説明

光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具および光ファイバ端面検査装置

【課題】光ファイバの端面を容易に、かつ確実に観察し検査する。
【解決手段】光ファイバ10の端面10aを観察するための拡大レンズを備える本体部と、本体部に着脱可能であるとともに光ファイバ10を把持し、光ファイバ10の端面10aを観察するための鏡24が設けられた光ファイバ把持具2と、を備える。鏡24は、その鏡面24aが上側(拡大レンズが配される方向)から見て、光ファイバ10の延在方向に直交する面A(方向)に対して所定角度(θ2)傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの端面を検査する際に使用する光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具および光ファイバ端面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ同士を接続する場合、鏡面状に切断された両方の光ファイバの先端部にそれぞれコネクタを取り付け、このコネクタ同士を接続させている。このとき、接続された光ファイバは、鏡面状の端面同士が物理的に当接している。
コネクタを取り付ける時に、光ファイバの切断不良により光ファイバの端面が鏡面状となっていなかったり、外周部に欠けなどの損傷があったりすると、光ファイバ同士がうまく接続されず、これが光ファイバの接続の品質の低下、すなわち接続損失が大きくなったり、光信号が通らなかったりといった故障の原因となる場合がある。このため、コネクタを取り付けるときには、光ファイバ端面検査装置を使用して、光ファイバの端面の状態を観察し問題がある場合は再度切断し直す処理を行う。
例えば、特許文献1には、CCDカメラや、CCDカメラで撮像された画像を表示するモニタなどを備える光ファイバ端面検査装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3797419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の光ファイバ端面検査装置は、CCDカメラやモニタなどを備える大掛かりなもののため、光ファイバにコネクタを大量に取り付ける工場などでは使用されているが、現場でコネクタを取り付ける場合に、このような光ファイバ端面検査装置を携帯して使用することは困難である。特に、屋外や高所で光ファイバを接続する場合に、従来のような光ファイバ端面検査装置を携帯して使用することは困難である。
このため、現場で光ファイバを接続する場合には、光ファイバの端面の状態の観察を省略している場合もある。
【0005】
また、従来の光ファイバ端面検査装置では、光ファイバの端面を正面や真横などから観察しているため、観察できる範囲の死角になっている箇所に欠けなどの損傷があると、この損傷を確認できないことがある。また、正面からの観察では、鏡面状の端面からの強い反射で凹凸などが見落とされる場合がある。
【0006】
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたもので、現場で光ファイバを接続する場合でも光ファイバの端面を容易に、かつ確実に観察し検査することができる光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具および光ファイバ端面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具は、光ファイバを把持するとともに、該光ファイバの端面を観察するための拡大レンズを備える光ファイバ検査装置の本体部に着脱可能な光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具であって、前記光ファイバの端面を前記拡大レンズから観察するための鏡を備え、該鏡は、その鏡面が前記拡大レンズが配される方向から見て、前記光ファイバの延在方向に直交する方向に対して所定角度傾斜していることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る光ファイバ端面検査装置は、光ファイバの端面を観察するための拡大レンズを備える本体部と、該本体部に着脱可能であるとともに前記光ファイバを把持し、前記光ファイバの端面を前記拡大レンズから観察するための鏡が設けられた光ファイバ把持具と、を備える光ファイバ端面検査装置であって、前記鏡は、その鏡面が前記拡大レンズが配される方向から見て、前記光ファイバの延在方向に直交する方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光ファイバ端面検査装置は、光ファイバの端面を観察する拡大レンズを備える本体部と、該本体部に着脱可能であるとともに、光ファイバを把持し光ファイバの端面を拡大レンズから観察するための鏡が設けられた光ファイバ把持具と、を備えていることにより、CCDカメラや該CCDカメラで撮影された画像を表示するモニタなどを備える従来の光ファイバ端面検査装置と比べて、簡易な構造とすることができる。このため、現場にて光ファイバを接続する場合も、光ファイバ端面検査装置を携帯して使用することができて、光ファイバの端面を容易に観察し検査することができる。
