内視鏡洗滌消毒装置
【目的】噴射洗滌と超音波洗滌とを併用することができ、洗滌効果の高い内視鏡洗滌消毒装置を提供する。
【構成】洗滌槽1の外壁面に超音波振動子15を設置するとともに、この超音波振動子15に一端が前記洗滌槽1内に開口し、他端が給水タンク13に連通する貫通孔を設けたことにある。超音波振動子15を発振させると、給水タンク13から供給された洗滌水が超音波振動子15の貫通孔を通過する時に超音波振動を受け、洗滌水は順次霧化されて洗滌槽1内に噴射される。また、洗滌槽1内に洗滌水が満たされた状態で発振すると洗滌水中を超音波振動が伝わり、超音波洗滌が行われる。
【構成】洗滌槽1の外壁面に超音波振動子15を設置するとともに、この超音波振動子15に一端が前記洗滌槽1内に開口し、他端が給水タンク13に連通する貫通孔を設けたことにある。超音波振動子15を発振させると、給水タンク13から供給された洗滌水が超音波振動子15の貫通孔を通過する時に超音波振動を受け、洗滌水は順次霧化されて洗滌槽1内に噴射される。また、洗滌槽1内に洗滌水が満たされた状態で発振すると洗滌水中を超音波振動が伝わり、超音波洗滌が行われる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、使用後の内視鏡を洗滌、消毒する内視鏡洗滌消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は一度使用すると汚染されるので、院内感染等を予防するため、使用後に洗滌消毒する必要があり、例えば、特開平1−153133号公報、特公平3−6811公報に示すような内視鏡の洗滌消毒装置が使用されている。
【0003】これらの装置は、内視鏡を洗滌槽内にセットした後、洗滌槽内に設けた噴射ノズルから洗滌液を噴射するとともに、内視鏡管路内へ送液することにより内視鏡の管路内を洗滌する。また、気泡を洗滌液中に噴出することも考えられている。
【0004】洗滌後、消毒液を洗滌液と同様に噴射または消毒液に浸漬して、さらに内視鏡管路内に送液することにより内視鏡の消毒を行う。さらに、洗滌水の噴射及び送液によりすすぎを行ない、最後に内視鏡管路内に送気を行うとともに洗滌槽内を加熱して内視鏡の外表面、管路内とも乾燥させる構成となっている。
【0005】また、内視鏡の洗滌方法として、前述した噴射洗滌は、柔かく大きな汚れの除去に適しているが、固く細かい汚れには洗滌効果が劣る。最近では、固く細かい汚れに洗滌効果を発揮する超音波洗滌が知られており、また、洗滌効果向上のために両者を併用することも考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、噴射洗滌と超音波洗滌とを併用した洗滌消毒装置は、構造が複雑となり、装置の大型化、コストアップ等の問題が生じてしまう。
【0007】この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、噴射洗滌と超音波洗滌とを併用することができ、洗滌効果の高い内視鏡洗滌消毒装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を達成するために、洗滌槽の外壁面に超音波振動子を設置するとともに、この超音波振動子に一端が前記洗滌槽内に開口し、他端が給液タンクに連通する貫通孔を設けたことにある。
【0009】
【作用】洗滌槽の外側壁に設けた超音波振動子を発振させると、給液タンクから供給された洗滌水が超音波振動子の貫通孔を通過する時に超音波振動を受け、洗滌水は順次霧化されて洗滌槽内に噴射される。また、洗滌槽内に洗滌水が満たされた状態で発振すると洗滌水中を超音波振動が伝わり、超音波洗滌が行われる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1〜図4は第1の実施例を示すもので、図1は内視鏡洗滌消毒装置の概略的構成を示す。1は洗滌槽であり、この洗滌槽1の内部には保持部材によって内視鏡2が支持されている。内視鏡2は、操作部3と挿入部4およびコネクタ5を有したユニバーサルコード6とから構成されている。
【0012】内視鏡2の操作部3には鉗子チャンネルに連通する鉗子口7と送気送水チャンネルに連通する送気送水口金8が設けられている。また、コネクタ5には内視鏡2の内部に連通する送気ポート9が設けられている。
【0013】洗滌槽1には送水系管路10、外表面洗滌用管路11、スコープ管路内洗滌用管路12が接続されている。送水系管路10は、一端側が例えば水道水等の給水源からの給水を受けて貯溜する給液タンクとしての給水タンク13に接続され、他端側は第1の電磁弁14を介して前記外表面洗滌用管路11に接続されている。外表面洗滌用管路11は複数本に分岐され、これらは洗滌槽1の底部に外側壁に設けられた後述する複数の超音波振動子15に接続されている。
【0014】さらに、スコープ管路内洗滌用管路12の一端側は第1の切換弁16を介して給水タンク13に接続され、他端側は第2の切換弁17に接続されている。また、スコープ管路内洗滌用管路12の途中には送液ポンプ18が設けられている。
