説明

像加熱装置

【課題】ヒータに電力を供給する電力供給回路を有する像加熱装置において、簡易な構成によって、電力供給回路に設けられているスイッチ素子の損傷を抑えることが可能な像加熱装置を提供する。
【解決手段】ヒータ120への電力供給を遮断可能な第1、第2スイッチ素子41、43のオン・オフを切り換えるスイッチ素子駆動回路45を備える像加熱装置において、コンデンサと抵抗とで構成される遅延手段を介してオン、オフの信号を第1、第2スイッチ素子41、43に伝達することで、第1、第2スイッチ素子41、43が同時にオン、オフすることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材上の画像を加熱する像加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力が供給されることで発熱するヒータを備えた像加熱装置が知られている。像加熱装置には、商用電源からヒータに電力を供給するための電力供給回路が設けられており、さらに電力供給回路には、ヒータへの電力供給を遮断可能な複数のスイッチ素子が設けられている。また、像加熱装置には、これらのスイッチ素子のオン・オフを切り換えるためのスイッチ素子駆動回路(安全回路ともいう)が設けられている。この構成によると、ヒータの温度が異常昇温した場合に安全回路によってスイッチ素子をオフに切り換えることで、像加熱装置が熱的なダメージを受けることを防ぐことができる。なお、関連する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−209718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の像加熱装置には次の課題がある。ヒータの温度が予め設定されている設定値よりも大きくなった場合にヒータへの電力供給を遮断すべくスイッチ素子をオフにする際、全てのスイッチ素子を同時にオフすると、各々のスイッチ素子でアーク放電が生じ、スイッチ素子の損傷を招いてしまう。同様に、駆動中にヒータの温度を上げるべくスイッチ素子をオンにする際、全てのスイッチ素子を同時にオンすると、各々のスイッチ素子でアーク放電が生じ、スイッチ素子の損傷を招いてしまう。このようにスイッチ素子が損傷すると、例えばヒータが異常昇温した場合にスイッチ素子を確実にオフできなくなる可能性があり、像加熱装置の熱的なダメージを受ける虞がある。
【0005】
そこで本発明は、ヒータに電力を供給する電力供給回路を有する像加熱装置において、簡易な構成によって、電力供給回路に設けられているスイッチ素子の損傷を抑えることが可能な像加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
商用電源から供給される電力により発熱するヒータを有する加熱部材と、前記加熱部材に圧接して加熱ニップ部を形成する加圧部材と、前記商用電源から前記ヒータに電力を供給する電力供給回路と、前記電力供給回路において前記商用電源と前記ヒータとの間に設けられ、前記ヒータへの電力供給を遮断可能な第1、第2スイッチ素子と、前記ヒータの温度が目標温度になるように、第1、第2スイッチ素子のオン・オフを切り換えるスイッチ素子駆動回路と、を備える像加熱装置において、前記ヒータに電力が供給されている状態で前記ヒータの温度が目標温度よりも高い場合は、前記スイッチ素子駆動回路において第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオフにするための信号が出力されることで、これらのスイッチ素子がオフにされ、像加熱装置が駆動中であって、かつ第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とがオフにされている状態で前記ヒータの温度が目標温度よりも低い場合は、前記スイッチ素子駆動回路において第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオンにするための信号が出力されることで、これらのスイッチ素子がオンにされると共に、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオフにする際にこれらのスイッチ素子を同時
にオフにせず、かつ、第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオンにする際にこれらのスイッチ素子を同時にオンにしないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ヒータに電力を供給する電力供給回路を有する像加熱装置において、簡易な構成によって、電力供給回路に設けられているスイッチ素子の損傷を抑えることが可能な像加熱装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態における画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1実施形態に係る像加熱装置の概略構成図。
【図3】第1実施形態における電力供給回路の概略構成図。
【図4】第1実施形態におけるスイッチ素子駆動回路の概略構成図。
【図5】第1実施形態におけるオンシーケンス、オフシーケンスのチャート図。
【図6】第2実施形態におけるスイッチ素子駆動回路の概略構成図。
