説明

光源制御装置及びインキ乾燥装置

【課題】印刷物の非印刷領域に光硬化型インキが付着しても、他の正常な印刷物に悪影響を及ぼすことが無い光源制御装置及びインキ乾燥装置を提供する。
【解決手段】光硬化型インキが紫外線硬化型インキの場合、枚葉紙Pに対して紫外線LED51からUV光を照射して、画像の印刷に使用された紫外線硬化型インキを硬化させるインキ乾燥装置5に対して、光源制御装置7を設ける。光源制御装置7は、撮影用光源71と、カメラ73と画像処理部75を備えている。撮影用光源71で枚葉紙Pに例えば可視光を照射してカメラ73で印刷された画像を撮影する。そして、画像処理部75で、紫外線硬化型インキが存在するインキ領域を抽出し、紫外線LED51からインキ領域に対してUV光を照射させる。これにより、インキが垂れたり飛んだりしてもインキ領域として検出されてインキは硬化されるので、インキによる汚染を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特定の波長域の光が照射されると硬化する光硬化型インキによって印刷された印刷物に、特定波長域光源から特定の波長域の光を照射させる光源制御装置及びインキ乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用のインキには、蒸発乾燥型、熱硬化型、光硬化型などがある。光硬化型インキは、印刷直後に強力な光線が照射されると瞬時に硬化乾燥するので、他の型のインキと比較して硬化乾燥時間の短縮による生産性向上が見込める。そのため、近時では様々な用途で使用されている。
【0003】
光硬化型インキの一種に、紫外線光(以下、UV光と称する。)が照射されると硬化する紫外線硬化型インキ(以下、UVインキと称する。)がある。従来、UVインキを硬化させるときには、光源として水銀灯やキセノンランプ等の紫外線ランプが使用されている。近時では、光源として高出力の紫外線LEDも使用されている。紫外線ランプや紫外線LEDは消費電力が非常に大きいので、環境負荷が大きく、また、印刷物の製造コストが上昇するという問題があった。
【0004】
このような問題に対して、印刷物の印刷領域(絵柄部分)が紫外線LEDの下を通るときだけ紫外線LEDを点灯させることで、消費電力を抑制する印刷機の発明が開示されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−208463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明では、CTP等の上位画像データ(プリプレスデータ)を使用して印刷領域を把握し、この情報に基づいて紫外線LEDの点灯を制御する。この方法では、印刷物の印刷領域を確実に把握できる。しかし、この方法では、印刷物の印刷領域ではなく非印刷領域(白紙部分)にUVインキが垂れたり飛んだりして付着しても、印刷領域ではないのでUV光が照射されず、UVインキが未硬化の状態で印刷物が搬送路を搬送される。この印刷物は不良品なので、通常は後段に設置される紙面検査装置が非印刷領域におけるUVインキの付着を検出して、この印刷物を除去する。しかしながら、印刷物の搬送中に、印刷機や搬送路にインキが付着すると、続いて搬送される正常な印刷物にインキの転写や付着が発生して、不良品を出してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、印刷物の非印刷領域に光硬化型インキが付着しても、印刷機や他の正常な印刷物に悪影響を及ぼすことが無い光源制御装置及びインキ乾燥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、光硬化型インキにより印刷された印刷物に対して、光硬化型インキが硬化する特定波長域光を所定の領域毎に照射する特定波長域光源を制御する光源制御装置の発明である。光源制御装置は、撮影用光源と、撮影手段と、制御手段と、を備えている。撮影用光源は、印刷物に撮影用の光を照射する。撮影手段は、撮影用の光が照射された印刷物を撮影して撮影画像を出力する。制御手段は、撮影手段が出力した印刷物の撮影画像を処理して光硬化型インキが存在するインキ領域を検出し、このインキ領域に対して特定波長域光源により特定波長域光を照射させる。
【0009】
この発明において、インキ領域は、画像や文字が印刷される印刷領域と、画像や文字が印刷されていない非印刷領域においてインキが付着した領域と、を含む領域である。この発明では、撮影手段で撮像した画像を処理して光硬化型インキが存在するインキ領域を決定し、このインキ領域に特定波長域光を照射する。そのため、インキ飛びなどにより、突発的に汚れが発生している非印刷領域もその汚れの領域をインキ領域として検出して、紫外線を照射することができ、インキ飛び等によって印刷機や他の正常に印刷した紙面を汚すことを防止できる。また、コンベンショナルなフィルム製版システムや、旧来の印刷機にインキ乾燥装置を後から取り付ける場合等、上位の画像データを取得できない場合にも、インキ領域を検出できるので、光硬化型インキが存在する領域に対して特定波長域光を問題なく照射できる。
【0010】
この発明においては、撮影用光源は、特定波長域光と異なる波長の撮影用の光を照射する。
【0011】
光硬化型インキとしては、印刷用インキと同様に、通常はブラック、シアン、マゼンタ、イエローや他の色のものが使用される。この構成では、撮影用光源から特定波長域光と異なる波長の光を点灯制御できる。したがって、上記のような色の光硬化型インキを検出可能な波長の光を撮影用光源から照射させることで、印刷物の非印刷領域に光硬化型インキが付着しても、撮影画像からインキの付着を検出して、特定波長域光源に特定波長域光を照射させて光硬化型インキを確実に硬化させることができ、印刷機や他の正常な印刷物に悪影響が及ぶのを防止できる。また、撮影用光源は、特定波長域光源とは異なる波長の撮影用の光を照射するので、特定波長域光とは異なる波長域において検査を行うことができる。例えば、撮影用の光を可視光にした場合には、印刷物の画像をカラー画像として撮影できるので、インキの付着検出だけでなく印刷物の色変化などを捉えるカラー検査が可能となる。
【0012】
この発明においては、撮影用光源は、特定波長域光源を兼用する。
【0013】
特定波長域光で硬化する光硬化型インキの一種として光硬化型ニスを用いる場合には、光硬化型ニスの印刷領域に関して画像データを取得することは困難である。また、光硬化型ニスは、人の目には透明に見えるので検出が困難である。しかし、この発明では、光硬化型ニスに対して特定波長域光を照射することで、光硬化型ニスの印刷領域を撮影手段が撮影した撮影画像から検出できる。したがって、光硬化型インキだけでなく光硬化型ニスが飛びや垂れにより非印刷領域に付着しても、特定波長域光源に特定波長域光を照射させて光硬化型インキを確実に硬化させることができ、印刷機や他の正常な印刷物に悪影響が及ぶのを確実に防止できる。また、この発明では、光源は1つでも良くなり、コストダウン及び消費電力の低減を図ることができる。
【0014】
また、この発明においては、撮影用光源が特定波長域光源を兼用する場合、さらに特定波長域光源とは独立し、特定波長域光と異なる波長の撮影用の光を照射する撮影用光源を併用する。この構成では、撮影用の光として特定波長域光と特定波長域光以外の光が照射され、光硬化型インキの硬化用の光として特定波長域光が照射される。このように、特定波長域光と特定波長域光以外の光が印刷物に照射されるので、非印刷領域に光硬化型インキの付着が発生しても確実に検出して硬化させることができ、印刷機や他の正常な印刷物に悪影響が及ぶのを確実に防止できる。