【0015】第2の切換弁17には送気ポンプ19を有したスコープ管路内送気管路20が接続され、送液と送気とが切換えられるようになっており、第2の切換弁17は管路を介してチャンネル接続口21と第2の電磁弁22aを介してチャンネル接続口22とに接続されている。
【0016】さらに、チャンネル接続口21は内視鏡2の鉗子口7に、チャンネル接続口22は内視鏡2の送気送水口金8にそれぞれ内視鏡管路洗滌用チューブ23を介して連結されている。
【0017】前記第1の切換弁16は第3の切換弁24を介して洗滌槽1の循環水排出口25に連結され、この循環水排出口25は第3の切換弁24を介して消毒液タンク26に接続されている。この消毒液タンク26は給水タンク13に接続されているとともに、消毒液ポンプ27を有する消毒液管路28を介して洗滌槽1の注入口29に接続されている。
【0018】さらに、内視鏡1のコネクタ5に設けられた送気ポート9には漏れ検出用チューブ30の一端が接続され、この他端には漏れ検出用送気ポンプ31が接続されている。さらに、漏れ検出用チューブ30の途中には圧力センサ32が設けられている。
【0019】また、前記洗滌槽1の外側壁に設けられた超音波振動子15は、図2に示すように、複数枚の振動板33を重ね合わせて構成した例えばランジュバン型の振動子からなり、この超音波振動子15の中央部にはパイプ34が貫通して設けられ、貫通孔35を構成している。そして、この貫通孔35の一端側は洗滌槽1に連通し、他端側は外表面洗滌用管路11を介して給水タンク13に連通している。
【0020】次に、前記内視鏡洗滌消毒装置の作用について説明する。まず、洗滌消毒装置の使用時には、使用済みの内視鏡2を洗滌槽1の保持部材にセットし、内視鏡2の孔あき検知を図3に示すフローチャートに従って行う。その後、図示しない各種操作スイッチの操作にともない図4に示すように、洗浄、消毒、すすぎ、送気、乾燥の各工程が行われる。
【0021】まず、内視鏡2の送気ポート9に漏れ検出用チューブ30の一端を接続し、漏れ検出用送気ポンプ31を作動させて内視鏡2の内部に送気を行う。内視鏡2の内部の圧力が一定に達した時点で、漏れ検出用チューブ30と漏れ検出用送気ポンプ31との間を遮断し、一定時間経過後の圧力低下を圧力センサ32によって測定する。
【0022】すなわち、図3に示すように、ステップS1で、内視鏡2に設定圧力の送気を行い、一定時間経過後の圧力低下を圧力センサ32によって測定する、1回目の測定を行い、ステップS2において圧力低下量が一定範囲Aに入っているか否かを判断する。
【0023】ステップS2でYESの場合にはステップS3に移り、内視鏡2に1回目の設定圧力より高い設定圧力の送気を行い、一定時間経過後の圧力低下を圧力センサ32によって測定する、2回目の測定を行う。つまり、再測定を行ってステップS4において1回目と2回目の測定値の差が一定値B内であるか否かを判断し、YESの場合にはステップS5に移って、良品と判断し、NOの場合にはステップS6に移って不良品と判断する。
【0024】ステップS2でNOの場合にはステップS7に移り、1回目の測定で圧力低下量が一定範囲Aより小さいか否かを判断し、YESの場合にはステップS5に移って、良品と判断し、NOの場合にはステップS6に移って不良品と判断する。
【0025】このように、圧力低下量の値に応じて内視鏡2の孔あき有無を判定するが、内視鏡2の孔あきが極めて微小(圧力低下量が範囲に入っているケース)だと、内視鏡2の膨脹等による測定誤差が原因であることも考えられる。そこで、より高い圧力で再測定を行ない、両測定値を比較の上その差の大小により、孔あきの有無を決定する。
【0026】すなわち、内視鏡2の膨脹等による測定誤差は圧力値を上げても大きく変化しないが、孔あきによる圧力低下量は高圧ほど大きくなるため、両測定値を比較すれば、測定誤差によるものか孔あきかを判断できる。
【0027】次に、洗滌工程に移る。第1の電磁弁14がONして開弁すると、給水タンク13に貯溜された洗滌水は重力で送水系管路10を介して超音波振動子15の貫通孔35内に流入する。ここで、超音波振動子15が発振すると、洗滌水は霧化されて洗滌槽1内の内視鏡2に噴射され、洗滌効果を発揮する。
【0028】洗滌工程の初めは第3の切換弁24が排水側になっており、洗滌水は順次排水されてゆくが、大きな汚れをほぼ除去(予備洗滌)した後は循環側に切換わって、洗滌槽1内に洗滌水が貯溜されて内視鏡2は洗滌水に浸漬される。この状態で超音波振動子15が発振すると、貯溜された洗滌水中を超音波が伝わって、超音波洗滌効果が発揮される。なお、貯溜された洗滌水に洗剤(図示せず)を添加するとより効果的である。
【0029】また、送液ポンプ18も同時に作動するため、初めは給水タンク13の洗滌水がスコープ管路内洗滌用管路12を介してチャンネル接続口21,22に導かれ、内視鏡管路洗滌用チューブ23を介して内視鏡2の鉗子口7および送気送水口金8から鉗子チャンネルおよび送気送水チャンネル内に送液される。
【0030】このように最初は給水タンク13の洗滌水が送気送水チャンネル内に送液されるが、超音波洗滌に切換わるとほぼ同時期から第1の切換弁16が切換わって貯溜水を循環送液するようになる。この際に、第2の電磁弁22aが閉じて内視鏡2の送気送水チャンネル内への送液はストップされる。洗滌工程の終りは、再び第3の切換弁24が排水側になって、工程の初めと同様の動作を行なう。
