説明

光コネクタ用フェルールおよびその製造方法

【課題】光コネクタ用フェルールを製造する際の製造コストを下げて光コネクタ用フェルールの低コスト化を図ることができる光コネクタ用フェルールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】被覆を除去して複数本の光ファイバを露出した光ファイバテープ心線を位置決めして保持するための光コネクタ用フェルール1であり、この光コネクタ用フェルール1は、ハウジング部11を有し、ハウジング部11の接続端面13には、複数本の光ファイバ3〜6を挿入して位置決めして保持するための複数の長溝形の光ファイバ挿通孔20A〜20Dが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタ用フェルールおよびその製造方法に関し、特に光通信における光ファイバ相互間の接続部や光半導体等の光モジュールの接続部等に使用される光コネクタ用フェルールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ網を含む情報網の発達により、光伝送の大容量化が急速に進んでいる。この光伝送の大容量化が進むのに伴って、光通信における光ファイバ相互間の接続部や光半導体等の光モジュールの接続部等に使用される光コネクタ用フェルールは、多心の光ファイバを二次元のマトリックス状に精度良くしかも高密度に配列して保持することが要求されている。
【0003】
この種の光コネクタ用フェルールは、プラスチックの成形部品であり、光コネクタ用フェルールのハウジング部の接続端面には、多心の光ファイバの本数に対応する数の複数の微細な挿通孔が形成されている。各挿通孔にはそれぞれ光ファイバを通すことで、各光ファイバはハウジング部の接続端面において所定間隔をおいて位置決めして保持されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−248970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の技術では、複数の微細な挿通孔は、光コネクタ用フェルールを成形する際に複雑な構造の成形金型を用いて形成している。すなわち、従来の成形金型は、各微細な挿通孔を形成するための複数の細い丸棒状のコアピンを備えている。このため、この成形金型は高価であり、光コネクタ用フェルールを製造する際の製造コストを下げることができない。従って、光コネクタ用フェルールの低コスト化が図れない。
【0005】
また、成形金型の複数の細いコアピンは、成形中に何らかの原因で曲がったり一度に全て破損してしまうおそれがあり、複数の細いコアピンが曲がったり破損してしまうと、この成形金型は使用することができなくなってしまう。
そこで、本発明は上記課題を解消するために、光コネクタ用フェルールを製造する際の製造コストを下げて光コネクタ用フェルールの低コスト化を図ることができる光コネクタ用フェルールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解消するために、本発明の光コネクタ用フェルールは、光ファイバテープ心線の被覆を除去して光ファイバを露出した前記光ファイバテープ心線を位置決めして保持するための光コネクタ用フェルールであって、
ハウジング部を有し、
前記ハウジング部の接続端面には、複数本の前記光ファイバを挿入して位置決めして保持するための複数の長溝形の光ファイバ挿通孔が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の光コネクタ用フェルールは、好ましくは複数の前記光ファイバ挿通孔は、前記接続端面において、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に沿って、相互に間隔をおいてマトリックス状に配置されていることを特徴とする。
本発明の光コネクタ用フェルールでは、好ましくは前記光ファイバ挿通孔は断面でみて角穴状に形成されており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の光コネクタ用フェルールでは、好ましくは前記光ファイバ挿通孔は、各前記光ファイバの外周面に合わせた波形形状部分を有しており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列されていることを特徴とする。
本発明の光コネクタ用フェルールでは、好ましくは前記光コネクタ用フェルールのハウジング部内には、1枚以上の前記光ファイバテープ心線を保持していることを特徴とする。
【0009】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法は、光ファイバテープ心線の被覆を除去して光ファイバを露出した前記光ファイバテープ心線を位置決めして保持するための光コネクタ用フェルールの製造方法であって、
前記光コネクタ用フェルールのハウジング部の接続端面には、複数の光ファイバ挿通孔を形成し、
各前記光ファイバ挿通孔には、複数本の前記光ファイバを挿入して位置決めして保持することを特徴とする。
