説明

光学センサ

【課題】比較的汚れにくく、クリーニングし易く、かつ整備が楽な光学センサを提供すること。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの放射源(11)と、1つの検出器(16)と、一次放射用の1つの光導体(12)と、検出すべき放射を検出器(16)に転送するための1つの光導体(17)とを備えた光学装置に関し、その際、一次放射用の光導体(12)および検出すべき放射を転送するための光導体(17)がそれぞれ、一次光導体(12)の試料側の端部(13)で出射する放射が、検査すべき試料を通り抜けた後で直接的に、検出すべき放射を転送するための光導体(17)の試料側の端部(18)に当たるように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に液体中および気体中での光学測定を実施するためのセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなセンサは例えば滴定の際に、指示薬の変化を吸光分光法によって決定するために用いられ得る。さらにこのようなセンサは原理的に、散乱による放射損失の測定またはルミネセンス検査にも使用され得る。
【0003】
このセンサは、1つの光源と、1つの検出器と、少なくとも2つの光導体とを含んでいる。
【0004】
光源から生成された一次光は、当該一次光用の光導体を用いることよって、検査すべき溶液中に導かれる。検出すべき検出光用の光導体は、液体状または気体状の試料を含む層要素を一次光が通過することによって、吸収、散乱、またはルミネセンスなどにより強度または波長に関して変化させられたもの、特に減衰させられ一次光の一部を検出器に導くために用いられる。
【0005】
これまでの技術では、2つの直線状の棒状の光導体を備えた、UV/VIS領域における吸収測定を実施するための光学センサが知られている。この両方の光導体は、その長手軸に沿って互いに平行に位置合わせされており、かつその両方の試料側の端部が、検査すべき溶液中に上から挿入される。光が、一次光用光導体から出射する際、および検出すべき光用の光導体内に入射する際に通る試料側の端部は、光導体の長手軸に対して直交するように位置合わせされた平面を形づくっている。
【0006】
両方の光導体の試料側の端部の下には複数のミラーが配置されており、かつそのアライメントは、一次光が検査すべき溶液を通ってこれらのミラーに当たり、かつこれらのミラーから溶液を通って検出すべき光用の第2の光導体に戻り、これによりその後、全反射によって検出器に転送されるようになされる。
【0007】
その際、光導体と共に検出器および光源ならびにミラー構成が固定的に互いに結合されている。
【0008】
かかる光学センサに関する欠点は、溶液から汚染物質がミラー上に堆積することであり、加えてこのセンサはクリーニングが困難であるということである。というのは簡単な洗浄ではミラーまたは出射面は完全にはきれいにならず、かつ洗浄剤の残量がミラー上または光で満たされる部位上に残って乾燥するからである。これにより検査すべき溶液の残りまたは例えば石灰残渣が後に残り、これが次の測定の結果を悪化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、比較的汚れにくく、クリーニングし易く、かつ整備が楽な光学センサを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、少なくとも1つの放射源と、1つの検出器と、一次放射用の1つの光導体(一次光導体)と、検出すべき放射を検出器に転送するための1つの光導体とを備えた光学装置によって解決され、その際、一次放射用の光導体および検出すべき放射を転送するための光導体はそれぞれ、一次光導体の試料側の端部から出射する放射が、検査すべき試料を通り抜けた後で直接的に、検出すべき放射を転送するための光導体の試料側の端部に当たるように形成される。
【0011】
一次光導体の試料側の端部で一次光導体から出射する放射が、検査すべき試料を通り抜け、かつその後で直接的に、つまり試料溶液中にある1つまたは複数の外部ミラーを介した偏向なしで、検出すべき放射を転送するための光導体の試料側の端部に当たることにより、現況技術から既知の外部ミラーの汚れが回避される、さらにこのセンサは整備が楽であり、かつクリーニングし易い。
【0012】
好ましい第1の実施形態では、一次放射が、一次光導体から試料を通って、検出すべき光用の光導体の試料側の端部へと直接的に通り抜けることを達成するため、一次放射用光導体および検出すべき放射用の光導体がそれらの試料側の端部にそれぞれ1つのミラーを備えており、かつこの両方の光導体はそれらのミラーと共に、一次光導体からミラーを介して試料空間内に放射された一次放射線の一部が、試料空間内の経路区間sを横断した後で他方の検出用の光導体に当たり、この検出光導体でのミラーを介し検出光導体を介して大部分が検出器に導かれるように配置される。
【0013】
ミラーが各光導体内に内蔵されていることで、本発明による検出器はすすぎ洗いによって簡単にクリーニングされ得る。すなわちクリーニング液が光導体に沿って流れ落ち、かつ光導体の試料側の端部またはミラーから下に滴り落ち、これにより光導体上にもミラー上にも、取り立てて言うほどの汚染物質は堆積し得なくなる。
【0014】