【0031】次に、消毒工程に移る。消毒ポンプ27の作動により、消毒液タンク26内の消毒液が消毒液管路28を介して洗滌槽1に送液貯溜される。同時に送液ポンプ18により消毒液が内視鏡2の鉗子チャンネル内へ循環送液される。第2の電磁弁22aは開いており、送気送水チャンネルにも送液される。一定時間経過後、第3の切換弁24が消毒液タンク26側に切換わり、消毒液は自然落下で消毒液タンク26に回収される。次に、すすぎ工程に移るが、前述した洗滌工程の初め(第3の切換弁24が排水側)と同様の動作で消毒液をすすぐ。
【0032】このように、超音波振動子15の貫通孔35を介して洗滌水を流通することにより、超音波振動によって洗滌水は霧化されて洗滌槽1内の内視鏡2に噴射されるため、優れた洗滌効果を発揮し、噴射ノズル、ポンプ等の構成が不要なので、コンパクトでかつ安価な装置を提供できる。
【0033】ところで、超音波洗滌は、洗滌槽1内で発生する定在波により深さ方向に洗滌むらが発生する。すなわち、波長λの1/2倍ごとに、洗滌力の高い箇所と低い箇所が生じる。そのため内視鏡2の汚れが激しく、かつ溜りやすい部分が、この洗滌力が弱い部分に設置された時は、汚れが残り、消毒が十分になされず、感染のもとになることが考えらる。
【0034】図5〜図11に示す内視鏡洗滌消毒装置は、前述した問題を解決したものであり、図5〜図11に基づいて説明するが、第1の実施例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0035】図5は内視鏡洗滌消毒装置の概略的構成を示す。洗滌槽1内には図6および図7に示すように洗滌篭40が設けられ、この洗滌篭40に内視鏡2が収納されている。
【0036】この内視鏡洗滌消毒装置による超音波洗滌時は、洗滌槽1内では定在波が発生し、その腹aの部分は洗滌力が高く、節bの部分は洗滌力が低い、そこで、内視鏡2の挿入部4の先端部4a、鉗子口3a等の、汚れが激しくまた汚れやすい部分を上記定在波の腹aの部分に設置し、内視鏡2の上記以外の部分は汚れが強力でなく、また表面状態も複雑でないため、定在波の節bの部分に設置する。
【0037】前記洗滌槽1には送水系管路10およびスコープ管路内洗滌用管路12が設けられている。また、消毒液タンク41及び洗剤タンク42と洗滌槽1とを接続する管路43,44にはそれぞれ電磁弁45,46が設けられている。
【0038】さらに、スコープ管路内洗滌用管路12の一端は洗滌槽1の循環水排出口47に連結されているとともに、他端はスコープ管路内洗滌用ポンプ48を介してチャンネル接続口49に連結されている。このチャンネル接続口49は洗滌篭40に収納された内視鏡2の各種チャンネルに内視鏡管路洗滌用チューブ50を介して連結されている。また、チャンネル接続口49に連結されているスコープ管路内洗滌用管路12の途中には、コンプレッサ51aを有するエアー供給管路51が連結されている。
【0039】また、排水ポンプ52aを有する排水管路52の一端は洗滌槽1の循環水排水口47に連結されているとともに、他端は装置外まで連通されている。また、循環水排水口47には切換弁53が設けられ、この切換弁53の操作及び回収ポンプ54の作動により消毒液が消毒液タンク41に回収できるようになっている。
【0040】さらに、洗滌槽1には内視鏡乾燥用に温風発生機55が接続されているとともに排気口56が設けられている。洗滌槽1の底部における外側壁には、例えばランジュバン型の複数の超音波振動子57が取付けられており、図示しない発振回路によって超音波振動子57が駆動される。なお、58は圧力スイッチである。
【0041】次に、前記内視鏡洗滌消毒装置の作用について説明する。まず、使用済みの内視鏡2を洗滌槽1内にセットし、内視鏡管路洗滌用チューブ50によって内視鏡2とチャンネル接続口49とを連結する。その後、図示しない各種操作スイッチの操作にともない洗滌、消毒、すすぎ、送気、乾燥の各工程が行われる。まず、洗滌工程では初めに給水弁10aが開き、例えば水道水等の給水源からの洗滌水が、送水系管路10を介して洗滌槽1に供給される。また、あらかじめ設定された液量の洗剤が洗滌槽1内に注入される。そして、あらかじめ設定された液面位置まで水が供給されると、圧力スイッチ58の作動により給水弁10aが閉じ、続いて超音波振動子57が発振して超音波洗滌が行われる。
【0042】このとき、洗滌槽1内では定在波が発生し、内視鏡2の挿入部4の先端部4a、鉗子口3a等の汚れが激しく部分は定在波の腹aの部分にあるため強い洗滌力により確実に洗滌される。また、内視鏡2の上記以外の部分は汚れが強力でなく、また表面状態も複雑でないため、定在波の節bの部分でも容易に洗滌がなされる。
【0043】洗滌工程が終了すると、排水ポンプ52aの駆動により洗滌槽1内の洗滌水が排水管路52を介して外部に排出される。また、給水弁10aが開いて新しい洗滌水が洗滌槽1内に供給されるとともにスコープ管路内洗滌用ポンプ48が駆動される。すなわち、洗滌槽1内の洗滌水がオーバーフロー式に順次新しい水と入れ換わりながらすすぎが行われる。その後、給水弁10aが閉じるとともに、排水ポンプ52aが停止する。
