説明

免震装置、免震建物の施工方法、および免震建物

【課題】本来の免震性能を十分に発揮できるようにすること。
【解決手段】相対変位可能に構成された下側の取付部材31および上側の取付部材32を有する免震装置20を、上部構造体10のコンクリート床版11が収縮する分だけ収縮する方向とは反対の方向に、上側の取付部材32を下側の取付部材31に対して変位させた状態に保持しつつ、下側の取付部材31が地盤G側となるように地盤Gの掘削孔G1上に配置してから、上側の取付部材32の上部にコンクリート床版11を構成するコンクリートを打設し、このコンクリートが初期硬化した後に、免震装置20の保持状態を解除して、下側の取付部材31と上側の取付部材32とが互いに自由に変位可能な状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震装置、免震建物の施工方法、および免震建物に関し、特に、本来の免震性能を十分に発揮できる免震装置、免震建物の施工方法、および免震建物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物に免震構造が採用された免震建物が施工されている。この免震建物は、上部構造体の基礎部分と地盤との間に水平方向に変位可能な免震装置を配置して、上部構造体と地盤との間を絶縁することにより、地震動による水平方向の揺れが直接上部構造体に伝わらないようにした構造である。このような構造により、地盤から上部構造体に伝わる地震動を低減させて、上部構造体の安全性を向上できる(例えば、特許文献1参照)。このような免震建物は、例えば、地盤を掘削してから、この掘削部分に所定間隔で複数の免震装置を配置し、これらの免震装置上に跨るように鉄筋コンクリート造や鉄骨造等の上部構造体を構築することにより施工される。
【特許文献1】特開2004−27822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、免震装置上に設置される上部構造体の少なくとも床版部分が、現場でコンクリートを打設して構築される場合、時間経過とともに、このコンクリート床版が収縮する。このような収縮が起こると、免震装置の上部構造体側がコンクリートの収縮方向と同一の方向に変位し、免震装置に水平方向への変形が残存してしまう。このため、本来、約400〜600mm変位できる免震装置であっても、その変位可能な範囲が収縮による変位分(例えば10〜15mm程度)だけ減少して、本来の免震性能を十分に発揮できない可能性がある。また、このような可能性を回避すべく、より大きく変位できる免震性能の高い免震装置を設けることも考えられるが、この場合には、コスト高につながるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、本来の免震性能を十分に発揮できる免震装置、免震装置を有する免震構造体、および免震構造体の施工方法提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、地盤と、コンクリート床板を備える上部構造体の前記コンクリート床板との間に設置され、前記地盤から前記上部構造体へ伝達される震動を抑えるための免震装置であって、免震装置本体と、この免震装置本体を前記地盤側および前記コンクリート床板側にそれぞれ取り付けるための一対の取付部材と、前記一対の取付部材が水平方向に相対変位した位置で保持する保持状態と、前記一対の取付部材が水平方向に相対変位する解除状態とを選択的に実現可能な保持機構と、を備えることを特徴とする。
【0006】
ここで、免震装置本体としては、例えば、積層ゴム支承や、滑り系支承、転がり系支承、これらの複合構造などを採用でき、要するに、水平方向に相対変位可能な一対の取付部材が設けられた免震装置であればよい。
【0007】
本発明によれば、保持機構によって、コンクリート床版の収縮する方向とは反対の方向に一対の取付部材を相対変位させた保持状態で、一方の取付部材を地盤上に配置してから、他方の取付部材の上部にコンクリート床版を構成するためのコンクリートを打設し、このコンクリートが初期硬化してコンクリート床版がある程度形成された後、取付部材が相対変位可能な解除状態とすることにより、コンクリート床版の収縮に伴って一対の取付部材が本来の適正な位置に移動するため、免震装置の本来の免震性能を十分に発揮できる。
