信号制御装置及び信号制御方法
【課題】受信信号に生じた周波数オフセット及び位相誤差を適切に除去することが可能な装置及び方法を提供する。
【解決手段】受信機100−1は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整するものであって、位相制御部126は、繰り返し検出される位相誤差の積分値に対応する位相誤差情報を生成し、周波数制御部128及び周波数補正部124は、生成された位相誤差情報に基づいて、受信信号の周波数の補正量を設定し、当該周波数の補正量に基づいて、受信信号の周波数を補正する。
【解決手段】受信機100−1は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整するものであって、位相制御部126は、繰り返し検出される位相誤差の積分値に対応する位相誤差情報を生成し、周波数制御部128及び周波数補正部124は、生成された位相誤差情報に基づいて、受信信号の周波数の補正量を設定し、当該周波数の補正量に基づいて、受信信号の周波数を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御装置、該信号制御装置を有する受信機、及び、信号制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電話回線や専用回線を使用してデータを伝送する際に用いられる通信装置内の受信機では、受信信号に位相誤差が生じることがある。特に、高速通信を実現するために64QAM等の変調方式が採用される場合には、ベクトル平面におけるシンボル点の密度が高く、シンボル点間の距離が短い。このため、高精度の位相補正が必要である。
【0003】
このような問題の対策として、受信機には、キャリア位相制御回路が設けられている。このキャリア位相制御回路によって、受信信号に生じた位相誤差を除去し、通信品質を向上させることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−172464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信信号には、大きな周波数オフセットが生じる場合がある。このような場合、受信機において、上述した方法を用いて位相誤差を除去することはできるが、大きな周波数オフセットに対しては追従限度がある。このため、周波数オフセットが生じた場合には、位相誤差の除去と共に、当該周波数オフセットを適切に除去することが要求されている。
【0005】
そこで、本発明は、周波数オフセットと位相誤差の双方を適切に除去することが可能な信号制御装置及び信号制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御装置であって、前記受信信号の周波数を補正する周波数補正手段と、前記周波数補正手段により周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出手段と、前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差を補正する位相補正手段と、前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成手段と、前記位相制御情報生成手段により生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成手段とを有し、前記周波数補正手段が、前記周波数制御情報生成手段により生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、前段で受信信号の周波数を補正し、後段で受信信号の位相を補正する構成において、受信信号の位相誤差に対応する位相制御情報を生成し、当該位相制御情報に基づいて、受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報を生成して、当該周波数制御情報に基づいて、受信信号の周波数が補正される。従って、位相補正のみでは、信号の復元ができない場合には、位相誤差に対応して周波数の補正が行われ、更に、位相補正が行われることになり、信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【0008】
また、本発明の信号制御装置は、前記位相制御情報生成手段は、前記位相誤差検出手段により繰り返して検出される位相誤差の積分値に対応する位相制御情報を生成するようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、位相誤差が繰り返し検出された場合における、その位相誤差の積分値に対応する位相制御情報に基づいて、受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報を生成し、当該周波数制御情報に基づいて、前記信号の周波数が補正される。従って、位相補正のみを繰り返しても信号の復元ができない場合には、位相誤差の積分値に対応して周波数の補正が行われ、更に、位相補正が行われることになり、信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【0010】
また、本発明の信号制御装置は、前記周波数制御情報生成手段が、前記位相制御情報生成手段により位相制御情報が生成される毎に、該位相制御情報と、前記信号の周波数を補正すべき条件に応じて定められた第1の閾値、及び、該第1の閾値よりも小さい第2の閾値とを比較する比較手段と、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値より大きいと判断された場合に減少し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第2の閾値より小さいと判断された場合に増加し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値以下であって、且つ、前記第2の閾値以上であると判断された場合に変化しない位相周波数変換情報を生成する位相周波数変換情報生成手段とを有し、前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報に応じて定められる周波数の補正量を前記周波数制御情報として生成するようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、位相制御情報の大きさに応じて、適切な周波数の補正量を設定することが可能となる。
【0012】
また、本発明の信号制御装置は、前記位相制御情報生成手段が、生成した位相制御情報を保持する位相制御情報保持手段を有し、前記周波数制御情報生成手段が、前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報が1つ前に生成された位相周波数変換情報と同一でない場合に、前記位相制御情報保持手段により保持される位相制御情報をリセットさせるリセット制御手段を有するようにしてもよい。
【0013】
この構成によれば、位相周波数変換情報が変化する場合には、位相誤差に対応する周波数の補正量が確定するため、位相誤差に対応する位相制御情報をリセットさせて、次の周波数オフセットの除去に備えることができる。
【0014】
また、本発明の信号制御装置は、前記周波数補正手段が、前記周波数制御情報生成手段により周波数制御情報として生成された周波数の補正量を、前記信号の周波数に乗算するようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、設定された周波数の補正量を係数とした周波数を乗算することによって、受信信号に生じた周波数オフセットが除去される。
【0016】
また、本発明の信号制御装置は、前記周波数補正手段が、前記周波数制御情報に対応するテーブルを保持するテーブル保持手段を有し、前記テーブル保持手段に保持されたテーブルを参照して、周波数の補正乗算値を生成するようにしてもよい。
【0017】
この構成によれば、周波数制御情報に対応するテーブルを保持しておくようにすることで、演算量を削減することができる。
【0018】
また、本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された信号から得られる受信信号を処理する上述したいずれかに記載の信号制御装置とを有することを特徴とする受信機である。
【0019】
