説明

分岐形光線路網の故障位置探査装置及びその探査方法

【課題】 PON通信システムの分岐線路に不具合が発生した場合、その心線と故障位置を所内から特定する。
【解決手段】 所外伝送装置8Nの各々から送出されるバースト信号光17を光カプラ4と測定器選択装置10を介してリンク検出装置13で受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで所外伝送装置8Nがリンク状態にあるか否かを判断し、複数の所外伝送装置8Nが個別に所有するMACアドレスと分岐線路7Nの物理的な心線番号との接続関係を対応付け、分岐線路7Nの故障発生時にOTDR波形を測定し、当該波形と分岐線路7Nを新設した際にデータベース化された正常なOTDR波形との差分波形を導出し、MACアドレスと分岐線路7Nとの接続関係により分岐線路7Nの故障心線番号を推定し、かつ、OTDR差分波形から分岐線路7Nの故障位置を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐形光線路網による光通信システムに適用され、システムの光スプリッタより下部の分岐された光線路(以下、分岐線路と記す)の中から故障した分岐線路を推定し、当該分岐線路の故障位置を探査する分岐形光線路網の故障位置探査装置及びその探査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光通信システムにあっては、経済的な光アクセス網を構築すべく、分岐形光線路網(PON:Passive Optical Network)によるシステム(以下、PON通信システムと称する)が数多く導入されている。本システムは、1本の光線路を光スプリッタによって複数本の光線路に分岐した網により、1台の所内伝送装置(OLT:Optical Line Terminal)によって複数の所外伝送装置(ONU:Optical Network Unit)間での通信ができるようにしたものである。このため、OLTの設備費を抑制できると同時に、光線路設備もまた一部の線路区間(光スプリッタ上部の線路)で共有できることから、通信設備全体のコスト削減を実現できるようになり、今や光アクセス系通信方式の主流となっている。
【0003】
一方で、このPON通信システムは、光線路保守の面で大きな稼動を必要としている。即ち、従来のシングルスター網と同様に、所内(光スプリッタ上部)から光線路の光パルス試験を実行した場合、試験光が光スプリッタによって全ての分岐線路に等分配されることになり、各分岐線路で生じた戻り光が再び光スプリッタによって重ね合わせられて、それを光パルス試験装置が受光してしまう。このことから、分岐線路の損失分布を個別に測定するための技術が現在も確立されていないのが現状である。
【0004】
従って、分岐線路に故障が想定されるような場合は、所内から試験ができないため、当該分岐線路に接続された屋外設備(例えば、架空クロージャ)を現地にて確認する作業が必要となる。これと同時に、ユーザ宅内に設置したONU下部の設備故障の可能性もある。このことから、通信設備の故障探査には大きな稼動が生じていると共に、無効派遣という切実な問題が存在している。
【0005】
現在、上記課題の暫定対処として、PON通信システムの機能にあるOSS(Operation Support System)の故障監視技術を用いる方法が検討されている。この監視技術を利用すれば、各ONUの通信状態を把握することが可能である。例えば、非特許文献1に示すようにGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標)- Passive Optical Network)の規格であるIEEE802.3ahで規定されているOAM(Operations, Administration and Maintenance)フレームを利用した制御機能により、OLT〜ONU間での障害発生の通知、リンク接続状況の監視が可能となる。しかしながら、この方法だけでは、通信経路途中の光ファイバ等の断線があった場合には故障位置の特定は困難である。
【0006】
また、各分岐線路の遠端に設置した反射機能付き試験光遮断フィルタからの反射光の位置情報とピークレベルとの変化に着目して、故障発生時における通信設備とユーザ設備との設備故障の切り分けを行う方法がある。しかしながら、この方法もまた、通信経路途中の光ファイバ等の断線があった場合には故障位置の特定は困難である。
【0007】
更に、非特許文献2に示すようにスプリッタ下部側の分岐線路に対して、光パルス試験を実施する場合は、ユーザ宅側から試験光を入力して試験を実施する方法も試みられている。この場合には、ユーザ宅に作業者を派遣させなければならないという運用効率化といった面からの問題点もある。
【0008】
現在は、特許文献1に示すように所内と所外の伝送装置に用いられる監視信号と光ファイバの特性試験(例えば、OTDR(Optical Time-domain Reflectometer)や光パワーなど)とを組み合わせた故障区間の推定技術が検討されている。しかしながら、この技術もまた故障設備の大まかな区間の特定はできるものの、分岐線路の故障位置を明確に特定するまでには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010-171652号公報「光線路故障区間推定システムと故障区間推定装置」
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】NTT技術ジャーナル2005年9月号 pp91-94.