【図7】第2実施形態におけるオンシーケンス、オフシーケンスのチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
(1−1:画像形成装置の概略構成)
本実施形態では、像加熱装置を画像形成装置の定着器として使用した場合について説明する。図1を参照して、本実施形態における画像形成装置について説明する。本実施形態における画像形成装置は、電子写真プロセスを利用したレーザプリンタである。
【0010】
レーザプリンタ本体1101(以下、本体1101)は、シート材Sを収納するカセット1102を有している。カセット1102におけるシート材Sの有無は、カセット有無センサ1103で検知しており、収納されているシート材Sのサイズは、複数のマイクロスイッチで構成されるサイズ検知センサ1104によって検知している。シート材Sを給送する際は、給送ローラ1105によってシート材Sを送り出し、レジストローラ対1106のニップ部にまでシート材Sを搬送する。
【0011】
レジストローラ対1106の下流には、レーザスキャナ部1107からのレーザ光に基づいてシート材S上にトナー像を形成する画像形成部1108が設けられている。さらに、画像形成部1108の下流には、シート材S上に形成されたトナー像を熱定着する定着器109(像加熱装置)が設けられている。また、定着器109の下流には、シート材Sを排出する排出ローラ1111、排出されたシート材Sを積載する積載トレイ1112、及び排出ローラ1111による排出状態を検知する排出センサ1113が設けられている。
【0012】
レーザスキャナ部1107は、外部装置1131から送出される画像信号(VDO信号)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット1120、レーザ光を走査するポリゴンモータ1114、結像レンズ1115、折り返しミラー1116を有する。画像形成部1108は、公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム1117、帯電ローラ1119、現像器1118、転写ローラ1145、クリーナ1146等から構成されている。
【0013】
メインモータ1123は、給送ローラ1105には給送ローラクラッチ1147を介して、レジストローラ対1106にはレジストローラクラッチ1125を介して駆動力を与えている。さらには、感光ドラム1117を含む画像形成部1108の各ユニット、定着器109、排出ローラ1111にも駆動力を与えている。
【0014】
画像形成装置には、制御部としてのエンジンコントローラ126が設けられている。エンジンコントローラ126は、レーザスキャナ部1107、画像形成部1108、定着器109による電子写真プロセスの制御、本体1101内のシート材Sの搬送制御を行なっている。また、エンジンコントローラ126には、接続ケーブル1128を介してビデオコントローラ1127が接続されている。ビデオコントローラ1127は、パーソナルコンピュータ等の外部装置1131と汎用のインタフェース(セントロニクス、RS232C等)1132で接続されている。この汎用インタフェース1132から送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータをVDO信号として、エンジンコントローラ126へ送出している。
【0015】
上述の構成により、シート材Sに対して画像を形成する際は、まず、感光ドラム1117上を走査露光することで形成された静電潜像に対して現像器1118からトナーを供給し、トナー像として現像する。その後、レジストローラ対1106からタイミングを計って搬送されてくるシート材Sに対して、感光ドラム1117と転写ローラ1145とのニップ部においてトナー像を転写する。シート材S上に転写されたトナー像は、定着器109において加熱、加圧されることで、シート材S上に定着される。このようにして画像が形成されたシート材Sは、排出ローラ1111によって積載トレイ1112上に排出される。
【0016】
(1−2:定着器の概略構成)
図2を参照して、定着器109の概略構成について説明する。図2(a)は、定着器109に設けられているヒータの概略構成を示すものであり、図2(b)は、定着器109の概略断面図である。
【0017】
図2(b)に示すように、定着器109は、内部にヒータ120を有する耐熱性の定着スリーブ100(加熱部材)と、ヒータ120と共に定着スリーブ100を挟むように定着スリーブ100に圧接する加圧ローラ150(加圧部材)とを有している。また、定着スリーブ100の内側には、定着スリーブ100が外嵌し定着スリーブ100の回転をガイドするガイド部材140と、ヒータ120を保持するヒータホルダ130とが設けられており、ヒータ120と定着スリーブ100内周面とが直接接触している。
【0018】
シート材は、定着スリーブ100と加圧ローラ150とで形成される加熱ニップ部に搬送され、該加熱ニップ部においてトナー像が加熱、加圧定着される。定着スリーブ100は可撓性を有しており、不図示の駆動源によって回転駆動される加圧ローラ150に従動回転する。かかる構成によると、定着スリーブ100の内周面とヒータ120とが直接摺動するので、ヒータ120で生じた熱を加熱ニップ部においてシート材に効率的に伝達することができる。
【0019】