なお、コンクリートの収縮分は、一般的に用いられている後述する数式:収縮量(mm)=L(mm)×200〜300×10−6を用いて、免震装置を設置する箇所ごとに求めることができる。ここで、Lは、コンクリート床版の水平方向の長さ寸法である。
【0008】
このような免震装置において、前記保持機構は、前記一対の取付部材のそれぞれから他方の取付部材側へ互いに重なり合うように延び、それぞれが開口部を有する一対の保持部材と、前記一対の取付部材の前記開口部の位置を合致させた状態でこれら開口部に挿通されるボルト部材と、を備える構成としてもよい。この際、前記一対の取付部材の少なくとも一方は複数の開口部を有し、どの開口部に前記ボルト部材を挿通させるかにより前記一対の取付部材の相対変位量を調整可能であることとしてもよい。
【0009】
本発明の免震建物の施工方法は、コンクリート床板を有し、このコンクリート床板と地盤との間に、前記地盤から前記上部構造体へ伝達される震動を抑えるための免震装置が設置された免震建物の施工方法であって、前記免震装置の設置位置における、前記コンクリート床板を構成するコンクリートの収縮の向き及び大きさを予測しておき、前記免震装置を前記地盤上に設置するとともに、当該免震装置を、前記コンクリートの収縮の向きとは逆向きに、収縮の大きさに応じた量だけ水平方向に強制的に変位させ、前記強制的に変位させた免震装置の上に前記コンクリート床板のコンクリートを打設し、前記打設したコンクリートが初期硬化した後、前記免震装置を強制的に変位させた状態を解除することを特徴とする。また、本発明の免震建物は、震建物の施工方法により施工されたことを特徴とする。なお、前記収縮としては、乾燥による収縮や、クリープ変形、温度変化による収縮等が含まれる。また、免震装置を強制的に変位させる際の収縮の大きさに応じた量とは、予測した収縮量に相当する量であってもよいし、予測した収縮量の70%や50%等の予測した収縮量に対して一定の比率とした量であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、本来の免震性能を十分に発揮できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る免震建物について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る免震建物1の要部を拡大して示す正面図である。図1に示すように、免震建物1は、コンクリート床版11を有する、例えば鉄筋コンクリート造の上部構造体10と、上部構造体10と地盤Gを掘削した掘削孔G1との間に間隔を開けて設置された複数の免震装置20とを備えている。なお、上部構造体10としては、コンクリート床版11を有していれば、鉄筋コンクリート造等であってもよい。
【0012】
図2は、免震装置20を示す正面図であり、一対の取付部材21を相対変位させた状態を示している。図2に示すように、免震装置20は、例えば一般的な積層ゴム支承であり、例えば金属製の一対の取付部材21と、これらの取付部材21間に配置され、鉛直方向の荷重を支持するとともに、水平方向に変位可能な免震装置本体としての積層ゴム22と、一対の取付部材21間に取り付けられる保持部23とを備えている。
【0013】
一対の取付部材21は、地盤G側に設置される下側の取付部材31と、その反対となる上側の取付部材32とにより構成され、下側の取付部材31が掘削孔G1に固定され、上側の取付部材32が上部構造体10のコンクリート床版11(図1)に取り付けられる。このような構成により、下側の取付部材31と上側の取付部材32との間に配置された積層ゴム22が水平方向に変位することにより、地盤G側に固定された下側の取付部材31に対して上側の取付部材32が水平方向に変位可能である。
【0014】
保持部23は、下側の取付部材31から上側の取付部材32側へ延びる第1の保持部材41と、第1の保持部材41に重なるように、上側の取付部材32から下側の取付部材31側へ延びる第2の保持部材42と、第1の保持部材41および第2の保持部材42の相対位置を固定するためのボルト部材43とを備えている。
【0015】
第1の保持部材41は、例えば、鋼製で断面L字状の部材であり、下側の取付部材31の上面に例えばボルト等で取り付けられた水平板411と、水平板411から垂直に曲折され、上方へと延びる垂直板412とにより構成されている。