これにより、使用中のミラーの汚染物質が次第に増えていくことが回避される。すなわち本発明によるセンサは整備が楽である。
【0015】
光導体は棒状でかつ直線状の形状が有利である。なぜならこれにより、光導体の互いに平行な配置が選択され、かつ両方のミラーを光導体の端部領域内に、垂直線に対して適切な角度で組み入れることによって、必要な幾何学的条件を省スペースなやり方で達成できるからである。加えてこの実施形態は、取り扱い易さに優れていることを特色とする。
【0016】
一次光導体の試料側の端部には1つのミラーが配置されており、このミラーは、光導体内で全反射されて光導体の長手方向に移動する光を、光導体の外被面を通り、それによって光導体の長手軸に対して直交して出射するように偏向するために用いられる。
【0017】
試料側の端部では、両方の光導体がそれぞれ1つの平面または湾曲面を有しており、この面は、適切な材料でコーティングされ、ミラーを形づくっている。
【0018】
ミラー用のコーティング材料としては、銀またはアルミニウムなどを使用することができる。
【0019】
検出すべき光の最大強度を達成できるのは、光導体が、同じ長さを有しており、垂直線に関しては同一平面上で終わっており、かつ試料側の端部でのミラー面が、それぞれ光導体の長手軸に対して約45°の角度で傾斜しており、かつ金属層でコーティングされている場合である。
【0020】
もちろん、相応に異なるアライメントの場合の別の傾斜角度αでも、または湾曲した、特に凹んだミラーによっても、検出器で十分に強い信号を得ることができる。
【0021】
更なる好ましい実施形態では、一次放射線および検出すべき検出放射線の強度を上昇させるため、光導体がその試料側の端部の領域内に平面または凹面を有することが企図されており、この面は、ミラーに当たった後の一次光放射線の主要方向に対し、または検出光用のミラーに当たる前の検出光放射線の主要方向に対し、基本的に直交するように位置合わせされている。これにより光導体の、そうでなければ丸く成形される外被面での、光放射線の更なる拡散を妨げる。
【0022】
丸いガラス棒の形の光導体の場合、この平面は外被面の一部を平坦に研磨することによって達成され、直方体の形の光導体の場合は平坦な側面の簡単な位置合わせによって達成される。
【0023】
この平面によって、一次光放射線および検出光放射線のある程度の集束が行われる。
【0024】
より腐食性の試料溶液中での測定のためには、光導体でのミラーを適切で基本的に透過性の装置によって保護するのが有利であると実証されている。
【0025】
この装置は、有利には透過性の、試料側で完全に閉じられた、特にガラス、石英ガラス、プラスチックなどから成るカバーである。下で閉じられた直線状の、特に鞘状のガラス管をカバーとして使用することが特に有利であり、このガラス管内に、当該の同様に直線状の光導体が簡単に上から差し込まれる。
【0026】
光導体でのカバーの固定は、溶接、接着、形状結合および/または摩擦結合によって行われ得る。
【0027】
光導体内での強度損失を防ぐため、光導体とカバーの間には、好ましくは空気またはガスで満たされた隙間がある。したがって光導体とカバーは直接的には「重なり合って」おらず、これにより全反射の低減が防がれる。
【0028】
このカバーにより、影響を受け易いミラーが腐食性の化学物質の作用に対して保護される。
【0029】
放射の更なる拡散を、したがって光損失を防ぐため、このカバーはその試料側の端部での好ましくは、一次光ミラーを介して反射された一次放射の主要放射方向が光導体から出射し、かつカバーの外側の外被面に当たる領域内に、光導体の、そうでなければ丸く成形される外被面での一次光放射線の更なる拡散を防ぐ面を有している。この面は平らでありかつ凹んでおり、かつ鏡面反射された一次放射の主要差込み方向に対し基本的に直交するように位置合わせされることが好ましい。
【0030】
放射の集束のため、カバーの外被面の試料側の端部に平面または凹面を有する場合、光導体自体がその試料側の端部に同様にそのような放射の集束のための面を有する必要はない。
【0031】
第2の実施形態では、光導体はその試料側の端部領域において、両方の光導体の端面が基本的に互いに向かい合って配置されるように湾曲している。平らな端面の場合、これらの端面が互いに平行に配置されることが好ましい。
【0032】
原理的には、入射および出射する放射をより良く集束させるため、この端面を湾曲させることもできる。
【0033】
好ましくは、光導体はその試料側でない領域においては棒状で、かつ直線状でかつ互いに平行に配置されており、かつ光導体の試料側の領域においては例えば90°または180°の円弧に倣った湾曲を有しており、これにより光導体内での放射は、その光導体の上の領域における放射方向に対して90°の角度γだけ偏向される。
【0034】
下の領域における湾曲が基本的に半円形の場合、収容装置27の領域内の光導体は、好ましくは互いに平行に、検査すべき溶液を通る放射の経路sにもほぼ相応する間隔をあけて位置合わせされる。光導体の試料側の端部では、両方の光導体のそれぞれがほぼ半円形の湾曲を有しており、これにより放射方向が90°の角度γだけ偏向される。
【0035】
半円形の湾曲により、両方の光導体がその試料側の端部では外側に膨らんで湾曲しており、そのためこの実施形態は、試料側の端部領域におけるセンサの幅が比較的大きいことを特徴とする。
【0036】
