説明

写真画像プリントシステム

【課題】操作者が操作する場合、手荷物等を簡単に載置して操作中に手荷物等が盗まれることなく安全に操作することができる写真画像プリントシステムを提供する。
【解決手段】写真画像プリントシステム10は天板と、背面側板11cと、一対の側方側板11bと、底板とを有する筐体11と、デジタルメディア挿入口21aを有するPC本体21と、ディスプレイ22を有するPC20とを備えている。筐体11内にはプリンタおよび課金システムが収納されている。PC20は天板の左右方向一側の後方に配置され、天板の一側の前方に操作用テーブル15が前後方向に移動自在に設けられている。天板の左右方向他側には、操作用テーブル15より低い高さをもつ載置台16が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は写真画像プリントシステムに係り、とりわけ操作する上で利便性を有する写真画像プリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より写真画像プリントシステムとして、天板と、背面側板と、一対の側方側板と、底板とを有する筐体と、筐体の天板上に配置され、デジタルメディア挿入口を有するパーソナルコンピューター(PC)本体と、ディスプレイとを有するPCと、筐体内に収納されたプリンタおよび課金システムとを備えたものが知られている。
【0003】
このような写真画像プリントシステムにおいて、PC本体とディスプレイとを有するPCは筐体の天板上に配置されるが、この場合、PCは天板の左右方向の中央部に位置している。
【0004】
使用にあたって操作者は、PC本体のデジタルメディア挿入口に必要な画像情報を格納したデジタルメディア、例えばSD(secure digital)カード、CD−ROM等を挿入し、ディスプレイ上で必要な情報を入力する。
【0005】
その後、操作者は課金システムに接続された筐体の前扉側から料金を支払う。操作者が料金を支払った後、プリンタが写真画像をプリントして写真画像印刷物を作成し、この写真画像印刷物は前扉側から排出される。
【0006】
ところでこの間、操作者は手荷物を足下の床面上において、写真画像プリントシステムの操作を行っている。
【0007】
このような場合、写真画像プリントシステムの筐体上に、操作者用の手荷物載置空間があれば、操作者は操作中に手荷物をこの手荷物載置空間上に載置することができて都合が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−111893号公報
【特許文献2】特開2006− 1694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、操作者が操作する際、手荷物等を容易かつ簡単に載置して操作中に手荷物等が盗まれることなく安全に操作することができる写真画像プリントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、天板と、背面側板と、一対の側方側板と、底板とを有する筐体と、筐体の天板の左右方向の一側後方に配置され、デジタルメディア挿入口を有するPC本体と、ディスプレイとを有するPCと、筐体内に収納されたプリンタおよび課金システムとを備え、天板の左右方向の一側前方に操作用テーブルが配置され、天板の左右方向の他側に載置台が配置されていることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0011】
本発明は、筐体内に仕切板を設け、この仕切板により筐体内をプリンタを収納するプリンタ収納領域と、課金システムを収納する課金システム収納領域に区画し、天板の左右方向の一側はプリンタ収納領域に対応し、天板の左右方向の他側は課金システム収納領域に対応することを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0012】
本発明は、操作用テーブルは前後方向に可動となっていることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0013】
本発明は、操作用テーブルの高さは、載置台の高さより高くなっていることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0014】
