光測定装置
【課題】頭皮表面から脳部位(測定部位)までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる光測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】送受光用プローブには、2個の固定孔が第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には、発光部2と接続された送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には、光検出部3と接続された受光用光伝送路が配置され、制御部20は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、受光量情報を算出することを特徴とする。
【解決手段】送受光用プローブには、2個の固定孔が第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には、発光部2と接続された送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には、光検出部3と接続された受光用光伝送路が配置され、制御部20は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、受光量情報を算出することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を用いて被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を得る光測定装置に関し、さらに詳細には、非侵襲で脳活動を測定する光脳機能イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳の活動状況を観察するために、光を用いて簡便に非侵襲で測定する光脳機能イメージング装置が開発されている。このような光脳機能イメージング装置では、送光用プローブと受光用プローブとを備える。これにより、光脳機能イメージング装置では、被検者の頭皮表面上に配置した送光用プローブにより、異なる2種類の波長λ1、λ2(例えば、780nmと830nm)の近赤外光を脳に照射するとともに、頭皮表面上に配置した受光用プローブにより、脳から放出された各波長の近赤外光の強度(受光量情報)A(λ1)、A(λ2)をそれぞれ検出する。
なお、各波長λ1、λ2の近赤外光は、頭皮組織や骨組織を透過し、かつ、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとが可視光から近赤外領域にかけて異なる分光吸収スペクトル特性を有するので、血液中のオキシヘモグロビン或いはデオキシヘモグロビンのいずれかに特に吸収される。
【0003】
そして、このようにして得られた受光量情報A(λ1)、A(λ2)から、脳血流中のオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めるために、例えば、Modified Beer Lambert則を用いて関係式(1)(2)に示す連立方程式を作成して、この連立方程式を解いている(例えば、非特許文献1参照)。さらには、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とから総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を算出している。
A(λ1)=EO(λ1)×[oxyHb]+Ed(λ1)×[deoxyHb] ・・・(1)
A(λ2)=EO(λ2)×[oxyHb]+Ed(λ2)×[deoxyHb] ・・・(2)
なお、EO(λm)は、波長λmの光におけるオキシヘモグロビンの吸光度係数であり、Ed(λm)は、波長λmの光におけるデオキシヘモグロビンの吸光度係数である。
【0004】
ここで、送光用プローブと受光用プローブとの間の距離(チャンネル)と、測定部位との関係について説明する。図6(a)は、一対の送光用プローブ及び受光用プローブと、測定部位との関係を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)の平面図である。
送光用プローブ12が被検者の頭皮表面の送光点Tに押し当てられるとともに、受光用プローブ13が被検者の頭皮表面の受光点Rに押し当てられる。そして、送光用プローブ12から光を照射させるとともに、受光用プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させる。このとき、光は、頭皮表面の送光点Tから照射された光のうちで、バナナ形状(測定領域)を通過した光が、頭皮表面の受光点Rに到達する。これにより、測定領域の中でも、特に送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線Lの中点Mから、送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離の半分の深さL/2である被検者の測定部位Sに関する受光量情報A(λ1)、A(λ2)が得られるとしている。
【0005】
また、光脳機能イメージング装置では、脳の複数箇所の測定部位に関するオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])をそれぞれ測定するために、例えば、近赤外分光分析計(以下、NIRSと略す)等が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図である。光脳機能イメージング装置101は、送受光部110と、近赤外光を出射する発光部2と、受光量情報An(λm)を検出する光検出部3と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)30aからなる光ファイバー群30と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)40aからなる光ファイバー群40と、光脳機能イメージング装置101全体の制御を行う制御部(コンピュータ)120とにより構成される。
【0006】
このような光脳機能イメージング装置101の送受光部110では、複数個の送光用プローブ12と、複数個の受光用プローブ13とを所定の配列で被検者の頭皮表面に密着させるために、ホルダ11が使用される。ホルダ11としては、例えば、頭皮表面の形状に合わせて椀形状に成型されたものが使用される。図8は、ホルダの一例を示す斜視図である。ホルダ11には、(S+T)個の貫通孔11aが行方向と列方向とで30mm(第一設定距離)をあけるように形成されている。貫通孔11aは、円形状であり、その直径は、9mmである。
【0007】
また、図9は、送光用プローブ(受光用プローブ)の一例を示す斜視図である。
送光用プローブ12は、円筒形状であり、その外周面は、貫通孔11aに固定できるようになっており、その内周面には、送光用光ファイバー30aの一端部が挿入されている。これにより、送光用光ファイバー30aの他端部が、発光部2と接続されることで、送光用光ファイバー30aの他端部から入射した近赤外光が、送光用光ファイバー30aの内部を通過して送光用光ファイバー30aの一端部(送光用プローブの先端)から出射することができるようになっている。
受光用プローブ13も、送光用プローブ12と同様な構造をしており、円筒形状であり、その外周面は、貫通孔11aに固定できるようになっており、その内周面には、受光用光ファイバー40aの一端部が挿入されている。これにより、受光用光ファイバー40aの他端部が、光検出部3と接続されることで、受光用光ファイバー40aの一端部(受光用プローブの先端部)から入射した近赤外光が、受光用光ファイバー40aの内部を通過して受光用光ファイバー40aの他端部から出射することができるようになっている。
【0008】
そして、S個の送光用プローブ12とT個の受光用プローブ13とが、ホルダ11の貫通孔11aに、行方向と列方向とに交互となるように挿入されることにより、送受光部110が形成される。図10は、S個の送光用プローブとT個の受光用プローブとの位置関係の一例を示す図である。なお、送光用プローブ12を白丸で示し、受光用プローブ13を黒丸で示す。
このような送受光部110を用いて、順番に1個ずつ送光用プローブ12から光を照射させるとともに、T個の受光用プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させることによって、N箇所の測定部位に関する受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)を得ている。さらに、N箇所の測定部位における受光量情報An(λ1)、An(λ2)から、上述したような連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−109964号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Factors affecting the accuracy of near-infrared spectroscopy concentration calculations for focal changes in oxygenation parameters, NeuroImage 18, 865-879, 2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、送受光部110を用いて、深さ15mmにある脳表部位Sを計測するために、送光点Tと受光点Rとを被検体の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離(チャンネル)を30mm(第一設定距離)となるように配置しても、実際には、図6(a)に示すように被検体の脳表部位Sにある脳血流による受光量情報だけでなく、送光点T近傍や受光点R近傍の被検体の頭皮部位にある皮膚血流による受光量情報も含まれるという問題があった。