【非特許文献2】Y. Koshikiya, et al. IEICE TRANS. COMMUN VOL. E90-B, NO.10 October 2007 pp.2739-2802.
【非特許文献3】NTT技術ジャーナル2009年5月号 pp40-42.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上述べたように、従来の光通信システムに用いられる分岐形光線路網では、分岐線路に不具合が発生した場合、所内から故障心線の判別と故障位置を特定することが困難である。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたもので、分岐形光線路網の分岐線路に不具合が発生した場合であっても、その心線と故障位置を所内から特定することのできる分岐形光線路網の故障位置探査装置とその探査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る分岐形光線路網の故障位置探査装置は、以下のような態様の構成とする。
(1)1本の光線路が光スプリッタにより複数の光線路に分岐される分岐線路に、前記1本の光線路の前記光スプリッタとは異なる端に1台の所内伝送装置が設置され、前記分岐線路の前記スプリッタとは異なる端に所外伝送装置が設置される分岐形光線路網による光通信システムに用いられ、通信光と試験光とを入出力する光カプラと、前記分岐線路をOTDR(Optical Time-domain Reflectometer)試験する光パルス試験装置と、前記複数の所外伝送装置からのバースト信号光のリンク状態を検出するリンク検出装置と、前記光パルス試験装置と前記リンク検出装置のいずれかを選択する測定器選択装置と、前記分岐線路の新設時の正常時におけるOTDR波形を格納するOTDR波形データベースと、前記分岐線路の物理的な心線番号と前記所外伝送装置のMACアドレスの状態を対応付ける設備状態データベースと、前記OTDR波形データベースと前記設備状態データベースを管理しながら、前記光パルス試験装置と前記リンク検出装置とを制御する制御装置とを具備し、前記制御装置は、前記所外伝送装置の各々から送出される前記バースト信号光を前記光カプラと前記測定器選択装置を介して前記リンク検出装置で受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで前記所外伝送装置がリンク状態にあるか否かを判断し、前記複数の所外伝送装置が個別に所有するMACアドレスと前記分岐線路の物理的な心線番号との接続関係を対応付け、前記分岐線路の故障発生時に前記光パルス試験装置によって前記OTDR波形を測定し、当該OTDR波形と前記OTDR波形データベースに格納された正常なOTDR波形との差分波形を導出し、前記設備状態データベースを参照して前記MACアドレスと前記分岐線路との接続関係により前記分岐線路の故障心線番号を推定し、かつ、前記OTDR差分波形から前記分岐線路の故障位置を特定する態様とする。
【0013】
(2)1本の光線路が光スプリッタにより複数の光線路に分岐される分岐線路に、前記1本の光線路の前記光スプリッタとは異なる端に1台の所内伝送装置が設置され、前記分岐線路の前記スプリッタとは異なる端に所外伝送装置が設置される分岐形光線路網による光通信システムに用いられ、通信光と試験光とを入出力する光カプラと、前記分岐線路を試験する光パルス試験装置と、前記所内伝送装置で受けた複数の所外伝送装置から送出されてくるバースト信号光を取り込んでそれぞれのリンク状態を検出し、リンク状態にある所外伝送装置のMACアドレスを表示する所内伝送監視装置と、前記分岐線路の新設時の正常時におけるOTDR(Optical Time-domain Reflectometer)波形を格納するOTDR波形データベースと、前記分岐線路の物理的な心線番号と前記所外伝送装置のMACアドレスの状態を対応付ける設備状態データベースと、前記OTDR波形データベースと前記設備状態データベースを管理しながら、前記光パルス試験装置と前記所内伝送監視装置とを制御する制御装置とを具備し、前記制御装置は、前記所外伝送装置の各々から送出される前記バースト信号光を前記所内伝送装置を介して前記所内伝送監視装置で受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで前記所外伝送装置がリンク状態にあるか否かを判断し、前記複数の所外伝送装置が個別に所有するMACアドレスと前記分岐線路の物理的な心線番号との接続関係を対応付け、前記分岐線路の故障発生時に前記光パルス試験装置によって前記OTDR波形を測定し、当該OTDR波形と前記OTDR波形データベースに格納された正常なOTDR波形との差分波形を導出し、前記設備状態データベースを参照して前記MACアドレスと前記分岐線路との接続関係により前記分岐線路の故障心線番号を推定し、かつ、前記OTDR差分波形から前記分岐線路の故障位置を特定する態様とする。