【0010】
そして、光ファイバ把持具の鏡は、その鏡面が拡大レンズが配される方向から見て、光ファイバの延在方向に直交する方向に対して傾斜していることにより、使用者は拡大レンズを介して、鏡にその端面に対して斜め方向から映された光ファイバの端部の像を観察することができる。このため、光ファイバの端面を正面や真横から観察するときと比べて、光ファイバの端面を端面の外周部分も含めて確実に観察することができる。
また、光ファイバ把持具が水平な状態でも、鏡に映された光ファイバの端面を斜め方向から観察することができるため、光ファイバ把持具を斜めに設置する必要がなく、光ファイバ端面検査装置を簡易でコンパクトな構造とすることができる。
【0011】
また、本発明に係る光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具では、前記所定角度は、15°乃至25°であることが好ましい。
このように、鏡の鏡面は、拡大レンズが配される方向から見て、光ファイバの延在方向に直交する方向の間の所定角度が15°乃至25°であることにより、光ファイバの端面を確実に観察することができる。
【0012】
また、本発明に係る光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具では、前記本体部から照射された照明光の一部を反射させ、その反射光成分を前記光ファイバの端部に照射する光反射面を備えていることが好ましい。
このように、本体部から照射された照明光の一部を反射させ、その反射光成分を観察対象となる端面を有する光ファイバの端部に照射する光反射面を備えていることにより、光ファイバの端面に正面から光が照射される場合と比べて、明るくなりすぎずに光ファイバの端面をより詳細に観察することができる。
また、このように光ファイバ把持具に光反射面が設けられていることにより、本体部に設けられた照明部は、照明する位置や角度を調整する機構を省略することが可能となり、本体部の簡略化、コンパクト化に資する。
【0013】
また、本発明に係る光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具では、前記光反射面は、照射された照明光を拡散させていることが好ましい。
このように、光反射面は、照射された照明光を拡散させていることにより、光ファイバの端部を照射する照射光に所望の方向からの成分を加えて、光ファイバの端部を観察に適した明るさにすることができ、光ファイバの端面をより確実に観察することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現場にて光ファイバを接続する場合も光ファイバの端面を容易にかつ確実に観察することができるため、光ファイバの端面が不良な状態のまま接続されることを排除でき、その後の光ファイバ同士の接続において接続部の品質が安定し、接続部の不良を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)は本発明の実施形態による光ファイバ端面検査装置の一例を示す図で(b)のA−A線断面図、(b)は(a)のB−B線断面図(付勢部材を省略)である。
【図2】(a)はホルダを説明する図でホルダの蓋部が開けられた様子を示す図、(b)はホルダの蓋部が閉じられた様子を示す図である。
【図3】光ファイバ把持具の斜視図である。
【図4】(a)は光ファイバ把持具の上面図(付勢部材を省略),(b)は光ファイバ把持具の側面図(付勢部材を省略)、(c)は(a)のC方向矢視図である。
【図5】(a)は光ファイバの端面を真横(90°)から観察した図、(b)は光ファイバの端面を斜め20°方向から観察した図である。
【図6】光ファイバの端面の観察角度と見え方の関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による光ファイバ端面検査装置について、図1乃至図6に基づいて説明する。
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態による光ファイバ端面検査装置1は、光ファイバ10の端面10aの状態を検査する装置で、光ファイバ10の先端部(端部)10b近傍を把持する光ファイバ把持具2と、光ファイバ把持具2が着脱可能で光ファイバ10の端面10aを観察するための拡大レンズ(拡大レンズ)4(図1(a)参照)が設けられた本体部3と、を備えている。
【0017】
光ファイバ10は、光ファイバ把持具2に把持されるときに、先端部10bが所定の長さだけ突出した状態でホルダ11に取り付けられていている。
