説明

共鳴コイル保持部材、共鳴コイルユニット、及び、非接触電力伝送装置

【課題】共鳴コイルを大型化することなく安価に沿面放電を防止できる共鳴コイル保持部材、共鳴コイルユニット、及び、非接触電力伝送装置を提供する。
【解決手段】共鳴コイルユニット50のコイルボビン57には、共鳴コイル51の複数の巻回部55を互いに間隔をあけて固定する螺旋平面部59と、この螺旋平面部59の間に配置された螺旋凸条98と、が設けられており、この螺旋凸条98は、螺旋平面部59によって固定された共鳴コイル51の各巻回部55の間の沿面距離がこれら各巻回部55の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共鳴現象によって相手方コイルに電力を送信し又は相手方コイルから送信された電力を受信する共鳴コイルを保持する共鳴コイル保持部材、その共鳴コイル保持部材を有する共鳴コイルユニット、及び、その共鳴コイルユニットを有する非接触電力伝送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、電気自動車等が備える二次電池(以下、単に「バッテリ」という)の充電などにおいて、充電作業を容易にするために、プラグ接続等の物理的接続を必要としないワイヤレス(非接触)での電力伝送技術が用いられている。
【0003】
このようなワイヤレス電力伝送技術として、電磁誘導現象を利用した電磁誘導方式、電磁波を利用した電磁波送信方式、共鳴現象を利用した共鳴方式などが知られている。中でも、共鳴方式は、送信共鳴コイルに交流電力を供給して、電磁場を介して送信共鳴コイルと当該送信共鳴コイルに対向配置された受信共鳴コイルとを共鳴させて、電力を伝送する技術であり、数kWの大電力を比較的離れた場所間で伝送することが可能である。
【0004】
しかしながら、このような共鳴方式のワイヤレス電力伝送技術を、例えば、電気自動車のバッテリ充電システムなどの数kWから数十kWの大電力が伝送されるシステムに適用した場合、図13に示すように、共鳴状態になると共鳴コイルが有する管状に巻回されたコイル導線の端部あるいは端部近傍において高電圧が生じ、当該共鳴コイルを収容する、アースされたケースなどとの間で絶縁破壊が起きて火花放電が発生してしまうなどの問題があった。そして、このような問題を解決する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示されている共鳴コイル901は、図14に示すように、コイル導線910と絶縁性の樹脂920とを備えている。コイル導線910は、管状に複数回巻回されている。そして、この絶縁性の樹脂920が、コイル導線910の長手方向の端部910aに近いほど厚みが増すようにコイル導線910に被覆加工されているので、コイル導線910の端部910aにおける絶縁耐力を高めて火花放電を防止することができた。また、この共鳴コイル901のコイル導線910には、コイル導線910の巻回部間に一定の導線間ギャップが設けられており、コイル導線910の巻回部間での絶縁破壊による火花放電を防いでいた。
【0006】
そして、このような共鳴コイル901は、例えば、図15に示すように、絶縁性の合成樹脂を材料として円筒形状に形成されたコイルボビン940の外周面940aに、複数の巻回部915が互いに間隔をあけるように螺旋状に巻きつけられることにより保持され、コイルボビン940とともに電気自動車や充電装置に取り付けられていた。
【0007】
または、共鳴コイル901は、図16(a)に示すように、絶縁性の合成樹脂を材料として帯板状に形成された複数のリブ950によって、複数の巻回部915が互いに間隔をあけるようにそれら周方向の一部を数カ所保持されて、複数のリブ950とともに電気自動車や充電装置に取り付けられていた。このリブ950は、図16(b)に示すように、絶縁性の合成樹脂を材料として幅方向に二分割可能な帯板状に形成されており、長手方向に沿って共鳴コイル901の径と同一径の複数の固定孔953が設けられている。そして、共鳴コイル901は、このリブ950によって、それぞれの巻回部の周方向の一部がそれらに対応する孔953に嵌め込まれて、各巻回部間の導線間ギャップを保つようにして保持されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−73885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、共鳴コイル901は、上述したようなコイルボビン940やリブ950(即ち、共鳴コイル保持部材)によって保持されていたので、共鳴コイル901の一の巻回部915における外表面と、それに隣接する他の巻回部915における外表面と、がコイルボビン940の外周面940aやリブ950の表面を介して連なってしまい、そのため、これら巻回部間に生じる電圧によって、コイルボビン940の外周面940aやリブ950の表面を伝う沿面放電が生じてしまうおそれがあるという問題があった。また、このような沿面放電を防ぐために、共鳴コイル901の巻回部915間の導線間ギャップを大きくすると、共鳴コイル901が大型化してしまい、または、共鳴コイル901を型枠にいれて溶融樹脂を流し込むことにより樹脂で封止(即ち、樹脂モールド)すると、製造コストがかかってしまうという別の問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、共鳴コイルを大型化することなく安価に沿面放電を防止できる共鳴コイル保持部材、共鳴コイルユニット、及び、非接触電力伝送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、共鳴コイルの沿面放電の防止と小型化及び低コスト化とを両立すべく、共鳴コイル保持部材の構成について検討を重ねた結果、共鳴コイルの各巻回部間における電位差に基づいた適切な沿面距離を設けることで、小型形状でありながら安価に沿面放電を防止できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0012】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、共鳴現象によって相手方コイルに電力を送信し又は相手方コイルから送信された電力を受信する複数回巻回された共鳴コイルを保持する共鳴コイル保持部材であって、ベース部と、前記ベース部に設けられ、前記共鳴コイルの複数の巻回部を互いに間隔をあけて固定するコイル固定部と、前記ベース部における前記コイル固定部の間に設けられた凸形状、凹形状、又は、これらを組み合わせた形状からなる巻回部間沿面距離延伸部と、を有し、前記各巻回部の間の沿面距離が前記各巻回部の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように、前記巻回部間沿面距離延伸部が形成されていることを特徴とする共鳴コイル保持部材である。