そこで、本発明は、頭皮表面から脳部位(測定部位)までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる光計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明の光計測装置は、被検体に光を照射する複数個の送光用プローブと、当該被検体から放出される光を受光する複数個の受光用プローブとを有する送受光部と、光を出射する発光部と、光を検出する光検出部と、1個の送光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、1個の受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、前記発光部から送光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送光用プローブと第一設定距離で隣接する受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、前記送受光部は、少なくとも1個の送受光用プローブを備え、前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出するようにしている。
【0013】
本発明の光測定装置によれば、送光用プローブと受光用プローブとが第一設定距離で並べられる。さらに、少なくとも1個の送受光用プローブが配置される。このとき、送受光用プローブには、発光部と接続された送光用光伝送路と、光検出部と接続された受光用光伝送路とが第二設定距離をあけて配置されるように接続されている。
そして、制御部は、送光用プローブの送光用光伝送路から受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する。この第一受光量情報には、上述したように測定部位(例えば、脳血流等)による受光量情報と、測定部位より浅い部位にある皮膚血流等による受光量情報とが含まれる。
また、制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得する。この第二受光量情報には、測定部位より浅い部位にある皮膚血流等による受光量情報が含まれる。
これにより、制御部は、第二受光量情報を用いて、測定部位より浅い部位(例えば、皮膚血流等)による受光量情報を第一受光量情報から除去することにより、測定部位(例えば、脳血流等)の受光量情報を取得する。このとき、例えば、独立成分分析等の数学的信号分離法を用いて、測定部位と浅い部位との信号(情報成分)を分離し、測定部位の情報成分のみを抽出する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の光測定装置によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。したがって、脳内各部等の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を正確に観察することができる。
【0015】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の光測定装置は、前記送光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、前記受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であり、前記送受光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、前記送受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の光計測装置は、被検体に光を照射するとともに、当該被検体から放出される光を受光する少なくとも2個の送受光用プローブを有する送受光部と、光を出射する発光部と、光を検出する光検出部と、1個の送受光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、1個の送受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、前記発光部から送受光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で送受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送受光用プローブと第一設定距離で隣接する送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出するようにしている。
【0017】
本発明の光測定装置によれば、送受光用プローブが第一設定距離で並べられる。このとき、送受光用プローブには、発光部と接続された送光用光伝送路と、光検出部と接続された受光用光伝送路とが第二設定距離をあけて配置されるように接続されている。
そして、制御部は、送受光用プローブの送光用光伝送路から、当該送受光用プローブと第一設定距離で隣接する他の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する。
また、制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得する。
これにより、制御部は、第二受光量情報を用いて、測定部位より浅い部位(例えば、皮膚血流等)による受光量情報を第一受光量情報から除去することにより、測定部位(例えば、脳血流等)の受光量情報を取得する。
以上のように、本発明の光測定装置によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。
【0018】
さらに、本発明の光測定装置は、前記第一設定距離は、25mm以上45mm以下であり、前記第二設定距離は、0.5mm以上2mm以下であるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図2】図1に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図。
【図3】送受光用プローブの一例を示す斜視図。
【図4】(S−2)個の送光用プローブと(T−2)個の受光用プローブと4個の送受光用プローブとの位置関係の一例を示す図。
【図5】光脳機能イメージング装置による測定方法の一例について説明するためのフローチャート。
【図6】送光用プローブと受光用プローブとの間の距離(チャンネル)と、測定部位との関係についての説明図。
【図7】従来の光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図8】ホルダの一例を示す図。
【図9】送光用プローブ(受光用プローブ)の一例を示す斜視図。
【図10】S個の送光用プローブとT個の受光用プローブとの位置関係の一例を示す図。
【図11】本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図12】図11に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0021】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図である。なお、光脳機能イメージング装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
光脳機能イメージング装置1は、送受光部10と、近赤外光を出射する発光部2と、受光信号を検出する光検出部3と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)30aからなる光ファイバー群30と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)40aからなる光ファイバー群40と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)31aからなる光ファイバー群31と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)41aからなる光ファイバー群41と、光脳機能イメージング装置1全体の制御を行う制御部(コンピュータ)20とにより構成される。
【0022】
発光部2は、コンピュータ20から入力された駆動信号により2種類の設定波長のうちから選択される1種類の設定波長の近赤外光を出射する。上記設定波長としては、例えば、780nm(λ1)と850nm(λ2)とが用いられる。
光検出部3は、近赤外光の強度を検出することにより、受光信号をコンピュータ20に出力する。
【0023】
送光用光ファイバー30aと送光用光ファイバー31aとは、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、近赤外光を軸方向に伝達することができ、一端部から入射した近赤外光が、内部を通過して他端部から出射したり、他端部から入射した近赤外光が、内部を通過して一端部から出射したりするようになっている。
受光用光ファイバー40aと受光用光ファイバー41aとは、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であり、近赤外光を軸方向に伝達することができ、一端部から入射した近赤外光が、内部を通過して他端部から出射したり、他端部から入射した近赤外光が、内部を通過して一端部から出射したりするようになっている。
【0024】
送受光部10は、(S+T)個の貫通孔11aを有する半球状のホルダ11と、(S−2)個の送光用プローブ12と、(T−2)個の受光用プローブ13と、4個の送受光用プローブ14とを備える。図3は、送受光用プローブの一例を示す斜視図である。
送受光用プローブ14は、先端面15を有する円筒形状であり、その外周面は、貫通孔11aに固定できるようになっており、その先端面15には、固定孔15aと固定孔15bとが2mm(第二設定距離)をあけるように形成されている。固定孔15aと固定孔15bとは、円形状であり、その直径は、0.2mmである。そして、送受光用プローブ14の固定孔15aには、送光用光ファイバー31aの一端部が固定されるとともに、固定孔15bには、受光用光ファイバー41aの一端部が固定されるようになっている。これにより、送光用光ファイバー31aの他端部が、発光部2と接続されることで、送光用光ファイバー31aの他端部から入射した近赤外光が、送光用光ファイバー31aの内部を通過して送光用光ファイバー31aの一端部(固定孔15a)から出射することができるようになっている。また、受光用光ファイバー41aの他端部が、光検出部3と接続されることで、受光用光ファイバー41aの一端部(固定孔15b)から入射した近赤外光が、受光用光ファイバー41aの内部を通過して受光用光ファイバー41aの他端部から出射することができるようになっている。よって、送光用光ファイバー31aを送光点Tとし、受光用光ファイバー41aを受光点Rとすれば、頭皮表面から深度1mmの位置にある皮膚血流に関する第二受光量情報Al(λm)が得られることになる。