また、本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御方法であって、前記受信信号の周波数を補正する周波数補正ステップと、前記周波数補正ステップにより周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出ステップと、前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差を補正する位相補正ステップと、前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成ステップと、前記位相制御情報生成ステップにより生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成ステップとを有し、前記周波数補正ステップが、前記周波数制御情報生成ステップにより生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、位相補正のみでは、信号の復元ができない場合には、位相誤差に対応して周波数の補正が行われ、更に、位相補正が行われることになり、信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明による第1の信号制御装置を内蔵する受信機の構成を示す図である。図1に示す第1の受信機100−1は、例えば、基地局との間で通信を行う携帯電話機内に設けられるものであり、アナログ処理部110とデジタル処理部120とにより構成される。
【0022】
アナログ処理部110は、アンテナ111と、RF部112と、アナログ/デジタル変換部(A/D)114を有する。一方、デジタル処理部120は、復調・デシメーション処理部122と、周波数制御情報生成手段及び周波数補正手段に対応する周波数補正部124と、位相誤差検出手段、位相補正手段及び位相制御情報生成手段に対応する位相制御部126と、周波数制御情報生成手段に対応する周波数制御部128と、ベースバンド処理部130とにより構成される。
【0023】
RF部112は、アンテナ111によって受信された基地局等からのアナログの信号を入力し、当該アナログ受信信号の周波数を所定の周波数(例えば、ベースバンド周波数)に変換する。周波数が変換されたアナログ受信信号は、A/D114へ入力される。A/D114は、この周波数が変換されたアナログ受信信号をデジタルの受信信号に変換し、デジタル処理部120内の復調・デシメーション処理部122へ出力する。復調・デシメーション処理部122は、入力したデジタル受信信号を復調する。更に、復調・デシメーション処理部122は、図示しないデシメーションフィルタを内蔵し、復調後のデジタル受信信号のサンプリング周波数を所定周波数に低減して出力する。
【0024】
位相制御部126は、復調・デシメーション処理部122から出力されるデジタル受信信号を、周波数補正部124を介して入力され、当該デジタル受信信号に生じている位相誤差を除去すべく、位相誤差を検出し、当該位相誤差をシンボル毎に積分して、位相誤差情報を生成する。
【0025】
図2は、位相制御部126の構成を示す図である。図2に示す位相制御部126は、乗算器202、乗算器204、符号反転器(NEG)206、リミッタ(LM)208、乗算器210、加算器212、位相誤差情報保持手段に対応する積分タップ(nT)214、乗算器126、乗算器218、加算器220、乗算器222、乗算器224、加算器226、加算器228、二乗和演算部230、逆数演算部232、乗算器234及びタップ(nT)236により構成される。
【0026】
図3は、位相制御部126の動作を示すフローチャートである。受信開始すると(S101にて肯定判断)、位相制御部126は、復調・デシメーション処理部122から出力されるデジタル受信信号を、周波数補正部124を介して入力され、当該デジタル受信信号の位相誤差を検出する(S102)。更に、位相制御部126がその位相誤差を積分することで位相誤差情報(GTA0)が生成され、保持される(S103)。
【0027】
具体的には、乗算器204は、デジタル受信信号と、正規化ベクトルNORX及びNORYとを乗算し、デジタル受信信号をベクトル平面の所定位置に正規化してイマジナリ成分(im)を出力する。当該出力値が、その時点で検出された位相誤差となる。符号反転器206は、この位相誤差を符号反転し、リミッタ208は、符号反転器206の出力を所定範囲に制限して出力する。
【0028】
乗算器210、加算器212、積分タップ214及び乗算器218は、積分回路を構成している。乗算器210は、リミッタ208の出力に係数OFT1を乗算する。積分タップ214には、前シンボルにおいて検出された位相誤差の積分結果が保持されており、加算器212が乗算器210の出力と、積分タップ214の出力とを加算することで、位相誤差情報(GTA0)が更新される。
【0029】
次に、位相制御部126は、位相誤差を除去するための位相補正量(ZZR、ZZI)を算出し、反映する(S104)。具体的には、乗算器216は、リミッタ208の出力に係数OFT2を乗算する。加算器220は、乗算器216の出力と乗算器218の出力とを加算する。乗算器222、224、加算器226、228、二乗和演算部230、逆数演算部232、乗算器234及びタップ236は、積分回路を構成している。乗算器222は、加算器220の出力とタップ236の出力のイマジナリ成分とを乗算する。また、乗算器224は、加算器220の出力とタップ236の出力のリアル成分とを乗算する。加算器226は、タップ236の出力のリアル成分から乗算器222の出力を減算する。また、加算器228は、タップ236の出力のイマジナリ成分と乗算器224の出力とを加算する。二乗和演算部230は、加算器226及び228の出力から二乗和を算出する。逆数演算部232は、二乗和演算部230の出力の逆数を演算する。乗算器234は、加算器226及び228の出力と逆数演算部232の出力とを乗算する。これにより、振幅の正規化が行われ、得られた値がタップ236に保持され、新たな位相補正値(ZZR、ZZI)となる。
【0030】
位相制御部126は、ガードタイム時(S105にて肯定判断)、S103において生成され、保持している位相誤差情報(GTA0)を周波数制御部128へ出力する(S106)。
【0031】
次に、位相制御部126は、周波数制御部128からの後述するタップリセット信号(RST)を入力したか否かを判定する(S107)。ここでは、タップリセット信号(RST)は、積分タップ214に入力される。タップリセット信号(RST)を入力していない場合には、再び、受信開始待ち(S101)に戻り、以降の動作が繰り返される。一方、タップリセット信号(RST)を入力した場合には、積分タップ214がリセットされ(S108)、再び、受信開始待ち(S101)に戻り、以降の動作が繰り返される。
【0032】
このようにして、位相制御部126による位相誤差の積分結果である位相誤差情報(
GTA0)が生成され、周波数制御部128へ出力されると、当該周波数制御部128は、デジタル受信信号に生じている周波数オフセットを除去するために必要な処理を行う。
【0033】
図4は、周波数制御部128の構成を示す図である。図4に示す周波数制御部128は、比較手段に対応する位相誤差判定部302、位相周波数変換情報生成手段に対応する加算器304、リミッタ(LM)306、タップ(T)308、及び、リセット制御手段に対応するタップリセット信号発生部310により構成される。
【0034】
図5は、周波数制御部128の動作を示すフローチャートである。位相誤差判定部302は、位相制御部126内の積分タップ214からの位相誤差情報(GTA0)を入力したか否かを判定する(S201)。位相誤差情報(GTA0)を入力した場合、位相誤差判定部302は、当該位相誤差情報(GTA0)が予め定められた第1閾値よりも大きいか否かを判定する(S202)。
【0035】
ここで、閾値とは、後述する周波数補正部においてデジタル受信信号の周波数を補正すべき条件に応じて定められたものであり、具体的には、周波数補正部における周波数補正単位に対応して定められている値である。ここで、第1閾値とは該周波数補正単位の正方向に対応した位相誤差情報(GTA0)であり、第2閾値とは該周波数補正単位の負方向に対応した位相誤差情報(GTA0)である。位相誤差情報(GTA0)が第1閾値よりも大きい場合には、位相誤差判定部302は、出力値を−1とする(S203)。
【0036】
一方、位相誤差情報(GTA0)が第1閾値以下である場合には、位相誤差判定部302は、当該位相誤差情報(GTA0)が予め定められた第2閾値よりも小さいか否かを判定する(S204)。
【0037】
位相誤差情報(GTA0)が第2閾値よりも小さい場合には、位相誤差判定部302は、出力値を+1とする(S205)。
【0038】
一方、S204において、否定判断である場合、すなわち、位相誤差情報(GTA0)が第2閾値以上、且つ、第1閾値以下のいずれかの値である場合、位相誤差判定部302は、出力値を0とする(S206)。
【0039】
このようにして、位相誤差判定部302の出力値が定められると、加算器304は、当該出力値とタップ308に保持されている値とを加算する。この加算値は、リミッタ306によって大きさが所定範囲に制限された後、位相周波数変換情報である周波数オフセット情報(FST)として、周波数補正部124へ出力される(S207)。
