説明

光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法と、光信号伝送システムにおける光送信器

【課題】デジタル放送への移行に伴うアナログ放送終了時の光信号の光変調度の極端な低下、光波長スペクトルのチャーピングの減少、線幅の極端な狭幅化に伴うSBSの発生の軽減、歪発生の抑制、C/Nの悪化を防止する。
【解決手段】線幅が細くチャーピングの小さいLDを使用し、LDでRF/光信号変換された光信号に、スペクトラム拡散周波数変調されて周波数帯域が拡散され、レベルが抑制され、変調度が停波するアナログ信号の変調度と同等レベルであるSBS抑圧信号を、アナログ放送の放送中も放送終了後も継続して加えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号伝送におけるSBS軽減方法及び歪抑制方法と、光信号伝送システムにおける光送信器に関するものであり、アナログ放送と地上デジタル放送の双方が放送されている現在も、地上デジタル放送への移行に伴ってアナログ放送が停止された後も、前記SBSの発生を軽減でき、歪の発生を抑制できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
CATVシステムの信号伝送方式としてFTTH(Fiber To The Home)方式がある。FTTHは図13に示すように、放送受信点設備Aで受信したRF信号を光送信器BのLD(E/O変換器)にて光信号に変換し、その光信号を光増幅器Cで増幅して光伝送路Dに送出し、光伝送路Dで長距離伝送された光信号をカプラEにて分岐して各加入者宅Fに送り、加入者宅Fでは受信した光信号を光受信端末器GでRF信号に変換してテレビ等へ接続されるようにしたものである。
【0003】
図13の光送信器BのLDは既定の駆動電流を流すと単一周波数の光信号を放出する。このLD(E/O変換器)にRF信号(図14)を入力し、駆動電流にRF信号を重畳させることにより、LDから放出される光信号が輝度変調される。輝度変調された光信号は光伝送路Dを通じでカプラEまで伝送され、カプラEで分岐されて加入者宅Fの光受信端末器Gに送られ、光受信端末器Gで受光した光信号は光受信端末器GのPD(O/E変換器)にてRF信号(図14)に変換されて出力され、加入者宅F内のTV受信機で受信される。
【0004】
加入者宅Fに到達する光レベルは、加入者宅Fに設置された光受信端末器Gの性能(通常、光入力レベル+2〜−6dBmが多い)で決まるため、放送受信点設備Aから出力される光レベルは高くして長距離伝送し、カプラEで多分岐することが望ましい。しかし、放送受信点設備Aに設置される光送信器Bの出力レベルは低く、一般に10dBm前後が多いため、図13に示すように光増幅器Gを使用して高出力な光レベル(+18dBm前後)を得ている。現在、安価に入手可能な汎用の光増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)は1550nm帯の光信号を増幅するのが一般的である。1550nm帯は光伝送ロスが少なくFTTHシステムなどの長距離伝送に向いている。このため、EDFAを使用する場合は、発光帯域が1550nm帯のLDを使用するのが良い。
【0005】
しかし、現在は、前記光伝送路に1310nm帯零分散シングルモード光ファイバが使用されている。この光ファイバは1310nm帯での分散を抑えたものである。この光ファイバに1550nm帯の光を使用すると分散が生ずる。また、従来のLDは光波長スペクトルの線幅が太い(チャーピング含む)ため、分散が多く発生する。分散は長距離伝送であれば更に多く発生する。分散の発生は伝送品質の劣化につながる
【0006】
FTTHシステムでは長距離伝送であること、カプラEで多分配することから、光伝送ロスが発生する。FTTHシステム(一例として、20km伝送/16分配)で発生する伝送ロスは次のようになる。
ファイバ伝送損失:4dB(20km伝送、0.2dB/km/1550nm)
カプラ分岐ロス :18dB(32分岐)
総光伝送ロス :22dB
【0007】
FTTHシステムの前記伝送ロスを考慮したとき、光受信端末器Gの受光レベルを−4dBmとすると、放送受信点設備Aの必要光出力レベルは+18dBmとなる。
【0008】
既存のFTTHシステムは次のような難点があった。
(誘導ブリルアン散乱)