【0025】
そして、(S−2)個の送光用プローブ12と(T−2)個の受光用プローブ13とが、ホルダ11の貫通孔11aに、行方向と列方向とに交互となるように挿入されるとともに、4個の送受光用プローブ14が、ホルダ11の貫通孔11aに、挿入されることにより、送受光部10が形成される。図4は、(S−2)個の送光用プローブと(T−2)個の受光用プローブと4個の送受光用プローブとの位置関係の一例を示す図である。なお、送光用プローブ12を白丸で示し、受光用プローブ13を黒丸で示し、送受光用プローブ14を灰色丸で示す。
このとき、送受光用プローブ14は、頭皮表面の全面ではなく頭皮表面の一部に配置されることになるが、頭皮部位の皮膚血流は頭部全体に均一であると考えられているので、図4に示すような送受光用プローブ14で得られた全ての第二受光量情報Al(λm)を用いて、平均化処理を行うことによって、被検体の頭皮部位にある皮膚血流による受光量情報を得ることになる。
【0026】
コンピュータ20においては、CPU21を備え、さらにメモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22であるキーボード22aやマウス22bとが連結されている。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、発光部2及び光検出部3を制御する送受光部制御部4と、第一受光量情報An(λm)を取得する第一受光量情報取得部21aと、第二受光量情報Al(λm)を取得する第二受光量情報取得部21bと、脳活動受光量情報算出部21cとを有する。また、メモリ25は、第一受光量情報An(λm)を記憶する第一受光量情報記憶領域25aと、第二受光量情報Al(λm)を記憶する第二受光量情報記憶領域25bとを有する。
【0027】
送受光部制御部4は、発光部2に駆動信号を出力する発光制御部4aと、光検出部3から受光信号を受信することにより、受光用プローブ13で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aに記憶させるとともに、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第二受光量情報記憶領域25bに記憶させる光検出制御部4bとを有する。
発光制御部4aは、(S−2)個の送光用プローブ12のうちから選択される1個の送光用プローブ12と、4個の送受光用プローブ14とに、2種類の設定波長のうちから選択される1種類の設定波長の近赤外光を出射させる駆動信号を発光部2に出力する制御を行う。例えば、まず、一の送光用プローブ12に780nmの光を0.15秒間送光させ、次に、二の送光用プローブ12に780nmの光を0.15秒間送光させるように、一の送光用プローブ12から(S−2)の送光プローブ12まで順番に780nmの光を送光させる駆動信号を発光部2に出力する。さらに、一の送光用プローブ12から(S−2)の送光プローブ12まで順番に780nmの光を送光させた後には、同様にして一の送光用プローブ12から(S−2)の送光用プローブ12まで順番に850nmの光を送光させる駆動信号を発光部2に出力する。このようにして、順番に1個ずつ送光用プローブ12から近赤外光を照射させる。
また、順番に1個ずつ送光用プローブ12から近赤外光を照射させると同時に、4個の送受光用プローブ14に780nmの光を0.15秒間送光させ、次に、4個の送受光用プローブ14に850nmの光を0.15秒間送光させる駆動信号を発光部2に出力する。
【0028】
光検出制御部4bは、光検出部3から受光信号を受信することにより、受光用プローブ13で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aに記憶させるとともに、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第二受光量情報記憶領域25bに記憶させる制御を行う。例えば、まず、一の送光用プローブ12から送光された780nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信し、次に、二の送光用プローブ12から送光された780nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信するように、(S−2)個の送光用プローブ12から送光した780nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信する。さらに、同様にして(S−2)個の送光用プローブ12から送光した850nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信する。
また、(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信すると同時に、まず、4個の送光用光ファイバー31aから送光された780nmの光を4個の受光用光ファイバー41aで検出した受光信号を受信する。さらに、同様にして4個の送光用光ファイバー31aから送光した850nmの光を4個の受光用光ファイバー41aで検出した受光信号を受信する。
【0029】
第一受光量情報取得部21aは、送光用プローブ12から、当該送光用プローブ12と第一設定距離で隣接する受光用プローブ13で受光される光の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)を取得する制御を行う。
具体的には、第一受光量情報記憶領域25aに記憶された受光信号の中から、送光用プローブ12から、当該送光用プローブ12と第一設定距離で隣接する受光用プローブ13で受光される受光信号を、深さ30/2mmの第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)として取得する。これにより、N箇所の測定部位に関する第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)が得られる。
【0030】
第二受光量情報取得部21bは、送光用光ファイバー31aから、当該送光用光ファイバー31aと第二設定距離で隣接する受光用光ファイバー41aで受光される光の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を取得する制御を行う。
具体的には、第二受光量情報記憶領域25bに記憶された受光信号を、頭皮部位の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)として取得する。これにより、4箇所の頭皮部位に関する第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)が得られる。
【0031】
脳活動受光量情報算出部21cは、第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)(n=1,2,3,4)を用いて、被検体の脳表部位より浅い頭皮部位による受光量情報を第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)から除去することにより、脳表部位に関する受光量情報を取得する制御を行う。
例えば、得られた4個の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を平均化処理することで、被検体の頭皮部位による受光量情報を算出する。そして、得られた頭皮部位による受光量情報と、N個の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)とに関して、独立成分分析等の数学的信号分離法を用いて、脳表部位と頭皮部位との信号(情報成分)を分離し、脳表部位の信号(情報成分)のみを抽出する。最後に、上述したような連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出する。
【0032】
次に、光脳機能イメージング装置1による測定方法について説明する。図5は、光脳機能イメージング装置1による測定方法の一例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、被検者の頭皮表面に送受光部11を配置する。
次に、ステップS102の処理において、発光制御部4aは、1個の送光用プローブ12と、4個の送受光用プローブ14とに光を送光する駆動信号を発光部2に出力する。
【0033】
次に、ステップS103の処理において、光検出制御部4bは、光検出部3からの受光信号を受けることにより、受光信号(第一受光量情報)を第一受光量情報記憶領域25aに記憶させると同時に、受光信号(第二受光量情報)を第二受光量情報記憶領域25bに記憶させる。
次に、ステップS104の処理において、(S−2)個の送光用プローブ12から780nmの光と850nmの光とを送光したか否かを判定する。(S−2)個の送光用プローブ12から780nmの光と850nmの光とを送光していないと判定したときには、ステップS102の処理に戻る。つまり、次の送光用プローブ12から光を送光することになる。
一方、(S−2)個の送光用プローブ12から780nmの光と850nmの光とを送光したと判定したときには、ステップS105の処理において、第一受光量情報取得部21aは、送光用プローブ12から、当該送光用プローブ12と第一設定距離で隣接する受光用プローブ13で受光される光の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)を取得する。
【0034】
次に、ステップS106の処理において、第二受光量情報取得部21bは、送光用光ファイバー31aから、当該送光用光ファイバー31aと第二設定距離で隣接する受光用光ファイバー41aで受光される光の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を取得する。
