説明

光パルス試験装置

【課題】光ファイバの融着や接合の確認にあたり、作業者がOTDRの測定監視に関わる時間を短縮軽減できる光パルス試験装置を実現すること。
【解決手段】光ファイバの一端に接続されてパルス光を入射し、前記光ファイバの他端から反射される前記パルス光を時間領域で測定し、前記反射されたパルス光の測定結果を縦軸を光パワーとし横軸を距離とする表示画面に測定波形として表示するように構成された光パルス試験装置において、前記表示画面の所望の距離位置に、チェックポイント用カーソルを設定するチェックポイント用カーソル設定部と、前記測定波形の端部位置と前記チェックポイント用カーソルの設定位置を比較し、前記測定波形の端部が前記チェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを検出すると検出信号を出力する位置比較部と、この検出信号に基づき、その旨を外部に出力する検出情報出力部、を設けたことを特徴とするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光パルス試験装置(以下OTDRという)に関し、詳しくは、光ファイバの敷設が正確に行われたことを確認する作業に用いるOTDRに関するものである。
【0002】
光ファイバの新規敷設や、建物や道路工事などの施工に伴う既設光ファイバの支障移転などの工事現場では、光ファイバの敷設工事が正確に行われたか否かを確認するために、図8に示すように、OTDRが用いられている。
【0003】
図8において、作業者は、作業地点Aで複数の心線よりなる多心光ファイバ1の各心線について融着や接合作業を逐次行う作業者と、作業地点Aから距離が離れている確認地点BでOTDR2を用いて融着や接合などの敷設工事の状況を確認する作業者の二手に分かれている。
【0004】
そして、作業地点Aの作業者は、光ファイバ1の心線のそれぞれについて、融着や接合作業を行うごとに逐次確認地点Bの作業者に光ファイバ1の融着や接合が正しく行われたか否かのOTDR2の測定結果に基づく確認を求め、融着や接合が正しく行われたことが確認できたら次の心線の融着や接合作業に進んで行く。
【0005】
一般に光ファイバケーブル1としては、複数の心線よりなる多心光ファイバを用いることが多い。したがって、このような光ファイバケーブルの敷設工事にあたっては、融着や接合が正しく行われたか否かの確認を必要とする心線数が100本、200本と非常に多くなり、効率よく測定確認することが求められる。特に支障移転工事の場合には短時間で作業を行わなくてはならない。
【0006】
図9は作業地点Aにおける作業状態を確認するためのOTDR2の表示画面例であり、(A)は作業地点Aにおける作業前の状態を示し、(B)は作業地点Aにおける作業完了後の状態を示している。
【0007】
図9(A)において、光ファイバ1の心線の終端は25km地点を示していて、25km地点までファイバが存在することが確認できる。この25km地点は、作業前地点になる。
【0008】
これに対し、図9(B)において、光ファイバ1の心線の終端は35km地点を示している。すなわち、光ファイバ1の心線は、25km地点からさらに延びて35km地点まで延長されたことが確認できる。この35km地点は作業完了後の地点になる。
【0009】
特許文献1には、多心光ファイバの各心線の入力側における整列順と出力側における整列順との一致の確認を短時間に簡単かつ正確に測定する方法および装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−249624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
光ファイバの敷設や支障移転工事の施工では、複数の心線の融着や接合作業を短時間で行わなければならない。そのため、作業地点Aにおける作業者が1本の心線の融着や接合作業を行うごとに、確認地点Bの作業者に光ファイバ1の融着や接合が正しく行われたか否かのOTDR2を用いた測定による確認を求め、次の心線の融着や接合作業に移ることをできるだけ短時間で効率よく行う必要がある。
【0012】
そこで、現状の確認地点Bにおける作業者は、作業地点Aにおける作業者からの確認要求に対して即座に対応するために、常にOTDR2による測定を行い、表示画面上に表示される波形の監視を行っている。
【0013】
よって、現状の確認地点Bにおける作業者は、作業地点Aにおける作業者が心線の融着や接合作業を行っている間は、他の作業を行うことができないという問題があった。
【0014】
