光増幅器制御装置
【課題】本発明の目的は、コストの増加が方路数の増加に比例しない光増幅器制御装置を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る光増幅制御装置は、制御回路300と、各々の前記方路に配置された光増幅器(4、5)と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源(200、201)と、制御回路300の判断に従い、光源(200、201)からの励起光の光経路を切り換えて光増幅器(4、5)へ入力する光スイッチ32と、を備える。制御回路300は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部301を備える。
【解決手段】本発明に係る光増幅制御装置は、制御回路300と、各々の前記方路に配置された光増幅器(4、5)と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源(200、201)と、制御回路300の判断に従い、光源(200、201)からの励起光の光経路を切り換えて光増幅器(4、5)へ入力する光スイッチ32と、を備える。制御回路300は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部301を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起光を用いて光信号を増幅する光増幅器の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、波長多重システム(WDM system:Wavelength Division Multiplexing System)には、OADM(Optical Add Drop Multiplexing)等の技術が適用されており、特にユーザーサイドと基幹ネットワークを結ぶメトロ・アクセス系のネットワークにおいて必須の技術となっている。なぜなら、波長多重された信号から任意の波長をAdd/Dropすることで、ユーザーに応じて通信容量を変更することができ、フレキシブルなネットワークを構成することができるからである。
【0003】
このネットワークにおいて、Drop構成例を図1に示す。まず、WDM信号光9は、エルビウム添加ファイバ3(EDF:Erbium−Doped Fiber)を増幅媒体とした光増幅器で増幅される。増幅媒体は、レーザダイオード199(LD:Laser Diodo)により光カプラ59を介して励起される。入出力WDM信号光の一部は、それぞれ光カプラ68、光カプラ69で分岐され、受光器78(PD:Photo Diodo)、PD79で光電変換された後、制御回路299で、制御方式に応じてLD199の制御値が導出される。例えば、利得一定制御方式だと、入出力の利得が一定となるようなLD199の制御値を導出する。
【0004】
増幅されたWDM信号光は分波器99で分波され、そのうち必要な信号光はドロップ信号光19としてDropされ、それ以外の信号光はスルー信号光18としてスルーされる。
【0005】
図2は、次世代のDrop構成の候補のひとつとして考えられているDrop構成例である。図2の構成では、WDM信号光9を増幅する前に、分波器799で複数の方路に分波する。図2では、方路1と方路2に分波している。図2の構成は、図1の構成に加え、方路が選択できるため、更なるフレキシブルなネットワークが実現できる。
【0006】
図1や図2の構成に適用可能な光増幅器の例が特許文献1及び2に記載されている。特許文献1の光直接増幅器は、光増幅部、励起LD光源、信号検出器、及び制御回路で構成される。特許文献1の光直接増幅器は、入力光多重信号の信号チャンネル数が多い場合は、励起LD光源数を増加させ、信号チャンネル数が減少した場合は、励起LD光源数を減少させるように動作する。
【0007】
特許文献2の波長多重光中継器は、複数の光伝送路、励起光源、及びEDFで構成される。特許文献2の波長多重光中継器は、WDM信号を波長毎に分波して、それぞれを光増幅して合波するように動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−332330号公報
【特許文献2】特開2001−148669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光増幅器は、一般的に、WDM信号光の入力波長数に応じたLDの出力(励起光の光強度)の増加が必要である。そして、図2のような構成とした場合、方路1または方路2に全てのWDM信号光が選択される可能性があるため、全てのWDM信号光を増幅可能な光強度の励起光が各方路のLDに求められる。これは、図2のような次世代のDrop構成を採用すると、特許文献1及び2の構成の光増幅器の励起光源を方路台分用意する必要があり、方路数の増加に比例してコストが増加するという問題ある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、コストの増加が方路数の増加に比例しない光増幅器制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る制御回路は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部を備える。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御装置は、前記制御回路と、各々の前記方路に配置された光増幅器と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、前記制御回路の判断に従い、前記光源からの前記励起光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、を備える。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御装置は、前記制御回路と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、前記光源からの前記励起光がそれぞれ入力される光増幅器と、前記制御回路の判断に従い、前記方路の前記波長光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、を備える。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御方法は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御プログラムは、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断させるように制御回路を動作させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コストの増加が方路数の増加に比例しない光増幅器制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】関連するDrop構成を説明する図である。
