説明

光半導体の駆動回路

【課題】フォトカプラ等の光半導体のCTRが低下していない場合には、入力電流を必要以上に流さないようにする。
【解決手段】フォトカプラ等をスイッチング動作させてパルス信号の伝達をしている光半導体の駆動回路において、入力抵抗を可変させるためのスイッチと、出力電流を監視して該スイッチをオン、オフさせる出力電流判定部を備え、出力電流の値によりCTRの低下を判定し、適切な入力抵抗値とすることで必要な入力電流のみを流すようにする。フォトカプラのCTRが低下していない場合でも必要以上に入力電流を流さないようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトカプラ等の光半導体の駆動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子回路にて、パルス信号の伝達にフォトカプラ等をスイッチング動作させて使用している。図2は、パルス信号伝達の回路例であり、1はフォトカプラ、2は負荷抵抗、6は入力抵抗を表す。入力信号がHighレベルの場合、フォトカプラ1がオンし出力信号はLowレベルとなる。また入力信号がLowレベルの場合、フォトカプラ1はオフし出力信号はHighレベルとなる。
【0003】
フォトカプラをスイッチング動作させるためには、入力電流Iを下記の(1)式の条件とする必要があるので、入力抵抗の抵抗値はそのように選定する。数式1において、VCEはフォトカプラのコレクタ−エミッタ間飽和電圧、RLは負荷抵抗の抵抗値、CTRは入力電流Iと出力電流Iの比で、電流伝達比として知られる値である。
【0004】
(数1)
≧(VCC-VCE)/RL/CTR (1)
【0005】
ここで(1)式のCTRは経年と共に低下することが知られており、そのため入力抵抗の抵抗値はCTRが低下した状態でも問題がないように選定する必要がある。しかしながら、CTRが低下していない状態では入力電流を必要以上に流すことになり、発熱等で問題となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2−272778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、CTRが低下していない状態でフォトカプラの入力電流を必要以上に流すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明によれば、フォトカプラ等をスイッチング動作させてパルス信号の伝達をしている光半導体の駆動回路において、入力抵抗を可変させるためのスイッチと、出力電流を監視して該スイッチをオン、オフさせる出力電流判定部を備え、該出力電流の値により該入力抵抗を可変させることを特徴とする。
【0009】
すなわち、フォトカプラの出力電流を監視して、その値により入力抵抗を可変させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によりフォトカプラのCTRが低下していない場合でも必要以上に入力電流を流さないようになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】フォトカプラの駆動回路の本発明の一実施例の説明図である。
【図2】フォトカプラの駆動回路の従来発明の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の説明図であって、フォトカプラ1、負荷抵抗2、入力抵抗6は図2と同様である。また3は出力電流判定部、4は出力電流判定部3からの指令によりオン、オフするスイッチ、5は可変用抵抗である。
【0013】
出力電流判定部3は、負荷抵抗2の両端電圧を監視しそれが所定の値以上であったならばフォトカプラ1のCTRが低下していないと判断し、スイッチ4はオフさせる。入力抵抗6はCTRが低下していない条件での抵抗値とするので、この時に必要以上の電流が流れることはない。また負荷抵抗2の両端電圧が所定の値以下になった場合にフォトカプラ1のCTRが低下したと判断し、スイッチ4をオンさせる。これによりフォトカプラ1の入力抵抗値は入力抵抗6と可変用抵抗5との並列接続の値となるため、等価的に入力抵抗値が下がり、入力電流を増加させることになる。これにより経年でCTRが低下した場合でも問題なくフォトカプラ1を駆動することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
パルス信号の伝達にフォトカプラを使用していて、経年によるCTRの低下が問題となるような用途に適用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 フォトカプラ
2 負荷抵抗
3 出力電流判定部
4 スイッチ
5 可変用抵抗
6 入力抵抗


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトカプラ等をスイッチング動作させてパルス信号の伝達をしている光半導体の駆動回路において、入力抵抗を可変させるためのスイッチと、出力電流を監視して該スイッチをオン、オフさせる出力電流判定部を備え、該出力電流の値により該入力抵抗を可変させることを特徴とする光半導体の駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−26482(P2013−26482A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160419(P2011−160419)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【Fターム(参考)】