説明

光遅延器

【課題】 低コストで、出射光のビーム広がりが発生せず、光路長を高速に繰り返し可変できる光遅延器を提供する。
【解決手段】 光軸Laに沿った入射光Saを回動ミラー21のミラー本体22で受け、その1次反射光Sbを第1の反射体40に出射し、1次反射光Sbの光軸Lbと平行で且つ離間した光軸Lcに沿った2次反射光Scを回動ミラー21へ戻す。2次反射光Scを受けた回動ミラー21は、光軸Laと平行な光軸Ldに沿った3次反射光Sdを、その光軸Ldと直交する反射面を有する第2の反射体50に入射する。第2の反射体50で折り返された4次反射光Seを上記経路と逆経路で反射させることにより光軸Laに沿った7次反射光を出射させる。ミラー本体22の回動により入射光Saに対して7次反射光Shが出射されるまでに至る光路長を連続的に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光の遅延量(光路長)を連続的に変化させるための光遅延器に関する。
【背景技術】
【0002】
マイケルソン干渉計等に用いられる光遅延器としては、入射光軸と出射光軸が等しい状態で、遅延量を連続的に繰り返し変化させることが必要である。
【0003】
この種の光遅延器として、次の特許文献1には、外周が対数螺旋形状のミラーを回転させて光の遅延量を変化させる構造のものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−206425号公報
【0005】
図10は、この光遅延器の概略構成を示すものであり、対数螺旋鏡1は、その原点(中心軸)に一致する主軸2を中心に矢印H1、H2方向に交互に回転できるようになっており、その主軸2に直交する光軸Laに沿って入射された光Saは、その光軸Laと対数螺旋鏡1の外周に形成された反射面1aとが交わる点Xaで反射するが、その反射方向は、入射光軸Laに対して常に一定角度αをなす方向となる性質がある。
【0006】
したがって、図10に示しているように、平面ミラー3を、その反射面3aが対数螺旋鏡1からの1次反射光Sbの光軸Lbに対して直交するように配置することで、1次反射光Sbに対して反射面3aの点Xbから出射される2次反射光Scを光軸Lbに沿って対数螺旋鏡1の反射面1aに戻すことができる。
【0007】
この2次反射光Scに対して対数螺旋鏡1の反射面1aの点Xaから出射される3次反射光Sdは、光軸Laに沿って入射光Saと逆方向に出射される。
【0008】
ここで、図10のように、対数螺旋鏡1が入射光軸Laに対して角θの位置にあるときの入射光軸La上の点Xから対数螺旋鏡1の反射面1aの点Xaまでの距離をA(θ)、対数螺旋鏡1の反射面1aの点Xaから平面ミラー3の反射面3aの点Xbまでの距離をB(θ)とすると、点Xから入力した光に対する3次反射光Scが点Xに戻ってくるまでの光路長P(θ)は、
P(θ)=2[A(θ)+B(θ)]
となる。
【0009】
そして、対数螺旋鏡1が、図10の状態から、図11の(a)のように、H1方向に回転して角θaとなると、点X、Xa間の距離がA(θ)より長いA(θa)となり、点Xa、Xb間の距離がB(θ)より長いB(θa)となって、全体の光路長P(θa)も、図10の状態の光路長P(θ)より長くなる。
【0010】
逆に、対数螺旋鏡1が、図10の状態から、図11の(b)のように、H2方向に回転して角θbとなると、点X、Xa間の距離がA(θ)より短いA(θb)となり、点Xa、Xb間の距離がB(θ)より短いB(θb)となって、全体の光路長P(θb)も、図10の状態の光路長P(θ)より短くなる。
【0011】
よって、この対数螺旋鏡1を所定の角度範囲内で往復回動させることで、光路長を所定の範囲で連続的に繰り返し変化させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記対数螺旋鏡1のように、原点から反射面1aまでの距離が対数状に変化する曲面構造のものは製造しにくく、高い精度を得るためにはコストが高くなる。
【0013】
また、反射面1aは曲面であるため、この反射面1aで2回反射して出射される光のビームは入射光に対して広がってしまい、ビーム広がりが問題となる場合のマイケルソン干渉計等には使用困難となり、用途が限定される。
【0014】
また、上記のように対数螺旋鏡1を往復回動させる構造のものでは、必然的に対数螺旋鏡1が回転軸(主軸2)に対して非対称となり、高速に往復回動させたとき振動が発生し、この振動により装置が破壊しやすい。よって、振動が発生しない程度の低速動作(例えば数100Hz程度の往復動作)で使用しなければならない。