次に、ステップS107の処理において、脳活動受光量情報算出部21cは、第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)(l=1,2,3,4)を用いて、被検体の脳表部位より浅い頭皮部位による受光量情報を第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)から除去することにより、脳表部位に関する受光量情報を取得する。そして、上述したような連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出する。
次に、ステップS108の処理において、測定を終了するか否かを判断する。測定を終了しないと判断したときには、ステップS102の処理に戻る。
一方、測定を終了すると判断したときには、本フローチャートを終了させる。
【0035】
以上のように、光脳機能イメージング装置1によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。したがって、脳内各部等の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を正確に観察することができる。
【0036】
(実施形態2)
図11は、本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図である。また、図12は、図11に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図である。なお、光脳機能イメージング装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
光脳機能イメージング装置51は、送受光部50と、近赤外光を出射する発光部2と、受光信号を検出する光検出部3と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)31aからなる光ファイバー群31と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)41aからなる光ファイバー群41と、光脳機能イメージング装置51全体の制御を行う制御部(コンピュータ)70とにより構成される。
送受光部50は、(S+T)個の貫通孔11aを有する半球状のホルダ11と、(S+T)個の送受光用プローブ14とを備える。
【0037】
コンピュータ70においては、CPU21を備え、さらにメモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22であるキーボード22aやマウス22bとが連結されている。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、発光部2及び光検出部3を制御する送受光部制御部4と、第一受光量情報An(λm)を取得する第一受光量情報取得部21aと、第二受光量情報Al(λm)を取得する第二受光量情報取得部21bと、脳活動受光量情報算出部21cとを有する。
【0038】
送受光部制御部4は、発光部2に駆動信号を出力する発光制御部4aと、光検出部3から受光信号を受信することにより、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aと第二受光量情報記憶領域25bとに記憶させる光検出制御部4bとを有する。
発光制御部4aは、(S+T)個の送受光用プローブ14のうちから選択される1個の送受光用プローブ14に、2種類の設定波長のうちから選択される1種類の設定波長の近赤外光を出射させる駆動信号を発光部2に出力する制御を行う。
【0039】
光検出制御部4bは、光検出部3から受光信号を受信することにより、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aと第二受光量情報記憶領域25bとに記憶させる制御を行う。例えば、まず、一の送受光用プローブ14から送光された780nmの光を(S+T)個の送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信し、次に、二の送受光用プローブ14から送光された780nmの光を(S+T)個の送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信するように、(S+T)個の送受光用プローブ14から送光した780nmの光を(S+T)個の送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信する。さらに、同様にして送受光用プローブ14から送光した850nmの光を送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信する。
【0040】
第一受光量情報取得部21aは、送受光用プローブ14の送光用光ファイバー31aから、当該送受光用プローブ14と第一設定距離で隣接する送受光用プローブ14の受光用光ファイバー41aで受光される光の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)を取得する制御を行う。
第二受光量情報取得部21bは、送受光用プローブ14の送光用光ファイバー31aから、当該送受光用プローブ14の送光用光ファイバー31aと第二設定距離で隣接する受光用光ファイバー41aで受光される光の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を取得する制御を行う。
【0041】
脳活動受光量情報算出部21cは、第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)(n=1,2, ・・・, (S+T))を用いて、被検体の脳表部位より浅い頭皮部位による受光量情報を第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)から除去することにより、脳表部位に関する受光量情報を取得する制御を行う。
以上のように、光脳機能イメージング装置51によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。したがって、脳内各部等の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を正確に観察することができる。
【0042】
(他の実施形態)
(1)上述した光脳機能イメージング装置1では、1個の送光用プローブ12と、4個の送受光用プローブ14とに光を送光する駆動信号を発光部2に出力するような構成を示したが、(S−2)個の送光用プローブ12から光を送光した後に、4個の送受光用プローブ14に光を送光する駆動信号を発光部2に出力するような構成としてもよい。
(2)上述した光脳機能イメージング装置1では、固定孔15aと固定孔15bとは、直径は、0.2mmである円形状であるような構成を示したが、直径は、0.1mm以上3.0mm以下である円形状であるような構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、非侵襲で脳活動を測定する光脳機能イメージング装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1、51、101:光脳機能イメージング装置(光測定装置)
2:発光部
3:光検出部
4:送受光部制御部
10、50、110:送受光部
12:送光用プローブ
13:受光用プローブ
14:送受光用プローブ
20、70:制御部(コンピュータ)
30a:送光用光伝送路
31a:送光用光伝送路
40a:受光用光伝送路
41a:受光用光伝送路
15a、15b:固定孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を用いて被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を得る光測定装置に関し、さらに詳細には、非侵襲で脳活動を測定する光脳機能イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳の活動状況を観察するために、光を用いて簡便に非侵襲で測定する光脳機能イメージング装置が開発されている。このような光脳機能イメージング装置では、送光用プローブと受光用プローブとを備える。これにより、光脳機能イメージング装置では、被検者の頭皮表面上に配置した送光用プローブにより、異なる2種類の波長λ1、λ2(例えば、780nmと830nm)の近赤外光を脳に照射するとともに、頭皮表面上に配置した受光用プローブにより、脳から放出された各波長の近赤外光の強度(受光量情報)A(λ1)、A(λ2)をそれぞれ検出する。
なお、各波長λ1、λ2の近赤外光は、頭皮組織や骨組織を透過し、かつ、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとが可視光から近赤外領域にかけて異なる分光吸収スペクトル特性を有するので、血液中のオキシヘモグロビン或いはデオキシヘモグロビンのいずれかに特に吸収される。
【0003】
そして、このようにして得られた受光量情報A(λ1)、A(λ2)から、脳血流中のオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを求めるために、例えば、Modified Beer Lambert則を用いて関係式(1)(2)に示す連立方程式を作成して、この連立方程式を解いている(例えば、非特許文献1参照)。さらには、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とから総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])を算出している。
A(λ1)=EO(λ1)×[oxyHb]+Ed(λ1)×[deoxyHb] ・・・(1)
A(λ2)=EO(λ2)×[oxyHb]+Ed(λ2)×[deoxyHb] ・・・(2)
なお、EO(λm)は、波長λmの光におけるオキシヘモグロビンの吸光度係数であり、Ed(λm)は、波長λmの光におけるデオキシヘモグロビンの吸光度係数である。
【0004】
ここで、送光用プローブと受光用プローブとの間の距離(チャンネル)と、測定部位との関係について説明する。図6(a)は、一対の送光用プローブ及び受光用プローブと、測定部位との関係を示す断面図であり、図6(b)は、図6(a)の平面図である。
