説明

光学式3次元形状計測装置及び光学式3次元形状計測方法

【課題】鏡面などの光沢表面をもつ物体の光学式3次元形状測定を実現可能とするための光学式3次元形状計測装置及び光学式3次元形状計測方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る光学式3次元形状計測装置は、光線を測定対象物に照射する光源と、前記光線が前記測定対象物に照射された光線照射面で反射した反射光の入射ベクトルを検出する光入射ベクトル検出手段と、前記光線照射面の3次元位置を算出する照射面位置算出手段と、を備え、前記光入射ベクトル検出手段は、少なくとも2つの画像センサを含む光学系から構成され、前記2つの画像センサは、前記光線照射面から異なった距離に配置され、前記照射面位置算出手段が、前記2つの画像センサの受光位置および前記光学系の幾何学条件から、3次元ベクトル解析により前記反射光のベクトルを算出し、前記光線照射面の3次元位置を算出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式3次元形状計測装置及び光学式3次元形状計測方法、特に、光沢のある物体表面の3次元形状計測に適用可能な光学式3次元計測装置及び3次元計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物体の3次元形状計測には、光学式3次元計測装置が工業的に良く用いられている。中でも、三角測量原理に基づく光学式3次元計測装置は、測定範囲、測定分解能、測定時間、信頼性の面などでバランスがとれている。
【0003】
三角測量原理を用いた物体の3次元計測装置として、例えば特許文献1には、測定対象にスリット光を投光し、対象物体から反射した反射光をレンズで集光して画像センサで検出する形状計測装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、光照射手段から被計測物の表面に照射されたスポット光の反射光を、ハーフミラーを介して分離し、分離した透過光の受光強度の重心位置を第1の光検出手段によって検出し、分離した反射光の受光強度の重心位置を第2の光検出手段によって検出し、第1及び第2の光検出手段の出力信号に基づき、所定の計測基準位置から被計測物までの距離を算出する演算手段を備えた光学式形状計が記載されている。
【0005】
特許文献3には、特許文献2に記載の構成に加え、被計測物に対して集光された光をスポット走査光とする回転ミラーと、該スポット走査光を所定の入射角で被計測物に照射する光照射手段と、該被計測物の表面から反射される入射光を集光して反射させる2次曲面鏡と、所定の計測基準位置から被計測物までの距離を、前記回転ミラーの回転と同期させて演算する演算手段とを備えた光学式形状計が記載されている。
【0006】
また、将来光学式3次元計測装置への適用が考えられる画像センサとして、非特許文献1には、分子の光学的異方性によって得られる偏光検出特性を透明電極に組み合わせて構成した透明イメージセンサ(Transparent Image Sensor)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−118443号公報
【特許文献2】特開平5−1904号公報
【特許文献3】特開平5−60532号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「Transparent Image Sensors Using an Organic Multilayer Photodiode」、H.Tanaka et al、Advanced Materials Volume18、Issue17、2006、Pages 2230−2233
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の形状計測装置では、反射光は測定対象表面の3次元形状に応じて画像センサの対応する位置に結像するので、三角測量原理により、スリット光の物体表面上での反射点の3次元位置が検出できる。そして、スリット光を測定対象上に走査しつつ、測定対象から反射する反射光を受光し、それぞれの結像位置に対して、三角測量原理により測定対象の3次元形状を測定できる。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の三角測量原理による3次元位置の検出においては、被測定物が無光沢表面であることが前提とされている。これは、被測定物が無光沢表面である場合、被測定物の表面で光は乱反射するので、それをレンズにより集光して画像センサ上に結像させると、集光した光の光束の中心は必ずレンズ中心を通るので、物体表面の傾きにかかわらず、三角測量原理が適用でき、光の物体表面での反射位置が検出できるためである。
【0011】
ところが、被測定物が金属表面などのような光沢のある表面では、被測定物の表面では反射光は乱反射せずに、光源から投光された光線の形状を維持したまま、正反射して、レンズを介して画像センサに結像する。この場合、物体表面が正確にレンズ焦点位置にあれば正反射光はレンズ中心を通るが、このような場合はまれで、光沢表面での反射光は、必ずしもレンズ中心を通らない。
【0012】
特許文献2あるいは特許文献3に記載の光学式形状計は、所定の計測基準位置から被計測物の表面までの距離を算出するようにしてあるので、被計測物の表面が鏡面、または鏡面に近い場合に、オンラインで被計測物が傾斜変動したり、ハレーションを起こすようなときにも、非接触で被計測物の形状、変位または厚さを安定して連続計測することができるとされている。しかしながら、特許文献2あるいは特許文献3に記載の光学式形状計は、以下に述べる(1)理論的厳密性と(2)適用対象の制限の観点から、鏡面等の光沢表面をもつ物体の3次元形状計測には適用し得ないものである。
【0013】
(1)理論的厳密性
特許文献2あるいは特許文献3に記載の光学式形状計は、特許文献2の段落[0024]並びに特許文献3の段落[0046]に「被計測物11の表面は鏡面であるため光の正反射が生じ、入射光は反射角β´で反射される。」との記載があるように、被計測物表面の反射で正反射を仮定している。光の正反射を仮定していることから、特許文献2並びに特許文献3においては、入射角β=反射角β´を仮定している。しかしながら、現実の物体においては、入射角=反射角は厳密に成立しない。このため、入射角β=反射角β´を仮定している特許文献2あるいは特許文献3に記載の光学式形状計は、入射角と反射角が異なる現実の物体において理論的な誤差が生じる。