【0015】
また、上記構成では、インキ領域には特定波長域光源から特定波長域光を照射し、インキ領域以外の領域には可視光を照射するように構成することが可能となる。この構成では、インキ領域以外の領域にインキ飛びやインキ垂れ等によるインキ付着が発生しても確実に検出できる。インキ付着を検出した際に、すぐにその領域に対応する特定波長域光源を点灯させるように制御することで、この領域の光硬化型インキもすぐに硬化させることができ、他の正常な印刷物が未硬化の光硬化型インキで汚れるのを防止できる。上記のように、インキ領域だけに特定波長域光源から特定波長域光を照射することで、特定波長域光源から全領域に特定波長域光を照射する場合と比較して、消費電力を低減できる。
【0016】
この発明においては、撮影用光源が特定波長域光源を兼用する場合において、インキ領域を記憶するインキ領域記憶手段を備えている。制御手段は、同じ内容を印刷した複数の印刷物を連続的に処理する場合、印刷が安定後に特定の印刷物の全領域に対して光硬化型インキが硬化する光量の特定波長域光を撮影用の光として特定波長域光源により照射させて、撮影画像から前記インキ領域を検出してインキ領域記憶手段に記憶させる。また、以降の印刷物には、インキ領域記憶手段からインキ領域を読み出して、このインキ領域には特定波長域光を照射させ、インキ領域記憶手段から読み出したインキ領域以外の非インキ領域には、撮影手段が撮影可能な光量の特定波長域光を撮影用の光として照射させる。そして、撮影画像の非インキ領域において光硬化型インキの付着を検出すると、インキの付着領域に対して光硬化型インキが硬化する光量の特定波長域光を特定波長域光源により照射させる。
【0017】
この発明において、光硬化型インキが硬化する光量の特定波長域光は、撮影手段が撮影可能な光量の特定波長域光よりも光量が強い。この発明では、印刷が安定後に特定の印刷物の全面に特定波長域光を照射するので、インキ領域を確実に硬化させることができ、印刷機やそれ以降の正常な印刷物に悪影響が及ぶのを確実に防止できる。また、インキ領域を確実に検出して、それ以降の印刷物のインキ領域に特定波長域光を照射するための基準としてインキ領域を検出・記憶できる。それ以降の印刷物については、インキ領域を記憶しているので、毎回インキ領域の検出を行うことなくインキ領域には特定波長域光を照射して光硬化型インキを硬化できる。また、非インキ領域には撮影用の光を照射するので、インキの付着を確実に検出でき、インキの付着を検出した場合にはその領域に特定波長域光を照射するので、付着した光硬化型インキを速やかに硬化させることができる。さらに、特定波長域光源を常時点灯する場合に比べて消費電力を低減できる。
【0018】
なお、印刷が安定前の印刷物にも、全領域に対して光硬化型インキが硬化する光量の特定波長域光を特定波長域光源により照射させておくべきである。これにより、インキ領域を確実に硬化させることができ、印刷機やそれ以降の正常な印刷物に悪影響が及ぶのを防止できる。
【0019】
この発明においては、制御手段は、印刷物の全領域に対して撮影用光源により撮影用の光を照射させ、撮影手段が撮影画像を出力する毎にインキ領域を検出し、このインキ領域に特定波長域光源により特定波長域光を照射させる。
【0020】
この発明では、制御手段は、撮影手段の撮影画像からインキ領域を検出すると、直ちにフィードフォワードして、特定波長域光源の点灯状態や光量を調整し、特定波長域光源から光硬化型インキが特定波長域光を照射することで、光硬化型インキを確実に硬化させることができ、他の正常な印刷物に悪影響が及ぶのを防止できる。また、毎回異なる画像や文字が印刷された印刷物であっても、インキ領域を確実に検出できるので、インキ領域に応じて特定波長域光を照射するように制御でき、連続的に特定波長域光を照射する場合と比べて消費電力を抑制できる。また、上位の画像データを取得できない場合でも、インキ領域を確実に検出して、インキ領域の光硬化型インキを硬化させることができる。
【0021】
この発明においては、撮影手段は、特定波長域光の感度を撮影用の光の感度と同等にするフィルタを備えている。撮影手段で印刷物を撮影する際に、撮影用の光と、特定波長域光と、が同時に照射されることがある。このとき、2つの光の波長や光量が異なるように設定されるために、撮影手段は印刷物をうまく撮影できないおそれがある。しかし、特定波長域光の感度を撮影用の光の感度と同等にするフィルタを撮影手段は備えているので、撮影手段で2つの光が照射される領域をそれぞれ撮影できる。したがって、印刷物において特定波長域光が照射された領域と特定波長域光以外の光が照射された領域をバランス良く撮影して、インキ領域を確実に検出し、インキ領域に特定波長域光を照射して光硬化型インキを硬化させることができる。
【0022】
この発明においては、基準画像記憶手段と報知手段を備えている。基準画像記憶手段は、撮影手段が撮影した印刷物の画像を基準画像として記憶する。報知手段は、印刷物の画像の欠陥を報知する。制御手段は、撮影手段が撮影した印刷物の画像と記憶手段が記憶する基準画像を比較し、両画像に差異があれば報知手段に報知させる。
【0023】
この構成においては、印刷の上位工程から印刷画像のデータを取得しなくても、印刷物の非印刷領域におけるインキ付着等の欠陥をオペレータに知らせることができる。また、独立して欠陥検査装置を設ける場合に比べて、コスト及びスペースを抑制できるというメリットがある。
【0024】
この発明においては、インキ乾燥装置は、上記の構成の光源制御装置と、特定波長域光源を備えている。この構成においては、上記の作用効果に加えて、独立して光源制御装置を設ける場合に比べて、コスト及びスペースを抑制できるというメリットがある。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、印刷物の白紙部分にUVインキが垂れたり飛んだりしても、印刷機や他の正常な印刷物に悪影響を及ぼすことが無い光源制御装置及びインキ乾燥装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】枚葉オフセット印刷機の概略構成図である。
【図2】(A)は、本発明の第1実施形態に係る光源制御装置及びインキ乾燥装置の概略の構成を示す側面図であり、(B)は、光源制御装置及びインキ乾燥装置の上面図である。
【図3】画像処理部のブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る光源制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】カメラで撮影した枚葉紙の画像処理の概念図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る光源制御装置及びインキ乾燥装置の概略の構成を示す側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る光源制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態に係る光源制御装置及びインキ乾燥装置の概略の構成を示す側面図である。
【図9】白色LEDと紫外線LEDの分光特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明では、光硬化型インキの一例である紫外線硬化型インキ(以下、UVインキと称する。)を印刷に使用した場合を説明する。
【0028】
図1は、枚葉オフセット印刷機の概略構成図である。枚葉オフセット印刷機(以下、単に印刷機と称する。)1は、給紙部2と、印刷部3と、排紙部4と、インキ乾燥装置5と、光源制御装置7と、モニタ9を備えている。