送光用プローブ12が被検者の頭皮表面の送光点Tに押し当てられるとともに、受光用プローブ13が被検者の頭皮表面の受光点Rに押し当てられる。そして、送光用プローブ12から光を照射させるとともに、受光用プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させる。このとき、光は、頭皮表面の送光点Tから照射された光のうちで、バナナ形状(測定領域)を通過した光が、頭皮表面の受光点Rに到達する。これにより、測定領域の中でも、特に送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線Lの中点Mから、送光点Tと受光点Rとを被検者の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離の半分の深さL/2である被検者の測定部位Sに関する受光量情報A(λ1)、A(λ2)が得られるとしている。
【0005】
また、光脳機能イメージング装置では、脳の複数箇所の測定部位に関するオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]及び総ヘモグロビンの濃度・光路長積([oxyHb]+[deoxyHb])をそれぞれ測定するために、例えば、近赤外分光分析計(以下、NIRSと略す)等が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図である。光脳機能イメージング装置101は、送受光部110と、近赤外光を出射する発光部2と、受光量情報An(λm)を検出する光検出部3と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)30aからなる光ファイバー群30と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)40aからなる光ファイバー群40と、光脳機能イメージング装置101全体の制御を行う制御部(コンピュータ)120とにより構成される。
【0006】
このような光脳機能イメージング装置101の送受光部110では、複数個の送光用プローブ12と、複数個の受光用プローブ13とを所定の配列で被検者の頭皮表面に密着させるために、ホルダ11が使用される。ホルダ11としては、例えば、頭皮表面の形状に合わせて椀形状に成型されたものが使用される。図8は、ホルダの一例を示す斜視図である。ホルダ11には、(S+T)個の貫通孔11aが行方向と列方向とで30mm(第一設定距離)をあけるように形成されている。貫通孔11aは、円形状であり、その直径は、9mmである。
【0007】
また、図9は、送光用プローブ(受光用プローブ)の一例を示す斜視図である。
送光用プローブ12は、円筒形状であり、その外周面は、貫通孔11aに固定できるようになっており、その内周面には、送光用光ファイバー30aの一端部が挿入されている。これにより、送光用光ファイバー30aの他端部が、発光部2と接続されることで、送光用光ファイバー30aの他端部から入射した近赤外光が、送光用光ファイバー30aの内部を通過して送光用光ファイバー30aの一端部(送光用プローブの先端)から出射することができるようになっている。
受光用プローブ13も、送光用プローブ12と同様な構造をしており、円筒形状であり、その外周面は、貫通孔11aに固定できるようになっており、その内周面には、受光用光ファイバー40aの一端部が挿入されている。これにより、受光用光ファイバー40aの他端部が、光検出部3と接続されることで、受光用光ファイバー40aの一端部(受光用プローブの先端部)から入射した近赤外光が、受光用光ファイバー40aの内部を通過して受光用光ファイバー40aの他端部から出射することができるようになっている。
【0008】
そして、S個の送光用プローブ12とT個の受光用プローブ13とが、ホルダ11の貫通孔11aに、行方向と列方向とに交互となるように挿入されることにより、送受光部110が形成される。図10は、S個の送光用プローブとT個の受光用プローブとの位置関係の一例を示す図である。なお、送光用プローブ12を白丸で示し、受光用プローブ13を黒丸で示す。
このような送受光部110を用いて、順番に1個ずつ送光用プローブ12から光を照射させるとともに、T個の受光用プローブ13に頭皮表面から放出される光を入射させることによって、N箇所の測定部位に関する受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)を得ている。さらに、N箇所の測定部位における受光量情報An(λ1)、An(λ2)から、上述したような連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−109964号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Factors affecting the accuracy of near-infrared spectroscopy concentration calculations for focal changes in oxygenation parameters, NeuroImage 18, 865-879, 2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、送受光部110を用いて、深さ15mmにある脳表部位Sを計測するために、送光点Tと受光点Rとを被検体の頭皮表面に沿って最短距離で結んだ線の距離(チャンネル)を30mm(第一設定距離)となるように配置しても、実際には、図6(a)に示すように被検体の脳表部位Sにある脳血流による受光量情報だけでなく、送光点T近傍や受光点R近傍の被検体の頭皮部位にある皮膚血流による受光量情報も含まれるという問題があった。
そこで、本発明は、頭皮表面から脳部位(測定部位)までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる光計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明の光計測装置は、被検体に光を照射する複数個の送光用プローブと、当該被検体から放出される光を受光する複数個の受光用プローブとを有する送受光部と、光を出射する発光部と、光を検出する光検出部と、1個の送光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、1個の受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、前記発光部から送光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送光用プローブと第一設定距離で隣接する受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、前記送受光部は、少なくとも1個の送受光用プローブを備え、前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出するようにしている。
【0013】
本発明の光測定装置によれば、送光用プローブと受光用プローブとが第一設定距離で並べられる。さらに、少なくとも1個の送受光用プローブが配置される。このとき、送受光用プローブには、発光部と接続された送光用光伝送路と、光検出部と接続された受光用光伝送路とが第二設定距離をあけて配置されるように接続されている。
そして、制御部は、送光用プローブの送光用光伝送路から受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する。この第一受光量情報には、上述したように測定部位(例えば、脳血流等)による受光量情報と、測定部位より浅い部位にある皮膚血流等による受光量情報とが含まれる。
また、制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得する。この第二受光量情報には、測定部位より浅い部位にある皮膚血流等による受光量情報が含まれる。
これにより、制御部は、第二受光量情報を用いて、測定部位より浅い部位(例えば、皮膚血流等)による受光量情報を第一受光量情報から除去することにより、測定部位(例えば、脳血流等)の受光量情報を取得する。このとき、例えば、独立成分分析等の数学的信号分離法を用いて、測定部位と浅い部位との信号(情報成分)を分離し、測定部位の情報成分のみを抽出する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の光測定装置によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。したがって、脳内各部等の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を正確に観察することができる。
【0015】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明の光測定装置は、前記送光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、前記受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であり、前記送受光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、前記送受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明の光計測装置は、被検体に光を照射するとともに、当該被検体から放出される光を受光する少なくとも2個の送受光用プローブを有する送受光部と、光を出射する発光部と、光を検出する光検出部と、1個の送受光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、1個の送受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、前記発光部から送受光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で送受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送受光用プローブと第一設定距離で隣接する送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出するようにしている。
【0017】
