説明

刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法

【課題】刃の刃こぼれに起因する裁断不良を回避することができるとともに刃の使用効率を向上させることができる刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法を提供する。
【解決手段】連続的に搬送される帯状のウェブWの搬送距離を検出し、この検出されたウェブWの搬送距離をICタグ24に書き込む。コントローラ30により、ICタグ24に記憶された限界搬送距離およびウェブWの実際の累積搬送距離を比較する。ウェブWのウェブWの実際の累積搬送距離が限界搬送距離よりも大きい場合には、コントローラ30は、スリッター1の停止命令または作業者への警報を発令させる命令を発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリッターの刃の交換時期を管理するための刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙、フィルム、布等の帯状のウェブを連続的に搬送しながら、位置固定されたレザー刃や回転刃等の刃に当該帯状のウェブを接触させることにより、ウェブをその搬送方向に裁断するようなスリッターが用いられている(例えば、特許文献1等参照)。以下、レザー刃を備えたスリッターについて説明を行うが、回転刃等の他の種類の刃を備えたスリッターにも同様に適用される。このようなスリッターにおいて、長時間同じレザー刃を使用し続けると、レザー刃の刃こぼれによりウェブに対する裁断不良が発生することが知られている。このような裁断不良の発生を避けるため、従来ではレザー刃についてある程度の使用期間を設け、その期間を過ぎたらレザー刃を作業者が交換するようにしていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−41625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような方法では、作業者がレザー刃の使用期間の超過を見逃してしまう場合があり、この場合はウェブの裁断において品質不良を引き起こしてしまうことがある。また、スリッターをあまり使用しない場合には、使用期間が経過したとしてもレザー刃は未だ刃こぼれを起こしていない状態であり、レザー刃の交換を行う必要はない。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、刃の刃こぼれや裁断不良を引き起こす前に、当該刃を交換するための判断材料を作業者に与えることができ、当該刃の刃こぼれに起因する裁断不良を回避することができるとともに刃の使用効率を向上させることができる刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スリッターの刃の交換時期を管理するための刃交換時期管理装置であって、帯状のウェブを連続的に搬送する搬送ローラに取り付けられ、ウェブの搬送距離を検出するエンコーダと、刃を保持する刃ホルダに設けられ、当該刃の限界搬送距離が予め記憶された記憶媒体と、前記記憶媒体に対して情報の読み書きを行う情報読み書き部と、前記エンコーダおよび前記情報読み書き部に通信接続された制御機構と、を備え、前記制御機構は、前記エンコーダにより検出されたウェブの搬送距離を前記情報読み書き部に送信することによりこの情報を前記記憶媒体に書き込むとともに、当該記憶媒体に記憶された前記限界搬送距離およびウェブの累積搬送距離をそれぞれ読み出し、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合にはスリッターの停止命令または作業者への警報を発令させる命令を発信するようになっていることを特徴とする刃交換時期管理装置である。
【0007】
また、本発明は、スリッターの刃の交換時期を管理するための刃交換時期管理方法であって、刃の限界搬送距離を予め設定し、記憶媒体に記憶させる工程と、連続的に搬送される帯状のウェブの搬送距離を検出し、この検出されたウェブの搬送距離を前記記憶媒体に書き込む工程と、制御機構により、前記記憶媒体に記憶された前記限界搬送距離およびウェブの累積搬送距離を比較し、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合にはスリッターの停止命令または作業者への警報を発令させる命令を発信する工程と、を備えたことを特徴とする刃交換時期管理方法である。
【0008】