【0014】
(2)適用対象の制限
特許文献2あるいは特許文献3に記載の光学式形状計は、特許文献2の段落[0030]並びに特許文献3の段落[0036]に「平面幾何学的解析を行い、」との記載があるように、この仮定が成立する被計測物にしか適用できない。すなわち、特許文献2あるいは特許文献3に記載の光学式形状計は、一次元的な傾きしか考慮していないものであり、適用対象が当該仮定が許容できる範囲に限定されるものである。
【0015】
このように、従来の三角測量原理に基づく光学式計測装置は、鏡面などの光沢表面をもつ物体の3次元形状計測には適用が困難であるという問題がある。
【0016】
上記問題点に鑑み、本発明は、無光沢表面のみならず、鏡面などの光沢表面をもつ物体の光学式3次元形状測定を実現可能とするための光学式3次元形状計測装置及び光学式3次元形状計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明は、
光線を測定対象物に照射する光源と、前記光線が前記測定対象物に照射された光線照射面で反射した反射光の入射ベクトルを検出する光入射ベクトル検出手段と、前記光線照射面の3次元位置を算出する照射面位置算出手段と、を備え、
前記光入射ベクトル検出手段は、少なくとも2つの画像センサを含む光学系から構成され、
前記2つの画像センサは、前記光線照射面から異なった距離に配置され、
前記照射面位置算出手段が、前記2つの画像センサの受光位置および前記光学系の幾何学条件から、3次元ベクトル解析により前記反射光のベクトルを算出し、前記光線照射面の3次元位置を算出すること
を特徴とする光学式3次元形状計測装置を提供する。
【0018】
また、本発明は、前記光入射ベクトル検出手段は、前記反射光を集光するレンズと、前記反射光を2方向に分割するハーフミラーと、第1画像センサと第2画像センサの2つの画像センサから構成され、
前記レンズは、一端面側が前記測定対象物に対向するよう配置され、
前記ハーフミラーは、前記レンズの他端面側に、中心が前記レンズの光軸と一致するよう前記レンズの光軸に対して傾けられて配置され、
前記第1画像センサは、前記レンズと前記ハーフミラー中心とを結ぶ軸線上に、該軸線に対してセンサ面が垂直となるよう配置され、
前記第2画像センサは、前記レンズと前記ハーフミラー中心とを結ぶ軸線の垂直方向の軸線上であって前記ハーフミラーが前記レンズに対して傾けられている方向に、該軸線に対してセンサ面が垂直となるよう配置され、
前記ハーフミラー中心と前記第1の画像センサとの間の距離と、前記ハーフミラー中心と前記第2画像センサとの間の距離が異なる距離とされること
を特徴とする光学式3次元形状計測装置を提供する。
【0019】
また、本発明は、前記光入射ベクトル検出手段は、前記反射光を第1反射光と第2反射光の2方向に分割するハーフミラーと、前記第1反射光を集光する第1レンズと、前記第2反射光を集光する第2レンズと、前記第1反射光を受光する第1画像センサと、前記第2反射光を受光する第2画像センサとから構成され、
前記ハーフミラーは、前記測定対象物に対して傾けられて配置され、
前記第1レンズは、前記測定対象物と前記ハーフミラーを結ぶ軸線上に、該軸線に対して一端面側が垂直となるよう配置され、前記第1画像センサは前記第1レンズの他端面側とセンサ面が平行となるよう配置され、
前記第2レンズは、前記測定対象物と前記ハーフミラー中心とを結ぶ軸線の垂直方向の軸線上であって前記ハーフミラーが前記測定対象物に対して傾けられている方向に、該軸線に対して一端面側が垂直となるよう配置され、前記第1画像センサは前記第1レンズの他端面側とセンサ面が平行となるよう配置され、
前記ハーフミラー中心と前記第1レンズとの間の距離と、前記ハーフミラー中心と前記第2レンズとの間の距離は同じ距離とされ、
前記第1レンズと前記第1の画像センサとの間の距離と、前記第2レンズと前記第2画像センサとの間の距離が異なる距離とされること
を特徴とする光学式3次元形状計測装置を提供する。
【0020】
また、本発明は、前記光入射ベクトル検出手段は、前記反射光を透過する透過センサと、前記透過センサを透過した透過光を受光する画像センサとから構成され、
前記透過センサは、センサ面が前記測定対象物に対向するように配置され、
前記画像センサは、前記透過センサと平行になるよう配置されること
を特徴とする光学式3次元形状計測装置を提供する。
【0021】
また、本発明は、前記光源からの光線を前記測定対象物の表面上に走査させる光線走査手段を備えることを特徴とする光学式3次元形状計測装置を提供する。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明は、
光線を測定対象物に照射する光源と、前記光線が前記測定対象物に照射された光線照射面で反射した反射光の入射ベクトルを検出する光入射ベクトル検出手段と、前記光線照射面の3次元位置を算出する照射面位置算出手段と、を備えた光学式3次元形状計測装置を用いた光学式3次元形状計測方法であって、
前記光入射ベクトル検出手段は、少なくとも2つの画像センサを含む光学系から構成され、
前記2つの画像センサは、前記光線照射面から異なった距離に配置され、
前記照射面位置算出手段が、前記2つの画像センサの受光位置および前記光学系の幾何学条件から、3次元ベクトル解析により前記反射光のベクトルを算出し、前記光線照射面の3次元位置を算出すること
を特徴とする光学式3次元形状計測方法を提供する。
【0023】
