説明

入力機能一体型液晶表示装置およびその製造方法。

【課題】安価で、表示部と入力部とを配置するために余計な部品を必要としない入力機能一体型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】透明導電膜による液晶表示用の電極である液晶表示用電極がそれぞれ形成されている一対の透明基板に液晶が挟持される液晶表示パネルを備え、前記一対の透明基板のいずれか一方の液晶表示用電極が形成されている面に、液晶表示用電極と同じ透明導電膜による投影型静電容量センサ用の電極である投影型静電容量センサ用電極が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影型静電容量センサーを利用した入力機能を液晶表示装置と一体化して備える入力機能一体型液晶表示装置および入力機能一体型液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置と入力装置とは別々のものであり、表示装置の傍らにボタン等の入力装置を配置するのが一般的であった(例えば、図15参照。)。図15は、表示装置と入力装置とが別々に設けられる例を示す説明図である。図15に示す例では、2枚の透明基板81,82に液晶83が挟持されてなる液晶パネルを備える表示装置70と、センサ用電極89が設けられた透明基板91を備える入力装置71とが、それぞれ独立した別の装置として配置されている。
【0003】
しかし、別の装置として配置する場合、表示装置と入力装置との間に両装置を組み込むための空間が必要となり、面積が大きくなるという問題がある。また、表示装置と入力装置とを横に並べる場合、表示部分(液晶表示用電極85が形成されている部分)と入力部分(センサ用電極89が形成されている部分)とを近づけることが難しいために、連続的に配置することができないという問題や、2つの装置を別々に製造しなければならないためコストがかかるという問題がある。
【0004】
面積を小さくする方法として、表示装置の上に透明な入力装置を載せる方法がある(例えば、図16参照。)。図16は、表示装置と入力装置とが別々に設けられる他の例を示す説明図である。図16に示す例では、2枚の透明基板81,82に液晶83が挟持されてなる液晶パネルを備える表示装置70の上(視認側)に、センサ用電極89が設けられた透明基板91を備える入力装置71が重なるように配置されている。
【0005】
また、透明な入力装置としては、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、表面弾性波方式、光方式などが提案されている。しかし、表示装置の上に透明な入力装置を載せる方法を採用したとしても、入力装置を別途設ける必要があり、コストが高いという問題がある。
【0006】
表示装置と入力装置とを別々に設けることによって生じるこのような問題を解決するために、表示装置と入力装置とを一体化する方法が考案されている。
【0007】
特許文献1には、表示部と入力部とを同一基板に作製する方法が記載されている。また、特許文献1には、実施例として、液晶表示装置と抵抗膜方式のタッチパネルが例示されている。
【0008】
また、特許文献2には、TFT(Thin Film Transistor)液晶のTFTを作製するプロセスで、同時に接触式のセンサも作製する方法が記載されている。
【0009】
また、特許文献3には、液晶表示装置の周辺部(タッチキーに相当する表示に近接している周辺部)に光を検出するフォトセンサを配置することによって、タッチ機能付き液晶表示装置を実現する方法が記載されている。
【0010】
また、特許文献4には、表示部には画素回路、センシング領域には静電容量検出用のセンシング回路を形成することによって、表示装置と入力装置とを一体化する方法が記載されている。指の加重により液晶層の厚みが変化し、それをセンシング回路が容量変化として感知する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−166574号公報
【特許文献2】特開2001−42296号公報
【特許文献3】特開2008−170837号公報
【特許文献4】特開2009−3414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に記載されているような、抵抗膜方式のタッチパネルを液晶表示装置の表示部と同一基板で作製する場合、基板に対して、スイッチするためにメカニカルな変形が要求される。すなわち、指で押す側の基板の厚みを薄くする必要がある。これにより、液晶表示装置の量産上の歩留まりが低下し、その分のコストがかかるという問題が生じる。
【0013】
なお、特許文献2および特許文献4に記載されている方法も、指の加重により液晶層の厚みが変化し、それをセンサが容量変化として感知する方法であることから、指で押す側の基板の厚みを薄くする必要があるという点で特許文献1と同様の問題がある。
【0014】
