説明

冷気制御装置および当該制御装置を備えたパネル空調装置

【課題】パネル空調装置を用いた冷房環境下における上下温度差を低減し、均一な気温の冷房空間を得る。
【解決手段】鉛直方向に延びかつ内部に冷却流体を通過可能な複数枚のパネル状の扁平チューブを一定方向に整列し、当該扁平チューブ内に冷却流体を流して冷房を行う空調装置に装着し、扁平チューブに沿って下降する冷気を受け止め、これを冷房装置の前方・後方の何れか一方又は双方に向け流出させる冷気制御装置である。前後方向に延在して複数の扁平チューブの各々を夫々挿入可能な複数のスリットを有すると共に、前後方向について少なくとも扁平チューブの前端と後端との間に亘って広がって扁平チューブに沿って下降する冷気を受け止めかつ当該冷気が一方又は双方の側縁部から流れ出ることを許容する冷気受止面を上面に有する、冷気制御板と、この冷気制御板を扁平チューブの上下端の間に水平に延在するように空調装置に対し支持する支持手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷気制御装置および当該制御装置を備えたパネル空調装置に係り、特に、室内に立設したパネル内に冷水を通し冷房を行う空調装置に装着して当該パネルにより冷やされた冷気の流れを制御する器具に関する。
【背景技術】
【0002】
機械送風による強制気流を生じることがなく、在室者に快適な室内環境を提供できる輻射型の冷暖房装置を長年に亘り出願人は製造販売している。この種の空調装置は、図11から図13に示すように建物室内に設置したパネル状の熱交換器21a,21bに温水や冷水等の液状媒体を供給することによって当該熱交換器表面を通じて室内空気と熱交換を行い、また輻射により冷暖房を行うものである。
【0003】
熱交換パネル21a,21bは、上下両端部を閉塞した扁平の(長板状の)鋼管(扁平チューブ)からなり、床と天井との間に固定した一対の支持板12,13の間に、かつ、装置上部に水平に配した上部導管41と、装置下部に同じく水平に配した下部導管51との両側にそれぞれ対をなすように配列される。また各パネル21a,21bと上部導管41および下部導管51とは、冷温水を循環させることが出来るよう互いに連通させてある。
【0004】
具体的には、上下各導管41,51の両側に(片側のみに扁平チューブを備えるものにあっては片側に)管内に通じる複数の連通孔48,58を備える一方、パネル21a,21b側には、上下各端部近傍位置の内側縁部を切り欠いて形成した切欠孔(図示せず)を設け、これら連通孔48,58および切欠孔を通じて導管41,51とパネル21a,21bの内部との間に自由に冷温水が流通できかつ外部に冷温水が漏れることがないよう水密状態にパネル21a,21bと導管41,51とを溶接し接続する。
【0005】
上部導管41は、冷熱源からの冷水および温水を給水配管(図示せず)を通じて装置に導入するための導入部42と、パネル21a,21b内を通した冷水および温水を戻り配管(図示せず)を通じて冷熱源に戻すための送出部43を備える。また、上部導管41の内部には、図13に示すように、導管両端部を閉塞する端壁45,46に加え、送出部側の数枚(例えば4枚)のパネル分の長さを仕切る隔壁47を導管中間部に設け、この隔壁47に遮られて導入部42から装置内に流入した冷温水は、送出部43側に短絡的に流れることなく、当該数枚のパネルの内部を下部導管51に向け下方に流れ下る。
【0006】
一方、下部導管51も同様にその両端部を端壁55,56によって閉塞するが、導管中間部には隔壁を備えない。したがって前記導入部側のパネル内を下降して連通口58から下部導管51内に流入した冷温水は、下部導管51内を送出部43側に(図13の右方に)進み、導管51の左右側面に設けられた連通孔58を通じて送出部側のパネル21a,21bの内部に再び浸入する。そして、これらのパネル21a,21b内を上部導管41に向け上昇して上部導管41の両側面の連通孔48を通じて再び上部導管41の中に浸入し、送出部43に接続された戻り配管(図示せず)を通って冷熱源(図示せず)に戻される。
【0007】
さらに冷房運転時には、熱交換パネル21a,21bの表面に結露水を生じさせ、これを集めて排水することにより除湿を同時に行うことが可能である。熱交換パネル21a,21bの下部には、結露水を集めるドレンパン15を備え、パネル21a,21bの表面から流れ落ちる結露水を受け止め、底面に設けた排水口16からドレンパン15内の水を排出する。
【0008】
かかる空調装置は、冷暖房双方を行う装置として使用することが出来るが、冷房専用の装置として使用されることもある。また図示した装置は、上部導管と下部導管の両側に扁平チューブを備える(平行に整列させた2列のチューブを備える)が、冷暖房の負荷等に応じて片側のみに扁平チューブを備えても(整列させた1列のチューブを備えたものとしても)良い。なお以下、扁平チューブを2列備えたものをダブル装置、1列のものをシングル装置と称する。またこのような空調装置を開示するものとして、例えば下記特許文献がある。
【0009】
【特許文献1】特開2005‐127606号公報