【0015】
本発明は、これらの問題を解決し、低コストで、出射光のビーム広がりが発生せず、光路長を高速に繰り返し可変できる光遅延器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光遅延器は、
一面側に反射面が形成された平板状のミラー本体(22)を有し、該ミラー本体をその反射面と平行な軸を中心に回動させるように構成され、前記軸に直交する平面に沿って入射される入射光(Sa)を前記反射面で受ける回動ミラー(21)と、
複数の平面状の反射面を有し、前記入射光に対して前記回動ミラーから出射される1次反射光(Sb)を受けて、該1次反射光の光軸と平行で且つ離間した光軸の2次反射光(Sc)を前記回動ミラーへ出射する第1の反射体(40)と、
前記2次反射光を受けた前記回動ミラーから前記入射光の光軸と平行な光軸で出射された3次反射光(Sd)を、該3次反射光の光軸と直交する平面状の反射面で受けて該3次反射光と一致する光軸の4次反射光(Se)を前記回動ミラーへ出射する第2の反射体(50)とを有し、
前記4次反射光を受けた前記回動ミラーから前記2次反射光と一致する光軸で前記第1の反射体へ5次反射光(Sf)を出射させ、該5次反射光を受けた前記第1の反射体から前記1次反射光と一致する光軸で前記回動ミラーへ6次反射光(Sg)を出射させて、該6次反射光を受けた前記回動ミラーから前記入射光と一致する光軸で7次反射光(Sh)を出射させるとともに、前記入射光に対して前記7次反射光が出射されるまでに至る光路長が、前記ミラー本体の回動により連続的に変化するように構成したことを特徴としている。
【0017】
また、本発明の請求項2の光遅延器は、請求項1記載の光遅延器において、
前記回動ミラーは、
前記ミラー本体(22)と、固定基板(24、25)と、前記固定基板の縁部と前記ミラー本体の外縁との間を連結し且つ長さ方向に捩れ変形して、前記ミラー本体を回動自在に支持する軸(23)と、前記ミラー本体と前記軸とで決まる固有振動数に対応した周波数の駆動信号により前記ミラー本体に力を与えて、前記ミラー本体を前記固有振動で往復回動させる回動駆動手段(30、31、35)とを有していることを特徴としている。
【0018】
また、本発明の請求項3の光遅延器は、請求項1または請求項2記載の光遅延器において、
前記第1の反射体は、コーナーミラー、コーナープリズム、直角ミラーまたは直角プリズムのいずれかであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
このように本発明の光遅延器は、第1の反射体および第2の反射体が平面状の反射面で光を反射する構造であり、回動ミラーを含め製造が容易で、低コストに構成でき、しかも、ビーム広がりが発生しないので、前記したマイケルソン干渉計等に用いても問題なく、用途が広い。
【0020】
また、平板構造のミラー本体を往復回動させて、光路長を可変する構造であるので、対称構造にでき光路長を高速に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態の光遅延器20の構成を示している。
【0022】
図1に示しているように、この光遅延器20は、回動ミラー21、第1の反射体40および第2の反射体50を有している。
【0023】
回動ミラー21は、一面側に光を反射するための反射面22aが形成されている平板状のミラー本体22を有し、このミラー本体22を反射面22aと平行な軸23を中心に往復回動させるように構成されている。
【0024】
回動ミラー21は、所謂MEMS(Micro Electro Mechanical
System)技術により形成され、半導体基板のエッチング技術を利用して小型に且つ高い寸法精度で構成されている。
【0025】
図2は、回動ミラー21の具体的な構成例を示したものである。図2において、ミラー本体22は横長矩形の平板状に形成され、その一面側に反射面22aが形成されている。ミラー本体22の上下には、横長矩形の固定基板24、25が平行に配置されている。
【0026】
上側の固定基板24の下縁中央とミラー本体22の上縁中央の間および下側の固定基板25の上縁中央とミラー本体22の下縁中央の間は、互いに一直線状に並んだ軸23、23によって連結されている。
【0027】