【0040】
更に、タップ308は、リミッタ306によって大きさが制限された加算値である周波数オフセット情報(FST)を入力する。これにより、タップ308に保持されている、前ガードタイム時において得られた周波数オフセット情報(FST)が新たな周波数オフセット情報(FST)に更新される。このタップ308の出力値は、次ガードタイム時において、加算器304が位相誤差判定部302の出力値と、タップ308の出力値とを加算する際に用いられる。
【0041】
また、タップリセット信号発生部310は、タップ308の出力である周波数オフセット情報(FST)を入力すると、当該周波数オフセット情報(FST)と、前ガードタイム時において入力したタップ308の出力である周波数オフセット情報(FST)とを比較し、変化があるか否かを判定する(S209)。
【0042】
周波数オフセット情報(FST)に変化がない場合、換言すれば、位相誤差情報(GTA0)が第2閾値以上、且つ、第1閾値以下のいずれかの値であって、位相誤差判定部302の出力値が0である場合には、タップリセット信号(RST)は発生しない。
【0043】
周波数オフセット情報(FST)に変化がある場合、換言すれば、位相誤差情報(GTA0)が第1閾値より大きいか、第2閾値より小さいかのいずれかであって、位相誤差判定部302の出力値が1又は−1である場合は、タップリセット信号(RST)が出力される。
【0044】
タップリセット信号発生部310は、積分タップ214に対して、当該積分タップ214をリセットさせるためのタップリセット信号(RST)を出力する(S210)。これにより、上述した図3のS108に示すように、タップリセット信号(RST)を入力した積分タップ214がリセットされる。また、タップリセット信号発生部310は、同様に周波数補正部124にも、タップリセット信号(RST)を出力する(S210)。その後は、再び、次ガードタイム時において、位相誤差情報(GTA0)が入力されたか否かの判定(S201)以降の動作が繰り返される。
【0045】
従って、位相誤差情報(GTA0)が第1閾値より大きいか、第2閾値より小さいかのいずれかである場合には、周波数オフセット情報(FST)を更新し、位相制御部126における位相誤差に応じた位相補正に代えて、後述する周波数補正部124における周波数の補正が行われるようにする。
【0046】
図6は、周波数補正部124の構成を示す図である。図6に示す周波数補正部124は、加算器402、論理積演算器(AND)404、タップ(nT)406、キャリアシフトテーブル参照部408、テーブル保持手段に対応するキャリアシフトテーブル保持部409、及び、乗算器410により構成される。
【0047】
図7は、周波数補正部124の動作を示すフローチャートである。受信を開始すると(S301にて肯定判断)、周波数補正部124では、前ガードタイム時に入力された周波数オフセット情報(FST)とタップ406に保持されている値とを加算器402で加算する。この加算値は、論理積演算器(AND)404へ出力される。論理積演算器(AND)404は、入力した加算値と、後述するキャリアシフトテーブル保持部409に保持されたキャリアシフトテーブルのレコード数(インデックス数)mから1を引いたm−1との論理積を算出し、参照インデックスとする。
【0048】
例えば、周波数オフセット情報(FST)が2、タップ406に保持されている値が14、インデックス数が16の場合、加算器402における出力である加算値は、周波数オフセット情報(FST)の2と、タップ406に保持されている値の14とを加算した16となる。そして、論理積演算器(AND)404では、この加算値16(2進数:10000)とインデックス数16から1を引いた15(2進数:1111)のビット列との論理積結果0を得る。この演算により、キャリアシフトテーブル参照部408において、キャリアシフトテーブル保持部409に保持されたキャリアシフトテーブルの各レコードが循環的に参照される。条件としてインデックス数mは2のべき乗である。
【0049】
論理積演算器(AND)404において算出された参照インデックスは、キャリアシフトテーブル参照部408に送られる。また、参照インデックスは、タップ406に送られ、当該タップ406に保持される(S302)。
【0050】
キャリアシフトテーブル参照部408は、論理積演算器(AND)404からの参照インデックスを入力すると、キャリアシフトテーブル保持部409に保持されたキャリアシフトテーブルを参照し、参照インデックスに対応する周波数補正量を取得する(S303)。
【0051】
図8は、キャリアシフトテーブルの一例を示す図である。図8に示すように、キャリアシフトテーブルは、インデックスと、リアル成分及びイマジナル成分のそれぞれにおける周波数補正量とが対応付けられて各レコードが構成される。キャリアシフトテーブル参照部408は、AND回路404からの参照インデックスと同一のインデックスに対応付けられた周波数補正量を取得する。
【0052】
取得された周波数補正量は、乗算器410へ送られる。乗算器410は、この周波数補正量を入力すると、復調・デシメーション処理部122からのデジタル受信信号のベクトル成分に、周波数補正量のベクトル成分を乗算する(S304)。このS302からS304の一連動作をシンボル毎に繰り返すことで、デジタル受信信号の周波数が補正され、周波数オフセットが除去される(S304)。
【0053】
また、周波数補正部124はガードタイム時(S305で肯定判断)、周波数制御部128からのタップリセット信号(RST)を入力したか否かを判定する(S306)。タップリセット信号(RST)を入力していない場合には、再び、受信開始待ち(S301)に戻り、以降の動作が繰り返される。一方、タップリセット信号(RST)を入力した場合には、タップ406がリセットされるとともに、周波数オフセット情報(FST)が入力され(S307)、再び、受信開始待ち(S301)以降の動作が繰り返される。
【0054】
再び、図1に戻って説明する。乗算器410が出力する周波数補正後のデジタル受信信号は、位相制御部126へ送られる。位相制御部126は、この周波数補正後のデジタル受信信号について、図3のS102において算出した位相補正量に基づいて、位相誤差を除去すべく、位相の補正を行う。具体的には、位相制御部126内の乗算器202は、周波数補正後のデジタル受信信号と、タップ236に保持されている位相補正量(ZZR、ZZI)とを乗算することによって、位相補正量(ZZR、ZZI)に応じた位相補正がなされたデジタル受信信号を出力する。更に、ベースバンド処理部130は、位相制御部126からの位相補正後のデジタル受信信号を入力し、連続データに変換して、図示しない受信データ処理部等へ出力する。
【0055】
このように、第1の受信機100−1は、受信信号の位相誤差の積分結果である位相誤差情報を生成し、更に、当該位相誤差情報に基づいて、受信信号の周波数の補正量を設定して受信信号の周波数を補正する。従って、位相補正のみでは、信号の復元ができない場合には、位相誤差の積分結果を周波数の補正量に変換して周波数の補正、換言すれば、位相補正に代えて周波数オフセットの除去を行い、当該周波数オフセットが除去された後に位相補正が行われるため、受信信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【0056】
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図9は、本発明による第2の信号制御装置を内蔵する受信機の構成を示す図である。図9に示す第2の受信機100−2は、図1に示す第1の受信機100−1と同様、例えば、基地局との間で通信を行う携帯電話機内のモデムに設けられるものである。この第2の受信機100−2は、第1の受信機100−1と比較すると、復調・デシメーション処理部132に、周波数補正部134が内蔵された構成となっている。
【0057】
図10は、周波数補正部134の構成を示す図である。図10に示す周波数補正部134は、加算器452、論理積演算器(AND)454、タップ(nT)456、テーブル選択部457、デシメーション復調テーブル参照部458、テーブル保持手段に対応するデシメーション復調テーブル保持部459、及び、乗算器460により構成される。
【0058】
図11は、周波数補正部134の動作を示すフローチャートである。受信を開始すると(S401)、周波数補正部134の加算器452は、固定値1が入力され、当該固定値1とタップ456に保持されている値とを加算する。この加算値は、論理積演算器(AND)454へ出力される。論理積演算器(AND)454は、入力した加算値と、後述するデシメーション復調テーブル保持部459に保持されたデシメーション復調テーブルのレコード数(インデックス数)mから1を引いたm−1との論理積を算出し、参照インデックスとする(S402)。この演算により、デシメーション復調テーブル参照部458において、デシメーション復調テーブル保持部459に保持されたデシメーション復調テーブルのレコードが循環的に参照される。