FTTHシステムにおいて、前記伝送ロスを考慮して、光ファイバへの入射光レベル(放送受信点設備Aの光出力レベル)を高く設定すると、誘導ブリルアン散乱(SBS:Stimulated Brillouin Scattering)という現象が発生する。SBSは光強度がある値(しきい値)より大きくなると発生する散乱である。強い光をガラス中に入射する(入射光)とガラスを構成するSiO2分子の振動が起こり、この振動は音波として伝搬される。この音波を量子化したものをフォノンという。2原子からなる分子の振動はそれぞれの原子が同じ方向に振動するものと逆方向に振動するものがある。同じ方向に振動するものを音響的振動(音響フォノン)といい、この振動と入射光との相互作用が原因で起こる非線形散乱をSBSという。SBSは光の線幅が狭ければ狭い程発生し易くなり(分散とは逆の現象)、伝送距離が長い程そのSBSの影響を大きく受ける。SBSが発生すると伝送信号の歪(IM2歪)及びC/Nの悪化につながるため、SBSを低減するためには線幅を広くする必要がある。しかし、線幅を広くし過ぎると分散が発生する。
【0009】
(分散)
分散は物質中を伝わる光の伝搬遅延時間が光の波長により異なる現象であり、1nm離れた光が1km伝送したときの夫々の伝搬時間の差(ps/km/nm)で表される。分散が発生すると光の波長が変化する。図12はシングルモードファイバの分散値の一例である。1550nm帯の光信号を使用することにより、光ファイバ内での分散の影響が大きくなる。
【0010】
(チャーピング)
チャーピングは変調時の瞬時的なキャリア変動によりLD活性層の屈折率が変化し、光波長が変化し線幅が広がる(太くなる)現象である。LDはその駆動電流にRF信号の変調成分を重畳すると輝度変調された光信号が出力されるが、輝度変調された光信号の線幅が太くなる現象(チャーピング)を起こす。図10(a)は既存のLD(古河電気工業株式会社製)の無変調時のスペクトラムを、図10(b)は同LDの変調時(アナログ放送11ch)のスペクトラムを示す。図10(a)の線幅(半値全幅:FWHM:Full Width at Half Maximum)は0.0097nm、図10(b)の線幅(半値全幅:FWHM)は0.0220nmである。チャーピングにより線幅が広がった光信号(図10(b))は分散の影響が大きくなる。FTTHシステムは放送受信点設備A(図13)と光受信端末器G(図13)が1対多で接続され、長距離伝送する構成であるため、FTTHのように長距離伝送を行うと分散の影響が特に顕著に表れる。
【0011】
(地上アナログ放送終了時の問題点)
現在は、放送中の地上アナログ放送と地上デジタル放送(地上アナログ放送+地上デジタル放送)の信号を伝送している。2011年7月以降、地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送へ完全移行する。事業者によっては、デジアナ変換により2015年までアナログ放送を継続するが、それ以降は地上デジタル放送へ完全移行する。地上アナログ放送終了により、放送受信点設備Aから出力される光信号の光変調度が極端に低下する。光変調度が低下すると、光波長スペクトルのチャーピングが減少し、線幅が極端に狭くなる。FTTHは、放送受信点設備Aからの光出力レベルが高く、光伝送距離も長いため、地上アナログ信号終了に伴い光信号の光変調度が低下するとSBSが発生する。
【0012】
SBSの発生を抑制するためには、アナログ放送が終了しても光変調度が一定値以下に低下しないようにする必要がある。そのためにはアナログ放送終了前の光変調度を維持できるように疑似信号(SBS抑圧信号)をLDへ入力することが考えられる。SBS抑圧信号はアナログ放送終了時に入力すればよいが、アナログ放送終了時にSBS抑圧信号発生回路を光送信器B(図13)に組み込んでSBS抑圧信号を入力することは無理であるため、アナログ放送終了前からSBS抑圧信号発生回路を光送信器Bに組み込んでSBS抑圧信号を入力しておき、そのSBS抑圧信号発生回路をアナログ放送終了前はOFFにしておき、アナログ放送終了時にONにすることも考えられる。しかし、この切り替え操作を手動で行うにはCATVシステムの膨大な数のSBS抑圧信号発生回路を操作しなければならず、非常に手間が掛り、実現困難である。それを解消するためには自動で切り替え操作されるようにすればよいが、そのためには、アナログ放送を監視し続け、停波時に自動で切り替え可能な回路が必要となるため回路が複雑になりコスト高となる。
【0013】
現在、アナログ放送終了により変調度が低下してもSBSの影響を受けにくくするために、放送波に疑似放送信号を混合する方法がある(特許文献1)が、それはあくまでも、深夜にアナログ放送が終了する(アナログ信号が一時的に停波する)場合の対策であって、デジタル放送への移行に伴ってアナログ放送が終了する場合の対策ではない。また、アナログ放送の放送中並びにアナログ放送停止後の双方についてのSBS対策でもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−74414