この軸23の幅および厚さは、長さ方向に所望の回動角度範囲において捩れ変形し、またその変形状態から復帰できるように設定されており、この上下一対の軸23の捩れ変形により、ミラー本体22は、固定基板24、25に対してその軸23を中心に往復回動できるようになっている。ただし、軸23の厚さは、ミラー本体22、固定基板24、25の厚さと共通である。
【0028】
また、このようにミラー本体22、固定基板24、25および軸23で一体的に形成されたブロックは、回転駆動力を静電的に与えるために導電性を有している。
【0029】
なお、ここでは2つの互いに分離した固定基板24、25を用いているが、この固定基板24、25の両端間を連結して枠状に形成した一つの固定基板の内側に、2本の軸23を介してミラー本体22を回動自在に支持する構造であってもよい。
【0030】
固定基板24、25は、絶縁性を有する支持基板26の一面側に互いに平行に設けられたスペーサ27、28の上に重なり合うように固定されている。また、支持基板26の一面側で、ミラー本体22の背面の両端に対向する位置には、電極板30、31が固定されている。
【0031】
そして、この一対の電極板30、31と、ミラー本体22を含むブロックの間には、駆動信号発生器35から図3の(a)、(b)のように、互いに電圧レベルが反転する駆動信号Va、Vbが印加される。
【0032】
この駆動信号Va、Vbにより、電極板30、31とミラー本体22の背面両端との間に、静電的な吸引力が交互に生じ、ミラー本体22が往復回動する。
【0033】
なお、駆動信号Va、Vbの周波数は、ミラー本体22の形状や重さ、軸23のバネ定数などで決まるミラー本体22の固有振動数に対応した値に設定されているので、少ない駆動電力で大きな回動振幅が得られる。
【0034】
また、前記したように、この回動ミラー21は、MEMS技術によりミラー本体22を含めて全体的に非常に小型且つ軽量に形成され、しかも、ミラー本体22の形状を限定する要素はないので、この例のように軸23に対して左右対称に形成できる。
【0035】
したがって、振動を生じることなく、ミラー本体22を数100Hz〜数10kHzで高速に往復回動させることができる。
【0036】
また、ここでは光路長を連続的に繰り返し可変するために、回動ミラー21を連続的に往復回動させているが、回動ミラー21を任意の角度に停止できるように制御してもよく、その場合には、駆動信号発生器35からいずれか一方の電極板に一定電圧を印加すればよい。
【0037】
なお、回動ミラー21の構造は、上記のものに限定されるものではなく、種々の形状変更が可能であり、また、駆動方式も前記した静電的な力だけでなく、磁石やコイルを用いて得られる磁気的な力を用いてもよい。また、圧電素子等を用いて機械的な力を与えてもよい。
【0038】
この回動ミラー21のミラー本体22の反射面22aの端には、図1に示しているように、軸23に直交する平面と平行な光軸Laの光Saが入射される。
【0039】
この入射光Saを受けた回動ミラー21から出射される1次反射光Sbは、第1の反射体40に入射される。
【0040】
第1の反射体40は、入射光Saに対して回動ミラー21から出射される1次反射光Sbを受けて、その1次反射光Sbの光軸Lbと平行で且つ離間した光軸Lcの2次反射光Scを回動ミラー21へ出射するためのものであり、この実施形態では、第1の反射体40として、図4に示すように、外形が直角2等辺三角形で所定の厚さを有する直角プリズムを用いている。
【0041】
この直角プリズムの互いに直交する2つの端面40a、40bは、その直角の対辺に沿った端面40c側から所定範囲の角度で内部に入射する光に対して全反射する性質を有しており、このような角度範囲の状態では、2つの端面40a、40bが反射面をなすので、以下の説明では、この2つの直交する端面を反射面40a、40bと表記する。
【0042】
なお、より確実な反射特性を得るために、直角プリズムの反射面40a、40bに反射材をコーティングしてもよい。
【0043】
第1の反射体40から2次反射光Scを受けた回動ミラー21からは、入射光Saの光軸Laと平行な光軸Ldの3次反射光Sdが第2の反射体50へ向かって出射される。
【0044】
第2の反射体50は、例えば平面ミラーからなり、3次反射光Sdをその光軸Ldと直交する平面状の反射面50aで受けて、4次反射光Seを3次反射光Sdと一致する光軸Ldで回動ミラー21へ戻す。
【0045】