また、本発明は、前記光源からの光線を前記測定対象物の表面上を走査することで測定対象物の3次元形状を計測することを特徴とする光学式3次元形状計測方法を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、無光沢表面のみならず、鏡面などの光沢表面をもつ物体の光学式3次元形状測定を実現可能とするための光学式3次元形状計測装置及び光学式3次元形状計測方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の座標系を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置が備えるハーフミラー周辺の座標系を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置が備えるレンズ周辺の座標系を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置が備えるレンズ周辺の座標系を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の測定対象物における光線照射面周辺の座標系を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の座標系を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置が備えるハーフミラー周辺の座標系を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の座標系を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0027】
[第1の実施の形態]
図1に、本発明の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す。図1に示す光学式3次元形状計測装置1は、光入射ベクトル検出手段2と、照射面位置算出手段3と、光源4とから構成される。本実施の形態において、照射面位置算出手段として、演算機33を用いている。
【0028】
光入射ベクトル検出手段2は、レンズ23と、ハーフミラー24と、画像センサ25であるところの第1画像センサ25aと、画像センサ25であるところの第2画像センサ25bとから構成される。
【0029】
レンズ23は、一端面側が測定対象物6に対向するよう配置される。ハーフミラー24は、レンズ23の他端面側、すなわち測定対象物6に対向する面の反対側の面側に配置される。このときハーフミラー24は、その中心がレンズ23の光軸と一致するように、該光軸に対して45度傾けて配置される。
【0030】
レンズ23の光軸とハーフミラー24を結ぶ軸線上に、該軸線に対してセンサ面が垂直となるよう第1画像センサ25aが配置される。第2画像センサ25bは、レンズ23の光軸とハーフミラー24とを結ぶ軸線の垂直方向の軸線上であって、ハーフミラー24がレンズ23に対して傾けられている方向に、該軸線に対して第2画像センサ25bのセンサ面が垂直となるよう配置される。このようにして配置された第1画像センサ25a、第2画像センサ25bは、ハーフミラー24の中心からの距離は各々異なった距離となるよう配置される。
【0031】
本実施の形態において、第1画像センサ25a並びに第2画像センサ25bには、例えばCCDカメラ、あるいはPSDカメラなどが好適に使用される。
【0032】
第1画像センサ25a並びに第2画像センサ25bは、それぞれ照射面位置算出手段3である演算機33に接続される。演算機33は、第1画像センサ25a及び第2画像センサ25bの受光位置情報から、後述の方法により反射光7の軌跡を3次元ベクトル解析により逆追跡する。
【0033】
光源4から測定対象物6に向けて照射された光線5は、測定対象物6表面の光線照射面55で反射され、反射光7が光入射ベクトル検出手段2を構成するレンズ23に入射する。
【0034】
レンズ23に入射した反射光7は、レンズ23を通過後ハーフミラー24に入射する。ハーフミラー24に入射した反射光7は、ハーフミラー24で2方向に分割され、一方が第1画像センサ25aで受光され、他方が第2画像センサ25bで受光される。
【0035】
(反射光7の軌跡の3次元ベクトル解析)
(1)本実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置1の座標系
本実施の形態においては、第1画像センサ25a及び第2画像センサ25bの2つの画像センサの受光位置から、反射光7の入射ベクトル、すなわち、図2に示す入射ベクトルuが求められることに特徴がある。
【0036】
本実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置1の座標系を図2に示す。図2に示す座標系において、座標原点はレンズ23の中心である。測定対象物6上のP点は、光線5が測定対象物6上に照射される光線照射面55であり、P点が本解析で求める値である。Pは光源4の位置ベクトル、Lは光源4の投光ベクトルである。
【0037】
これらの値と、第1画像センサ25aと第2画像センサ25bにおける反射光7の受光位置ベクトルの測定値であるPとPの値を基に、Pを求める。
【0038】
レンズ23、ハーフミラー24、第1画像センサ25a、第2画像センサ25bの位置関係は以下の通りである。
ハーフミラー24中心の位置ベクトル…h
ハーフミラー24と第1画像センサ25a間の距離…d
ハーフミラー24と第2画像センサ25b間の距離…d
レンズ23とハーフミラー24間の距離…d
【0039】
また、レンズ23の口径はrd、レンズ厚みはdである。さらに、u、u、uは計算の途中で生ずる未知量であり、それぞれ測定対象物6の表面からの反射ベクトル、レンズ23内部での反射光7の光線ベクトル、反射光7の光線の画像センサ25a、25bへの入射ベクトルを表している。
【0040】
(2)画像センサ25a、25bへの入射ベクトルuの導出
本実施の形態に係る光学式3次元形状測定装置1が備えるハーフミラー24周辺の座標系を図3に示す。本実施の形態においては、図3に示すように、ハーフミラー24、第1画像センサ25a、第2画像センサ25bの位置関係と、ハーフミラー24がレンズ23の光軸に対して45度傾けていることから、uはPとPと鏡像の位置関係にあるP´から以下のように求めることができる。
【0041】
今、既知量であるh、P、Pの各成分を
h=(h、h、h) (1)
=(P4x、P4y、P4z) (2)
=(P5x、P5y、P5z) (3)
とおくと、ベクトルuのx成分とz成分はそれぞれ
3x=P5x´−P4x=d−d (4)
3z=P5z´−P4z=P5z−P4z (5)
ここで、z座標系はハーフミラー24がxy平面に垂直に設置されているので、鏡像の関係にあったとしても、その位置は不変であることを利用している。
【0042】
一方、uのy成分は以下のようにして求める。
a=p5x−h (6)
b=a (7)
c=P4x−h (8)
3y=b−c=P5x−h−(P4x−h) (9)
【0043】
これより、ベクトルuは(10)式のように求められる。
【0044】
【数1】