【図2】関連するDrop構成を説明する図である。
【図3】本発明に係る制御回路を説明する図である。
【図4】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図5】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図6】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図7】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図8】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図9】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図10】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図11】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図12】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図13】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図14】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図15】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図16】本発明に係る光増幅器制御方法を説明する図である。
【図17】本発明に係る光増幅器制御方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0019】
(実施形態1)
図3は、本実施形態の制御回路300を説明する図である。制御回路300は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部301を備える。ここで、波長光に関するパラメータは、例えば、波長光に関するパラメータ(波長数)や方路を伝搬する光の光強度とすることができる。
【0020】
制御回路300は、図16のように動作する。すなわち、制御回路300は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて(ステップS12)、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断(ステップS13)する光増幅器制御方法を実行する。
【0021】
(実施形態2)
図4は、制御回路300を組み込んだ光増幅制御装置402を説明する図である。光増幅制御装置402の最小構成要素は、制御回路300と、各々の前記方路に配置された光増幅器(4、5)と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源(200、201)と、制御回路300の判断に従い、光源(200、201)からの励起光の光経路を切り換えて光増幅器(4、5)へ入力する光スイッチ32と、である。図4は、具体的な光増幅制御装置402を説明しているため、最小構成要素以外の部品も記載されている。本実施形態では、光増幅器(4、5)は、EDFである。このため、以下では光増幅器をEDF(4、5)として説明する。なお、本実施形態では、方路を2つとしたが、方路数はこれに限らない。
【0022】
分波器800は、光カプラ60と光カプラ61に接続される。光カプラ60、光カプラ61は、それぞれEDF4とPD70、EDF5とPD71に接続される。EDF4、EDF5は、それぞれ光カプラ50、光カプラ51を介して、光カプラ62と光スイッチ32、光カプラ63と光スイッチ32に接続される。光スイッチ32はLD200、LD201、制御回路300と接続される。制御回路300は、PD70、PD71、PD72、PD73と接続される。光カプラ62、光カプラ63は、それぞれPD72と分波器100、PD73と分波器101に接続される。図中の実線は光接続を示し、点線は電気接続をあらわしている。
【0023】
光増幅制御装置402の動作について、図4を用いて説明する。WDM信号光9は、分波器800で方路1と方路2の波長光に分波される。方路1に分波された波長光は、光カプラ60で、モニター用に一部分岐されてPD70に入力される。このモニター用の光は、光強度が方路1を伝搬する波長光の数を表すため、PD70で電気信号に変換されて制御回路300に通知される。
【0024】
モニター用以外の波長光は、EDF4に入力され、光カプラ50で、LD200またはLD201からの励起光と合波される。光スイッチ32はいずれのLDからの励起光を合波するかを選択する。光スイッチ32によるLDの選択は、制御回路300からの指示によって行われる。
【0025】
LD200は、WDM信号光9の全波長を光増幅可能な光強度を光を出力することができる。LD201は、WDM信号光9の全波長の1/2の波長を光増幅可能な光強度の光を出力することができる。
【0026】
制御回路300は、PD70が検出したモニター用光の光強度に基づき、方路1の波長光の数(波長数)がWDM信号光9の波長数の半分以上であればLD200を、半分未満であればLD201を選択する。
【0027】
EDF4中のEr3+(エルビウムイオン)はLDの励起光により励起され、波長光は励起されたEr3+で増幅されて出力される。
【0028】
EDF4から出力された波長光は、光カプラ62でモニター用に一部分岐されて、PD72に入力される。PD72は、分岐された波長光を電気信号に変換して制御回路300に通知する。制御回路300は、光増幅の制御方式に従い、LD200とLD201の出力制御値を決定する。例えば、利得一定制御方式の場合、制御回路300は入出力の利得(EDF4前後の利得)が一定となるようなLDの出力制御値を導出する。
【0029】
以上のように、分波され方路1を伝搬する波長光は、EDF4で所望の出力レベルまで増幅され、分波器100でドロップ信号光12とスルー信号光11に分波される。方路2に分波された波長光も、方路1の説明と同様に増幅制御され、分波器101でドロップ信号光21とスルー信号光20に分波される。
【0030】
次に、本実施形態の効果を説明する。
(効果1)
図2の構成の場合、いずれの方路にもWDM信号光9に含まれる全波長を増幅できる光強度の光を出力するLD(WDM信号光の全波長用LD)を用意する必要がある。すなわち、波長数が大きいほど必要な出力も増加し、LDのコストが高くなる。しかしながら、本実施形態の構成とすることで、一方の方路のLDの出力を全波長用LDの1/2とすることができるため、一方のLDのコストを低減することができる。
【0031】
(効果2)
効果1で説明したコスト低減の効果は、方路数が増加するほど大きくなる。例えば、方路数4の光増幅器制御装置の場合を説明する。この光増幅器制御装置に配置される4つのLDは次の通りである。
WDM信号光の全波長用LD・・・1個
WDM信号光の全波長の1/2用LD・・・1個