本発明は、筐体はプリンタ収納領域用の第1前面扉と、課金システム収納領域用の第2前面扉とを有し、第1前面扉は第2前面扉より前方に位置し、第1前面扉を開いた際、当該第1前面扉が隣接する写真画像プリントシステムの第2前面扉に干渉しないことを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0015】
本発明は、載置台は木製となっており、天板のうち載置台に対応する部分に無線LANの通信経路を形成する貫通口が設けられていることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0016】
本発明は、載置台に、カサ立て用の凹部が形成され、当該凹部内にスポンジ材が挿着されていることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0017】
本発明は、PCのディスプレイは、ディスプレイ保持機構を介して天板に保持され、ディスプレイ保持機構はディスプレイ側固定板と、天板側固定板と、ディスプレイ側固定板と天板側固定板とを連結する連結機構とを有し、当該連結機構によりディスプレイの設置角度が調整自在となることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【0018】
本発明は、ディスプレイ保持機構のディスプレイ側固定板に、ディスプレイの少なくとも一側に位置する遮へい板が前後方向に揺動可能に取付けられていることを特徴とする写真画像プリントシステムである。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、操作者が操作する場合、手荷物等を容易かつ簡単に載置して操作中に手荷物等が盗まれることなく安全に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は本発明による写真画像プリントシステムを前方側からみた概略斜視図。
【図2】図2は写真画像プリントシステムの操作テーブルの作用を示す図であって、便宜上スライドレールを取除いた状態を示す図。
【図3】図3は写真画像プリントシステムを後方側からみた概略斜視図。
【図4】図4は横方向に配置された複数台の写真画像プリントシステムを示す図。
【図5】図5は便宜上操作テーブルを取外した場合において、プリンタ側の第1前面扉を開いた状態を示す写真画像プリントシステムを示す図。
【図6】図6は便宜上載置台を取外した場合において、課金システム側の第2前面扉を開いた状態を示す写真画像プリントシステムを示す図。
【図7】図7は便宜上後方覆い板を取外した場合において、PC囲い体の内部を後方側からみた図。
【図8】図8はPC本体の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明による写真画像プリントシステムについて説明する。
【0022】
図1乃至図8は本発明による写真画像プリントシステムの一実施の形態を示す図である。
【0023】
ここで図1は写真画像プリントシステムを前方側からみた概略斜視図であり、図2は写真画像プリントシステムの操作テーブルの作用を示す図であって、便宜上スライドレールを取除いた状態を示す図であり、図3は写真画像プリントシステムを後方側からみた概略斜視図であり、図4は横方向に配置された複数台の写真画像プリントシステムを示す図であり、図5は便宜上操作テーブルを取外した場合において、プリンタ側の第1前面扉を開いた状態を示す写真画像プリントシステムを示す図であり、図6は便宜上平板台を取外した場合において、課金システム側の第2前面扉を開いた状態を示す写真画像プリントシステムを示す図であり、図7は便宜上後方覆い板を取外した場合において、PC囲い体の内部を後方側からみた図であり、図8はPC本体の構成を示すブロック図である。
【0024】
図1乃至図5に示すように、本発明による写真画像プリントシステムは、天板11aと、一対の側方側板11b,11bと、背面側板11cと、底板11dとを有する筐体11と、筐体11の天板11a上であって左右方向の一側(図5の左側)50aの後方に配置されたパーソナルコンピューター(PC)20と、筐体11内に収納された2台のプリンタ2a,2bおよび課金システム8とを備えている。
【0025】