【0029】
給紙部2は、枚葉紙Pを印刷部3に供給する。
【0030】
印刷部3は、給紙部2から供給される枚葉紙Pに対して、印刷ユニット30K、30C、30M、30Y、30NからUVインキ及び紫外線硬化型ニス(以下、UVニスと称する。)を供給して、枚葉紙Pに文字や絵柄を含む同じ内容の画像を所定の間隔で連続的に印刷する。各印刷ユニット30は、それぞれ版胴31、ゴム胴32、圧胴33、渡し胴34を備えている。印刷ユニット30Kはブラック(Black)のUVインキを、印刷ユニット30Cはシアン(Cyan)のUVインキを、印刷ユニット30Mはマゼンタ(Magenta)のUVインキを、印刷ユニット30Yはイエロー(Yellow)のUVインキを、印刷ユニット30NはUVニスを、それぞれ供給する。なお、インキの供給順はこの順番に限定されるものではなく、印刷工場に応じた順番でインキを供給すれば良い。また、図1には片面印刷の例を示したが、両面印刷でも当然良い。また、本実施形態では4色のUVインキ及びUVニスを供給する印刷機を例示するが、これに限らず、UVニスのない4色のインキを供給する印刷機や、3色以下のインキを供給する印刷機であっても構わない。
【0031】
なお、本発明では、UVニスは光硬化型インキの一種とし、以下の説明では、特に説明が必要な場合を除き、UVインキと称する場合、UVニスも含まれるものとする。
【0032】
排紙部4は、印刷部3で印刷された枚葉紙P(本発明の印刷物に相当)をデリバリチェーン41により排出する。
【0033】
インキ乾燥装置5は、UVインキが印刷(UVニスの場合はコーティング)された枚葉紙Pに、紫外線LED(本発明の特定波長域光源に相当)から紫外線光(本発明の特定波長域光に相当:以下、UV光と称する。)を照射して、UVインキを瞬時(例えば1秒以内)に硬化させる。ここで、特定波長域光とは、特定の波長域の光のことであり、UV光の場合、特定の波長域は0.1〜0.4μmである。
【0034】
光源制御装置7は、枚葉紙Pに印刷された画像を監視して、UVインキが存在するインキ領域を検出し、インキ領域の情報をインキ乾燥装置5に出力して、このインキ領域に対してUV光を照射させる。また、光源制御装置7は、枚葉紙Pに印刷された画像の欠陥や色調の変化を検出して、モニタ9(本発明の報知手段に相当)に検出結果の情報を表示(報知)させる。インキ領域とは、枚葉紙Pの紙面において、UVインキにより画像が印刷された印刷領域(絵柄部分)と、非印刷領域(白紙部分)においてUVインキの垂れや飛び等が原因でUVインキが付着した領域と、を含む。つまり、インキ領域は、UVインキやUVニスが存在する領域のことである。
【0035】
印刷機1では、枚葉紙Pの印刷に使用されたUVインキ及びUVニスを確実に硬化できるように、一例として圧胴33N上を搬送される枚葉紙Pの画像を光源制御装置7で撮影し、その画像に応じてインキ乾燥装置5がUV光を照射するように構成している。
【0036】
なお、インキ乾燥装置5及び光源制御装置7は、印刷機の構成に応じて設置場所を変更可能である。例えば、印刷機において、圧胴33Nの用紙搬送方向下流側に、さらに渡し胴及び搬送胴が設けられている場合には、搬送胴上を搬送される枚葉紙Pの画像を撮影しUV光を照射するように構成しても良い。
【0037】
また、本説明では、インキ乾燥装置5と光源制御装置7は別の装置として説明するが、インキ乾燥装置5が光源制御装置7を備えた構成であっても当然良い。
【0038】
[第1実施形態]
次に、光源制御装置7及びインキ乾燥装置5の詳細について説明する。図2(A)は、本発明の第1実施形態に係る光源制御装置及びインキ乾燥装置の概略の構成を示す側面図であり、図2(B)は、圧胴上に配置した光源制御装置及びインキ乾燥装置の上面図である。
【0039】
図2(A)に示すように、光源制御装置7は、撮影用光源71、カメラ73、画像処理部75、及び操作部77を備えている。また、インキ乾燥装置5は、紫外線LED(以下、単にLEDと称する。)51とUV光源制御部53を備えている。
【0040】
撮影用光源71は、ライン型の光源であり、圧胴33Nにより搬送される枚葉紙Pの画像をカメラ73で確実に撮影できるように、枚葉紙Pに対して撮影用の光を照射する。撮影用光源71は、枚葉紙Pの搬送路においてLED51よりも上流側に設置されている。
【0041】
撮影用光源71は、LED51とは独立した光源であり、UV光と異なる波長の撮影用の光(例えば、白色光、赤色光と緑色光等の可視光、赤外線光等)を照射するランプやLED等の光源を使用すると良い。撮影用光源71に可視光を照射する光源を使用した場合、印刷中に常時点灯させることにより、カメラ73で枚葉紙Pの全領域の画像を撮影できるので、非印刷領域(白紙部分)のインキ付着を確実に検出できる。また、撮影用光源71は、カメラ73が撮影可能な弱い光量の光を照射すれば良く、UVインキを硬化させるために非常に強い光量の光を照射するインキ硬化用光源であるUV光源と比較して消費電力が低い。そのため、撮影用光源71を常時点灯させても、UV光源を常時点灯させた場合と比較して、消費電力を抑制できる。撮影用光源71を可視光とすることにより、カメラ73はカラー画像を撮像するので、このカラー画像を用いて印刷物の色変化などを捉える色調検査を別途行うことが可能となる。周知のように、赤、緑、青の光源を用いることにより、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのインキで印刷された印刷物をカラー画像として欠陥検査を行うことができる。しかしながら、前記3色の光だけでは、イエロー、マゼンタ、シアンの合成による黒であるか、墨インキによる黒であるかを判断することができない。イエロー、マゼンタ、シアンのインキは通常赤外領域において光を透過し、通常の墨インキ(カーボン)は赤外線を吸収するため、赤外光を用いることにより、前記3色のインキを確実に区別して欠陥を検出することができる。
【0042】
撮影用光源71には、UV光を照射するランプやLED等の光源を使用することも可能である。撮影用光源71からUV光を照射する場合、消費電力を抑制するために、カメラ73がインキ領域を検出できる程度の弱いUV光を照射するように設定すると良い。撮影用光源71にUV光源を使用し、少なくとも枚葉紙Pの通過中には常時点灯させることで、UVインキの飛びや垂れだけでなく、UVニスの印刷ムラ等を容易に検出できる。カメラ73は、UV光が照射されたUVインキやUVニスを撮影できるからである。
【0043】
カメラ73は、本発明の撮影手段に相当する。カメラ73は、一例としてライン型の撮像センサを備えたラインカメラであり、枚葉紙Pの紙面に印刷された画像に対して撮影用光源71により可視光が照射された部分を1ラインずつ撮影して、その撮影画像を画像処理部75に出力する。なお、カメラ73はラインカメラに限るものではなく、エリアカメラ等、他の種類のカメラも使用することも可能である。また、カメラ73は、一度に複数ラインを撮影するものを使用しても良い。
【0044】
画像処理部75は、本発明の制御手段に相当し、カメラ73が出力した枚葉紙Pの撮影画像を処理して、UV光硬化型インキが存在するインキ領域を検出する。そして、画像処理部75は、インキ領域の情報をインキ乾燥装置5に出力する。また、画像処理部75は、前記のように、枚葉紙Pに印刷された画像の欠陥を検出して、モニタ9に欠陥情報を表示させる。
【0045】
操作部77は、光源制御装置7の各種設定の操作を受け付ける。
【0046】
