説明

光源装置及び液晶表示装置

【課題】本発明は、ランプ保持部の前側に位置する表示面の周縁部における輝度ムラが改善される液晶表示装置及び斯かる液晶表示装置に好適な光源装置を提供する。
【解決手段】断面略U字形状を有する拡散板支持部9が、ランプ7の両端を覆うように設けられている。拡散板支持部9の支持面部92は、拡散板6の後面の周縁部を表示パネル1及びランプ7の間に配するよう支持する。ランプ7から出射した光の一部は、表示パネル1を前後に挟持する前側挟持枠体2及び後側挟持枠体3のうち、後側挟持枠体3の後面に形成された第2反射面と、拡散板支持部9の支持面部92に形成された第1反射面との間で多重反射し、光学シート積層体5が前面側に設けられた拡散板6を介して集光及び拡散されて表示パネル1の後面の周縁部に入射し、表示面の周縁部における輝度が増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプ保持部の前側に位置する表示面の周縁部における輝度ムラが改善される液晶表示装置及び斯かる液晶表示装置に好適な光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型テレビジョン受像機及びノート型パーソナルコンピュータ等に液晶表示装置が広く用いられている。従来、液晶表示装置は、光源装置(バックライト)及び光源装置から出射される光を選択的に透過させて画像を形成する液晶表示パネルが収納された筐体からなる。光源装置には、直管状のランプが側部に配置され、光が導光板により液晶表示パネルの後面に導かれるエッジ型光源装置と、直管状のランプが液晶表示パネルの後側に並置された直下型光源装置とがある。直下型光源装置は、エッジ型光源装置と比較して液晶表示装置の表示面における輝度を増大させることができるため、高精細型薄型テレビ受像機を構成する液晶表示装置の光源装置として用いられている。
【0003】
図9は従来の直下型光源装置を備えた液晶表示装置の要部を示す模式的拡大断面図である。前側に矩形状の表示面を有し直方体をなす液晶表示パネル101と、液晶表示パネル101の周縁部を前後に挟んで保持した四角形をなす内外の挟持枠体102、103とを備え、前側に開口部を有し直方体をなす筐体104の開口部を覆うように取着されている。挟持枠体102、103は、液晶表示パネル101を挟着する環板部と、環板部の外端から後方へ向けて延出されている枠部とを有し、挟持枠体103が有する枠部の終端が筐体104の外側側面に固定されることで、液晶表示パネル101を挟持した挟持枠体102、103が筐体104に取着される。
【0004】
筐体104は、液晶表示パネル101の表示面の長辺に対して軸方向が略平行となるよう複数本が並置された直管状のランプ106を収容しており、内側底面にランプ106両端の液晶表示パネル101反対側を支持するランプ後面支持部107が設けられている。ランプ後面支持部107及びランプ106の両端には、ランプ106が貫通する切欠部を側面に備えた断面略U字形状を有する拡散板支持部108が覆設されている。拡散板支持部108は、拡散板105を液晶表示パネル101と略面平行となるよう支持している。拡散板支持部108の内側には、ランプ106両端の液晶表示パネル101側を支持するランプ前面支持部109が設けられている。ランプ後面支持部107及びランプ前面支持部109は、ランプ保持部を構成し、ランプ106の両端を筺体104の内側底面に保持する。
【0005】
ランプ106から出射した光は、前面側に光学シートを備える拡散板105の後面に入射し、拡散及び集光が施されて液晶表示パネル101の後面に入射することにより、液晶表示パネル101の表示面の輝度分布の均一化及び前側に向かう表示光の輝度、すなわち正面輝度の向上が図られる。液晶表示パネル101の後面の周縁部は、ランプ106の中心から離れているため、ランプ106から入射する光量が減少し、液晶表示パネル101の表示面の外周に沿った枠状領域に輝度ムラが生じる。また、ランプ106に冷陰極管を用いた場合に、ランプ106の両端に生じる暗部によっても、枠状領域のうち、表示面の短辺に沿った領域に輝度ムラが生じる。従って、従来の液晶表示装置においては、輝度ムラが生じる枠状領域を画像が表示されない額縁領域としていた。
【0006】