図2(a)、(b)に示すように、ホルダ11は、略直方体状で光ファイバ10が入り込む溝部12a(図2(a)参照)が形成されたホルダ本体12と、ホルダ本体12に沿って溝部12aを覆うように設置可能な板状の蓋部13と、を備えている。
光ファイバ10の切断は、光ファイバ10をホルダ11に保持した状態で行われ、先端部10bのフォルダ11からの突出長さは常に一定となる。また、本発明の光ファイバ端面検査装置1で光ファイバ10の端面10aを観察して異常がないことを確認した後に行われる光ファイバコネクタの形成も、光ファイバ10をこのホルダ11に保持した状態で行われる。よって、コネクタを構成する部品の一部が取り付けられた状態の光ファイバ10をホルダ11に取り付けてもよい。
【0018】
図1および図3に示すように、光ファイバ把持具2は、例えば、アルミなどの材料で略直方体状の外形に形成されている。光ファイバ把持具2には、ホルダ11が嵌合可能な凹部状のホルダ装着部21が形成され、装着されたホルダ11がホルダ装着部21から外れることを防ぐために、ホルダ11を付勢する付勢部材22(図1(a)、図3参照)が設けられている。
ここで、凹部状のホルダ装着部21の開口されている側を上側とし、ホルダ11が取り付けられた光ファイバ10の延在方向を前後方向とし、先端部10b側を前側として以下説明する。なお、光ファイバ10は、水平に直線状に延在しているものとする。
【0019】
光ファイバ把持具2には、ホルダ11がホルダ装着部21に装着されたときにホルダ11から突出する光ファイバ10の先端部10bが配される光ファイバ用空部23が形成されていている。光ファイバ用空部23に配された光ファイバ10の先端部10bは、光ファイバ把持具2とは接することがないように構成されている。
そして、光ファイバ把持具2には、光ファイバ用空部23に配された光ファイバ10の端面10aの前側に光ファイバ10の端面10aと所定の間隔をあけて鏡24が取り付けられている。
【0020】
鏡24は、光ファイバ把持具2が本体部3に装着されたときに光ファイバ10の端面10aを映している。そして、鏡24に映された光ファイバ10の端面10aは、本体部3の拡大レンズ4(図1(a)参照)を介して観察可能となっている。
鏡24は、光ファイバ10の中心軸上に設けられているとともに、本体部3の拡大レンズ4の鉛直方向下側(中心軸4a上)に設けられている。
このため、図4(a)〜(c)に示すように、鏡24の鏡面24aは、水平面に対して傾斜している。この水平面に対する傾斜角度を第1傾斜角θ1(図4(c)参照)とし、本実施形態ではθ1=45°とする。
また、鏡24の鏡面24aは、光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対して、上側から(拡大レンズ4が配される方向から)見て傾斜している。この光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対する傾斜角度を第2傾斜角θ2(図4(a)参照)とし、本実施形態ではθ2=20°とする。
【0021】
本実施形態では、光ファイバ把持具2に、光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対して、上側から見て20°傾斜している傾斜面Bが形成され、この傾斜面Bの上端部Baに、傾斜面Bに連続し傾斜面Bに対して45°傾斜している傾斜面Cが形成されている。そして、この傾斜面Cの中央部に傾斜面Cに沿うように鏡24が取り付けられている。なお、傾斜面C全体を鏡面としてもよい。
【0022】
図1に示すように、本体部3は、拡大レンズ4の軸方向を上下方向とする略円筒状に形成された外殻部31を備え、外殻部31の上部31aに拡大レンズ4が設けられている。外殻部31の側面31bには、外殻部31の内部31cと外部とを連通させる孔部32が形成されている。この孔部32から光ファイバ把持具2が外殻部31の内部31cへ挿入可能となっている。
【0023】
孔部32から外殻部31の内部31cに挿入された光ファイバ把持具2は、鏡24が拡大レンズ4の中心軸4a上に位置している。そして、拡大レンズ4の焦点は、この鏡24の位置に合わされており、使用者(不図示)は外殻部31の外部から拡大レンズ4を介して鏡24に映った光ファイバ10の端面10aを有する先端部10bの拡大された像を観察することができる。
このとき、鏡24には、光ファイバ10の端面10aが斜め方向から映されるため、使用者は、光ファイバ10の端面10aを斜め方向から観察することができる。このため、光ファイバ10の端面10aを正面や真横から観察する場合と比べて、広い範囲から光ファイバ10の端面10aを観察し検査することができる。
【0024】
ここで、図5(a)では、光ファイバ10の端面10aを真横から観察した様子を示し、図5(b)では、同じ光ファイバ10の端面10aを本実施形態の光ファイバ端面検査装置1で観察した様子を示している。この光ファイバ10は、端面10aに欠けが生じている。