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、デジタル放送への移行に伴うアナログ放送終了時に発生する、放送受信点設備Aから出力される光信号の光変調度の極端な低下、その低下に伴う光波長スペクトルのチャーピングの減少、線幅の極端な狭幅化に伴うSBSの発生を軽減し、歪発生を抑制し、C/Nの悪化を防止することにある。
【0016】
本発明の課題は、アナログ放送停止前(アナログ放送の放送中)から、放送受信点設備Aの光送信器BにSBS抑圧信号発生回路を付加して、それからSBS抑圧信号を発生させておくことにより、アナログ放送終了時に新規にSBS抑圧信号発生回路を付加する必要がなく、SBS抑圧信号発生回路をアナログ放送終了時に手動或いは自動で切り替え操作してSBS抑圧信号を発生させる必要もなく、アナログ放送終了前(放送中)からアナログ放送終了後もそのままSBS抑圧信号発生回路を継続使用してSBS抑圧信号を発生させて、SBSの発生を軽減でき、SBSの発生に伴う歪発生を低減し、C/Nの悪化を抑制して、放送信号(RF信号)を光信号にして良好な状態で伝送ができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法は、アナログ放送波とデジタル放送波の双方(RF信号)を光送信器のLDで光信号に変換し、その光信号を変調して光伝送路に送り出す光信号伝送方法において、前記LDに線幅が細くチャーピングの小さいLDが使用され、前記RF信号に、スペクトラム拡散周波数変調されて周波数帯域が広がり(拡散され)、ピークレベルが抑制され、変調度が停波するアナログ信号の変調度と同等レベルであるSBS抑圧信号を加え(混合或いは重畳し)、そのSBS抑圧信号をアナログ放送の放送中も放送終了後も継続して加えるようにした方法である。この場合、低周波側のSBS抑圧信号1波以上、高周波側のSBS抑圧信号1波以上の合計2波以上のSBS抑圧信号をRF信号に加えるのが望ましい。前記いずれの場合も、SBS抑圧信号の発生に伴って発生する高調波を除去して、SBS抑圧信号をRF信号に加えるのが望ましい。また、必要であれば、SBS抑圧信号はレベル調整したものをLDに加えることもできる。
【0018】
本発明の光信号伝送システムにおける光送信器は、アナログ放送波とデジタル放送波の双方(RF信号)を光送信器のLDで光信号に変換し、その光信号を変調して光伝送路に送り出すようにした光信号伝送システムにおける光送信器において、光送信器がチャーピングの小さいLDと、LDの動作電流を制御するLD制御回路と、前記RF信号に加えるSBS抑圧信号を発生するSBS抑圧信号発生回路を備え、前記SBS抑圧信号発生回路がスペクトラム拡散周波数変調発振器を備え、前記スペクトラム拡散周波数変調発振器は、スペクトラム拡散周波数変調によって周波数帯域が広がり(拡散され)、ピークレベルが抑制され、変調度が停波するアナログ信号の変調度と同等レベルのSBS抑圧信号を発信可能なものである。この場合、SBS抑圧信号発生回路を2以上設けて、夫々のSBS抑圧信号発生回路から低周波側と高周波側のSBS抑圧信号を発生させることができる。スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、SBS抑圧信号の発生に伴って発生する高調波を除去する高調波除去回路を設けることもできる。スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、SBS抑圧信号のレベルを調整するレベル調整回路を設けることもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法は次のような効果がある。
1.2011年の地上デジタル放送への移行に伴ってアナログ信号が停波すると、Total変調度が極端に小さくなって(低下して)、チャーピングが低下し(チャープ量が減少し)、線幅が減少し、ファイバ内での誘導ブリルアン散乱(SBS)が発生し易くなるが、停波するアナログ信号の変調度と同等レベルの変調度のSBS抑圧信号をRF信号に加えるので、アナログ信号停波後もTotal変調度の低下を抑制でき、必要な変調度を確保でき、チャ―プ値が下がり過ぎず、チャープ量の減少に伴うSBSの発生が少なくなり、SBSの影響による歪の悪化、C/Nの悪化を防止することができる。
2.チャーピングの小さい(チャーピングによる線幅の広がりが狭い)LDを使用するので、変調度が大きくなっても線幅の広がりを抑えることができ、長距離伝送時の分散の悪影響を小さく抑えることができ、C/N、歪の悪化を軽減でき、品質劣化を回避できる。
3.チャーピングの少ないLDを使用することにより変調度が低下してチャープ量が減少しても、RF信号にSBS抑圧信号を入力するので、SBSの影響が減少し、光伝送信号の歪及びC/Nの悪化が低減する。