同様に上の領域においては好ましくは互いに平行に配置された直線状の光導体が、試料側の端部ではほぼ90°の角度での円弧に倣う(四分円)ことが可能である。この場合、両方の光導体の互いに対する間隔が、試料側でない端部で互いに対し広がっており、かつ試料側の端部領域においては両方の光導体の端面が、湾曲により互いに向かい合っており、かつ端面が平らな場合には互いに平行である。
【0037】
一般的に光導体としては、特に丸いまたは角ばったガラス棒が適切であると実証されており、その際、丸いガラス棒が特に適している。
【0038】
原理的には、ガラス、石英ガラス、プラスチックまたは別の、その時々の波長で光学的に透過性の材料から光導体を作製することができる。
【0039】
両方の光導体は、試料側でない端部では好ましくは収容装置内で固定されており、詳しく言えば、両方の光導体および場合によってはミラーを介し、検出すべき光の、つまり溶液中の経路要素sを通り抜けたために減衰および/または変換された光の、検出器の感度に対してとりあえず十分な量が、検出器光導体内に入り、かつそこから場合によってはそこにあるミラーを介して検出器内に導かれるようにであり、しかもその上全反射する一次光が、一次光ミラーを介し、検査すべき溶液中に入射した後でである。
【0040】
一次光源の強度、光導体またはその端面の互いに対する方向付けおよび間隔、場合によってはミラーの大きさ、およびミラーの互いに対する、および光導体に対する位置合わせ、ならびに光導体内でのあり得る放射損失は、検査すべき溶液の種類(吸光、散乱挙動など)での検出器信号が、十分な強度のもう1つの信号を可能にするように、互いに調和されていなければならない。
【0041】
一次光導体には、検査すべき試料および一次放射の必要な強度に依存して、例えばLED、ランプ、レーザ、(N)IR光源、UVランプ、電球、またはガス放電灯のような、単色光源も多色光源も含む様々な光源を接続することができる。
【0042】
吸光分光法による滴定の型どおりの検査には、特にLEDがその大きさおよび価格によって適している。
【0043】
本発明によるセンサのために、検査すべき溶液を通過した後に残っている、または変換された検出すべき放射の種類に応じて、光ダイオード、光電子増倍管、光電池、またはダイオード・アレイなどのそれぞれの種類の放射検出器を使用することができる。
【0044】
このセンサは、光源および検出器のための収容装置を有することができ、この収容装置内では、光導体の試料側でない端部も固定されている。
【0045】
以下に、例示的実施形態に基づき本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】カバーなしでのセンサの第1の実施形態の概略図である。
【図2】図2の(A)は光導体の試料側の端部の領域における図1の拡大概略図を示し、図2の(B)は、上記(A)における矢印Aの方向での、線Bに沿った光導体の断面図である。
【図3】図3の(A)は光導体がカバーを備えたセンサの更なる好ましい実施形態を示す図であり、図3の(B)は、矢印Aの方向での、線Bに沿った光導体およびカバーの断面図である。
【図4】180°の湾曲を有するセンサの第2の実施形態の概略図である。
【図5】90°の湾曲を有するセンサの第2の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1に基づくセンサは、2つの光導体12、17と、1つの光源11と、1つの検出器16とを含んでいる。両方の光導体12、17は、棒状で、かつ直線状であり、かつその長手軸に沿って互いに平行に配置されている。光導体12、17の試料側でない端部は、一緒に収容装置27内の放射源11および検出器16内で固定されている。
【0048】
光導体12は、放射源11内で生成された放射を、試料空間21内にある検査すべき溶液中に転送するために用いられる。
【0049】
光導体17により、溶液から光導体17に当たる放射が検出器16へと転送される。
【0050】
両方の光導体12、17は、試料側の端部13、18にそれぞれ1つのミラー14、19を備えている。このミラーは光導体の一部であり、かつ光導体端部で相応に方向付けられた平面または湾曲面上に金属の薄層を析出させることによって作製される。
【0051】
この実施形態では、ミラー面14、19は平らであり、かつ光導体12、17の長手軸Lに対して45°の角度αで傾斜している。
【0052】
光源11から光導体12を介してミラー14に当たる一次光は、ミラー14で反射され、かつその後、光導体12の外被面を介して光導体から出射する(図2を参照)。
【0053】
丸いガラス棒の形の光導体12、17の場合に、光導体12、17から出射する放射線が、光導体12、17の外被面の湾曲により拡散することを回避するため、この実施形態では光導体の試料側の端部13、18の辺りにそれぞれ1つの面24、25が企図されており、この面は、光導体12、17と溶液の間の移行の際に一次光放射線または検出すべき光放射線を集束させるために役立ち、かつこの面は、おおよそミラー14、19の高さで存在している。
【0054】
この平面24、25は、光導体12、17の下の領域を研磨することによって作製され得る。
【0055】
好ましくは、面24、25が、ミラー14、19に当たった後または当たる前の一次光放射線または検出光放射線の主要放射線方向に対し基本的に直交するように位置合わせされるように、この平面24、25を、隣接するミラー14、19に対して位置合わせするべきである。