このような刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法によれば、予め設定された限界搬送距離に基づいて刃の使用期間が経過したか否かをその都度容易に検出することができるようになるので、刃の刃こぼれや裁断不良を引き起こす前に、当該刃を交換するための判断材料を作業者に与えることができる。このため、当該刃の刃こぼれに起因する裁断不良を回避することができる。また、スリッターをあまり使用しない場合であっても、刃により実際に裁断が行われたウェブの距離に基づいて刃の使用期間を定めているため、刃の使用効率を向上させることができる。
【0009】
本発明の刃交換時期管理装置においては、音声または画面により作業者へ警報を発する警報器を更に備え、前記制御機構は、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合には前記警報器に警報を発令させるようになっていることが好ましい。また、本発明の刃交換時期管理方法においては、前記記憶媒体に記憶された前記限界搬送距離およびウェブの累積搬送距離を比較する際に、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合には、音声または画面により作業者へ警報を発することが好ましい。
【0010】
本発明の刃交換時期管理装置においては、前記記憶媒体はICタグであり、前記情報読み書き部は当該ICタグに対して非接触で情報の読み書きを行うICタグ情報読み書き部であることが好ましい。
【0011】
本発明の刃交換時期管理装置においては、予め設定され前記記憶媒体に記憶された刃の限界搬送距離を変更するための変更手段を更に備えたことが好ましい。また、本発明の刃交換時期管理方法においては、予め設定され前記記憶媒体に記憶された刃の限界搬送距離は変更可能となっていることが好ましい。このことにより、予め設定された刃の限界搬送距離を実際のスリッターの運転状況、具体的には例えば刃の耐久性に応じて途中で自在に変更することができるので、刃の実質的な使用期間をより柔軟に定めることができるようになる。
【0012】
本発明の刃交換時期管理装置においては、ウェブが存在するか否かを検出するウェブ検出センサが刃の近傍に設けられており、前記制御機構は、当該ウェブ検出センサによりウェブの存在が検出されていない場合には前記エンコーダにより検出されたウェブの搬送距離を前記記憶媒体に書き込まないようになっていることが好ましい。また、本発明の刃交換時期管理方法においては、刃の近傍にウェブが存在するか否かを検出する工程を更に備え、ウェブの存在が検出されていない場合にはウェブの搬送距離を前記記憶媒体に書き込まないようになっていることが好ましい。このことにより、スリッターは稼働しているがウェブの裁断が行われないような空運転時にはウェブの搬送距離が記憶媒体に書き込まれないようになるので、記憶媒体に記憶されるウェブの累積搬送距離をより精度の良いものとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法によれば、刃の刃こぼれに起因する裁断不良を回避することができるとともに刃の使用効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本発明による刃交換時期管理装置の一の実施の形態を示す図である。
このうち、図1は、本実施の形態における刃交換時期管理装置の構成の概略を示す概略図であり、図2は、図1の刃交換時期管理装置の各構成要素の接続関係を示すブロック図であり、図3は、図1に示す刃交換時期管理装置における動作を示すフローチャートである。
【0015】
本実施の形態における刃交換時期管理装置は、スリッター1のレザー刃10の交換時期を管理するためのものである。なお、以下においてはレザー刃10を備えたスリッター1について説明を行うが、回転刃等の他の種類の刃を備えたスリッターにも本実施の形態の刃交換時期管理装置を同様に適用することができる。まず、スリッター1の構成について簡単に説明すると、スリッター1は、紙、フィルム、布等の帯状のウェブWを搬送ローラ20等により連続的に搬送しながら、位置固定された例えば4つのレザー刃10に当該帯状のウェブWを接触させることにより、ウェブWをその搬送方向(図1における矢印方向)に裁断するものである。ここで、4つのレザー刃10は並列に設けられており、各々対応するレザー刃ホルダ12により保持されている。また、4つのレザー刃ホルダ12は一本のレザー刃ホルダ固定軸14によりその位置が固定されている。
【0016】