したがって、この4次反射光Seを受けた回動ミラー21からは、2次反射光Scと一致する光軸Lcで第1の反射体40へ向かって5次反射光Sfが出射され、この5次反射光Sfを受けた第1の反射体40からは、1次反射光Sbと一致する光軸Lbで回動ミラー21へ向かって6次反射光Sgが出射され、その6次反射光Sgを受けた回動ミラー21からは、入射光Saと一致する光軸Laで7次反射光Shが出射されることになる。
【0046】
ここで、光軸La、Ldは、第1の反射体40の端面40cと平行で、回動ミラー21のミラー本体22は、図1に示しているように、その反射面22aと光軸La、Ldのなす角度が所定値θ(例えば41°)を中心にして数度(例えば±3°)の範囲を往復回動するものとする。
【0047】
また、この実施形態では、各光軸La〜Ldが同一平面内に含まれるものとするが、第1の反射体40の構造によっては、光軸La、Lbが含まれる平面と、光軸Lc、Ldが含まれる平面との間に段差が生じる場合もある。
【0048】
上記構成の光遅延器20の場合、ミラー本体22の反射面22aが、光軸Laに対して角θをなしている状態において、光軸La上の点Xから入射した光Saに対する7次反射光Shが点Xまで戻ってくるまでの全体の光路長P(θ)は、
P(θ)=2[A(θ)+B(θ)+C(θ)+D(θ)+Q(θ)]
と表すことができる。
【0049】
ここで、光路長A(θ)は、光軸La上の点Xから、ミラー本体22の反射面22aと光軸Laとが交わる点Xaまでの距離、光路長B(θ)は、点Xaから光軸Lbと第1の反射体40の端面40cとが交わる点Xbまでの距離、光路長C(θ)は、光軸Lcと第1の反射体40の端面40cとが交わる点Xcから、光軸Lcとミラー本体22の反射面22aとが交わる点Xdまでの距離、光路長D(θ)は、点Xdから、光軸Ldと第2の反射体50の反射面50aとが交わる点Xeまでの距離である。
【0050】
また、光路長Q(θ)は、第1の反射体40内で、点Xbから反射面40a、40bを経て点Xcに至る光路長の総和である。
【0051】
ここでは上記の光路長の詳細式は示さないが、光路長P(θ)は、θに関する正弦関数におおよそ近似され、上記各光路のうち光路長A(θ)の変化分が支配的であることが分かっている。
【0052】
したがって、例えば図1に示した状態から、ミラー本体22が、図5の(a)のように、角度θaまで時計回りに回転したとき、光路長A(θa)は光路長A(θ)より短くなるので、全体の光路長P(θa)も光路長P(θ)より短くなる。
【0053】
また、逆に、ミラー本体22が、図5の(b)のように、角度θbまで反時計回りに回転したとき、光路長A(θb)は光路長A(θ)より長くなるので、全体の光路長P(θb)も光路長P(θ)より長くなる。
【0054】
図6は、θを±3°の範囲で変化させたときの光路長P(θ)の変化特性(−3°の光路長を基準としている)を示している。この図6から明らかなように、θを±3°の範囲で変化させたとき、1mm以上の光路長P(θ)の変化が得られる。
【0055】
なお、回動ミラー21の初期位置や第1の反射体40に対する相対位置を設定することによって、光路長の変化特性を、例えばθが0°のときに光路長が最大になる等、所望の形にすることができる。
【0056】
このように実施形態の光遅延器20は、平板構造のミラー本体22に対して光を折り返すための第1の反射体40および第2の反射体50が、平面状の反射面で光を反射する構造であるので、回動ミラー20を含め製造が容易で、低コストに構成でき、しかも、ビーム広がりが発生しないので、マイケルソン干渉計等に用いても問題なく、用途が広い。
【0057】
また、平板構造のミラー本体22を往復回動させて光路長を可変する構造であるので、回動軸に対してミラー本体を対称構造にでき、振動を発生させることなく、光路長を高速に変化させることができる。
【0058】
上記した光遅延器20では、第1の反射体40として直角プリズムを用いていたが、第1の反射体40としては、複数の平面状の反射面を有し、入射光Saに対して回動ミラー21から出射される1次反射光Sbを受けて、その1次反射光Sbの光軸Lbと平行で且つ離間した光軸Lcの2次反射光Scを回動ミラー21へ出射できるものであれば、その構造は任意である。
【0059】
例えば、第1の反射体40として、図7に示すように2つの互いに直交する反射面40a′、40b′を有する直角ミラーを用い、光遅延器20を図8のように構成してもよい。
【0060】