本発明は、このような問題点を解決するものであり、その目的は、光ファイバの融着や接合の確認にあたり、作業者がOTDRの測定監視に関わる時間を短縮軽減できる光パルス試験装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、
光ファイバの一端に接続されてパルス光を入射し、前記光ファイバの他端から反射される前記パルス光を時間領域で測定し、前記反射されたパルス光の測定結果を縦軸を光パワーとし横軸を距離とする表示画面に測定波形として表示するように構成された光パルス試験装置において、
前記表示画面の所望の距離位置に、チェックポイント用カーソルを設定するチェックポイント用カーソル設定部と、
前記測定波形の端部位置と前記チェックポイント用カーソルの設定位置を比較し、前記測定波形の端部が前記チェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを検出すると検出信号を出力する位置比較部と、
この検出信号に基づき、その旨を外部に出力する検出情報出力部、
を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の光パルス試験装置において、
検出情報出力部は、その旨を前記表示画面上に表示する検出情報表示生成部、その旨を音声情報として出力する検出情報音声出力部、その旨をネットワークを介して所定の宛先に電子情報として伝送する通信部の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光パルス試験装置において、
前記光ファイバは多心光ファイバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光パルス試験装置自体が、測定波形の端部位置とチェックポイント用カーソルの設定位置を比較し、測定波形の端部がチェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを検出するとその旨を外部に出力するので、作業者はその結果が出た時点で光パルス試験装置の表示画面を確認して次の確認対象心線を接続すればよく、多心光ファイバの敷設確認作業を効率よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】OTDR2の原理ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】OTDRの表示部25に表示される測定波形の特徴説明図である。
【図4】本発明に基づく作業地点指定方法の説明図である。
【図5】OTDR2のリアルタイム測定機能の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図6】OTDR2を用いた心線の融着や接合作業完了判定の処理の流れを説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施に伴うOTDRの具体的な表示画面例図である。
【図8】従来の光ファイバの融着や接合作業と確認作業の概念説明図である。
【図9】作業地点Aにおける作業状態を確認するためのOTDR2の表示画面例図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は、前述のOTDR2の原理ブロック図である。図1において、レーザーダイオード21から出力されるパルス光は、光カプラ22を介して被測定光ファイバ1の一端に入射される。
【0021】
被測定光ファイバ1の内部では、レイリー散乱が発生し、その一部はパルス光の進行方向とは反対に進み、後方散乱光としてOTDR2に戻っていく。また、光ファイバ1の接続点で発生するフレネル反射光もOTDR2に戻っていく。
【0022】
これらのOTDR2に戻ってきた反射光は、再び光カプラ22を通り、受光部23に入力されて電気信号に変換される。受光部23から変換出力される電気信号は信号処理部24に入力され、パルス光の生成と同期したタイミングで、A/D変換される。
【0023】
信号処理部24は、A/D変換された振幅データに基づき光ファイバ1中の反射光パワーを測定するとともに、パルス光を出力してから反射光が戻ってくるまでの時間から光ファイバ1中における反射光の位置を測定する。また、光ファイバ1中における各位置における反射光パワーのレベル差から、各2点間の損失を求めることもできる。
【0024】
なお、反射光の信号レベルは非常に小さいので、複数回の測定を繰り返して平均を求めることにより、ノイズを低減する。
【0025】
また、信号処理部24は、測定結果を前述の図9のような表示形態で表示部25に表示するための表示画面を生成する。
【0026】
図2は本発明の一実施例を示すブロック図であり、図1の信号処理部24の具体的な構成例を示している。図2において、基準クロック発生部24aは、装置全体のタイミングの基準となる安定度の高い高精度のクロックを各部に出力する。