【0014】
(3)(1)または(2)の構成において、前記OTDR波形データベースは、前記分岐線路が新設される毎に正常時における前記分岐線路の合波されるOTDR波形が保存される態様とする。
(4)(1)または(2)の構成において、前記設備状態データベースは、前記所外伝送装置のMACアドレスに対応する物理的な前記分岐線路の心線番号と、前記リンク検出装置で得られたMACアドレス信号の有無からリンクが確立しているか否かの状態とを管理する態様とする。
【0015】
本発明に係る分岐形光線路網の故障位置探査方法は、以下のような態様の構成とする。
(5)1本の光線路が光スプリッタにより複数の光線路に分岐される分岐線路に、前記1本の光線路の前記光スプリッタとは異なる端に1台の所内伝送装置が設置され、前記分岐線路の前記スプリッタとは異なる端に所外伝送装置が設置される分岐形光線路網による光通信システムに用いられ、前記所外伝送装置の各々から送出される前記バースト信号光を受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで前記所外伝送装置がリンク状態にあるか否かを判断し、前記複数の所外伝送装置が個別に所有するMACアドレスと前記分岐線路の物理的な心線番号との接続関係を対応付け、前記分岐線路の故障発生時にOTDR波形を測定し、当該OTDR波形と前記事前に用意された正常時のOTDR波形との差分波形を導出し、前記MACアドレスと前記分岐線路との接続関係により前記分岐線路の故障心線番号を推定し、かつ、前記OTDR差分波形から前記分岐線路の故障位置を特定する態様とする。
【0016】
(6)(5)の方法において、前記事前に用意するOTDR波形は、前記分岐線路が新設される毎に正常時における前記分岐線路の合波されるOTDR波形である態様とする。
(7)(5)の方法において、前記設備状態の管理は、前記所外伝送装置のMACアドレスに対応する物理的な前記分岐線路の心線番号と、前記リンク検出装置で得られたMACアドレス信号の有無からリンクが確立しているか否かの状態とを管理する態様とする。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明により、分岐形光線路網の分岐光線路に不具合が発生した場合に、その心線番号の推定と故障位置の特定を所内側から実行することのできる分岐形光線路網の故障位置探査装置とその探査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る分岐形光線路網の故障位置探査装置を組み込んだPON通信システムの構成を示すブロック図。
【図2】図1に示す構成における故障位置探査手順の流れを示すフローチャート。
【図3】図1に示す構成において、損失をもつ分岐線路の故障位置を探査した場合の具体例を示すブロック図。
【図4】図3におけるMACアドレスと分岐線路の設備状態データベース(8番心線損失増加の場合)の内容を示す図。
【図5】正常時で分岐線路に故障がない場合において、(a)は新設時のOTDR波形を示す図、(b)は新設時以降のOTDR波形を示す図、(c)は新設時と新設時以降とのOTDR差分波形を示す図。
【図6】正常時で図3に示す分岐線路に損失が生じる場合において、(a)は新設時のOTDR波形を示す図、(b)は新設時以降のOTDR波形を示す図、(c)は新設時と新設時以降とのOTDR差分波形を示す図。
【図7】図1に示す構成において、破断をもつ分岐線路の故障位置を探査した場合の具体例を示すブロック図。
【図8】図7におけるMACアドレスと分岐線路の設備状態データベース(4番心線破断の場合)の内容を示す図。
【図9】正常時で図7に示す分岐線路に破断が生じる場合において、(a)は新設時のOTDR波形を示す図、(b)は新設時以降のOTDR波形を示す図、(c)は図新設時と新設時以降とのOTDR差分波形を示す図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る分岐形光線路網の故障位置探査装置を組み込んだPON通信システムの構成を示すブロック図。