図1に示すように、刃交換時期管理装置は、帯状のウェブWを連続的に搬送する搬送ローラ20に取り付けられたエンコーダ22と、各レザー刃ホルダ12に対応して設けられた4つのICタグ24と、各レザー刃ホルダ12に対応して設けられ、各々のICタグ24に対して非接触で情報の読み書きを行う4つのICタグ情報読み書き部26とを備えている。また、刃交換時期管理装置にはコントローラ30が設けられており、このコントローラ30はエンコーダ22および各ICタグ情報読み書き部26にそれぞれ通信接続されている。また、ウェブWが存在するか否かを検出するウェブ検出センサ28がレザー刃10の近傍に設けられている。さらに、刃交換時期管理装置には、作業者に対して音声または画面により警報を発する警報器50が設けられている。
【0017】
次に、このような刃交換時期管理装置の各構成要素について詳細に述べる。
【0018】
エンコーダ22は、図1に示すように搬送ローラ20の回転軸の一端に取り付けられており、当該搬送ローラ20の回転角度を検出するようになっている。このことにより、エンコーダ22は、連続的に搬送される帯状のウェブWの搬送距離を検出することができるようになっている。図2に示すように、エンコーダ22は、後述するコントローラ30に対して、検出されたウェブWの搬送距離を送信するようになっている。
【0019】
各ICタグ24は、図1に示すように対応するレザー刃ホルダ12の上面に取り付けられている。なお、レザー刃ホルダ12におけるICタグ24の取り付け箇所は特に限定されておらず、レザー刃ホルダ12の側面にICタグ24が取り付けられていてもよい。また、ICタグ24は必ずしもレザー刃ホルダ12に取り付けられる必要はなく、レザー刃ホルダ12の近傍に設けられるようになっていてもよい。各ICタグ24には、予め設定されたウェブWの限界搬送距離、累積搬送距離、およびレザー刃ホルダ固有IDに関する情報が記憶されるようになっており、これらの情報は書き換え可能となっている。
【0020】
各ICタグ情報読み書き部26は、各レザー刃ホルダ12に対応して設けられており、図2に示すように対応するレザー刃ホルダ12の上面に取り付けられたICタグ24に対して非接触で情報の読み書きを行うようになっている。具体的には、ICタグ情報読み書き部26は、ウェブWの実際の搬送距離をICタグ24に書き込み、今までの累積搬送距離に今回検出されたウェブWの搬送距離を加算するようになっている。また、ICタグ情報読み書き部26は、ICタグ24から、予め設定されたウェブWの限界搬送距離、外部から都度入力されて書き換えられるウェブWの累積搬送距離、およびレザー刃ホルダ固有IDに関する情報を読み出すようになっている。この各ICタグ情報読み書き部26は、コントローラ30に対して情報の送受信を行うようになっている。
【0021】
ウェブ検出センサ28は、レザー刃10の近傍にウェブWが存在するか否かを検出するようになっており、このことにより、ウェブWがレザー刃10により裁断されているか、あるいはウェブWが搬送されずに空運転となっているかについて検出を行うことができるようになっている。ウェブ検出センサ28により検出された情報はコントローラ30に送られるようになっている。
【0022】
コントローラ30は、図1および図2に示すようにエンコーダ22に対して電気配線により通信接続されており、また各ICタグ情報読み書き部26に対して有線シリアル通信により通信接続されている。このコントローラ30は、前述のようにエンコーダ22により検出されたウェブWの搬送距離を各ICタグ情報読み書き部26に送信することによりこの情報をICタグ24に書き込むようになっている。また、各ICタグ情報読み書き部26により読み出されたウェブWの限界搬送距離、累積搬送距離、およびレザー刃ホルダ固有IDに関する情報がコントローラ30に送信され、コントローラ30は、ウェブWの限界搬送距離と累積搬送距離とを比較し、ウェブWの累積搬送距離が限界搬送距離よりも大きい場合には、スリッター1を停止させるとともに警報器50に対して警報を発令させるよう制御を行うようになっている。
【0023】
警報器50は例えばブザーまたはモニタからなり、コントローラ30により警報発令命令を受けたときに、作業者に対して音声または画面により警報を発するようになっている。
【0024】
次に、このような構成からなる刃交換時期管理装置の動作(刃交換時期管理方法)について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0025】
最初に、各ICタグ24に対して、ウェブWの限界搬送距離および当該ICタグ24に対応するレザー刃ホルダ12の固有IDを記憶させておく。この際に、各ICタグ24に記憶される累積搬送距離は0となっている。
【0026】
次に、図3のStep1に示すように、スリッター1を運転し、帯状のウェブWを連続的に搬送させる。このことにより、位置固定されたレザー刃10によってウェブWの裁断を行う。ここで、Step2に示すように、スリッター1の運転中におけるウェブWの搬送距離はエンコーダ22により検出され、この情報はコントローラ30に送られることとなる。