WDM信号光の全波長の1/3用LD・・・1個
WDM信号光の全波長の1/4用LD・・・1個
図2のような構成の場合、WDM信号光の全波長用LDが4個必要となる。WDM信号光の全波長用LDのコストを1とすると、図2のような構成の場合、LDコストは4となる。ここで、波長の減衰量が直接コストに比例すると仮定すると、本発明の装置全体では、
1+1/2+1/3+1/4=25/12
のLDコストとなり、大幅なコスト低減が図れる。
【0032】
(実施形態3)
(効果3)
図5は、実施形態3の光増幅器制御装置403を説明する図である。光増幅器制御装置403と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4、5)前段で波長光のモニターを行っていない点である。光増幅器制御装置403での光増幅の制御方法は、例えば、光出力一定制御である。本実施形態の構成でも上述の効果1及び効果2を得ることができる。
【0033】
(実施形態4)
(効果4)
図6は、実施形態4の光増幅器制御装置404を説明する図である。光増幅器制御装置404と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4、5)後段で波長光のモニターを行っていない点である。光増幅器制御装置404での光増幅の制御方法は、例えば、簡易利得一定制御(入力レベルに比例してLDの出力を調整する方法)である。本実施形態の構成でも上述の効果1及び効果2を得ることができる。
【0034】
(効果5)
図4の光増幅器制御装置402のように励起光をEDF(4、5)の後方から入力するだけでなく、励起光をEDF(4、5)の前方から入力しても上記効果を得ることができる。
【0035】
(効果6)
一般的に、EDFの特性としてLDからの励起光が遮断されてもEr3+イオンの励起状態はある一定時間(寿命時間)継続される。このため、光スイッチ32の速度をEDFの励起状態寿命時間よりも早く切り換えることで、WDM信号光の方路変更を無瞬断で行うことができる。
【0036】
(実施形態5)
(効果7)
図7は、実施形態5の光増幅器制御装置405を説明する図である。光増幅器制御装置405と図4の光増幅器制御装置402との違いは、予備用のLD用のポートが光スイッチ32にあること及び予備用のLD202が光スイッチ32に接続されている点である。光増幅器制御装置405の制御回路300は、図17のように動作する。すなわち、制御回路300は、図16で説明したステップS13の後に、LDの出力光を確認し、所望の出力が得られるか確認し(ステップS15)、励起光が方路の波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、方路の前記波長光の光増幅に予備の励起光を用いるよう判断する(ステップS16)。予備の励起光を出力するLD202は、WDM信号光の全波長用とする。光増幅器制御装置405は、LD200又はLD201が劣化や故障をしても、そのLDを交換するまで波長光を光増幅することができ品質向上につながる。
【0037】
(実施形態6)
(効果8)
図8は、実施形態6の光増幅器制御装置406を説明する図である。光増幅器制御装置406と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4,5)の前段にも励起光を入力するLD(400、401)及びカプラ(52,53)が配置されている点である。すなわち、図2の構成に図4の構成を組み合わせることが可能である。図8に示すように、EDF(4、5)に前段と後段にLD(400、401、200、201)が存在する場合に、LD(400、401)は、図2で説明した制御を行い、LD(200、201)は、図4で説明した制御を行うように組み合わせが可能であることである。逆に、前段のLDを図4で説明したように制御し、後段LDを図2で説明したように制御してもよい。
【0038】
(実施形態7)
(効果9)
図9は、実施形態7の光増幅器制御装置407を説明する図である。光増幅器制御装置407と図4の光増幅器制御装置402との違いは、WDM信号光を分波する構成ではなく、波長光を合波する構成である点である。合波器900で合波されたスルー信号光13とアド信号光14は方路1に結合され、図4の説明のように光増幅される。合波器901で合波されたスルー信号光22とアド信号光23は方路2に結合され、図4の説明のように光増幅される。合波器103は光増幅された波長光を合波してWDM信号光8を出力する。
【0039】
(実施形態8)
図10は、実施形態8の光増幅器制御装置408を説明する図である。光増幅器制御装置408と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4、5)の代替にラマン増幅用ファイバ(600、601)を用いて、ラマン増幅を行っている点である。光増幅器制御装置408は、効果1、効果2、効果3、効果4、効果7、効果8、効果9を得ることが可能である。
【0040】
(実施形態9)
図11は、実施形態9の光増幅器制御装置409を説明する図である。光増幅器制御装置409と図4の光増幅器制御装置402との違いは、LDからの励起光の経路を切り換えるのではなく、方路の波長光の経路を切り換えている点である。光増幅器制御装置409の最小構成要素は、制御回路300と、互いに光強度が異なる励起光を出力するLD(200、201)と、前記励起光がそれぞれ入力されるEDF(4、5)と、制御回路300の判断に従い、方路の波長光の光経路を切り換えてEDF(4、5)へ入力する光スイッチ(54、55)と、である。図11は、具体的な光増幅制御装置409を説明しているため、最小構成要素以外の部品も記載されている。光増幅器制御装置409ではEDFとLDが組になっており、制御回路300は方路の波長光の数に応じていずれのEDFで光増幅させるかを判断し、光スイッチ(54、55)を用いて切り換える。
【0041】
光増幅器制御装置409は、効果1、効果2、効果4、効果5、効果7、効果8、効果9を得ることが可能である。ただし、効果7を得る場合、図12のように、予備用のLD202だけでなく、EDF6と光カプラ54を用意する必要がある。また、図13のように、EDF6の代わりに、ラマン増幅用ファイバ602を用意するなどして、増幅方法を変えることもできる。
【0042】
(実施形態10)
図14は、実施形態10の光増幅器制御装置412を説明する図である。光増幅器制御装置412と図11の光増幅器制御装置409との違いは、EDF(4、5)の代替としてラマン増幅用ファイバ(600、601)を用いている点である。光増幅器制御装置412は、効果1、効果2、効果4、効果7、効果8、効果9を得ることが可能である。効果7に関しては、入力レベルが大きく波長光を増幅する必要がない場合(増幅器ファイバの損失とラマン利得が同じ場合等)、図15のように、ファイバ71のみ接続された経路に切り換えることで追加でLDの消費電力も削減することができる。
【0043】
(他の実施形態)
上述した実施形態において、光増幅器はEDF又はラマン増幅用ファイバであるとして説明したが、これらに限らず光を増幅できる媒体であれば同様の効果を得ることができる。