このうち筐体11は上述のように天板11aと、一対の側方側板11b,11bと、背面側板11cと底板11dとを有し、筐体11には筐体11内をプリンタ2a,2bを収納するプリンタ収納領域6aと、課金システム8を収納する課金システム収納領域6bとに区画する仕切板7が設けられている。
【0026】
そして筐体11の天板11a上の一側50aは、プリンタ収納領域6aに対応している。また筐体11の天板11a上の他側(図5の右側)50bは、課金システム収納領域6bに対応し、上述のように2台のプリンタ2a,2bは上下方向に配置されてプリンタ収納領域6a内に収納され、課金システム8は課金システム収納領域6b内に収納されている。
【0027】
またPC20は、後述する画像情報が格納されたSDカード、CD−ROM等のデジタルメディア21Dが挿入されるデジタルメディア挿入口21aを有するPC本体21と、PC本体21上に載置されたディスプレイ22とを有している。
【0028】
次にPC本体21内の構成について、図8により説明する。図8はPC本体21内の構成を示すブロック図である。
【0029】
図8に示すようにPC本体21は、画像データ読込書込手段21Aと、画像編集合成手段21Bと、素材データベース21Cとを備え、PC本体21に、ディスプレイ22、プリンタ2a,2bおよび課金システム8が接続されている。
【0030】
画像データ読込書込手段21Aは、予め画像データが記録されたデジタルメディア21Dから読み取ることにより、画像データを取得する。また、画像データ読込書込手段21Aは、PC本体21が作成した画像データをデジタルメディア21Dに記録することもできる。
【0031】
デジタルメディア21Dは、例えば、SD(secure digital)カード、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、フレキシブルディスク、PC(Personal Computer)カード、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等である。
【0032】
画像編集合成手段21Bは、一つ以上の画像データに対して、落書き、スタンプのような加工、画像データの切抜き、変倍、切り抜いた画像の他の画像への貼り付け等、合成編集等を対話的に行う対話型インタフェース手段と画像処理プログラムで構成される。加工や合成編集に扱う画像データとしては、素材データベース21Cに存在する素材画像データ、フレーム画像データ等を用いることもできる。
【0033】
ところでPC本体21に接続されたプリンタ2a,2bは、高解像度カラープリンタである。昇華型あるいはインクジェット型などの方式は問わない。
【0034】
また操作者はディスプレイ22の画面22aを通してPC本体21に出力すべき注文内容を必要に応じて選択する。選択項目としては、モードの選択(実画像データの通常の出力を行うのか、シールプリントを行うのか、CD−R等の記録メディアへの書き込みを行うのか、等の指定)、さらに、実画像データの通常の出力等の場合には、複数コマ分の画像データを入力した場合、どの画像をプリントするのかの指定、プリント枚数やプリントサイズの指定等がある。なお、利用者は画像を出力する前に、一つ以上の画像データを指定して加工および合成編集することができる。
【0035】
ところでこのような構成からなるPC20は、天板11aの一側50aの後方に配置され、天板11aの一側50aの前方には操作用テーブル15が前後方向に移動自在に配置されている。
【0036】
この操作用テーブル15は操作者が写真画像プリントシステム10のディスプレイ22を操作する際、操作者の前方に位置して、操作者が操作中に腕、手等を載置することができる。
【0037】
また操作用テーブル15は操作用テーブル本体15aと、PC本体21のデジタルメディア挿入口21aに対応する開口15cを有する操作用垂直板15bとを有し、天板11aの一側50a上に設けられたスライドレール15dに沿って前後方向に移動することができる。また操作用テーブル15に、デジタルメディア操作時の悪影響を除くために、静電気防止シートを貼付してもよい。
【0038】
また天板11aの左右方向の他側50bには、平板状の載置台16が設けられている。この載置台16には操作者が操作中に手荷物等を載置することができる。
【0039】
また載置台16は平板状のものに限られることはなく、表面にエンボスが付された台であってもよく、水平面に対して傾斜している台であってもよく、さらに表面が湾曲している台であってもよい。
