説明

光電式エンコーダ

【課題】メインスケールに比べて加工が容易なスケールベースを用いて、光源と受光素子が同じ側に設けられた光電式エンコーダを構成する。
【解決手段】メインスケール10と、該メインスケール10の長手方向に相対移動可能な、少なくとも光源22、インデックススケール及び受光素子24を含むセンサユニット20とを備えた光電式エンコーダにおいて、前記メインスケール10を透明とし、その一面にトラック11を形成して、メインスケール10と略同じ長さか、これより長いスケールベース30に固定し、前記メインスケール10を透過してスケールベース30により反射された光が、前記受光素子24に入射するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電式エンコーダに係り、特に、メインスケールと、該メインスケールの長手方向に相対移動可能な、少なくとも光源、インデックススケール及び受光素子(又はこれらが一体化された受光素子アレイ)を含むセンサユニットとを備えた光電式エンコーダの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示す如く、長手方向(図1の紙面に垂直な方向)にトラック11が形成されたメインスケール10と、該メインスケール10の長手方向に相対移動可能な、少なくとも光源22、インデックススケール及び受光素子(図では、これらが一体化された受光素子アレイ24)を含むセンサユニット20とを備えた光電式エンコーダにおいては、図1(A)に示す如く、光源22で発生した照明光が、透過型のメインスケール10を透過して受光素子アレイ24に到達した光量の変化から、メインスケール10の長手方向の相対変位を検出する透過型の光電式エンコーダと、図1(B)に示す如く、光源22で発生した照明光が、反射型のメインスケール10により反射されて受光素子24に到達した光量の変化から、メインスケール10の長手方向の相対変位を検出する反射型の光電式エンコーダが知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
このうち反射型は、光源22及び受光素子アレイ24を含むセンサユニット20をメインスケール10の片側に配置すればよいので、光源22と受光素子アレイ24がメインスケール10をまたぐように配置する必要がある透過型に比べて、メインスケール10とセンサユニット20を容易に分離することができ、現場における測定対象への組付調整が容易であるという利点を有する。
【0004】
一方、透過型でも反射型と同様に光源22及び受光素子を含むセンサユニット20をメインスケール10の片側に配置するべく、特許文献3には、図2に示す如く、メインスケール10の裏面に反射膜12を付着し、インデックススケール(特許文献3では回折格子)25及びメインスケール10の回折格子13を透過し、反射膜12で反射された光を再びセンサユニット20に戻して、その上に搭載した受光素子26で受光することが提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平1−272917号公報
【特許文献2】特開平2−103416号公報
【特許文献3】特開平7−27543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載された方法では、メインスケール10の裏面の形状を複雑に加工して、反射膜12を付ける必要があり、通常ガラスで作られているメインスケール10の加工が容易でない。又、特許文献1乃至3のいずれにおいても、メインスケールはベースに固定されておらず、何らかの方法で別途支持する必要がある等の問題点を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、メインスケールに比べて加工が容易なスケールベースを利用して、光源と受光素子が同じ側に配置された光電式エンコーダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、メインスケールと、該メインスケールの長手方向に相対移動可能な、少なくとも光源、インデックススケール及び受光素子を含むセンサユニットとを備えた光電式エンコーダにおいて、前記メインスケールを透明とし、その一面にトラックを形成して、メインスケールと略同じ長さか、これより長いスケールベースに固定し、前記メインスケールを透過してスケールベースにより反射された光が、前記受光素子に入射するようにして、前記課題を解決したものである。
【0009】
又、前記スケールベースに、光源から入射された光をトラックに導くための導光溝を形成したものである。
【0010】
更に、前記導光溝の少なくとも一部をミラーとして、反射効率を高めたものである。
【0011】