【特許文献2】特開2006‐207857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、一般に空調装置により冷房を行う場合、程度の差こそあれ室内空間の上下で気温差が生じることは避けられない。上記のようなパネル空調装置でも、輻射による冷房効果によって在室者に良好な体感(冷涼感)を与えることは出来るものの、扁平チューブとの熱交換によって冷やされた空気(冷気)はチューブに沿ってそのままストレートに下降し、気温としては床に近い低所は低温となる一方で、床面近くと較べれば室内の上部空間は冷気が十分に行き渡らず気温が高くなる傾向にある。
【0011】
一方、近年、住宅のような人間の在室空間だけでなく、常温より低い温度で貯蔵することにより品質をより良好に保つことが出来る商品を扱う専門店や百貨店の専門売場において、商品の陳列貯蔵室を冷房する装置として上記のようなパネル空調装置の需要が増大している。上記のようなパネル空調装置は輻射によって物品自体を直接冷やすことが出来るから、室温自体はさほど低温でなくても冷房効果が得られるうえに、エアコンのような機械送風を伴わないから、商品の表面が送風によって乾燥したりみずみずしさが失われるようなことがなく、自然対流による気流によってより自然な低温空間を創り出すことが出来るからである。
【0012】
他方、このような商品の陳列貯蔵室では、床面積あたりの商品の収納量を増やし売場面積を効率的に利用するために、背の高い物品収納棚あるいは商品陳列棚など(以下、纏めて商品陳列棚を云う)を使用して、床面近くから背丈以上の高所まで高さ方向に多数の棚を設けて商品を収容することが少なくない。したがって、室内全体を一定温度に保つだけでなく、室内の上下で温度が均一であることも要求される。例えば、厳格な温度管理が必要な商品にあっては室内上下で温度差が大きければ、高所に収納した商品は十分に冷やされず、逆に低所に格納した商品は冷えすぎて、いずれも品質保持に影響を及ぼすおそれがあるからである。
【0013】
さらに、商品を対象とする場合に限られず、従来からの住宅や店舗、公共施設のように人間を対象とした室内空間にあっても、上下気温差を低減することは、より一層快適な冷房環境を在室者に提供できる点で好ましい。
【0014】
したがって、本発明の目的は、パネル空調装置を使用した冷房環境下における上下温度差を低減し、より均一な気温の冷房空間を実現する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る冷気制御装置は、略鉛直方向に延びかつ内部に冷却媒体となる流体を通過させることが可能な複数枚のパネル状の扁平チューブを一定方向に整列配置し、これら扁平チューブ内に冷却媒体となる前記流体を流して冷房を行うことを可能としたパネル空調装置に装着し、前記扁平チューブに沿って下降する冷気を受け止め、これを当該空調装置の前方および後方のいずれか一方または双方に向け流出させる冷気制御装置であって、扁平チューブの整列方向を左右方向、水平面内において当該左右方向と直交する方向を前後方向とした場合に、扁平チューブは、その表裏面が左右方向に略直交するように整列され、当該冷気制御装置は、前後方向に延在して複数の扁平チューブの各々をそれぞれ挿入可能な複数のスリットを有すると共に、前後方向について少なくとも扁平チューブの前端と後端との間に亘って広がって扁平チューブに沿って下降する冷気を受け止めかつ当該冷気が一方または双方の側縁部から流れ出ることを許容する冷気受止面を上面に有する、冷気制御板と、この冷気制御板を、扁平チューブの上端と下端との間に略水平に延在するようにパネル空調装置に対し支持可能な支持手段とを備える。
【0016】
本発明の冷気制御装置は、整列配置した複数のパネル状の扁平チューブ(以下、単にチューブと称することがある)を有するパネル空調装置に備えて使用するもので、冷気制御板と、これを空調装置に支持する支持手段とを備える。空調装置は、例えば前記図11から図13に示した従来の装置(ただしこの従来例以外の形状・構造の装置であっても良い)であり、本発明の冷気制御装置はこのような扁平チューブ内に冷水などの冷媒流体を通して冷房を行う空調装置に備えることが可能である。なお、この空調装置については、背景技術の欄において既に説明したので以下においては重複した説明を省略する。
【0017】
冷気制御板は、扁平チューブと扁平チューブとの間、あるいはその前後左右周囲に亘って略水平に広がって当該チューブに沿って下降する冷気を受け止める。冷気制御板に当たった冷気は、下方への進行が当該冷気制御板によって阻止され、また左右方向への進行が、上記表裏面が左右方向に略直交するように整列されたチューブに阻まれて、前後方向(前方および後方のうちのいずれか一方または双方)に向け流れることとなる。
【0018】
したがって、当該冷気制御板を上記支持手段により空調装置(扁平チューブ)の適当な(冷気を供給したい)高さ位置に固定することにより、室内の上部空間(床面より高い位置)に冷気を導入して当該室内の上下の気温差を小さくすることが可能となる。この冷気制御板は、1つの空調装置に複数、すなわち、異なる高さ位置にそれぞれ設置しても良い。
【0019】