【0027】
駆動パルス発生部24bは、基準クロック発生部24aから出力されるクロックに基づき、レーザーダイオード21を間欠的に駆動するためのパルスを生成してレーザーダイオード駆動制御部24cに出力する。
【0028】
タイミング生成部24dは、受光部23から変換出力される電気信号をパルス光の生成と同期したタイミングでA/D変換するためのタイミング信号を基準クロック発生部24aから出力されるクロックに基づいて生成し、A/D変換部24eに出力する。
【0029】
測定演算部24fは、A/D変換部24eから変換出力される受光部23の出力信号に関連した出力データに基づき、たとえば光ファイバ1の他端から反射されるパルス光を時間領域で測定し、各位置における振幅レベルなどの所望の測定値を算出するための所定の演算を行う。
【0030】
表示画面生成部24gは、前述のように、反射されたパルス光の測定結果を縦軸を光パワーとし横軸を距離とする測定波形として、図9のような所望の表示形態で表示部25に表示するための表示画面を生成する。
【0031】
チェックポイント用カーソル設定部24hは、表示部25の表示画面の所望の距離位置にチェックポイント用として設定されるカーソルを、生成出力する。
【0032】
位置比較部24iは、縦軸を光パワーとし横軸を距離として表示される反射されたパルス光の測定結果の測定波形の端部と、チェックポイント用カーソルの設定位置を比較し、測定波形の端部がチェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを検出すると検出信号を出力する。
【0033】
検出情報出力部24jは、測定波形の端部がチェックポイント用カーソルの設定位置を越えた場合に位置比較部24iから出力される検出信号に基づき、その旨を表示画面上に表示する検出情報表示生成部、その旨を音声情報として出力する検出情報音声出力部、その旨をネットワークを介して所定の宛先に電子情報として伝送する通信部の少なくともいずれかを含むものである。
【0034】
このように構成されるOTDRの動作を説明する。
図3は、OTDRの表示部25に表示される測定波形の特徴説明図である。(A)の区間Cは、ある長さの光ファイバが存在する区間を表している。これに対し、(B)の区間Dは、(A)に示した光ファイバの右端に他の光ファイバが接続されて延長された状態で光ファイバが存在する区間を表している。
【0035】
すなわち、OTDRの表示部25に表示される測定波形に注目すると、光ファイバの右端に他の光ファイバが接続されて延長されることにより、測定波形の右端も右方向に延長されるという特徴がある。
【0036】
そこで、本発明ではこのようなOTDRの表示部25に表示される測定波形の特徴を利用して、図4に示すように表示部25の表示画面上の光ファイバの融着や接合作業が行われている作業地点を所望の距離位置としてチェックポイント用カーソルCCを設定し、測定波形の右端が設定されているチェックポイント用カーソルCCを越えるか否かをOTDR自身で判断させてその判断結果を外部に出力するように構成したものである。
【0037】
図4は本発明に基づく作業地点指定方法の説明図で、(A)は光ファイバの融着や接合作業前の状態を示し、(B)は光ファイバの融着や接合作業後の状態を示している。
【0038】
図8の確認地点Bにおける作業者は、作業地点Aで光ファイバの融着や接合作業を行う前に、(A)の測定波形が示している光ファイバの右端よりもさらに右方向の任意の位置に、チェックポイント用カーソルCCを設定する。なお、融着や接合作業を行う前の状態では、表示画面には測定信号が入力されていないので測定波形は表示されない。
【0039】
作業地点Aで光ファイバの融着や接合作業が始まると、(A)に示すように測定波形が表示され、光ファイバの右端がチェックポイント用カーソルCCの左側に位置していて、他の光ファイバが接続されていない状態を表している。
【0040】
作業地点Aでの光ファイバの融着や接合作業が完了すると、(B)に示すように光ファイバの右端はチェックポイント用カーソルCCの右側に移動し、他の光ファイバが接続された状態を表している。
【0041】
図8の確認地点Bにおける作業者は、表示部25の表示画面の表示結果から光ファイバの右端がチェックポイント用カーソルCCの左右のどちら側に位置しているかを目視確認して光ファイバの融着や接合作業が完了したか否かを判断し、その判断結果を作業地点Aの作業者に通知する。
【0042】
ところで、作業地点Aでの光ファイバの融着や接合作業にはある程度の作業時間がかかることから、確認地点Bにおける作業者は、測定対象光ファイバ(心線)をOTDR2に設定してから融着や接合作業が完了するまでの間、前述のように他の作業が行えるようにすることが望ましい。