ヒータ120の裏面(加熱ニップ部と反対側にある面)には、温度検出素子としてのサーミスタ120bと、温度保護素子としてのサーモスイッチ120aとが設けられている。サーミスタ120bは、ヒータ120の温度を検出し、その検出結果を不図示の制御部へ出力するものであり、サーモスイッチ120aは、ヒータ120が異常昇温した場合に装置を保護すべく、ヒータ120への電力供給を遮断するためのものである。
【0020】
図2(a)を参照して、ヒータ120の概略構成について説明する。図2(a)は、ヒータ120の裏面の概略構成を示すものである。図示するように、ヒータ120には基板としてSiC、AlN、Al等のセラミック基板155が用いられており、セラミック基板155上には、2本の発熱抵抗体121、122(ともに抵抗値R(Ω))がペースト印刷されている。これらの発熱抵抗体121、122は、商用電源から電力供給回
路を介して電力が供給されることで発熱する。また、発熱抵抗体121、122の表面は絶縁性を有するガラス等の保護層154によって覆われている。
【0021】
発熱抵抗体121は、電極部121a、153と接続されており、発熱抵抗体122は、電極部122a、153と接続されている。これらの電極部は、商用電源の端子と電気的に接続されている。具体的には、共通電極である電極部153は、商用電源のHot側端子と接続されており、その他の電極部は、商用電源のNeautral側端子と接続されている。ここではヒータ120の裏面について説明したが、ヒータ120の表面は、定着スリーブ100との摺動性を高める為にガラス層等によって覆われていてもよい。さらには、表面に摺動グリス等が塗布されていてもよい。
【0022】
(1−3:電力供給回路の概略構成)
図3を参照して、本実施形態における電力供給回路について説明する。定着器109には、商用電源からヒータ120に電力を供給する電力供給回路が設けられている。図中1は商用電源(交流電源)であり、商用電源1からACフィルタ2、リレー41、43(スイッチ素子)を介してヒ−タ120の発熱抵抗体121、122に電力を供給することで、発熱抵抗体121、122を発熱させることができる。なお、ここではわかりやすく説明を行うために、リレー41を第1スイッチ素子、リレー43を第2スイッチ素子として説明を行うが、第1、第2スイッチ素子の組み合わせはこれに限られず、この逆であってもよい。また、リレーは複数設けられていてもよい。
【0023】
発熱抵抗体121への電力の供給は、制御部としてのエンジンコントローラ126がトライアック4(駆動素子)への通電のオン・オフを切り換えることによって制御される。なお、リレー41、43は、商用電源1とヒータ120との間に設けられており、ヒータ120への電力供給を遮断可能とするものである。
【0024】
抵抗体5、6は、トライアック4のバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ7は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ7に設けられている発光ダイオードに通電することにより、トライアック4をオンすることができる。抵抗体8は、フォトトライアックカプラ7の電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ7は、トランジスタ9によってオン・オフが切り換えられる。トランジスタ9は、抵抗体10を介してエンジンコントロ−ラ126からのON1信号に基づいて動作する。
【0025】
発熱抵抗体122への電力の供給は、制御部としてのエンジンコントローラ126がトライアック13への通電のオン・オフを切り換えることで制御される。抵抗体14、15はトライアック13のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ16は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ16の発光ダイオードに通電することにより、トライアック13をオンすることができる。抵抗17はフォトトライアックカプラ16の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ18によりフォトトライアックカプラ16のオン・オフを切り換えることができる。トランジスタ18は、抵抗体19を介して入力されるエンジンコントロ−ラ126からのON2信号に基づいて動作する。
【0026】
交流電源1から出力された電力は、ACフィルタ2を介してゼロクロス検出回路12に入力される。ゼロクロス検出回路12では、商用電源1の電圧がある閾値以下の電圧になった場合、そのことをエンジンコントロ−ラ126に対してパルス信号を出力することで報知する。以下、エンジンコントロ−ラ126に出力されるこの信号をZEROX信号と呼ぶ。エンジンコントロ−ラ126は、ZEROX信号のパルスのエッジを検知し、位相制御または波数制御によりトライアック4または13のオン・オフを切り換えることで、
ヒータ120への電力供給を制御している。
【0027】
発熱抵抗体121、122に通電されるヒータ電流は、カレントトランス25によって電圧変換され、ブリューダ抵抗26を介して電流検出回路27に入力される。電流検出回路27では、電圧変換されたヒータ電流波形を平均値または実効値に変換し、HCRRT信号としてエンジンコントローラ126にA/D入力する。