【0059】
論理積演算器(AND)454において算出された参照インデックスは、デシメーション復調テーブル参照部458に送られる。また、参照インデックスは、タップ456に送られ、当該タップ456に保持される。更に、デシメーション復調テーブル参照部458は、論理積演算器(AND)454からの参照インデックスに基づいて、後述するS407にて選択しているデシメーション復調テーブルを参照し、参照インデックスに対応する補正乗算値を取得する(S403)。乗算器460は、この補正乗算値をA/D11からのデジタル受信信号のスカラ成分に乗算する(S404)。このS402からS404の一連動作をシンボル毎に繰り返すことで、デジタル受信信号がデシメーション、復調されるとともに、周波数が補正されて周波数オフセットが除去される。また、周波数補正部134は、ガードタイム時(S405で肯定判断)、周波数制御部128からのタップリセット信号(RST)を入力したか否かを判定する(S406)。タップリセット信号(RST)を入力していない場合には、再び、受信開始待ち(S401)に戻り、以降の動作が繰り返される。一方、タップリセット信号(RST)を入力した場合には、タップ456がリセットされる。
【0060】
また、周波数制御部128からの周波数オフセット情報(FST)がテーブル選択部457に入力され(S407)、この周波数オフセット情報(FST)は、デシメーション復調テーブル選択情報として、デシメーション復調テーブル参照部458へ送られる。
【0061】
デシメーション復調テーブル参照部458は、テーブル選択部457からデシメーション復調テーブル選択情報に基づいて、デシメーション復調テーブル参照部458に保持されているデシメーション復調テーブルを選択する。図12は、周波数オフセット情報(FST)とデシメーション復調テーブルとの対応関係を示す図である。デシメーション復調テーブルは、周波数オフセット情報(FST)毎に用意されている。各デシメーション復調テーブルは、復調と周波数補正の双方を行う際の乗算器460における補正乗算値である。そして、再び、受信開始待ち(S401)以降の動作が繰り返される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上、説明したように、本発明の信号制御装置及び信号制御方法では、受信信号に生じた周波数オフセット及び位相誤差を適切に除去することが可能であり、信号制御装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】信号制御装置を内蔵する第1の受信機の構成を示す図である。
【図2】位相制御部の構成を示す図である。
【図3】位相制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】周波数制御部の構成を示す図である。
【図5】周波数制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】周波数補正部の第1の構成を示す図である。
【図7】周波数補正部の第1の動作を示すフローチャートである。
【図8】キャリアシフトテーブルの構成を示す図である。
【図9】信号制御装置を内蔵する第2の受信機の構成を示す図である。
【図10】周波数補正部の第2の構成を示す図である。
【図11】周波数補正部の第2の動作を示すフローチャートである。
【図12】周波数オフセット情報とデシメーション復調テーブルとの対応関係を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
100−1、100−2 受信機
110 アナログ処理部
111 アンテナ
112 RF部
114 A/D
120 デジタル処理部
122、132 復調・デシメーション処理部
124、134 周波数補正部
126 位相制御部
128 周波数制御部
130 ベースバンド処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御装置、該信号制御装置を有する受信機、及び、信号制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電話回線や専用回線を使用してデータを伝送する際に用いられる通信装置内の受信機では、受信信号に位相誤差が生じることがある。特に、高速通信を実現するために64QAM等の変調方式が採用される場合には、ベクトル平面におけるシンボル点の密度が高く、シンボル点間の距離が短い。このため、高精度の位相補正が必要である。
【0003】
このような問題の対策として、受信機には、キャリア位相制御回路が設けられている。このキャリア位相制御回路によって、受信信号に生じた位相誤差を除去し、通信品質を向上させることが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−172464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、受信信号には、大きな周波数オフセットが生じる場合がある。このような場合、受信機において、上述した方法を用いて位相誤差を除去することはできるが、大きな周波数オフセットに対しては追従限度がある。このため、周波数オフセットが生じた場合には、位相誤差の除去と共に、当該周波数オフセットを適切に除去することが要求されている。
【0005】
そこで、本発明は、周波数オフセットと位相誤差の双方を適切に除去することが可能な信号制御装置及び信号制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御装置であって、前記受信信号の周波数を補正する周波数補正手段と、前記周波数補正手段により周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出手段と、前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差を補正する位相補正手段と、前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成手段と、前記位相制御情報生成手段により生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成手段とを有し、前記周波数補正手段が、前記周波数制御情報生成手段により生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、前段で受信信号の周波数を補正し、後段で受信信号の位相を補正する構成において、受信信号の位相誤差に対応する位相制御情報を生成し、当該位相制御情報に基づいて、受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報を生成して、当該周波数制御情報に基づいて、受信信号の周波数が補正される。従って、位相補正のみでは、信号の復元ができない場合には、位相誤差に対応して周波数の補正が行われ、更に、位相補正が行われることになり、信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【0008】
また、本発明の信号制御装置は、前記位相制御情報生成手段は、前記位相誤差検出手段により繰り返して検出される位相誤差の積分値に対応する位相制御情報を生成するようにしてもよい。
【0009】
この構成によれば、位相誤差が繰り返し検出された場合における、その位相誤差の積分値に対応する位相制御情報に基づいて、受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報を生成し、当該周波数制御情報に基づいて、前記信号の周波数が補正される。従って、位相補正のみを繰り返しても信号の復元ができない場合には、位相誤差の積分値に対応して周波数の補正が行われ、更に、位相補正が行われることになり、信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【0010】