第2の保持部材42も、例えば、鋼製で断面L字状の部材であり、上側の取付部材32の下面に例えばボルト等で取り付けられた水平板421と、水平板421から垂直に曲折され、下方へと延びる垂直板422とにより構成されている。第1の保持部材41の垂直板412には、水平方向に所定間隔(例えば、50mm間隔)で複数の開口部412Aが形成されている。同様に、第2の保持部材42の垂直板422にも、水平方向に間隔をあけて(例えば、50mm間隔等)で複数の開口部422Aが形成されている。一対の取付部材21に第1の保持部材41および第2の保持部材42が取り付けられた状態では、開口部421A,422A同士が略同じ高さ位置となっている。これらの開口部421A,422Aは、それぞれルーズホールとして形成されている。
ボルト部材43は、これらの開口部421A,422Aの位置を合致させた状態で、これらの開口部421A,422Aを挿通して、第1の保持部材41と第2の保持部材42との相対位置を保持するための部材である。
【0016】
このような保持部23では、下側の取付部材31および上側の取付部材32のそれぞれにおいて、いずれかの開口部421A,422Aを選択して、これらの開口部421A,422A間にボルト部材43を挿通させることにより、下側の取付部材31と上側の取付部材32との相対変位量を調整しつつ、下側の取付部材31と上側の取付部材32とを水平方向に変位させた位置で保持する保持状態とすることができる。また、一対の取付部材21から保持部23を取り外すことにより、下側の取付部材31と上側の取付部材32とが互いに自由に変位可能な解除状態とすることができる。従って、下側の取付部材31と上側の取付部材32では、保持状態と解除状態との状態を簡単に選択できる。
【0017】
次に、このような免震建物1の施工手順について説明する。
予め、コンクリート床版11(図1)が乾燥収縮する向き、および大きさを予測した後、図2に示すように、乾燥収縮する分だけ、乾燥収縮する方向とは反対の方向、すなわち図2の左方向に、例えばジャッキ等の部材を用いて下側の取付部材31に対して上側の取付部材32を強制的に変位させてから、対応する開口部421A,422A間にボルト部材43を挿通させることにより、下側の取付部材31と上側の取付部材32とを保持状態としておく。そして、この保持状態の免震装置20を地盤Gの掘削孔G1上に固定する。
【0018】
ここで、コンクリートが初期硬化する際の乾燥収縮の予測について説明する。
コンクリート床版11は、水平方向に拡がった板状体と考えることができるため、前述した乾燥収縮量は、高さ寸法を無視した水平方向の長さ寸法に基づいて、一般的に知られた数式1:収縮量(mm)=コンクリート床版の長さ寸法L(mm)×200〜300×10−6から求めることができる。
【0019】
図3は、コンクリートの乾燥収縮量を説明するための模式図である。図3に示すコンクリート床版11では、コンクリート打設後に、図3に示す各頂点X1〜X4において乾燥収縮を引き起こす。図3のコンクリート床版を、例えば、長辺136.55×10mmで、短辺64.8×10mmの長方形状とすると、コンクリート床版の収縮量は下記の通り計算することができる。なお、下記計算では、収縮量(mm)=コンクリート床版の長さ寸法L(mm)×250×10−6の数式を用いている。
【0020】
短辺方向の収縮量A=64.8×10×250×10−6=16.2(mm)
長辺方向の収縮量B=136.55×10×250×10−6=34.1(mm)と求めることができる。
このため、短辺方向および長辺方向のいずれの方向においても、均等に収縮したと仮定すれば、図3に示す各頂点X1〜X4での収縮量AX,BXを、短辺方向の収縮量Aおよび長辺方向の収縮量Bの半分として計算することができる。すなわち、
各頂点での短辺方向への収縮量AX=16.2/2=8.1(mm)
各頂点での長辺方向への収縮量BX=34.1/2=17.1(mm)
従って、短辺方向への収縮量と長辺方向への収縮量を合成した方向への収縮量(ベクトル和)D=√(AX+BX)=18.9(mm)と計算することができ、乾燥収縮量と収縮方向を簡単に求めることができる。
【0021】