インキ乾燥装置5のLED51は、枚葉紙Pの紙面に所定の領域毎にUV光を照射する。LED51は、ライン型の光源であり、複数のLEDユニット(光源ユニットに相当)からなる。図2(B)には、LED51が、15個のLEDユニット51−1〜LEDユニット51−15からなる例を示している。
【0047】
UV光源制御部53は、画像処理部75から入力されたインキ領域の情報に基づいてLED51の各LEDユニット51−1〜LEDユニット51−15について個別に点灯制御する。
【0048】
図3は、画像処理部のブロック図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る光源制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。図5は、カメラで撮影した枚葉紙の画像処理の概念図である。
【0049】
図3に示すように、画像処理部75は、インキ領域判定部751、LED点灯領域記憶部(本発明のインキ領域記憶手段に相当)753、LED点灯制御部755、基準画像記憶部757、欠陥検出部759、及び制御部761を備えている。
【0050】
印刷機1では、印刷が開始されてからしばらくは枚葉紙Pに印刷される画像が安定しない。光源制御装置7は、印刷機1が印刷する画像が安定するまでは、非印刷領域(非白紙部分)に付着したUVインキも確実に硬化させるためにLED51の全LEDユニットを、少なくとも枚葉紙Pの紙面が通過中は常時点灯させて、UVインキが硬化する光量を照射させる。印刷機1では、枚葉紙Pと次の枚葉紙Pの間に隙間を開けて給紙搬送されるので、用紙通過後から別の用紙が通過するまでの用紙間ではLED51は消灯されるように構成しても良い。
【0051】
オペレータは、印刷機1が数十枚印刷して、枚葉紙Pに印刷した画像が安定すると、操作部77を操作して、LED51の点灯制御を開始させる。オペレータのこの操作は、インキ領域の検出指示に相当する。
【0052】
第1実施形態においては、画像処理部75は、撮影用光源71により各枚葉紙Pの全領域に撮影光を照射させており、操作部77で点灯制御の開始操作を受け付けたことを検出すると、操作受付後にカメラ73が最初(1番目)に撮影・出力した枚葉紙Pの全領域の撮影画像を基準画像として記憶する。また、画像処理部75は、カメラ73が撮影・出力した2番目以降の枚葉紙Pにおける全領域の画像と基準画像を比較して差異を検出する。さらに、画像処理部75は、1番目以降の撮影画像からインキが存在する領域であるインキ領域を抽出し、UV光駆動信号を発生させてLED51により、枚葉紙Pのインキ領域にUV光を照射させてUVインキを硬化させる。
【0053】
なお、本実施形態では、オペレータによる点灯制御の開始操作を操作部77で受付後に基準画像を記憶するが、枚葉紙Pに印刷した画像が安定してから基準画像として記憶するのであれば、他の方法でも当然良い。例えば、画像処理部75が、印刷開始後の撮影画像の変化を監視し、印刷した画像が安定して画像が変化しなくなったと判断したら、その後の最初の撮影画像基準画像として記憶しても良い。また、印刷機1で例えば印刷を開始後に40枚印刷すると、通常は印刷した画像が安定して画像が変化しなくなる場合には、印刷開始後の41枚目の枚葉紙Pの撮影画像を基準画像として記憶しても良い。
【0054】
画像処理部75は、具体的には、操作受付後に以下の処理を行う。撮影用光源71は、印刷部3が印刷を開始する直前に点灯され、常時点灯しているものとする。なお、LED51と同様に点灯と消灯を切り換えるように制御しても良い。
【0055】
以下の説明では一例として、カメラ73は、図5(A)に示す画像1000を撮影するものとする。画像1000は、文字領域1001,1006と、画像領域1002〜1005を含んでいる。同図に示す矢印Sの方向が、枚葉紙Pの搬送方向(副走査方向)である。
【0056】
画像処理部75は、操作部77で点灯制御操作を受付後に、カメラ73は、撮影用光源71が全領域を照射している枚葉紙Pを撮影して出力した最初(1番目)の印刷画像を基準画像として記憶し、また、1番目の画像からインキが存在する領域であるインキ領域を抽出する。
【0057】
すなわち、図4に示すように、制御部761は、カウンタ(不図示)のカウント数を1(Block=1)に設定する(S1)。
【0058】
制御部761は、カメラ73に枚葉紙Pの画像を撮影させる(S2)。前記のように、カメラ73は、枚葉紙Pの紙面に印刷された画像を副走査方向に1ラインずつ撮影(走査)して、その撮影画像を画像処理部75(インキ領域判定部751と基準画像記憶部757)に出力する。
【0059】
制御部761は、カメラ73の同期信号により同期しながらカメラ73が出力した画像を、基準画像として基準画像記憶部757に記憶させる(S3)。また、制御部761は、後述するようにインキ領域を判定させるためにインキ領域判定部751にも画像を一定量(後述する2行分または3行分)記憶させる。
【0060】
制御部761は、後述する1行分の画像(ブロック)が基準画像記憶部757に蓄積する毎に、カウンタのカウント数を1つ繰り上げる(S4)。制御部761は、画像がページエンドであるか否かを判定する(S5)。制御部761は、画像がページエンドでなければ、副走査方向について一定量(後述する2行分または3行分)の画像が蓄積したかを確認する(S6)。制御部761は、副走査方向について一定量の画像が蓄積されていなければ、ステップS2〜S6の処理を再度実行する。
【0061】
制御部761は、副走査方向について一定量(後述する2行分または3行分)の画像が蓄積したら、以下に説明する画像処理を行って抽出したインキ領域に対して、LED点灯制御部755、UV光源制御部53を介してLED51にUV光を照射させる(S7)。
【0062】
LED51は、前記のようにLEDユニット51−1〜51−15からなり、各LEDユニットのUV光の照射範囲は限られている。そのため、光源制御装置7では、各LEDユニットを点灯制御して、枚葉紙Pのインキ領域だけにUV光を照射するように、撮影画像を各LEDユニットのUV光照射範囲に対応して分割(ブロック化)する。
【0063】
インキ領域判定部751は、枚葉紙Pの横方向(主走査方向)について、LED51のLEDユニット51−1〜51−15がUV光を照射する領域単位に分割(ブロック化)する。例えば、図5(B)に示すように、画像1000の主走査方向を15分割する。以下の説明では、図5(B)における左上の角を基準点として、主走査方向のX番目のブロックをX列目のブロックと称する。
【0064】
また、インキ領域判定部751は、枚葉紙Pの縦方向(副走査方向)について、LED51のon/off制御時間単位、すなわち、搬送されている枚葉紙Pに対して、LED51をon(点灯)またはoff(消灯)可能な領域単位に分割(ブロック化)する。例えば、図5(B)に示すように、画像1000の副走査方向を16分割する。以下の説明では、図5(B)における左上の角を基準点として、副走査方向についてY番目のブロックをY行目のブロックと称する。
【0065】
続いて、インキ領域判定部751は、ブロック単位にインキが存在するか否かを所定の計算式に基づいて計算する。例えば、光が吸収されている画素が存在するか否かを計算すれば良い。計算の結果、UVインキが存在すると判定したブロック(図5(C)における塗りつぶし表示のブロック:インキブロックと称する。)を、インキ領域としてLED点灯領域記憶部753に記憶させる。
【0066】
