説明

光ファイバの接続方法及び光ファイバの接続構造

【課題】クラッド径の異なる細径及び太径ファイバ同士を融着接続する際に、太径ファイバの端部が変形してしまうのを抑えて接続損失を低減できるようにする。
【解決手段】細径及び太径ファイバ20,30の端部同士を突き合わせ、その突き合わせ位置を放電電極50a,50bにより加熱して所定の熱量を与えることで、細径及び太径ファイバ20,30同士を仮接続する。その後、細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置から細径ファイバ20側に向かって放電電極50a,50bを相対移動させながら、細径ファイバ20を放電電極50a,50bにより加熱する。このとき、仮接続時に与えた熱量よりも高い熱量を与えることで、細径ファイバ20のコア21を熱拡散させて細径及び太径ファイバ20,30同士を融着接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの接続方法及び光ファイバの接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバ同士を接続するためには、一般的に信頼性に優れ、低損失な接続が可能な融着接続による接続方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、一対の電極間に光ファイバの端部同士を突き合わせて配置し、その両電極間で放電させて両ファイバの端部を加熱溶融させることで融着接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−174662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の光ファイバの接続方法では、クラッド径の異なる細径ファイバと太径ファイバとを融着接続することが難しいという問題があった。
【0006】
具体的に、細径及び太径ファイバの端部を加熱溶融した場合には、コア径の差異に起因して接続界面において接続損失が生じてしまう。そこで、加熱温度や加熱時間を増やして両ファイバの端部に与える熱量を増加させて熱拡散させ、細径ファイバのコアを拡径させる必要がある。
【0007】
ところが、細径及び太径ファイバの端部を加熱溶融すると、図4に示すように、太径ファイバの端部が、溶融した際の表面張力によって球状に変形してしまう。さらに、ファイバの加熱が均一ではなくムラがあると、太径ファイバのコアが湾曲して接続損失が増加してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クラッド径の異なる細径及び太径ファイバ同士を融着接続する際に、太径ファイバの端部が変形してしまうのを抑えて接続損失を低減できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、本発明は、細径及び太径ファイバを加熱手段で加熱する際に、太径ファイバに与える熱量を低減するようにした。
【0010】
具体的に、本発明は、クラッド径の異なる細径ファイバ及び太径ファイバを加熱手段で加熱して融着接続する光ファイバの接続方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0011】
すなわち、第1の発明は、前記細径及び太径ファイバの端部同士を突き合わせ、その突き合わせ位置を前記加熱手段により加熱して所定の熱量を与えることで、該細径及び太径ファイバ同士を仮接続する仮接続工程と、
前記細径及び太径ファイバの突き合わせ位置から該細径ファイバ側に向かって前記加熱手段を相対移動させながら、該細径ファイバを該加熱手段により加熱して前記仮接続工程で与えた熱量よりも高い熱量を与えることで、該細径及び太径ファイバ同士を融着接続する融着接続工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明では、仮接続工程において、まず、細径及び太径ファイバの端部同士が突き合わされる。そして、加熱手段により突き合わせ位置が加熱されて所定の熱量が与えられる。これにより、細径及び太径ファイバ同士が仮接続される。
【0013】
次に、融着接続工程において、細径及び太径ファイバの突き合わせ位置から細径ファイバ側に向かって加熱手段が相対移動される。このとき、加熱手段により細径ファイバが加熱され、仮接続工程で与えられた熱量よりも高い熱量が与えられる。これにより、細径及び太径ファイバ同士が融着接続される。
【0014】
このようにすれば、クラッド径の異なる細径及び太径ファイバ同士を融着接続するときに、太径ファイバの端部が溶融して表面張力によって変形してしまうことを抑えて、接続損失を低減することができる。