【0044】また、すすぎ工程の後半ではスコープ管路内洗滌用ポンプ48が停止されるとともにコンプレッサ51aが駆動されてチャンネル接続口49を介して内視鏡2の各種チャンネル内にエアーが導入され内視鏡2の水切りが行われる。
【0045】すすぎ工程が終了した後、続いて消毒工程が行われる。この消毒工程では初めに電磁弁45が開く。消毒液タンク41内の消毒液が管路43を介して洗滌槽1に供給される。内視鏡2の全体は洗滌槽1に溜められた消毒液に完全に浸漬されるとともに、スコープ管路内洗滌用ポンプ48の駆動により洗滌槽1内の消毒液がチャンネル接続口49に供給され、内視鏡管路洗滌用チューブ50を介して内視鏡2の各種チャンネル内の消毒が行われる。そして、所定時間が経過すると切換弁53が切換わり、回収ポンプ54が駆動して洗浄槽1内の消毒液が消毒液タンク41に回収される。
【0046】消毒工程の終了後、続いて再びすすぎ工程が行われる。スコープ管路内洗滌用ポンプ48の運転を停止した後、電磁弁48aが開き、コンプレッサ51aの駆動により内視鏡2の各種チャンネル内の水切りが完全に行われる。さらに一定時間経過後、排水ポンプ52aが停止する。
【0047】消毒工程の終了後、続いて乾燥工程が行われる。乾燥工程では温風発生機55から洗滌槽1内に温風が導かれるとともに、コンプレッサ51aからの圧縮空気をヒータ51bによって加熱した後、内視鏡2の各種チャンネル内に流す。このとき、洗滌槽1内の蒸気が排気口56から外部に排出されるようになっており、湿度を下げ乾燥を促進させる。
【0048】このように、汚れやすく、かつ洗滌しにくい内視鏡2の先端部4aや鉗子口3aを強力な洗滌力で落とし、その他の部分は比較的弱い洗滌力でも十分な洗滌効果が得られるため、極めて効率のよい、かつ十分な洗滌効果が得られる。そのため低い出力で洗滌することができ装置の小型化、低価格化を図ることができる。
【0049】なお、前記実施例においては、洗滌篭40の内部に内視鏡2を斜めに配置して強力に洗滌する腹aの箇所に、内視鏡2の挿入部4の先端部4aと鉗子口3aを設置したが、これに限定されず、次のように設置してもよい。
【0050】すなわち、図8は、洗滌篭40に内視鏡2を略水平に配置して腹aの箇所に、内視鏡2の挿入部4の先端部4aと鉗子口3aを設置した。図9は、挿入部4の全体を腹aの部分に設置した。
【0051】図10は、洗滌篭40とは別に、鉗子栓、吸引ボタン等の内視鏡付属品60を収納し、この内視鏡付属品60が定在波の腹aの位置になるようにな洗滌篭61を設けた。
【0052】また、内視鏡2の操作部3は強度的に弱く、強力な超音波洗滌を行うと破損してしまう恐れがあり、また、操作部3は挿入部4と違い、汚れが付着しにくく、かつ汚れの付着強度も弱い。よって必要となる洗滌力は低くてよい。そこで、図11に示すように、操作部3の例えば接眼部3bのように弱い部分は、定在波の節bにくるように、洗滌篭62を構成したものである。もちろんこれは、操作部3に限らず耐性面で弱い部分を、節bに持ってくることが可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、洗滌槽の外壁面に超音波振動子を設置するとともに、この超音波振動子に一端が前記洗滌槽内に開口し、他端が給液タンクに連通する貫通孔を設けたことにより、超音波振動子を発振させると、給液タンクから供給された洗滌水が貫通孔を通過する時に超音波振動を受け、洗滌水は順次霧化されて洗滌槽内に噴射される。したがって、簡単な構成でありながら、噴射洗滌と超音波洗滌とを併用することができ、洗滌効果の高い内視鏡洗滌消毒装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例における内視鏡洗滌消毒装置の概略的構成図。
【図2】同実施例における超音波振動子の縦断側面図。
【図3】同実施例の漏れ検出のフローチャート。
【図4】同実施例の制御説明図。
【図5】内視鏡洗滌消毒装置の変形例を示す概略的構成図。
【図6】同洗滌消毒装置の洗滌槽の平面図。
【図7】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図8】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図9】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図10】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図11】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【符号の説明】
1…洗滌槽、2…内視鏡、13…給水タンク、15…超音波振動子、35…貫通孔。
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、使用後の内視鏡を洗滌、消毒する内視鏡洗滌消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は一度使用すると汚染されるので、院内感染等を予防するため、使用後に洗滌消毒する必要があり、例えば、特開平1−153133号公報、特公平3−6811公報に示すような内視鏡の洗滌消毒装置が使用されている。