4.アナログ放送の放送中からアナログ放送の終了後も継続して、RF信号にSBS抑圧信号を加えるので、2011年7月のアナログ放送終了時に、SBS抑圧信号の切り替え操作をする必要がなく、手間もコスト増大も避けることができる。
5.アナログ放送の放送中からLDにSBS抑圧信号を加えるので、SBS抑圧信号を無変調信号にすると歪が発生するが、本発明では、スペクトラム拡散周波数変調発振器で変調され、周波数帯域は広がるがレベルは抑制されたSBS抑圧信号をRF信号に加えるので、アナログ放送の放送中からRF信号にSBS抑圧信号を加えても歪の発生が減少し、伝送品質が劣化しにくい。
6.現在は、線幅が細く、チャーピングの小さいLDが安価に入手可能であるため、SBS抑圧信号の発生を安価、容易にできる。
7.低周波側のSBS抑圧信号と高周波側のSBS抑圧信号をRF信号に入力するのでRF信号の広帯域に渡ってSBS抑圧効果が向上する。
8.スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、SBS抑圧信号のレベルを調整するレベル調整回路を設けたので、適切なSBS抑圧信号を加えることができ、歪の発生が減少し、伝送品質が劣化しにくい。
9.高調波が除去されたSBS抑圧信号をRF信号に加えるので、高調波による歪の発生がない。
【0020】
本発明の光信号伝送システムにおける光送信器は次のような効果がある。
1.停波するアナログ信号の変調度と同等レベルの変調度のSBS抑圧信号を発生できるSBS抑圧信号発生回路を備えたので、アナログ信号停波後も必要な変調度を確保でき、チャ―プ値が下がり過ぎず、SBSの影響を回避することができる。
2.チャーピングの小さいLDを使用するので、変調度が大きくなっても線幅の広がりを抑えることができ、長距離伝送時の分散の悪影響を小さく抑えることができ、C/N、歪の悪化を軽減でき、品質劣化を回避できる。
3.SBS抑圧信号発生回路がスペクトラム拡散周波数変調発振器を備えているので、それから発振されるSBS抑圧信号は、ピークレベルは抑制されるが、周波数帯域は広がって(スペクトラムが拡散されて)必要な変調度は確保されるため、光信号を長距離伝送しても分散の影響を最小限に抑えることができ、SBSの発生が抑制され、伝送信号の歪及びC/Nの悪化を抑制できる。
4.スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、高調波除去回路を備えているので、高周波による歪の発生及びC/Nの悪化を抑制できる。
5.スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、SBS抑圧信号のレベルを調整するレベル調整回路を設けたので、適切なSBS抑圧信号を加えることができ、歪の発生が減少し、伝送品質が劣化しにくい。
6.高調波除去回路を設けたので、高調波を除去したSBS抑圧信号をRF信号に加えることができ、高調波による歪が発生しない。
7.二以上のSBS抑圧信号発生回路を設けたので、夫々の回路からSBS抑圧信号を発生させて、RF信号の低周波側から高周波側までの広帯域に渡ってSBSの発生を抑制でき、歪の発生、C/Nの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の光送信器の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の光送信器におけるSBS抑圧信号発生回路の一例を示すブロック図。
【図3】図2のSBS抑圧信号発生回路における各回路の無変調時の出力波形説明図。
【図4】図2のSBS抑圧信号発生回路における各回路の変調時の出力波形説明図。
【図5】無変調時のSBS抑圧信号とアナログ信号とで発生する歪の一例を示す波形図。
【図6】変調時のSBS抑圧信号とアナログ信号とで発生する歪の一例を示す波形図。
【図7】SBS抑圧信号の周波数変化とノイズレベルとの関係を示す説明図であり、(a)はSBS抑圧信号が1ch(91.25MHz)の場合、(b)はSBS抑圧信号が12ch(217.21MHz)の場合の説明図。
【図8】SBS抑圧信号の周波数変化と歪との関係を示す説明図であり、(a)はがSBS抑圧信号が1ch(91.25MHz)の場合、(b)はSBS抑圧信号12ch(217.21MHz)の場合の説明図。
【図9】伝送信号の変調度とレベルとの関係を示す説明図。
【図10】通常のLDを使用した場合のLD光出力スペクトラムの波形図であり、(a)は無変調時の波形図(線幅が狭い波形図)、(b)は変調時の波形図(線幅が広い波形図)。