あるいは、前記スケールベースを、光源から入射された光をトラックに導くための導光体としたものである。
【0012】
又、前記光源からの入射光の光軸及び反射光の光軸を、スケール面に対して傾けて、スケール上の光学系の高さを低くできるようにしたものである。
【0013】
又、前記メインスケールと受光素子の間に、前記スケールベースにより反射された光を集光するレンズから成るレンズ光学系を挿入し、前記メインスケールのトラック形成面、レンズの主面、及び、受光素子の像面の3者を延長した面が1箇所で交わるシャインプルーフの関係となるように配置して、像面全体でピントが合うようにし、コントラストの低下を防いだものである。
【0014】
又、前記メインスケールと受光素子の間に、第1のレンズと、少なくとも第2のレンズを、その焦点が前記第1のレンズの焦点位置に来るように配設したレンズ光学系を挿入し、前記メインスケールのトラック形成面、前記第1のレンズの焦点と前記第2のレンズの焦点を含み、且つ、前記レンズ光学系の光軸に対して垂直な焦点面、及び、受光素子の像面の3者を延長した面が1箇所で交わるシャインプルーフの関係となるようにして、像面全体でピントが合うようにし、コントラストの低下を防いだものである。
【0015】
あるいは、前記光源の光軸をスケール面に平行とし、光源からの入射光をスケールに入射するためのミラーを備えることにより、光学系の高さを更に低くできるようにしたものである。
【0016】
又、前記受光素子の光軸をスケール面に平行とし、スケールからの出射光を受光素子に入射するためのミラーを備えることにより、同じく光学系の高さを更に低くできるようにしたものである。
【0017】
又、前記センサユニットが、前記スケールベースにより反射された光を集光するレンズから成るレンズ光学系を含み、該レンズ光学系の像面が前記メインスケールのトラック形成面に来るようにして、前記トラックの情報が検出できるレンズ光学系を持つ光電式エンコーダを実現したものである。
【0018】
あるいは、前記センサユニットが、前記スケールベースにより反射された光を集光する第1のレンズと、少なくとも第2のレンズを、その焦点が前記第1のレンズの焦点位置に来るように配設したレンズ光学系を含み、該レンズ光学系の像面が前記メインスケールのトラック形成面に来るようにして、前記トラックの情報が検出できるレンズ光学系を持つ光電式エンコーダを実現したものである。
【0019】
更に、前記レンズ光学系を、前記レンズの焦点位置にアパーチャを配設したテレセントリック光学系にすることにより、前記メインスケールと前記センサユニットとの間の距離(ギャップ)の変動があっても、コントラストの低下を防ぎ、もってギャップの変動に対する許容を拡げたものである。
【0020】
更に、前記レンズ光学系を、前記第1のレンズと前記第2のレンズの焦点位置にアパーチャを配設した両側テレセントリック光学系にすることにより、前記メインスケールと前記センサユニットとの間の距離(ギャップ)の変動があっても、又、前記第2のレンズと前記受光素子との間の距離の変動があっても、コントラストの低下を防ぎ、もって、ギャップの変動や前記受光素子の取り付けの許容を拡げたものである。
【0021】
又、前記アパーチャ、レンズ、受光素子のうち少なくとも一つを、光源からの入射光をスケールに入射するためのミラーと同じガラスブロックに固定して、構成を簡略化したものである。
【0022】
更に、前記メインスケールのトラック形成面を、前記センサユニットが前記メインスケールに相対する面とは反対側の面にすることにより、前記トラックにゴミや汚れが付着しないようにしたものである。なお、トラック形成面は、これに限定されず、前記センサユニットがメインスケールに相対する面としたり、サンドイッチ構造としてメインスケールの内面にトラックを形成することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、メインスケールに比べて加工が容易なスケールベースを利用して、光源と受光素子が同じ側に配置された光電式エンコーダを実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
本発明の第1実施形態は、本発明を2格子構成の透過型光電式エンコーダに適用したもので、図3に示す如く、メインスケール10と、該メインスケール10の長手方向(紙面に垂直な方向)に相対移動可能な、光源22及び受光素子アレイ(単に受光素子とも称す)24を含むセンサユニット20とを備えた透過型光電式エンコーダにおいて、図4に詳細に示す如く、前記メインスケール10を透明とし、その裏面にトラック11を形成して、メインスケール10と略同じ長さの、下向きの略台形の導光溝31が形成されたスケールベース30に固定し、前記メインスケール10を透過して、導光溝31のミラー32、33により反射された光が、前記トラック11を通過した後、前記受光素子24に入射するようにしたものである。