【0015】
具体的に、細径及び太径ファイバの端部を加熱溶融した場合には、コア径の差異に起因して接続界面において接続損失が生じてしまうため、加熱温度や加熱時間を増やして両ファイバの端部に与える熱量を増加させることで熱拡散させ、細径ファイバのコアを拡径させる必要がある。
【0016】
しかし、細径及び太径ファイバの突き合わせ位置を加熱して融着接続を行った場合には、太径ファイバの端部が、溶融した際の表面張力によって球状に変形してしまう。さらに、太径ファイバの端部の変形に伴って、太径ファイバのコアが湾曲して接続損失が増加してしまう。
【0017】
これに対し、本発明では、細径及び太径ファイバを、太径ファイバの端部が変形しない熱量で仮接続した後、コアを熱拡散させるべく融着接続を行う際に、両ファイバの突き合わせ位置から細径ファイバ側に向かって加熱手段を相対移動させながら細径ファイバを加熱するようにしている。これにより、太径ファイバに与える熱量を低減して、太径ファイバの端部が溶融して表面張力により球状に変形するのを抑えることができる。そして、細径ファイバを溶融してコアを熱拡散させることで、接続損失を低減させながら両ファイバを融着接続することができる。
【0018】
第2の発明は、第1の発明において、
前記仮接続工程の前に、該細径ファイバの接続側端部を前記加熱手段により加熱して該仮接続工程で与える熱量よりも高い熱量を与えることで、該細径ファイバのコアを熱拡散させる熱拡散工程を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
第2の発明では、仮接続工程の前に熱拡散工程が行われる。熱拡散工程では、細径ファイバの接続側端部が加熱手段により加熱され、仮接続工程で与える熱量よりも高い熱量が与えられる。これにより、細径ファイバのコアが熱拡散される。
【0020】
このようにすれば、細径及び太径ファイバを仮接続する前に、細径ファイバの接続側端部のコアを予め熱拡散させておくことで、融着接続工程で細径ファイバのコアを熱拡散しなくても済み、融着接続工程で細径ファイバに与える熱量を低減して、細径ファイバの変形を最小限に抑えることができる。
【0021】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記融着接続工程の後に、前記細径及び太径ファイバの突き合わせ位置を前記加熱手段で加熱して該融着接続工程で与える熱量よりも低い熱量を与えることで、該突き合わせ位置における該細径ファイバのコアを熱拡散させるコア仕上工程を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
第3の発明では、融着接続工程の後にコア仕上工程が行われる。コア仕上工程では、細径及び太径ファイバの突き合わせ位置が加熱手段で加熱され、融着接続工程で与えられる熱量よりも低い熱量が与えられる。これにより、突き合わせ位置における細径ファイバのコアが熱拡散される。
【0023】
このようにすれば、融着接続工程で細径ファイバのコアを熱拡散させて両ファイバを融着接続した後、太径ファイバが変形しない熱量で両ファイバの突き合わせ位置を再度加熱することで、細径ファイバのコアをより確実に熱拡散させることができる。
【0024】
第4の発明は、クラッド径の異なる細径ファイバ及び太径ファイバが加熱されて融着接続された光ファイバの接続構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0025】
すなわち、第4の発明は、前記細径及び太径ファイバの端部同士が突き合わされ、その突き合わせ位置が加熱されて所定の熱量が与えられることで、該細径及び太径ファイバ同士が仮接続され、
前記細径及び太径ファイバの突き合わせ位置から該細径ファイバ側に向かって該細径ファイバが加熱され、仮接続時に与えられた熱量よりも高い熱量が与えられることで、該細径及び太径ファイバ同士が融着接続されていることを特徴とするものである。
【0026】
第4の発明では、細径及び太径ファイバの端部同士が突き合わされ、その突き合わせ位置が加熱されて所定の熱量が与えられる。これにより、細径及び太径ファイバ同士が仮接続される。さらに、細径及び太径ファイバの突き合わせ位置から細径ファイバ側に向かって細径ファイバが加熱され、仮接続時に与えられた熱量よりも高い熱量が与えられる。これにより、細径及び太径ファイバ同士が融着接続される。
【0027】
このような構成とすれば、クラッド径の異なる細径及び太径ファイバ同士を融着接続するときに、太径ファイバの端部が溶融して表面張力によって変形してしまうことを抑えることができ、接続損失を低減させた光ファイバを提供することができる。