近時、液晶表示装置においては、液晶表示装置の小型化及び表示面の大型化が求められている。このため、額縁領域を可及的に狭くすることが要求されている。特許文献1に記載の液晶表示装置においては、複数本の相互に略平行となるよう配置された直管状のランプ群の列の両端側に平行に一対の導光体を配置することにより、枠状領域のうち、表示面の長辺に沿った領域の輝度を増大させて、斯かる領域の輝度ムラを抑えている。また、特許文献2に記載された液晶表示装置においては、ランプ両端のランプ保持部近傍におけるランプの一部分を反射材で覆うことにより、ランプから出射した光が反射されて枠状領域のうち、表示領域の短辺に沿った領域の輝度を増大させて、斯かる領域の輝度ムラを抑えている。
【特許文献1】特開2003−346537号公報
【特許文献2】特開2003−215581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の液晶表示装置においては、枠状領域のうち、ランプ両端のランプ保持部の前側に位置する領域に対して有効でないという問題があった。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、拡散板の後面の周縁部を支持する拡散板支持部又は拡散板の後面に形成された第1反射面と、拡散板の後面の周縁部及び表示パネルを保持する保持枠体の後面の間又は保持枠体の後面に形成された第2反射面とを備えることにより、ランプから出射して第1反射面及び第2反射面において多重反射した光を表示パネルの後面の周縁部に入射させ、表示面の枠状領域における輝度を増大させて液晶表示装置の額縁領域を狭くすることが可能な光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光源装置は、前側に表示面を有する表示パネルの前面及び後面の周縁部を保持する保持枠体と、前記表示パネルの後側に配される直管状のランプと、前記表示パネルの周縁部近傍の後側において前記ランプの両端を保持するランプ保持部と、前記表示パネル及び前記ランプとの間に配される拡散板と、前記ランプの両端の前側に配されており、前記拡散板の後面の周縁部を支持する拡散板支持部とを備えた光源装置において、前記拡散板支持部又は拡散板の後面の周縁部に形成された第1反射面と、前記拡散板の後面の周縁部及び前記保持枠体の後面の間、又は該保持枠体の後面に形成された第2反射面とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、ランプから出射した光が、拡散板の後面に入射して拡散板により拡散された後、表示パネルの後面に入射する。また、ランプから出射した光の一部は、拡散板支持部又は拡散板の後面の周縁部に形成された第1反射面と、拡散板の後面の周縁部及び保持枠体の後面の間又は保持枠体の後面に形成された第2反射面とにおいて多重反射し、表示パネルの後面の周縁部に入射して表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0011】
本発明に係る光源装置は、前記保持枠体は、前記表示パネルの前側に設けられた前側挟持枠体と、前記表示パネルの後側に設けられた後側挟持枠体とが、夫々前記表示パネルの前面及び後面の周縁部を挟んで保持するよう構成してあり、前記拡散板は、前記後側挟持枠体の後側に配され、前記拡散板の前面側に光学シートを備え、前記第2反射面は、前記光学シートの前面と、前記光学シートの後面と、前記拡散板の前面とのいずれか1つに形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、表示パネルが前側挟持枠体と後側挟持枠体とにより前後に挟持されている。ランプから出射した光の一部は、拡散板の前面に備えられた光学シートと対面する後側挟持枠体の後面、光学シートの前面、光学シートの後面及び拡散板の前面のいずれか1つに形成された第2反射面と、前述の第1反射面とにおいて多重反射し、表示パネルの周縁部の後面に入射する。表示パネルの周縁部の後面に入射した光により、表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0013】
本発明に係る光源装置は、前記第1反射面は、光反射性樹脂を一体成型してなる前記拡散板支持部に形成されることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、ランプから出射した光の一部が、光反射性樹脂を一体成型してなる拡散板支持部の前面に形成された第1反射面と、前述の第2反射面とにおいて多重反射し、表示パネルの後面の周縁部に入射する。表示パネルの後面の周縁部に入射した光により、表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0015】