また、上記支持手段は、空調装置に対して着脱自在のものであっても良いし、溶接やボルト等で固定して外れない構造であっても良い。着脱自在、特に高さ方向の支持位置を変更可能とすれば、例えば商品陳列棚の棚板の高さや商品の収納状況に応じて冷気の供給箇所を自由に設定することが出来る。
【0020】
また上記冷気制御板は、扁平チューブの前端および後端のいずれか一方または双方より外方へ張り出すようにすることが望ましい。チューブ前面あるいは後面を下降する冷気を捕捉するためである。
【0021】
また、冷気制御板の前縁部および後縁部のうちいずれか一方の高さを他方の高さより低くすることがある。このようにすれば、冷気受止面に当接した冷気を当該低くした縁部から流れ出るようにすることができ、空調装置の一方側(前面側または後面側)のみに向け冷気を流すことが可能となる。
【0022】
さらに、冷気制御板の前縁部または後縁部のいずれか一方または双方に、扁平チューブの前端または後端より外方へ張り出して室内構造物の表面に当接する張出当接部を備えても良い。このような張出当接部を設ければ、例えば、壁の前に空調装置を設置し、その前面側に商品陳列棚を配置したような場合に、壁側の冷気をすべて空調装置前面の商品陳列棚に供給することが可能となる。上記室内構造物とは、典型的には壁であるが、例えば間仕切りや、商品または物品を収納する棚、その他の構造物であっても構わない。またこの張出当接部を、前後方向に伸縮可能とし(例えば張出当接部を相対的に摺動する2枚の重ねた板により構成すれば良い)、これにより当該張出当接部の張出長さを変更できるようにすることも可能である。このような装置構造によれば、空調装置の設置場所に応じてこれと室内構造物との間の様々な間隔に柔軟に対応可能とすることが出来る。
【0023】
上記冷気受止面は、前後方向について、下り勾配となる第一傾斜面と、この第一傾斜面の下縁部から連続して逆に上り勾配となる第二傾斜面とにより形成されるV字状の谷部を含むようにすることが望ましい。これは次の理由による。
【0024】
本発明の装置を装着する上記パネル空調装置では、装置上部(例えば図11〜図13に示した上部導管41等)から結露水が落下することがある。このような結露水は、本発明に係る冷気制御装置を設置した場合、冷気制御板が冷気を受けるだけでなく同時に結露水を受ける場合が生じる。受けた結露水は何らかの形で排水する必要があるが、上記のようなV字状の谷部を備えれば、当該谷部に結露水を集めることが出来るから排水が容易となり、また、冷気制御板上に落下した結露水が当該制御板周囲から空調装置周囲に不用意に飛び散りあるいは滴り落ちて床を濡らすような事態を防ぐことも出来る。
【0025】
上記谷部は、左右方向に延在することとなるが、この谷部を前後方向に複数備えるようにしても良い。例えば、空調装置の扁平チューブが左右方向に平行に2以上の列で配列されている場合(例えばダブル装置の場合)、これら2以上の列をもって配列された扁平チューブの各列について上記谷部をそれぞれ備えることが出来る。
【0026】
このような構造を採る場合、谷部が1つの場合には、前後方向に切断したときの断面形状が冷気制御装置全体として略V字形状をなし、谷部が2つの場合には、前後方向に切断したときの断面形状が冷気制御装置全体として略W字形状をなすことがある。また、略W字形状の装置形状とした場合には、2つの谷部の間に尾根状に形成される山部の頂上が、冷気制御板の前端および後端より高くなるようにする場合がある。このように下降する冷気が比較的多く当たる冷気制御板中央の山部を高く、また受けた冷気を放出する冷気制御板の端部を低く形成すれば、扁平チューブに沿って下降してくる冷気を水平方向に(前方又は後方へ)スムーズに受け流すことが可能となる。
【0027】
上記谷部は、その谷底が扁平チューブの前端と後端との間に位置するように形成することが好ましい。このようにすれば、冷気受止面に受けた結露水を谷部の谷底に集めてこれを扁平チューブの表面に伝え、流し落とすことが出来る。なお、本出願で扁平チューブについて「表面」とは、扁平チューブのおもて面(片側面)のみを指すものではなく、うら面(表裏両面)を含む意味である。
【0028】
さらに、上記谷部の谷底が前後方向に関する扁平チューブの中央と前端との間に位置するよう構成しても良い。このように谷底を扁平チューブの前端寄りに配置すれば、特に、冷気を前方へ流出させる場合に、当該冷気にとって上り勾配となる谷部の前側斜面が短くなり(同時に、当該冷気にとって下り勾配となる谷部の後側斜面が長くなる)、よりスムーズに冷気を前方へ導いて放出させることが可能となる。
【0029】
本発明の装置では、前記支持手段によってパネル空調装置に支持させたときに、前記スリット内において冷気制御板とチューブとの間に隙間が形成されるようにし、これにより、冷気受止面に落下した結露水がチューブの表面に流れ伝わるようにすることが好ましい。特別な排水機構を設けることなく、冷気制御板に受けた結露水を排水するためである。
【0030】