【0028】
第5の発明は、第4の発明において、
前記細径ファイバのコア径とクラッド径との比が、前記太径ファイバのコア径とクラッド径との比に等しいことを特徴とするものである。
【0029】
第5の発明では、細径ファイバのコア径とクラッド径との比が、太径ファイバのコア径とクラッド径との比に等しくなっている。このように、コア径とクラッド径との比が等しい細径及び太径ファイバ同士を融着接続させることで、モードフィールド径の変換可能な光ファイバを提供することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、細径及び太径ファイバを融着接続する際に、両ファイバの突き合わせ位置から細径ファイバ側に向かって加熱手段を相対移動させながら細径ファイバを加熱するようにしたから、太径ファイバに与える熱量を低減して、太径ファイバの端部が溶融して表面張力により球状に変形するのを抑えることができる。そして、細径ファイバを溶融してコアを熱拡散させることで、接続損失を低減させながら両ファイバを融着接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る光ファイバの仮接続工程を示す側面断面図である。
【図2】光ファイバの融着接続工程を示す側面断面図である。
【図3】光ファイバの接続構造を示す側面断面図である。
【図4】従来の光ファイバの接続構造を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る光ファイバの仮接続工程を示す側面断面図である。以下、本発明の実施形態に係る光ファイバの接続方法について、図1を用いて工程を追って説明する。
【0034】
<準備工程>
まず、細径ファイバ20と、細径ファイバ20よりもクラッド径の大きな太径ファイバ30と、加熱手段としての一対の放電電極50a,50bとを準備する。
【0035】
前記細径及び太径ファイバ30は、全体が石英から構成されてファイバ中心をなすコア21,31と、コア21,31を被覆するように設けられたクラッド22,32とを備えている。
【0036】
また、前記細径及び太径ファイバ20,30は、入射された光がコア21,31とクラッド22,32との界面で反射を繰り返しながらコア21,31内を伝搬するように構成されている。コア21,31には、ゲルマニウム(Ge)がドープされており、クラッド22,32より屈折率が高くなっている。
【0037】
前記太径ファイバ30のコア31の外径は、細径ファイバ20のコア21の外径よりも大きくなっている。ここで、細径ファイバ20のコア径とクラッド径との比は、太径ファイバ30のコア径とクラッド径との比に等しくなっている。このように、コア径とクラッド径との比が等しい細径及び太径ファイバ20,30同士を融着接続させることで、モードフィールド径の変換可能な光ファイバ10を得ることができる。
【0038】
前記放電電極50a,50bは、細径及び太径ファイバ20,30を挟むように配設されている。接続対象である細径及び太径ファイバ20,30は、ファイバ保持部(図示省略)に保持されており、細径及び太径ファイバ20,30のうち少なくとも一方がその長手方向に移動可能となっている。
【0039】
前記放電電極50a,50bは、それぞれが針状に形成されており、その先端同士が対向するように設けられている。そして、電極間隔、電極径、放電電流、放電時間等の設定が可能となっている。
【0040】
<仮接続工程>
まず、図1に示すように、細径ファイバ20と太径ファイバ30とをファイバ保持部にセットして、両者のファイバ端部を突き合わせるとともに、ファイバ側方から両者のコア21,31の位置を確認して、細径ファイバ20のコア21の中心軸と太径ファイバ30のコア31の中心軸とを略一致させる。
【0041】
次に、一対の放電電極50a,50b間で放電を生じさせ、その間の細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置を加熱して所定の熱量を与える。これにより、突き合わせ部分が融着して細径及び太径ファイバ20,30が仮接続される。
【0042】
ここで、仮接続工程では、細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置に与える熱量が、太径ファイバ30の端部が変形しない熱量となるようにその放電電極50a,50bの放電量が調整されている。そのため、細径及び太径ファイバ20,30を仮接続しただけでは、コア径の差異に起因して接続界面において接続損失が生じてしまう。そこで、次に示す融着接続工程において、加熱温度や加熱時間を増やして細径及び太径ファイバ20,30の端部に与える熱量を増加させることでコア21を熱拡散させ、細径ファイバ20のコア21を拡径させる必要がある。