【0045】
(3)レンズ23の交点ベクトルPの導出
一般的に、レンズの焦点距離f、レンズの材質の屈折率n、空気の屈折率n、レンズ口径(半径)r、レンズの厚さdとしたとき、レンズの曲率中心Cとレンズの曲率半径Rは以下のように求められる。
【0046】
【数2】



【0047】
このとき、図4に示す、レンズ23周りの座標系を参照して、Pはレンズ23の球面上にあり、かつPを始点するu上にあるので、以下の式を満足する。ここでP、u、Cはベクトルを表している。
(P−C)(P−C)=R (13)
=P+t・u (14)
【0048】
(13)式、(14)式よりtを計算すれば、Pは次式で求まる。
【0049】
【数3】

【0050】
(4)レンズ23内の光線ベクトルuの導出
図4を参照し、屈折の式より、uは以下のように求まる。
【0051】
【数4】

【0052】
ここで、n、nはそれぞれガラスの屈折率と空気の屈折率を表している。Cはレンズ23の曲率中心を表し、eは点Pにおける法線ベクトルであり、以下の式で求めることができる。
【0053】
【数5】

【0054】
(5)レンズ23内の光線ベクトルuの導出
レンズ23の交点ベクトルPは、図5に示す座標系を参照し、(3)と同様に以下の式が成り立つ。
(P−C)(P−C)=R (18)
=P+s・u (19)
(18)式、(19)式よりsを計算して、Pを次式で求める。ここでC、uはベクトルである。
【0055】
【数6】

【0056】
(6)測定対象物6からの反射光7の光線ベクトルuの導出
測定対象物6からの反射光7の光線ベクトルuは、(4)の場合と同様に、屈折の式を用いて以下の式で求める。
【0057】
【数7】


