説明

出窓の取り付け構造

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の外壁の外面側に出窓を取り付けるのに用いる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の出窓は現場で部材を加工しながら組み立てて施工するものと、予め工場で製作されてユニット化された出窓ユニットを現場で取り付けるものとがある。そして、前者にあっては、現場施工が大変であるため、現在は殆ど後者により出窓を形成している。後者の出窓は、例えば特開平5−133163号公報で開示されるもののように、垂れ壁出窓ユニット、サッシ出窓ユニット、腰壁出窓ユニット等のユニットを上下に積み重ねて連結すると共に建物の外壁の外面側に突出するように取り付けている。そして垂れ壁出窓ユニットや腰壁出窓ユニットにサッシ出窓ユニットの窓枠サッシを連結するには垂れ壁出窓ユニットや腰壁出窓ユニットの下地材に窓枠サッシを釘打ちにて固定することにより施工するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、プレハブ式で建てる建物の施工では、出窓ユニットの組み込みは上棟工事業者が行うものであり、釘打ちの施工は大工工事業者が行うものであり、出窓を施工するとき窓枠サッシを釘打ちで固定すると、上棟工事業者と大工工事業者の両方が必要になり、施工に人手を要するという問題がある。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的とするところは上棟工事内で取り付け施工することができる出窓の取り付け構造を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明出窓の取り付け構造は、垂れ壁出窓ユニット1a、サッシ出窓ユニット1b,1d、腰壁出窓ユニット1c等のユニットを上下に積み重ねて連結すると共に建物2の外壁3の外面側に屋外側に突出するように取り付けた出窓の取り付け構造において、サッシ出窓ユニット1b,1dの窓枠サッシ19の上下に鉄製のサッシ用フレーム46を装着し、垂れ壁出窓ユニット1aや腰壁出窓ユニット1cの上端や下端に連結用下地材47を装着し、サッシ用フレーム46と連結用下地材47とを重ねると共にサッシ用フレーム46と連結用下地材47とにボルト・ナットよりなる連結ねじ具22を挿通して締結して成ることを特徴とする。
【0006】
【作用】上記構成によれば、サッシ出窓ユニット1b,1dの窓枠サッシ19と垂れ壁出窓ユニット1aや腰壁出窓ユニット1cとを連結するとき、サッシ用フレーム46と連結用下地材47とを重ね、ボルト・ナットよりなる連結ねじ具22をサッシ用フレーム46や連結用下地材47に挿通して締結することができる。このためボルト締めで施工できて上棟工事業者が上棟工事内で施工できて施工に余分な人手を要しない。
【0007】
【実施例】出窓1は平面から見て略コ字状であって、建物2の外壁3の外面側に外壁3から外方に突出するように取り付けられるものである。この出窓1は本実施例の場合、図2、図3に示すように2階の垂れ壁出窓ユニット1aと、2階のサッシ出窓ユニット1bと、2階の腰壁部と1階の垂れ壁部とを一体化した腰壁出窓ユニット1cと、1階のサッシ部と1階の腰壁部とを一体化した1階のサッシ出窓ユニット1dとで構成されており、これらを上下方向に連続して配設することにより出窓1が組み立てられる。