【0043】
<融着接続工程>
図2は、光ファイバの融着接続工程を示す側面断面図である。図2に示すように、融着接続工程では、仮接続された細径及び太径ファイバ20,30を放電電極50a,50bに対して相対移動させながら放電電極50a,50bにより加熱する。
【0044】
具体的に、ファイバ保持部により細径及び太径ファイバ20,30を図2で左方向に移動させながら放電電極50a,50bにより放電を行うことで、細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置から細径ファイバ20側に向かって細径及び太径ファイバ20,30を移動させながら、放電電極50a,50bにより細径ファイバ20を加熱溶融する。
【0045】
これにより、太径ファイバ30の端部に与える熱量を低減させつつ、細径ファイバ20の接続側端部のみを溶融させることができる。そして、図3に示すように、接続界面において、細径ファイバ20のコア21が、接続界面側に行くに従って拡径した拡径部21aが形成される。これにより、細径ファイバ20のコアが熱拡散されるとともに、細径及び太径ファイバ20,30同士が融着接続される。
【0046】
このようにすれば、クラッド径の異なる細径及び太径ファイバ20,30同士を融着接続する際に、太径ファイバ30の端部が溶融して表面張力により変形してしまうことを抑制して、接続損失を低減することができる。
【0047】
具体的に、仮接続工程の後で、細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置を加熱して融着接続を行った場合には、太径ファイバ30の端部が、溶融した際の表面張力によって球状に変形してしまう。さらに、太径ファイバ30の端部の変形に伴って、太径ファイバ30のコア31が湾曲して接続損失が増加してしまう。
【0048】
これに対し、本発明では、細径及び太径ファイバ20,30を、太径ファイバ30の端部が変形しない熱量で仮接続した後、熱拡散のための融着接続を行う際に、細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置から細径ファイバ20側に向かって放電電極50a,50bを相対移動させながら細径ファイバ20を加熱するようにしている。これにより、太径ファイバ30に与える熱量を低減して、太径ファイバ30の端部が溶融して表面張力により球状に変形するのを抑えることができる。そして、細径ファイバ20を溶融してコア21を熱拡散させることで、接続損失を低減させながら細径及び太径ファイバ20,30を融着接続することができる。
【0049】
このように、細径及び太径ファイバ20,30の接続損失を低減した光ファイバ10の接続構造であれば、例えば、太径ファイバ30を入射側に、細径ファイバ20を出射側に、それぞれ配置した場合に、太径ファイバ30のコア31内の信号光を漏らすことなく細径ファイバ20のコア21に伝搬することができる。
【0050】
<その他の実施形態>
本実施形態では、仮接続工程において細径及び太径ファイバ20,30を仮接続した後、融着接続工程において細径ファイバ20のコア21を熱拡散させるようにしているが、仮接続工程の前に、細径ファイバ20の接続側端部のコア21を熱拡散させる熱拡散工程を行うようにしてもよい。
【0051】
具体的に、仮接続工程の前に、細径ファイバ20の接続側端部を放電電極50a,50bにより加熱して、仮接続工程で与える熱量よりも高い熱量を与える。これにより、細径ファイバ20のコア21を予め熱拡散させてコア径を拡径する。
【0052】
そして、熱拡散工程の後に、仮接続工程及び融着接続工程を行う。ここで、融着接続工程を行う際には、既に細径ファイバ20のコア21が熱拡散して拡径されているから、熱拡散工程を行わない場合に比べて、融着接続工程で細径ファイバ20に与える熱量を低減することができ、細径ファイバ20の変形を最小限に抑えることができる。
【0053】
また、本実施形態では、融着接続工程において細径ファイバ20のコア21を熱拡散させるようにしているが、融着接続工程の後に、突き合わせ位置における細径ファイバ20のコア21を熱拡散させるコア仕上工程を行うようにしてもよい。
【0054】