ここで、eは点P2における法線ベクトルであり、以下の式で求めることができる。
【0058】
【数8】

【0059】
(7)測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPの導出
図6に示す、測定対象物6における光線照射面55(=ベクトルP点)周辺の座標系により、Pについて以下の連立方程式が成り立つ。
=P+s・L (23)
=P+t・u (24)
【0060】
、L、Pの各成分を以下のようにおいて、sとtを求めれば、Pを求めることができる。
=(P0x、P0y、P0z) (25)
L=(L、L、L) (26)
=(P2x、P2y、P2z) (27)
【0061】
【数9】

【0062】
(本実施の形態の効果)
このように、本実施の形態においては、第1画像センサ25a及び第2画像センサ25bの2つの画像センサの受光位置から、反射光7の入射ベクトル、すなわち入射ベクトルuが求められる。そして、uを基に、測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPが導出される。
【0063】
これにより、三角測量原理を用いた光学式3次元形状計測の適用できる形状の制約が除かれ、測定対象物の表面反射特性(乱反射面(無光沢面)か、鏡面などの光沢表面か、等)の制約が除かれ、また光学式3次元形状の算出の際生ずる理論的誤差が除かれ、鏡面などの光沢表面をもつ物体の光学式3次元形状測定が実現可能となるものである。
【0064】
[第2の実施の形態]
図7に、本発明の第2の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す。図7に示す光学式3次元形状計測装置11は、光入射ベクトル検出手段12の構成以外は図1に示す光学式3次元形状計測装置1と共通しているので、共通する構成部材については説明を省略する。
【0065】
図7に示す光入射ベクトル検出手段12は、ハーフミラー24と、レンズ23であるところの第1レンズ23aと、レンズ23であるところの第2レンズ23bと、画像センサ25であるところの第1画像センサ25aと、画像センサ25であるところの第2画像センサ25bとから構成される。
【0066】
ハーフミラー24は、第1レンズ23aの光軸に対して、45度傾けて配置される。
【0067】
第1レンズ23aは、測定対象物6とハーフミラー24の中心とを結ぶ軸線上に、該軸線に対して一端面側が垂直となるよう配置される。第2レンズ23bは、測定対象物6とハーフミラー24の中心とを結ぶ軸線の垂直方向の軸線上であって、ハーフミラー24が第1レンズ23aの光軸に対して傾けられている方向に、該軸線に対して一端面側が垂直となるよう配置される。
【0068】
このようにして配置された第1レンズ23a、第2レンズ23bは、ハーフミラー24の中心からの距離が同じとなるよう配置される。
【0069】
第1画像センサ25aは、第1レンズ23aの他端面側に、センサ面が第1レンズ23aと平行になるよう配置される。第2画像センサ25bは、第2レンズ23bの他端面側に、センサ面が第2レンズ23bと平行になるよう配置される。
【0070】
このようにして配置された第1画像センサ25a、第2画像センサ25bは、第1画像センサ25aと第1レンズ23aとの距離と、第2画像センサ25bと第2レンズ23bとの距離が、それぞれ異なった距離となるよう配置される。
【0071】
光源4から測定対象物6に向けて照射された光線5は、測定対象物6表面の光線照射面55で反射され、反射光7が光入射ベクトル検出手段12を構成するハーフミラー24に入射する。
【0072】
ハーフミラー24に入射した反射光7は、ハーフミラー24で2方向に分割され、一方が第1レンズ23aを透過して第1画像センサ25aで受光され、他方が第2レンズ23bを透過して第2画像センサ25bで受光される。
【0073】
(反射光7の軌跡の3次元ベクトル解析)
(1)本実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置11の座標系
本実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置11の座標系を図8に示す。図8に示す座標系において、座標原点は第1レンズ23aの中心である。パラメータは第1の実施の形態と基本的に同じであるので、異なる点のみ説明する。
【0074】
ハーフミラー24、第1レンズ23a、第2レンズ23b、第1画像センサ25a、第2画像センサ25bの位置関係は以下の通りである。ハーフミラー24の中心の位置ベクトルをh、第1レンズ23aと第1画像センサ25a間の距離をd、第2レンズ23bと第2画像センサ25bとの距離をd、ハーフミラー24とレンズ23a、23bとの距離をそれぞれdとする。また、レンズ23a、23bの2つのレンズの口径(半径)とレンズ厚みはそれぞれr、dである。
【0075】
(2)画像センサ25a、25bへの入射ベクトルuの導出
本実施の形態に係る光学式3次元形状測定装置11が備えるハーフミラー24周辺の座標系を図9に示す。本実施の形態においては、図9に示すハーフミラー24、第1レンズ23a、第2レンズ23b、第1画像センサ25a、第2画像センサ25bの位置関係から、uは第1の実施の形態と全く同様に求めることができる。
【0076】
すなわち、ベクトルuのx成分とz成分はそれぞれ、
3x=P5x´−P4x=d−d (29)
3z=P5z´−P4z=P5z−P4z (30)
【0077】
一方、uのy成分も第1の実施の形態と同様に以下のようにして求める。
a=p5x−h (31)
b=a (32)
c=P4x−h (33)
3y=b−c=P5x−h−(P4x−h) (34)
となるので、ベクトルuは第1の実施の形態と同様に(35)式で求める。
【0078】
【数10】