また、本発明の信号制御装置は、前記周波数制御情報生成手段が、前記位相制御情報生成手段により位相制御情報が生成される毎に、該位相制御情報と、前記信号の周波数を補正すべき条件に応じて定められた第1の閾値、及び、該第1の閾値よりも小さい第2の閾値とを比較する比較手段と、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値より大きいと判断された場合に減少し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第2の閾値より小さいと判断された場合に増加し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値以下であって、且つ、前記第2の閾値以上であると判断された場合に変化しない位相周波数変換情報を生成する位相周波数変換情報生成手段とを有し、前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報に応じて定められる周波数の補正量を前記周波数制御情報として生成するようにしてもよい。
【0011】
この構成によれば、位相制御情報の大きさに応じて、適切な周波数の補正量を設定することが可能となる。
【0012】
また、本発明の信号制御装置は、前記位相制御情報生成手段が、生成した位相制御情報を保持する位相制御情報保持手段を有し、前記周波数制御情報生成手段が、前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報が1つ前に生成された位相周波数変換情報と同一でない場合に、前記位相制御情報保持手段により保持される位相制御情報をリセットさせるリセット制御手段を有するようにしてもよい。
【0013】
この構成によれば、位相周波数変換情報が変化する場合には、位相誤差に対応する周波数の補正量が確定するため、位相誤差に対応する位相制御情報をリセットさせて、次の周波数オフセットの除去に備えることができる。
【0014】
また、本発明の信号制御装置は、前記周波数補正手段が、前記周波数制御情報生成手段により周波数制御情報として生成された周波数の補正量を、前記信号の周波数に乗算するようにしてもよい。
【0015】
この構成によれば、設定された周波数の補正量を係数とした周波数を乗算することによって、受信信号に生じた周波数オフセットが除去される。
【0016】
また、本発明の信号制御装置は、前記周波数補正手段が、前記周波数制御情報に対応するテーブルを保持するテーブル保持手段を有し、前記テーブル保持手段に保持されたテーブルを参照して、周波数の補正乗算値を生成するようにしてもよい。
【0017】
この構成によれば、周波数制御情報に対応するテーブルを保持しておくようにすることで、演算量を削減することができる。
【0018】
また、本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された信号から得られる受信信号を処理する上述したいずれかに記載の信号制御装置とを有することを特徴とする受信機である。
【0019】
また、本発明は、位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御方法であって、前記受信信号の周波数を補正する周波数補正ステップと、前記周波数補正ステップにより周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出ステップと、前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差を補正する位相補正ステップと、前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成ステップと、前記位相制御情報生成ステップにより生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成ステップとを有し、前記周波数補正ステップが、前記周波数制御情報生成ステップにより生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、位相補正のみでは、信号の復元ができない場合には、位相誤差に対応して周波数の補正が行われ、更に、位相補正が行われることになり、信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明による第1の信号制御装置を内蔵する受信機の構成を示す図である。図1に示す第1の受信機100−1は、例えば、基地局との間で通信を行う携帯電話機内に設けられるものであり、アナログ処理部110とデジタル処理部120とにより構成される。
【0022】
アナログ処理部110は、アンテナ111と、RF部112と、アナログ/デジタル変換部(A/D)114を有する。一方、デジタル処理部120は、復調・デシメーション処理部122と、周波数制御情報生成手段及び周波数補正手段に対応する周波数補正部124と、位相誤差検出手段、位相補正手段及び位相制御情報生成手段に対応する位相制御部126と、周波数制御情報生成手段に対応する周波数制御部128と、ベースバンド処理部130とにより構成される。
【0023】
RF部112は、アンテナ111によって受信された基地局等からのアナログの信号を入力し、当該アナログ受信信号の周波数を所定の周波数(例えば、ベースバンド周波数)に変換する。周波数が変換されたアナログ受信信号は、A/D114へ入力される。A/D114は、この周波数が変換されたアナログ受信信号をデジタルの受信信号に変換し、デジタル処理部120内の復調・デシメーション処理部122へ出力する。復調・デシメーション処理部122は、入力したデジタル受信信号を復調する。更に、復調・デシメーション処理部122は、図示しないデシメーションフィルタを内蔵し、復調後のデジタル受信信号のサンプリング周波数を所定周波数に低減して出力する。
【0024】
位相制御部126は、復調・デシメーション処理部122から出力されるデジタル受信信号を、周波数補正部124を介して入力され、当該デジタル受信信号に生じている位相誤差を除去すべく、位相誤差を検出し、当該位相誤差をシンボル毎に積分して、位相誤差情報を生成する。
【0025】
図2は、位相制御部126の構成を示す図である。図2に示す位相制御部126は、乗算器202、乗算器204、符号反転器(NEG)206、リミッタ(LM)208、乗算器210、加算器212、位相誤差情報保持手段に対応する積分タップ(nT)214、乗算器126、乗算器218、加算器220、乗算器222、乗算器224、加算器226、加算器228、二乗和演算部230、逆数演算部232、乗算器234及びタップ(nT)236により構成される。
【0026】
図3は、位相制御部126の動作を示すフローチャートである。受信開始すると(S101にて肯定判断)、位相制御部126は、復調・デシメーション処理部122から出力されるデジタル受信信号を、周波数補正部124を介して入力され、当該デジタル受信信号の位相誤差を検出する(S102)。更に、位相制御部126がその位相誤差を積分することで位相誤差情報(GTA0)が生成され、保持される(S103)。
【0027】
具体的には、乗算器204は、デジタル受信信号と、正規化ベクトルNORX及びNORYとを乗算し、デジタル受信信号をベクトル平面の所定位置に正規化してイマジナリ成分(im)を出力する。当該出力値が、その時点で検出された位相誤差となる。符号反転器206は、この位相誤差を符号反転し、リミッタ208は、符号反転器206の出力を所定範囲に制限して出力する。
【0028】
乗算器210、加算器212、積分タップ214及び乗算器218は、積分回路を構成している。乗算器210は、リミッタ208の出力に係数OFT1を乗算する。積分タップ214には、前シンボルにおいて検出された位相誤差の積分結果が保持されており、加算器212が乗算器210の出力と、積分タップ214の出力とを加算することで、位相誤差情報(GTA0)が更新される。
【0029】
次に、位相制御部126は、位相誤差を除去するための位相補正量(ZZR、ZZI)を算出し、反映する(S104)。具体的には、乗算器216は、リミッタ208の出力に係数OFT2を乗算する。加算器220は、乗算器216の出力と乗算器218の出力とを加算する。乗算器222、224、加算器226、228、二乗和演算部230、逆数演算部232、乗算器234及びタップ236は、積分回路を構成している。乗算器222は、加算器220の出力とタップ236の出力のイマジナリ成分とを乗算する。また、乗算器224は、加算器220の出力とタップ236の出力のリアル成分とを乗算する。加算器226は、タップ236の出力のリアル成分から乗算器222の出力を減算する。また、加算器228は、タップ236の出力のイマジナリ成分と乗算器224の出力とを加算する。二乗和演算部230は、加算器226及び228の出力から二乗和を算出する。逆数演算部232は、二乗和演算部230の出力の逆数を演算する。乗算器234は、加算器226及び228の出力と逆数演算部232の出力とを乗算する。これにより、振幅の正規化が行われ、得られた値がタップ236に保持され、新たな位相補正値(ZZR、ZZI)となる。
【0030】
位相制御部126は、ガードタイム時(S105にて肯定判断)、S103において生成され、保持している位相誤差情報(GTA0)を周波数制御部128へ出力する(S106)。
【0031】