本発明に係る光源装置は、前記第2反射面は、反射部材を貼着して形成されることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、ランプから出射した光の一部が、拡散板の後面の周縁部及び保持枠体の後面の間又は保持枠体の後面に位置するよう反射部材を貼着して形成された第2反射面と、第1反射面とにおいて多重反射して表示パネルの後面の周縁部に入射する。表示パネルの後面の周縁部に入射した光により、表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0017】
本発明に係る光源装置は、前記後側挟持枠体に貼着された反射部材の一部は、前記拡散板の側面と対面してあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、第1反射面及び第2反射面において多重反射した光の一部は、拡散板の側面と対面する反射部材の一部で反射して、再び第1反射面及び第2反射面との間に進入して多重反射する。多重反射を繰り返した光は、表示パネルの後面の周縁部に入射し、表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0019】
本発明に係る光源装置は、前記光学シートは、積層体からなり、前記第2反射面は、前記積層体の層間のいずれか1つに形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、複数のシートを積層した積層体からなる光学シートが拡散板の前面側に設けられている。ランプから出射した光の一部は、第1反射面と、積層された複数のシートの層間に形成された第2反射面とにおいて多重反射し、表示パネルの後面の周縁部に入射して表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0021】
本発明に係る光源装置は、前記拡散板支持部は、前記ランプ保持部を覆設してあることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、ランプから出射した光の一部がランプ保持部を覆う拡散板支持部の前面に形成された第1反射面と、前述の第2反射面とにおいて多重反射する。多重反射した光は、ランプ保持部の前側に位置する表示パネルの後面の周縁部に入射してランプ保持部の前側に位置する表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0023】
本発明に係る液晶表示装置は、前述の光源装置を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、液晶表示装置に備えられた光源装置から出射した光の一部は、ランプ保持部の前側に位置する表示パネルの後面の周縁部に入射し、ランプ保持部の前側に位置する表示パネルの表示面の周縁部における輝度が増大する。
【発明の効果】
【0025】
本発明にあっては、ランプから出射した光の一部を拡散板支持部又は拡散板の後面の周縁部に形成された第1反射面と、拡散板の後面の周縁部及び保持枠体の後面の間、又は保持枠体の後面に形成された第2反射面とにおいて多重反射させ、ランプ保持部の前側に位置する表示パネルの後面の周縁部に入射させて、表示面の周縁部における輝度を増大させることにより、表示面の周縁部における輝度ムラを抑制して液晶表示装置の額縁領域を狭くすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明に係る光源装置を備えた液晶表示装置を示す模式的斜視図である。図2は、図1のII−II線における液晶表示装置の模式的拡大断面図である。液晶表示装置は、前側に表示面を有し直方体をなす表示パネル1と、表示パネル1の周縁部を前後に挟んで保持した四角形をなす内外の前側挟持枠体2及び後側挟持枠体3からなる保持枠体と、前側に開口部を有し直方体をなす筐体4とを備え、前側挟持枠体2及び後側挟持枠体3からなる保持枠体は、表示パネル1が筺体4の開口部を覆うように筺体4に取着されている。
【0027】
前側挟持枠体2及び後側挟持枠体3は、夫々表示パネル1を挟着する環板部21及び環板部31と、環板部21及び31の外端から後方へ向けて、夫々延出されている枠部22及び枠部32を有する。また、後側挟持枠体3は、環板部31の外端から前側へ向けて延出し、挟持枠体2の環板部21の後面に向けて突出し先端で接触する突起部33を有する。環板部21、31は、液晶パネル1を構成するガラス基板が前側挟持枠体2及び後側挟持枠体3との接触によって損傷を受けることを防止するために、夫々に設けられた枠状をなす緩衝部材2a及び3aを介して表示パネル1を挟持するよう構成される。
【0028】