本発明の光測定装置によれば、送受光用プローブが第一設定距離で並べられる。このとき、送受光用プローブには、発光部と接続された送光用光伝送路と、光検出部と接続された受光用光伝送路とが第二設定距離をあけて配置されるように接続されている。
そして、制御部は、送受光用プローブの送光用光伝送路から、当該送受光用プローブと第一設定距離で隣接する他の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する。
また、制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得する。
これにより、制御部は、第二受光量情報を用いて、測定部位より浅い部位(例えば、皮膚血流等)による受光量情報を第一受光量情報から除去することにより、測定部位(例えば、脳血流等)の受光量情報を取得する。
以上のように、本発明の光測定装置によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。
【0018】
さらに、本発明の光測定装置は、前記第一設定距離は、25mm以上45mm以下であり、前記第二設定距離は、0.5mm以上2mm以下であるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図2】図1に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図。
【図3】送受光用プローブの一例を示す斜視図。
【図4】(S−2)個の送光用プローブと(T−2)個の受光用プローブと4個の送受光用プローブとの位置関係の一例を示す図。
【図5】光脳機能イメージング装置による測定方法の一例について説明するためのフローチャート。
【図6】送光用プローブと受光用プローブとの間の距離(チャンネル)と、測定部位との関係についての説明図。
【図7】従来の光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図8】ホルダの一例を示す図。
【図9】送光用プローブ(受光用プローブ)の一例を示す斜視図。
【図10】S個の送光用プローブとT個の受光用プローブとの位置関係の一例を示す図。
【図11】本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図12】図11に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0021】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図である。なお、光脳機能イメージング装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
光脳機能イメージング装置1は、送受光部10と、近赤外光を出射する発光部2と、受光信号を検出する光検出部3と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)30aからなる光ファイバー群30と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)40aからなる光ファイバー群40と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)31aからなる光ファイバー群31と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)41aからなる光ファイバー群41と、光脳機能イメージング装置1全体の制御を行う制御部(コンピュータ)20とにより構成される。
【0022】
発光部2は、コンピュータ20から入力された駆動信号により2種類の設定波長のうちから選択される1種類の設定波長の近赤外光を出射する。上記設定波長としては、例えば、780nm(λ1)と850nm(λ2)とが用いられる。
光検出部3は、近赤外光の強度を検出することにより、受光信号をコンピュータ20に出力する。
【0023】
送光用光ファイバー30aと送光用光ファイバー31aとは、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、近赤外光を軸方向に伝達することができ、一端部から入射した近赤外光が、内部を通過して他端部から出射したり、他端部から入射した近赤外光が、内部を通過して一端部から出射したりするようになっている。
受光用光ファイバー40aと受光用光ファイバー41aとは、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であり、近赤外光を軸方向に伝達することができ、一端部から入射した近赤外光が、内部を通過して他端部から出射したり、他端部から入射した近赤外光が、内部を通過して一端部から出射したりするようになっている。
【0024】
送受光部10は、(S+T)個の貫通孔11aを有する半球状のホルダ11と、(S−2)個の送光用プローブ12と、(T−2)個の受光用プローブ13と、4個の送受光用プローブ14とを備える。図3は、送受光用プローブの一例を示す斜視図である。
送受光用プローブ14は、先端面15を有する円筒形状であり、その外周面は、貫通孔11aに固定できるようになっており、その先端面15には、固定孔15aと固定孔15bとが2mm(第二設定距離)をあけるように形成されている。固定孔15aと固定孔15bとは、円形状であり、その直径は、0.2mmである。そして、送受光用プローブ14の固定孔15aには、送光用光ファイバー31aの一端部が固定されるとともに、固定孔15bには、受光用光ファイバー41aの一端部が固定されるようになっている。これにより、送光用光ファイバー31aの他端部が、発光部2と接続されることで、送光用光ファイバー31aの他端部から入射した近赤外光が、送光用光ファイバー31aの内部を通過して送光用光ファイバー31aの一端部(固定孔15a)から出射することができるようになっている。また、受光用光ファイバー41aの他端部が、光検出部3と接続されることで、受光用光ファイバー41aの一端部(固定孔15b)から入射した近赤外光が、受光用光ファイバー41aの内部を通過して受光用光ファイバー41aの他端部から出射することができるようになっている。よって、送光用光ファイバー31aを送光点Tとし、受光用光ファイバー41aを受光点Rとすれば、頭皮表面から深度1mmの位置にある皮膚血流に関する第二受光量情報Al(λm)が得られることになる。
【0025】
そして、(S−2)個の送光用プローブ12と(T−2)個の受光用プローブ13とが、ホルダ11の貫通孔11aに、行方向と列方向とに交互となるように挿入されるとともに、4個の送受光用プローブ14が、ホルダ11の貫通孔11aに、挿入されることにより、送受光部10が形成される。図4は、(S−2)個の送光用プローブと(T−2)個の受光用プローブと4個の送受光用プローブとの位置関係の一例を示す図である。なお、送光用プローブ12を白丸で示し、受光用プローブ13を黒丸で示し、送受光用プローブ14を灰色丸で示す。
このとき、送受光用プローブ14は、頭皮表面の全面ではなく頭皮表面の一部に配置されることになるが、頭皮部位の皮膚血流は頭部全体に均一であると考えられているので、図4に示すような送受光用プローブ14で得られた全ての第二受光量情報Al(λm)を用いて、平均化処理を行うことによって、被検体の頭皮部位にある皮膚血流による受光量情報を得ることになる。
【0026】
コンピュータ20においては、CPU21を備え、さらにメモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22であるキーボード22aやマウス22bとが連結されている。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、発光部2及び光検出部3を制御する送受光部制御部4と、第一受光量情報An(λm)を取得する第一受光量情報取得部21aと、第二受光量情報Al(λm)を取得する第二受光量情報取得部21bと、脳活動受光量情報算出部21cとを有する。また、メモリ25は、第一受光量情報An(λm)を記憶する第一受光量情報記憶領域25aと、第二受光量情報Al(λm)を記憶する第二受光量情報記憶領域25bとを有する。
【0027】
送受光部制御部4は、発光部2に駆動信号を出力する発光制御部4aと、光検出部3から受光信号を受信することにより、受光用プローブ13で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aに記憶させるとともに、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第二受光量情報記憶領域25bに記憶させる光検出制御部4bとを有する。
発光制御部4aは、(S−2)個の送光用プローブ12のうちから選択される1個の送光用プローブ12と、4個の送受光用プローブ14とに、2種類の設定波長のうちから選択される1種類の設定波長の近赤外光を出射させる駆動信号を発光部2に出力する制御を行う。例えば、まず、一の送光用プローブ12に780nmの光を0.15秒間送光させ、次に、二の送光用プローブ12に780nmの光を0.15秒間送光させるように、一の送光用プローブ12から(S−2)の送光プローブ12まで順番に780nmの光を送光させる駆動信号を発光部2に出力する。さらに、一の送光用プローブ12から(S−2)の送光プローブ12まで順番に780nmの光を送光させた後には、同様にして一の送光用プローブ12から(S−2)の送光用プローブ12まで順番に850nmの光を送光させる駆動信号を発光部2に出力する。このようにして、順番に1個ずつ送光用プローブ12から近赤外光を照射させる。
また、順番に1個ずつ送光用プローブ12から近赤外光を照射させると同時に、4個の送受光用プローブ14に780nmの光を0.15秒間送光させ、次に、4個の送受光用プローブ14に850nmの光を0.15秒間送光させる駆動信号を発光部2に出力する。
【0028】