【0026】
図において、21は、センサユニット20のベース(以下センサベースと称する)である。
【0027】
前記スケールベース30の反射面には、反射効率を高めるためのミラー31、32が、例えば蒸着により形成されている。
【0028】
前記スケールベース30としては、例えばアルミニウム等の金属の押出材や削り出し材を用いることができ、特に金属材の場合には、受光素子24側のミラー33を省略して、拡散光がトラック11を照明するように構成することができる。
【0029】
又、スケールベース30として、金属材でなく、シリコンブロックを用いて、ミラー32、33を異方性エッチングによるシリコン鏡面により形成してもよい。
【0030】
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
【0031】
本実施形態は、図3に示した第1実施形態と同様の透過型の光電式エンコーダにおいて、図5に示した如く、メインスケール10と受光素子24の間に、トラック11に焦点が来るように配置したレンズ42を配設して、トラック11を通過した光を受光素子24で検出するようにしたものである。
【0032】
なお、図6に示す変形例のように、レンズ42と、該レンズ42の反対側の焦点位置に配置された、例えば円形のアパーチャ44からなるテレセントリック光学系40を配設することもできる。
【0033】
この変形例によれば、トラック11から出射される平行光がレンズ42に入射するので、メインスケール10とレンズ42(即ちセンサユニット20)間の距離(ギャップ)が変動しても、受光素子24上に結合される像の倍率が変動せず、ギャップの変動に対する許容を拡げることができ、組付調整が更に容易となる。
【0034】
次に、図7を参照して、本発明の第3実施形態を詳細に説明する。
【0035】
本実施形態は、図5に示した第2実施形態と同様の透過型光電式エンコーダにおいて、第2のレンズ46を、その焦点がレンズ42(第1のレンズと称する)の焦点位置に来るように配設したレンズ光学系50にすることにより、トラック11を通過した光を受光素子24で検出するようにしたものである。
【0036】
なお、図8に示す変形例のように、レンズ光学系50を、第1のレンズ42と第2のレンズ46の焦点位置にアパーチャ44を配設した両側テレセントリック光学系51にすることもできる。
【0037】
この変形例によれば、第2のレンズ46の出側も平行光となるので、第2のレンズ46と受光素子24間のギャップの変動も吸収でき、センサユニット20の組立調整が容易となる。
【0038】
更に、第2のレンズ46を、第1のレンズ42と同じ物を逆向きにしたものとして、第1のレンズ42で発生する収差を第2のレンズ46で逆補正することにより、収差をほぼ完全にキャンセルすることもできる。従って、前記レンズ42、46の少なくともいずれか一方を、歪曲収差は大きいが安価な、球状のボールレンズ、光線をレンズ媒質内で放物線状に屈折させる、屈折率分布型のGRINレンズ(セルフォックレンズとも称する)、又は、ドラムレンズとして、小型で安価に構成することができる。
【0039】
なお、第1のレンズ42と第2のレンズ46の材質(屈折率)や形状(曲率)を変えて、トラック11の長さと受光素子24上に形成される像の長さが異なるM倍光学系とすることもできる。
【0040】
又、前記アパーチャ44を、測定軸と垂直な方向(図の左右方向)に長いスリットとして、受光素子24に到達する光量を増やし、光源22を低電力化して、その信頼性を高めることもできる。なお、アパーチャの形状を、測定軸と垂直な方向に長い長孔形状や楕円形状とすることもできる。
【0041】
次に、図9を参照して、本発明の第4実施形態を詳細に説明する。
【0042】
本実施形態は、図6に示した第2実施形態と同様のテレセントリック光学系40を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、センサベース(図示省略)に、下向きの台形状のブロック60を配設し、その両側面にミラー61、62を形成して、光源22、テレセントリック光学系40及び受光素子24の光軸をスケール面と平行に配置可能としたものである。
【0043】
本実施形態によれば、光学系の高さを低くできる。
【0044】
次に図10を参照して本発明の第5実施形態を詳細に説明する。
【0045】
本実施形態は、図8に示した第3実施形態と同様の両側テレセントリック光学系51を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、図9に示した第4実施形態と同様に、ブロック60を用いて、光学系の高さを低めたものである。
【0046】