【図11】チャーピングによる線幅の狭いLDを使用した場合のLD光出力スペクトラムの波形図であり、(a)は無変調時の波形図(線幅が狭い波形図)、(b)は変調時の波形図(線幅が広い波形図)。
【図12】シングルモード光ファイバの分散値の説明図。
【図13】既存のFTTH伝送システムの概要説明図。
【図14】RF信号の光変換説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施形態1)
本発明の光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法と、光信号伝送システムにおける光送信器の実施形態を以下に説明する。
【0023】
現在のFTTHでは、地上アナログ放送信号(実際は1ch〜12chの12波であるが、一部のchが重なっているため、実質は11波と同等の帯域)の映像を伝送している。本件発明者は、本発明の開発に先立って、現在の地上アナログ放送信号11波にデジタル放送信号を加えたTotal変調度と、線幅の広がりと、分散の関係について鋭意研究を重ねた。
【0024】
現在の地上アナログ信号11波にデジタル信号を加えたTotal変調度は次のようになる。
例1)アナログ信号11波(7%/波)+デジタル信号80波(2.2%/波)のtotal変調度
√(72×11+2.22×80)=30.4%
例2)アナログ信号11波(7%/波)+デジタル信号11波(2.2%/波)のtotal変調度
√(72×11+2.22×11)=24.3%
【0025】
前記例1、例2のように20〜30%程度の変調度であれば、チャーピングの低い(チャーピングによる線幅の広がりが狭い)LDを使用することにより、線幅の過剰な広がりは抑えられるため、分散に大きな影響を与えない範囲にSBSを抑えることができ、SBS及び分散の両方を抑制することができる。チャーピングの低いLDの一例としては図11(a)(b)に示すLD(住友電気工業株式会社製)がある。図11(a)はそのLDの無変調時のスペクトラムを、図11(b)は同LDの変調時(アナログ放送11ch+SBS抑圧信号)のスペクトラムを示す。図11(a)の線幅(半値全幅:FWHM)は0.0096nm、図10(b)の線幅(半値全幅:FWHM)は0.0127nmである。即ち、無変調時の半分のFWHMである。本発明で使用可能なLDはFWHMが無変調時の半分のLDに限られないが、このように狭いものが良く、可能であれば半分以下のものであってもよい。
【0026】
しかし、2011年の地上デジタル放送移行に伴って、アナログ信号が終了するとTotal変調度は極端に小さくなり、例えば次のようになる。
例1)アナログ信号0波(7%/波)+デジタル信号80波(2.2%/波)の総変調度
√(72×0+2.22×80)=19.7%
例2)アナログ信号0波(7%/波)+デジタル信号11波(2.2%/波)の総変調度
√(72×0+2.22×11)=7.3%
【0027】
前記のように分散の影響を回避するために変調度を下げるとチャーピングが低下し、線幅が減少し、ファイバ内での誘導ブリルアン散乱(SBS)が発生する。また、チャーピングによる線幅の広がりが狭いLDを使用すると、変調度低下によりチャープ量が減少し、SBSの影響を顕著に受け易くなり、歪、C/Nの悪化につながる。SBSの影響を軽減させるためには、少なくともTotal変調度23%以上に維持し続ける必要がある。
【0028】
本発明は、前記知見に基づいて、2011年のアナログ放送終了時に発生する変調度の低下に備えて開発されたものであり、アナログ放送終了前から使用でき、アナログ放送終了後もそのまま使用できるようにしたものである。
【0029】
本発明では、放送受信点設備A(図13)の光送信器のLDにチャ―プ量の少ないLDを使用し、停波するアナログ信号(11波)の変調度と同等レベルの変調度の疑似信号をSBS抑圧信号としてRF信号に加えておく(与えておく)ことにより、アナログ信号停波後も必要な変調度を確保して、チャ―プ値が下がり過ぎず、SBSの影響を回避できるようにした。この場合、スペクトラム拡散周波数変調発振器からSBS抑圧信号を発信させて、SBS抑圧信号のピークレベルを抑制するが、周波数帯域は広がって(スペクトラムが拡散されて)必要な変調度は確保されるようにして、光信号を長距離伝送しても分散の影響が最小限に抑えられ、SBSの発生を抑制でき、伝送信号の歪及びC/Nの悪化を抑制できるようにした。
【0030】
前記した11波分の変調度と同等の変調度の抑圧信号を出力できる回路を光送信器内で構築すると、回路規模が大きくなって実用性に難点があるため、本発明では11波のTotal変調度と同等レベルの変調度の疑似信号を、1波又は2波以上出力できる回路を構築して、その回路から出力される1波又は2波以上の疑似信号(SBS抑圧信号)をRF信号に入力するようにした。