具体的に、融着接続工程の後に、細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置を放電電極50a,50bで加熱して、融着接続工程で与える熱量よりも低い熱量を与える。これにより、突き合わせ位置における細径ファイバ20のコア21が熱拡散される。
【0055】
このように、融着接続工程で細径ファイバ20のコア21を熱拡散させて細径及び太径ファイバ20,30を融着接続した後、太径ファイバ30が変形しない熱量で細径及び太径ファイバ20,30の突き合わせ位置を再度加熱することで、細径ファイバ20のコア21をより確実に熱拡散させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、仮接続させた細径及び太径ファイバ20,30を長手方向に移動させることで、放電電極50a,50bと細径及び太径ファイバ20,30との相対位置を変更するようにしたが、放電電極50a,50bを細径及び太径ファイバ20,30の長手方向に沿って移動させるようにしてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、細径及び太径ファイバ20,30を加熱する手段として、放電電極50a,50bを用いた形態について説明したが、この形態に限定するものではなく、例えば、炎、トーチ、レーザー加熱等により細径及び太径ファイバ20,30を加熱するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上説明したように、本発明は、クラッド径の異なる細径及び太径ファイバ同士を融着接続する際に、太径ファイバの端部が変形してしまうのを抑えて接続損失を低減できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0059】
10 光ファイバ
20 細径ファイバ
21 コア
22 クラッド
30 太径ファイバ
31 コア
32 クラッド
50a,50b 放電電極(加熱手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッド径の異なる細径ファイバ及び太径ファイバを加熱手段で加熱して融着接続する光ファイバの接続方法であって、
前記細径及び太径ファイバの端部同士を突き合わせ、その突き合わせ位置を前記加熱手段により加熱して所定の熱量を与えることで、該細径及び太径ファイバ同士を仮接続する仮接続工程と、
前記細径及び太径ファイバの突き合わせ位置から該細径ファイバ側に向かって前記加熱手段を相対移動させながら、該細径ファイバを該加熱手段により加熱して前記仮接続工程で与えた熱量よりも高い熱量を与えることで、該細径及び太径ファイバ同士を融着接続する融着接続工程とを備えたことを特徴とする光ファイバの接続方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記仮接続工程の前に、該細径ファイバの接続側端部を前記加熱手段により加熱して該仮接続工程で与える熱量よりも高い熱量を与えることで、該細径ファイバのコアを熱拡散させる熱拡散工程を備えたことを特徴とする光ファイバの接続方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記融着接続工程の後に、前記細径及び太径ファイバの突き合わせ位置を前記加熱手段で加熱して該融着接続工程で与える熱量よりも低い熱量を与えることで、該突き合わせ位置における該細径ファイバのコアを熱拡散させるコア仕上工程を備えたことを特徴とする光ファイバの接続方法。
【請求項4】
クラッド径の異なる細径ファイバ及び太径ファイバが加熱されて融着接続された光ファイバの接続構造であって、
前記細径及び太径ファイバの端部同士が突き合わされ、その突き合わせ位置が加熱されて所定の熱量が与えられることで、該細径及び太径ファイバ同士が仮接続され、
前記細径及び太径ファイバの突き合わせ位置から該細径ファイバ側に向かって該細径ファイバが加熱され、仮接続時に与えられた熱量よりも高い熱量が与えられることで、該細径及び太径ファイバ同士が融着接続されていることを特徴とする光ファイバの接続構造。
【請求項5】
請求項4において、
前記細径ファイバのコア径とクラッド径との比が、前記太径ファイバのコア径とクラッド径との比に等しいことを特徴とする光ファイバの接続構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−99926(P2011−99926A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253287(P2009−253287)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】