なお、前記ブロック60としては、例えばプリズムを用いることもできる。
【0047】
次に、図11を参照して本発明の第6実施形態を詳細に説明する。
【0048】
本実施形態は、図6に示した第2実施形態と同様のテレセントリック光学系40を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、センサベース(図示省略)に、下向きの台形状のガラスブロック64を設け、その光源22側(図の左側)の面にミラー65を蒸着すると共に、反対側(図の右側)の面にアパーチャ44を固着し、更に、ガラスブロック64の上側面に受光素子24を固着して、小型に構成したものである。
【0049】
次に図12を参照して、本発明の第7実施形態を詳細に説明する。
【0050】
本実施形態は、図8に示した第3実施形態と同様の両側テレセントリック光学系51を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、センサベース(図示省略)に、図11に示した第6実施形態と同様のガラスブロック64を設け、その左側面にミラー65を蒸着し、その右側面にアパーチャ44を固着すると共に、ガラスブロック64の上側面に第2のレンズ46を固着したものである。
【0051】
次に、図13を参照して、本発明の第8実施形態を詳細に説明する。
【0052】
本実施形態は、図6に示した第2実施形態と同様のテレセントリック光学系40を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、光源を、基板70上に実装したLEDチップ72とすると共に、受光素子24も、同じく基板70上に実装したものである。
【0053】
図において、74は、LEDチップ72から出た照明光を平行とするためのコリメータレンズ、76は、該コリメータレンズ74、レンズ42及びアパーチャ44を支持するための支持プレートである。
【0054】
本実施形態によれば、センサユニット20を小型に構成できる。
【0055】
次に、図14を参照して、本発明の第9実施形態を詳細に説明する。
【0056】
本実施形態は、図8に示した第3実施形態と同様の両側テレセントリック光学系51を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、図13に示した第8実施形態と同様に、光源を構成するLEDチップ72及び受光素子24を基板70上に実装したものである。
【0057】
ここで、第2のレンズ46は、例えばアパーチャ44を介して、前記支持プレート76に固定されている。
【0058】
次に、図15を参照して、本発明の第10実施形態を詳細に説明する。
【0059】
本実施形態は、図6に示した第2実施形態と同様のテレセントリック光学系40を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、光源22、テレセントリック光学系40及び受光素子24の光軸を斜めに配置したものである。これに合せて、導光溝31のミラー34も底面に形成されている。
【0060】
本実施形態によれば、光源22とトラック11間の距離をとることができる。
【0061】
ここで、図16に示す如く、被写体(トラック11)面、レンズ42の主面、受光素子24上の像面の3者を延長した面が1箇所で交われば、像面全体でピントが合うというシャインプルーフの条件を、テレセントリック光学系40に応用して、像面全体でピントが合うようにすれば、光軸を傾けて光学系を小型化しても、コントラストの低下を防ぐことができる。
【0062】
次に、図17を参照して、本発明の第11実施形態を詳細に説明する。
【0063】
本実施形態は、図8に示した第3実施形態と同様の両側テレセントリック光学系51を持つ透過型の光電式エンコーダにおいて、図15に示した第10実施形態と同様に、光源22、両側テレセントリック光学系51及び受光素子24の光軸を斜めに配置したものである。
【0064】
ここで、図18に示す如く、被写体(トラック)面、アパーチャ44が配設された、2つのレンズ42、48の焦点を含み、且つ、両側テレセントリック光学系51の光軸に対して垂直な焦点面及び受光素子24上の像面の3者を延長した面が1箇所で交わるようにして、シャインプルーフの関係を満足させれば、コントラストの低下を防ぐことができる。
【0065】
なお、前記実施形態においては、いずれも導光溝31が形成されたスケールベース30を用いていたが、図19に示す第12実施形態(図3に示した第1実施形態に対応)の如く、断面が下向き台形状の導光体36をスケールベースとして用いることも可能である。導光体としては、他にも液晶ディスプレイに使われている拡散板、光導波路、グラスファイバー等を用いることができる。
【0066】