【図11】図10に示す構成における故障位置探査手順の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る分岐形光線路網の故障位置探査装置を組み込んだPON通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、PON通信システムは、以下のように構成される。まず、所内1に配置された所内伝送装置2は外部につながる分岐前の光線路(以下、分岐前線路と記す)5の一方端に接続され、当該分岐前線路5の他方端は所外の光スプリッタ6に接続される。この光スプリッタ6は1系統を複数系統(ここでは8系統)に分岐するもので、各分岐端はそれぞれ分岐線路71〜78を介して所外伝送装置81〜88に接続される。
【0020】
ここで、上記分岐前線路5の所内伝送装置2との接続部近傍、分岐光線路71〜78の所外伝送装置81〜88との接続部近傍には、それぞれ試験光遮断フィルタ31〜39が配置され、また上記分岐前線路5には故障位置探査装置19の入出力ポートと接続するための光カプラ4が配置される。
【0021】
上記故障位置検査装置19は、分岐光線路71〜78を試験する光パルス試験装置(OTDR)12と、所外伝送装置(PON-ONU)81〜88から送出されてくるバースト信号光17のリンク状態を検出するリンク検出装置13と、それら装置のいずれかを選択して入出力ポート9と接続するための測定器選択装置10と、分岐光線路の新設時(正常時)のOTDR波形を保存するOTDR波形データベース16と、分岐線路71〜78の物理的な心線番号と所外伝送装置81〜88のMACアドレスの状態を対応付ける設備状態データベース15と、それらデータベースを管理しながら光パルス試験装置12、リンク検出装置13および測定器選択装置10を制御するコンピュータ14とから構成される。
【0022】
ここで、上記光パルス試験装置12の接続線路には、光パルス試験装置12によるOTDR測定の際に雑音となるバースト信号光17を遮断するための通信光遮断フィルタ11が配置される。また、リンク検出装置13は、具体的には非特許文献3に示すように構成され、所外伝送装置81〜88から送出されてくるバースト信号光17のリンク状態を検出し、リンク状態にある所外伝送装置81〜88のMACアドレスを表示するものである。
【0023】
OTDR波形データベース16には、PON通信システムを運用していく中で、分岐線路71〜78が全て接続されていない場合も、その時々の新設時(正常時)における合波されたOTDR波形が保存されている。例えば、分岐線路71〜74が新設時に接続された場合、そのOTDR波形が当該データベース16に保存され、その後、分岐光線路75〜78が増設された場合、この増設時のOTDR波形が最新情報として当該データベース16に保存される。
【0024】
設備状態データベース15は、所外伝送装置81〜88のMACアドレスに対応する物理的な分岐線路71〜78の心線番号と、リンク検出装置13で得られたMACアドレス信号の有無、即ち、リンクが確立しているか否かの状態を管理する。
次に、図2を参照して、上記故障位置探査装置19の動作形態について説明する。
図2は上記故障位置探査装置19のコンピュータ14による故障位置探査手順の流れを示すフローチャートである。まず、故障発生によりユーザから故障申告を受けると、測定器選択装置10によって入出力ポート9にリンク検出装置13が接続される。これにより、所外伝送装置81〜88から送出された上りバースト信号光17は、光カプラ4、光入出力ポート9を通じて故障探査装置19に取り込まれ、測定器選択装置10を介してリンク検出装置13で受信され、当該信号光17のリンク状態が確認される(ステップS11)。
【0025】
このステップS11で得られた結果は、当該PON通信システムの分岐線路設備に対応させて設備状態データベース15に保存される。ここで、ユーザから故障申告された分岐線路(7N番心線:7Nは図番71〜78の中のN番目の分岐線路を示す)が契約下の心線(すなわち、サービス提供下の保守対象)であり、かつMACアドレスが検知でき当該所外伝送装置(8N:8Nは図番81〜88の中のN番目の所外伝送装置を示す)がリンク状態にあるか否かを判断し(ステップS21)、リンク状態にあると判断された場合(Yes)、分岐線路(7N番心線)に故障はなく、所外伝送装置(8N)より下部のユーザ設備に故障がある可能性が高いと推定する(ステップS22)。しかしながら、当該分岐線路(7N番心線)において何らかの原因で損失が増加し、所内伝送装置2やユーザからの故障申告された所外伝送装置(8N)の最低受信感度の付近でリンクが確立していない可能性もあり得るため、次のステップS41(OTDR試験)も実行する。
【0026】