【0010】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法では、好ましくは前記光ファイバ挿通孔は、前記接続端面において、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に沿って相互に間隔をおいてマトリックス状に配置されることを特徴とする。
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法では、好ましくは前記光ファイバ挿通孔は断面でみて角穴状に形成されており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列することを特徴とする。
【0011】
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法では、好ましくは前記光ファイバ挿通孔は、各前記光ファイバの外周面に合わせた波形形状部分を有しており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列することを特徴とする。
本発明の光コネクタ用フェルールの製造方法では、好ましくは前記光コネクタ用フェルールのハウジング部内には、1枚以上の前記光ファイバテープ心線を保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光コネクタ用フェルールを製造する際の製造コストを下げて光コネクタ用フェルールの低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の光コネクタ用フェルールの好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示す光コネクタ用フェルールのB−B線における断面を示しており、光ファイバが対応する光ファイバ挿通孔に挿入される前の状態を示す図である。
図3は、光ファイバが対応する光ファイバ挿通孔に挿入された後の状態を示す図である。図4は、光コネクタ用フェルールの接続端面の形状例を示す正面図である。
【0014】
図1と図2には、光コネクタ用フェルール1と、この光コネクタ用フェルール1内に挿入して保持される複数の光ファイバテープ心線2A〜2Dとを示している。図1に示す実施形態では、一例として4枚の積層された光ファイバテープ心線2A〜2Dが光コネクタ用フェルール1に保持されている。
【0015】
図1と図2に示す光コネクタ用フェルール1は、光通信における光ファイバ相互間の接続部や光半導体等の光モジュールの接続部等に使用される。光コネクタ用フェルール1は、光ファイバテープ心線2A〜2Dの被覆60を除去して光ファイバ3〜6を露出した状態の光ファイバテープ心線2A〜2Dを位置決めして保持する。
光コネクタ用フェルール1は、ほぼ直方体形状を有しており、例えばプラスチック材料を用いた成形により作られている。光コネクタ用フェルール1は、ハウジング部11と、このハウジング部11に形成されたフランジ部12を有している。
【0016】
ハウジング部11は、接続端面13と、開口部14と、4つの側面15〜18を有するほぼ長方形状の部材である。ハウジング部11の接続端面13には、長溝状の光ファイバ挿通孔である例えば8つの角穴状の光ファイバ挿通孔20A〜20Dと、2つのガイドピン穴21,21が形成されている。8つの角穴状の光ファイバ挿通孔20A〜20Dは、接続端面13において、X方向とY方向に沿って相互に間隔をおいてマトリックス状に配列されている。
【0017】
2つの光ファイバ挿通孔20A,20AがY方向に沿って間隔をおいて直列に配列され、2つの光ファイバ挿通孔20B,20BがY方向に沿って間隔をおいて直列に配列されている。2つの光ファイバ挿通孔20C,20CがY方向に沿って間隔をおいて直列に配列され、2つの光ファイバ挿通孔20D,20DがY方向に沿って間隔をおいて直列に配列されている。
【0018】
2つの光ファイバ挿通孔20A,20Aの組と、2つの光ファイバ挿通孔20B,20Bの組と、2つの光ファイバ挿通孔20C,20Cの組と、そして2つの光ファイバ挿通孔20D,20Dの組は、X方向に沿って間隔をおいて並列に配列されている。各光ファイバ挿通孔20A〜20Dの長手方向はY方向に平行である。
ガイド穴としてのガイドピン穴21,21は、光ファイバ挿通孔20A〜20Dの両側に配置されている。X方向は第1方向であり、Y方向は第2方向である。
【0019】
図1と図2に示す各光ファイバ挿通孔20A〜20Dには、例えば各光ファイバテープ心線2A〜2Dの複数本の光ファイバ3〜6が、それぞれ挿入することで位置決めして保持されるようになっている。
【0020】
図1に示すように、光ファイバテープ心線2A〜2Dは、それぞれ例えば12本の光ファイバ3〜6を被覆材60により被覆することで並べて保持している。各光ファイバ3〜6は、被覆材60の端部を除去することで光ファイバテープ心線2A〜2Dから所定長さだけ露出されている。光ファイバ3〜6は各12本×4列で合計48本配置されている。各光ファイバ3〜6は、コアとこのコアの周囲を覆っているクラッドから構成されている。
【0021】