次に、位相制御部126は、周波数制御部128からの後述するタップリセット信号(RST)を入力したか否かを判定する(S107)。ここでは、タップリセット信号(RST)は、積分タップ214に入力される。タップリセット信号(RST)を入力していない場合には、再び、受信開始待ち(S101)に戻り、以降の動作が繰り返される。一方、タップリセット信号(RST)を入力した場合には、積分タップ214がリセットされ(S108)、再び、受信開始待ち(S101)に戻り、以降の動作が繰り返される。
【0032】
このようにして、位相制御部126による位相誤差の積分結果である位相誤差情報(
GTA0)が生成され、周波数制御部128へ出力されると、当該周波数制御部128は、デジタル受信信号に生じている周波数オフセットを除去するために必要な処理を行う。
【0033】
図4は、周波数制御部128の構成を示す図である。図4に示す周波数制御部128は、比較手段に対応する位相誤差判定部302、位相周波数変換情報生成手段に対応する加算器304、リミッタ(LM)306、タップ(T)308、及び、リセット制御手段に対応するタップリセット信号発生部310により構成される。
【0034】
図5は、周波数制御部128の動作を示すフローチャートである。位相誤差判定部302は、位相制御部126内の積分タップ214からの位相誤差情報(GTA0)を入力したか否かを判定する(S201)。位相誤差情報(GTA0)を入力した場合、位相誤差判定部302は、当該位相誤差情報(GTA0)が予め定められた第1閾値よりも大きいか否かを判定する(S202)。
【0035】
ここで、閾値とは、後述する周波数補正部においてデジタル受信信号の周波数を補正すべき条件に応じて定められたものであり、具体的には、周波数補正部における周波数補正単位に対応して定められている値である。ここで、第1閾値とは該周波数補正単位の正方向に対応した位相誤差情報(GTA0)であり、第2閾値とは該周波数補正単位の負方向に対応した位相誤差情報(GTA0)である。位相誤差情報(GTA0)が第1閾値よりも大きい場合には、位相誤差判定部302は、出力値を−1とする(S203)。
【0036】
一方、位相誤差情報(GTA0)が第1閾値以下である場合には、位相誤差判定部302は、当該位相誤差情報(GTA0)が予め定められた第2閾値よりも小さいか否かを判定する(S204)。
【0037】
位相誤差情報(GTA0)が第2閾値よりも小さい場合には、位相誤差判定部302は、出力値を+1とする(S205)。
【0038】
一方、S204において、否定判断である場合、すなわち、位相誤差情報(GTA0)が第2閾値以上、且つ、第1閾値以下のいずれかの値である場合、位相誤差判定部302は、出力値を0とする(S206)。
【0039】
このようにして、位相誤差判定部302の出力値が定められると、加算器304は、当該出力値とタップ308に保持されている値とを加算する。この加算値は、リミッタ306によって大きさが所定範囲に制限された後、位相周波数変換情報である周波数オフセット情報(FST)として、周波数補正部124へ出力される(S207)。
【0040】
更に、タップ308は、リミッタ306によって大きさが制限された加算値である周波数オフセット情報(FST)を入力する。これにより、タップ308に保持されている、前ガードタイム時において得られた周波数オフセット情報(FST)が新たな周波数オフセット情報(FST)に更新される。このタップ308の出力値は、次ガードタイム時において、加算器304が位相誤差判定部302の出力値と、タップ308の出力値とを加算する際に用いられる。
【0041】
また、タップリセット信号発生部310は、タップ308の出力である周波数オフセット情報(FST)を入力すると、当該周波数オフセット情報(FST)と、前ガードタイム時において入力したタップ308の出力である周波数オフセット情報(FST)とを比較し、変化があるか否かを判定する(S209)。
【0042】
周波数オフセット情報(FST)に変化がない場合、換言すれば、位相誤差情報(GTA0)が第2閾値以上、且つ、第1閾値以下のいずれかの値であって、位相誤差判定部302の出力値が0である場合には、タップリセット信号(RST)は発生しない。
【0043】
周波数オフセット情報(FST)に変化がある場合、換言すれば、位相誤差情報(GTA0)が第1閾値より大きいか、第2閾値より小さいかのいずれかであって、位相誤差判定部302の出力値が1又は−1である場合は、タップリセット信号(RST)が出力される。
【0044】
タップリセット信号発生部310は、積分タップ214に対して、当該積分タップ214をリセットさせるためのタップリセット信号(RST)を出力する(S210)。これにより、上述した図3のS108に示すように、タップリセット信号(RST)を入力した積分タップ214がリセットされる。また、タップリセット信号発生部310は、同様に周波数補正部124にも、タップリセット信号(RST)を出力する(S210)。その後は、再び、次ガードタイム時において、位相誤差情報(GTA0)が入力されたか否かの判定(S201)以降の動作が繰り返される。
【0045】
従って、位相誤差情報(GTA0)が第1閾値より大きいか、第2閾値より小さいかのいずれかである場合には、周波数オフセット情報(FST)を更新し、位相制御部126における位相誤差に応じた位相補正に代えて、後述する周波数補正部124における周波数の補正が行われるようにする。
【0046】
図6は、周波数補正部124の構成を示す図である。図6に示す周波数補正部124は、加算器402、論理積演算器(AND)404、タップ(nT)406、キャリアシフトテーブル参照部408、テーブル保持手段に対応するキャリアシフトテーブル保持部409、及び、乗算器410により構成される。
【0047】
図7は、周波数補正部124の動作を示すフローチャートである。受信を開始すると(S301にて肯定判断)、周波数補正部124では、前ガードタイム時に入力された周波数オフセット情報(FST)とタップ406に保持されている値とを加算器402で加算する。この加算値は、論理積演算器(AND)404へ出力される。論理積演算器(AND)404は、入力した加算値と、後述するキャリアシフトテーブル保持部409に保持されたキャリアシフトテーブルのレコード数(インデックス数)mから1を引いたm−1との論理積を算出し、参照インデックスとする。
【0048】
例えば、周波数オフセット情報(FST)が2、タップ406に保持されている値が14、インデックス数が16の場合、加算器402における出力である加算値は、周波数オフセット情報(FST)の2と、タップ406に保持されている値の14とを加算した16となる。そして、論理積演算器(AND)404では、この加算値16(2進数:10000)とインデックス数16から1を引いた15(2進数:1111)のビット列との論理積結果0を得る。この演算により、キャリアシフトテーブル参照部408において、キャリアシフトテーブル保持部409に保持されたキャリアシフトテーブルの各レコードが循環的に参照される。条件としてインデックス数mは2のべき乗である。
【0049】
論理積演算器(AND)404において算出された参照インデックスは、キャリアシフトテーブル参照部408に送られる。また、参照インデックスは、タップ406に送られ、当該タップ406に保持される(S302)。
【0050】
キャリアシフトテーブル参照部408は、論理積演算器(AND)404からの参照インデックスを入力すると、キャリアシフトテーブル保持部409に保持されたキャリアシフトテーブルを参照し、参照インデックスに対応する周波数補正量を取得する(S303)。
【0051】
図8は、キャリアシフトテーブルの一例を示す図である。図8に示すように、キャリアシフトテーブルは、インデックスと、リアル成分及びイマジナル成分のそれぞれにおける周波数補正量とが対応付けられて各レコードが構成される。キャリアシフトテーブル参照部408は、AND回路404からの参照インデックスと同一のインデックスに対応付けられた周波数補正量を取得する。
【0052】
取得された周波数補正量は、乗算器410へ送られる。乗算器410は、この周波数補正量を入力すると、復調・デシメーション処理部122からのデジタル受信信号のベクトル成分に、周波数補正量のベクトル成分を乗算する(S304)。このS302からS304の一連動作をシンボル毎に繰り返すことで、デジタル受信信号の周波数が補正され、周波数オフセットが除去される(S304)。
【0053】
また、周波数補正部124はガードタイム時(S305で肯定判断)、周波数制御部128からのタップリセット信号(RST)を入力したか否かを判定する(S306)。タップリセット信号(RST)を入力していない場合には、再び、受信開始待ち(S301)に戻り、以降の動作が繰り返される。一方、タップリセット信号(RST)を入力した場合には、タップ406がリセットされるとともに、周波数オフセット情報(FST)が入力され(S307)、再び、受信開始待ち(S301)以降の動作が繰り返される。