光源装置は、前記の前側挟持枠体2及び後側挟持枠体3からなる保持枠体と、表示パネル1の長辺と略並行をなすよう並置された直管状の3本のランプ7を収容する筐体4と、筐体4の底面に設けられたランプ7の両端の表示パネル1反対側を支持するランプ後面支持部8と、表示パネル1及びランプ7との間に配される拡散板6と、拡散板6の後面の周縁部を支持する拡散板支持部9と、ランプ7から表示パネル1反対側に出射した光を表示パネル1側へ反射させる反射シート11とで構成される。拡散板6は、前面側に積層された2枚の光学シート51、52からなる光学シート積層体5を備えており、表示パネル1に対応する大きさの直方体をなし、光学シート積層体5の前面が後側挟持枠体3の環板部31の後面と間隙を有して対面するよう拡散板支持部9により後面の周縁部が支持されている。
【0029】
拡散板6は例えばアクリルからなり、一方の面から入射した光を拡散させて他方の面から出射させるべく、表面に凹凸形状を有し微小な粒子を分散させた高分子樹脂等からなる半透明な板である。光学シート積層体5を構成する光学シート51、52は、入射光を前側に向けて集光させるプリズムシート及び入射光の偏光面が表示パネル1の偏光面に対応するよう特定の偏光面を有する光を透過させる偏光シート等からなる。拡散板支持部9は、ランプ7の両端近傍に位置する筐体4の側壁と対面する側面部93、ランプ7が貫通する切欠部を有する傾斜側面部91、及び拡散板6の後面の周縁部に沿って扁平に形成された支持面部92とからなる断面略U字形状を有し、筺体4の側壁に沿って表示パネル1の短辺方向に延びる樋状をなしており、表面に反射面を形成するよう白色等の光反射性樹脂を一体成型してなる。
【0030】
拡散板支持部9の内側には、ランプ7両端の表示パネル1側を支持するランプ前面支持部12が設けられている。拡散板支持部9は、ランプ7の両端と、ランプ後面支持部8及びランプ前面支持部12からなるランプ保持部とを覆うように筐体4の底面に取着されている。拡散板支持部9の支持面部92は、傾斜側面部91と連結する境界から所定の距離まで拡散板6の後面の周縁部と面接触し、側面部93と連結する境界の近傍に拡散板6の側面と略面平行をなし、支持面部92と略垂直をなす垂直板部9aが設けられている。
【0031】
光反射性樹脂を一体成型してなる拡散板支持部9の傾斜側面部91、支持面部92及び垂直板部9aの表面には、ランプ7から出射した光に対する反射面が形成され、支持面部92に形成された反射面は、本発明における第1反射面として機能する。後側挟持枠体3の環板部31の後面には、光学シート積層体5の前面と間隙を有して対面する環板状の反射部材10が貼着されており、反射部材10は、本発明における第2反射面として機能する。反射部材10は、例えば、表面に反射面を有する金属板、金属からなる反射層を表面に蒸着した樹脂板又は白色の反射性樹脂板等である。
【0032】
図3は、図1の III−III 線における液晶表示装置の模式的拡大断面図である。筐体4は、開口部の長辺に沿った周壁端縁から拡散板6の後面に沿って外方へ延出され、反射シート11の後面の周縁部を支持するシート支持部4aと、シート支持部4aの外端から後方へ延出する側壁4bとを備える。反射シート11は、筺体4の底面からシート支持部4aに渡って前方に向けて立ち上がり、傾斜面部11aを形成する。側壁4bに設けられた係止爪4cにより後側挟持枠体3の枠部32の端部が係止されている。シート支持部4aは、反射シート11の後面の周縁部に沿って扁平に形成されており、拡散板6の後面の周縁部は、シート支持部4aに支持された反射シート11の前面側に載置される。また、反射シート11を支持するシート支持部4aの支持面には、拡散板6の側面と略面平行をなすと共に、反射シート11の端部が接しており、支持面と略垂直をなす垂直板部4dが設けられている。シート支持部4aの前面側に載置された反射シート11の前面の周縁部は、拡散板支持部9の支持面部92に形成された反射面と共に、本発明における第1反射面として機能する。
【0033】
ランプ7から表示パネル1に向けて出射した光は、拡散板6を透過して拡散され、光学シート積層体5により集光及び偏光され、表示パネル1の後面に入射する。また、ランプ7から筺体4の底面及び拡散板支持部9の傾斜側面部91に向けて出射した光は、夫々筺体4の底面に位置する反射シート11及び光反射性樹脂を一体成型してなる拡散板支持部9の傾斜側面部91に形成された反射面で反射し、拡散板6及び光学シート積層体5を介して表示パネル1の後面に入射する。ランプ7から筺体4の開口部の長辺と略平行な側壁に向けて出射した光は、反射シート11の傾斜面部11aの反射面で表示パネル1に向けて反射し、拡散板6及び光学シート積層体5を介して表示パネル1に入射する。また、ランプ7から第1反射面及び第2反射面の間に向けて出射した光は、次に述べる多重反射となる光路に沿って進む。