図2と図3に示すように、各光ファイバ挿通孔20Aには、光ファイバテープ心線2Aの6本の光ファイバ3が挿入して位置決めして保持され、各光ファイバ挿通孔20Bには、光ファイバテープ心線2Bの6本の光ファイバ4が挿入して位置決めして保持される。各光ファイバ挿通孔20Cには、光ファイバテープ心線2Cの6本の光ファイバ5が挿入して位置決めして保持され、各光ファイバ挿通孔20Dには、光ファイバテープ心線2Dの6本の光ファイバ6が挿入して位置決めして保持される。そして、図3に示すように、各光ファイバ3〜6の露出端部3R〜6Rは、所定長さだけ接続端面13から突出している。
【0022】
図2と図3に示すように、光ファイバ挿通孔20A〜20Dは、例えば接続端面13からL方向に沿って階段状に形成されており、光ファイバ挿通孔20AのL方向の長さは最も短く、光ファイバ挿通孔20B、20C、20Dの順に長く設定されている。
【0023】
これにより、図4に示すように、各複数本の光ファイバ3〜6は、接続端面13において、光ファイバ挿通孔20A〜20Dを用いてX方向とY方向の二次元のマトリックス状に精度良く間隔をおいて配列されている。光ファイバ3〜6は、例えば直径が125μmの光ファイバであり、各光ファイバ挿通孔20A〜20Dの長さFは、125μm×6=0.75mmであり、幅Gは125μmである。2つのガイドピン穴21,21は、接続端面13からフランジ部12に達するようにX方向とY方向に直交するL方向に沿って形成されている断面円形状の貫通穴であり、位置合わせするためのガイドピン(図示せず)を挿入するようになっている。
【0024】
次に、図5を参照して、光コネクタ用フェルール1を製造する際に、光ファイバ挿通孔20A〜20Dを成形するための成形金型100について説明する。
成形金型100は、例えばステンレスのような金属により作られており、本体101と、この本体101から平行に突出して固定されている8つの成形ピン102を有している。2つの成形ピン102,102は板状部材であり、光ファイバ挿通孔20A〜20Dの形状に対応した長方形状断面を有している。これらの成形ピン102はY方向に沿って間隔をおいて直列に配列されている。そして、4組の2つの成形ピン102,102がX方向に沿って間隔をおいて並列に配列されている。
【0025】
光コネクタ用フェルール1をプラスチック成形により製造する際に、このような構造を有する成形金型100を用いることで、角穴型の光ファイバ挿通孔20A〜20Dが、図1に示すようにハウジング部11の内部と接続端面13に渡って形成することができる。これにより、48本の光ファイバ3〜6は、8つの光ファイバ挿通孔20A〜20Dにより、6本の光ファイバ毎にグループ分けして保持できる。
【0026】
光コネクタ用フェルール1を製造する際には、光コネクタ用フェルール1のハウジング部11の接続端面13には、図5に示す成形金型100を用いて複数の光ファイバ挿通孔20A〜20Dを形成する。複数の光ファイバ挿通孔20A〜20Dを形成した後に、この成形金型100はハウジング部11から除去する。
【0027】
その後、各光ファイバ挿通孔20A〜20Dには、複数本の光ファイバ3〜6を挿入して位置決めして保持する。
このように、成形金型100を用いて複数の光ファイバ挿通孔20A〜20Dを形成することができる。この成形金型100は、従来用いられている複数本の細い成形ピンを有する成形金型に比べて安価に製造でき、各成形ピン102は従来の細い成形ピンに比べて曲がりにくく丈夫である。これにより、光コネクタ用フェルールを製造する際の製造コストを下げて光コネクタ用フェルールの低コスト化を図ることができる。
【0028】
そして、接着剤が図3に示す開口部14からハウジング部11の内部に注入することで、重ね合わされた状態の光ファイバテープ心線2A〜2Dと光ファイバ3〜6が、ハウジング部11の内部で固定される。
【0029】
もし、本発明の実施形態の成形金型100を用いないで、従来のようにハウジング部に対して48本分の光ファイバ3〜6を挿入するための48本の細い挿通孔を形成する場合には、48本の細いコアピンを有する通常の成形金型が必要となる。このため、通常の成形金型の製造コストが、上述した本発明の実施形態における成形金型100に比べて高くなってしまう。
【0030】
しかし、本発明の実施形態のように、複数本の光ファイバをまとめて挿入して保持できる断面角穴型の光ファイバ挿通孔20A〜20Dを、ハウジング部11の内部と接続端面13に形成すれば、光ファイバ挿通孔の形成すべき数を減らしながら複数の光ファイバを挿入して位置決めして保持することができる。従って、成形金型100の形状を単純化でき、成形部材100の製造コストと光コネクタ用フェルール1の製造コストを低減することができる。
【0031】
上述した実施形態では、図4と図6に示すように、断面角穴型の各光ファイバ挿通孔20A〜20Dは、6本の光ファイバをグループ分けして挿入して、位置決めして保持する。しかし、これに限らず、例えば図7(A)に示すように、断面が角穴型の光ファイバ挿通孔20には、2本の光ファイバを挿入して位置決めして保持するようにしても良い。また、図7(B)に示すように、断面が角穴型の光ファイバ挿通孔20には、6本の光ファイバを挿入して位置決めして保持するようにしても良い。図7(A)と図7(B)の例では、これらの光ファイバ挿通孔20は例えばX方向に沿って8列形成されており、これらの光ファイバ挿通孔20は例えば96本の光ファイバを挿入して保持して位置決めすることができる。