しかし、図5(a)では、欠け部分が観察している面の死角となり確認されていない。これに対し、図5(b)のように、光ファイバ10の端面10aを斜め方向から観察しているため、欠け部分を明確に観察し確認することができる。
【0025】
また、図6に示すように、光ファイバ10の端面10aの観察角度(図4(a)に示す第2傾斜角θ2)は、光ファイバ10の延在方向に直交する面A(図4(a)参照)に対して上側から(拡大レンズ4が配される方向から)見て15°〜25°傾斜した角度であるときが、光ファイバ10の端面10aを明確に観察しやすいことがわかる。
【0026】
また、図1(b)に示すように外殻部31の内部には、例えば、LEDなどの照明33が、外殻部31の内部31cに挿入された光ファイバ把持具2を側方から照明するように配設されている。
照明33は、光ファイバ把持具2の側方に配設されていて、光ファイバ10の延在方向に直交する水平方向から照明されている。外殻部31の外側には、照明33のスイッチ(不図示)が設けられている。
【0027】
このとき、光ファイバ把持具2には、照明33から照明されるとともに、この照明光の一部を光ファイバ10の先端部10bに向かって反射させる光反射面25が設けられている。
図4(a)〜(c)に示すように、光反射面25は、光ファイバ10の端面10aよりも後方に位置し、光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対して上側から見て傾斜している。この光反射面25の光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対する傾斜角度を第3傾斜角θ3(図4(a)参照)とし、本実施形態ではθ3=35°とする。
このため、光反射面25で反射した光が、光ファイバ10の先端部10bを斜め後方から照明する照明光の成分を生成することができる。このような成分を加えることにより、光ファイバ10の端面10aを観察する際のコントラストが適切なものとなり、あってはならない凹凸、ゆがみ、欠けなどを見逃すことなく観察できる。
【0028】
また、光反射面25は、所定の粗度に形成されていて、反射する光を拡散させることができる。これにより、使用者が光ファイバ10の端面10aを観察する際のコントラストが更に適切なものとなる。
ここで、光反射面25は、アルミ材料で形成されている場合は、アルミ材料の表面を調整することで所定の粗度に形成される。なお、光反射面25は、照明光を反射させることができれば、アルミ材料以外の材料で形成されていてもよい。
【0029】
次に、光ファイバ10の端面10aの検査方法について説明する。
ここで、光ファイバ10の端面10aの検査は、コネクタ(不図示)の取り付け時に行うため、コネクタの取り付け方法とともに説明する。
まず、光ファイバ10を覆うケーブルシースを除去し、図2(b)に示すように、光ファイバ10の先端部10b近傍にホルダ11を取り付ける。このとき、光ファイバ10の先端部10bを、ホルダ11から所定の長さだけ突出させる。そして、ホルダ11から突出する光ファイバ10の被覆を除去し、ファイバ心線を露出させる。
続いて、ファイバ心線の先端部側を切断し、ホルダ11から突出する光ファイバ10の長さを所定の長さにする。
【0030】
続いて、図3に示すように、ホルダ11を光ファイバ把持具2のホルダ装着部21に装着し、付勢部材22によって、ホルダ11の位置を固定する。
そして、図1に示すように、光ファイバ把持具2を孔部32から本体部3へ挿入し、照明33により光ファイバ10を照明する。
この状態で拡大レンズ4から本体部3の内部31cをのぞき込み、鏡24に映った光ファイバ10の端面10aの状態を目視により観察して、光ファイバ10の端面10aに損傷等の不具合がないかを観察する。
そして、光ファイバ10の端面10aに損傷等がなければ、光ファイバ把持具2を本体部3から取り出して、光ファイバ把持具2からホルダ11を取り出す。
【0031】
続いて、光ファイバ10をホルダ11から取り外し、コネクタを形成する工程へと進む。
なお、光ファイバ10の端面10aの状態を観察した際に、光ファイバ10の端面10aに損傷等がある場合は、フォルダ11を取り出して光ファイバ10を前方にずらし、先端部10bの再切断を行い、光ファイバ10の端面10aの状態を再度観察する。
【0032】
次に、上述した光ファイバ端面検査装置1の効果について図面を用いて説明する。
本実施形態による光ファイバ端面検査装置1によれば、従来のようなCCDカメラやモニタなどを備える大掛かりな光ファイバ端面検査装置と比べて構造を簡素化させることができるため、現場にて光ファイバ10を接続する場合においても携帯して使用することができる。
また、光ファイバ把持具2は、鏡24が光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対して上側から見て20°傾斜しているため、光ファイバ10の先端部10bを斜め方向から観察することができるため、光ファイバ10の端面10aを外周部を含めて観察し確認できる。