【0013】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記共鳴コイルが、管状に複数回巻回され、前記ベース部が、円筒形状又は円柱形状に形成され、前記コイル固定部が、前記ベース部の外周面又は内周面に螺旋状に設けられ、前記巻回部間沿面距離延伸部が、前記ベース部の外周面又は内周面に前記コイル固定部に平行な螺旋状に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記ベース部が、前記共鳴コイルの周方向に互いに間隔をあけて配置される、複数の部分ベース部を有し、前記複数の部分ベース部のそれぞれが、前記コイル固定部と前記巻回部間沿面距離延伸部と、を有していることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記共鳴コイルが、渦巻き状に複数回巻回され、前記ベース部が、互いに接合される第1平板部材と第2平板部材とを有し、前記コイル固定部が、前記第1平板部材の接合面に渦巻き状に設けられた第1固定部分と、前記第1固定部分に対応して前記第2平板部材の接合面に渦巻き状に設けられるとともに前記第1固定部分との間で前記各巻回部を狭持する第2固定部分と、を有し、前記巻回部間沿面距離延伸部が、前記第1平板部材の接合面に前記第1固定部分に平行な渦巻き状に設けられた第1延伸部分と、前記第1延伸部分に対応して前記第2平板部材の接合面に前記第2固定部分に平行な渦巻き状に設けられるとともに前記第1延伸部分と噛み合うように形成された第2延伸部分と、を有していることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に記載された発明は、上記目的を達成するために、共鳴現象によって相手方コイルに電力を送信し又は相手方コイルから送信された電力を受信する複数回巻回された共鳴コイルと、前記共鳴コイルを保持する共鳴コイル保持部材と、を有する共鳴コイルユニットにおいて、前記共鳴コイル保持部材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共鳴コイル保持部材であることを特徴とする共鳴コイルユニットである。
【0017】
請求項6に記載された発明は、上記目的を達成するために、共鳴現象によって電力を送信する送信共鳴コイルユニットと、前記送信共鳴コイルユニットから送信された電力を受信する受信共鳴コイルユニットと、を有する非接触電力伝送装置において、前記送信共鳴コイルユニット及び前記受信共鳴コイルユニットの少なくとも一方が、請求項5に記載の共鳴コイルユニットであることを特徴とする非接触電力伝送装置である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載された発明によれば、ベース部には、共鳴コイルの複数の巻回部を互いに間隔をあけて固定するコイル固定部と、このコイル固定部の間に配置された凸形状、凹形状、又は、これらを組み合わせた形状からなる巻回部間沿面距離延伸部と、が設けられており、この巻回部間沿面距離延伸部は、コイル固定部によって固定された共鳴コイルの各巻回部の間の沿面距離がこれら各巻回部の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように形成されているので、巻回部間沿面距離延伸部によって、共鳴コイルの各巻回部間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができるとともに、一の基準(即ち、上記最大の電位差)に基づき巻回部間沿面距離延伸部の形状を同一形状として容易に形成することができ、そのため、共鳴コイルを大型化することなく、樹脂モールドなどを不要として安価に、沿面放電を防止できる。
【0019】
請求項2に記載された発明によれば、円筒形状又は円柱形状に形成されたベース部の外周面又は内周面に、螺旋状のコイル固定部と、このコイル固定部に平行な螺旋状の巻回部間沿面距離延伸部と、が設けられているので、管状に複数回巻回された共鳴コイル全体をベース部の外周面又は内周面に保持し、そのため、各巻回部の間隔を維持した状態で共鳴コイルを確実に保持できる。
【0020】
請求項3に記載された発明によれば、ベース部が、共鳴コイルの周方向に互いに間隔をあけて配置される、複数の部分ベース部を有し、これら複数の部分ベース部のそれぞれが、コイル固定部と巻回部間沿面距離延伸部と、を有しているので、これら複数の部分ベース部によって共鳴コイルの複数の巻回部の周方向の一部を数カ所保持することができ、そのため、共鳴コイル全体を保持する構成に比べて使用する材料を少なくすることができ、軽量化及び低コスト化できる。
【0021】
請求項4に記載された発明によれば、ベース部が、互いに接合される第1平板部材と第2平板部材とを有し、コイル固定部が、第1平板部材の接合面に渦巻き状に設けられた第1固定部分と、第1固定部分に対応して前記第2平板部材の接合面に渦巻き状に設けられるとともにこの第1固定部分との間で渦巻き状の共鳴コイルの各巻回部を狭持する第2固定部分と、を有し、巻回部間沿面距離延伸部が、第1平板部材の接合面に第1固定部分に平行な渦巻き状に設けられた第1延伸部分と、第1延伸部分に対応して第2平板部材の接合面に第2固定部分に平行な渦巻き状に設けられるとともに第1延伸部分と噛み合うように形成された第2延伸部分と、を有しているので、渦巻き状に複数回巻回された共鳴コイルの各巻回部が第1固定部分と第2固定部分との間に狭持されて固定されるとともに、第1延伸部分と第2延伸部分とが互いに噛み合って各巻回部を仕切り、そのため、予め成形された第1平板部材と第2平板部材との間に共鳴コイルを挟むことにより、沿面距離を確保しつつ共鳴コイルを安価且つ簡易に封止することができ、そのため、共鳴コイルへの接触による感電事故などを防止できる。
【0022】
請求項5に記載された発明によれば、共鳴コイルユニットが有する共鳴コイル保持部材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共鳴コイル保持部材であるので、この共鳴コイル保持部材が有する巻回部間沿面距離延伸部によって、共鳴コイルの各巻回部間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができ、そのため、共鳴コイルを大型化することなく沿面放電を安価に防止できる。
【0023】
請求項6に記載された発明によれば、非接触電力伝送装置が有する送信共鳴コイルユニット及び受信共鳴コイルユニットの少なくとも一方が、請求項5に記載の共鳴コイルユニットであるので、この共鳴コイルユニットの共鳴コイル保持部材が有する巻回部間沿面距離延伸部によって、共鳴コイルの各巻回部間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができ、そのため、共鳴コイルを大型化することなく沿面放電を安価に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態の共鳴コイルユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の共鳴コイルユニットの軸方向に沿う断面図である。
【図3】(a)は、図1の共鳴コイルユニットの螺旋凸条の断面形状(くさび形状)を示す拡大断面図であり、(b)は、(a)の螺旋凸条の第1の変形例の構成(断面矩形状)を示す拡大断面図であり、(c)は、(a)の螺旋凸条の第2の変形例の構成(先端が半円状で基端が方形状の断面形状)を示す拡大断面図であり、(d)は、(a)の螺旋凸条に代わる螺旋溝部の断面形状を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の共鳴コイルユニットを示す斜視図である。