【0032】
しかし、図7(B)に示す光ファイバ挿通孔20の数は、図7(A)に示す光ファイバ挿通孔20の数に比べて減らすことができ、成形金型の成形ピンの数も減らすことができ、コストダウンが図れる。
【0033】
1つの光ファイバ挿通孔が保持できる光ファイバの本数は、2本以上であれば特に限定されず、光ファイバ挿通孔の形成数も特に限定されない。いずれにしても、要求される光ファイバの本数に対応して、光ファイバ挿通孔の形成数と1つの光ファイバ挿通孔が保持できる光ファイバの本数を設定することができる。
【0034】
図8(A)はさらに本発明の別の実施形態を示しており、図8(A)では、光ファイバ挿通孔20Gが、断面で見て角穴型ではなく、各光ファイバ3の外周囲に対応した波形形状部分70,70を有している。これにより、各光ファイバ3は、光ファイバ挿通孔20Gの波形形状部分70,70により、さらにX方向とY方向に関してさらに正確に位置決めして保持することができる。
このような形状の光ファイバ挿通孔20Gは、図8(B)に示すような波形部分112,112を有する成形金型111を用いることができる。
【0035】
本発明の実施形態では、挿通孔は複数の光ファイバを一度に挿入して位置決めして保持できる形状を有している。このような挿通孔を形成するための成形金型は、従来の成形部材とは異なり微細な各挿通孔を形成するための複数の細い丸棒状のコアピンを備えておらず、平板状のピンを有している。
【0036】
この平板状の成形ピンは、丸棒状のコアピンに比べて丈夫である。本発明の実施形態の成形金型の成形ピンの数は、従来の成形金型の成形ピンの本数に比べて減らして構造を単純化でき、安価に製作できる。このため、光コネクタ用フェルールを製造する際の金型コストを含む製造コストを下げることができ、光コネクタ用フェルールの低コスト化が図れる。
【0037】
また、本発明の実施形態の成形金型の平板状の成形ピンは、従来の成形金型の複数の細いコアピンに比べて丈夫であるので、成形中に何らかの原因で曲がったり一度に全て破損してしまうおそれがなく、光コネクタ用フェルール1の製造を中断したり、製造ができなくなってしまうことを防ぐことができる。
【0038】
さらに、光ファイバの本数が増加しても、光コネクタ用フェルール1の挿通孔の数の増加は、従来の光コネクタ用フェルール1の挿通孔の数の増加に比べて抑えることができ、光コネクタ用フェルール1の構造を単純化できる。
【0039】
本発明の実施形態の光コネクタ用フェルールは、被覆を除去して複数本の光ファイバを露出した光ファイバテープ心線を位置決めして保持するための光コネクタ用フェルールである。光コネクタ用フェルールは、ハウジング部を有し、ハウジング部の接続端面には、複数本の光ファイバを挿入して位置決めして保持するための複数の長溝形の光ファイバ挿通孔が形成されている。これにより、長溝形の各光ファイバ挿通孔は複数本の光ファイバをまとめて挿入して位置決めして保持でき、光コネクタ用フェルールを製造する際の製造コストを下げて光コネクタ用フェルールの低コスト化を図ることができる。
【0040】
複数の光ファイバ挿通孔は、接続端面において、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に沿って、相互に間隔をおいてマトリックス状に配置されている。これにより、光ファイバテープ心線の光ファイバを、グループ分けしてマトリックス状に配列して固定することができる。
【0041】
光ファイバ挿通孔は断面でみて角穴状に形成されており、複数本の光ファイバは、光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列されている。これにより、複数本の光ファイバは、簡単な形状の光ファイバ挿通孔により確実に位置決めして保持できる。
【0042】
光ファイバ挿通孔は、各光ファイバの外周面に合わせた波形形状部分を有しており、複数本の光ファイバは、光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列されている。これにより、複数本の光ファイバは、光ファイバ挿通孔により、さらに確実に位置決めして保持することができる。
【0043】
光コネクタ用フェルールのハウジング部内には、1枚以上の光ファイバテープ心線を保持している。これにより、光ファイバテープ心線の位置ズレは、ハウジング部により防止できる。
【0044】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
例えば、本発明の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。図示例では、光ファイバ挿通孔は、断面でみて角穴形状あるいは波形部分を有する形状であるが、これに限らず他の形状であっても良い。
【0045】
各光ファイバ挿通孔には、一列の光ファイバが挿入して位置決めして保持されているが、各光ファイバ挿通孔には、二列以上の光ファイバを挿入して位置決めして保持しても良い。