【0028】
サーミスタ120bは、ヒータ120上の発熱抵抗体121、122に対して絶縁距離を確保できるように絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。サーミスタ120bによって検出される温度は、抵抗体22とサーミスタ120bとの分圧として検出され、エンジンコントロ−ラ126にTH信号としてA/D入力される。
【0029】
ヒ−タ120の温度は、TH信号としてエンジンコントロ−ラ126において監視されている。ヒータ120への供給電力を制御する際は、エンジンコントロ−ラ126に設定されているヒ−タ120の設定温度と比較することによって、発熱抵抗体121、122に供給すべき電力比を算出する。そして、算出された電力比を、それに対応する位相角(位相制御)または波数(波数制御)に換算し、これによってエンジンコントロ−ラ126がトランジスタ9にON1信号、あるいはトランジスタ18にON2信号を送出する。なお、供給電力を制御する際は、電流検出回路27から報知されるHCRRT信号に基づいて上限の電力比を算出し、その上限の電力比以下の電力が通電されるように制御する。例えば、位相制御の場合、下記の表に示すデータをエンジンコントローラ11内に予め格納し、このデータに基づいて供給電力の制御をおこなう。
【0030】
【表1】

【0031】
また、定着器109には、「スイッチ素子駆動回路」として、「リレー駆動部及び安全回路部45」(以下、安全回路45とする)が設けられている。図中の42、44は、逆起電力によるリレー41、43の損傷を防止するためのダイオードである。安全回路45は、サーミスタ120bがある所定の温度(目標温度)以上になると、ヒータ120への電力供給を遮断すべく、リレー41、43をオフできるように構成されている。以下、安全回路45について説明する。
【0032】
(1−4:安全回路の概略構成)
図4を参照して、本実施形態における安全回路45の概略構成、及びその動作について説明する。通常動作において、ユーザによりプリント要求コマンドがエンジンコントローラ126に入力されると(像加熱プロセスが開始)、ヒータ120へ電力を供給すべく、リレー41、43をオンする。リレー41、43をオンする際は、エンジンコントローラ126は、リレードライブ信号/RLDを安全回路45へ出力する。エンジンコントローラ126よりリレードライブ信号/RLDが入力されると、安全回路45はトランジスタ103をオフする。トランジスタ103がオフされると、トランジスタ107、110、122のベースに抵抗102を介し電流が供給されるため、トランジスタ107、110、122がオンする。
【0033】
トランジスタ116は、抵抗112を介し、プリント要求コマンド受付以前にオン状態となっている。それに伴い、トランジスタ119もオン状態となっている。よって、上記複数のトランジスタがオン状態となり、リレー41、43がオンされ、ヒータ120への電力供給が可能となる。
【0034】
また、安全回路45には、ヒータ120の温度が目標温度よりも高いか低いかに応じて、リレー41、43のオン・オフを切り換えるための信号を出力する信号出力部として、コンパレータ等の比較器125が設けられている。比較器125の反転入力端子には、ヒータ120上、又はその近辺に配置されているサーミスタ120b、及びその分圧抵抗22を介した電圧値が入力されている。つまり、比較器125は、ヒータ120の検知温度と目標温度とを比較し、その大小関係に応じて信号を出力することができる。以下、この点について詳しく説明する。
【0035】
一般的にサーミスタ120bは、NTC特性をもつため、温度が上昇するにつれ抵抗値が低くなる。よって、ヒータ120の温度が上昇するにつれ、比較器125の反転入力端子に入力される電圧値は減少していくことになる。また、比較器125の非反転入力端子には、抵抗123、124を介し、ある所定の基準電圧値が入力されている。基準電圧値は、ヒータ120の破損が生じない温度以下かつ通常プリント動作に必要な温度以上の温度(目標温度)に相当するものである。つまり、比較器125に入力される電圧値と、この基準電圧値とを比較することで、ヒータ120の温度が目標温度よりも高いか低いかを検出することができる。なお、通常プリント動作においては、基準電圧値以上に相当する温度で使用しているため、比較器125の出力はLowレベルとなり、よってトランジスタ128はオフしている。
【0036】
次に「オフシーケンス」について説明する。駆動中に電力供給回路に何らかの異常が生じ、それによってヒータ120への電力供給が制御できなくなった場合、ヒータ120が異常昇温する虞がある。そこで本実施形態では、駆動中にヒータ120の温度が目標温度よりも高くなった場合に、ヒータ120及び定着器109を保護すべく、リレー41、43をオフしてヒータ120への電力供給を遮断する「オフシーケンス」を実行する。
【0037】
オフシーケンスは、ヒータ120への電力供給が制御不能となってヒータ120の温度が上昇し、比較器125の非反転入力端子電圧が基準電圧値以下となった時に行われる。比較器125の非反転入力端子電圧が基準電圧値以下になると、まず、比較器125はHighレベルを出力し、トランジスタ128はオン状態となる。トランジスタ128がオン状態となると、即座にトランジスタ110、122がオフする。それとほぼ同時にリレー41がオフする。