この場合、上記スリット内における冷気制御板とチューブとの隙間をSとすると、例えば0mm<S<3.6mmとし、好ましくは0.8mm≦S≦2.0mmとし、更に好ましくは1.0mm≦S≦1.2mmとする。冷気制御板とチューブとの隙間Sが小さすぎれば、結露水が当該隙間を通過してチューブに沿って下方へ流れ下り難くなる一方、当該隙間が大きすぎれば、結露水がチューブ表面に伝わらなくなって当該隙間を通じて直接下方へ滴り落ち、あるいは当該隙間から冷気が下方へ漏れるおそれがあるからである。
【0031】
冷気制御板は、冷気受止面が左右方向に整列されたチューブ全体の略全長に亘って延在するように形成することが望ましいが、左右方向についてチューブ全体(全長)の一部に(例えば途切れ途切れに)冷気制御板ないし冷気受止面を備えるようにすること、あるいは複数の冷気制御板を左右方向に接続(連結)して備えるような構造を採ることも可能である。
【0032】
さらに、前記支持手段は、扁平チューブの上端と下端との間において、冷気制御板の支持高さを変更可能としても良い。所望の高さに冷気を供給可能とするためである。
【0033】
冷気制御板の具体的構造としては、例えば当該冷気制御板が、冷気受止面と複数のスリットとを有する制御板本体と、この制御板本体の一方の縁部を差込み可能であると共に前記支持手段と係合して当該制御板本体の一方の縁部を支持する断面U字状のサック部材とを含み、前記複数のスリットは、制御板本体の前記一方の縁部にそれぞれ開口を有して当該開口から各チューブをスリット内にそれぞれ受け入れられるようにすることが出来る。
【0034】
このような構造によれば、チューブ(空調装置)を床面と天井間に設置したままで本装置を装着することができ、例えば既設の空調装置に対して本発明の冷気制御装置を容易に取り付けることが出来る。
【0035】
さらに上記のような冷気制御板の構造を採用し、特に扁平チューブが前後方向にも複数枚配置された空調装置(例えばダブル装置)に本発明を適用する場合には、前記スリットは、前後方向に配された複数枚の扁平チューブを収容可能であり、当該冷気制御装置は、前端縁および後端縁にそれぞれ扁平チューブを差し込むことが可能な切欠部を有しかつ前後方向に隣接する2つの扁平チューブに間に掛け渡されるように配されて前記スリット内に収納された扁平チューブと扁平チューブとの間に形成されるスリットの開口部を閉塞する全体略山形のスリット開口閉塞板をさらに備えることが好ましい。
【0036】
前後方向にも複数のチューブを備えた空調装置に使用する冷気制御装置として、上記スリットにチューブを前後方向に複数枚収容できるように構成した場合、当該スリットに収容したチューブとチューブとの間に開口が形成されることとなるが、空調装置上部(冷気制御板より上部位置)から落下する結露水が、この開口を通じて空調装置の下部へ直接落下して水跳ね等が生じる可能性がある。これに対し、上記のようなスリット開口閉塞板を備えれば、当該スリット開口を塞ぎ、落下する結露水を当該閉塞板で受けてこれを冷気制御板に伝え流すことができ、スリット開口を通じて結露水が下方へ直接落下する不都合が生じることを防ぐことが出来る。さらに当該閉塞板は、略山形の全体形状を有するから、落下してくる結露水を斜面でスムーズに(水跳ねを生じることなく)受け止めることが出来る。空調装置が前後方向に3枚以上チューブを備え、これに対応して上記スリットの開口部が2以上形成される場合には、上記結露水滴下防止板も、当該スリット開口部の数に応じて2以上備えれば良い。
【0037】
本発明に係るパネル空調装置は、略鉛直方向に延びかつ内部に冷却媒体となる流体を通過させることが可能なパネル状の扁平チューブを複数枚一定方向に整列配置し、これら扁平チューブ内に冷却媒体となる前記流体を流して冷房を行うことを可能としたパネル空調装置に対して、上記本発明に係るいずれかの冷気制御装置を備えたものである。さらに当該空調装置が、前記支持手段により異なる高さ位置に支持した2以上の冷気制御装置を備えていても良い。
【0038】
本発明に云う空調装置には、冷暖房装置(冷房と暖房の双方が可能な装置)と冷房専用装置の双方を含む。また、本発明に係る冷気制御装置は、単体で(例えばオプションとして)提供することが出来るが、当初から空調装置に設置して(空調装置と一緒に)提供することも可能である。さらに、上記「扁平チューブに沿って」とは、扁平チューブと扁平チューブとの間の空間を下降する冷気のみを言うものではなく、扁平チューブ(当該空調装置)の前面側および後面側を下降する冷気をも含み、扁平チューブの全周囲(前後左右)において下降する冷気を含む概念である。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、パネル空調装置を使用した冷房環境下における上下温度差を低減し、より均一な気温の冷房空間を実現することが出来る。
【0040】
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。尚、実施形態の説明において、同一又は相当部分については各図中で同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
〔実施形態1〕