【0003】これらの装置は、内視鏡を洗滌槽内にセットした後、洗滌槽内に設けた噴射ノズルから洗滌液を噴射するとともに、内視鏡管路内へ送液することにより内視鏡の管路内を洗滌する。また、気泡を洗滌液中に噴出することも考えられている。
【0004】洗滌後、消毒液を洗滌液と同様に噴射または消毒液に浸漬して、さらに内視鏡管路内に送液することにより内視鏡の消毒を行う。さらに、洗滌水の噴射及び送液によりすすぎを行ない、最後に内視鏡管路内に送気を行うとともに洗滌槽内を加熱して内視鏡の外表面、管路内とも乾燥させる構成となっている。
【0005】また、内視鏡の洗滌方法として、前述した噴射洗滌は、柔かく大きな汚れの除去に適しているが、固く細かい汚れには洗滌効果が劣る。最近では、固く細かい汚れに洗滌効果を発揮する超音波洗滌が知られており、また、洗滌効果向上のために両者を併用することも考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、噴射洗滌と超音波洗滌とを併用した洗滌消毒装置は、構造が複雑となり、装置の大型化、コストアップ等の問題が生じてしまう。
【0007】この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、噴射洗滌と超音波洗滌とを併用することができ、洗滌効果の高い内視鏡洗滌消毒装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を達成するために、洗滌槽の外壁面に超音波振動子を設置するとともに、この超音波振動子に一端が前記洗滌槽内に開口し、他端が給液タンクに連通する貫通孔を設けたことにある。
【0009】
【作用】洗滌槽の外側壁に設けた超音波振動子を発振させると、給液タンクから供給された洗滌水が超音波振動子の貫通孔を通過する時に超音波振動を受け、洗滌水は順次霧化されて洗滌槽内に噴射される。また、洗滌槽内に洗滌水が満たされた状態で発振すると洗滌水中を超音波振動が伝わり、超音波洗滌が行われる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1〜図4は第1の実施例を示すもので、図1は内視鏡洗滌消毒装置の概略的構成を示す。1は洗滌槽であり、この洗滌槽1の内部には保持部材によって内視鏡2が支持されている。内視鏡2は、操作部3と挿入部4およびコネクタ5を有したユニバーサルコード6とから構成されている。
【0012】内視鏡2の操作部3には鉗子チャンネルに連通する鉗子口7と送気送水チャンネルに連通する送気送水口金8が設けられている。また、コネクタ5には内視鏡2の内部に連通する送気ポート9が設けられている。
【0013】洗滌槽1には送水系管路10、外表面洗滌用管路11、スコープ管路内洗滌用管路12が接続されている。送水系管路10は、一端側が例えば水道水等の給水源からの給水を受けて貯溜する給液タンクとしての給水タンク13に接続され、他端側は第1の電磁弁14を介して前記外表面洗滌用管路11に接続されている。外表面洗滌用管路11は複数本に分岐され、これらは洗滌槽1の底部に外側壁に設けられた後述する複数の超音波振動子15に接続されている。
【0014】さらに、スコープ管路内洗滌用管路12の一端側は第1の切換弁16を介して給水タンク13に接続され、他端側は第2の切換弁17に接続されている。また、スコープ管路内洗滌用管路12の途中には送液ポンプ18が設けられている。
【0015】第2の切換弁17には送気ポンプ19を有したスコープ管路内送気管路20が接続され、送液と送気とが切換えられるようになっており、第2の切換弁17は管路を介してチャンネル接続口21と第2の電磁弁22aを介してチャンネル接続口22とに接続されている。
【0016】さらに、チャンネル接続口21は内視鏡2の鉗子口7に、チャンネル接続口22は内視鏡2の送気送水口金8にそれぞれ内視鏡管路洗滌用チューブ23を介して連結されている。
【0017】前記第1の切換弁16は第3の切換弁24を介して洗滌槽1の循環水排出口25に連結され、この循環水排出口25は第3の切換弁24を介して消毒液タンク26に接続されている。この消毒液タンク26は給水タンク13に接続されているとともに、消毒液ポンプ27を有する消毒液管路28を介して洗滌槽1の注入口29に接続されている。
【0018】さらに、内視鏡1のコネクタ5に設けられた送気ポート9には漏れ検出用チューブ30の一端が接続され、この他端には漏れ検出用送気ポンプ31が接続されている。さらに、漏れ検出用チューブ30の途中には圧力センサ32が設けられている。
【0019】また、前記洗滌槽1の外側壁に設けられた超音波振動子15は、図2に示すように、複数枚の振動板33を重ね合わせて構成した例えばランジュバン型の振動子からなり、この超音波振動子15の中央部にはパイプ34が貫通して設けられ、貫通孔35を構成している。そして、この貫通孔35の一端側は洗滌槽1に連通し、他端側は外表面洗滌用管路11を介して給水タンク13に連通している。