以上のようにして、乾燥収縮量に対応する寸法分だけ変位させた免震装置20を設置した後、図4に示すように、各免震装置20の上側の取付部材32上に跨るように、コンクリートを打設して上部構造体10のコンクリート床版11を構築する。
次に、コンクリート床版11のコンクリートが初期硬化した後、対応する開口部421A,422A間に挿通されたボルト部材43を除去するとともに、一対の取付部材21から第1の保持部材41および第2の保持部材42を取り外して、下側の取付部材31に対して上側の取付部材32が自由に変位可能な解除状態とする。
【0022】
このように下側の取付部材31に対して上側の取付部材32が自由に変位できるため、コンクリート床版11の水平方向への乾燥収縮に積層ゴム22が追従して、最終的には、図1に示すように、免震装置20を、下側の取付部材31と上側の取付部材32の水平方向の位置が略同一となった適正な状態とすることができる。このため、免震装置20の本来の免震性能を十分に発揮できる。
【0023】
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)予めコンクリート床版11を構成するコンクリートの乾燥収縮量に対応する分だけ乾燥収縮方向とは反対の方向に上側の取付部材32を下側の取付部材31に対して変位させた保持状態の免震装置20を、下側の取付部材31が地盤G側となるように地盤G上に配置するとともに、上側の取付部材32の上部にコンクリート床版11のコンクリートを打設し、このコンクリートが初期硬化した後に、保持部23を一対の取付部材21から取り外して免震装置20を解除状態とすることにより、コンクリート床版11が乾燥収縮した際に、下側の取付部材31に対して上側の取付部材32を本来の適正な位置、つまり、下側の取付部材31と上側の取付部材32の水平方向の位置が略同一となった適正な状態とすることができるため、免震装置20の本来の免震性能を十分に発揮できる。このため、乾燥収縮を考慮して変位可能範囲の大きい、免震性能の高い高価な免震装置を設置する場合に比べて、コスト高を抑えた上で十分な免震性能を発揮できる。
【0024】
(2)第1の保持部材41と第2の保持部材42とにそれぞれ開口部421A,422Aを形成して、これらの開口部421A,422Aを合致させてから、開口部421A,422Aにボルト部材43を挿通するだけで、簡単に、下側の取付部材31と上側の取付部材32とが水平方向に相対変位した保持状態とすることができ、また、保持部23を取り外すだけで簡単に解除状態とすることができる。このため、施工作業者の技能レベルに関わらず、免震建物1を容易に施工することができる。
【0025】
(3)第1の保持部材41と第2の保持部材42とにそれぞれ開口部421A,422Aを間隔をあけて複数形成したので、コンクリート床版11の寸法に合わせて、ボルト部材43を挿通させる開口部421A,422Aを適宜変更することにより、一対の取付部材21の相対変位量を簡単に調整できるため、寸法の異なる免震建物1にも簡単に対応させることができ、免震装置20の汎用性が向上する。
【0026】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されない。例えば、免震装置20を積層ゴム支承としたが、滑り系支承や、転がり系支承、以上の免震装置を複合した構造などを採用してもよく、要するに、互いに水平方向に変位可能な下側の取付部材31と上側の取付部材32とを有する免震装置であればよい。
【0027】
また、前記実施形態では、ジャッキ等の部材を別途用いて、下側の取付部材31に対して上側の取付部材32を変位させていたが、下側の取付部材31に対して上側の取付部材32を強制的に変位させるジャッキ等の部材を予め免震装置自体に組み込んでおいてもよい。この場合には、免震装置のみを準備するだけで、下側の取付部材31に対して上側の取付部材32を簡単に変位させることができる。
【0028】
また、第1の保持部材41と第2の保持部材42とにそれぞれ開口部421A,422Aを複数形成したが、相対変位させたい位置に、少なくとも1つ形成されていればよい。また、前記実施形態では、第1の保持部材41と第2の保持部材42とをそれぞれ断面L字状の部材としたが、その形状は特に限定されず、例えば、それぞれの部材41,42を断面コ字状等の他の形状としてもよい。
【0029】