図1から図4は、本発明の第一の実施形態に係る冷気制御装置を示すものである。これらの図に示すようにこの冷気制御装置101は、左右方向に配列させた扁平チューブ21を1列備えたシングル装置に装着して冷気を空調装置の前面側のみに流出させるように構成したもので、下降する冷気を受け止めてこれを略水平に前方へ流し出す冷気制御板102と、冷気制御板102の前縁部を受け入れてこれを支持するサック部材110と、サック部材110を介して冷気制御板102の前縁部を支持すると共に冷気制御板102の後縁部を吊り下げて支持する固定金具120とを備える。
【0042】
冷気制御板102は、略V字形の断面形状を有し、その前縁部がチューブ21の前端より前方に、また後縁部がチューブ21の後端より後方へそれぞれ突出するが、前方へ向け冷気をスムーズに送り出せるようにV字状の谷部106の谷底106aをチューブ21の中央より前方寄りに配すると共に、後縁部に較べて前縁部の高さが低くなるようにし、後縁部は前縁部と較べて長く後方へ突出させ、後縁を略垂直に立ち上げて室内壁面3に当接する張出当接部103を形成してある(図4参照)。張出当接部103の後縁(立上部)は、冷気制御板102の前縁ならびにサック部材110の前縁より高い位置にある。また、冷気制御板102の左右両端部において、その後縁部上面に固定金具120の一方の挟持板122(後述する)の脚部122aを溶接してあり、この挟持板122を介して冷気制御板102の後縁部が空調装置に支持される。
【0043】
冷気制御板102は、空調装置の左右方向の全長と略同一の長さ(左右の支持板12,13の間に延在する長さ)を有し、前縁から後方へ切り込むスリット104を備えて当該スリット104内に各チューブ21を挿入することが出来る。スリット104とチューブ21の表面との隙間は、約1mm(0.8mm以上1.2mm以下)となるように寸法設定する(後述の第二および第三実施形態でも同様)。冷気制御板102の上に落下した結露水をチューブ21の表面に伝えて流し落とすことを可能とし、当該スリット104を結露水を排出する排水溝としても機能させるためである。
【0044】
サック部材110は、上記冷気制御板102と略同一の長さ寸法を有すると共に、U字状の断面形状とを有して冷気制御板102の前端部を差し込んでこれを覆うことが可能である。また、サック部材110の左右両端部の上面には、固定金具120の他方の挟持板121(後述する)をその脚部121aを溶接することにより固定してある。したがって固定金具120を空調装置に装着したときに上記冷気制御板102はその前縁部がサック部材110を介して支持されることとなる。
【0045】
固定金具120は、互いに対向して空調装置端部の支持板12,13と左右方向に配列されたチューブ21の最端部(左端又は右端)のチューブ21とを前後から挟む一対の挟持板121,122と、これら一対の挟持板121,122を貫通する貫通ボルト125とを有し、貫通ボルト125の両端部に備えたナット126によって両挟持板121,122の間隔を狭め支持板12又は13とチューブ21とを挟んで締め付けることにより空調装置に固定する。なお、貫通ボルト125およびナット126の構成は、図示したこの例以外の構造であっても良い。例えば、いずれか一方の挟持板121又は122にナット126を固定(例えば溶接)しておき、他方の挟持板122又は121から頭(ボルト頭)を備えたボルトを前記一方の挟持板121又は122まで貫通させて当該ボルトとナットとで両挟持板121,122を締め付けるようにするなど、様々な構造を採ることが可能である。
【0046】
また、一対の挟持板121,122のうち前側の挟持板121はその脚部121aをサック部材110の上面に溶接し、後側の挟持板122はその脚部122aを冷気制御板102の後縁部の上面に溶接してある。したがって、固定金具120を空調装置に支持することにより冷気制御板102を空調装置に固定することが出来る。さらに、支持板12,13およびチューブ21に当接する各挟持板121,122の内面には弾性樹脂板124を備えてあり、これにより支持板12,13およびチューブ21を傷付けることを防ぐことが出来る。
【0047】
冷気制御装置101を空調装置に装着するには、各スリット104にチューブ21が挿入されるように空調装置の後側から冷気制御板102を差し込み、冷気制御板102の前縁にサック部材110を装着した後、貫通ボルト125両端のナット126を締めることにより支持板12,13およびチューブ21に固定金具120を固定すれば良い。なお、固定金具120は、支持板12,13とチューブ21を前後から挟むことで支持する構造であるから、空調装置(チューブ21)の任意の高さ位置に冷気制御板102を設置することが可能である。
【0048】
冷気の流れは次のようになる。チューブ21との熱交換により冷却された空気は、チューブ21に沿って下降するが、冷気制御板102の上面である冷気受止面105に当接し、当該冷気受止面105に沿ってチューブ21とチューブ21との間を通過して冷気制御板102の前端部(サック部材110の前端)から空調装置前面側に流れ出る。また、チューブ21の後部(チューブ21と壁面3との間)を下降する冷気は、チューブ後端より後方へ突出した冷気制御板102の後縁部分に突き当たって冷気受止面105に沿って前方へ押し出され、各チューブ間において冷却された冷気と同様に、チューブ21とチューブ21の間を通って室内側に導かれる(図4の一点鎖線参照)。なお、このとき、張出当接部103が壁面3に当接することで、チューブ21の後端と壁面との間の空間が上下方向について仕切られているから、冷気が壁面3に沿って下方へ漏れることを防ぐことが出来る。