【0020】次に、前記内視鏡洗滌消毒装置の作用について説明する。まず、洗滌消毒装置の使用時には、使用済みの内視鏡2を洗滌槽1の保持部材にセットし、内視鏡2の孔あき検知を図3に示すフローチャートに従って行う。その後、図示しない各種操作スイッチの操作にともない図4に示すように、洗浄、消毒、すすぎ、送気、乾燥の各工程が行われる。
【0021】まず、内視鏡2の送気ポート9に漏れ検出用チューブ30の一端を接続し、漏れ検出用送気ポンプ31を作動させて内視鏡2の内部に送気を行う。内視鏡2の内部の圧力が一定に達した時点で、漏れ検出用チューブ30と漏れ検出用送気ポンプ31との間を遮断し、一定時間経過後の圧力低下を圧力センサ32によって測定する。
【0022】すなわち、図3に示すように、ステップS1で、内視鏡2に設定圧力の送気を行い、一定時間経過後の圧力低下を圧力センサ32によって測定する、1回目の測定を行い、ステップS2において圧力低下量が一定範囲Aに入っているか否かを判断する。
【0023】ステップS2でYESの場合にはステップS3に移り、内視鏡2に1回目の設定圧力より高い設定圧力の送気を行い、一定時間経過後の圧力低下を圧力センサ32によって測定する、2回目の測定を行う。つまり、再測定を行ってステップS4において1回目と2回目の測定値の差が一定値B内であるか否かを判断し、YESの場合にはステップS5に移って、良品と判断し、NOの場合にはステップS6に移って不良品と判断する。
【0024】ステップS2でNOの場合にはステップS7に移り、1回目の測定で圧力低下量が一定範囲Aより小さいか否かを判断し、YESの場合にはステップS5に移って、良品と判断し、NOの場合にはステップS6に移って不良品と判断する。
【0025】このように、圧力低下量の値に応じて内視鏡2の孔あき有無を判定するが、内視鏡2の孔あきが極めて微小(圧力低下量が範囲に入っているケース)だと、内視鏡2の膨脹等による測定誤差が原因であることも考えられる。そこで、より高い圧力で再測定を行ない、両測定値を比較の上その差の大小により、孔あきの有無を決定する。
【0026】すなわち、内視鏡2の膨脹等による測定誤差は圧力値を上げても大きく変化しないが、孔あきによる圧力低下量は高圧ほど大きくなるため、両測定値を比較すれば、測定誤差によるものか孔あきかを判断できる。
【0027】次に、洗滌工程に移る。第1の電磁弁14がONして開弁すると、給水タンク13に貯溜された洗滌水は重力で送水系管路10を介して超音波振動子15の貫通孔35内に流入する。ここで、超音波振動子15が発振すると、洗滌水は霧化されて洗滌槽1内の内視鏡2に噴射され、洗滌効果を発揮する。
【0028】洗滌工程の初めは第3の切換弁24が排水側になっており、洗滌水は順次排水されてゆくが、大きな汚れをほぼ除去(予備洗滌)した後は循環側に切換わって、洗滌槽1内に洗滌水が貯溜されて内視鏡2は洗滌水に浸漬される。この状態で超音波振動子15が発振すると、貯溜された洗滌水中を超音波が伝わって、超音波洗滌効果が発揮される。なお、貯溜された洗滌水に洗剤(図示せず)を添加するとより効果的である。
【0029】また、送液ポンプ18も同時に作動するため、初めは給水タンク13の洗滌水がスコープ管路内洗滌用管路12を介してチャンネル接続口21,22に導かれ、内視鏡管路洗滌用チューブ23を介して内視鏡2の鉗子口7および送気送水口金8から鉗子チャンネルおよび送気送水チャンネル内に送液される。
【0030】このように最初は給水タンク13の洗滌水が送気送水チャンネル内に送液されるが、超音波洗滌に切換わるとほぼ同時期から第1の切換弁16が切換わって貯溜水を循環送液するようになる。この際に、第2の電磁弁22aが閉じて内視鏡2の送気送水チャンネル内への送液はストップされる。洗滌工程の終りは、再び第3の切換弁24が排水側になって、工程の初めと同様の動作を行なう。
【0031】次に、消毒工程に移る。消毒ポンプ27の作動により、消毒液タンク26内の消毒液が消毒液管路28を介して洗滌槽1に送液貯溜される。同時に送液ポンプ18により消毒液が内視鏡2の鉗子チャンネル内へ循環送液される。第2の電磁弁22aは開いており、送気送水チャンネルにも送液される。一定時間経過後、第3の切換弁24が消毒液タンク26側に切換わり、消毒液は自然落下で消毒液タンク26に回収される。次に、すすぎ工程に移るが、前述した洗滌工程の初め(第3の切換弁24が排水側)と同様の動作で消毒液をすすぐ。
【0032】このように、超音波振動子15の貫通孔35を介して洗滌水を流通することにより、超音波振動によって洗滌水は霧化されて洗滌槽1内の内視鏡2に噴射されるため、優れた洗滌効果を発揮し、噴射ノズル、ポンプ等の構成が不要なので、コンパクトでかつ安価な装置を提供できる。
【0033】ところで、超音波洗滌は、洗滌槽1内で発生する定在波により深さ方向に洗滌むらが発生する。すなわち、波長λの1/2倍ごとに、洗滌力の高い箇所と低い箇所が生じる。そのため内視鏡2の汚れが激しく、かつ溜りやすい部分が、この洗滌力が弱い部分に設置された時は、汚れが残り、消毒が十分になされず、感染のもとになることが考えらる。