【0027】
そして、図3のStep3に示すように、帯状のウェブWに対して所望の裁断が完了したら、スリッター1を停止する。この際に、Step4に示すように、コントローラ30はスリッター1が稼働している間のウェブWの搬送距離を各ICタグ情報読み書き部26に送信し、各ICタグ情報読み書き部26は、対応するICタグ24に対して、今までの累積搬送距離に、今回検出されたウェブWの搬送距離を加算する。なお、ウェブ検出センサ28により、ウェブWがレザー刃10の近傍に存在しないことが検出された際には、すなわちウェブWがレザー刃10により裁断されずに空運転が行われた場合は、ICタグ情報読み書き部26によるICタグ24への書き込みは行われない。
【0028】
その後、図3のStep5に示すように、各ICタグ情報読み書き部26は、対応するICタグ24から、ウェブWの限界搬送距離、累積搬送距離、およびレザー刃ホルダ固有IDに関する情報を読み出す。この情報は、各ICタグ情報読み書き部26からコントローラ30に送られる。そして、図3のStep6に示すように、コントローラ30において、各ICタグ24に記憶されたウェブWの限界搬送距離と累積搬送距離との比較が行われる。ここで、ウェブWの累積搬送距離が限界搬送距離よりも小さい場合には、現時点ではレザー刃10の使用期間が未だ超過していないと判定され、次回のスリッター1の運転が可能となる。
【0029】
一方、ウェブWの累積搬送距離が限界搬送距離よりも大きい場合には、現時点においてレザー刃10の使用期間が超過したと判定される。この場合には、図3のStep7に示すように、コントローラ30は、スリッター1の運転を停止させ、同時に警報器50により作業者に対して警報を発するようになる。その後、各レザー刃10の交換が行われると、ICタグ24に記憶されたウェブWの累積搬送距離は0にリセットされる。
このようにして、刃交換時期管理装置の一連の動作が終了する。
【0030】
以上のように本実施の形態の刃交換時期管理装置および刃交換時期管理方法によれば、連続的に搬送される帯状のウェブWの搬送距離を検出し、この検出されたウェブWの搬送距離をICタグ24に書き込むとともに、コントローラ30により、ICタグ24に記憶された限界搬送距離およびウェブWの実際の累積搬送距離を比較し、ウェブWの実際の累積搬送距離が限界搬送距離よりも大きい場合にはスリッター1の停止命令および作業者への警報を発令させる命令を発信するようになっている。このため、予め設定された限界搬送距離に基づいてレザー刃10の使用期間が経過したか否かをその都度容易に検出することができるようになるので、レザー刃10の刃こぼれや裁断不良を引き起こす前に、当該レザー刃10を交換するための判断材料を作業者に与えることができる。このため、当該レザー刃10の刃こぼれに起因する裁断不良を回避することができる。また、スリッターをあまり使用しない場合であっても、レザー刃10により実際に裁断が行われたウェブWの距離に基づいてレザー刃10の使用期間を定めているため、レザー刃10の使用効率を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施の形態による刃交換時期管理装置は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、予め設定されICタグ24に記憶されたレザー刃10の限界搬送距離を変更するための変更手段が追加的に刃交換時期管理装置に設けられていてもよい。この場合は、予め設定されたレザー刃10の限界搬送距離を実際のスリッター1の運転状況、具体的には例えばレザー刃10の耐久性に応じて途中で自在に変更することができるので、レザー刃10の実質的な使用期間をより柔軟に定めることができるようになる。
【0032】
また、他の変形例としては、種類の異なるICタグが設けられる場合に備え、ICタグ情報読み取り部は複数の種類のものが準備されるようになっていてもよい。また、ICタグ情報読み取り部による検出エラーに備え、予備のICタグ情報読み取り部を設けるようにしていてもよい。
【0033】
また、コントローラ30と各ICタグ情報読み書き部26との間で通信接続を行う方法としては、有線シリアル通信によるものに限定されることなく、無線通信、LAN通信等、他の通信手段を用いてもよい。
【0034】
また、コントローラ30は、スリッター1の運転を停止させ、同時に警報器50により作業者に対して警報を発するようになっているが、この例に限定されることはなく、スリッター1の運転停止、または警報器50による作業者に対する警報の発令のいずれか一方のみを行うようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施の形態における刃交換時期管理装置の構成の概略を示す概略図である。