例)アナログ信号11波のTotal変調度は、
7√11=23.2%
この変調度23.2%は、アナログ信号1波の変調度7%に対して、RF信号レベルで+10.4dB高い(図9)
【0031】
(変調信号:SBS抑圧信号の周波数選定)
本件発明者は、SBS抑圧信号の周波数によって、SBSに対する効果(アナログ信号に与える影響)が異なるか否かの実験も行った。SBSの影響はノイズ(C/N)及び歪レベルの悪化につながるためその改善度合を測定した。この場合、0.1MHz〜10MHzのSBS抑圧信号においてどの周波数がSBSに最も効果があるかを確認した。
【0032】
(ノイズレベルの測定結果)
図7(a)はSBS抑圧信号の周波数を変化させた(横軸)場合と、アナログ放送1ch(91.25MHz)におけるノイズレベルとの関係を示す測定結果である。図7(a)(b)における破線は+0dB(SBS抑圧信号のレベルとアナログ放送のレベルが同等レベル:差がない:+0dB)の場合のノイズレベル、実線は+10dB(SBS抑圧信号のレベルがアナログ放送のレベルよりも10dB高いレベル)の場合のノイズレベルの測定値を示す。
【0033】
図7(a)より、91.25MHzのアナログ放送帯域ではSBS抑圧信号をどの周波数(0.1MHz〜10MHz)に設定しても良い結果(約5dBμV以下)が得られることが分かった。図7(b)より、12ch(217.25MHz)のアナログ放送帯域では、1MHz以下のSBS抑圧信号では良い結果となった(約5dBμV以下)が、1MHz以上では悪化傾向(約5dBμV以上)にあった。この測定結果より、ノイズレベルについては、1MHz以下のSBS抑圧信号を使用すればアナログ放送の各帯域に効果があることが分かった。
【0034】
(歪の測定結果)
図8(a)はSBS抑圧信号周波数(横軸)を変化させたときに、アナログ放送1ch(91.25MHz)で発生する歪(IM2)の測定結果である。図8(a)(b)における破線は+0dB(SBS抑圧信号のレベルとアナログ放送のレベルが同等レベル:差がない:+0dB)の場合の歪、実線は+10dB(SBS抑圧信号のレベルがアナログ放送のレベルよりも10dB高いレベル)の場合の歪の測定値を示す。図8(a)より、91.25MHzのアナログ放送帯域では、SBS抑圧信号を1波伝送させたときの歪(IM2)発生状況は、SBS抑圧信号が高周波側で良い結果となることがわかった(3MHz以上で−55dB以下)。図8(b)より、アナログ放送12chでは1chの場合と異なり、0.4MHzから0.9MHz前後で良い結果となることが分かった。これより、高い周波数にも、低い周波数にもSBS抑圧信号が必要であることが分かった。
【0035】
(2波の抑圧信号)
前記実験より、ノイズ及び歪レベルの両方を考慮すると、1波だけのSBS抑圧信号だけではアナログ放送信号の全周波数帯域に対する効果は得られにくく、低周波側(例えば、1MHz以下)のSBS抑圧信号1波、高周波側(例えば、3MHz以上)のSBS抑圧信号1波の合計2波のSBS抑圧信号を加えるのが望ましいことが解明された。
【0036】
(変調度)
本件発明者は、2波のSBS抑圧信号を使用するに当たり、2波同レベルでTotal23%程度の変調度が必要なのか、それともレベル差をつけた方がよいのかについて実験を行った。その結果、3MHz以上、変調度23%のSBS抑圧信号を使用して91.25MHzのノイズ及び歪レベルを改善させ、それに加えて1MHz以下、変調度2.2%程度の低いSBS抑圧信号を入力することにより217.25MHzのノイズ及び歪レベルを改善できることが解明された。ここで、1MHz以下のSBS抑圧信号の変調度レベルを低く抑えている理由は、3MHz以上のSBS抑圧信号でも217.25MHzでのノイズ及び歪レベルに若干効果が出ており、1MHz以下のSBS抑圧信号は低いレベルを入れるだけで改善効果が得られたためである。
【0037】
(歪の改善)
前記試験により、SBSを抑圧するための最良の周波数を確認することができた。しかし、SBSによる歪の悪化は抑制できても、SBS抑圧信号レベルが大きいため、「SBS抑圧信号」対「アナログ信号で発生する歪レベル」が−55dB弱と非常に悪い値である。本件発明者はこの状態を改善するため各種実験を行って、SBS抑圧信号を変調させるのが良いことを解明した。変調方法はスペクトラム拡散周波数変調が適する。スペクトラム拡散周波数変調の波形の一例を図5、図6に示す。
【0038】
図5、図6より、スペクトラム拡散周波数変調を行うことにより、SBS抑圧信号のキャリアピークレベルを抑制することができることが分かる。その結果、図5、図6に示すように、SBS抑圧信号をアナログ信号に混合することにより発生する歪レベルを抑制することができる。昨今はスペクトラム拡散周波数変調用ICが容易に入手できるため、そのICを利用してSBS抑圧信号発生回路を構成することができる。