また、LED51から照射するUV光の広がり(拡散)を考慮して、インキブロックにUV光を照射した際に同時にUV光があたる周囲のブロック(図5(C)におけるハッチング表示のブロック:近辺ブロックと称する。)もインキ領域としてLED点灯領域記憶部753に記憶させる。インキブロックだけにUV光を照射した場合、副走査方向について、枚葉紙Pは圧胴33Nにより搬送されているので、特にインキブロックの上端付近及び下端付近の画像は、枚葉紙Pが下流方向に移動すると、UV光の照射範囲を超えてしまい、UV光が短時間しか照射されず、UVインキが完全に硬化しない可能性がある。また、インキブロックの周辺部は中央部に比べて照射される光量が少なく、UVインキが完全に硬化しない可能性がある。この場合、周辺ブロックも点灯させると、インキブロックの端部近傍の画像にも長時間UVインキを照射できるので、UVインキを確実に硬化させることができる。したがって、インキブロックにおけるUVインキの硬化不良を防止して必要な光量を照射するために、周辺ブロックにもUV光を照射させる。なお、主走査方向についてはLED51がブロック内にUV光を均一に照射できていれば近接ブロックの設定は必須ではない。
【0067】
インキ領域判定部751は、撮影画像におけるN行目のブロックの近辺ブロックを決定する際には、N−1行目〜N+1行目(3行分)の全ブロックを確認して、近辺ブロックを設定する。
【0068】
例えば、図5(B)に示す画像1000における7行目のブロックについて近接ブロックを設定する場合、主走査方向を確認すると、7行目にインキブロックが存在しないので、副走査方向について確認する。6行目の9,10列目のインキブロックは下端付近まで画像が存在し、8行目には上端まで画像が存在するインキブロックはない。そのため、6行目の9,10列目のインキブロックを考慮して、7行目の9列目と10列目のブロックを近辺ブロックに設定する。
【0069】
同様に、図5(B)に示す画像1000における8行目のブロックについて近辺ブロックを設定する場合、主走査方向を確認すると、8行目の10,11,13列目のインキブロックは中央乃至両端部付近に画像が存在する。したがって、これらのブロックに隣接する、8行目の9,12,14列目のブロックを近接ブロックに設定する。また、副走査方向を確認すると、7行目にはインキブロックは存在しないが、9行目の2〜5列目のインキブロックは上端付近まで画像が存在する。したがって、8行目の2列目〜5列目のブロックを近辺ブロックに設定する。
【0070】
なお、撮影画像の1行目と最終行目については、その前または後は印刷画像の範囲外なので、2行分の全ブロックを確認して近接ブロックを設定する。
【0071】
なお、LED51から照射するUV光の広がり方は、LED51と枚葉紙Pとの距離や、LED51の光源の光学特性等の条件により異なるので、UV光の広がり方を予め確認して、近辺ブロックの設定方法を決めておくと良い。
【0072】
制御部761は、カウンタのカウント数が3のとき(2行目までの画像を撮影したとき)には、画像1000の1行目のインキ領域を決定するために、1行目と2行目の全ブロック30個について画像の状態を確認して、インキブロック及び近辺ブロックを設定する。
【0073】
LED点灯制御部755は、インキ領域判定部751が取得した1行分の撮影画像にLED51によりUV光を照射可能なタイミングに、LED点灯領域記憶部753からインキ領域の情報を読み出す。そして、1行目のインキ領域に対応するLEDユニットを点灯させる制御信号(UV光駆動信号)をUV光源制御部53に出力する。UV光源制御部53は、UV光駆動信号に基づいてLED51を制御して、インキ領域を構成する各ブロックに対応するLEDユニットを一定時間点灯させる(S8)。点灯された各LEDユニットは、副走査方向においてブロックの上端から下端までに対応するブロックにUVインキが硬化する強度のUV光を照射するので、インキ領域のUVインキは直ちに硬化する。図5(C)に示す画像の場合、1行目のブロックに対しては、LEDユニット51−2〜51−8、51−12を点灯させる。
【0074】
なお、LED51の実際の点灯タイミングは、カメラ73との位置関係に応じて遅延させておく。また、LED点灯制御部755は、カメラ73が出力した同期信号を検出してから一定時間経過後にLED51を点灯させるように構成すると良い。
【0075】
制御部761は、続いてステップS2以降の処理を行う。制御部761は、ステップS5において、画像がページエンドになるまで(画像1000の場合、カウント数が17になるまで)、ステップS2〜S8の処理を繰り返し実行する。
【0076】
ステップS5において、制御部761は、画像がページエンドであれば(カウント数が17であれば)(S6)、続いてステップS9とステップS10の処理を実行する。両処理は、ステップS7とステップS8と同様の処理であるが、前記のように最終行目については、その後は印刷画像の範囲外なので、2行分のブロックについてインキ領域の抽出処理を行う。
【0077】
以上のステップS1〜ステップS10の処理により、基準画像(1番目の画像)について、インキ領域が検出され、かつ、そのインキ領域についてUVインキの硬化処理が行われる。
【0078】
画像処理部75は、枚葉紙Pに印刷された2番目以降の画像について、以下の処理を行う。2番目以降の画像については、カメラ73で撮影した画像からインキ領域を抽出し、UV光を照射してUVインキを硬化させるとともに、カメラ73で撮影した画像と基準画像の対比を行い、差異を検出する。
【0079】
具体的には、制御部761は、ステップS11〜ステップS12において、ステップS1〜ステップS2と同様の処理を行う。すなわち、制御部761は、カウンタ(不図示)のカウント数を1(Block=1)に設定して、画像撮影処理を行う。
【0080】
欠陥検出部759は、カメラ73が撮影した1行目の全ブロックの撮影画像を取得する。また、欠陥検出部759は、基準画像記憶部757から1行目の全ブロックの基準画像を読み出す。欠陥検出部759は、撮影画像と基準画像を比較し、差異を検出する。両画像に差異があれば、印刷画像に欠陥があることをモニタ9に表示する(S13)。なお、上記の差異の検出は被印刷領域におけるインキ付着の検出に限らず、印刷領域におけるインキ付着の検出や色調の比較など、2つの画像を比較することで検出できる検査であれば任意のものを実行可能である。
【0081】
制御部761は、ステップS14〜ステップS20において、ステップS4〜ステップS10と同様の処理を行う。すなわち、ページエンドの確認処理、インキ領域の抽出処理、UV光の照射処理を行う。
【0082】
制御部761は、画像の最終行にUV光を照射すると(S20)、印刷の終了を確認し(S21)、印刷が終了するまで、ステップS11〜S21の処理を繰り返し実行する。制御部761は、印刷が終了であれば(S21)、LED51と撮影用光源71をオフして(S22)、印刷を終了する。以上のステップS11〜ステップS21の処理により、2番目以降の全画像について、インキ領域の検出とインキ領域のUVインキの硬化処理、及び基準画像との対比による欠陥検査が行われる。
【0083】
このように、本発明の第1実施形態に係る光源制御装置(インキ乾燥装置)では、枚葉紙P(印刷物)毎にインキ領域を検出する。すなわち、カメラで撮像した画像を直ちに処理して、UV光照射領域を決定するため、インキ飛びなどによりUVインキが付着して、突発的に汚れが発生している部分にもUV光を照射することができ、そのような部分のインキによって印刷機や他の正常な紙面を汚すようなことが無くなる。
【0084】
また、CTPを用いず、コンベンショナルなフィルム製版システムや、旧来の印刷機にUV乾燥機を後から取り付ける場合等でデジタル画像データが取得できない場合にも、有効にUV光源の点灯制御が可能になる。