【図5】(a)は、図4の共鳴コイルユニットが備えるリブの正面図であり、(b)は、(a)のII−II線に沿う断面図であり、(c)は、(a)のリブの背面図であり、(d)は、(a)のリブの側面図である。
【図6】図4の共鳴コイルユニットの変形例の構成(平板状の共鳴コイル)を示す正面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の共鳴コイルユニットを示す斜視図である。
【図8】(a)は、図7の共鳴コイルユニットの第1平板部材をその接合面側から見た図であり、(b)は、図7の共鳴コイルユニットの第2の平板部材をその接合面側から見た図である。
【図9】(a)は、図7のIV−IV線に沿う拡大断面図であり、(b)は、図7の共鳴コイルユニットの第1延伸部分及び第2延伸部分の変形例の構成(断面凹凸形状を示す拡大断面図である。
【図10】本発明の非接触電力伝送装置の一実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置の構成を示す説明図である。
【図11】図10のワイヤレス電力伝送装置のブロック図である。
【図12】共鳴型電力伝送方式の原理を示す説明図である。
【図13】共鳴コイルにおける、共鳴状態での電圧分布を模式的に示す図である。
【図14】従来の共鳴コイルの構成を示す部分拡大断面図である。
【図15】従来の共鳴コイルユニットの一例を示す斜視図である。
【図16】(a)は、従来の共鳴コイルユニットの他の一例を示す斜視図であり、(b)は、(a)の共鳴コイルユニットのリブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(共鳴コイルユニットの第1の実施形態)
以下、本発明の共鳴コイルユニットの第1の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0026】
共鳴コイルは、共鳴現象を利用して、対向配置された相手方コイルに電力を送信し又は前記相手方コイルから送信された電力を受信するのに用いられる。このような共鳴コイルは、共鳴コイル保持部材によって保持されることにより、電気自動車や充電装置に取り付けられる。
【0027】
本発明の第1の実施形態に係る共鳴コイルユニット50は、図1、図2に示すように、共鳴コイル51と、共鳴コイル保持部材56と、を備えている。
【0028】
共鳴コイル51は、例えば、直径5mmの銅線を管状(ソレノイド)に複数回(n回)巻回した、直径Dが600mm、長さLが200mmの空心の螺旋コイルである。この共鳴コイル51には、複数の円形部分(1ターン)である巻回部55[1]〜55[n]が設けられている。共鳴コイル51の一の巻回部55[k]とそれに隣接する他の巻回部55[k+1](k:1〜n−1)との間(以下、単に巻回部55間という)には、これら巻回部55間で絶縁破壊(空気中の放電)が起きないようにするために必要な導線間ギャップが設けられている。この導線間ギャップの大きさは、各巻回部55間で同一にされている。本実施形態において、共鳴コイル51は銅線がむき出しの状態であるが、例えば、塩化ビニル系やポリアミド系などの合成樹脂からなる絶縁被覆で銅線の外周面を覆った構成としてもよい。
【0029】
共振状態における共鳴コイル51の電圧分布を図13に示す。そして、この図13から明らかなように、共鳴コイル51における単位距離間の電位差(即ち、グラフの傾き)は、共鳴コイル51の長手方向中央部(即ち、グラフの原点)ほど大きく、長手方向両端部に近づくにしたがって小さくなる。つまり、管状に巻回された共鳴コイル51は、箇所によって巻回部55間の電位差が異なり、具体的には、その軸方向(即ち、長さL方向)中央部ほど巻回部55間の電位差が大きく、軸方向両端部に近づくにしたがって巻回部55間の電位差が小さくなる。
【0030】
共鳴コイル保持部材56は、ベース部としてのコイルボビン57と、巻回部間沿面距離延伸部としての螺旋凸条58と、コイル固定部としての螺旋平面部59と、を備えている。
【0031】
コイルボビン57は、絶縁性の合成樹脂を用いて円筒形状で、その外径が共鳴コイル51の径と略同一に形成されている。コイルボビン57は、その一端面が、電気自動車の車体や充電装置のケースなどの平面部である基部Kに取り付けられており、該基部Kに垂直に立設されている。なお、コイルボビン57は、円柱形状であってもよい。
【0032】
螺旋凸条58は、コイルボビン57の外周面57aを周方向に沿って旋回する螺旋状に設けられている。螺旋凸条58の複数の螺旋部分(即ち、1ターン)58aは、等間隔に配置されている。螺旋凸条58は、図3(a)に示すように、断面形状が全長にわたって同一のくさび形状となるように形成されている。なお、このような螺旋凸条58に代えて、例えば、図3(b)に示すように、断面矩形状の螺旋凸条58Aや、図3(c)に示すように、先端が半円状で基端が方形状の断面形状の螺旋凸条58Bなどを設けてもよく、本発明の目的に反しない限り、螺旋凸条58の断面形状は任意である。
【0033】
また、本実施形態においては、螺旋凸条58を設けるものであったが、このような螺旋凸条58に代えて、図3(d)に示すように、螺旋溝部58Dを、コイルボビン57の外周面57aを周方向に沿って旋回するように螺旋状に設けた構成でもよい。この螺旋溝部58Dは、その内面が沿面距離確保のために機能するように、その幅が定められている(例えば、1mm以上など)。また、螺旋溝部58Dの断面形状も、上記螺旋凸条58と同様に任意である。なお、本明細書において、沿面距離とは、絶縁物の表面に沿って測定した2つの導電部間(巻回部間)の最短距離のことをいう。
【0034】
螺旋平面部59は、コイルボビン57の外周面57aにおける螺旋凸条58によって螺旋状に仕切られた部分である。螺旋平面部59と螺旋凸条58とは、それぞれコイルボビン57の外周面57aに互いに平行な螺旋状に設けられている。つまり、螺旋凸条58の螺旋部分58aと螺旋平面部59の螺旋部分59aとは、コイルボビン57の軸方向(図1の上下方向)に沿って交互に配置されており、換言すると、螺旋凸条58は、螺旋平面部59の間に設けられている。
【0035】
螺旋平面部59には、その幅方向中央部に、共鳴コイル51の外周面の一部に密着するように断面円弧状の曲面に掘り下げて形成された螺旋状の溝部59bが、全長にわたって設けられている。この溝部59bにおける互いに隣接する螺旋部分の間隔は、共鳴コイル51の巻回部55の間隔に合わせられている。そして、共鳴コイル51は、溝部59bに沿って巻き付けられることにより、コイルボビン57の外周面57aに固定される。つまり、螺旋平面部59は、共鳴コイル51の複数の巻回部55を互いに間隔をあけて固定する。
【0036】
上述した螺旋凸条58は、図13の共鳴コイル51の電圧分布から求められる各巻回部55間に生じる電位差のうち最大の電位差に応じて、コイルボビン57の外周面57aからの高さや先端の角度など(即ち、形状)が定められている。即ち、各巻回部55間の沿面距離が、各巻回部55間に上記最大の電位差が生じた場合でも各巻回部55間に沿面放電が生じない長さ、即ち、上記最大の電位差に応じた長さになるように、螺旋凸条58が形成されている。このような沿面放電が生じない沿面距離としては、所定の安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格等)などで定められている値を用いている。