【0039】
本発明の実験では、基本波を±10%拡散させて、基本波が10MHzの場合、拡散周波数を9MHz〜11MHz、基本波が0.5MHzの場合、拡散周波数0.45MHz〜0.55MHzとした。前記拡散は一例であり、本願発明では前記以外の拡散幅とすることができるのは当然である。
【0040】
(光送信器)
本発明の光送信器のブロック構成の一例を図1に示す。この光送信器は、入力RF信号(アナログ放送波+デジタル放送波)を増幅するRFアンプ1が所望段数と、RF信号を光信号に変換するLDと、SBS抑圧信号発生回路2と、LDの動作電流を制御するLD制御回路3を備えている。前記LDには線幅が細く且つチャーピングの小さいLDが使用される。
【0041】
(SBS抑圧回路構成)
図1の光送信器におけるSBS抑圧信号発生回路2は、図2のように発生させるSBS抑圧信号の数だけ設けることができる。図2に示す夫々のSBS抑圧信号発生回路2は、スペクトラム拡散周波数変調発振器4を備え、その後段に、レベル調整回路5、インピーダンス変換回路6、高調波除去回路7を備えている。
【0042】
図2のスペクトラム拡散周波数変調発振器4はSBSを抑圧するのに必要な信号を出力する回路、レベル調整回路5はSBS抑圧信号のレベルを入力するLDの規格に適合するように調整して、入力レベルが高過ぎてLDの出力が歪むのを防止する回路、インピーダンス変換回路6はLDのインピーダンスに合わせる回路、高調波除去回路7はスペクトラム拡散周波数変調発振器4で発生した基本波+高調波成分のうち、高調波成分をカットして基本波を取り出す回路である。高調波除去回路7には例えば、ローパスフィルタ(LPF)やバンドパスフィルタ(BPF)等が使用される。本発明ではインピーダンス変換回路6、高周波除去回路7は必ずしも必要ではない。
【0043】
夫々のSBS抑圧信号発生回路2から出力されるSBS抑圧信号は、混合器8で混合されて出力され、前記RF信号中のRF信号に加えられる(混合される)。
【0044】
(SBS信号の生成説明)
図2のSBS抑圧信号発生回路2で生成されるSBS信号の生成過程の一例は、図3、図4のようになる。図3にはスペクトラム拡散周波数変調していない状態(無変調状態)での各回路出力の電圧波形と各回路出力でのスペクトル波形を、図4にはスペクトラム拡散周波数変調した状態(変調状態)での各回路出力の電圧波形と各回路出力でのスペクトル波形を示す。
【0045】
図3の無変調状態では、スペクトラム拡散周波数変調発振器4から矩形波(図3:波形1)が出力され、その矩形波がレベル調整回路5でレベル調整されてレベルダウンし(図3:波形2)、インピーダンス変換回路6でLDのインピーダンスに合わせてインピーダンス調整(変換)され、高周波除去回路7で高調波が除去される(図3:波形3)。スペクトラム拡散周波数変調発振器4で発生した基本波+高調波成分のうちの高調波成分(図3:波形4、波形5)が高周波除去回路7によりカットされて基本波(図3:波形6)がSBS抑圧信号として出力され、各々のSBS抑圧信号発生回路4から発生されるSBS抑圧信号が混合器8(図2)において混合される。
【0046】
図4の変調状態では、スペクトラム拡散周波数変調発振器4からスペクトラム拡散された矩形波(図4:波形1)が出力され、その矩形波がレベル調整回路5でレベル調整されてレベルダウンし(図4:波形2)、インピーダンス変換回路6でLDのインピーダンスに合わせてインピーダンス調整(変換)され、高周波除去回路7で高調波が除去される(図4:波形3)。スペクトラム拡散周波数変調発振器4で発生した基本波+高調波成分のうちの高調波成分(図4:波形4、波形5)が高調波除去回路7でカットされて基本波(図4:波形6)がSBS抑圧信号として出力され、各々のSBS抑圧信号発生回路4から発生されるSBS抑圧信号が混合器8(図2)において混合される。図4ではスペクトラム拡散周波数変調発振器4で発生した基本波+高調波成分が変調されているため、それらのピークレベルは、図3のピークレベルに比して抑制されている。ちなみに、ピークレベルが低下してもスペクトル拡散されているため変調は必要な変調度に維持される。
【0047】
(LDへのSBS抑圧信号の入力)
通常、RF信号はLDにRF入力端子から入力するため、本発明でもRF入力端子から入力することができるが、SBS抑圧信号に設定した周波数が10MHz以下と低く、RF信号回路は70MHz以上の伝送帯域となっているため、RF入力端子から入力したのではSBS抑圧信号とRF信号を混合させることが難しい。そこで、本発明ではSBS抑圧信号をバイアス電流入力端子(DCライン)に混合して入力させることにより、SBS抑圧信号をRF信号に入力させるようにすることもできる。