【0038】
しかしこの際、トランジスタ107、116は、コンデンサ105、114と、抵抗1
06、115とによる時定数により、オフするまで時定数分の時間がかかる。よって、トランジスタ110、122と、トランジスタ107、116がオフするタイミングに時間差を発生させることができる。リレー43は、トランジスタ107、110が両方オフ状態とならないとオフしないように構成されているので、これによりリレー41、43をそれぞれオフするタイミングに時間差が発生する。さらにこの時間差は、コンデンサ105の静電容量と、抵抗106の抵抗値の設定によって、商用電源(交流電圧)の半周期以上の長さに設定されていること特徴である。なお、コンデンサ105、抵抗106、又はコンデンサ114、抵抗115の組み合わせが、本実施形態における「遅延手段」に相当すし、少なくとも一方のリレーに対して、この「遅延手段」が設けられていればよい。
【0039】
このように「オフシーケンス」では、リレー41がオフし、所定の時間差を経た後にリレー43がオフするように構成されており、即ち、全てのリレーが同時にオフしないように構成されている。さらにリレー41、43が順次オフする際の時間差は、交流電圧の半周期以上の長さである。最初のリレー41がオフされてから、次のリレー43がオフするまでに、交流電圧の波形は必ずゼロクロスポイントを通過することになる。ゼロクロスポイントではアーク放電が生じることはないので、リレー43をこのタイミング(ゼロクロスポイントを通過するタイミング)でオフすれば、少なくともリレー43がアーク放電によって破損することを防止できる。
【0040】
次に「オンシーケンス」について説明する。上記「オフシーケンス」を実行し、その後、再びプリントを行う場合は、目標温度よりも低くなったヒータ120の温度を、プリント可能な温度にまで上げる必要になる。即ち、オフされているリレー41、43を再びオンして、ヒータ120への電力供給を開始する必要がある。「オンシーケンス」を行う際は、まず、比較器125が再度Lowレベルを出力し、トランジスタ128をオフにする。その状態では、トランジスタ110、122は、ほぼ同時にオンする。
【0041】
そして、トランジスタ110がオンされたことにより、リレー43がほぼ同時にオンする。なお、このときはまだリレー41はオンされていない。この時、トランジスタ107、116は、コンデンサ105、114、及び抵抗106、115による時定数によりオフするまで時定数分の時間がかかる。よって、トランジスタ110、112、及びトランジスタ107、116がオンするタイミングに時間差が発生する。
【0042】
リレー41は、トランジスタ119、122が両方オン状態とならないとオンしないように構成されているので、リレー41とリレー43がオンするタイミングに時間差が発生する。この時間差は、コンデンサ114の静電容量、抵抗115の抵抗値の設定によって、商用電源(交流電圧)の半周期以上の長さに設定されていることが特徴である。このように「オンシーケンス」においても、全てのリレーが同時にオンしないように構成されているので、「オフシーケンス」で説明したように、少なくともリレー43がアーク放電によって破損することを防止できる。
【0043】
(1−5:オフシーケンス、オンシーケンスの概要)
図5を参照して、オフシーケンス、オンシーケンスの概要について説明する。まず、エンジンコントローラ126へプリント要求コマンドが入力されると、エンジンコントローラ126はリレー駆動信号を出力する。即ち、リレー駆動信号が安全回路45に入力されることで、リレー41、43が同時にオンする。
【0044】
次にトライアックの故障等、何らかの理由でヒータ120への電力供給制御が不能となると、ヒータ120の温度は上昇しつづけ、サーミスタ120bの検知温度に基づく、比較器125の反転入力端子部の電圧値は、上述したように基準電圧値を下回る。それによりリレー41、43がオフし、ヒータ120への電力供給が遮断される。
【0045】
しかしこの際、時間差を経て全てのリレーがオフするため、リレー41がオフした後にリレー43がオフすることになる。これにより、オフ時にアーク放電が発生するのはリレー41のみとすることができる。さらにこの時間差は、交流電圧の半周期以上の長さに設定されている。よって、リレー41が完全にオフし、アーク放電が生じないタイミングでリレー43をオフできる。
【0046】
ヒータ120への電力供給がリレー41、43のオフにより完全に遮断されると、ヒータ120の温度は下降する。これにより、サーミスタ120bの検知温度に基づいて比較器125の反転入力端子部に入力される電圧値が基準電圧値を再び上回る。すると、ヒータ120への電力供給を開始すべくリレー41、43が再びオンするが、この際に、交流電圧の半周期以上の時間差が経てリレー43、41の順にオンするので、アーク放電はリレー41のみに生じる。よってリレー43を保護することができる。
【0047】
(1−6:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、安全回路に簡易な構成の遅延手段を設けることにより、リレー41、43を時間差を経てオン、オフすることができるので、全てのリレーにアーク放電が生じ、破損すること防ぐことができる。また、時間差は交流電圧の半周期以上の長さに設定されているので、交流波形のゼロクロスタイミングで後続のリレーをオン、オフすることで、後続のリレーでアーク放電が生じることを防ぐことができる。