【0037】
共鳴コイル保持部材56は、コイルボビン57の外周面57aに設けられた螺旋平面部59の溝部59bに沿って共鳴コイル51が巻き付けられる。これにより、共鳴コイル51の各巻回部55は、外周面57a上に互いに間隔をあけて固定されるとともに、螺旋凸条58によって互いの間を仕切られて、各巻回部55間の沿面距離が確保される。
【0038】
以上より、本実施形態によれば、コイルボビン57には、共鳴コイル51の複数の巻回部55を互いに間隔をあけて固定する螺旋平面部59と、この螺旋平面部59の間に配置された螺旋凸条58と、が設けられており、この螺旋凸条58は、螺旋平面部59によって固定された共鳴コイル51の各巻回部55の間の沿面距離がこれら各巻回部55の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように形成されているので、螺旋凸条58によって、共鳴コイル51の各巻回部55間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができるとともに、一の基準(即ち、上記最大の電位差)に基づき螺旋凸条58の断面形状を全長にわたって同一のくさび形状として容易に形成することができ、そのため、共鳴コイル51を大型化することなく、樹脂モールドなどを不要として安価に、沿面放電を防止できる。
【0039】
また、円筒形状に形成されたコイルボビン57の外周面57aに、螺旋平面部59と、この螺旋平面部59に平行な螺旋凸条58と、が設けられているので、コイルボビン57の外周面57aに管状に複数回巻回された共鳴コイル51全体を保持し、そのため、各巻回部55の間隔を維持した状態で共鳴コイル51を確実に保持できる。
【0040】
本実施形態では、共鳴コイル51を、コイルボビン57の外周面57aに固定するものであったが、これに限定されるものではなく、コイルボビン57の内周面57bに、上述した螺旋凸条58と螺旋平面部59と同様のものを設けて、この内周面57bに、共鳴コイル51を固定するようにしてもよい。このようにすることで、共鳴コイル51の露出がなくなり、共鳴コイル51への接触による感電事故などを防止できる。また、円筒形状のコイルボビン57に、円形管状の共鳴コイル51を巻き付けて構成していたが、これに限定されるものではなく、例えば、角筒形状のコイルボビンに、当該角筒形状に沿った角形管状の共鳴コイルを巻き付けて構成するなど、本発明の目的に反しない限り、コイルボビンおよび共鳴コイルの形状は任意である。
【0041】
(共鳴コイルユニットの第2の実施形態)
次に、本発明の共鳴コイルユニットの第2の実施形態について、図4〜図6を参照して説明する。
【0042】
各図に示す本発明の第2の実施形態に係る共鳴コイルユニット50Bは、共鳴コイル51と、共鳴コイル保持部材60と、を備えている。なお、共鳴コイル51については、上述した第1の実施形態のものと同一であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0043】
共鳴コイル保持部材60は、図4に示すように、ベース部としてのベースユニット61を備えている。このベースユニット61は、電気自動車の車体や充電装置のケースに取り付けられる平板状の基部62と、この基部62に、共鳴コイル51の各巻回部55の周方向に沿って間隔をあけて立設される複数の部分ベース部としての複数のリブ63と、を備えている。本実施形態においてリブ63の数は4つで、これらは等間隔で配置される。勿論、リブ63の数は、2、3、8等と、固定強度を保つことができるならば、その数は構成に応じて任意である。
【0044】
リブ63は、図5(a)〜(d)に示すように、互いに組み合わされた第1部材64と、第2部材69と、を備えている。
【0045】
第1部材64は、第1本体部65と、巻回部間沿面距離延伸部としての複数のフランジ部67と、複数の固定平面部68と、を備えている。
【0046】
第1本体部65は、絶縁性の合成樹脂を用いて帯板状(即ち、棒状)に形成されており、その長手方向の一端が基部62の平面上に取り付けられて、該基部62に垂直に立設されている。
【0047】
複数のフランジ部67は、第1本体部65の外周面全周にわたり壁状(凸形状)に、即ち、フランジ状に設けられている。複数のフランジ部67は、互いに等間隔に配置されている。複数のフランジ部67は矩形板状で且つそれぞれが同一形状であり、第1本体部65と一体に形成されている。
【0048】
複数の固定平面部68は、第1本体部65の一平面部65aにおける複数のフランジ部67によって仕切られた複数の部分である。複数の固定平面部68は、一平面部65aの全長方向(図5(a)の上下方向)に沿って互いに間隔をあけて設けられている。
【0049】
これら複数の固定平面部68には、共鳴コイル51の外周面の一部に密着するように断面円弧状の曲面に掘り下げて形成された溝部68aが設けられている。各溝部68aの間隔は、共鳴コイル51の巻回部55の間隔に合わせられている。また、固定平面部68に巻回部55が配置されたときに巻回部55が当該固定平面部68を仕切るフランジ部67に接触しないように、固定平面部68の幅(即ち、各フランジ部67の間隔)が共鳴コイル51の直径より大きく形成されている。
【0050】
上述した複数のフランジ部67は、図13の共鳴コイル51の電圧分布から求められる各巻回部55間に生じる電位差のうち最大の電位差に応じて、第1本体部65の外表面からの高さやその厚み(即ち、形状)が定められている。即ち、各巻回部55間の沿面距離が、各巻回部55間に上記最大の電位差が生じた場合でも各巻回部55間に沿面放電が生じない長さ、即ち、上記最大の電位差に応じた長さになるように、複数のフランジ部67が形成されている。このような沿面放電が生じない沿面距離としては、所定の安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格等)などで定められている値を用いている。
【0051】
また、フランジ部67は、その形状により、第1本体部65の一平面部65aを経由した沿面距離以外にも、一平面部65aの幅方向に相対する端面65b、65cや一平面部65aの反対側の他平面部65dを経由した沿面距離についても適切に確保することができる。
【0052】
第2部材69は、絶縁性の合成樹脂を用いて第1部材64の第1本体部65と同一長さの帯板状(即ち、棒状)に形成された第2本体部70を備えている。この第2本体部70の一平面部70aには、全長方向に沿って複数の固定平面部68に対応して配置された角柱状の複数の凸部71が立設されている。複数の凸部71は、それぞれが複数のフランジ部67の間に挿入可能な大きさで且つ同一形状であり、第2本体部70と一体に形成されている。また、複数の凸部71によって、それらの間には溝72が形成されている。
【0053】
第1部材64と第2部材69とを組み合わせたときに、複数のフランジ部67の間に複数の凸部71が挿入されて、複数の固定平面部68と複数の凸部71とが互いに向き合い、固定平面部68の溝部68aと凸部71の先端面71aとの間に共鳴コイル51の各巻回部55を互いに間隔をあけて狭持(即ち、固定)する。つまり、複数の固定平面部68と複数の凸部71とで、請求項中のコイル固定部を構成している。また、複数のフランジ部67は、複数の固定平面部68及び複数の凸部71の各組と交互に配置されており、つまり、複数のフランジ部67は、複数の固定平面部68及び複数の凸部71の各組(即ち、コイル固定部)の間に設けられている。