【0034】図5〜図11に示す内視鏡洗滌消毒装置は、前述した問題を解決したものであり、図5〜図11に基づいて説明するが、第1の実施例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0035】図5は内視鏡洗滌消毒装置の概略的構成を示す。洗滌槽1内には図6および図7に示すように洗滌篭40が設けられ、この洗滌篭40に内視鏡2が収納されている。
【0036】この内視鏡洗滌消毒装置による超音波洗滌時は、洗滌槽1内では定在波が発生し、その腹aの部分は洗滌力が高く、節bの部分は洗滌力が低い、そこで、内視鏡2の挿入部4の先端部4a、鉗子口3a等の、汚れが激しくまた汚れやすい部分を上記定在波の腹aの部分に設置し、内視鏡2の上記以外の部分は汚れが強力でなく、また表面状態も複雑でないため、定在波の節bの部分に設置する。
【0037】前記洗滌槽1には送水系管路10およびスコープ管路内洗滌用管路12が設けられている。また、消毒液タンク41及び洗剤タンク42と洗滌槽1とを接続する管路43,44にはそれぞれ電磁弁45,46が設けられている。
【0038】さらに、スコープ管路内洗滌用管路12の一端は洗滌槽1の循環水排出口47に連結されているとともに、他端はスコープ管路内洗滌用ポンプ48を介してチャンネル接続口49に連結されている。このチャンネル接続口49は洗滌篭40に収納された内視鏡2の各種チャンネルに内視鏡管路洗滌用チューブ50を介して連結されている。また、チャンネル接続口49に連結されているスコープ管路内洗滌用管路12の途中には、コンプレッサ51aを有するエアー供給管路51が連結されている。
【0039】また、排水ポンプ52aを有する排水管路52の一端は洗滌槽1の循環水排水口47に連結されているとともに、他端は装置外まで連通されている。また、循環水排水口47には切換弁53が設けられ、この切換弁53の操作及び回収ポンプ54の作動により消毒液が消毒液タンク41に回収できるようになっている。
【0040】さらに、洗滌槽1には内視鏡乾燥用に温風発生機55が接続されているとともに排気口56が設けられている。洗滌槽1の底部における外側壁には、例えばランジュバン型の複数の超音波振動子57が取付けられており、図示しない発振回路によって超音波振動子57が駆動される。なお、58は圧力スイッチである。
【0041】次に、前記内視鏡洗滌消毒装置の作用について説明する。まず、使用済みの内視鏡2を洗滌槽1内にセットし、内視鏡管路洗滌用チューブ50によって内視鏡2とチャンネル接続口49とを連結する。その後、図示しない各種操作スイッチの操作にともない洗滌、消毒、すすぎ、送気、乾燥の各工程が行われる。まず、洗滌工程では初めに給水弁10aが開き、例えば水道水等の給水源からの洗滌水が、送水系管路10を介して洗滌槽1に供給される。また、あらかじめ設定された液量の洗剤が洗滌槽1内に注入される。そして、あらかじめ設定された液面位置まで水が供給されると、圧力スイッチ58の作動により給水弁10aが閉じ、続いて超音波振動子57が発振して超音波洗滌が行われる。
【0042】このとき、洗滌槽1内では定在波が発生し、内視鏡2の挿入部4の先端部4a、鉗子口3a等の汚れが激しく部分は定在波の腹aの部分にあるため強い洗滌力により確実に洗滌される。また、内視鏡2の上記以外の部分は汚れが強力でなく、また表面状態も複雑でないため、定在波の節bの部分でも容易に洗滌がなされる。
【0043】洗滌工程が終了すると、排水ポンプ52aの駆動により洗滌槽1内の洗滌水が排水管路52を介して外部に排出される。また、給水弁10aが開いて新しい洗滌水が洗滌槽1内に供給されるとともにスコープ管路内洗滌用ポンプ48が駆動される。すなわち、洗滌槽1内の洗滌水がオーバーフロー式に順次新しい水と入れ換わりながらすすぎが行われる。その後、給水弁10aが閉じるとともに、排水ポンプ52aが停止する。
【0044】また、すすぎ工程の後半ではスコープ管路内洗滌用ポンプ48が停止されるとともにコンプレッサ51aが駆動されてチャンネル接続口49を介して内視鏡2の各種チャンネル内にエアーが導入され内視鏡2の水切りが行われる。
【0045】すすぎ工程が終了した後、続いて消毒工程が行われる。この消毒工程では初めに電磁弁45が開く。消毒液タンク41内の消毒液が管路43を介して洗滌槽1に供給される。内視鏡2の全体は洗滌槽1に溜められた消毒液に完全に浸漬されるとともに、スコープ管路内洗滌用ポンプ48の駆動により洗滌槽1内の消毒液がチャンネル接続口49に供給され、内視鏡管路洗滌用チューブ50を介して内視鏡2の各種チャンネル内の消毒が行われる。そして、所定時間が経過すると切換弁53が切換わり、回収ポンプ54が駆動して洗浄槽1内の消毒液が消毒液タンク41に回収される。
【0046】消毒工程の終了後、続いて再びすすぎ工程が行われる。スコープ管路内洗滌用ポンプ48の運転を停止した後、電磁弁48aが開き、コンプレッサ51aの駆動により内視鏡2の各種チャンネル内の水切りが完全に行われる。さらに一定時間経過後、排水ポンプ52aが停止する。
【0047】消毒工程の終了後、続いて乾燥工程が行われる。乾燥工程では温風発生機55から洗滌槽1内に温風が導かれるとともに、コンプレッサ51aからの圧縮空気をヒータ51bによって加熱した後、内視鏡2の各種チャンネル内に流す。このとき、洗滌槽1内の蒸気が排気口56から外部に排出されるようになっており、湿度を下げ乾燥を促進させる。