また、特許文献3に記載されている方法は、タッチキーに相当する表示をタッチした際に、外光の全部又は一部が遮られることに起因して検出される電流値を出力することによってタッチ位置(いずれのタッチキーにタッチしたのか)を検出する方法である。フォトセンサーが周囲環境の光も検知するため、環境の明るさによって検知のレベルを調整しなければならず、設定が難しいという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は、安価でコンパクトな(表示部と入力部とを配置するために余計な部品を必要としない)入力機能一体型液晶表示装置および入力機能一体型液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による入力機能一体型液晶表示装置は、透明導電膜による液晶表示用の電極である液晶表示用電極がそれぞれ形成されている一対の透明基板に液晶が挟持され、一対の透明基板のいずれか一方の液晶表示用電極が形成されている面に、液晶表示用電極と同じ透明導電膜による投影型静電容量センサ用の電極である投影型静電容量センサ用電極が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、入力機能一体型液晶表示装置は、一対の透明基板の少なくともいずれか一方の基板上の、液晶表示用電極と投影型静電容量センサ用電極との間に、ノイズ遮断用の電極が設けられていてもよい。
【0018】
また、入力機能一体型液晶表示装置は、投影型静電容量センサ用電極が形成されている領域上に、当該領域がセンサ位置であることを観察者に認識させるための固定表示の印刷が施されていてもよい。
【0019】
また、入力機能一体型液晶表示装置は、投影型静電容量センサ用電極が、液晶を封止するシール材よりも外側の位置に形成され、投影型静電容量センサ用電極が形成されていない透明基板は、投影型静電容量センサ用電極に対向する部位が欠落しているように形成されていてもよい。
【0020】
また、入力機能一体型液晶表示装置は、投影型静電容量センサ用電極が、液晶表示用電極の一部を囲う形状であってもよい。
【0021】
また、入力機能一体型液晶表示装置は、投影型静電容量センサ用電極が、液晶表示用電極の外周部の一部に近接するように配置されていてもよい。
【0022】
また、本発明による入力機能一体型液晶表示装置の製造方法は、透明導電膜による液晶表示用の電極である液晶表示用電極がそれぞれ形成されている一対の透明基板に液晶が挟持されてなる液晶パネルを有する液晶表示装置と、投影型静電容量センサ式入力装置とを一体化して備える入力機能一体型液晶表示装置の製造方法であって、液晶表示用電極を形成する工程で、一対の透明基板のいずれか一方の液晶表示用電極が形成されている面に、液晶表示用電極と同じ透明導電膜による投影型静電容量センサ用の電極である投影型静電容量センサ用電極を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、安価でコンパクトな入力機能一体型液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の例を示す模式的上面図である。
【図2】第1の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の構成例を示す模式的断面図である。
【図3】第1の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。
【図4】第2の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の例を示す模式的断面図である。
【図5】第2の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。
【図6】第2の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の他の例を示す模式的断面図である。
【図7】第3の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の例を示す模式的断面図である。
【図8】第3の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の例を示す模式的上面図である。
【図9】第3の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の他の例を示す模式的断面図である。
【図10】第3の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の他の例を示す模式的上面図である。
【図11】第4の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の他の例を示す模式的断面図である。
【図12】第4の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。
【図13】第5の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。
【図14】第5の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置のセンサ領域における配置例を示す説明図である。
【図15】表示装置と入力装置とが別の装置として構成される例を示す説明図である。
【図16】表示装置と入力装置とが別の装置として構成される例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の入力機能一体型液晶表示装置(以下、単に液晶表示装置という。)の例を示す模式的上面図である。また、図2は、図1に示す液晶表示装置の構成例を示す模式的断面図である。図1および図2に示す液晶表示装置は、それぞれ液晶表示電極部5が設けられた一対の透明基板1,2との間に液晶3を挟持する構成の液晶表示パネルを備える。なお、液晶3は、各透明基板1,2およびシール材4によって封止される。また、各透明基板1,2の外側の面には、それぞれ偏光板6が設けられている。