【0048】
また、オフシーケンスにおいて最初にオフするリレーと、オンシーケンスにおいて最後にオンするリレーとを同一のリレー(本実施形態ではリレー41)とすることで、アーク放電の影響を受けるリレーを1つのリレーに限定することができる。よって、他のリレーを保護することが可能になる。
【0049】
また、プリント開始の段階(定着器のスイッチをオンしてプリントを開始する段階)では、全てのリレーが同時にオンするように構成されている。よって、通常プリントシーケンスでは、ファーストプリントアウトタイムを不要に遅らせることがない。
【0050】
以上より、本実施形態によれば、ヒータに電力を供給する電力供給回路を有する像加熱装置において、簡易な構成によって、電力供給回路に設けられているスイッチ素子の損傷を抑えることが可能な像加熱装置を提供することが可能になる。
【0051】
[第2実施形態]
図6、図7を参照して、本発明を適用可能な第2実施形態に係る像加熱装置について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0052】
(2−1:安全回路の概略構成)
図6を参照して、本実施形態における安全回路の概略構成について説明を行う。通常動作において、ユーザによりプリント要求コマンドがエンジンコントローラ126に入力されると(像加熱プロセスが開始)、ヒータ120へ電力を供給すべく、リレー41、43をオンする。
【0053】
リレー41、43をオンする際は、エンジンコントローラ126は、リレードライブ信号/RLDを安全回路45へ出力する。エンジンコントローラ126よりリレードライブ信号/RLDが入力されると、安全回路45はトランジスタ203をオフする。トランジスタ203がオフされると、トランジスタ209、215のベースに抵抗202を介し、電流が供給されるため、トランジスタ209、215がオンする。
【0054】
トランジスタ222、229は、プリント要求コマンド受付以前にオン状態となっている。それに伴い、トランジスタ206、212もオン状態となっている。よって、上記複数のトランジスタがオン状態となり、リレー41、43がオンされ、ヒータ120へ電力を供給可能な状態となる。
【0055】
また、安全回路45には、ヒータ120の温度が目標温度よりも高いか低いかに応じて、リレー41、43のオン・オフを切り換えるための信号を出力する信号出力部として、比較器218、225が設けられている。これらの比較器は、それぞれのリレーに対応して設けられており、比較器225がリレー41に信号を出力する第1信号出力部であり、比較器218がリレー43に信号を出力する第2信号出力部である。比較器218、225の非反転入力端子には、ヒータ120上またはその近辺に配置されているサーミスタ120b、およびその分圧抵抗22を介した電圧値が入力されている。
【0056】
具体的には、比較器218の反転入力端子には、抵抗216および217を介し、ある所定の基準電圧値が入力されている。また、比較器225の反転入力端子には、抵抗223および224を介し、ある所定の基準電圧値が入力されている。さらにこれらの基準電圧値は、上述したようにヒータ120の破損が生じない温度以下かつ通常プリント動作に必要な温度以上の温度に基づいて設定されるものであるが、ここではそれぞれの比較器毎に、基準電圧値が異なるように設定されている点が特徴である。なお、サーミスタ120bの動作、及びサーミスタ120bの検知温度に基づく比較器の動作は、第1実施形態で説明したのでここでは説明を省略する。
【0057】
通常プリント動作では、基準電圧値以上に相当するヒータ温度で使用しているため、比較器218、225の出力はHighレベルとなり、トランジスタ222、229がオンする。よって、トランジスタ206、215がオンする。その後、「オフシーケンス」では、まず比較器225の非反転入力端子電圧が基準電圧値以下になり、比較器225がLowレベルを出力し、トランジスタ229がオフになる。このときリレー41はオフされ、ヒータ120への電力供給が遮断される。
【0058】
しかしながら、ヒータ120への電力供給を遮断した後も、所定の間は温度オーバーシュートによりヒータ120の温度が更に上昇し続ける。すると、比較器218の非反転入力端子電圧が抵抗216、217で構成される基準電圧値以下となるので、比較器218はLowレベルを出力し、トランジスタ222がオフされる。これによりリレー43がオフされる。
【0059】
このように「オフシーケンス」では、それぞれのリレーに対応して比較器218、225を設け、さらに比較器毎に基準電圧値を異ならせることで、目標温度を超えた比較器からリレーをオフするための信号が出力されることになる。よって、リレー41、43が同時にオフすることなく、時間差を経て順にオフすることになる。さらにこの時間差を、抵抗216、217、及び抵抗223、224の抵抗値を適宜変更することで、商用電源(交流電圧)の半周期以上の長さとなるように設定している。
【0060】
次に「オンシーケンス」について説明する。ヒータ120の温度が下降すると、やがて先に比較器218に入力されている電圧が基準電圧値以上となる。すると、比較器218が再度Highレベルを出力し、トランジスタ222がオンされる。リレー43は、トランジスタ222、206がオンされたことによりオンする。このときはまだリレー41はオンされていない。