【0040】
すなわち、従来の写真画像プリントシステムでは、PCが筐体の天板左右方向中央部に載置されているため、操作者は手荷物等を足元の床面上におくことになるが、本発明によれば、PC20が天板11aの一側50a上に設けられ、天板11aの他側50bに載置台16が設けられているため、操作者は手荷物等を載置台16上に載置することができる。このように操作者は手荷物等を載置台16上に載置することができるので、操作者にとって写真画像プリントシステムの操作性が向上する。
【0041】
ところで、筐体11は全体として鋼製となっており、天板11aの他側50bには貫通口33が設けられている(図6参照)。そして木製の載置台16を天板11aの他側50上に配置することにより、筐体11の課金システム収納空間6b側に、無線LAN(local area network)の送受信機(図示せず)を配置することができる。この場合、筐体11の天板11aに設けられた貫通口33によって無線LANの送受信機の通信経路が形成される。
【0042】
なお、天板11aの一側50aに設けられた操作用テーブル15の高さは、天板11aの他側50bに設けられた載置台16の高さより高くなっている。このため操作者は載置台16を操作用テーブル15から明瞭に区別することができ、当該載置台16上に間違いなく手荷物等を載置することができる。
【0043】
また載置台16の前方側にはカサ立て用の凹部17が形成され、この凹部17内にスポンジ材17aが挿着されている。操作者はこのカサ立て用の凹部17内にカサの把持部を引掛けることができる。このとき凹部17内のスポンジ材17aはカサの把持部により押圧されて、凹部17内へ引込む。このようにカサの把持部を凹部17内に引掛けることにより、カサが載置台16からずり落ちることはない。
【0044】
他方、操作者がカサ立て用の凹部17を使用しない場合、スポンジ材17aは元の形に戻って凹部17内を埋めるので、凹部17内にゴミ等が混入することはない。
【0045】
ところで、図3および図7に示すように、筐体11の天板11a上に配置されたPC20を覆ってPC囲い体25が設けられている。PC囲い体25は後方側開口を有する囲い体本体25bと、囲い体本体25bの後方側開口を覆う後方覆い板25aとを有し、天板11a上に固定されている。
【0046】
また図3および図7に示すように、PC20のディスプレイ22上に、ディスプレイ22を覆ってディスプレイ覆い板26が設けられており、ディスプレイ22側のディスプレイ覆い板26と、PC囲い体25側の後方覆い板25aとによって、ディスプレイ22を覆ってディスプレイ22にゴミあるいはほこりが付着することを防ぐことができる。またディスプレイ覆い板26によって、室内の蛍光灯からの光の映り込みを防ぎ、ディスプレイ22中の画像をより良くみることができる。
【0047】
ここで図7はPC囲い体25の内部を後方側からみた図であって、便宜上後方覆い板25aを取り外した状態を示す図である。
【0048】
図7に示すように、PC20のディスプレイ22の背面にディスプレイ側固定板45が設けられており、かつ天板11aに固定されたPC囲い体25側に天板側固定板44が設けられている。
【0049】
そしてディスプレイ側固定板45と、天板側固定板44との間が連結機構46により連結されており、ディスプレイ側固定板45と、天板側固定板44と、連結機構46とによって、ディスプレイ保持機構42が構成されている。
【0050】
すなわちPC20のうち、デジタルメディア挿入口21aを有するPC本体21は天板11a上に配置されており、ディスプレイ22はPC本体21上に、PC本体21に対して揺動自在に設けられている。
【0051】
そしてPC本体21に対してディスプレイ22を上下方向に揺動させ、その後図7に示す連結機構46および天板側固定板44を、PC囲い体25に対して摺動させて、連結機構46および天板側固定板44をPC囲い体25に固定する。例えば室内の外光からの反射等を考慮してディスプレイ22の揺動角度を調整した後、天板側固定板44の溝44a内に設けられた固定ネジ46aをPC囲い体25に締付けて、連結機構46および天板側固定板44を固定する。このことにより、室内の照明状況に応じてディスプレイ22の設置角度を所望の値に定めることができる。
【0052】