【0044】
(プログラム)
制御回路300はコンピュータであり、下記の付記15〜20のプログラムで実施形態1から10で説明したように動作させることができる。
【0045】
(付記1)
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部を備える制御回路。
(付記2)
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記1に記載の制御回路。
(付記3)
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光の光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断することを特徴とする付記1又は2に記載の制御回路。
(付記4)
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記3に記載の制御回路。
(付記5)
付記1から4のいずれかに記載の制御回路と、
各々の前記方路に配置された光増幅器と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記制御回路の判断に従い、前記光源からの前記励起光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅制御装置。
(付記6)
付記1から4のいずれかに記載の制御回路と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記光源からの前記励起光がそれぞれ入力される光増幅器と、
前記制御回路の判断に従い、前記方路の前記波長光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅器制御装置。
(付記7)
前記光増幅器は、EDFであることを特徴とする付記5又は6に記載の光増幅器制御装置。
(付記8)
前記光増幅器は、ラマン増幅用ファイバでであることを特徴とする付記5又は6に記載の光増幅器制御装置。
(付記9)
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する光増幅器制御方法。
(付記10)
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記9に記載の光増幅器制御方法。
(付記11)
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光を光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断することを特徴とする付記9又は10に記載の光増幅器制御方法。
(付記12)
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記11に記載の光増幅器制御方法。
(付記13)
各々の前記方路に配置された光増幅器に、互いに光強度が異なる前記励起光を切り換えて入力することを特徴とする付記9から12のいずれかに記載の光増幅器制御方法。
(付記14)
互いに光強度が異なる前記励起光が入力される光増幅器を経由するように前記波長光の光経路を切り換えることを特徴とする付記9から12のいずれかに記載の光増幅器制御方法。
(付記15)
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断させるように制御回路を動作させる光増幅器制御プログラム。
(付記16)
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記15に記載の光増幅器制御プログラム。
(付記17)
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光を光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断するように前記制御回路を動作させることを特徴とする付記15又は16に記載の光増幅器制御プログラム。
(付記18)
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記17に記載の光増幅器制御プログラム。
(付記19)
各々の前記方路に配置された光増幅器に、互いに光強度が異なる前記励起光を切り換えて入力する光スイッチを動作させることを特徴とする付記15から18のいずれかに記載の光増幅器制御プログラム。
(付記20)
互いに光強度が異なる前記励起光が入力される光増幅器を経由するように前記波長光の光経路を切り換える光経路切換スイッチを動作させることを特徴とする付記15から18のいずれかに記載の光増幅器制御プログラム。
【符号の説明】
【0046】
1、2:方路
3、4、5、6、7:EDF
8、9:WDM信号光
11、13、18、20、22:スルー信号光
12、19、21:ドロップ信号光
14、23:アド信号光
32〜35:光スイッチ
50〜53、59、60〜67、69:光カプラ
70〜79:PD
100、101、103、799、800:分波器
199、200、201、202、400、401:LD
297〜299、300:制御回路
301:判断部
600〜602:ラマン増幅用ファイバ
402〜413:光増幅器制御装置
900、901:合波器
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起光を用いて光信号を増幅する光増幅器の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、波長多重システム(WDM system:Wavelength Division Multiplexing System)には、OADM(Optical Add Drop Multiplexing)等の技術が適用されており、特にユーザーサイドと基幹ネットワークを結ぶメトロ・アクセス系のネットワークにおいて必須の技術となっている。なぜなら、波長多重された信号から任意の波長をAdd/Dropすることで、ユーザーに応じて通信容量を変更することができ、フレキシブルなネットワークを構成することができるからである。
【0003】
このネットワークにおいて、Drop構成例を図1に示す。まず、WDM信号光9は、エルビウム添加ファイバ3(EDF:Erbium−Doped Fiber)を増幅媒体とした光増幅器で増幅される。増幅媒体は、レーザダイオード199(LD:Laser Diodo)により光カプラ59を介して励起される。入出力WDM信号光の一部は、それぞれ光カプラ68、光カプラ69で分岐され、受光器78(PD:Photo Diodo)、PD79で光電変換された後、制御回路299で、制御方式に応じてLD199の制御値が導出される。例えば、利得一定制御方式だと、入出力の利得が一定となるようなLD199の制御値を導出する。
【0004】
増幅されたWDM信号光は分波器99で分波され、そのうち必要な信号光はドロップ信号光19としてDropされ、それ以外の信号光はスルー信号光18としてスルーされる。
【0005】