次に、図20を参照して、本発明の第13実施形態を詳細に説明する。
【0067】
本実施形態は、本発明を3格子構成の反射型光電式エンコーダに適用したもので、下面にトラック11が形成されたメインスケール10をスケールベース30に固定し、光源22を斜め方向に配置して、センサベース21に配設されたトラック28を通過した光が、メインスケール10の下面のトラック11を通過して、更に、スケールベース30で反射され、また更にトラック11を通過して、受光素子24に入射するようにしたものである。
【0068】
次に、図21を参照して、本発明の第14実施形態を詳細に説明する。
【0069】
本実施形態は、テレセントリック光学系40を持つ反射型の光電式エンコーダを構成したものである。
【0070】
ここで、被写体(トラック11)面、レンズ42の主面、受光素子24上の像面の3者が、図16に示したシャインプルーフの条件を満足するように配置することもできる。
【0071】
次に、図22を参照して、本発明の第15実施形態を詳細に説明する。
【0072】
本実施形態は、両側テレセントリック光学系51を持つ反射型エンコーダを構成したものである。
【0073】
ここで、被写体(トラック11)面、アパーチャ44面、受光素子24上の像面の3者が、図18に示したシャインプルーフの条件を満足するように配置することもできる。
【0074】
次に、図23を参照して、本発明の第16実施形態を詳細に説明する。
【0075】
本実施形態は、図21に示した第14実施形態と同様のテレセントリック光学系40を持つ反射型の光電式エンコーダにおいて、ハーフミラー80を用いて、光源22の光軸をスケール面と平行に配置したものである。
【0076】
次に、図24を参照して、本発明の第17実施形態を詳細に説明する。
【0077】
本実施形態は、図22に示した第15実施形態と同様の両側テレセントリック光学系51を持つ反射型の光電式エンコーダにおいて、図23に示した第16実施形態と同様に、ハーフミラー80を用いて、光源22の光軸をスケール面と平行に配置したものである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、インデックス格子と受光素子が別体とされたもの、両者が一体とされた受光素子アレイを有するもの、どちらにも適用できる。又、光源の種類も発光ダイオードとコリメータレンズを組み合わせたもの、発光ダイオード単独、レーザダイオード単独のいずれも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】(A)透過型及び(B)反射型の光電式エンコーダの基本的な構成を示す光路図
【図2】特許文献3に記載された透過型光電式エンコーダの構成を示す断面図
【図3】本発明の第1実施形態の構成を示す断面図
【図4】同じくスケールベースの形状を示す斜視図
【図5】本発明の第2実施形態の構成を示す断面図
【図6】第2実施形態の変形例の構成を示す断面図
【図7】本発明の第3実施形態の構成を示す断面図
【図8】第3実施形態の変形例の構成を示す断面図
【図9】本発明の第4実施形態の構成を示す断面図
【図10】本発明の第5実施形態の構成を示す断面図
【図11】本発明の第6実施形態の構成を示す断面図
【図12】本発明の第7実施形態の構成を示す断面図
【図13】本発明の第8実施形態の構成を示す断面図
【図14】本発明の第9実施形態の構成を示す断面図
【図15】本発明の第10実施形態の構成を示す断面図
【図16】同じく変形例の光路図
【図17】本発明の第11実施形態の構成を示す断面図
【図18】同じく変形例の光路図
【図19】本発明の第12実施形態の構成を示す断面図
【図20】本発明の第13実施形態の構成を示す断面図
【図21】本発明の第14実施形態の構成を示す断面図
【図22】本発明の第15実施形態の構成を示す断面図
【図23】本発明の第16実施形態の構成を示す断面図
【図24】本発明の第17実施形態の構成を示す断面図
【符号の説明】
【0080】
10…メインスケール
11、28…トラック
20…センサユニット
21…センサ(ユニット)ベース
22…光源
24…受光素子(アレイ)
30…スケールベース
31…導光溝
32、33、34、61、62、65…ミラー
36…導光体
40…テレセントリック光学系
42、46…レンズ
44…アパーチャ
50…レンズ光学系
51…両側テレセントリック光学系
60…ブロック
64…ガラスブロック
70…基板
72…LEDチップ
74…支持プレート
80…ハーフミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインスケールと、
該メインスケールの長手方向に相対移動可能な、少なくとも光源、インデックススケール及び受光素子を含むセンサユニットとを備えた光電式エンコーダにおいて、