また、前記実施形態では、乾燥収縮の大きさに相当する量だけ、上側の取付部材32と下側の取付部材31とを相対変位させたが、乾燥収縮量の70%や50%等の、乾燥収縮量に対して一定の比率とした分量だけ相対変位させるようにしてもよい。
さらに、コンクリートの収縮には、前記乾燥収縮の場合に限らず、クリープ変形や、温度変化による収縮等も含まれる。従って、これらの収縮量に基づいて、上側の取付部材32と下側の取付部材31との相対変位量を定めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る免震建物の要部を拡大して示す正面図である。
【図2】前記免震建物を構成する免震装置を示す正面図であり、一対の取付部材を相対変位させた状態を示している。
【図3】コンクリートの乾燥収縮量を説明するための模式図である。
【図4】前記免震装置の上にコンクリート床版が構築された部分を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 免震建物
10 上部構造体
11 コンクリート床版
20 免震装置
21 一対の取付部材
22 積層ゴム(免震装置本体)
23 保持部
31 下側の取付部材
32 上側の取付部材
41 第1の保持部材
42 第2の保持部材
43 ボルト部材
411,421 水平板
412,422 垂直板
412A,422A 開口部
A,AX,B,BX 収縮量
G 地盤
G1 掘削孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤と、コンクリート床板を備える上部構造体の前記コンクリート床板との間に設置され、前記地盤から前記上部構造体へ伝達される震動を抑えるための免震装置であって、
免震装置本体と、
この免震装置本体を前記地盤側および前記コンクリート床板側にそれぞれ取り付けるための一対の取付部材と、
前記一対の取付部材が水平方向に相対変位した位置で保持する保持状態と、前記一対の取付部材が水平方向に相対変位する解除状態とを選択的に実現可能な保持機構と、を備えることを特徴とする免震装置。
【請求項2】
請求項1に記載の免震装置において、
前記免震装置本体は、積層ゴム支承、滑り支承、または、転がり支承により構成されることを特徴とする免震装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の免震装置において
前記保持機構は、前記一対の取付部材のそれぞれから他方の取付部材側へ互いに重なり合うように延び、それぞれが開口部を有する一対の保持部材と、前記一対の取付部材の前記開口部の位置を合致させた状態でこれら開口部に挿通されるボルト部材と、を備えることを特徴とする免震装置。
【請求項4】
請求項3に記載の免震装置において、
前記一対の取付部材の少なくとも一方は複数の開口部を有し、どの開口部に前記ボルト部材を挿通させるかにより前記一対の取付部材の相対変位量を調整可能であることを特徴とする免震装置。
【請求項5】
コンクリート床板を有し、このコンクリート床板と地盤との間に、前記地盤から前記上部構造体へ伝達される震動を抑えるための免震装置が設置された免震建物の施工方法であって、
前記免震装置の設置位置における、前記コンクリート床板を構成するコンクリートの収縮の向き及び大きさを予測しておき、
前記免震装置を前記地盤上に設置するとともに、当該免震装置を、前記コンクリートの収縮の向きとは逆向きに、収縮の大きさに応じた量だけ水平方向に強制的に変位させ、
前記強制的に変位させた免震装置の上に前記コンクリート床板のコンクリートを打設し、
前記打設したコンクリートが初期硬化した後、前記免震装置を強制的に変位させた状態を解除することを特徴とする免震建物の施工方法。
【請求項6】
請求項5に記載の免震建物の施工方法により施工されたことを特徴とする免震建物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−97325(P2006−97325A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284520(P2004−284520)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(504365799)株式会社特殊構工法計画研究所 (26)
【Fターム(参考)】