【0085】
さらに、UVニスの印刷(塗布)領域に関して、カメラにより画像データを取得できるため、適正なUV光照射領域を決定することが可能になる。
【0086】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光源制御装置について説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る光源制御装置及びインキ乾燥装置の概略の構成を示す側面図である。図7は、本発明の第2実施形態に係る光源制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図6に示すように、光源制御装置17は、光源制御装置7から撮影用光源71を取り除いた構成である。すなわち、光源制御装置17は、カメラ73と画像処理部75を備えている。インキ乾燥装置5は、第1実施形態と同様に、LED51とUV光源制御部53を備えている。画像処理部75の構成は、図3に基づいて説明したとおりである。
【0088】
光源制御装置17は、インキ乾燥装置5のLED51を撮影用光源としても利用し、カメラ73は、LED51がUV光を照射する領域を撮影する。
【0089】
なお、カメラ73は、LED51がUV光を照射する領域のうち、用紙搬送方向のできるだけ上流側を撮影するように設定すると良い。これにより、後述するように、非インキ領域においてUVインキの付着を検出すると、直ちにUVインキが付着した領域の光量を変更して、UVインキを硬化させることができる。
【0090】
第2実施形態においては、画像処理部75は、印刷部3において印刷が開始されて、枚葉紙Pに印刷される画像が安定するまでは、第1実施形態と同様にLED51の全LEDユニットを少なくとも枚葉紙Pの紙面が通過する間は常時点灯させ、UVインキが硬化する光量を照射させる。これにより、画像が安定前の枚葉紙PのUVインキが印刷機や他の枚葉紙Pに付着するのを防止する。オペレータは、枚葉紙Pに印刷する画像の状態が安定したと判断したら、印刷が安定後に操作部77から点灯制御の開始操作を行う。
【0091】
なお、第1実施形態と同様、点灯制御の開始は、操作部77での開始操作の受付後に限らず、印刷画像が安定したと判断後や、所定枚数の印刷後等、他の方法でも当然良い。
【0092】
画像処理部75は、操作部77で点灯制御の開始操作を受け付けたことを検出すると、引き続きLED51の全LEDユニットを点灯させて、操作受付後にカメラ73が最初(1番目)に出力した特定の枚葉紙Pの全領域に対してUV光を照射してUVインキを硬化させる。また、1番目の画像からインキ領域を抽出して記憶する。画像処理部75は、2番目以降の画像に対しては、インキ領域にはUVインキが硬化する強い光量のUV光を照射させて、UVインキを硬化させる。また、インキ領域以外の領域(非インキ領域)にはカメラ73が撮影可能な弱い光量のUV光を照射させて、非インキ領域(白紙部分)におけるUVインキの付着を監視する。そして、UVインキの付着を検出した際には、直ちにその領域(ブロック)を照射するLEDユニットの光量をUVインキが硬化する強い光量に変更して、付着したインキを硬化させる。また、画像処理部75は、2番目の撮影画像を基準画像として記憶し、基準画像と3番目以降の画像を比較して差異を検出する。
【0093】
光源制御装置7の画像処理部75は、具体的には、印刷部3において印刷が開始されると、枚葉紙Pに印刷された1番目の印刷領域について、以下の処理を行う。
【0094】
図7に示すように、制御部761は、LED点灯制御部755に点灯を指示する制御信号を出力し、LED点灯制御部755はUV光源制御部53にUV光駆動信号を出力する。UV光源制御部53は、LED51を少なくとも枚葉紙Pの通過中には常時点灯させ、UVインキが硬化する光量のUV光を照射させる(S31)。これにより、1番目の枚葉紙Pにおける紙面の全領域にUV光が照射されるので、UVインキは硬化する。
【0095】
制御部761は、ステップS32〜ステップS40において、ステップS1〜ステップS2,ステップS4〜ステップS10と同様の処理を行う。すなわち、1番目の撮像画像に対して、インキ領域の抽出処理とインキ領域の記憶処理を行う。但し、制御部761は、ステップS38及びステップS40では、ステップS8やステップS10の処理と異なり、検出したインキ領域をLED点灯領域記憶部753で記憶するが、第1実施形態のように基準画像は記憶しない。
【0096】
画像処理部75は、ステップS40が終了すれば、ステップS41の処理を実行する。以上のステップS31〜ステップS40の処理により、1番目の撮影画像についてインキ領域を検出して、2番目以降の画像においてインキ領域を検出するための基準として、枚葉紙Pにおけるインキ領域の位置をLED点灯領域記憶部753で記憶しておく。また、検出したインキ領域を含む枚葉紙Pの紙面の全領域にUV光が照射されてインキ硬化処理が行われる。
【0097】
続いて、光源制御装置17の画像処理部75は、枚葉紙Pに印刷された2番目の印刷領域について、以下の処理を行う。2番目以降の画像については、ステップS38とステップS40で記憶したインキ領域にはUVインキが硬化する光量のUV光を照射してUVインキを硬化させる。また、枚葉紙Pの紙面の全領域において、インキ領域以外の領域である非インキ領域には、カメラ73が撮影可能な光量のUV光を照射して、非インキ領域におけるUVインキの付着を監視する。また、画像処理部75は、2番目の撮影画像を基準画像として記憶する。画像処理部75は、基準画像を記憶後、3番目以降の画像については、撮影画像と基準画像の対比を行い、欠陥を検出した場合にはモニタ9に表示させる。
【0098】
具体的には、まず、ブロックのカウントを1に設定し(Block=1)、撮影画像の1行目の全ブロックについて以下の処理を行う(S41)。
【0099】
制御部761は、2番目の枚葉紙Pのインキ領域にUV光を照射させるべく、その旨を伝える制御信号をLED点灯制御部755に出力する。LED点灯制御部755は、制御信号を受け取ると、1行目のインキ領域の情報をLED点灯領域記憶部753から読み出す。そして、そのインキ領域に対応するLEDユニットには、UVインキが硬化する光量のUV光を照射させるUV光駆動信号をUV光源制御部53に出力する。また、LED点灯制御部755は、インキ領域以外の領域(非インキ領域)に対応するLEDユニットには、UVインキが硬化する光量よりも弱い、カメラ73が撮影可能な光量のUV光を照射させるUV光駆動信号をUV光源制御部53に出力する(S42)。これにより、LED51のうち、インキ領域に対応するLEDユニットはUVインキが硬化する光量のUV光を照射し、非インキ領域に対応するLEDユニットはカメラ73が撮影可能な光量のUV光を照射する。
【0100】
制御部761は、その直後または同時に、カメラ73に枚葉紙Pの画像を撮影させる(S43)。制御部761は、現在2番目の画像を処理中であり、基準画像記憶部757に基準画像を記憶させていない場合には(S44)、基準画像記憶部757に撮影画像を基準画像として記憶させる(S45)。そして、ステップS47の処理を行う。
【0101】
なお、第2実施形態では、上記のように1番目の画像と2番目以降の画像とではUV光の照射状態が異なる。すなわち、1番目の枚葉紙Pには全領域にUVインキが硬化する光量のUV光が照射されるが、2番目以降の枚葉紙Pにはインキ領域にはUVインキが硬化する光量のUV光が照射され、非インキ領域にはカメラ73が撮影可能な光量のUV光が照射される。1番目の枚葉紙Pの画像を基準画像にすると、2番目以降の枚葉紙Pの画像とUV光の照射された領域や照射光量が異なるので、画像の比較が困難である。一方、2番目以降の枚葉紙Pの画像は、カメラ73で撮影する際はUV光の照射された領域や照射光量が同じである。そのため、2番目の画像を基準画像として記憶して、2番目の枚葉紙Pの画像(基準画像)と3番目以降の枚葉紙Pの画像とを比較する。