【0061】
さらにヒータ120の温度が下降すると、比較器225に入力されている電圧が基準電
圧値以上となる。すると、比較器225が再度Highレベルを出力し、トランジスタ229がオンされる。リレー41は、トランジスタ212と229がオンされたことによりオンする。このように「オンシーケンス」においても、時間差を経てリレー43、41をこの順にオンすることができる。
【0062】
(2−2:オフシーケンス、オンシーケンスの概要)
図7を参照して、オフシーケンス、オンシーケンスの概要について説明する。まず、エンジンコントローラ126へユーザによりプリント要求コマンドが入力されると、エンジンコントローラ126はリレー駆動信号を出力する。即ち、リレー駆動信号が安全回路45に入力されることで、リレー41、43が同時にオンする。
【0063】
次にトライアックの故障等、何らかの理由でヒータ120への電力供給制御が不能となると、ヒータ120の温度は上昇しつづけ、「オフシーケンス」が行われる。即ち、まず、比較器225に入力される電圧値が基準電圧値(目標温度A℃に対応)を下回る。これにより、リレー41がオフし、ヒータ120への電力供給が遮断される。
【0064】
しかし、電力供給が遮断した直後は、温度オーバーシュートの影響があるので温度は急に下がらない。すると、次に比較器218に入力される電圧値が基準電圧値(設定温度B℃に対応)を下回る。これにより、リレー43がオフする。上述したように、リレー41がオフしてからリレー43がオフするまでは、交流電圧の半周期以上の時間差が設けられているので、リレー43をオフする際にアーク放電が生じることを防止できる。
【0065】
その後、ヒータ120への電力供給がリレー41、43のオフにより完全に遮断されると、ヒータ120の温度は下降する。これにより、比較器218に入力される電圧値は、基準電圧値(目標温度B℃に相当)を再び上回る。よってリレー43がオンする。なお、この状態ではまだヒータ120へは電力が供給されていないので、さらにヒータ120の温度は下がりつづける。やがてその後、比較器225に入力される電圧値が、基準電圧値(目標温度A℃に相当)を再び上回り、リレー41がオンする。これにより、ヒータ120への電力供給が開始される。
【0066】
(2−3:本実施形態の効果)
本実施形態によれば、複数のリレーに対してそれぞれのリレーに対応する比較器を設け、さらに比較器に設定される基準電圧値(ヒータの目標温度に対応)を比較器毎に異ならせているので、時間差を経てリレーをオン、オフすることができる。よって、全てのリレーにアーク放電が生じることを簡易な構成で防ぐことができる。また、時間差は交流電圧の半周期以上の長さに設定されているので、交流波形のゼロクロスタイミングで後続のリレーをオン、オフすることで、後続のリレーでアーク放電が生じることを確実に防ぐことができる。
【0067】
また、オフシーケンスにおいて最初にオフするリレーと、オンシーケンスにおいて最後にオンするリレーとを同一のリレー(本実施形態ではリレー41)とすることで、アーク放電の影響を受けるリレーを1つのリレーに限定することができる。よって、他のリレーを保護することが可能になる。
【0068】
また、プリンタ開始の段階(定着器のスイッチをオンしてプリントを開始する段階)では、全てのリレーが同時にオンするように構成されている。よって、通常プリントシーケンスでは、ファーストプリントアウトタイムを不要に遅らせることがない。
【0069】
以上より、本実施形態によれば、ヒータに電力を供給する電力供給回路を有する像加熱装置において、簡易な構成によって、電力供給回路に設けられているスイッチ素子の損傷
を抑えることが可能な像加熱装置を提供することが可能になる。
【0070】
[その他の実施形態]
第1実施形態ではコンデンサと抵抗とによって遅延手段を構成しているが、遅延手段の構成はこれに限られるものではない。すなわち、複数設けられているリレーのうちの少なくとも1つに対して、オン・オフの信号を遅延させて伝達可能な手段であれば、他の形態であってもよい。
【0071】
第1、第2実施形態では、定着スリーブの内面とヒータとが直接摺動するサーフ方式の定着器について説明した。しかし、本発明に係る像加熱装置の形態はこれに限られるものではなく、ハロゲンランプ等の発熱体を内部に有する定着ローラを用いた熱ローラ方式の定着器であってもよい。
【0072】
第1、第2実施形態では、未定着のトナー像をシート材上に加熱、加圧定着させる定着器について説明した。しかし、本発明に係る像加熱装置の形態はこれに限られるものではなく、定着済みのトナー像が担持されているシート材を再度加熱、加圧することでトナー像に光沢を付与する光沢付与装置であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
41、43…リレー(スイッチ素子) 45…安全回路 105、106、114、115…遅延手段 120…ヒータ 125…比較器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源から供給される電力により発熱するヒータを有する加熱部材と、
前記加熱部材に圧接して加熱ニップ部を形成する加圧部材と、
前記商用電源から前記ヒータに電力を供給する電力供給回路と、