また、ディスプレイ保持機構42のディスプレイ側固定板45に、ディスプレイ22の両側に位置する一対の遮へい板43,43が設けられている。
【0053】
すなわち、各遮へい板43,43は、ディスプレイ側固定板45に揺動レバー48を介して前後方向に揺動可能に取付けられている(図7参照)。
【0054】
例えば、操作者がディスプレイ22の画面22aに対する操作内容を他人に見られたくない場合、他人側にある遮へい板43を前方に揺動させる。このことにより、ディスプレイ22の画面22aに対する操作内容を他人に見られることなく操作することができる。
【0055】
他方、操作者が複数いて、複数の操作者がディスプレイ22の画面22aに対して操作する場合、複数の操作者間の遮へい板43を後方に揺動させることにより、複数の操作者が互いに話し合いながら同時にディスプレイ22の画面22aに対する操作を行うことができる。なお、各遮へい板43,43は、一方のみを揺動させて用いることもできる。
【0056】
ところで、図1、図5および図6に示すように、筐体11の前面側には、プリンタ収納領域6a側に位置する第1前面扉12aと、課金システム収納領域6b側に位置する第2前面扉12bとが開閉自在に設けられている。
【0057】
これら第1前面扉12aと第2前面扉12bは観音開き構造をもち、いずれも筐体11の前面側に配置されている。
【0058】
また第1前面扉12aの前面には、透明な開閉扉12cが開閉自在に設けられている。さらに第1前面扉12aの裏面には、2台のプリンタ2a,2bによりプリントされた写真画像印刷物を排出する排出部3が設けられている。この排出部3は上方のプリンタ2aからの写真画像印刷物が投入される上方投入口3aと、下方のプリンタ2bからの写真画像印刷物が投入される下方投入口3bとを有し、排出部3内には上方投入口3aと下方投入口3bに連通する排出路が形成され、排出路の下端部には、写真画像印刷物が集積される集積部3cが設けられている。
【0059】
またプリンタ収納領域6aに対応する第1前面扉12aは、課金システム収納領域6bに対応する第2前面扉12bより前方に位置している。
【0060】
次に第1前面扉12aおよび第2前面扉12bについて、図5および図6により詳述する。
【0061】
図5に示すように、筐体11の一方の(左側の)側方側板11bは天板11aより前方に突出する前方突出部37を有し、この前方突出部37にヒンジ部38を介して第1前面扉12aが開閉自在に取付けられている。そして天板11aの前方左側には開口39が形成され、第1前面扉12a上には閉時において天板11aの開口39内に入り込む突片40が設けられている。
【0062】
また図6に示すように、筐体11の他方の(右側の)側方側板11bは、天板11aの前面と前後方向の同一位置にある取付部31を有し、この取付部31にヒンジ部32を介して第2前面扉12bが開閉自在に取付けられている。そして天板11aの前方右側には開口34が形成され、第2前面扉12b上には閉時において天板11aの開口34内に入り込む突片35が設けられている。
【0063】
また第2前面扉12bには、コイン投入口18a、お札投入口18bおよびつり銭返却口18cが各々設けられている。
【0064】
このように筐体11のプリンタ収納領域6aに対応する第1前面扉12aが課金システム収納領域6bに対応する第2前面扉12bより前方に位置しているため、一の写真画像プリントシステム10の第1前面扉12aを開いた場合に隣接する写真画像プリントシステム10の第2前面扉12bに干渉することはない。
【0065】
すなわち、使用にあたって複数の写真画像プリントシステム10を横方向に並べて配置することがあり、この場合隣り合う写真画像プリントシステム10間の間隔を狭くして全体の設置スペースを小さくしている(図4参照)。
【0066】
この場合、各写真画像プリントシステム10の第1前面扉12aと第2前面扉12bの前方位置が一致していると、ある写真画像プリントシステム10の第1前面扉12aを開いた場合、当該第1前面扉12aが隣接する写真画像プリントシステム10の第2前面扉12bに干渉することも考えられる。
【0067】
これに対して本発明によれば、第1前面扉12aを第2前面扉12bより前方に配置することにより、ある写真画像プリントシステム10の第1前面扉12aを開いた場合であっても、当該第1前面扉12aが隣接する写真画像プリントシステム10の第2前面扉12bと干渉することはない。