また、第1の反射体40として、図9の(a)に示すように、互いに直交する3つの平面状の反射面40d、40e、40fを有するコーナープリズム、あるいは図9の(b)に示すように、互いに直交する3つの平面状の反射面40d′、40e′、40f′を有するコーナーミラーを用いることもでき、4つ以上の平面状の反射面を有す反射体を用いてもよい。
【0061】
また、上記説明では、入射光Saをミラー本体22の反射面22aの第1の反射体40から遠い方の端に入射し、その反対の端までのほぼ全域を用いて2次反射光や4次反射光を受けているが、逆に、入射光Saをミラー本体22の反射面22aの第1の反射体40に近い方の端に入射し、その反対の端までのほぼ全域を用いて2次反射光や4次反射光を受けてもよい。また、ミラー本体22の反射面22aの半分の領域だけを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図
【図2】本発明の実施形態の要部の構成例を示す図
【図3】本発明の実施形態の要部の駆動信号図
【図4】本発明の実施形態の要部の斜視図
【図5】本発明の実施形態の動作説明図
【図6】本発明の実施形態のミラー角度に対する光路長の変化特性を示す図
【図7】本発明の第1の反射体として使用可能な直角ミラーの斜視図
【図8】第1の反射体として直角ミラーを用いた光遅延器を示す図
【図9】第1の反射体として使用可能なコーナープリズム、コーナーミラーの斜視図
【図10】従来装置の概略構成図
【図11】従来装置の動作説明図
【符号の説明】
【0063】
20……光遅延器、21……回動ミラー、22……ミラー本体、22a……反射面、23……軸、24、25……固定基板、26……支持基板、27、28……スペーサ、30、31……電極板、35……駆動信号発生器、40……第1の反射体、40a、40b……反射面、50……第2の反射体、50a……反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側に反射面が形成された平板状のミラー本体(22)を有し、該ミラー本体をその反射面と平行な軸を中心に回動させるように構成され、前記軸に直交する平面に沿って入射される入射光(Sa)を前記反射面で受ける回動ミラー(21)と、
複数の平面状の反射面を有し、前記入射光に対して前記回動ミラーから出射される1次反射光(Sb)を受けて、該1次反射光の光軸と平行で且つ離間した光軸の2次反射光(Sc)を前記回動ミラーへ出射する第1の反射体(40)と、
前記2次反射光を受けた前記回動ミラーから前記入射光の光軸と平行な光軸で出射された3次反射光(Sd)を、該3次反射光の光軸と直交する平面状の反射面で受けて該3次反射光と一致する光軸の4次反射光(Se)を前記回動ミラーへ出射する第2の反射体(50)とを有し、
前記4次反射光を受けた前記回動ミラーから前記2次反射光と一致する光軸で前記第1の反射体へ5次反射光(Sf)を出射させ、該5次反射光を受けた前記第1の反射体から前記1次反射光と一致する光軸で前記回動ミラーへ6次反射光(Sg)を出射させて、該6次反射光を受けた前記回動ミラーから前記入射光と一致する光軸で7次反射光(Sh)を出射させるとともに、前記入射光に対して前記7次反射光が出射されるまでに至る光路長が、前記ミラー本体の回動により連続的に変化するように構成したことを特徴とする光遅延器。
【請求項2】
前記回動ミラーは、
前記ミラー本体(22)と、固定基板(24、25)と、前記固定基板の縁部と前記ミラー本体の外縁との間を連結し且つ長さ方向に捩れ変形して、前記ミラー本体を回動自在に支持する軸(23)と、前記ミラー本体と前記軸とで決まる固有振動数に対応した周波数の駆動信号により前記ミラー本体に力を与えて、前記ミラー本体を前記固有振動で往復回動させる回動駆動手段(30、31、35)とを有していることを特徴とする請求項1記載の光遅延器。
【請求項3】
前記第1の反射体は、コーナーミラー、コーナープリズム、直角ミラーまたは直角プリズムのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光遅延器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−106169(P2006−106169A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289943(P2004−289943)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】