【0079】
(3)測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPの導出
第2の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置11の場合も、測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPは、第1レンズ23aを通った、ベクトルuと光源4からの方向ベクトルLとの交点になるので、反射位置ベクトルPは第1の実施の形態と全く同じ式になる。
【0080】
【数11】

【0081】
このように、本実施の形態においても、第1画像センサ25a及び第2画像センサ25bの2つの画像センサの受光位置から、反射光7の入射ベクトル、すなわち入射ベクトルuが求められる。そして、uを基に、測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPが導出される。
【0082】
これにより、三角測量原理を用いた光学式3次元形状計測の適用できる形状の制約が除かれ、測定対象物の表面反射特性(乱反射面か、鏡面などの光沢表面か、等)の制約が除かれ、また光学式3次元形状の算出の際生ずる理論的誤差が除かれ、鏡面などの光沢表面をもつ物体の光学式3次元形状測定が実現可能となる。
【0083】
[第3の実施の形態]
図10に、本発明の第3の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置の構成を示す。図10に示す光学式3次元形状計測装置21は、光入射ベクトル検出手段22の構成以外は図1に示す光学式3次元形状計測装置1と共通しているので、共通する構成部材については説明を省略する。
【0084】
図10に示す光入射ベクトル検出手段22は、レンズ23と、透過センサ26と、画像センサ25とから構成される。
【0085】
本実施の形態における透過センサ26としては、例えば、非特許文献1に記載の透明イメージセンサ(Transparent Image Sensor)のように、光を透過しつつ受光位置を検出できるセンサを使用することができる。
【0086】
レンズ23は、一端面側が測定対象物6に対向するよう配置される。
【0087】
測定対象物6とレンズ23の光軸を結ぶ軸線上のレンズ23の他端面側に、該軸線に対してセンサ面が垂直となるよう透過センサ26が配置される。画像センサ25は軸線上に、該軸線に対して画像センサ25のセンサ面が垂直となるよう、透過センサと平行に配置される。
【0088】
光源4から測定対象物6に向けて照射された光線5は、測定対象物6表面の光線照射面55で反射され、反射光7が光入射ベクトル検出手段2を構成するレンズ23に入射する。
【0089】
レンズ23に入射した反射光7は、レンズ23を通過後透過センサ26に入射する。透過センサ26に入射した反射光7は、透過センサ26で受光されつつ透過センサ26を通過し、画像センサ25で受光される。このとき、例えば透過センサ26に非特許文献1に記載の透明イメージセンサを用いると、透過センサ26に入射した反射光7が透過センサ26で偏光され、透過センサ26である透明イメージセンサを構成するフォトダイオードによって微量の光電流が検出される。このフォトダイオードによって検出される光電流によって、透過センサ26が反射光7を受光した位置を検出することができる。
【0090】
(反射光7の軌跡の3次元ベクトル解析)
(1)本実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置21の座標系
本実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置21の座標系を図11に示す。図11に示す座標系において、座標原点は第1レンズ23の中心である。パラメータは第1の実施の形態と基本的に同じであるので、異なる点のみ説明する。
【0091】
レンズ23、透過センサ26、画像センサ25の位置関係は以下の通りである。レンズ23と透過センサ26間の距離をd、レンズ23と画像センサ25との距離をdとする。また、レンズ23のレンズの口径とレンズ厚みはそれぞれr、dである。
【0092】
(2)透過センサ26、画像センサ26への入射ベクトルuの導出
本実施の形態においては、図11に示すレンズ23、透過センサ26、画像センサ25の位置関係から、uは第1の実施の形態と全く同様に求めることができる。
【0093】
すなわち、ベクトルuのx成分とz成分はそれぞれ、
3x=P5x−P4x=d−d (37)
3z=P5z−P4z=P5z−P4z (38)
【0094】
一方、uのy成分も第1の実施の形態と同様に以下のようにして求める。
a=p5x (39)
b=a (40)
c=P4x (41)
3y=b−c=P5x−P4x (42)
となるので、ベクトルuは第1の実施の形態と同様に(43)式で求める。
【0095】
【数12】

【0096】
(3)測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPの導出
第3の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置21の場合も、測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPは、レンズ23を通った、ベクトルuと光源4からの方向ベクトルLとの交点になるので、反射位置ベクトルPは第1の実施の形態と全く同じ式になる。
【0097】
【数13】