【0034】
図4は、多重反射となる光路の例を説明するための説明図である。ランプ7から出射した光の一部は、反射部材10からなる第2反射面に到達し光学シート積層体5の前面に向けて反射される。反射された光は、光学シート積層体5及び拡散板6を介して拡散板支持部9の支持面部92に形成された第1反射面に到達し、再び拡散板6に向けて反射されることで多重反射が繰り返される。拡散板6を光が通過する都度、光は拡散されて無数の光路を示し、図4に示す光路は、そのうちの1つを例として示している。
【0035】
従って、ランプ7から出射した光の一部は、第1反射面及び第2反射面の間で多重反射し、斯かる多重反射に伴い光学シート積層体5及び拡散板6を複数回通過し、集光及び拡散が複数回施されて表示パネル1の後面の周縁部を中心に入射する。これにより、表示パネル1の表示面の周縁部における輝度が増大し、輝度ムラが抑制される。また、第1反射面及び第2反射面の間から垂直板部9aに向けて進んだ光は、垂直板部9aの表面で第1反射面及び第2反射面間に向けて反射し、再び多重反射して表示パネル1の後面の周縁部に入射し、表示パネル1の表示面の周縁部における輝度が、さらに増大する。
【0036】
図5は、第2反射面を形成する位置の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。図5に示す例では、反射部材10は、光学シート積層体5の前面に貼着されており、ランプ7から出射した光の一部は、第1反射面と、反射部材10からなる第2反射面との間で多重反射し、多重反射に伴い光学シート積層体5及び拡散板6により集光及び拡散され、表示パネル1の後面の周縁部を中心に入射し、表示パネル1の表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0037】
図6は、第2反射面を形成する位置の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。図6に示す例では、前面に反射部材10を貼着した拡散板6に光学シート積層体5が積層されることにより、拡散板6及び光学シート積層体5の間に第2反射面が形成されている。ランプ7から出射した光の一部は、第1反射面及び第2反射面の間で多重反射し、多重反射に伴い拡散板6により拡散された後、光学シート積層体5により集光されて表示パネル1の後面の周縁部を中心に入射し、表示パネル1の表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0038】
図7は、第2反射面を形成する位置の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。図7に示す例では、光学シート積層体5を構成する光学シート51及び光学シート52の層間に反射部材10を挿設して第2反射面を形成している。ランプ7から出射した光の一部は、第1反射面及び第2反射面との間で多重反射し、多重反射に伴い拡散板6及び主に光学シート52により拡散及び集光された後、表示パネル1の後面の周縁部を中心に入射し、表示パネル1の表示面の周縁部における輝度が増大する。
【0039】
図8は、反射部材10の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。後側挟持枠体3の環板部31の後面に貼着される反射部材10は、環板状を有する場合に限るものではなく、図8に示す如く、反射部材10の一部を拡散板6の側面と面接触又は近接する側面反射板部10bとし、拡散板6の前面と対面する前面反射板部10a及び側面反射板部10bからなる断面略L字形状を有するよう形成しても良い。これにより、第1反射面と、前面反射板部10aからなる第2反射面との間から垂直板部9a側に向けて進んだ光を反射部材10の側面反射板部10bにより、効率よく第1反射面及び第2反射面の間に向けて反射させて、再度、第1反射面及び第2反射面の間で多重反射させる。これにより、表示パネル1の後面の周縁部に入射する光の光量を増大させて、表示パネル1の表示面の周縁部における輝度をさらに増大させることが可能となる。
【0040】