【0054】
再び、図1に戻って説明する。乗算器410が出力する周波数補正後のデジタル受信信号は、位相制御部126へ送られる。位相制御部126は、この周波数補正後のデジタル受信信号について、図3のS102において算出した位相補正量に基づいて、位相誤差を除去すべく、位相の補正を行う。具体的には、位相制御部126内の乗算器202は、周波数補正後のデジタル受信信号と、タップ236に保持されている位相補正量(ZZR、ZZI)とを乗算することによって、位相補正量(ZZR、ZZI)に応じた位相補正がなされたデジタル受信信号を出力する。更に、ベースバンド処理部130は、位相制御部126からの位相補正後のデジタル受信信号を入力し、連続データに変換して、図示しない受信データ処理部等へ出力する。
【0055】
このように、第1の受信機100−1は、受信信号の位相誤差の積分結果である位相誤差情報を生成し、更に、当該位相誤差情報に基づいて、受信信号の周波数の補正量を設定して受信信号の周波数を補正する。従って、位相補正のみでは、信号の復元ができない場合には、位相誤差の積分結果を周波数の補正量に変換して周波数の補正、換言すれば、位相補正に代えて周波数オフセットの除去を行い、当該周波数オフセットが除去された後に位相補正が行われるため、受信信号に生じた周波数オフセットを位相誤差とともに適切に除去することが可能となる。
【0056】
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図9は、本発明による第2の信号制御装置を内蔵する受信機の構成を示す図である。図9に示す第2の受信機100−2は、図1に示す第1の受信機100−1と同様、例えば、基地局との間で通信を行う携帯電話機内のモデムに設けられるものである。この第2の受信機100−2は、第1の受信機100−1と比較すると、復調・デシメーション処理部132に、周波数補正部134が内蔵された構成となっている。
【0057】
図10は、周波数補正部134の構成を示す図である。図10に示す周波数補正部134は、加算器452、論理積演算器(AND)454、タップ(nT)456、テーブル選択部457、デシメーション復調テーブル参照部458、テーブル保持手段に対応するデシメーション復調テーブル保持部459、及び、乗算器460により構成される。
【0058】
図11は、周波数補正部134の動作を示すフローチャートである。受信を開始すると(S401)、周波数補正部134の加算器452は、固定値1が入力され、当該固定値1とタップ456に保持されている値とを加算する。この加算値は、論理積演算器(AND)454へ出力される。論理積演算器(AND)454は、入力した加算値と、後述するデシメーション復調テーブル保持部459に保持されたデシメーション復調テーブルのレコード数(インデックス数)mから1を引いたm−1との論理積を算出し、参照インデックスとする(S402)。この演算により、デシメーション復調テーブル参照部458において、デシメーション復調テーブル保持部459に保持されたデシメーション復調テーブルのレコードが循環的に参照される。
【0059】
論理積演算器(AND)454において算出された参照インデックスは、デシメーション復調テーブル参照部458に送られる。また、参照インデックスは、タップ456に送られ、当該タップ456に保持される。更に、デシメーション復調テーブル参照部458は、論理積演算器(AND)454からの参照インデックスに基づいて、後述するS407にて選択しているデシメーション復調テーブルを参照し、参照インデックスに対応する補正乗算値を取得する(S403)。乗算器460は、この補正乗算値をA/D11からのデジタル受信信号のスカラ成分に乗算する(S404)。このS402からS404の一連動作をシンボル毎に繰り返すことで、デジタル受信信号がデシメーション、復調されるとともに、周波数が補正されて周波数オフセットが除去される。また、周波数補正部134は、ガードタイム時(S405で肯定判断)、周波数制御部128からのタップリセット信号(RST)を入力したか否かを判定する(S406)。タップリセット信号(RST)を入力していない場合には、再び、受信開始待ち(S401)に戻り、以降の動作が繰り返される。一方、タップリセット信号(RST)を入力した場合には、タップ456がリセットされる。
【0060】
また、周波数制御部128からの周波数オフセット情報(FST)がテーブル選択部457に入力され(S407)、この周波数オフセット情報(FST)は、デシメーション復調テーブル選択情報として、デシメーション復調テーブル参照部458へ送られる。
【0061】
デシメーション復調テーブル参照部458は、テーブル選択部457からデシメーション復調テーブル選択情報に基づいて、デシメーション復調テーブル参照部458に保持されているデシメーション復調テーブルを選択する。図12は、周波数オフセット情報(FST)とデシメーション復調テーブルとの対応関係を示す図である。デシメーション復調テーブルは、周波数オフセット情報(FST)毎に用意されている。各デシメーション復調テーブルは、復調と周波数補正の双方を行う際の乗算器460における補正乗算値である。そして、再び、受信開始待ち(S401)以降の動作が繰り返される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上、説明したように、本発明の信号制御装置及び信号制御方法では、受信信号に生じた周波数オフセット及び位相誤差を適切に除去することが可能であり、信号制御装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】信号制御装置を内蔵する第1の受信機の構成を示す図である。
【図2】位相制御部の構成を示す図である。
【図3】位相制御部の動作を示すフローチャートである。
【図4】周波数制御部の構成を示す図である。
【図5】周波数制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】周波数補正部の第1の構成を示す図である。
【図7】周波数補正部の第1の動作を示すフローチャートである。
【図8】キャリアシフトテーブルの構成を示す図である。
【図9】信号制御装置を内蔵する第2の受信機の構成を示す図である。
【図10】周波数補正部の第2の構成を示す図である。
【図11】周波数補正部の第2の動作を示すフローチャートである。
【図12】周波数オフセット情報とデシメーション復調テーブルとの対応関係を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
100−1、100−2 受信機
110 アナログ処理部
111 アンテナ
112 RF部
114 A/D
120 デジタル処理部
122、132 復調・デシメーション処理部
124、134 周波数補正部
126 位相制御部
128 周波数制御部
130 ベースバンド処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御装置であって、
前記受信信号の周波数を補正する周波数補正手段と、
前記周波数補正手段により周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出手段と、
前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差を補正する位相補正手段と、
前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成手段と、
前記位相制御情報生成手段により生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成手段とを有し、
前記周波数補正手段は、前記周波数制御情報生成手段により生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする信号制御装置。
【請求項2】
前記位相制御情報生成手段は、前記位相誤差検出手段により繰り返して検出される位相誤差の積分値に対応する位相制御情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。
【請求項3】
前記周波数制御情報生成手段は、
前記位相制御情報生成手段により位相制御情報が生成される毎に、該位相制御情報と、前記受信信号の周波数を補正すべき条件に応じて定められた第1の閾値、及び、該第1の閾値よりも小さい第2の閾値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値より大きいと判断された場合に減少し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第2の閾値より小さいと判断された場合に増加し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値以下であって、且つ、前記第2の閾値以上であると判断された場合に変化しない位相周波数変換情報を生成する位相周波数変換情報生成手段とを有し、