【0054】
上述したリブ63は、第1部材64の複数の固定平面部68の溝部68aに、共鳴コイル51の複数の巻回部55を載置したのち、第1部材64と第2部材69とを、それぞれの一平面部65aと一平面部70aとが相対するようにして互いに組み合わせて、これらをネジや係止爪などの図示しない固定手段で互いに結合することにより組み立てられる。
【0055】
このとき、第1部材64の複数のフランジ部67の間に第2部材69の複数の凸部71が挿入されて、複数の固定平面部68と複数の凸部71との間に、共鳴コイル51の各巻回部55が互いに間隔をあけて狭持されて固定される。また、複数のフランジ部67における一平面部70aを向く縁部が、第2部材69の溝72に挿入されて、互いに噛み合うように配置される。共鳴コイル51の巻回部55は、複数の固定平面部68と複数の凸部71とに狭持されたときに複数のフランジ部67に接触しないように配置されている。このようにして、共鳴コイル51の各巻回部55の周方向の一部がリブ63によって保持されるとともに、各巻回部55が複数のフランジ部67によって仕切られて、各巻回部55間の沿面距離が確保される。
【0056】
そして、複数のリブ63は、共鳴コイル51の周方向に沿って等間隔に配置されており、それぞれが共鳴コイル51の巻回部55の周方向の一部を保持することにより、共鳴コイル51を基部62に固定する。
【0057】
以上より、本実施形態によれば、ベースユニット61が備える複数のリブ63には、共鳴コイル51の複数の巻回部55を互いに間隔をあけて固定する複数の固定平面部68及び複数の凸部71と、複数の固定平面部68及び複数の凸部71の各組の間に配置された複数のフランジ部67と、が設けられており、複数のフランジ部67は、複数の固定平面部68及び複数の凸部71によって固定された共鳴コイル51の各巻回部55の間の沿面距離がこれら各巻回部55の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように形成されているので、複数のフランジ部67によって、共鳴コイル51の各巻回部55間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができるとともに、一の基準(即ち、上記最大の電位差)に基づき複数のフランジ部67の形状をそれぞれ同一形状として容易に形成することができ、そのため、共鳴コイル51を大型化することなく、樹脂モールドなどを不要として安価に、沿面放電を防止できる。
【0058】
また、ベースユニット61が、共鳴コイル51の周方向に互いに間隔をあけて配置される、複数のリブ63を有し、これら複数のリブ63のそれぞれが、複数の固定平面部68及び複数の凸部71と、複数のフランジ部67と、を有しているので、これら複数のリブ63によって共鳴コイル51の複数の巻回部55の周方向の一部を数カ所保持することができ、そのため、共鳴コイル51全体を保持する構成に比べて使用する材料を少なくすることができ、軽量化及び低コスト化できる。
【0059】
なお、複数のリブ63は、上述した構成に限定されるものではない。リブ63は、例えば、第1部材64を、第2部材69と同形状に形成し、そして、第1部材64の凸部と第2部材69の凸部71とを互いに向き合わせてこれら凸部によって共鳴コイル52の各巻回部55を狭持するようにして、第1部材64と第2部材69とを固定手段で互いに結合する、ような構成でも良い。このときの、第1部材64及び第2部材69のそれぞれにおける各凸部が、請求項中のコイル固定部に相当し、各溝が、請求項中の巻回部間沿面距離延伸部に相当する。
【0060】
本実施形態においては、管状(螺旋状)に複数回巻回された共鳴コイル51を有するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、平板状(渦巻き状)に複数回巻回された共鳴コイル52を有するものであってもよい。この場合、上述した複数のリブ63を、基部62の平面に沿うように配置して、平板状の共鳴コイル52を保持する。また、この場合、リブ63の複数の固定平面部68及び複数の凸部71や複数のフランジ部67などを、共鳴コイル52の各巻回部55の円弧に沿って湾曲して設けるなどしてもよい。また、共鳴コイルは、角形管状や角形平板状に複数回巻回された共鳴コイルを有するものであってもよく、本発明の目的に反しない限り、共鳴コイルの形状は任意である。なお、「渦巻き状」とは、管状に対する言葉として用いており、「平板状」であることを意味する。
【0061】
(共鳴コイルユニットの第3の実施形態)
次に、本発明の共鳴コイルユニットの第3の実施形態について、図7〜図9を参照して説明する。
【0062】
各図に示す本発明の第3の実施形態に係る共鳴コイルユニット50Dは、共鳴コイル52と、共鳴コイル保持部材76と、を備えている。
【0063】
共鳴コイルユニットとして、共鳴コイル全体を絶縁材でモールドした構成がある。このような構成とした場合、製造後に共鳴コイルを取り出すことができないので、共振周波数等の調整のための共鳴コイルの長さ調整を行うことができない。そのため、共鳴コイルを内包する絶縁材を分割構造にすることで、製造後にも容易に共鳴コイルを取り外すことができるようにしていた。しかしながら、絶縁材を分割構造にすることで、各分割部分を互いに密着させても、分割面を経由して沿面放電が発生してしまうという問題があった。そして、本実施形態は、このような問題の解決に適したものである。
【0064】
共鳴コイル52は、図7に示すように、例えば、直径5mmの銅線を平板状(渦巻き状)に複数回(n回)巻回した、内径D1が450mm、外径D2が600mm、空心コイルである。この共鳴コイル52には、複数の円形部分(1ターン)である巻回部55[1]〜55[n]が設けられている。共鳴コイル52の一の巻回部55[k]とそれに隣接する他の巻回部55[k+1](k:1〜n−1)との間(以下、単に巻回部55間という)には、これら巻回部55間で絶縁破壊が起きないようにするために必要な導線間ギャップが設けられている。この導線間ギャップの大きさは、各巻回部55間で同一にされている。本実施形態において、共鳴コイル52は銅線がむき出しの状態であるが、例えば、塩化ビニル系やポリアミド系の材料からなる絶縁被覆で銅線の外周面を覆った構成としてもよい。
【0065】
共振状態における共鳴コイル52の電圧分布は、上述した共鳴コイル51の電圧分布と同様であり、図13に示す。そして、この図13から明らかなように、共鳴コイル52における単位距離間の電位差(即ち、グラフの傾き)は、共鳴コイル52の半径方向中央部(即ち、グラフの原点であり、共鳴コイル52の内縁と外縁との中間点)ほど大きく、半径方向両端部(即ち、グラフの両端であり、共鳴コイル52の内縁又は外縁)に近づくにしたがって小さくなる。つまり、平板状に巻回された共鳴コイル52は、箇所によって巻回部55間の電位差が異なり、具体的には、その半径方向中央部ほど巻回部55間の電位差が大きく、半径方向両端部に近づくにしたがって巻回部55間の電位差が小さくなる。
【0066】