【0098】
このように、本実施の形態においても、透過センサ26及び画像センサ25の2つの画像センサの受光位置から、反射光7の入射ベクトル、すなわち入射ベクトルuが求められる。そして、uを基に、測定対象物6上の光線の反射位置ベクトルPが導出される。
【0099】
これにより、三角測量原理を用いた光学式3次元形状計測の適用できる形状の制約が除かれ、測定対象物の表面反射特性(乱反射面(無光沢面)か、鏡面などの光沢表面か、等)の制約が除かれ、また光学式3次元形状の算出の際生ずる理論的誤差が除かれ、鏡面などの光沢表面をもつ物体の光学式3次元形状測定が実現可能となる。
【0100】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置を図12に示す。図12に示す光学式3次元形状計測装置31は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置1の構成に光線走査手段を付加したものである。従って、図1に示す光学式3次元形状計測装置1と共通する部材については説明を省略する。
【0101】
図12に示す光学式3次元形状計測装置31は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置1の構成に、PC81と、コントローラ82と、6軸制御ロボット83と、回転ステージ84が付加されて構成される。なお、本実施の形態においては、光学式3次元形状計測装置1の構成において用いられていた演算機33に代え、キャプチャーボード34が用いられている。
【0102】
光源4は、6軸制御ロボット83のアーム部分に取り付けられる。6軸制御ロボット83はコントローラ82を介してPC81に接続され、PC81によって制御される。
【0103】
レンズ23、ハーフミラー24、第1画像センサ25a、第2画像センサ25bから構成される光入射ベクトル検出手段2は、回転ステージ84の上に配置される。回転ステージ84はコントローラ82を介してPC81に接続され、PC81によって制御される。
【0104】
第1画像センサ25a及び第2画像センサ25bはキャプチャーボード34に接続され、キャプチャーボード34はPC81に接続される。当該構成により、第1画像センサ25a及び第2画像センサ25bで検出された受光情報は、キャプチャーボード34を介してPC81に送信され、PC81で3次元ベクトル解析が行われる。すなわち、本実施の形態において、キャプチャーボード34と、PC81とが照射面位置算出手段3を構成する。
【0105】
PC81の制御により、コントローラ82によって、6軸制御ロボット83は、アーム部分に取り付けられた光源4から照射される光線5が測定対象物6の表面上を走査するよう操作される。同時に、回転ステージ84は、測定対象物6よりの反射光7がレンズ23に入射するよう、PC81の制御によりコントローラ82によって回転動作がされる。すなわち、本実施の形態において、PC81と、コントローラ82と、6軸制御ロボット83と、回転ステージ84とから、光線走査手段8が構成される。
【0106】
本実施の形態においては上述の構成により、光源4からの光線5が測定対象物6の表面上で走査され、測定対象物6の3次元形状の計測が可能となる。
【0107】
[第4の実施の形態の変形例]
本発明の第4の実施の形態の変形例に係る光学式3次元形状計測装置を図13に示す。図13に示す光学式3次元形状計測装置41は、図7に示す本発明の第2の実施の形態に係る光学式3次元形状計測装置11の構成に光線走査手段8を付加したものである。
【0108】
光学式3次元形状計測装置41は、光入射ベクトル検出手段12が備えられている以外の構成は、図12に示す光学式3次元形状計測装置31と同様である。
【0109】
本実施の形態においても、PC81の制御により、コントローラ82によって、6軸制御ロボット83は、アーム部分に取り付けられた光源4から照射される光線5が測定対象物6の表面上を走査するよう操作される。同時に、回転ステージ84は、測定対象物6よりの反射光7がレンズ23に入射するよう、PC81の制御によりコントローラ82によって回転動作がされる。すなわち、本実施の形態において、PC81と、コントローラ82と、6軸制御ロボット83と、回転ステージ84とから、光線走査手段8が構成される。
【0110】
本実施の形態においては上述の構成により、光源4からの光線5が測定対象物6の表面上で走査され、測定対象物6の3次元形状の計測が可能となるものである。
【符号の説明】
【0111】
1,11,21,31,41…光学式3次元形状計測装置、2,12,22,32…光入射ベクトル検出手段、3…照射面位置算出手段、4…光源、5…光線、6…測定対象物、7…反射光、8…光線走査手段、23…レンズ、24…ハーフミラー、25…画像センサ、26…透過センサ、33…演算機、34…キャプチャーボード、55…光線照射面、81…PC、82…コントローラ、83…6軸制御ロボット、84…回転ステージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を測定対象物に照射する光源と、前記光線が前記測定対象物に照射された光線照射面で反射した反射光の入射ベクトルを検出する光入射ベクトル検出手段と、前記光線照射面の3次元位置を算出する照射面位置算出手段と、を備え、