【0043】
そこで、本発明では、パルス光の測定結果の測定波形の端部とチェックポイント用カーソルの設定位置を比較する位置比較部24iを設けて、測定波形の端部がチェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを検出すると検出信号を出力させるとともに、位置比較部24iから出力される検出信号に基づいてパルス光の測定結果の測定波形の端部がチェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを外部に出力するために表示画面上に表示する検出情報表示生成部または音声情報として出力する検出情報音声出力部またはネットワークを介して所定の宛先に電子情報として伝送する通信部の少なくともいずれかを含む検出情報出力部24jを設けている。
【0044】
これにより、確認地点Bにおける作業者は、検出情報出力部24jから測定波形の端部がチェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことが外部に出力されるまでの間はOTDR2の表示画面の監視から離れることができる。
【0045】
したがって、たとえばレポート作成などの他の作業や、同一の確認地点Bに複数台のOTDRを設けて作業地点Aの監視だけではなく、他の作業地点CやDなどの複数系統の光ファイバの融着や接合作業の監視も並行して行うことができ、確認地点Bにおける作業者の工数を有効に活用できる。
【0046】
図5は、OTDR2のリアルタイム測定機能の処理の流れを説明するフローチャートであり、心線の融着や接合作業施工前の光ファイバの敷設状態監視に用いられる。OTDR2は、OTDR測定をあらかじめ設定されている所定回数(たとえば2^5)実行する(ステップS1)。
【0047】
そして、測定結果に基づきOTDR用の解析処理を行い(ステップS2)、波形と解析結果の描画処理を実行する(ステップS3)。
【0048】
これら一連の処理を、確認地点Bの作業者から停止要求が入力されるまでの間、繰り返して実行する(ステップS4)。
【0049】
確認地点Bの作業者は、このリアルタイム測定機能により表示される測定結果の表示画面から心線の融着や接合作業施工前の光ファイバの敷設状態を把握し、本発明に基づくチェックポイント用カーソルを設定すべき位置を決定する。
【0050】
図6は、OTDR2を用いた心線の融着や接合作業完了判定の処理の流れを説明するフローチャートである。確認地点Bの作業者は、リアルタイム測定機能により表示される測定結果の表示画面を参照して、チェックポイント用カーソルをたとえば融着作業地点Aの位置に設定する(ステップS1)。
【0051】
その後、OTDR2は、OTDR測定をあらかじめ設定されている所定回数(たとえば2^5)実行し(ステップS2)、測定結果に基づいてOTDR用の解析処理を行い(ステップS3)、光ファイバの終端位置を確認する(ステップS4)。
【0052】
そして、光ファイバの終端位置がステップS1で設定しているチェックポイント用カーソルの位置よりも長い(右側)か否(左側)かを判断する(ステップS5)。光ファイバの終端位置がチェックポイント用カーソルの位置よりも長い(右側)場合には融着作業地点Aの作業者に作業が完了した旨を通知し(ステップS6)、続いて波形と解析結果の描画処理を実行する(ステップS7)。
【0053】
これに対し、光ファイバの終端位置がチェックポイント用カーソルの位置よりも長くない(左側)場合にはステップS6をスキップして波形と解析結果の描画処理を実行する(ステップS7)。
【0054】
これら一連の処理を、確認地点Bの作業者から停止要求が入力されるまでの間、繰り返して実行する(ステップS8)。
【0055】
図7は本発明の実施に伴うOTDRの具体的な表示画面例図であり、敷設されている全長25Kmの光ファイバの端部に10Kmの光ファイバを融着する例を示している。
【0056】
図7(A)は、10Kmの光ファイバを融着する前の状況を表している。図7(A)によれば、測定波形の25km地点には全長25Kmの光ファイバの端部を表す反射R1が発生していて、全長25Kmの光ファイバの終端位置を把握できる。なお、確認地点Bにおける作業者は、リアルタイム測定中に、チェックポイント用カーソルCCを25km地点の後方の融着工事位置に移動させている。
【0057】
図7(B)において、表示画面には確認画面CSが表示されていて、問題がなければOKを押す。なお、この確認画面CSは、ユーザー設定により表示または非表示に切り替えることができる。そして、作業完了チェックをONにする。
【0058】