図2は、次世代のDrop構成の候補のひとつとして考えられているDrop構成例である。図2の構成では、WDM信号光9を増幅する前に、分波器799で複数の方路に分波する。図2では、方路1と方路2に分波している。図2の構成は、図1の構成に加え、方路が選択できるため、更なるフレキシブルなネットワークが実現できる。
【0006】
図1や図2の構成に適用可能な光増幅器の例が特許文献1及び2に記載されている。特許文献1の光直接増幅器は、光増幅部、励起LD光源、信号検出器、及び制御回路で構成される。特許文献1の光直接増幅器は、入力光多重信号の信号チャンネル数が多い場合は、励起LD光源数を増加させ、信号チャンネル数が減少した場合は、励起LD光源数を減少させるように動作する。
【0007】
特許文献2の波長多重光中継器は、複数の光伝送路、励起光源、及びEDFで構成される。特許文献2の波長多重光中継器は、WDM信号を波長毎に分波して、それぞれを光増幅して合波するように動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−332330号公報
【特許文献2】特開2001−148669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光増幅器は、一般的に、WDM信号光の入力波長数に応じたLDの出力(励起光の光強度)の増加が必要である。そして、図2のような構成とした場合、方路1または方路2に全てのWDM信号光が選択される可能性があるため、全てのWDM信号光を増幅可能な光強度の励起光が各方路のLDに求められる。これは、図2のような次世代のDrop構成を採用すると、特許文献1及び2の構成の光増幅器の励起光源を方路台分用意する必要があり、方路数の増加に比例してコストが増加するという問題ある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、コストの増加が方路数の増加に比例しない光増幅器制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る制御回路は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部を備える。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御装置は、前記制御回路と、各々の前記方路に配置された光増幅器と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、前記制御回路の判断に従い、前記光源からの前記励起光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、を備える。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御装置は、前記制御回路と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、前記光源からの前記励起光がそれぞれ入力される光増幅器と、前記制御回路の判断に従い、前記方路の前記波長光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、を備える。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御方法は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明に係る光増幅器制御プログラムは、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断させるように制御回路を動作させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コストの増加が方路数の増加に比例しない光増幅器制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】関連するDrop構成を説明する図である。
【図2】関連するDrop構成を説明する図である。
【図3】本発明に係る制御回路を説明する図である。
【図4】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図5】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図6】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図7】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図8】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図9】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図10】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図11】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図12】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図13】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図14】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図15】本発明に係る光増幅器制御装置を説明する図である。
【図16】本発明に係る光増幅器制御方法を説明する図である。
【図17】本発明に係る光増幅器制御方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0019】
(実施形態1)
図3は、本実施形態の制御回路300を説明する図である。制御回路300は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部301を備える。ここで、波長光に関するパラメータは、例えば、波長光に関するパラメータ(波長数)や方路を伝搬する光の光強度とすることができる。
【0020】
制御回路300は、図16のように動作する。すなわち、制御回路300は、複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて(ステップS12)、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断(ステップS13)する光増幅器制御方法を実行する。
【0021】
(実施形態2)
図4は、制御回路300を組み込んだ光増幅制御装置402を説明する図である。光増幅制御装置402の最小構成要素は、制御回路300と、各々の前記方路に配置された光増幅器(4、5)と、互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源(200、201)と、制御回路300の判断に従い、光源(200、201)からの励起光の光経路を切り換えて光増幅器(4、5)へ入力する光スイッチ32と、である。図4は、具体的な光増幅制御装置402を説明しているため、最小構成要素以外の部品も記載されている。本実施形態では、光増幅器(4、5)は、EDFである。このため、以下では光増幅器をEDF(4、5)として説明する。なお、本実施形態では、方路を2つとしたが、方路数はこれに限らない。