共鳴コイル保持部材76は、互いに接合される第1平板部材81と第2平板部材91とからなるベース部77を備えている。
【0067】
第1平板部材81は、絶縁性の合成樹脂を用いて、平面視正方形状の平板状でその正方形状の一辺長さが共鳴コイル52の外径より大きくなるように形成されている。つまり、第1平板部材81は、その接合面81aに共鳴コイル52を重ねたときに、共鳴コイル52が接合面81a内に含まれるように形成されている。第1平板部材81の接合面81aには、図8(a)に示すように、第1延伸部分82と、第1固定部分85と、が設けられている。
【0068】
第1延伸部分82は、接合面81aに設けられた凸条であり、接合面81aの中央部から外縁に向かって旋回する渦巻き状に設けられている。第1延伸部分82の複数の螺旋部分(即ち、1ターン)82aは、等間隔に配置されている。第1延伸部分82は、図9(a)に示すように、断面形状が全長にわたって同一のくさび形状となるように形成されている。なお、このような第1延伸部分82に代えて、例えば、図9(b)に示すように、断面矩形状の凸条と断面矩形状の凹条とを組み合わせた形状の第1延伸部分82Aなどを設けてもよく、本発明の目的に反しない限り、第1延伸部分82の形状は任意である。
【0069】
第1固定部分85は、接合面81aにおける第1延伸部分82によって渦巻き状に仕切られた部分である。第1固定部分85と第1延伸部分82とは、それぞれ接合面81aに互いに平行な螺旋状に設けられている。つまり、第1延伸部分82の螺旋部分82aと第1固定部分85の螺旋部分85aとは、接合面81aの中心から外縁に向かう方向(即ち、半径方向)に沿って交互に配置されており、換言すると、第1延伸部分82は、第1固定部分85の間に設けられている。
【0070】
第1固定部分85には、その幅方向中央部に、共鳴コイル52の外周面の一部に密着するように断面円弧状の局面に掘り下げて形成された渦巻き状の溝部85bが、全長にわたって設けられている。この溝部85bにおける互いに隣接する螺旋部分の間隔は、共鳴コイル52の巻回部55の間隔に合わせられている。そして、共鳴コイル52は、溝部85bに沿って第1固定部分85上に配置される。
【0071】
第2平板部材91は、絶縁性の合成樹脂を用いて、第1平板部材81と同一の平面視正方形状の平板状に形成されている。勿論、第1平板部材81及び第2平板部材は、平面視正方形状の平板状以外の形状でも良い。第2平板部材91の接合面91aには、図8(b)に示すように、第2延伸部分92と、第2固定部分95と、が設けられている。
【0072】
第2延伸部分92は、接合面91aに設けられた凹条であり、上述した第1延伸部分82に対応して接合面91aの中央部から外縁に向かって旋回する渦巻き状に設けられている。第2延伸部分92の複数の螺旋部分(即ち、1ターン)92aは、等間隔に配置されている。第2延伸部分92は、図9(a)に示すように、断面形状が全長にわたって同一で且つ上述した第1延伸部分82と互いに噛み合うくさび形状となるように形成されている。なお、このような第2延伸部分92に代えて、例えば、図9(b)に示すように、断面矩形状の凸条と断面矩形状の凹条とを組み合わせた形状で且つ上述した第1延伸部分82Aと互いに噛み合うように形成された第2延伸部分92Aなどを設けてもよく、本発明の目的に反しない限り、第2延伸部分92の形状は任意である。
【0073】
第2固定部分95は、接合面91aにおける第2延伸部分92によって渦巻き状に仕切られた部分である。第2固定部分95と第2延伸部分92とは、それぞれ接合面91aに互いに平行な螺旋状に設けられている。つまり、第2延伸部分92の螺旋部分92aと第2固定部分95の螺旋部分95aとは、接合面91aの中心から外縁に向かう方向(即ち、半径方向)に沿って交互に配置されており、換言すると、第2延伸部分92は、第2固定部分95の間に設けられている。
【0074】
第2固定部分95には、その幅方向中央部に、共鳴コイル52の外周面の一部に密着するように断面円弧状の局面に掘り下げて形成された渦巻き状の溝部95bが、全長にわたって設けられている。この溝部95bにおける互いに隣接する螺旋部分の間隔は、共鳴コイル52の巻回部55の間隔に合わせられている。そして、共鳴コイル52は、溝部95bに沿って第2固定部分95上に配置される。
【0075】
第1平板部材81と第2平板部材91とをそれぞれの接合面81aと接合面91aとを接合させたときに、第1固定部分85と第2固定部分95とが互いに向き合い、第1固定部分85の溝部85bと第2固定部分95の溝部95bとに配置された共鳴コイル52を、それらの間に各巻回部55を互いに間隔をあけて狭持(即ち、固定)する。つまり、第1固定部分85と第2固定部分95とで、請求項中のコイル固定部を構成している。また、第2延伸部分92(即ち、渦巻き状の凹条)に第1延伸部分82(即ち、渦巻き状の凸条)が挿入されて互いに噛み合い、これらによって共鳴コイル52の各巻回部55が仕切られて沿面距離が確保される。つまり、第1延伸部分82と第2延伸部分92とで、請求項中の巻回部沿面距離延伸部を構成している。なお、図7、図9において、第1平板部材81の接合面81aと、第2平板部材91の接合面91aと、の間には、説明の便宜上、隙間を設けているが、実際には、これら接合面81aと接合面91aとは密着される。または、図のように、接合面81aと接合面91aとの間に若干の隙間を設けた構成であってもよい。
【0076】
上述した第1延伸部分82は、図13の共鳴コイル52の電圧分布から求められる各巻回部55間に生じる電位差のうち最大の電位差に応じて、接合面81aからの高さや先端の角度など(即ち、形状)が定められている。同様にして、上述した第2延伸部分92は、図13の共鳴コイル52の電圧分布から求められる各巻回部55間に生じる電位差のうち最大の電位差に応じて、接合面91aからの深さや先端の角度など(即ち、形状)が定められている。即ち、各巻回部55間の沿面距離が、各巻回部55間に上記最大の電位差が生じた場合でも各巻回部55間に沿面放電が生じない長さ、即ち、上記最大の電位差に応じた長さになるように、第1延伸部分82及び第2延伸部分92が形成されている。このような沿面放電が生じない沿面距離としては、所定の安全規格(例えば、IEC(国際電気標準会議)規格等)などで定められている値を用いている。
【0077】
共鳴コイル保持部材76は、第1平板部材81の第1固定部分85の溝部85bに共鳴コイル52を載置したのち、第1平板部材81と第2平板部材91とを、それぞれの接合面81aと接合面91aとが相対して互いに接合されるように組み合わせて、これらをネジSなどの固定手段で互いに結合することにより組み立てられる。
【0078】
このとき、共鳴コイル52は、第1平板部材81の溝部85bと第2平板部材91の溝部95bとに配置されて、これらによって各巻回部55が互いに間隔をあけて挟持されて固定される。また、第2平板部材91の第2延伸部分92に、第1平板部材81の第1延伸部分82が挿入されて互いに噛み合って嵌合する。このようにして、共鳴コイル52の各巻回部55が互いに間隔をあけて第1平板部材81と第2平板部材91とによって保持されるとともに、各巻回部55が第1延伸部分82と第2延伸部分92とよって仕切られて、各巻回部55間の沿面距離が確保される。
【0079】