【0048】
図2はSBS抑圧信号発生回路2が二つの場合であるが、SBS抑圧信号発生回路2の数は必要なSBS抑圧信号を発生できる数とすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 RFアンプ
2 SBS抑圧信号発生回路
3 LD制御回路
4 スペクトラム拡散周波数変調発振器
5 レベル調整回路
6 インピーダンス変換回路
7 高調波除去回路
8 混合器
A 放送受信点設備
B 光送信器
C 光増幅器
D 光伝送路
E カプラ
F 加入者宅
G 光受信端末器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ放送波とデジタル放送波の双方(RF信号)を光送信器のLDで光信号に変換し、その光信号を変調して光伝送路に送り出す光信号伝送方法において、
前記LDに線幅が細くチャーピングの小さいLDが使用され、
前記RF信号に、スペクトラム拡散周波数変調されて周波数帯域が広がり、ピークレベルが抑制され、変調度が停波するアナログ信号の変調度と同等レベルのSBS抑圧信号を加え、
前記SBS抑圧信号をアナログ放送の放送中も放送終了後も継続して加えることを特徴とする光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法。
【請求項2】
請求項1記載の光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法において、
低周波側のSBS抑圧信号1波以上、高周波側のSBS抑圧信号1波以上の合計2波以上、又は低周波側・高周波側のいずれか1波以上のSBS抑圧信号を、RF信号に加えることを特徴とする光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法において、
SBS抑圧信号の発生に伴って発生する高調波を除去して、SBS抑圧信号をRF信号に加えることを特徴とする光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法において、
SBS抑圧信号をレベル調整してLDに加えることを特徴とする光信号伝送におけるSBS発生の軽減及び歪発生抑制方法。
【請求項5】
アナログ放送波とデジタル放送波の双方(RF信号)を光送信器のLDで光信号に変換し、その光信号を変調して光伝送路に送り出すようにした光信号伝送システムにおける光送信器において、
光送信器が、チャーピングの小さいLDと、LDの動作電流を制御するLD制御回路と、前記RF信号に加えるSBS抑圧信号を発生するSBS抑圧信号発生回路を備え、
前記SBS抑圧信号発生回路はスペクトラム拡散周波数変調発振器を備え、
前記スペクトラム拡散周波数変調発振器は、スペクトラム拡散周波数変調によって周波数帯域が広がり、ピークレベルが抑制され、変調度が停波するアナログ信号の変調度と同等レベルのSBS抑圧信号を発振可能であることを特徴とする光信号伝送システムにおける光送信器。
【請求項6】
請求項5記載の光信号伝送システムにおける光送信器において、
SBS抑圧信号発生回路を備え、夫々のSBS抑圧信号発生回路は、低周波側と高周波側のSBS抑圧信号を発生可能であることを特徴とする光信号伝送システムにおける光送信器。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載の光信号伝送システムにおける光送信器において、
スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、SBS抑圧信号の発生に伴って発生する高調波を除去する高調波除去回路を設けたことを特徴とする光信号伝送システムにおける光送信器。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の光信号伝送システムにおける光送信器において、
スペクトラム拡散周波数変調発振器の後段に、SBS抑圧信号のレベルを調整するレベル調整回路を設けたことを特徴とする光信号伝送システムにおける光送信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−169943(P2012−169943A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30272(P2011−30272)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000114226)ミハル通信株式会社 (38)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】