前記電力供給回路において前記商用電源と前記ヒータとの間に設けられ、前記ヒータへの電力供給を遮断可能な第1、第2スイッチ素子と、
前記ヒータの温度が目標温度になるように、第1、第2スイッチ素子のオン・オフを切り換えるスイッチ素子駆動回路と、
を備える像加熱装置において、
前記ヒータに電力が供給されている状態で前記ヒータの温度が目標温度よりも高い場合は、前記スイッチ素子駆動回路において第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオフにするための信号が出力されることで、これらのスイッチ素子がオフにされ、
像加熱装置が駆動中であって、かつ第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とがオフにされている状態で前記ヒータの温度が目標温度よりも低い場合は、前記スイッチ素子駆動回路において第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオンにするための信号が出力されることで、これらのスイッチ素子がオンにされると共に、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオフにする際にこれらのスイッチ素子を同時にオフにせず、かつ、第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオンにする際にこれらのスイッチ素子を同時にオンにしないことを特徴とする像加熱装置。
【請求項2】
前記スイッチ素子駆動回路には、
前記ヒータの温度が目標温度よりも高いか低いかに応じて、第1、第2スイッチ素子のオン・オフを切り換えるための信号を出力する信号出力部と、
前記信号出力部と第1スイッチ素子との間、及び前記信号出力部と第2スイッチ素子との間の少なくとも一方に設けられており、前記信号出力部から出力された信号を遅延させて伝達する遅延手段と、が設けられており、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオフにする際は、
前記信号出力部が、これらのスイッチ素子をオフにするための信号を出力し、出力された信号が前記遅延手段を介して伝達することで、これらのスイッチ素子が同時にオフにならず、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオンにする際は、
前記信号出力部が、これらのスイッチ素子をオンにするための信号を出力し、出力された信号が前記遅延手段を介して伝達することで、これらのスイッチ素子が同時にオンにならないことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項3】
前記スイッチ素子駆動回路には、
前記ヒータの温度が目標温度よりも高いか低いかに応じて第1スイッチ素子にオン・オフを切り換えるための信号を出力する第1信号出力部と、
前記ヒータの温度が目標温度よりも高いか低いかに応じて第2スイッチ素子にオン・オフを切り換えるための信号を出力する第2信号出力部と、
が設けられており、
第1信号出力部に設定されている前記ヒータの目標温度と、第2信号出力部に設定されている前記ヒータの目標温度とが異なることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
【請求項4】
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とを異なるタイミングでオフする、又はオンする際の時間差を、前記商用電源に用いられている交流電圧の半周期以上の長さに設定していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の像加熱装置。
【請求項5】
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオフにする際は、第1スイッチ素子を最初に
オフにし、
第1スイッチ素子と第2スイッチ素子とをオンにする際は、第1スイッチ素子を最後にオンにすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
【請求項6】
前記スイッチ素子駆動回路は、
前記加熱ニップ部において像加熱プロセスを開始する際に、第1スイッチ素子と第2スイッチ素子を同時にオンするように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の像加熱装置。
【請求項7】
前記加熱部材は可撓性を有する定着スリーブを有し、前記定着スリーブの内面と前記ヒータとが接触しており、前記ヒータと共に前記定着スリーブを挟むようにして前記加圧部材が前記定着スリーブに圧接することで、前記加熱ニップ部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の像加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−53171(P2012−53171A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194214(P2010−194214)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】