光検出制御部4bは、光検出部3から受光信号を受信することにより、受光用プローブ13で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aに記憶させるとともに、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第二受光量情報記憶領域25bに記憶させる制御を行う。例えば、まず、一の送光用プローブ12から送光された780nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信し、次に、二の送光用プローブ12から送光された780nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信するように、(S−2)個の送光用プローブ12から送光した780nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信する。さらに、同様にして(S−2)個の送光用プローブ12から送光した850nmの光を(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信する。
また、(T−2)個の受光用プローブ13で検出した受光信号を受信すると同時に、まず、4個の送光用光ファイバー31aから送光された780nmの光を4個の受光用光ファイバー41aで検出した受光信号を受信する。さらに、同様にして4個の送光用光ファイバー31aから送光した850nmの光を4個の受光用光ファイバー41aで検出した受光信号を受信する。
【0029】
第一受光量情報取得部21aは、送光用プローブ12から、当該送光用プローブ12と第一設定距離で隣接する受光用プローブ13で受光される光の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)を取得する制御を行う。
具体的には、第一受光量情報記憶領域25aに記憶された受光信号の中から、送光用プローブ12から、当該送光用プローブ12と第一設定距離で隣接する受光用プローブ13で受光される受光信号を、深さ30/2mmの第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)として取得する。これにより、N箇所の測定部位に関する第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)が得られる。
【0030】
第二受光量情報取得部21bは、送光用光ファイバー31aから、当該送光用光ファイバー31aと第二設定距離で隣接する受光用光ファイバー41aで受光される光の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を取得する制御を行う。
具体的には、第二受光量情報記憶領域25bに記憶された受光信号を、頭皮部位の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)として取得する。これにより、4箇所の頭皮部位に関する第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)が得られる。
【0031】
脳活動受光量情報算出部21cは、第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)(n=1,2,3,4)を用いて、被検体の脳表部位より浅い頭皮部位による受光量情報を第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)から除去することにより、脳表部位に関する受光量情報を取得する制御を行う。
例えば、得られた4個の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を平均化処理することで、被検体の頭皮部位による受光量情報を算出する。そして、得られた頭皮部位による受光量情報と、N個の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)とに関して、独立成分分析等の数学的信号分離法を用いて、脳表部位と頭皮部位との信号(情報成分)を分離し、脳表部位の信号(情報成分)のみを抽出する。最後に、上述したような連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出する。
【0032】
次に、光脳機能イメージング装置1による測定方法について説明する。図5は、光脳機能イメージング装置1による測定方法の一例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、被検者の頭皮表面に送受光部11を配置する。
次に、ステップS102の処理において、発光制御部4aは、1個の送光用プローブ12と、4個の送受光用プローブ14とに光を送光する駆動信号を発光部2に出力する。
【0033】
次に、ステップS103の処理において、光検出制御部4bは、光検出部3からの受光信号を受けることにより、受光信号(第一受光量情報)を第一受光量情報記憶領域25aに記憶させると同時に、受光信号(第二受光量情報)を第二受光量情報記憶領域25bに記憶させる。
次に、ステップS104の処理において、(S−2)個の送光用プローブ12から780nmの光と850nmの光とを送光したか否かを判定する。(S−2)個の送光用プローブ12から780nmの光と850nmの光とを送光していないと判定したときには、ステップS102の処理に戻る。つまり、次の送光用プローブ12から光を送光することになる。
一方、(S−2)個の送光用プローブ12から780nmの光と850nmの光とを送光したと判定したときには、ステップS105の処理において、第一受光量情報取得部21aは、送光用プローブ12から、当該送光用プローブ12と第一設定距離で隣接する受光用プローブ13で受光される光の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)を取得する。
【0034】
次に、ステップS106の処理において、第二受光量情報取得部21bは、送光用光ファイバー31aから、当該送光用光ファイバー31aと第二設定距離で隣接する受光用光ファイバー41aで受光される光の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を取得する。
次に、ステップS107の処理において、脳活動受光量情報算出部21cは、第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)(l=1,2,3,4)を用いて、被検体の脳表部位より浅い頭皮部位による受光量情報を第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)から除去することにより、脳表部位に関する受光量情報を取得する。そして、上述したような連立方程式を作成して、オキシヘモグロビンの濃度・光路長積[oxyHb]と、デオキシヘモグロビンの濃度・光路長積[deoxyHb]とを算出する。
次に、ステップS108の処理において、測定を終了するか否かを判断する。測定を終了しないと判断したときには、ステップS102の処理に戻る。
一方、測定を終了すると判断したときには、本フローチャートを終了させる。
【0035】
以上のように、光脳機能イメージング装置1によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。したがって、脳内各部等の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を正確に観察することができる。
【0036】
(実施形態2)
図11は、本発明の一実施形態である光脳機能イメージング装置の概略構成の一例を示すブロック図である。また、図12は、図11に示す光脳機能イメージング装置の概略構成の一部を示す図である。なお、光脳機能イメージング装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
光脳機能イメージング装置51は、送受光部50と、近赤外光を出射する発光部2と、受光信号を検出する光検出部3と、直径2mmの送光用光ファイバー(送光用光伝送路)31aからなる光ファイバー群31と、直径2mmの受光用光ファイバー(受光用光伝送路)41aからなる光ファイバー群41と、光脳機能イメージング装置51全体の制御を行う制御部(コンピュータ)70とにより構成される。
送受光部50は、(S+T)個の貫通孔11aを有する半球状のホルダ11と、(S+T)個の送受光用プローブ14とを備える。
【0037】
コンピュータ70においては、CPU21を備え、さらにメモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22であるキーボード22aやマウス22bとが連結されている。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、発光部2及び光検出部3を制御する送受光部制御部4と、第一受光量情報An(λm)を取得する第一受光量情報取得部21aと、第二受光量情報Al(λm)を取得する第二受光量情報取得部21bと、脳活動受光量情報算出部21cとを有する。
【0038】
送受光部制御部4は、発光部2に駆動信号を出力する発光制御部4aと、光検出部3から受光信号を受信することにより、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aと第二受光量情報記憶領域25bとに記憶させる光検出制御部4bとを有する。
発光制御部4aは、(S+T)個の送受光用プローブ14のうちから選択される1個の送受光用プローブ14に、2種類の設定波長のうちから選択される1種類の設定波長の近赤外光を出射させる駆動信号を発光部2に出力する制御を行う。
【0039】
光検出制御部4bは、光検出部3から受光信号を受信することにより、送受光用プローブ14で検出された受光信号を第一受光量情報記憶領域25aと第二受光量情報記憶領域25bとに記憶させる制御を行う。例えば、まず、一の送受光用プローブ14から送光された780nmの光を(S+T)個の送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信し、次に、二の送受光用プローブ14から送光された780nmの光を(S+T)個の送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信するように、(S+T)個の送受光用プローブ14から送光した780nmの光を(S+T)個の送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信する。さらに、同様にして送受光用プローブ14から送光した850nmの光を送受光用プローブ14で検出した受光信号を受信する。
【0040】