【0026】
各透明基板1,2は、例えば、ガラス基板である。以下、表示が視認される側(視認側と記す。)の透明基板1を視認側透明基板1といい、視認側透明基板1の対向基板である透明基板2を反視認側透明基板2と表現する場合がある。
【0027】
液晶表示電極部5は、透明電導膜、例えばITO(Indium Tin Oxide)により形成される液晶表示用の電極およびその引き廻し配線である。液晶表示電極部5の引き廻し配線は、図2に示す例では、ガラス基板2上に設けられている駆動用IC7に接続されている。また、駆動用IC7は、フレキシブル基板8を介して画像データの送信元となる制御基板等(図示せず。)に接続されている。
【0028】
なお、液晶表示装置の液晶表示パネルの種類は、特に限定されない。例えば、TN(Twisted Nematic)モードや、STN(Super-Twisted Nematic)モード、フイルム補償STNモード、DSTNモードであってもよい。また、誘電率異方性が負の液晶を用い、液晶と液晶表示電極部5(すなわち、電極形成層)との界面に垂直配向膜を設けた液晶表示パネルであってもよい。また、アクティブタイプやパッシブタイプのいずれでもよいが、パッシブタイプの方が低コストのためより好ましい。
【0029】
また、本実施形態では、視認側ガラス基板の液晶表示用電極部5が形成される面と同じ面に、投影型静電容量センサ用電極部9が設けられている。投影型静電容量センサ用電極部9は、当該投影型静電容量センサ用電極部9が設けられている位置に人間の指などの導電体が近づくことで発生する静電容量の変化を捉えてタッチ位置を検出するための電極であって、液晶表示電極部5と同じ透明導電膜により形成する。そのようにすることによって、同じ工程で作製することが可能となる。なお、投影型静電容量センサ用電極部9は、少なくとも液晶表示用電極部5の外周部の一部に近接する位置に配置される。
【0030】
投影型静電容量センサ用電極部9は、投影型静電容量センサ用IC(図示せず。)に接続されている。投影型静電容量センサ用電極部9に指が近づくことにより、指と投影型静電容量センサ用電極部9との間に容量が形成され、その変化を投影型静電容量センサ用ICが検知する。容量変化によって指の近づきを検知するため、指が直接に投影型静電容量センサ用電極部9に触れる必要はない。例えば、視認側透明基板1がガラス基板である場合、0.3mm〜3.0mmの厚みであればよい。
【0031】
また、図2では、投影型静電容量センサ用電極部9が、フレキシブル基板10を介して投影型静電容量センサ用ICが搭載された基板等に接続される例を示しているが、フレキシブル基板10上に投影型静電容量センサ用ICを搭載させてもよいし、視認側透明基板1あるいは反視認側透明基板2上に搭載させてもよい。
【0032】
また、図1及び図2ではバックライトを図示省略しているが、バックライトは、液晶表示電極部5が形成される領域(液晶表示部)だけでなく、投影型静電容量センサ用電極部9が形成される領域(投影型静電容量センサ部)にも照射するように設けられていてもよい。
【0033】
図3は、本実施形態の液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。なお、図3(a)は視認側透明基板1の電極配線例を示す説明図であり、図3(b)は反視認側透明基板2の電極配線例を示す説明図である。いずれも視認側から見た図として示している。従って、図3(a)は透視図である。本例では、図3(a),(b)に示す透明基板の電極配線面同士を対向させて重ね合わせる。すなわち、視認側透明基板1をそのまま横に移動させるようにして重ね合わせればよい。そうすると、液晶表示電極部5の電極配線の取り出し部となる駆動用IC7,フレキシブル基板8は、図3(a)の透明基板1の左側に位置し、投影型静電容量センサ用電極部9の電極配線の取り出し部は、図3(b)の透明基板2の右側に位置する。
【0034】
なお、図3に示す例では、液晶表示電極部5の電極配線の取り出し部と、投影型静電容量センサ用電極部9の電極配線の取り出し部とを別に設けているが、同じ場所に引き廻して1つのフレキシブル基板で取り出してもよい。本例では、視認側透明基板1に設けられる液晶表示電極部5の引き廻し配線は、導電性ビーズが含まれたシール材4によって反視認側透明基板1上の引き廻し配線に接続されるものとする。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、同一基板上に液晶表示電極部5と投影型静電容量センサ用電極部9とを形成することによって、液晶表示部と投影型静電容量センサ部とを近づけて配置させることができるとともに、部品点数や製造工程を増やすことなく、安価に、入力機能一体型液晶表示装置を製造することができる。なお、投影型静電容量センサ用電極部9が形成されていない反視認側基板2の投影型静電容量センサ用電極部9と対向する部位には、指と投影型静電容量センサ用電極部9との間の容量検出を精度よくするために、液晶表示電極部5を配設しないほうが好ましい。
【0036】
実施形態2.