【0008】2階の垂れ壁出窓ユニット1aは水平断面略コ字状になっており、枠体10の両面に面板11を取着して構成されており、両面の面板11間にグラスウールのような断熱材を装填して形成されている。この垂れ壁出窓ユニット1aの上部には枠体10の一部である取り付けフレーム12を全長に亙るように設けてあり、垂れ壁出窓ユニット1aを建物2の外壁3の2階の上部の外面に配置してある。2階の外壁3の上部には構造材として屋根梁13を架設してあり、垂れ壁出窓ユニット1aの取り付けフレーム12の両端は屋根梁13に当接してあって取り付けフレーム12の両端を屋根梁13に金具を介して取り付けてある。垂れ壁ユニット1aの幅方向の中央部では屋根梁13から片持梁14が突設され、片持梁14の先端と取り付けフレーム12の中央部とを連結金具15にて連結してある。片持梁14や屋根梁13の下には天井下地材16が取り付けられ、天井下地材16の下には天井材17を貼ってあり、天井材17と垂れ壁出窓ユニット1aの内面との間に化粧廻り縁18を装着してある。垂れ壁出窓ユニット1aの下端部には全長に亙って連結用下地材47を装着してあり、連結用下地材47に適当な間隔でボルト挿通孔48を穿孔してある。この連結用下地材47が位置する部分の内面側の上方は工場で製造された段階で面板11を貼ることなく、開口部50を形成してあり、開口部50からボルト締め作業ができるようになっている。この開口部50は最終的には面板11で閉塞される。
【0009】2階のサッシ出窓ユニット1bは水平断面略コ字状をしており、窓枠サッシ19にガラス障子20や窓ガラス21を組み込んで構成してある。窓枠サッシ19の上端及び下端には鉄製のチャンネル材よりなるサッシ用フレーム46を全長に亙るように一体に装着してあり、サッシ用フレーム46に上記連結用下地材47のボルト挿通孔48と対応するボルト挿通孔51を設けてある。この2階のサッシ出窓ユニット1bは垂れ壁出窓ユニット1aの下で外壁3の外面側に配置され、垂れ壁出窓ユニット1aの下端に2階のサッシ出窓ユニット1bの上端が連結される。このとき、サッシ用フレーム46の上に垂れ壁出窓ユニット1aの連結用下地材47が重ねられ、サッシ用フレーム46のボルト挿通孔51と連結用下地材47のボルト挿通孔48とが対応させられ、ボルト挿通孔51,48にボルト・ナットよりなる連結ねじ具22を挿通して締結される。2階のサッシ出窓ユニット1bの下端は後述する腰壁出窓ユニット1cの上端に連結され、2階のサッシ出窓ユニット1bの荷重は垂れ壁出窓ユニット1aと腰壁出窓ユニット1cとで支持されるようになっている。2階サッシ出窓ユニット1bの周囲には飾り縁23が装着されている。
【0010】腰壁出窓ユニット1cは水平断面略コ字状をしており、前述の垂れ壁出窓ユニット1aと同様に枠体10の両面に面板11を貼って構成してあり、面板11間にグラスウールのような断熱材を充填してある。腰壁出窓ユニット1cの両側の側壁4には背面及び内面を開口せる角箱状の嵌合凹部5を設けてある。腰壁出窓ユニット1cの上端部及び下端部には連結用下地材47を全長に亙るように装着してあり、連結用下地材47にはボルト挿通孔48を穿孔してある。下端部の連結用下地材47側では連結用下地材47が位置する部分の内面側の上方は工場で製造された段階で面板11を貼ることなく、開口部50を形成してあり、開口部50からボルト締め作業ができるようになっている。上端部の連結用下地材47側では連結用下地材47が位置する部分の内面側の下方は工場で製造された段階で面板11を貼ることなく、開口部50を形成してあり、開口部50からボルト締め作業ができるようになっている。この開口部50は最終的には面板11で閉塞される。この腰壁出窓ユニット1cは2階サッシ出窓ユニット1bの下方で建物2の外壁3の外面側に配置して取り付けられる。建物2の外壁3の2階と1階との間にはラチス梁よりなる構造材6を架設してあり、腰壁出窓ユニット1cの側壁4に対応する位置で構造材6に片持梁7を取り付けてある。この片持梁7が腰壁出窓ユニット1cの嵌合凹部5に嵌合され、これにより腰壁出窓ユニット1cを片持梁7に載せるように支持される。そして嵌合凹部5と片持梁7とが締結ねじ具にて締結されている。また腰壁出窓ユニット1cの幅方向の中央に対応する位置でも片持梁7を構造材6に取り付けてあり、片持梁7の先端と腰壁出窓ユニット1cの補強部材30との間にL字状の連結金具32を配置して連結してある。この腰壁出窓ユニット1cの上端と2階のサッシ出窓ユニット1bの下端とが連結され、腰壁出窓ユニット1cにて2階のサッシ出窓ユニット1bが支持される。