【0102】
一方、制御部761は、現在3番目以降の画像を処理中であり、基準画像記憶部757に既に基準画像を記憶させている場合には(S44)、欠陥検出部759に動作開始を指示する制御信号を出力する。欠陥検出部759は、制御信号を受け取ると、基準画像記憶部757から1行目の全ブロックの基準画像を読み出す。また、カメラ73が出力した撮影画像を取得する。そして、欠陥検出部759は、撮影画像と基準画像を比較し、差異を検出する。両画像に差異があれば、印刷画像に欠陥があることをモニタ9に表示する(S46)。
【0103】
制御部761は、各部を制御して、図4に基づいて説明した画像処理と同様の処理を行って、撮影画像の非インキ領域におけるUVインキの付着を確認する(S47)。このとき、インキ領域判定部751は、UVインキの付着を検出した場合、LED点灯制御部755に、インキが付着しているブロックの情報を出力する。LED点灯制御部755は、この情報を受け取ると、インキが付着しているブロックに対応するLEDユニットの光量を直ちに変更させるUV光駆動信号を出力する。UV光源制御部53は、対応するLEDユニットの光量を変更して、UVインキが硬化する光量のUV光を照射させる(S48)。
【0104】
なお、LED51を撮影用光源とUVインキの硬化用光源として兼用しているために、付着したUVインキに対するUV光の光量が少なく、完全にUVインキを硬化できないおそれがある。そのため、LEDユニットから照射するUV光の光量を変更する際には、さらに強い光量を照射するように設定すると良い。
【0105】
欠陥検出部759は、ステップS47において、非インキ領域におけるUVインキの付着を検出しない場合には、続いてステップS49を実行する。
【0106】
制御部761は、1行分の画像(ブロック)について処理が完了すると、カウンタのカウント数を1つ繰り上げる(S49)。
【0107】
制御部761は、画像がページエンドであるかを確認し(S50)、ページエンドでなければ、ステップS42〜ステップS50の処理を行う。
【0108】
ステップS50において、制御部761は、画像がページエンドであれば、印刷が終了するまで、ステップS41〜S51の処理を繰り返し実行する。画像処理部75は、印刷が終了であれば(S51)、LED51と撮影用光源71をオフして(S52)、印刷を終了する。以上のステップS41〜ステップS51の処理により、2番目以降の全画像について、非インキ領域におけるインキ付着の検出処理と、インキ領域のUVインキの硬化処理が行われる。また、2番目の画像について基準画像の記憶処理が行われ、3番目以降の画像について、基準画像との対比による差異の検出処理が行われる。
【0109】
このように、本発明の第2実施形態に係る光源制御装置では、撮影用光源と、UVインキ硬化用のUV光源を兼用することで、光源は1つで良いので、コストダウン及び消費電力の低減を実行できる。また、1番目の画像に対しては全てのUV光源を全面点灯するが、2番目以降の画像に対しては非インキ領域に対応するLEDユニット(UV光源)には、カメラ73が撮影可能な弱い光量のUV光を照射するので、消費電力の低減を実行できる。さらに、CTP等の上位画像データが無い場合でも、検査装置のカメラ等を用いて画像を取得して、印刷物の画像のどの部分がインキ領域であるかを判定できる。加えて、UVニスを用いる場合には、UVニスの印刷領域に関して画像データを取得することは困難であり、また人の目には透明に見えるので検出が困難である。しかし、UVニスに対してUV光を照射することで、UVニスの印刷領域をカメラ73が撮影した撮影画像から決定することができるので、UVニスを含むインキ領域を確実に決定できる。また、UVニスが飛びや垂れにより非インキ領域(非印刷領域)に付着しても、確実に検出できる。
【0110】
なお、上記のように1番目の画像には全領域にUVインキが硬化する光量のUV光を照射させることで、高いSN比で微小なインキ領域も見逃さずに検出できるので優位である。例えば、まれではあるが、エリア内に1画素程度の小さな絵柄(インキ領域)が存在しているような場合、これを見逃してしまうと、この絵柄部分が乾燥しないため、印刷機や他の正常な印刷物が汚れてしまう。また、低い光量の光を照射した場合には、SN比が悪く、このような小さな絵柄を見逃してしまう可能性がある。しかし、上記の方法では、1番目の画像には全領域にUVインキが硬化する光量のUV光を照射させることにより、1画素程度の小さな絵柄を見逃すことが無い。また、2番目以降の画像に対しては、低消費電力でインキの硬化と検査を両立させることができる。
【0111】
上記の構成において、さらに消費電力を抑制したい場合には、非インキ領域にはUV光を照射せずに、インキ領域だけにUV光を照射するように設定すると良い。この場合、非インキ領域におけるインキの付着を検出する率が多少低下するが、UVインキが硬化する光量のUV光は光量が強いので、UVインキが硬化する光量のUV光が照射された領域の周囲の領域もカメラ73で撮影可能であるので、インキの付着を検出できる。また、1番目の画像に対しては、全面にUV光を照射する必要があるが、2番目以降の画像に対しては、インキ領域だけにUV光を照射するので、非インキ領域に対応するLEDユニットは点灯させないので、消費電力を抑制できる。
【0112】
[第3実施形態]
次に、光源制御装置では、以下のように構成することも可能である。図8は、本発明の第3実施形態に係る光源制御装置及びインキ乾燥装置の概略の構成を示す側面図である。
【0113】
光源制御装置27は、光源制御装置7と同様の構成であり、撮影用光源71は可視光を照射する。光源制御装置27では、撮影用光源71は、LED51がUV光を照射する位置と同様の位置に可視光を照射するように配置されている。また、カメラ73は、撮影用光源71及びLED51が光線を照射する領域を撮影する。
【0114】
なお、カメラ73は、第2実施形態と同様に、LED51がUV光を照射する領域のうち、用紙搬送方向のできるだけ上流側を撮影するように設定すると良い。これにより、後述するように、非インキ領域においてUVインキの付着を検出すると、直ちにUVインキが付着した領域にUV光を照射して、UVインキを硬化させることができる。
【0115】
この構成においては、撮影用光源71も、LED51と同様に複数の可視光光源(例えば、可視光LEDユニット)からなるように構成し、第2実施形態と同様に、インキ領域にはUV光源を照射して、インキ領域以外の領域には可視光を照射すると良い。光源制御装置27は、光源制御装置17と同様に、図7に基づいて説明したように動作させる。また、光源制御装置17ではカメラ73が撮影可能な弱い光量のUV光をLED51が非インキ領域に照射していたが、光源制御装置27では、弱い光量のUV光に代えて撮影用光源71から可視光を非インキ領域に照射させると良い。これにより、インキ領域以外の領域には可視光が照射されるので、その領域にインキ飛びやインキ垂れが発生しても確実に検出できる。また、インキ飛びやインキ垂れを検出した際に、すぐにその領域に対応するLEDユニットを点灯させるように制御することで、この領域のインキも硬化させることができ、枚葉紙Pの他の部分がインキで汚れるのを防止できる。また、上記のようにLED51と撮影用光源71について点灯制御することで、LED51を全面点灯させる場合と比較して、消費電力を低減できる。