前記光入射ベクトル検出手段は、少なくとも2つの画像センサを含む光学系から構成され、
前記2つの画像センサは、前記光線照射面から異なった距離に配置され、
前記照射面位置算出手段が、前記2つの画像センサの受光位置および前記光学系の幾何学条件から、3次元ベクトル解析により前記反射光のベクトルを算出し、前記光線照射面の3次元位置を算出すること
を特徴とする光学式3次元形状計測装置。
【請求項2】
前記光入射ベクトル検出手段は、前記反射光を集光するレンズと、前記反射光を2方向に分割するハーフミラーと、第1画像センサと第2画像センサの2つの画像センサから構成され、
前記レンズは、一端面側が前記測定対象物に対向するよう配置され、
前記ハーフミラーは、前記レンズの他端面側に、中心が前記レンズの光軸と一致するよう前記レンズの光軸に対して傾けられて配置され、
前記第1画像センサは、前記レンズと前記ハーフミラー中心とを結ぶ軸線上に、該軸線に対してセンサ面が垂直となるよう配置され、
前記第2画像センサは、前記レンズと前記ハーフミラー中心とを結ぶ軸線の垂直方向の軸線上であって前記ハーフミラーが前記レンズに対して傾けられている方向に、該軸線に対してセンサ面が垂直となるよう配置され、
前記ハーフミラー中心と前記第1の画像センサとの間の距離と、前記ハーフミラー中心と前記第2画像センサとの間の距離が異なる距離とされること
を特徴とする請求項1に記載の光学式3次元形状計測装置。
【請求項3】
前記光入射ベクトル検出手段は、前記反射光を第1反射光と第2反射光の2方向に分割するハーフミラーと、前記第1反射光を集光する第1レンズと、前記第2反射光を集光する第2レンズと、前記第1反射光を受光する第1画像センサと、前記第2反射光を受光する第2画像センサとから構成され、
前記ハーフミラーは、前記測定対象物に対して傾けられて配置され、
前記第1レンズは、前記測定対象物と前記ハーフミラーを結ぶ軸線上に、該軸線に対して一端面側が垂直となるよう配置され、前記第1画像センサは前記第1レンズの他端面側とセンサ面が平行となるよう配置され、
前記第2レンズは、前記測定対象物と前記ハーフミラー中心とを結ぶ軸線の垂直方向の軸線上であって前記ハーフミラーが前記測定対象物に対して傾けられている方向に、該軸線に対して一端面側が垂直となるよう配置され、前記第1画像センサは前記第1レンズの他端面側とセンサ面が平行となるよう配置され、
前記ハーフミラー中心と前記第1レンズとの間の距離と、前記ハーフミラー中心と前記第2レンズとの間の距離は同じ距離とされ、
前記第1レンズと前記第1の画像センサとの間の距離と、前記第2レンズと前記第2画像センサとの間の距離が異なる距離とされること
を特徴とする請求項1に記載の光学式3次元形状計測装置。
【請求項4】
前記光入射ベクトル検出手段は、前記反射光を透過する透過センサと、前記透過センサを透過した透過光を受光する画像センサとから構成され、
前記透過センサは、センサ面が前記測定対象物に対向するように配置され、
前記画像センサは、前記透過センサと平行になるよう配置されること
を特徴とする請求項1に記載の光学式3次元形状計測装置。
【請求項5】
前記光源からの光線を前記測定対象物の表面上に走査させる光線走査手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光学式3次元形状計測装置。
【請求項6】
光線を測定対象物に照射する光源と、前記光線が前記測定対象物に照射された光線照射面で反射した反射光の入射ベクトルを検出する光入射ベクトル検出手段と、前記光線照射面の3次元位置を算出する照射面位置算出手段と、を備えた光学式3次元形状計測装置を用いた光学式3次元形状計測方法であって、
前記光入射ベクトル検出手段は、少なくとも2つの画像センサを含む光学系から構成され、
前記2つの画像センサは、前記光線照射面から異なった距離に配置され、
前記照射面位置算出手段が、前記2つの画像センサの受光位置および前記光学系の幾何学条件から、3次元ベクトル解析により前記反射光のベクトルを算出し、前記光線照射面の3次元位置を算出すること
を特徴とする光学式3次元形状計測方法。
【請求項7】
前記光源からの光線を前記測定対象物の表面上を走査することで測定対象物の3次元形状を計測することを特徴とする請求項6に記載の光学式3次元形状計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−117832(P2011−117832A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275592(P2009−275592)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(504203572)国立大学法人茨城大学 (99)
【Fターム(参考)】