【0022】
分波器800は、光カプラ60と光カプラ61に接続される。光カプラ60、光カプラ61は、それぞれEDF4とPD70、EDF5とPD71に接続される。EDF4、EDF5は、それぞれ光カプラ50、光カプラ51を介して、光カプラ62と光スイッチ32、光カプラ63と光スイッチ32に接続される。光スイッチ32はLD200、LD201、制御回路300と接続される。制御回路300は、PD70、PD71、PD72、PD73と接続される。光カプラ62、光カプラ63は、それぞれPD72と分波器100、PD73と分波器101に接続される。図中の実線は光接続を示し、点線は電気接続をあらわしている。
【0023】
光増幅制御装置402の動作について、図4を用いて説明する。WDM信号光9は、分波器800で方路1と方路2の波長光に分波される。方路1に分波された波長光は、光カプラ60で、モニター用に一部分岐されてPD70に入力される。このモニター用の光は、光強度が方路1を伝搬する波長光の数を表すため、PD70で電気信号に変換されて制御回路300に通知される。
【0024】
モニター用以外の波長光は、EDF4に入力され、光カプラ50で、LD200またはLD201からの励起光と合波される。光スイッチ32はいずれのLDからの励起光を合波するかを選択する。光スイッチ32によるLDの選択は、制御回路300からの指示によって行われる。
【0025】
LD200は、WDM信号光9の全波長を光増幅可能な光強度を光を出力することができる。LD201は、WDM信号光9の全波長の1/2の波長を光増幅可能な光強度の光を出力することができる。
【0026】
制御回路300は、PD70が検出したモニター用光の光強度に基づき、方路1の波長光の数(波長数)がWDM信号光9の波長数の半分以上であればLD200を、半分未満であればLD201を選択する。
【0027】
EDF4中のEr3+(エルビウムイオン)はLDの励起光により励起され、波長光は励起されたEr3+で増幅されて出力される。
【0028】
EDF4から出力された波長光は、光カプラ62でモニター用に一部分岐されて、PD72に入力される。PD72は、分岐された波長光を電気信号に変換して制御回路300に通知する。制御回路300は、光増幅の制御方式に従い、LD200とLD201の出力制御値を決定する。例えば、利得一定制御方式の場合、制御回路300は入出力の利得(EDF4前後の利得)が一定となるようなLDの出力制御値を導出する。
【0029】
以上のように、分波され方路1を伝搬する波長光は、EDF4で所望の出力レベルまで増幅され、分波器100でドロップ信号光12とスルー信号光11に分波される。方路2に分波された波長光も、方路1の説明と同様に増幅制御され、分波器101でドロップ信号光21とスルー信号光20に分波される。
【0030】
次に、本実施形態の効果を説明する。
(効果1)
図2の構成の場合、いずれの方路にもWDM信号光9に含まれる全波長を増幅できる光強度の光を出力するLD(WDM信号光の全波長用LD)を用意する必要がある。すなわち、波長数が大きいほど必要な出力も増加し、LDのコストが高くなる。しかしながら、本実施形態の構成とすることで、一方の方路のLDの出力を全波長用LDの1/2とすることができるため、一方のLDのコストを低減することができる。
【0031】
(効果2)
効果1で説明したコスト低減の効果は、方路数が増加するほど大きくなる。例えば、方路数4の光増幅器制御装置の場合を説明する。この光増幅器制御装置に配置される4つのLDは次の通りである。
WDM信号光の全波長用LD・・・1個
WDM信号光の全波長の1/2用LD・・・1個
WDM信号光の全波長の1/3用LD・・・1個
WDM信号光の全波長の1/4用LD・・・1個
図2のような構成の場合、WDM信号光の全波長用LDが4個必要となる。WDM信号光の全波長用LDのコストを1とすると、図2のような構成の場合、LDコストは4となる。ここで、波長の減衰量が直接コストに比例すると仮定すると、本発明の装置全体では、
1+1/2+1/3+1/4=25/12
のLDコストとなり、大幅なコスト低減が図れる。
【0032】
(実施形態3)
(効果3)
図5は、実施形態3の光増幅器制御装置403を説明する図である。光増幅器制御装置403と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4、5)前段で波長光のモニターを行っていない点である。光増幅器制御装置403での光増幅の制御方法は、例えば、光出力一定制御である。本実施形態の構成でも上述の効果1及び効果2を得ることができる。
【0033】
(実施形態4)
(効果4)
図6は、実施形態4の光増幅器制御装置404を説明する図である。光増幅器制御装置404と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4、5)後段で波長光のモニターを行っていない点である。光増幅器制御装置404での光増幅の制御方法は、例えば、簡易利得一定制御(入力レベルに比例してLDの出力を調整する方法)である。本実施形態の構成でも上述の効果1及び効果2を得ることができる。
【0034】
(効果5)
図4の光増幅器制御装置402のように励起光をEDF(4、5)の後方から入力するだけでなく、励起光をEDF(4、5)の前方から入力しても上記効果を得ることができる。
【0035】
(効果6)
一般的に、EDFの特性としてLDからの励起光が遮断されてもEr3+イオンの励起状態はある一定時間(寿命時間)継続される。このため、光スイッチ32の速度をEDFの励起状態寿命時間よりも早く切り換えることで、WDM信号光の方路変更を無瞬断で行うことができる。
【0036】
(実施形態5)
(効果7)
図7は、実施形態5の光増幅器制御装置405を説明する図である。光増幅器制御装置405と図4の光増幅器制御装置402との違いは、予備用のLD用のポートが光スイッチ32にあること及び予備用のLD202が光スイッチ32に接続されている点である。光増幅器制御装置405の制御回路300は、図17のように動作する。すなわち、制御回路300は、図16で説明したステップS13の後に、LDの出力光を確認し、所望の出力が得られるか確認し(ステップS15)、励起光が方路の波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、方路の前記波長光の光増幅に予備の励起光を用いるよう判断する(ステップS16)。予備の励起光を出力するLD202は、WDM信号光の全波長用とする。光増幅器制御装置405は、LD200又はLD201が劣化や故障をしても、そのLDを交換するまで波長光を光増幅することができ品質向上につながる。
【0037】
(実施形態6)
(効果8)