前記メインスケールを透明とし、その一面にトラックを形成して、メインスケールと略同じ長さか、これより長いスケールベースに固定し、
前記メインスケールを透過してスケールベースにより反射された光が、前記受光素子に入射するようにしたことを特徴とする光電式エンコーダ。
【請求項2】
前記スケールベースに、光源から入射された光をトラックに導くための導光溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電式エンコーダ。
【請求項3】
前記導光溝の少なくとも一部がミラーとされていることを特徴とする請求項2に記載の光電式エンコーダ。
【請求項4】
前記スケールベースが、光源から入射された光をトラックに導くための導光体とされていることを特徴とする請求項1に記載の光電式エンコーダ。
【請求項5】
前記光源からの入射光の光軸及び反射光の光軸が、スケール面に対して傾けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
【請求項6】
前記メインスケールと受光素子の間に、前記スケールベースにより反射された光を集光するレンズから成るレンズ光学系が挿入され、前記メインスケールのトラック形成面、レンズの主面、及び、受光素子の像面の3者を延長した面が1箇所で交わるシャインプルーフの関係となるように配置したことを特徴とする請求項5に記載の光電式エンコーダ。
【請求項7】
前記メインスケールと受光素子の間に、第1のレンズと、少なくとも第2のレンズを、その焦点が前記第1のレンズの焦点位置に来るように配設したレンズ光学系が挿入され、前記メインスケールのトラック形成面、前記第1のレンズの焦点と前記第2のレンズの焦点を含み、且つ、前記レンズ光学系の光軸に対して垂直な焦点面、及び、受光素子の像面の3者を延長した面が1箇所で交わるシャインプルーフの関係となるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の光電式エンコーダ。
【請求項8】
前記光源の光軸がスケール面に平行とされ、光源からの入射光をスケールに入射するためのミラーが備えられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
【請求項9】
前記受光素子の光軸がスケール面に平行とされ、スケールからの出射光を受光素子に入射するためのミラーが備えられていることを特徴とする請求項1乃至5及び8のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
【請求項10】
前記センサユニットが、前記スケールベースにより反射された光を集光するレンズからなるレンズ光学系を含み、該レンズ光学系の像面が前記メインスケールのトラック形成面に来るようにされていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
【請求項11】
前記センサユニットが、前記スケールベースにより反射された光を集光する第1のレンズと、少なくとも第2のレンズを、その焦点が前記第1のレンズの焦点位置に来るように配設したレンズ光学系を含み、該レンズ光学系の像面が前記メインスケールのトラック形成面に来るようにされていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
【請求項12】
前記レンズ光学系は、前記レンズの焦点位置にアパーチャを配設したテレセントリック光学系であることを特徴とする請求項6又は10に記載の光電式エンコーダ。
【請求項13】
前記レンズ光学系は、前記第1のレンズと前記第2のレンズの焦点位置にアパーチャを配設した両側テレセントリック光学系であることを特徴とする請求項7又は11に記載の光電式エンコーダ。
【請求項14】
前記アパーチャ、レンズ、受光素子のうち少なくとも一つが、光源からの入射光をスケールに入射するためのミラーと同じガラスブロックに固定されていることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
【請求項15】
前記メインスケールのトラック形成面は、前記センサユニットが前記メインスケールに相対する面とは反対側の面であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の光電式エンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−292728(P2006−292728A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60417(P2006−60417)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】