【0056】
集束面24を通り抜けた放射線は、今度は溶液中で経路区間sを横断し、これにより放射線は減衰される。こうして放射線の一部が検出すべき放射線として、検出器16と結合された光導体17に、かつミラー19を介し、かつその後、全反射により検出器16に当たる。
【0057】
図3に示した更なる好ましい実施形態に基づくセンサは、特により腐食性の液体中での使用に適している。
【0058】
このセンサは既に上で説明したミラー14、19を備えた2つの光導体12、17と、1つの光源11と、1つの検出器16と、収容装置27とを含んでいる。
【0059】
両方の光導体12、17はそれぞれ、管状のガラス管15、20によって取り囲まれており、このガラス管はその下端部26で融解されており、かつカバーとして用いられ、このため検査すべき液体は、影響を受け易いミラーを備えた光導体の試料側の領域内に侵入することができない。光導体12、17は、ガラス・カバー15、20内に差し込まれており、かつ接着結合30によって固定されている。
【0060】
光導体12、17とカバー15、20の間のガスまたは空気で満たされた隙間35が、全反射の妨害による損失を防ぐ。
【0061】
ミラー14によって反射された一次光の合焦を達成するため、カバーはその試料側の端部13、18で好ましくは同様に、平らな、または凹湾曲した集束面22、23をカバー15、20の外面に有しており、これによりミラー14、19を介して光導体12から出射した、または光導体17内に入射した放射の更なる拡散が、したがって強度損失が回避される。
【0062】
カバー15、20が放射を集束するため面22、23を有する実施形態では、光導体12、17に企図される更なる集束面24、25は一般的に必要ない。
【0063】
ミラー14、19と、カバー15、20の平坦な面22、23とが、最大の光強度にアライメントされるべきことは自明である。
【0064】
第2の好ましい実施形態に基づく光導体が図4および図5に示されている。光導体の試料側の端部にミラーを備えた第1の好ましい実施形態に基づくセンサとは異なり、この実施形態では放射の偏向が、試料側の領域13、18における光導体12、17の適切な湾曲によって達成される。
【0065】
その際この湾曲は、両方の光導体12、17のそれぞれの端面29、30が、光導体の試料側の端部13、18で、かつ互いに向かい合って配置されるように実施され、これにより一次放射の大部分が、一次光導体12の端面29から出射し、かつ検査すべき溶液21中の経路区間sを通り抜けた後で、検出すべき光用の検出用光導体17の端面30に当たり、かつその後、光導体17を介して検出器16に転送される。
【0066】
放射偏向は、図4に基づき例えば基本的に半円形の湾曲(180°)によって、または図5に基づき基本的に四分円形(90°)の湾曲によって行われ得る。
【0067】
180°の湾曲の場合、両方の光導体12、17はその試料側の端部領域13、18において外側に膨らんで成形される。上の領域では、両方の光導体が互いに平行に、かつ互いからあまり大きくない間隔をあけて配置されており、かつ収容装置27内で収容されている。
【0068】
代替案として図5に示した90°の湾曲の場合は、光導体の上の領域における互いに対する間隔が広がっており、つまり収容装置27全体がより大きな幅を有している。
【0069】
図4および図5に示した実施形態だけでなく、もちろん別の湾曲形状によっても、光導体の湾曲による放射の偏向を達成することができる。
【0070】
湾曲を形成する場合、あまりにも強い、または角ばった湾曲は回避されねばならない。というのはそれにより光導体内での全反射の臨界角を下回り得るからである。
【0071】
この理由から図4での湾曲も真の半円には倣っていない。むしろ湾曲から直線状の領域への移行は緩やかに推移している。
【符号の説明】
【0072】
11 光源、放射源; 12、17 光導体; 13、18 試料側の端部
14、19 ミラー; 15、20 カバー; 16 検出器; 21 試料空間;
22、23、24、25 面; 26 下端部; 27 収容装置;
29、30 端面; 30 接着結合; 35 隙間、空気またはガス;
α 傾斜角度; L 長手軸; s 経路区間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの放射源(11)と、1つの検出器(16)と、一次放射用の1つの光導体(12)と、検出すべき放射を前記検出器(16)に転送するための1つの光導体(17)とを備えた光学装置において、前記一次放射用の前記光導体(12)および前記検出すべき放射を転送するための前記光導体(17)がそれぞれ、前記一次光導体(12)の試料側の端部(13)で出射する放射が、検査すべき試料を通り抜けた後で直接的に、前記検出すべき放射を転送するための前記光導体(17)の試料側の端部(18)に当たるように形成されることを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記一次放射用の前記光導体(12)および前記検出すべき放射用の前記光導体(17)がその試料側の端部(13、18)にそれぞれミラー(14、19)を備えており、かつ前記両方の光導体(12、17)がそれらのミラー(14、19)と共に、前記一次光導体から前記ミラー(14)を介して試料空間(21)内に放射された前記一次放射の少なくとも一部が、前記試