【0049】
冷気制御装置101は、1台の空調装置について複数個装着しても良い。例えば、空調装置の前面側に複数段の棚を備えた商品陳列棚を設置したような場合に、各棚に対応して異なる高さ位置にそれぞれ冷気制御装置101を設置すれば、単に床から離れた高い位置に冷気を供給するだけでなく、各棚に対してよりきめ細やかに冷気を分配して、上下の気温差を無くし(あるいは小さくし)かつ各棚に収納した商品の温度を均一にすることが出来る。また、例えば住宅や店舗、オフィス、公共施設等の各種の屋内空間についても、下降気流を制御し、床から高い位置にも冷気を供給することで上下方向についてより均一な冷房を行うことが可能となる。
【0050】
〔実施形態2〕
図5から図7は、本発明の第二の実施形態に係る冷気制御装置を示すものである。これらの図に示すようにこの冷気制御装置201は、前記第一実施形態の装置101と同様に、壁面3に当接する張出当接部103を含む冷気制御板202と、サック部材110と、固定金具120とを備え、冷気を空調装置の前面側のみに流出させるようにしたものであるが、2列に配列させた扁平チューブ21a,21bを備えたダブル装置に対し使用するよう構成したものである。このため、W字状の断面形状を有するように冷気制御板202を形成すると共に、この断面W字状の冷気制御板202の前後方向略中央位置に形成された尾根状の山部211の上面にスリット開口閉塞板210を載置することにより、前後チューブ21a,21b間に形成されるスリット開口を閉塞するようにした。
【0051】
冷気制御板202は、図7に示すように上記2列のチューブ21a,21bの各表面に位置するように(各谷部106が各チューブ21a,21bの前端と後端との間に位置するように)V字状に形成した谷部106を2つ備え、これら谷部106の間に山部211を備える。山部211は前後方向に配列された2列のチューブ21a,21bの間に位置し、2本の谷部106と同様に冷気制御板202の全長に亘って左右方向に延び、その頂上211a(スリット開口閉塞板210の頂上210b)は冷気制御板202およびサック部材110の前縁より高く、冷気制御板202の後縁(張出当接部103)より低くなるように形成する。冷気(図7の一点鎖線)を前面側にスムーズに導くためである。
【0052】
スリット104は、前記第一実施形態と同様に、冷気制御板202の前縁から後方へ向け延び、チューブ21a,21bを差し込むことが可能である。したがって、前側のチューブ21aと後側のチューブ21bとの間に当該スリット104による開口が形成されることなる。この開口を閉塞するため、上記スリット開口閉塞板210を設置する。すなわち、スリット開口閉塞板210は、冷気制御板202と略同一の長さ寸法を有して左右方向に延在し、前後両縁部にチューブ21a,21bを受け入れる切欠部210aを備える。スリット開口閉塞板210を冷気制御板202の山部211の上面に被せるように冷気制御板202の上面に載せると、前後両縁の切欠部210aにチューブ21a,21bがそれぞれ収容され、前後方向に配置されたチューブ21aとチューブ21bとの間のスリット開口が塞がれる。
【0053】
またスリット開口閉塞板210は、冷気制御板202の山部211と同様に山形の横断面形状を有しており、前後のチューブ21a,21b間において落下してくる結露水を受け、これを冷気制御板202に流して前記チューブ表面との隙間からチューブ表面に沿って空調装置下方へ流し落とす。
【0054】
本実施形態の冷気制御装置201を装着するには、前記第一実施形態と同様に、冷気制御板202、サック部材110および固定金具120を取り付け、最後に上記スリット開口閉塞板210を冷気制御板202の上に載せれば良い。スリット開口閉塞板210は、例えばボルト(図示せず)により冷気制御板202に固定する。
【0055】
〔実施形態3〕
図8から図10は、本発明の第三の実施形態に係る冷気制御装置を示すものである。これらの図に示すようにこの冷気制御装置301は、前記第二実施形態の装置と同様にダブル装置に使用できるよう構成したもので、断面W字形の冷気制御板302と、サック部材110、固定金具120およびスリット開口閉塞板210を備えるが、前記実施形態と異なり、空調装置の前後いずれか一方側にのみ冷気を導くのではなく、前後両方へ冷気を放出するようにしたものである。
【0056】
したがって、本実施形態の装置では、冷気制御板302が張出当接部を備えていない。また、チューブ21a,21bに沿って下降してくる冷気を冷気制御板302の前後両方へスムーズに受け流して放出するために(図10の一点鎖線参照)、前後方向中央の尾根状山部211の頂上211aを、冷気制御板302(サック部材110)の前縁ならびに冷気制御板302の後縁より高く形成してある。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことが出来ることは当業者に明らかである。