3つ以上の光ファイバ挿通孔が、Y方向に沿って間隔をおいて直列に配置されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の光コネクタ用フェルールの好ましい実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光コネクタ用フェルールのB−B線における断面を示しており、光ファイバが対応する光ファイバ挿通孔に挿入される前の状態を示す図である。
【図3】光ファイバが、対応する光ファイバ挿通孔に挿入された後の状態を示す図である。
【図4】光コネクタ用フェルールの接続端面の形状例を示す正面図である。
【図5】光ファイバ挿通孔を形成するための成形金型の形状例を示す図である。
【図6】1つの光ファイバ挿通孔を拡大して示す正面図である。
【図7】本発明の別の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の別の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 光コネクタ用フェルール
2A〜2D 光ファイバテープ心線
3〜6 光ファイバ
11 ハウジング部
12 フランジ部
13 接続端面
14 開口部
20A〜20D 角穴状の光ファイバ挿通孔(長溝状の光ファイバ挿通孔の一例)
21 ガイドピン穴
60 被覆材
100 成形部材
102 成形ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多心光ファイバテープ心線の被覆を除去して複数本の光ファイバを露出した前記多心光ファイバテープ心線を位置決めして保持するための光コネクタ用フェルールであって、
ハウジング部を有し、
前記ハウジング部の接続端面には、複数本の前記光ファイバを挿入して位置決めして保持するための複数の長溝形の光ファイバ挿通孔が形成されていることを特徴とする光コネクタ用フェルール。
【請求項2】
複数の前記光ファイバ挿通孔は、前記接続端面において、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に沿って、相互に間隔をおいてマトリックス状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ用フェルール。
【請求項3】
前記光ファイバ挿通孔は断面でみて角穴状に形成されており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光コネクタ用フェルール。
【請求項4】
前記光ファイバ挿通孔は、各前記光ファイバの外周面に合わせた波形形状部分を有しており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光コネクタ用フェルールの製造方法。
【請求項5】
前記光コネクタ用フェルールのハウジング部内には、1枚以上の前記光ファイバテープ心線を保持していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つの項に記載の光コネクタ用フェルール。
【請求項6】
多心光ファイバテープ心線の被覆を除去して複数本の光ファイバを露出した前記多心光ファイバテープ心線を位置決めして保持するための光コネクタ用フェルールの製造方法であって、
前記光コネクタ用フェルールのハウジング部の接続端面には、複数の光ファイバ挿通孔を形成し、
各前記光ファイバ挿通孔には、複数本の前記光ファイバを挿入して位置決めして保持することを特徴とする光コネクタ用フェルールの製造方法。
【請求項7】
前記光ファイバ挿通孔は、前記接続端面において、第1方向と前記第1方向と直交する第2方向に沿って相互に間隔をおいてマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項6に記載の光コネクタ用フェルールの製造方法。
【請求項8】
前記光ファイバ挿通孔は断面でみて角穴状に形成されており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光コネクタ用フェルールの製造方法。
【請求項9】
前記光ファイバ挿通孔は、各前記光ファイバの外周面に合わせた波形形状部分を有しており、複数本の前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔内において直列に並べて配列することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光コネクタ用フェルールの製造方法。
【請求項10】
前記光コネクタ用フェルールのハウジング部内には、1枚以上の前記光ファイバテープ心線を保持することを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか1つの項に記載の光コネクタ用フェルールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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