【0116】
また、この構成においては、第1実施形態と同様に、撮影用光源71により枚葉紙Pの全領域に撮影光を照射させて、カメラ73で枚葉紙Pの画像を撮影し、検出したインキ領域にLED51からUVインキが硬化する光量のUV光を照射させることが可能である。この場合には、光源制御装置27は、図4に基づいて説明したように動作させる。これにより、確実にインキ領域を検出してUVインキを硬化させることができる。
【0117】
さらに、光源制御装置27では、上記のように撮影用光源71により枚葉紙Pの全領域に撮影光を照射させて、カメラ73で枚葉紙Pの画像を撮影する際に、非インキ領域にはカメラ73が撮影可能な弱い光量のUV光を照射させるようにしても良い。この場合には、飛びや垂れにより非インキ領域においてUVニスが付着した領域をインキ領域として検出できるので、UVインキ及びUVニスが存在する領域にUV光を照射して確実に硬化させることができる。したがって、印刷機や他の枚葉紙Pを汚すのを確実に防止できる。
【0118】
また、撮影用光源71を赤色光と緑色光を照射する光源とすることも可能である。この場合、青色光に関しては、例えば、UVインキ硬化用のUV光源(LED51)を用いることにより、青色光源が不要となりコストを下げられるとともに、カラー画像の検査が可能になる。
【0119】
上記のように構成する場合には、カメラ73に紫外線カットフィルタを設けると良い。図9は、白色LEDとUV_LEDの分光特性を示すグラフである。図9に示すように、UVインキ硬化用のUV光は、通常非常に出力が大きいので、可視光と重ねて照射し、これを撮像した場合、撮像素子のUV光領域での感度は低いが、可視光領域に比べてかなり光量レベルの高い光となる。そのため、可視光領域をうまく撮影できないおそれがある。
【0120】
カメラ73に紫外線カットフィルタを設けることで、UV光領域の感度が、可視光領域と同等な感度となり、同じカメラでUV光領域と可視光領域を同時に検査できる。
【0121】
なお、UV光で硬化するUVニスを用いる場合には、UVニスの印刷領域に関して画像データを取得することが困難である。しかし、上記第2実施形態及び第3実施形態の構成では、UVニスの印刷(コーティング)領域に撮影用の光としてUV光を照射するので、カメラ73で撮影した画像からUVニスの印刷領域を検出できる。したがって、UVニスの印刷領域や付着した領域を検出して、UV光を照射し、UVニスを確実に硬化できる。
【0122】
なお、上記の説明では、紫外線硬化型インキを例に挙げて説明したが、本発明にこれに限るものではなく、他のインキを使用しても当然良い。例えば、近赤外線硬化型インキ等を使用しても当然良い。
【0123】
また、枚葉オフセット印刷機を例に挙げたが、他の印刷機にも適用可能である。例えば、ドライヤをインキ乾燥装置に置き換えて、印刷速度を調整することでオフセット輪転機にも適用できる。また、インクジェット式の印刷機にも適用できる。
【0124】
なお、上記の説明では、画像が安定後の1番目の画像または2番目の画像を基準画像として基準画像記憶部757で記憶する例を示したが、これに限らず他の方法でも良い。例えば、1番目と2番目の画像を対比、2番目と3番目以降の画像を対比し、3番目と4番目の画像を対比するというように、基準画像を随時更新しても良い。また、1番目〜500番目の画像を平均して基準画像とし、501番目〜1000番目の画像のそれぞれと基準画像を比較するというように、複数の画像を平均化して基準画像としても良い。
【符号の説明】
【0125】
1…枚葉オフセット印刷機(印刷機) 2…給紙部 3…印刷部 4…排紙部 5…インキ乾燥装置 7,17,27…光源制御装置 9…モニタ 51…紫外線LED(LED) 51−1〜51−15…LEDユニット 53…UV光源制御部 71…撮影用光源 73…カメラ 75…画像処理部 77…操作部 751…インキ領域判定部 753…LED点灯領域記憶部 755…LED点灯制御部 757…基準画像記憶部 759…欠陥検出部 761…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化型インキにより印刷された印刷物に対して、前記光硬化型インキが硬化する特定波長域光を所定の領域毎に照射する特定波長域光源を制御する光源制御装置であって、
特定波長域光源は、個別に点灯制御可能な複数の光源ユニットから成り、
前記印刷物に撮影用の光を照射する撮影用光源と、
前記撮影用の光が照射された印刷物を撮影して撮影画像を出力する撮影手段と、
前記撮影手段が出力した撮影画像を処理して前記光硬化型インキが存在するインキ領域を検出し、該インキ領域に対して前記特定波長域光源により特定波長域光を照射させる制御手段と、
を備えた光源制御装置。
【請求項2】
前記撮影用光源は、前記特定波長域光と異なる波長の撮影用の光を照射する請求項1に記載の光源制御装置。
【請求項3】
前記撮影用光源は、前記特定波長域光源を兼用する請求項1または2に記載の光源制御装置。
【請求項4】
前記インキ領域を記憶するインキ領域記憶手段を備え、
前記制御手段は、同じ内容を印刷した複数の印刷物を連続的に処理する場合、
印刷が安定後に特定の印刷物の全領域に対して前記光硬化型インキが硬化する光量の特定波長域光を撮影用の光として前記特定波長域光源により照射させて、前記撮影画像から前記インキ領域を検出して前記インキ領域記憶手段に記憶させ、
以降の印刷物には、前記インキ領域記憶手段から前記インキ領域を読み出して、該インキ領域には前記特定波長域光を照射させ、該インキ領域以外の非インキ領域には、前記撮影手段が撮影可能な光量の特定波長域光を撮影用の光として照射させ、
前記撮影画像の前記非インキ領域において前記光硬化型インキの付着を検出すると、該光硬化型インキが付着した領域に対して前記光硬化型インキが硬化する光量の特定波長域光を前記特定波長域光源により照射させる請求項3に記載の光源制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記印刷物の全領域に対して前記撮影用光源により撮影用の光を照射させ、前記撮影手段が撮影画像を出力する毎に前記インキ領域を検出し、該インキ領域に前記特定波長域光源により特定波長域光を照射させる請求項1乃至3のいずれかに記載の光源制御装置。
【請求項6】
前記撮影手段は、前記特定波長域光の感度を前記撮影用の光の感度と同等にするフィルタを備えた請求項1、3、4、5のいずれかに記載の光源制御装置。
【請求項7】
前記撮影手段が撮影した印刷物の画像を基準画像として記憶する基準画像記憶手段と、
印刷物の画像の欠陥を報知する報知手段を備え、
前記制御手段は、
前記撮影手段が撮影した印刷物の画像と前記基準画像記憶手段が記憶する基準画像を比較し、両画像に差異があれば前記報知手段に報知させる請求項1乃至6のいずれかに光源制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の光源制御装置と、
前記特定波長域光源と、を備えたインキ乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−148254(P2011−148254A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12944(P2010−12944)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(595157477)東洋インキエンジニアリング株式会社 (3)
【Fターム(参考)】