図8は、実施形態6の光増幅器制御装置406を説明する図である。光増幅器制御装置406と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4,5)の前段にも励起光を入力するLD(400、401)及びカプラ(52,53)が配置されている点である。すなわち、図2の構成に図4の構成を組み合わせることが可能である。図8に示すように、EDF(4、5)に前段と後段にLD(400、401、200、201)が存在する場合に、LD(400、401)は、図2で説明した制御を行い、LD(200、201)は、図4で説明した制御を行うように組み合わせが可能であることである。逆に、前段のLDを図4で説明したように制御し、後段LDを図2で説明したように制御してもよい。
【0038】
(実施形態7)
(効果9)
図9は、実施形態7の光増幅器制御装置407を説明する図である。光増幅器制御装置407と図4の光増幅器制御装置402との違いは、WDM信号光を分波する構成ではなく、波長光を合波する構成である点である。合波器900で合波されたスルー信号光13とアド信号光14は方路1に結合され、図4の説明のように光増幅される。合波器901で合波されたスルー信号光22とアド信号光23は方路2に結合され、図4の説明のように光増幅される。合波器103は光増幅された波長光を合波してWDM信号光8を出力する。
【0039】
(実施形態8)
図10は、実施形態8の光増幅器制御装置408を説明する図である。光増幅器制御装置408と図4の光増幅器制御装置402との違いは、EDF(4、5)の代替にラマン増幅用ファイバ(600、601)を用いて、ラマン増幅を行っている点である。光増幅器制御装置408は、効果1、効果2、効果3、効果4、効果7、効果8、効果9を得ることが可能である。
【0040】
(実施形態9)
図11は、実施形態9の光増幅器制御装置409を説明する図である。光増幅器制御装置409と図4の光増幅器制御装置402との違いは、LDからの励起光の経路を切り換えるのではなく、方路の波長光の経路を切り換えている点である。光増幅器制御装置409の最小構成要素は、制御回路300と、互いに光強度が異なる励起光を出力するLD(200、201)と、前記励起光がそれぞれ入力されるEDF(4、5)と、制御回路300の判断に従い、方路の波長光の光経路を切り換えてEDF(4、5)へ入力する光スイッチ(54、55)と、である。図11は、具体的な光増幅制御装置409を説明しているため、最小構成要素以外の部品も記載されている。光増幅器制御装置409ではEDFとLDが組になっており、制御回路300は方路の波長光の数に応じていずれのEDFで光増幅させるかを判断し、光スイッチ(54、55)を用いて切り換える。
【0041】
光増幅器制御装置409は、効果1、効果2、効果4、効果5、効果7、効果8、効果9を得ることが可能である。ただし、効果7を得る場合、図12のように、予備用のLD202だけでなく、EDF6と光カプラ54を用意する必要がある。また、図13のように、EDF6の代わりに、ラマン増幅用ファイバ602を用意するなどして、増幅方法を変えることもできる。
【0042】
(実施形態10)
図14は、実施形態10の光増幅器制御装置412を説明する図である。光増幅器制御装置412と図11の光増幅器制御装置409との違いは、EDF(4、5)の代替としてラマン増幅用ファイバ(600、601)を用いている点である。光増幅器制御装置412は、効果1、効果2、効果4、効果7、効果8、効果9を得ることが可能である。効果7に関しては、入力レベルが大きく波長光を増幅する必要がない場合(増幅器ファイバの損失とラマン利得が同じ場合等)、図15のように、ファイバ71のみ接続された経路に切り換えることで追加でLDの消費電力も削減することができる。
【0043】
(他の実施形態)
上述した実施形態において、光増幅器はEDF又はラマン増幅用ファイバであるとして説明したが、これらに限らず光を増幅できる媒体であれば同様の効果を得ることができる。
【0044】
(プログラム)
制御回路300はコンピュータであり、下記の付記15〜20のプログラムで実施形態1から10で説明したように動作させることができる。
【0045】
(付記1)
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部を備える制御回路。
(付記2)
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記1に記載の制御回路。
(付記3)
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光の光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断することを特徴とする付記1又は2に記載の制御回路。
(付記4)
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記3に記載の制御回路。
(付記5)
付記1から4のいずれかに記載の制御回路と、
各々の前記方路に配置された光増幅器と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記制御回路の判断に従い、前記光源からの前記励起光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅制御装置。
(付記6)
付記1から4のいずれかに記載の制御回路と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記光源からの前記励起光がそれぞれ入力される光増幅器と、
前記制御回路の判断に従い、前記方路の前記波長光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅器制御装置。
(付記7)
前記光増幅器は、EDFであることを特徴とする付記5又は6に記載の光増幅器制御装置。
(付記8)
前記光増幅器は、ラマン増幅用ファイバでであることを特徴とする付記5又は6に記載の光増幅器制御装置。
(付記9)
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する光増幅器制御方法。
(付記10)
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記9に記載の光増幅器制御方法。
(付記11)
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光を光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断することを特徴とする付記9又は10に記載の光増幅器制御方法。
(付記12)
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記11に記載の光増幅器制御方法。
(付記13)
各々の前記方路に配置された光増幅器に、互いに光強度が異なる前記励起光を切り換えて入力することを特徴とする付記9から12のいずれかに記載の光増幅器制御方法。
(付記14)
互いに光強度が異なる前記励起光が入力される光増幅器を経由するように前記波長光の光経路を切り換えることを特徴とする付記9から12のいずれかに記載の光増幅器制御方法。