【0033】
また、光ファイバ把持具2は、光ファイバ10の端面10aの後方に照明光を反射させる25を備えていることにより、光ファイバ10の先端部10bを斜め後方から照明する照明光成分を発生させ、光ファイバ10の端面10aを良好な明るさでコントラスト良く観察することができる。
また、光反射面25は、光を拡散させることにより、光ファイバ10の先端部10bを照射する照射光に所望の方向からの成分を加えて、光ファイバ10の先端部10aを観察に適した明るさにすることができ、光ファイバ10の端面10aをより確実に観察することができる。
【0034】
そして、光ファイバ10の端面10aを容易にかつ確実に観察することができるため、光ファイバ10同士の接続部の品質を向上させることができるとともに、光ファイバ10の接続不良を防止することができる。
これにより、光ファイバ10の接続部のコネクタを取り付けなおしたり、接続をやり直したりすることが少なくなるとともに、光ファイバ10の接続不良による修理が少なくなるため、光ファイバ10の接続や修理にかかる労力を軽減させることができる。
【0035】
以上、本発明による光ファイバ端面検査装置1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、鏡24の鏡面24aは、光ファイバ10の延在方向に直交する面Aに対して上から見て20°傾斜しているが、鏡24の鏡面24aの傾斜角度は適宜設定されてもよい。
また、上記の実施形態では、光反射面25を設けて、照明光の反射光成分を加えているが、自然光を用いることが出来る場合は、照明光源に代替することも出来る。
また、上記の実施形態では、凹部状のホルダ装着部21の開口されている側を上側としているが、光ファイバ端面検査装置1の設置向きは任意に設定されてもよい。
また、上記の実施形態では、目視での観察としているが、接眼部にカメラを設置し、当該カメラと接続したモニタによって観察することも出来る。接眼部にカメラを取り付け端面を撮影することで確認する方法も採用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 光ファイバ端面検査装置
2 ファイバ把持具
3 本体部
4 拡大レンズ
10 光ファイバ
10a 端面
10b 先端部(端部)
24 鏡
24a 鏡面
25 光反射面
33 照明
A 光ファイバの延在方向に直交する面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを把持するとともに、該光ファイバの端面を観察するための拡大レンズを備える光ファイバ検査装置の本体部に着脱可能な光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具であって、
前記光ファイバの端面を前記拡大レンズから観察するための鏡を備え、
該鏡は、その鏡面が前記拡大レンズが配される方向から見て、前記光ファイバの延在方向に直交する方向に対して所定角度傾斜していることを特徴とする光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具。
【請求項2】
前記所定角度は、15°乃至25°であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具。
【請求項3】
前記本体部から照射された照明光の一部を反射させ、その反射光成分を前記光ファイバの端部に照射する光反射面を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具。
【請求項4】
前記光反射面は、照射された照明光を拡散させていることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ端面検査用の光ファイバ把持具。
【請求項5】
光ファイバの端面を観察するための拡大レンズを備える本体部と、
該本体部に着脱可能であるとともに前記光ファイバを把持し、前記光ファイバの端面を前記拡大レンズから観察するための鏡が設けられた光ファイバ把持具と、を備える光ファイバ端面検査装置であって、
前記鏡は、その鏡面が前記拡大レンズが配される方向から見て、前記光ファイバの延在方向に直交する方向に対して傾斜していることを特徴とする光ファイバ端面検査装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−88164(P2012−88164A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234822(P2010−234822)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(000155724)株式会社雄島試作研究所 (34)
【Fターム(参考)】