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態の液晶表示装置(入力機能一体型液晶表示装置)の例を示す模式的断面図である。図4に示すように、本実施形態では、液晶表示電極部5と投影型静電容量センサ用電極部9との間に位置するように、ノイズ遮断用電極11を設ける。
【0037】
ノイズ遮断用電極11は、液晶表示電極部5に対する電圧印加によって投影型静電容量センサ用電極部9にノイズが生じる場合に、そのノイズを遮断するための電極であってグラウンドに接続される電極である。ノイズ遮断用電極11は、例えば、ITOにより形成されていればよい。
【0038】
図5は、本実施形態の液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。なお、図5(a)は視認側透明基板1の電極配線例を示す説明図(透視図)であり、図5(b)は反視認側透明基板2の電極配線例を示す説明図である。図5(a),(b)は、図3と同様、いずれも視認側から見た図として示している。図5に示すように、ノイズ遮断用電極11は、液晶表示電極部5と投影型静電容量センサ用電極部9との間に形成される。なお、ノイズ遮断用電極11は、少なくとも視認側透明基板1または反視認側透明基板2のいずれか一方の基板上に設けられていればよいが、両方の基板に設けられていることが好ましい。
【0039】
また、図6は、本実施形態の液晶表示装置の他の例を示す説明図(模式的断面図)である。本実施形態においては、図6に示すように、投影型静電容量センサ用電極部9を反視認側透明基板2上に形成することも可能である。
【0040】
実施形態3.
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図7および図8は、第3の実施形態の液晶表示装置(入力機能一体型液晶表示装置)の例を示す説明図である。なお、図7は、本実施形態の液晶表示装置の例を示す模式的断面図である。また、図8は、本実施形態の液晶表示装置の例を示す模式的上面図である。
【0041】
図7および図8に示すように、本実施形態では、視認側透明基板1の表側(視認側)の面)の、投影型静電容量センサ用電極部9が設けられているセンサ領域上に、BM印刷部12が形成されている。BM印刷部12は、観察者が当該領域がセンサ位置(タッチ可能位置)であることを認識させるような固定表示の印刷が施されていればよく、黒印刷(ブラックマスク印刷,BM印刷)に限らずその他の色の印刷であってもよい。
【0042】
BM印刷部12は、例えば、液晶パネル自体に線や周辺部を遮光する枠等の印刷が施されるようなデザインの液晶表示装置であれば、その印刷をする工程を利用して形成することが好ましい。そのような場合には、工数の削減が可能となる。なお、他の点に関しては、第1または第2の実施形態と同様であればよい。
【0043】
また、図9は、本実施形態の液晶表示装置の他の例を示す模式的断面図である。図9に示すように、BM印刷部12は、視認側透明基板2の裏側の面すなわち電極形成面に形成することも可能である。
【0044】
また、図10は、本実施形態の液晶表示装置の他の例を示す模式的上面図である。図10に示す例では、BM印刷部12は、各センサ領域において、固定表示の丸型のくり抜きをアイコンとして施している。そのような場合には、個々のくり抜き部に対してバックライト等で照射することにより、タッチ位置を指示するような制御を行うことも可能である。
【0045】
実施形態4.
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11および図12は、第4の実施形態の液晶表示装置(入力機能一体型液晶表示装置)の例を示す説明図である。なお、図11は、本実施形態の液晶表示装置の例を示す模式的断面図である。また、図12は、本実施形態の液晶表示装置の各透明基板上の電極配線の例を示す説明図である。なお、図12(a)は視認側透明基板1の電極配線例を示す説明図(透視図)であり、図12(b)は反視認側透明基板2の電極配線例を示す説明図である。図12(a),(b)は、図3と同様、いずれも視認側から見た図として示している。
【0046】
本実施形態の液晶表示装置では、投影型静電容量センサ用電極部9が、液晶を封止するシール材4よりも外側に位置するように形成されている。また、投影型静電容量センサ用電極部9が形成されていない透明基板2は、投影型静電容量センサ用電極部9に対向する部位が欠落しているように形成されている。すなわち、視認側透明基板1の投影型静電容量センサ用電極部9の形成領域は、反視認側透明基板2に対して突出して形成されており、かつ当該形成領域に対向する領域には透明基板2は存在しない。なお、他の点に関しては、第1〜第3の実施形態のいずれかと同様であればよい。
【0047】
投影型静電容量センサ用電極部9は、反視認側透明基板2がなくても上記で示した各実施形態と同様の効果を生じさせることができるので、基板の材料費を抑えることができる。
【0048】
実施形態5.