(付記15)
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断させるように制御回路を動作させる光増幅器制御プログラム。
(付記16)
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記15に記載の光増幅器制御プログラム。
(付記17)
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光を光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断するように前記制御回路を動作させることを特徴とする付記15又は16に記載の光増幅器制御プログラム。
(付記18)
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする付記17に記載の光増幅器制御プログラム。
(付記19)
各々の前記方路に配置された光増幅器に、互いに光強度が異なる前記励起光を切り換えて入力する光スイッチを動作させることを特徴とする付記15から18のいずれかに記載の光増幅器制御プログラム。
(付記20)
互いに光強度が異なる前記励起光が入力される光増幅器を経由するように前記波長光の光経路を切り換える光経路切換スイッチを動作させることを特徴とする付記15から18のいずれかに記載の光増幅器制御プログラム。
【符号の説明】
【0046】
1、2:方路
3、4、5、6、7:EDF
8、9:WDM信号光
11、13、18、20、22:スルー信号光
12、19、21:ドロップ信号光
14、23:アド信号光
32〜35:光スイッチ
50〜53、59、60〜67、69:光カプラ
70〜79:PD
100、101、103、799、800:分波器
199、200、201、202、400、401:LD
297〜299、300:制御回路
301:判断部
600〜602:ラマン増幅用ファイバ
402〜413:光増幅器制御装置
900、901:合波器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部を備える制御回路。
【請求項2】
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光の光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項4】
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする請求項3に記載の制御回路。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の制御回路と、
各々の前記方路に配置された光増幅器と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記制御回路の判断に従い、前記光源からの前記励起光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅制御装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の制御回路と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記光源からの前記励起光がそれぞれ入力される光増幅器と、
前記制御回路の判断に従い、前記方路の前記波長光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅器制御装置。
【請求項7】
前記光増幅器は、EDFであることを特徴とする請求項5又は6に記載の光増幅器制御装置。
【請求項8】
前記光増幅器は、ラマン増幅用ファイバでであることを特徴とする請求項5又は6に記載の光増幅器制御装置。
【請求項9】
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する光増幅器制御方法。
【請求項10】
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断させるように制御回路を動作させる光増幅器制御プログラム。
【請求項1】
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する判断部を備える制御回路。
【請求項2】
前記励起光のうち少なくとも1つが、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記励起光が前記方路の前記波長光の光増幅に必要な光強度に未達である場合、前記方路の前記波長光の光増幅に予備の前記励起光を用いるよう判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御回路。
【請求項4】
予備の前記励起光が、前記WDM信号光に含まれる全波長を光増幅可能な光強度であることを特徴とする請求項3に記載の制御回路。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の制御回路と、
各々の前記方路に配置された光増幅器と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記制御回路の判断に従い、前記光源からの前記励起光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅制御装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の制御回路と、
互いに光強度が異なる前記励起光を出力する複数の光源と、
前記光源からの前記励起光がそれぞれ入力される光増幅器と、
前記制御回路の判断に従い、前記方路の前記波長光の光経路を切り換えて前記光増幅器へ入力する光スイッチと、
を備える光増幅器制御装置。
【請求項7】
前記光増幅器は、EDFであることを特徴とする請求項5又は6に記載の光増幅器制御装置。
【請求項8】
前記光増幅器は、ラマン増幅用ファイバでであることを特徴とする請求項5又は6に記載の光増幅器制御装置。
【請求項9】
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断する光増幅器制御方法。
【請求項10】
複数の方路のいずれかを伝搬する分波されたWDM信号光の波長光を光増幅する際に、各々の前記方路での前記波長光に関するパラメータに応じて、互いに光強度が異なる励起光をいずれの前記方路に割り当てるかを判断させるように制御回路を動作させる光増幅器制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−175091(P2012−175091A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39034(P2011−39034)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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