以上より、本実施形態によれば、ベース部77が備える第1平板部材81には、第1固定部分85と、この第1固定部分85の間に配置された第1延伸部分82と、が設けられており、第2平板部材91には、第1固定部分85との間に共鳴コイル52の複数の巻回部55を互いに間隔をあけて固定する第2固定部分95と、この第2固定部分95の間に配置された第2延伸部分92と、が設けられており、これら第1延伸部分82及び第2延伸部分92は、第1固定部分85及び第2固定部分95によって固定された共鳴コイル52の各巻回部55の間の沿面距離がこれら各巻回部55の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように形成されているので、第1延伸部分82及び第2延伸部分92によって、共鳴コイル52の各巻回部55間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができるとともに、一の基準(即ち、上記最大の電位差)に基づき第1延伸部分82及び第2延伸部分92の形状をそれら全長にわたって同一形状として容易に形成することができ、そのため、共鳴コイル52を大型化することなく、樹脂モールドなどを不要として安価に、沿面放電を防止できる。
【0080】
また、ベース部77が、互いに接合される第1平板部材81と第2平板部材91とを有し、第1平板部材81の接合面81aに渦巻き状に設けられた第1固定部分85と、第1固定部分85に対応して第2平板部材91の接合面91aに渦巻き状に設けられるとともにこの第1固定部分85との間で渦巻き状の共鳴コイル52の各巻回部55を狭持する第2固定部分95と、を有し、第1平板部材81の接合面81aに第1固定部分85に平行な渦巻き状に設けられた第1延伸部分82と、第1延伸部分82に対応して第2平板部材91の接合面91aに第2固定部分95に平行な渦巻き状に設けられるとともに第1延伸部分82と噛み合うように形成された第2延伸部分92と、を有しているので、渦巻き状に複数回巻回された共鳴コイル52の各巻回部55が第1固定部分85と第2固定部分95との間に狭持されて固定されるとともに、第1延伸部分82と第2延伸部分92とが互いに噛み合って各巻回部55を仕切り、そのため、予め成形された第1平板部材81と第2平板部材91との間に共鳴コイル52を挟むことにより、沿面距離を確保しつつ共鳴コイル52を安価且つ簡易に封止することができ、そのため、共鳴コイル52への接触による感電事故などを防止できる。
【0081】
本実施形態において、共鳴コイル52は、丸形平板状(丸形渦巻き状)に複数回巻回されて形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、角形平板状(角形渦巻き状)に複数回巻回されて形成されているなど、本発明の目的に反しない限り、共鳴コイルの形状は任意である。
【0082】
(非接触電力伝送装置の一実施形態)
次に、上述した共鳴コイルを備えた、本発明の非接触電力伝送装置の一実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置ついて、図10〜図12を参照して説明する。
【0083】
図10は、本発明の実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置の構成を示す説明図である。同図に示すように、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置10は、電気自動車5に設けられる受電装置12と、該受電装置12に交流電力を供給する給電装置11と、を備えており、給電装置11より出力される交流電力を非接触(ワイヤレス)で受電装置12に送信する。給電装置11は、電力送信用の通信コイル24を備えており、該通信コイル24に交流電力が供給されると、この交流電力は、受電装置12に設けられている電力受信用の通信コイル31に伝達される。
【0084】
電気自動車5に設けられる受電装置12は、充電時に電気自動車5を給電装置11の所定位置に置いたときに、電力送信用の通信コイル24と接近する電力受信用の通信コイル31と、整流器33と、を備えている。更に、直流電力が充電されるバッテリ35と、該バッテリ35の電圧を降圧してサブバッテリ41に供給するDC/DCコンバータ42と、バッテリ35の出力電力を交流電力に変換するインバータ43と、該インバータ43より出力される交流電力により駆動するモータ44を備えている。
【0085】
図11は、本発明の実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置10のブロック図であり、給電装置11、及び電気自動車5に搭載される受電装置12を備えている。
【0086】
給電装置11は、電力伝送用のキャリア信号を出力するキャリア発振器21と、該キャリア発振器21より出力されるキャリア信号(即ち、交流電力)を増幅する電力増幅器23、及び電力増幅器23で増幅された交流電力を出力する通信コイル24を備えている。通信コイル24は、後述するように給電コイル(一次コイル)L1と送信共鳴コイルX1から構成されている。そして、この送信共鳴コイルX1として、上述した共鳴コイルユニット50(又は、共鳴コイルユニット50B、50D)を用いている。
【0087】
キャリア発振器21は、電力伝送用の交流信号として例えば周波数0.1[MHz]〜100[MHz]の交流電力を出力する。
【0088】
電力増幅器23は、キャリア発振器21より出力された交流電力を増幅する。そして、増幅した交流電力を通信コイル24に出力する。通信コイル24は、受電装置12に設けられる通信コイル31と連携し、共鳴型電力伝送方式によりワイヤレスで交流電力を通信コイル31に伝送する。共鳴型電力伝送方式(即ち、共鳴方式)については後述する。
【0089】
また、受電装置12は、電力送信用の通信コイル24より送信される交流電力を受信する電力受信用の通信コイル31と、この通信コイル31で受信された交流電力を整流して、直流電圧を生成する整流器33と、を備える。また、車両駆動用のモータ44(図10参照)に電力を供給するバッテリ35を備え、該バッテリ35は、整流器33より出力される直流電力により充電される。
【0090】
通信コイル31は、後述するように受電コイル(一次コイル)L2と受信共鳴コイルX2から構成されている。そして、この受信共鳴コイルX2として、上述した共鳴コイルユニット50(又は、共鳴コイルユニット50B、50D)を用いている。
【0091】
次に、共鳴型電力伝送方式について説明する。図12は、共鳴型電力伝送方式の原理を示す説明図である。図示のように、給電装置11には、給電コイルL1、及び該給電コイルL1と同心円状に且つ近接して配置された送信共鳴コイルX1(即ち、共鳴コイルユニット50)が設けられている。なお、給電コイルL1と送信共鳴コイルX1により図11、図12に示す通信コイル24が構成される。また、受電装置12には、受電コイルL2、及び該受電コイルL2と同心円状に且つ近接して配置された受信共鳴コイルX2(即ち、共鳴コイルユニット50)が設けられている。なお、受電コイルL2と受信共鳴コイルX2により図11、図12に示す通信コイル31が構成される。
【0092】