【0068】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0069】
まず操作者は図1に示す写真画像プリントシステム10の前方に立って写真画像プリントシステム10の操作を行う。このような操作に先立って操作者は、まず手荷物等を筐体11の右側に位置する載置台16上に載置する。また必要に応じて操作者はカサをカサ立て用の把持部を載置台16の凹部17内に引掛ける。
【0070】
次に操作者は、PC20のディスプレイ22の画面22aに対して必要な操作を行う。この間画像情報が格納されたSDカード、CD−ROM等のデジタルメディア21Dを、PC本体21に設けられたデジタルメディア挿入口21a内に挿入するとともに、コイン投入口18aまたはお札投入口18bから必要な料金を支払う。
【0071】
操作者がディスプレイ22の画面22aに対して必要な操作を行い、デジタルメディア21Dをデジタルメディア挿入口21a内に挿入し、かつ必要な料金を支払うことにより、PC20のPC本体21が作動してプリンタ2a,2bを駆動制御する。このことによりプリンタ2a,2bによりプリントされた写真画像印刷物が得られ、この写真画像印刷物は第2前面扉12に設けられた排出部3の下端部にある集積部3c内に集積される。
【0072】
操作者は次に第1前面扉12aに設けられた透明な開閉扉12cを開くことにより、集積部3c内に集積された写真画像印刷物を取り出すことができる。その後、PC本体21から操作テーブル15のレシート口15eを介してレシートが排出される。
【0073】
この間、操作者はディスプレイ22の画面22aの操作にあたって、必要に応じて遮へい板43を前後方向に揺動し、ディスプレイ22の画面22aに対する操作内容を他人に見られたくない場合は、遮へい板43を前方へ揺動する。
【0074】
PC本体21に内蔵されていたレシート巻体を交換する場合、写真画像プリントシステム10が設置されている店の従業者がまず第1前面扉12aを開く。次に従業者は操作用テーブル15を前方へ引出してPC本体21の前面を露出させ、このように前面が露出したPC本体21に、新しいレシート巻体を装着する。
【0075】
このように本実施の形態によれば、筐体11の天板11aが一側(図1の左側)50aと他側(図1の右側)50bとに区画され、天板11aの一側50aの後方にPC20が配置されるとともに、天板11aの一側の前方に操作用テーブル15が前後方向に移動自在に配置されている。
【0076】
また筐体11の天板11aの他側50bに、操作用テーブル15の高さより低い高さの載置台16が設けられている。このように筐体11の天板11aの左右方向一側にPC20および操作用テーブル15を配置したので、天板11aの左右方向中央にPCを載置する場合に比べて、天板11aの他側に手荷物等を載置するための載置台16を広いスペースをもって設置することができる。このため操作者は足元の床面上ではなく、広いスペースをもつ載置台16上に手荷物等を載置した後、ディスプレイ22の画面22aに対して操作を行うことができる。このため操作中に手荷物等が盗まれることはなく、安全にディスプレイ22の画面22aに対して操作を行うことができる。
【0077】
また、載置台16の高さを操作用テーブル15の高さより低くすることにより、載置台16を操作用テーブル15から明瞭に区別することができる。このため載置台16上に間違いなく手荷物を載置することができるとともに、写真画像印刷プリントシステムの意匠性も向上させることができる。
【0078】
なお、第1前面扉12aを例えば赤色に着色し、第2前面扉12bを赤色と異なる、例えば白色に着色することにより、写真画像プリントシステムの幅が実際よりも小さくみえる。このため、写真画像プリントシステムを図4に示すように並べた場合であっても、見た目に圧迫感を与えることはなく、意匠性も向上する。
【0079】
このように第1前面扉12aと、第2前面扉12bとを設けることによって、プリンタ2a,2bの部品を交換する場合は、店の従業者が第1前面扉12a用のキーを用いて赤色の第1前面扉12aを開いてプリンタ2a,2bの部品を交換することができる。
【0080】
他方、課金システム8中の現金を処理する場合は、店の管理者が第2前面扉12b用のキーを用いて白色の第2前面扉12bを開いて課金システム8の現金を処理することができる。