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図13は、第5の実施形態の液晶表示装置(入力機能一体型液晶表示装置)の例を示す説明図である。なお、図13(a)は視認側透明基板1の電極配線例を示す説明図(透視図)であり、図13(b)は反視認側透明基板2の電極配線例を示す説明図である。図13(a),(b)は、図3と同様、いずれも視認側から見た図として示している。
【0049】
本実施形態では、各センサ領域内に、液晶表示されるアイコン用電極5a,5bが形成されている。なお、アイコン用電極5a,5bは、いずれも液晶表示電極部5の一部である。例えば、アイコン用電極5aがコモン電極として駆動される液晶表示電極部5の一部として形成され、アイコン用電極5bがセグメント電極として駆動される液晶表示電極部5の一部として形成されていてもよい。
【0050】
図14は、あるセンサ領域における、BM印刷部12と、投影型静電容量センサ用電極部9と、アイコン用電極5a(コモン電極)と,アイコン用電極5b(セグメント電極)の配置例を示した説明図である。図14に示すように、本実施形態では、投影型静電容量センサ用電極部9は、各センサ領域内において、そのアイコン用電極5a,5b(それらの引き廻し配線を含む。)が存在する領域と接触しないように、その領域を囲うように(例えばその領域+α(隙間部分)の形状でくり抜かれるような形で)形成されていればよい。なお、他の構成については第1〜第3の実施形態のいずれかと同様でよい。
【0051】
アイコン用電極5a,5bを設けることによって、各センサ領域におけるBM印刷部12のくり抜き部に対して、液晶表示電極部5への電圧印加によって制御される液晶駆動により表示の制御を行うことができるため、より柔軟な表示が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、液晶表示装置の表示領域に近接した位置に、導電体のタッチによる入力機能を設けたい場合に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1,2 透明基板
3 液晶層
4 シール材
5 液晶表示電極部
5a,5b アイコン用電極
6 偏光板
7 駆動用IC
8 フレキシブル基板
9 投影型静電容量センサ用電極部
10 フレキシブル基板
11 ノイズ遮断用電極
12 BM印刷部
70 表示装置
71 入力装置
81, 82 (表示装置に用いられる)透明基板
83 液晶層
84 シール材
85 液晶表示用電極
86 偏光板
87 駆動用IC
88 フレキシブル基板
89 (入力装置における)センサ用電極
90 フレキシブル基板
91 (入力装置に用いられる)透明基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明導電膜による液晶表示用の電極である液晶表示用電極がそれぞれ形成されている一対の透明基板に液晶が挟持され、
前記一対の透明基板のいずれか一方の前記液晶表示用電極が形成されている面に、前記液晶表示用電極と同じ透明導電膜による投影型静電容量センサ用の電極である投影型静電容量センサ用電極が形成されている
ことを特徴とする入力機能一体型液晶表示装置。
【請求項2】
一対の透明基板の少なくともいずれか一方の基板上の、液晶表示用電極と投影型静電容量センサ用電極との間に、ノイズ遮断用の電極が設けられている
請求項1に記載の入力機能一体型液晶表示装置。
【請求項3】
投影型静電容量センサ用電極が形成されている領域上に、当該領域がセンサ位置であることを観察者に認識させるための固定表示の印刷が施されている
請求項1または請求項2に記載の入力機能一体型液晶表示装置。
【請求項4】
投影型静電容量センサ用電極が、液晶を封止するシール材よりも外側の位置に形成され、
前記投影型静電容量センサ用電極が形成されていない透明基板は、前記投影型静電容量センサ用電極に対向する部位が欠落しているように形成されている
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の入力機能一体型液晶表示装置。
【請求項5】
投影型静電容量センサ用電極が、液晶表示用電極の一部を囲う形状である
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の入力機能一体型液晶表示装置。
【請求項6】
投影型静電容量センサ用電極が、液晶表示用電極の外周部の一部に近接するように配置されている
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の入力機能一体型液晶表示装置。
【請求項7】
透明導電膜による液晶表示用の電極である液晶表示用電極がそれぞれ形成されている一対の透明基板に液晶が挟持されてなる液晶パネルを有する液晶表示装置と、投影型静電容量センサ式入力装置とを一体化して備える入力機能一体型液晶表示装置の製造方法であって、
液晶表示用電極を形成する工程で、
前記一対の透明基板のいずれか一方の前記液晶表示用電極が形成されている面に、前記液晶表示用電極と同じ透明導電膜による投影型静電容量センサ用の電極である投影型静電容量センサ用電極を形成する
ことを特徴とする入力機能一体型液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−43753(P2011−43753A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193256(P2009−193256)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】