料空間(21)内の経路区間sを横断した後で前記第2の光導体(17)に当たり、かつ前記検出すべき放射が前記ミラー(19)を介し、大部分が前記検出器(16)に導かれるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記光導体(12、17)が棒状で、かつ直線状であることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記両方の光導体(12、17)の長手軸Lが互いに平行に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記光導体(12、17)がその試料側の端部(13、18)に、金属コーティングされ、ミラー(14、19)として用いられる面を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ミラー(14、19)が平らである、または凹んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ミラーが金属層から、特に銀またはアルミニウムから成ることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記光導体(12、17)がその試料側の端部(13、18)の領域内に面(24、25)を有しており、前記面が、前記ミラー(14)に当たった後の一次光放射線の主要方向に対し、または前記ミラー(19)に当たる前の検出光放射線の主要方向に対し、基本的に直交するように位置合わせされることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記面(24、25)が平らである、または凹んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
各光導体(12、17)がカバー(15、20)によって取り囲まれており、前記カバーが、前記光導体(12、17)および前記ミラー(14、19)を、測定すべき溶液に対して遮蔽することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記カバー(15、20)が前記光導体(12、17)を鞘状に取り囲むことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記カバーが前記光導体に、溶接、接着により、または形状結合および/または摩擦結合として固定されることを特徴とする請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
前記カバー(15、20)がその試料側の端部(13、18)の領域内に面(22、23)を有しており、前記面が、前記光導体(12)から出射した後の一次光放射線の主要方向に対し、または前記光導体(17)に当たる前の検出光放射線に対し、基本的に直交するように位置合わせされることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記面(22、23)が平らである、または凹んでいることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記カバー(15、20)および/または前記光導体(12、17)が、ガラス、石英ガラス、プラスチックまたは別の、その時々の波長で光学的に透過性の材料から成ることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記光導体(12、17)と前記カバー(15、20)の間に空気またはガス(35)があることを特徴とする請求項10から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記光導体(12、17)がその試料側の端部領域(13、18)において、前記両方の光導体(12、17)の端面(29、30)が基本的に互いに向かい合って配置されるように湾曲されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記端面(29、30)が基本的に互いに平行に配置されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記端面(29、30)が直線状である、またはアーチ状であることを特徴とする請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記光導体(12、17)のその端部領域(13、18)における湾曲が、基本的に90°または180°の円弧に倣うことを特徴とする請求項17から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
滴定の際に吸収測定を実施するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−25940(P2010−25940A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169840(P2009−169840)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(509205238)アンコーシーズ・ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】