そして、給電コイルL1に1次電流を流すと、電磁誘導により送信共鳴コイルX1に誘導電流が流れ、更に、該送信共鳴コイルX1のインダクタンスLs、及び浮遊容量Csにより、該送信共鳴コイルX1が共鳴周波数ωs(=1/√Ls・Cs)で共鳴する。すると、この送信共鳴コイルX1に近接して設けられた、受電装置12側の受信共鳴コイルX2が共鳴周波数ωsで共鳴し、受信共鳴コイルX2に2次電流が流れる。更に、電磁誘導により受信共鳴コイルX2に近接した受電コイルL2に2次電流が流れる。
【0093】
上記の動作により、給電装置11から受電装置12に、ワイヤレスで電力を送信することができることとなる。
【0094】
次に、図11、図12に示した本発明のワイヤレス電力伝送装置の動作について説明する。図10に示すように、電気自動車5が給電装置11の所定位置に置かれ、給電装置11に設けられる通信コイル24と、電気自動車5の受電装置12に設けられる通信コイル31が対向する位置となると、バッテリ35への充電を行うことができる。
【0095】
充電が開始されると、図11に示すキャリア発振器21より、周波数0.1[MHz]〜100[MHz]程度の交流電力が出力される。
【0096】
そして、キャリア発振器21より出力された交流電力は、電力増幅器23にて増幅される。増幅された交流電力は、通信コイル24,31を介して、前述した共鳴型電力伝送の原理により、受電装置12に伝送されることになる。
【0097】
受電装置12に伝送された交流電力は、通信コイル31から整流器33に出力される。
【0098】
そして、整流器33では、交流電力を整流して所定電圧の直流電力に変換し、この電力をバッテリ35に供給して、該バッテリ35を充電する。これにより、バッテリ35を充電することができる。
【0099】
以上より、本発明によれば、送信共鳴コイルX1及び受信共鳴コイルX2として、上述した共鳴コイルユニット50を用いているので、この共鳴コイルユニット50の螺旋凸条58などの共鳴コイル保持部材56が有する巻回部間沿面距離延伸部によって、共鳴コイル51の各巻回部間の沿面距離を確保することにより沿面放電を防止することができ、そのため、共鳴コイル51を大型化することなく沿面放電を安価に防止できる。
【0100】
本実施形態においては、送信共鳴コイルX1及び受信共鳴コイルX2の両方とも上述した共鳴コイルユニット50を用いていたが、これに限定されるものではなく、送信共鳴コイルX1及び受信共鳴コイルX2のうち少なくとも一方に共鳴コイルユニット50を用いるものであればよい。
【0101】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0102】
5 電気自動車
10 ワイヤレス電力伝送装置(非接触電力伝送装置)
50、50B、50D 共鳴コイルユニット
51、52 共鳴コイル
55 共鳴コイルの巻回部
56 共鳴コイル保持部材
57 コイルボビン(ベース部)
58 螺旋凸条(巻回部間沿面距離延伸部)
59 螺旋平面部(コイル固定部)
60 共鳴コイル保持部材
61 ベースユニット(ベース部)
63 リブ(部分ベース部)
67 フランジ部(巻回部間沿面距離延伸部)
68 固定平面部(コイル固定部)
71 凸部(コイル固定部)
72 溝(巻回部間沿面距離延伸部)
76 共鳴コイル保持部材
77 ベース部
81 第1平板部材
81a 接合面
82 第1延伸部分(巻回部間沿面距離延伸部)
85 第1固定部分(コイル固定部)
91 第2平板部材
91a 接合面
92 第2延伸部分(巻回部間沿面距離延伸部)
95 第2固定部分(コイル固定部)
X1 送信共鳴コイル(共鳴コイルユニット)
X2 受信共鳴コイル(共鳴コイルユニット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共鳴現象によって相手方コイルに電力を送信し又は相手方コイルから送信された電力を受信する複数回巻回された共鳴コイルを保持する共鳴コイル保持部材であって、
ベース部と、
前記ベース部に設けられ、前記共鳴コイルの複数の巻回部を互いに間隔をあけて固定するコイル固定部と、
前記ベース部における前記コイル固定部の間に設けられた凸形状、凹形状、又は、これらを組み合わせた形状からなる巻回部間沿面距離延伸部と、を有し、
前記各巻回部の間の沿面距離が前記各巻回部の間のそれぞれに生じる電位差のうち最大の電位差に応じた長さとなるように、前記巻回部間沿面距離延伸部が形成されていることを特徴とする共鳴コイル保持部材。
【請求項2】
前記共鳴コイルが、管状に複数回巻回され、
前記ベース部が、円筒形状又は円柱形状に形成され、
前記コイル固定部が、前記ベース部の外周面又は内周面に螺旋状に設けられ、
前記巻回部間沿面距離延伸部が、前記ベース部の外周面又は内周面に前記コイル固定部に平行な螺旋状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の共鳴コイル保持部材。
【請求項3】
前記ベース部が、前記共鳴コイルの周方向に互いに間隔をあけて配置される、複数の部分ベース部を有し、
前記複数の部分ベース部のそれぞれが、前記コイル固定部と前記巻回部間沿面距離延伸部と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の共鳴コイル保持部材。
【請求項4】
前記共鳴コイルが、渦巻き状に複数回巻回され、
前記ベース部が、互いに接合される第1平板部材と第2平板部材とを有し、
前記コイル固定部が、前記第1平板部材の接合面に渦巻き状に設けられた第1固定部分と、前記第1固定部分に対応して前記第2平板部材の接合面に渦巻き状に設けられるとともに前記第1固定部分との間で前記各巻回部を狭持する第2固定部分と、を有し、
前記巻回部間沿面距離延伸部が、前記第1平板部材の接合面に前記第1固定部分に平行な渦巻き状に設けられた第1延伸部分と、前記第1延伸部分に対応して前記第2平板部材の接合面に前記第2固定部分に平行な渦巻き状に設けられるとともに前記第1延伸部分と噛み合うように形成された第2延伸部分と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の共鳴コイル保持部材。
【請求項5】
共鳴現象によって相手方コイルに電力を送信し又は相手方コイルから送信された電力を受信する複数回巻回された共鳴コイルと、前記共鳴コイルを保持する共鳴コイル保持部材と、を有する共鳴コイルユニットにおいて、
前記共鳴コイル保持部材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の共鳴コイル保持部材であることを特徴とする共鳴コイルユニット。
【請求項6】
共鳴現象によって電力を送信する送信共鳴コイルユニットと、前記送信共鳴コイルユニットから送信された電力を受信する受信共鳴コイルユニットと、を有する非接触電力伝送装置において、
前記送信共鳴コイルユニット及び前記受信共鳴コイルユニットの少なくとも一方が、請求項5に記載の共鳴コイルユニットであることを特徴とする非接触電力伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−151207(P2012−151207A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7621(P2011−7621)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】