【0058】
例えば、前記実施形態では装置全体(特に冷気制御板)の断面形状をV字形ないしW字形としたが、これ以外の形状であっても良い。固定金具について前記実施形態では、一対の挟持板によって支持板と端部のチューブを前後から締め付けることにより固定する構造としたが、冷気制御板を支持できる構造であれば、例えば溶接やボルト、ビス止めその他様々な方式であって良い。また実施形態の固定金具は着脱自在であるが、必ずしも着脱可能である必要はない。さらに固定金具を装着するのは、実施形態では空調装置の支持板と扁平チューブの双方に固定するようにしたが、支持板のみに固定したり、あるいはチューブのみに固定するようにしても良い。また実施形態の固定金具では、左右両端部(2箇所)で空調装置に固定する構造としたが、3箇所以上で(例えば空調装置が左右に長く、冷気制御板が長くなるような場合に、左右両端部と中間位置において)支持するようにしても良い。
【0059】
冷気制御板、サック部材ならびに挟持板は、例えば金属板によって構成することが出来るが、樹脂その他の材料によって形成することも可能である。さらに本発明では、冷気制御板の左右両端部に垂直上方に立ち上がる端板を設けても良い。このような端板を設ければ、空調装置の前面側または後面側において冷気が左右方向へ漏れることを防ぎ、空調装置の前方または後方へより多くの冷気を放出させること出来る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る冷気制御装置を示す斜視図である。
【図2】前記第一実施例に係る冷気制御装置の一端部を拡大して示す斜視図である。
【図3】前記第一実施例に係る冷気制御装置の一端部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】前記第一実施例に係る冷気制御装置を示す側面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る冷気制御装置の一端部を示す斜視図である。
【図6】前記第二実施例に係る冷気制御装置の一端部を示す分解斜視図である。
【図7】前記第二実施例に係る冷気制御装置を示す側面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態に係る冷気制御装置の一端部を示す斜視図である。
【図9】前記第三実施例に係る冷気制御装置の一端部を示す分解斜視図である。
【図10】前記第三実施例に係る冷気制御装置を示す側面図である。
【図11】従来のパネル空調装置の一例を示す斜視図である。
【図12】前記従来のパネル空調装置の内部構造を示す側面図である。
【図13】前記従来のパネル空調装置の内部構造を示す正面図である。
【符号の説明】
【0061】
3 壁面
11 パネル空調装置
12,13 空調装置の支持板
21,21a,21b 扁平チューブ(熱交換パネル)
101,201,301 冷気制御装置
102,202,302 冷気制御板
103 張出当接部
104 スリット
105 冷気受止面
106 谷部
106a 谷部の谷底
110 サック部材
120 固定金具
121,122 挟持板
124 弾性樹脂板
125 貫通ボルト
126 ナット
210 スリット開口閉塞板
211 山部
211a 山部の頂上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直方向に延びかつ内部に冷却媒体となる流体を通過させることが可能な複数枚のパネル状の扁平チューブを一定方向に整列配置し、これら扁平チューブ内に冷却媒体となる前記流体を流して冷房を行うことを可能としたパネル空調装置に装着し、前記扁平チューブに沿って下降する冷気を受け止め、これを当該空調装置の前方および後方のいずれか一方または双方に向け流出させる冷気制御装置であって、
前記扁平チューブの整列方向を左右方向、水平面内において当該左右方向と直交する方向を前後方向とした場合に、
前記扁平チューブは、その表裏面が前記左右方向に略直交するように整列され、
前記冷気制御装置は、
前記前後方向に延在して前記複数の扁平チューブの各々をそれぞれ挿入可能な複数のスリットを有すると共に、前記前後方向について少なくとも扁平チューブの前端と後端との間に亘って広がって前記扁平チューブに沿って下降する冷気を受け止めかつ当該冷気が一方または双方の側縁部から流れ出ることを許容する冷気受止面を上面に有する、冷気制御板と、
この冷気制御板を、前記扁平チューブの上端と下端との間に略水平に延在するように前記パネル空調装置に対し支持可能な支持手段と、
を備える
ことを特徴とするパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項2】
前記冷気制御板が、前記扁平チューブの前端および後端のいずれか一方または双方より外方へ張り出している
請求項1に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項3】
前記冷気制御板の前縁部および後縁部のうちいずれか一方の高さを他方の高さより低くし、これにより、前記冷気受止面に当接した冷気が当該低くした縁部から流れ出るようにした