【図2】図1の刃交換時期管理装置の各構成要素の接続関係を示すブロック図である。
【図3】図1に示す刃交換時期管理装置における動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1 スリッター
10 レザー刃
12 レザー刃ホルダ
14 レザー刃ホルダ固定軸
20 搬送ローラ
22 エンコーダ
24 ICタグ
26 ICタグ情報読み書き部
28 ウェブ検出センサ
30 コントローラ
50 警報器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリッターの刃の交換時期を管理するための刃交換時期管理装置であって、
帯状のウェブを連続的に搬送する搬送ローラに取り付けられ、ウェブの搬送距離を検出するエンコーダと、
刃を保持する刃ホルダに設けられ、当該刃の限界搬送距離が予め記憶された記憶媒体と、
前記記憶媒体に対して情報の読み書きを行う情報読み書き部と、
前記エンコーダおよび前記情報読み書き部に通信接続された制御機構と、
を備え、
前記制御機構は、前記エンコーダにより検出されたウェブの搬送距離を前記情報読み書き部に送信することによりこの情報を前記記憶媒体に書き込むとともに、当該記憶媒体に記憶された前記限界搬送距離およびウェブの累積搬送距離をそれぞれ読み出し、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合にはスリッターの停止命令または作業者への警報を発令させる命令を発信するようになっていることを特徴とする刃交換時期管理装置。
【請求項2】
音声または画面により作業者へ警報を発する警報器を更に備え、前記制御機構は、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合には前記警報器に警報を発令させるようになっていることを特徴とする請求項1記載の刃交換時期管理装置。
【請求項3】
前記記憶媒体はICタグであり、前記情報読み書き部は当該ICタグに対して非接触で情報の読み書きを行うICタグ情報読み書き部であることを特徴とする請求項1または2記載の刃交換時期管理装置。
【請求項4】
予め設定され前記記憶媒体に記憶された刃の限界搬送距離を変更するための変更手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の刃交換時期管理装置。
【請求項5】
ウェブが存在するか否かを検出するウェブ検出センサが刃の近傍に設けられており、前記制御機構は、当該ウェブ検出センサによりウェブの存在が検出されていない場合には前記エンコーダにより検出されたウェブの搬送距離を前記記憶媒体に書き込まないようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の刃交換時期管理装置。
【請求項6】
スリッターの刃の交換時期を管理するための刃交換時期管理方法であって、
刃の限界搬送距離を予め設定し、記憶媒体に記憶させる工程と、
連続的に搬送される帯状のウェブの搬送距離を検出し、この検出されたウェブの搬送距離を前記記憶媒体に書き込む工程と、
制御機構により、前記記憶媒体に記憶された前記限界搬送距離およびウェブの累積搬送距離を比較し、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合にはスリッターの停止命令または作業者への警報を発令させる命令を発信する工程と、
を備えたことを特徴とする刃交換時期管理方法。
【請求項7】
前記記憶媒体に記憶された前記限界搬送距離およびウェブの累積搬送距離を比較する際に、ウェブの累積搬送距離が前記限界搬送距離よりも大きい場合には、音声または画面により作業者へ警報を発することを特徴とする請求項6記載の刃交換時期管理方法。
【請求項8】
予め設定され前記記憶媒体に記憶された刃の限界搬送距離は変更可能となっていることを特徴とする請求項6または7記載の刃交換時期管理方法。
【請求項9】
刃の近傍にウェブが存在するか否かを検出する工程を更に備え、
ウェブの存在が検出されていない場合にはウェブの搬送距離を前記記憶媒体に書き込まないようになっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の刃交換時期管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−238325(P2008−238325A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81475(P2007−81475)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】