図、(b)は保冷部材を配した箇所の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の保冷敷きシーツの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に、本発明の保冷敷きシーツの一実施例を示す。
この保冷敷きシーツ1は、メッシュ地からなる表布2と、保冷剤を封入した保冷部材3と、中綿42を封入したシーツ本体4とからなり、表布2とシーツ本体4の間に開口部5bを備えた空間部5を形成し、この空間部5に保冷部材3を出入可能に挿入してなるものである。
【0013】
この場合において、表布2には、各種のメッシュ生地を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、表布2の表側のメッシュ地21を綿繊維で、裏側の基布22をポリエステル、ナイロン等の合成繊維又はこれらの合成繊維と綿繊維の混紡繊維で、それぞれ構成した、ハニカムメッシュ生地、特に、目が大きく、厚手のハニカムメッシュ生地を好適に用いることができる。
そして、本実施例においては、表布2の表側のメッシュ地21を綿繊維で、裏側の基布22を綿繊維55%、ポリエステル25%、ナイロン20%の混紡繊維で、それぞれ構成した、目が大きく、厚手のハニカムメッシュ生地を用いるようにしている。
この表布2は、表側のメッシュ地21の肌触りや吸湿性を良好に維持しながら、メッシュ地21の強度及び保形性を裏側の基布22の作用によって向上することができ、これによって、空気層を確実に形成するようにすることができる。
【0014】
また、保冷剤を封入した保冷部材3には、ポリアクリル酸ナトリウム等の高吸水性ポリマーや硫酸ナトリウム等の無機塩からなるゲル状の保冷剤を、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製の袋に封入した公知の保冷部材を用いることができる。
なお、保冷部材3は、そのまま使用しても十分な保冷効果を得ることができるが、使用前に冷蔵庫等で冷却(又は冷凍)したものを使用することによって一層大きな保冷効果を得ることができる。
【0015】
また、袋状の布地41に中綿42を封入したシーツ本体4には、各種の生地及び綿を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、布地41には、ポリエステルと綿繊維の混紡繊維からなる織布、また、中綿42には、ポリエステル等の合成繊維からなる綿を好適に用いることができる。
この場合、シーツ本体4に封入する中綿42の量は、適宜設定することができるが、保冷剤を封入した保冷部材3を配した箇所Aと配していない箇所Bの段差を吸収することができるとともに、洗濯したときの乾燥が短時間でできる量とすることが好ましく、通常、シーツ本体4の厚さが数mm〜20mm程度となる量を封入するようにする。
また、シーツ本体4に封入した中綿42が、選択等によって偏らないように、適宜、指し縫い(キルティング)を施すようにすることができる。
【0016】
保冷部材3を挿入する空間部5は、特に限定されるものではないが、例えば、基布22を裏面に一体に配した表布2とシーツ本体4を、保冷部材3が挿入可能な所定の間隔をあけて保冷敷きシーツ1の幅方向に縫製5aすることにより、開口部5bを備えた袋状に形成することができる。
開口部5bには、開口部5bを閉鎖するためのホック、面ファスナー、スライドファスナー等の閉鎖部材(本実施例においては、ホック5c)を設けるようにしている。
この場合、保冷部材3を挿入する空間部5は、保冷敷きシーツ1の全面に亘って形成することもできるが、本実施例においては、保冷効果が発揮されやすい背部と臀部の位置に保冷部材3が位置するように空間部5を形成し、当該箇所Aに保冷部材3を配するようにしている。
【0017】
この保冷敷きシーツ1は、ベッドのマットレスの上に直接又は敷き布団の上に敷いて用いるものであるため、その形状は、ベッドのマットレス又は敷き布団とほぼ同じ大きさ(シングルサイズ又はダブルサイズや子供用サイズ)に形成するようにする。
【0018】
この保冷敷きシーツ1によれば、保冷部材3の保冷効果を、空気層を形成するメッシュ地からなる表布2を介して、身体全体に穏やかにもたらすことができ、就寝中に清涼感を持続させることができる。
また、この保冷敷きシーツ1は、保冷部材3を取り出すことによって、通常の敷きシーツと同様に洗濯が可能であり、常に清潔な状態を維持することができる。
【0019】
以上、本発明の保冷敷きシーツについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の保冷敷きシーツは、身体全体に保冷効果をもたらすことができるとともに、汚れた場合に洗濯が可能であるという特性を有していることから、夏用の敷きシーツの用途に好適に用いることができるほか、例えば、保冷部材を加温して用いることにより、冬用の敷きシーツとしても用いることができる。
【符号の説明】
【0021】
1 保冷敷きシーツ
2 表布
21 メッシュ地
22 基布
3 保冷部材
4 シーツ本体
41 布地
42 中綿
5 空間部
5b 開口部
5c ホック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュ地からなる表布と、保冷剤を封入した保冷部材と、中綿を封入したシーツ本体とからなり、表布とシーツ本体の間に開口部を備えた空間部を形成し、該空間部に保冷部材を出入可能に挿入してなることを特徴とする保冷敷きシーツ。
【請求項2】
表布の表側のメッシュ地を綿繊維で、裏側の基布を合成繊維又は合成繊維と綿繊維の混紡繊維で、それぞれ構成したことを特徴とする請求項1記載の保冷敷きシーツ。

【図1】
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【公開番号】特開2010−200885(P2010−200885A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47954(P2009−47954)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(309006338)株式会社アルファ (1)
【Fターム(参考)】