請求項1または2に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項4】
前記冷気制御板の前縁部または後縁部のいずれか一方または双方に、前記扁平チューブの前端または後端より外方へ張り出して室内構造物の表面に当接する張出当接部をさらに備える
請求項1から3のいずれか一項に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項5】
前記冷気受止面は、前記前後方向について、下り勾配となる第一傾斜面と、この第一傾斜面の下縁部から連続して逆に上り勾配となる第二傾斜面とにより形成されるV字状の谷部を含む
請求項1から4のいずれか一項に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項6】
前後方向に切断したときの断面形状が装置全体として略V字形状をなす
請求項5に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項7】
前記扁平チューブが、前記左右方向に平行に2以上の列で配列され、
これら2以上の列をもって配列された扁平チューブの各列について前記谷部をそれぞれ備えた
請求項5に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項8】
前記谷部を2つ備え、
前後方向に切断したときの断面形状が装置全体として略W字形状をなす
請求項7に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項9】
前記2つの谷部の間に形成される山部の頂上が、前記冷気制御板の前端および後端より高い
請求項8に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項10】
前記谷部の谷底が前記扁平チューブの前端と後端との間に位置するように前記谷部を備えた
請求項5から9のいずれか一項に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項11】
前記谷部の谷底が前記前後方向に関する扁平チューブの中央と前端との間に位置するように前記谷部を備えた
請求項10に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項12】
前記支持手段によって前記パネル空調装置に支持させたときに、前記スリット内において前記冷気制御板と前記扁平チューブとの間に隙間が形成されるようにし、
これにより、前記冷気受止面に落下した結露水が前記扁平チューブの表面に流れ伝わるようにした
請求項1から11のいずれか一項に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項13】
前記隙間が、3.6mm未満である
請求項12に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項14】
前記支持手段は、前記扁平チューブの上端と下端との間において、当該冷気制御板の支持高さを変更可能である
請求項1から13のいずれか一項に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項15】
前記冷気制御板は、
前記冷気受止面と前記複数のスリットとを有する制御板本体と、
この制御板本体の一方の縁部を差込み可能であると共に前記支持手段と係合して当該制御板本体の一方の縁部を支持する断面U字状のサック部材と、
を含み、
前記複数のスリットは、制御板本体の前記一方の縁部にそれぞれ開口を有して当該開口から前記各扁平チューブをスリット内にそれぞれ受け入れることが可能である
請求項1から14のいずれか一項に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項16】
前記スリットは、前後方向に配された複数枚の扁平チューブを収容可能であり、
前記冷気制御装置は、
前端縁および後端縁にそれぞれ扁平チューブを差し込むことが可能な切欠部を有し、前記前後方向に隣接する2つの扁平チューブに間に掛け渡されるように配されて前記スリット内に収納された扁平チューブと扁平チューブとの間に形成されるスリットの開口部を閉塞する全体略山形のスリット開口閉塞板
をさらに備える請求項15に記載のパネル空調装置用冷気制御装置。
【請求項17】
略鉛直方向に延びかつ内部に冷却媒体となる流体を通過させることが可能なパネル状の扁平チューブを複数枚一定方向に整列配置し、これら扁平チューブ内に冷却媒体となる前記流体を流して冷房を行うことを可能としたパネル空調装置であって、
前記請求項1から16のいずれか一項に記載の冷気制御装置を備えたパネル空調装置。
【請求項18】
前記支持手段により異なる高さ位置に支持した2以上の前記冷気制御装置を備えた
請求項17に記載のパネル空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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