第一受光量情報取得部21aは、送受光用プローブ14の送光用光ファイバー31aから、当該送受光用プローブ14と第一設定距離で隣接する送受光用プローブ14の受光用光ファイバー41aで受光される光の第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)を取得する制御を行う。
第二受光量情報取得部21bは、送受光用プローブ14の送光用光ファイバー31aから、当該送受光用プローブ14の送光用光ファイバー31aと第二設定距離で隣接する受光用光ファイバー41aで受光される光の第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)を取得する制御を行う。
【0041】
脳活動受光量情報算出部21cは、第二受光量情報Al(λ1)、Al(λ2)(n=1,2, ・・・, (S+T))を用いて、被検体の脳表部位より浅い頭皮部位による受光量情報を第一受光量情報An(λ1)、An(λ2)(n=1,2,・・・,N)から除去することにより、脳表部位に関する受光量情報を取得する制御を行う。
以上のように、光脳機能イメージング装置51によれば、頭皮表面から脳部位までより浅い皮膚血流等の頭皮部位による不要な受光量情報を除去した脳血流等の脳部位(測定部位)による受光量情報を得ることができる。したがって、脳内各部等の血流の経時変化や酸素供給の経時変化を正確に観察することができる。
【0042】
(他の実施形態)
(1)上述した光脳機能イメージング装置1では、1個の送光用プローブ12と、4個の送受光用プローブ14とに光を送光する駆動信号を発光部2に出力するような構成を示したが、(S−2)個の送光用プローブ12から光を送光した後に、4個の送受光用プローブ14に光を送光する駆動信号を発光部2に出力するような構成としてもよい。
(2)上述した光脳機能イメージング装置1では、固定孔15aと固定孔15bとは、直径は、0.2mmである円形状であるような構成を示したが、直径は、0.1mm以上3.0mm以下である円形状であるような構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、非侵襲で脳活動を測定する光脳機能イメージング装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1、51、101:光脳機能イメージング装置(光測定装置)
2:発光部
3:光検出部
4:送受光部制御部
10、50、110:送受光部
12:送光用プローブ
13:受光用プローブ
14:送受光用プローブ
20、70:制御部(コンピュータ)
30a:送光用光伝送路
31a:送光用光伝送路
40a:受光用光伝送路
41a:受光用光伝送路
15a、15b:固定孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に光を照射する複数個の送光用プローブと、当該被検体から放出される光を受光する複数個の受光用プローブとを有する送受光部と、
光を出射する発光部と、
光を検出する光検出部と、
1個の送光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、
1個の受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、
前記発光部から送光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送光用プローブと第一設定距離で隣接する受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、
前記送受光部は、少なくとも1個の送受光用プローブを備え、
前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、
前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、
前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出することを特徴とする光測定装置。
【請求項2】
前記送光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、
前記受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であり、
前記送受光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、
前記送受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であることを特徴とする請求項1に記載の光測定装置。
【請求項3】
被検体に光を照射するとともに、当該被検体から放出される光を受光する少なくとも2個の送受光用プローブを有する送受光部と、
光を出射する発光部と、
光を検出する光検出部と、
1個の送受光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、
1個の送受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、
前記発光部から送受光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で送受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送受光用プローブと第一設定距離で隣接する送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、
前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、
前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、
前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出することを特徴とする光測定装置。
【請求項4】
前記第一設定距離は、25mm以上45mm以下であり、
前記第二設定距離は、0.5mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項1】
被検体に光を照射する複数個の送光用プローブと、当該被検体から放出される光を受光する複数個の受光用プローブとを有する送受光部と、
光を出射する発光部と、
光を検出する光検出部と、
1個の送光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、
1個の受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、
前記発光部から送光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送光用プローブと第一設定距離で隣接する受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、
前記送受光部は、少なくとも1個の送受光用プローブを備え、
前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、
前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、
前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出することを特徴とする光測定装置。
【請求項2】
前記送光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、
前記受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であり、
前記送受光用プローブと接続される送光用光伝送路は、直径0.3mm以上5.0mm以下の管状であり、
前記送受光用プローブと接続される受光用光伝送路は、直径0.5mm以上5.0mm以下の管状であることを特徴とする請求項1に記載の光測定装置。
【請求項3】
被検体に光を照射するとともに、当該被検体から放出される光を受光する少なくとも2個の送受光用プローブを有する送受光部と、
光を出射する発光部と、
光を検出する光検出部と、
1個の送受光用プローブと発光部とを接続する複数本の送光用光伝送路からなる送光用光伝送路群と、
1個の送受光用プローブと光検出部とを接続する複数本の受光用光伝送路からなる受光用光伝送路群と、
前記発光部から送受光用プローブに送光用光伝送路を介して光を送光するとともに、前記光検出部で送受光用プローブから受光用光伝送路を介して光を受光するように制御することで、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から、当該一の送受光用プローブと第一設定距離で隣接する送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第一受光量情報を取得する制御部とを備える光測定装置であって、
前記送受光用プローブの先端部には、2個の固定孔が、前記第一設定距離より短い第二設定距離をあけて形成されており、1個の固定孔には送光用光伝送路が配置されるとともに、他の1個の固定孔には受光用光伝送路が配置され、
前記制御部は、一の送受光用プローブの送光用光伝送路から一の送受光用プローブの受光用光伝送路への光の第二受光量情報を取得して、
前記第一受光量情報と第二受光量情報とを用いて、前記被検体の内部における測定部位に関する受光量情報を算出することを特徴とする光測定装置。
【請求項4】
前記第一設定距離は、25mm以上45mm以下であり、
前記第二設定距離は、0.5mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−32204(P2012−32204A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170176(P2010−170176)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【出願人】(502285457)学校法人順天堂 (64)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【出願人】(502285457)学校法人順天堂 (64)
【Fターム(参考)】
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