図7(C)は、敷設されている全長25Kmの光ファイバの端部に10Kmの光ファイバが融着された状態を示している。図7(C)では、測定波形の25km地点に光ファイバの融着点を表す反射R1が発生するとともに、35km地点には25Kmの光ファイバの端部に融着された10Kmの光ファイバの端部を表す反射R2が発生している。
【0059】
ここで、測定波形の融着された光ファイバの端部を表す反射R2は、チェックポイント用カーソルCCの位置を越えた右側に発生しているので、確認地点Bの作業者にそのことをたとえば音声情報で知らせるためにビープ音を鳴らす。
【0060】
図7(D)は、測定波形の融着された光ファイバの端部を表す反射R2がチェックポイント用カーソルCCの位置を越えた右側に発生していることを、メッセージ画面MSで確認地点Bの作業者に知らせる例を示している。
【0061】
なお、上記実施例では、作業者が、作業地点Aで複数の心線よりなる多心光ファイバ1の各心線について融着や接合作業を逐次行う作業者と、作業地点Aから距離が離れている確認地点BでOTDR2を用いて融着や接合などの敷設工事の状況を確認する作業者の二手に分かれる例を説明したが、たとえば確認地点Bで用いるOTDR2と多心光ファイバ1との間にOTDR2と多心光ファイバ1の心線とを選択的に接続するように構成された光スイッチ切換部を設け、OTDR2の測定結果を電子メールなどで作業地点Aの作業者に伝送し、作業地点Aの作業者がOTDR2の測定結果を確認した後、光スイッチ切換部を作業地点Aから遠隔制御するように構成することにより、作業地点Aの作業者単独で各心線の融着や接合作業とそれらの確認作業を行うこともできる。
【0062】
また、上記実施例では、光ファイバが複数の心線よりなる多心光ファイバの例について説明したが、単心構造の光ファイバの融着や接合作業の確認にも使うことができる。
【0063】
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバの融着や接合の確認にあたり、作業者がOTDRの測定監視に関わる時間を短縮軽減できる光パルス試験装置が実現でき、確認地点における作業者の工数を有効に活用できる。
【符号の説明】
【0064】
1 光ファイバ
2 光パルス試験装置(OTDR)
21 レーザーダイオード
22 光カプラ
23 受光部
24 信号処理部
24a 基準クロック発生部
24b 駆動パルス発生部
24c レーザーダイオード駆動制御部
24d タイミング生成部
24e A/D変換部
24f 測定演算部
24g 表示画面生成部
24h チェックポイント用カーソル設定部
24i 位置比較部
24j 検出情報出力部
25 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの一端に接続されてパルス光を入射し、前記光ファイバの他端から反射される前記パルス光を時間領域で測定し、前記反射されたパルス光の測定結果を縦軸を光パワーとし横軸を距離とする表示画面に測定波形として表示するように構成された光パルス試験装置において、
前記表示画面の所望の距離位置に、チェックポイント用カーソルを設定するチェックポイント用カーソル設定部と、
前記測定波形の端部位置と前記チェックポイント用カーソルの設定位置を比較し、前記測定波形の端部が前記チェックポイント用カーソルの設定位置を越えたことを検出すると検出信号を出力する位置比較部と、
この検出信号に基づき、その旨を外部に出力する検出情報出力部、
を設けたことを特徴とする光パルス試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光パルス試験装置で用いられる光パルス試験装置であって、
検出情報出力部は、その旨を前記表示画面上に表示する検出情報表示生成部、その旨を音声情報として出力する検出情報音声出力部、その旨をネットワークを介して所定の宛先に電子情報として伝送する通信部の少なくともいずれかを含むことを特徴とする光パルス試験装置装置。
【請求項3】
前記光ファイバは多心光ファイバであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光パルス試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−163481(P2012−163481A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24982(P2011−24982)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【出願人】(596157780)横河メータ&インスツルメンツ株式会社 (43)
【Fターム(参考)】