このとき、2階のサッシ出窓ユニット1bのサッシ用フレーム46の下に腰壁出窓ユニット1cの上端の連結用下地材47が重ねられ、サッシ用フレーム46のボルト挿通孔51と連結用下地材47のボルト挿通孔48とが対応させられ、ボルト挿通孔51,48にボルト・ナットよりなる連結ねじ具22を挿通して締結される。片持梁7や構造材6の上には床パネル31が取り付けられ、床パネル31の上には床仕上げ材34が貼られ、床仕上げ材34の上で腰壁出窓ユニット1cの内面に沿って化粧巾木35が取り付けられている。片持梁7や構造材6の下には天井下地36が取り付けられ、天井下地36の下には天井材37が貼られ、天井材37と腰壁出窓ユニット1cの内面との間に化粧廻り縁38が取り付けられている。
【0011】1階のサッシ出窓ユニット1dは水平断面略コ字状をしており、窓枠サッシ19にガラス障子20や窓ガラス21を組み込んで構成してある。1階のサッシ出窓ユニット1dの場合、窓枠サッシ19の下方に腰壁部39を一体に設けてある。1階のサッシ出窓ユニット1dの上端にはサッシ用フレーム46を設けてあり、サッシ用フレーム46にはボルト挿通孔51を穿孔してある。この1階のサッシ出窓ユニット1dは腰壁出窓ユニット1cの下方で建物2の外壁3の外面側に配置され、1階のサッシ出窓ユニット1dの腰壁部39の下端を基礎40上の床パネル41の上に載設して支持してある。1階のサッシ出窓ユニット1dの上端のサッシ用フレーム46の上に腰壁出窓ユニット1cの連結用下地材47を重ね、ボルト挿通孔48,51に連結ねじ具22を挿通して連結ねじ具22を締結してある。床パネル41の上面には床仕上げ材42を貼ってあり、床仕上げ材42の上で腰壁部39の内面側には化粧巾木43を取り付けてある。1階のサッシ出窓ユニット1dの窓枠サッシ19の周囲には飾り縁45を装着してある。
【0012】
【発明の効果】本発明は叙述のようにサッシ出窓ユニットの窓枠サッシの上下に鉄製のサッシ用フレームを装着し、垂れ壁出窓ユニットや腰壁出窓ユニットの上端や下端に連結用下地材を装着し、サッシ用フレームと連結用下地材とを重ねると共にサッシ用フレームと連結用下地材とにボルト・ナットよりなる連結ねじ具を挿通して締結しているので、サッシ出窓ユニットの窓枠サッシと垂れ壁出窓ユニットや腰壁出窓ユニットとを連結するとき、サッシ用フレームと連結用下地材とを重ね、ボルト・ナットよりなる連結ねじ具をサッシ用フレームや連結用下地材に挿通して締結することができるものであって、ボルト締めで施工できて上棟工事業者が上棟工事内で施工できて施工に余分な人手を要しないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部を示す断面図である。
【図2】同上の建物全体を示す正面図である。
【図3】同上の出窓を示す分解斜視図である。
【図4】同上の出窓部分を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 出窓
1a 垂れ壁出窓ユニット
1b サッシ出窓ユニット
1c 腰壁出窓ユニット
1d サッシ出窓ユニット
2 建物
3 外壁
19 窓枠サッシ
22 連結ねじ具
46 サッシ用フレーム
47 連結用下地材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 垂れ壁出窓ユニット、サッシ出窓ユニット、腰壁出窓ユニット等のユニットを上下に積み重ねて連結すると共に建物の外壁の外面側に屋外側に突出するように取り付けた出窓の取り付け構造において、サッシ出窓ユニットの窓枠サッシの上下に鉄製のサッシ用フレームを装着し、垂れ壁出窓ユニットや腰壁出窓ユニットの上端や下端に連結用下地材を装着し、サッシ用フレームと連結用下地材とを重ねると共にサッシ用フレームと連結用下地材とにボルト・ナットよりなる連結ねじ具を挿通して締結して成ることを特徴とする出窓の取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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