前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報に応じて定められる周波数の補正量を前記周波数制御情報として生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の信号制御装置。
【請求項4】
前記位相制御情報生成手段は、生成した位相制御情報を保持する位相制御情報保持手段を有し、
前記周波数制御情報生成手段は、前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報が1つ前に生成された位相周波数変換情報と同一でない場合に、前記位相制御情報保持手段により保持される位相制御情報をリセットさせるリセット制御手段を有することを特徴とする請求項3に記載の信号制御装置。
【請求項5】
前記周波数補正手段は、前記周波数制御情報生成手段により周波数制御情報として生成された周波数の補正量を、前記信号の周波数に乗算することを特徴とする請求項3又は4に記載の信号制御装置。
【請求項6】
前記周波数補正手段は、前記周波数制御情報に対応するテーブルを保持するテーブル保持手段を有し、
前記テーブル保持手段に保持されたテーブルを参照して、周波数の補正乗算値を生成することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の信号制御装置。
【請求項7】
位相変調された所定周波数の信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号から得られる受信信号を処理する請求項1乃至6のいずれかに記載の信号制御装置とを有することを特徴とする受信機。
【請求項8】
位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御方法であって、
前記受信信号の周波数を補正する周波数補正ステップと、
前記周波数補正ステップにより周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出ステップと、
前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差を補正する位相補正ステップと、
前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成ステップと、
前記位相制御情報生成ステップにより生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成ステップとを有し、
前記周波数補正ステップは、前記周波数制御情報生成ステップにより生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする信号制御方法。
【請求項1】
位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御装置であって、
前記受信信号の周波数を補正する周波数補正手段と、
前記周波数補正手段により周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出手段と、
前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差を補正する位相補正手段と、
前記位相誤差検出手段により検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成手段と、
前記位相制御情報生成手段により生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成手段とを有し、
前記周波数補正手段は、前記周波数制御情報生成手段により生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする信号制御装置。
【請求項2】
前記位相制御情報生成手段は、前記位相誤差検出手段により繰り返して検出される位相誤差の積分値に対応する位相制御情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。
【請求項3】
前記周波数制御情報生成手段は、
前記位相制御情報生成手段により位相制御情報が生成される毎に、該位相制御情報と、前記受信信号の周波数を補正すべき条件に応じて定められた第1の閾値、及び、該第1の閾値よりも小さい第2の閾値とを比較する比較手段と、
前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値より大きいと判断された場合に減少し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第2の閾値より小さいと判断された場合に増加し、前記比較手段により前記位相制御情報が前記第1の閾値以下であって、且つ、前記第2の閾値以上であると判断された場合に変化しない位相周波数変換情報を生成する位相周波数変換情報生成手段とを有し、
前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報に応じて定められる周波数の補正量を前記周波数制御情報として生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の信号制御装置。
【請求項4】
前記位相制御情報生成手段は、生成した位相制御情報を保持する位相制御情報保持手段を有し、
前記周波数制御情報生成手段は、前記位相周波数変換情報生成手段により生成された位相周波数変換情報が1つ前に生成された位相周波数変換情報と同一でない場合に、前記位相制御情報保持手段により保持される位相制御情報をリセットさせるリセット制御手段を有することを特徴とする請求項3に記載の信号制御装置。
【請求項5】
前記周波数補正手段は、前記周波数制御情報生成手段により周波数制御情報として生成された周波数の補正量を、前記信号の周波数に乗算することを特徴とする請求項3又は4に記載の信号制御装置。
【請求項6】
前記周波数補正手段は、前記周波数制御情報に対応するテーブルを保持するテーブル保持手段を有し、
前記テーブル保持手段に保持されたテーブルを参照して、周波数の補正乗算値を生成することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の信号制御装置。
【請求項7】
位相変調された所定周波数の信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号から得られる受信信号を処理する請求項1乃至6のいずれかに記載の信号制御装置とを有することを特徴とする受信機。
【請求項8】
位相変調された所定周波数の信号を受信して得られる受信信号の周波数及び位相を調整する信号制御方法であって、
前記受信信号の周波数を補正する周波数補正ステップと、
前記周波数補正ステップにより周波数が補正された受信信号の位相と前記位相変調により定められる位相との誤差を検出する位相誤差検出ステップと、
前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差を補正する位相補正ステップと、
前記位相誤差検出ステップにより検出された位相誤差に対応する位相制御情報を生成する位相制御情報生成ステップと、
前記位相制御情報生成ステップにより生成された位相制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数オフセットに対応する周波数制御情報生成ステップとを有し、
前記周波数補正ステップは、前記周波数制御情報生成ステップにより生成された周波数制御情報に基づいて、前記受信信号の周波数を補正することを特徴とする信号制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−147736(P2008−147736A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329128(P2006−329128)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(301022703)株式会社ネットインデックス (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(301022703)株式会社ネットインデックス (16)
【Fターム(参考)】
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