【0081】
このように第1前面扉12aと、第2前面扉12bとを設けることにより、第1前面扉12aは店の従業者により取扱われ、第2前面扉12bは店の管理者により取扱われるようにすることができ、第1前面扉を扱う担当者と第2前面扉を扱う担当者を明確に区別することができる。
【0082】
また上述のように、第1前面扉12aが第2前面扉12bより前方に配置されているため、白色の第2前面扉12bを赤色の第1前面扉12aに比べて実際よりもかなり小さく見せることができ、第1前面扉12aと第2前面扉12bをより明確に区別することができる。
【符号の説明】
【0083】
2a,2b プリンタ
3 排出部
6a プリンタ収納領域
6b 課金システム収納領域
7 仕切板
8 課金システム
10 写真画像プリントシステム
11 筐体
11a 天板
11b 側方側板
11c 背面側板
11d 底板
12a 第1前面扉
12b 第2前面扉
15 操作テーブル
15a 操作テーブル本体
15b 操作用垂直板
15c 開口
15d スライドレール
16 載置台
17 凹部
17a スポンジ材
20 PC
21 PC本体
21a デジタルメディア挿入口
22 ディスプレイ
22a 画面
25 PC囲い体
25a 後方覆い板
25b 囲い体本体
26 ディスプレイ覆い体
42 ディスプレイ保持機構
43 遮へい板
44 天板側固定板
45 ディスプレイ側固定板
46 連結機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、背面側板と、一対の側方側板と、底板とを有する筐体と、
筐体の天板の左右方向の一側後方に配置され、デジタルメディア挿入口を有するPC本体と、ディスプレイとを有するPCと、
筐体内に収納されたプリンタおよび課金システムとを備え、
天板の左右方向の一側前方に操作用テーブルが配置され、
天板の左右方向の他側に載置台が配置されていることを特徴とする写真画像プリントシステム。
【請求項2】
筐体内に仕切板を設け、この仕切板により筐体内をプリンタを収納するプリンタ収納領域と、課金システムを収納する課金システム収納領域に区画し、天板の左右方向の一側はプリンタ収納領域に対応し、天板の左右方向の他側は課金システム収納領域に対応することを特徴とする請求項1記載の写真画像プリントシステム。
【請求項3】
操作用テーブルは前後方向に可動となっていることを特徴とする請求項1記載の写真画像プリントシステム。
【請求項4】
操作用テーブルの高さは、載置台の高さより高くなっていることを特徴とする請求項1記載の写真画像プリントシステム。
【請求項5】
筐体はプリンタ収納領域用の第1前面扉と、課金システム収納領域用の第2前面扉とを有し、第1前面扉は第2前面扉より前方に位置し、第1前面扉を開いた際、当該第1前面扉が隣接する写真画像プリントシステムの第2前面扉に干渉しないことを特徴とする請求項2記載の写真画像プリントシステム。
【請求項6】
載置台は木製となっており、天板のうち載置台に対応する部分に無線LANの通信経路を形成する貫通口が設けられていることを特徴とする請求項1記載の写真画像プリントシステム。
【請求項7】
載置台に、カサ立て用の凹部が形成され、当該凹部内にスポンジ材が挿着されていることを特徴とする請求項1記載の写真画像プリントシステム。
【請求項8】
PCのディスプレイは、ディスプレイ保持機構を介して天板に保持され、
ディスプレイ保持機構はディスプレイ側固定板と、天板側固定板と、ディスプレイ側固定板と天板側固定板とを連結する連結機構とを有し、
当該連結機構によりディスプレイの設置角度が調整自在となることを特徴とする請求項1記載の写真画像プリントシステム。
【請求項9】
ディスプレイ保持機構のディスプレイ側固定板に、ディスプレイの少なくとも一側に位置する遮へい板が前後方向に揺動可能に取付けられていることを特徴とする請求項8記載の写真画像プリントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−186234(P2011−186234A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52028(P2010−52028)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】