第2反射面は、反射部材10を貼着して形成する場合に限るものではなく、白色等の光反射性塗料を塗布して形成しても良い。また、光学シート積層体5を構成する光学シートの枚数は2枚に限るものではなく、3枚以上でも良い。また、光学シート積層体5は、複数の光学シートから構成される積層体に限るものではなく、一枚の光学シートでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る光源装置を備えた液晶表示装置を示す模式的斜視図である。
【図2】図1のII−II線における液晶表示装置の模式的拡大断面図である。
【図3】図1の III−III 線における液晶表示装置の模式的拡大断面図である。
【図4】多重反射となる光路の例を説明するための説明図である。
【図5】第2反射面を形成する位置の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。
【図6】第2反射面を形成する位置の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。
【図7】第2反射面を形成する位置の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。
【図8】反射部材の他の例を示す液晶表示装置の模式的拡大断面図である。
【図9】従来の直下型光源装置を備えた液晶表示装置の要部を示す模式的拡大断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 表示パネル
2 前側挟持枠体
2a、3a 緩衝部材
3 後側挟持枠体
4 筐体
5 光学シート積層体
51、52 光学シート
6 拡散板
7 ランプ
8 ランプ後面支持部
9 拡散板支持部
9a 垂直板部
10 反射部材
11 反射シート
12 ランプ前面支持部
21、31 環板部
22、32 枠部
33 突起部
91 傾斜側面部
92 支持面部
93 側面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に表示面を有する表示パネルの前面及び後面の周縁部を保持する保持枠体と、前記表示パネルの後側に配される直管状のランプと、前記表示パネルの周縁部近傍の後側において前記ランプの両端を保持するランプ保持部と、前記表示パネル及び前記ランプとの間に配される拡散板と、前記ランプの両端の前側に配されており、前記拡散板の後面の周縁部を支持する拡散板支持部とを備えた光源装置において、
前記拡散板支持部又は拡散板の後面の周縁部に形成された第1反射面と、
前記拡散板の後面の周縁部及び前記保持枠体の後面の間、又は該保持枠体の後面に形成された第2反射面と
を備えることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記保持枠体は、
前記表示パネルの前側に設けられた前側挟持枠体と、前記表示パネルの後側に設けられた後側挟持枠体とが、夫々前記表示パネルの前面及び後面の周縁部を挟んで保持するよう構成してあり、
前記拡散板は、前記後側挟持枠体の後側に配され、
前記拡散板の前面側に光学シートを備え、
前記第2反射面は、
前記光学シートの前面と、
前記光学シートの後面と、
前記拡散板の前面と
のいずれか1つに形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1反射面は、光反射性樹脂を一体成型してなる前記拡散板支持部に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第2反射面は、反射部材を貼着して形成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記後側挟持枠体に貼着された反射部材の一部は、前記拡散板の側面と対面してあることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記光学シートは、積層体からなり、
前記第2反射面は、前記積層体の層間のいずれか1つに形成されていることを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記拡散板支持部は、前記ランプ保持部を覆設してあることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光源装置を備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−104946(P2009−104946A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276644(P2007−276644)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】