【0048】このように、汚れやすく、かつ洗滌しにくい内視鏡2の先端部4aや鉗子口3aを強力な洗滌力で落とし、その他の部分は比較的弱い洗滌力でも十分な洗滌効果が得られるため、極めて効率のよい、かつ十分な洗滌効果が得られる。そのため低い出力で洗滌することができ装置の小型化、低価格化を図ることができる。
【0049】なお、前記実施例においては、洗滌篭40の内部に内視鏡2を斜めに配置して強力に洗滌する腹aの箇所に、内視鏡2の挿入部4の先端部4aと鉗子口3aを設置したが、これに限定されず、次のように設置してもよい。
【0050】すなわち、図8は、洗滌篭40に内視鏡2を略水平に配置して腹aの箇所に、内視鏡2の挿入部4の先端部4aと鉗子口3aを設置した。図9は、挿入部4の全体を腹aの部分に設置した。
【0051】図10は、洗滌篭40とは別に、鉗子栓、吸引ボタン等の内視鏡付属品60を収納し、この内視鏡付属品60が定在波の腹aの位置になるようにな洗滌篭61を設けた。
【0052】また、内視鏡2の操作部3は強度的に弱く、強力な超音波洗滌を行うと破損してしまう恐れがあり、また、操作部3は挿入部4と違い、汚れが付着しにくく、かつ汚れの付着強度も弱い。よって必要となる洗滌力は低くてよい。そこで、図11に示すように、操作部3の例えば接眼部3bのように弱い部分は、定在波の節bにくるように、洗滌篭62を構成したものである。もちろんこれは、操作部3に限らず耐性面で弱い部分を、節bに持ってくることが可能である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、洗滌槽の外壁面に超音波振動子を設置するとともに、この超音波振動子に一端が前記洗滌槽内に開口し、他端が給液タンクに連通する貫通孔を設けたことにより、超音波振動子を発振させると、給液タンクから供給された洗滌水が貫通孔を通過する時に超音波振動を受け、洗滌水は順次霧化されて洗滌槽内に噴射される。したがって、簡単な構成でありながら、噴射洗滌と超音波洗滌とを併用することができ、洗滌効果の高い内視鏡洗滌消毒装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例における内視鏡洗滌消毒装置の概略的構成図。
【図2】同実施例における超音波振動子の縦断側面図。
【図3】同実施例の漏れ検出のフローチャート。
【図4】同実施例の制御説明図。
【図5】内視鏡洗滌消毒装置の変形例を示す概略的構成図。
【図6】同洗滌消毒装置の洗滌槽の平面図。
【図7】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図8】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図9】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図10】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【図11】同洗滌槽に内視鏡を設置した状態の側面図。
【符号の説明】
1…洗滌槽、2…内視鏡、13…給水タンク、15…超音波振動子、35…貫通孔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内視鏡を収容する洗滌槽に薬液を収容し、内視鏡を洗滌、消毒する内視鏡洗滌消毒装置において、前記洗滌槽の外壁面に超音波振動子を設置するとともに、この超音波振動子に一端が前記洗滌槽内に開口し、他端が給液タンクに連通する貫通孔を設けたことを特徴とする内視鏡洗滌消毒装置。
【請求項1】 内視鏡を収容する洗滌槽に薬液を収容し、内視鏡を洗滌、消毒する内視鏡洗滌消毒装置において、前記洗滌槽の外壁面に超音波振動子を設置するとともに、この超音波振動子に一端が前記洗滌槽内に開口し、他端が給液タンクに連通する貫通孔を設けたことを特徴とする内視鏡洗滌消毒装置。
【図2】
【図6】
【図7】
【図10】
【図1】
【図5】
【図8】
【図9】
【図11】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図10】
【図1】
【図5】
【図8】
【図9】
【図11】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開平6−133930
【公開日】平成6年(1994)5月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−291636
【出願日】平成4年(1992)10月29日
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
【公開日】平成6年(1994)5月17日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)10月29日
【出願人】(000000376)オリンパス光学工業株式会社 (11,466)
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