一方、ステップS11からステップS21の中で、ユーザから故障申告された分岐線路(7N番心線)が契約下の心線であるが、MACアドレスが検知できず当該所外伝送装置(8N)がリンク状態にない場合(No)、分岐線路(7N番心線)が故障している可能性が高いことになるので、分岐線路の故障と特定し、申告ONUと接続された分岐線路(N番目心線)が故障と特定する(ステップS31)。但し、契約下の心線であってもユーザの所外伝送装置(8N)が電源OFFの場合も想定されることから、当該分岐線路(7N番心線)に対してOTDR試験を実行する(ステップS41)。
【0027】
このステップS41で得られたOTDR波形とOTDR波形データベース16に保存されているPON通信システムの新設時(正常時)に取得したOTDR波形との差分波形を解析する(ステップS51)。この時、OTDR波形の差分波形に変化があるか否かを判断し(ステップS61)、差分波形に変化がない場合(No)は、新設当時の分岐線路の正常状態を保っていることから、ユーザ設備が故障と判定する(ステップS62)。差分波形に変化が生じている場合(Yes)は、分岐線路(7N番心線)に異常が生じたことを示唆しており、当該波形の最初の変化点(X km)に「線路故障あり」と特定し(ステップS71)、これによって分岐線路故障個所の特定を完了する。
【0028】
上記の故障位置探査手順に従いながら、具体的に分岐線路に不具合を発生させ、その心線番号の推定と故障位置の特定を試みた結果を以下に説明する。
図3は、図1に示す構成において、損失をもつ分岐線路の故障位置を探査した場合の具体例を示すブロック図である。長さ1.0kmの分岐前線路5に光スプリッタ6によって0.5km(1本:71)、1.0km(1本:73)、1.3km(1本:74)、3.0km(2本:76、78)の分岐線路を接続し、1台の所内伝送装置2と5台の所外伝送装置(81、83、84、86、88)を通信させながら、故障分岐線路の心線番号の推定と、その分岐線路の故障位置の特定を行った。故障分岐線路を78番心線とし、光スプリッタ6から約1km地点において約2.5dBの損失を発生させた。これは故障位置を容易に特定できないように、光スプリッタ6から故障位置までの距離を、73番目の分岐線路の長さと等しくし端末反射と意図的に一致させている。その結果を図4に示す。
【0029】
図4は、リンク検出結果をMACアドレスと分岐線路の設備状態データベース15に反映し、故障分岐線路の心線番号を推定した結果を示している。図4より、分岐線路78は、「契約下の心線であり」、かつ「故障申告があり」、かつ「MACアドレスの表示がない(リンクが確立していない)」ことから、故障の可能性「有」と判定することができる。但し、分岐線路71のように「契約下の心線であり」ながらも、「MACアドレスの表示がない(リンクが確立していない)」場合も故障の可能性を否定できないが、「故障申告がない」ことや、ユーザ側の所外伝送装置81の電源がOFF状態にある可能性もあることから、直ちに分岐線路71を異常と判断しない。
【0030】
ここで、故障位置探査装置19の動作説明(故障分岐線路の心線番号と故障位置の特定)から外れるが、比較のために分岐線路71〜78に異常が発生しない場合のOTDR試験結果を示す。
図5(a)は、新設時(正常時)のOTDR波形を示す図であり、図5(b)は、それから1週間後のOTDR波形を示す図である。両者の損失変化を見るため、1週間後のOTDR波形から新設時のOTDR波形を差し引いた結果を図5(c)に示す。図5(c)より分かるように、光スプリッタ6より下部の分岐線路に損失の変化は認められず正常状態を維持していることが分かる。よって、分岐線路71〜78に異常がなければ、OTDR差分波形に損失の変化は認められない。
【0031】
次に、図6(a)は、新設時(正常時)における分岐線路のOTDR波形を示す図であり、図6(b)は、分岐線路78において光スプリッタから下部側1km付近で約2.5dBの損失を発生させた時のOTDR波形を示す図である。両者の損失変化を得るため損失を発生させたOTDR波形から新設時のOTDR波形を差し引きいた差分波形を図6(c)に示す。図6(c)から分かるように、光スプリッタ6から約1km下流付近に、分岐線路78からの後方散乱光レベル低下による損失変化が認められることから、この地点に故障があることが判断できる。加えて言うと、この地点は分岐線路71の端末反射と重なっているにも係らず、損失変化として確認できた意義は非常に大きい。
【0032】
続いて、分岐線路の不具合状態を破断状態にして、故障心線番号の推定と故障位置の特定を試みた結果を以下に説明する。
図7は、図1に示す構成において、破断をもつ分岐線路の故障位置を探査した場合の具体例を示すブロック図である。長さ1.0kmの分岐前線路5に光スプリッタ6によって0.5km(1本:71)、1.0km(1本:73)、1.8km(1本:74)、2.0km(1本:76)、3.0km(1本:78)の分岐線路を接続し、1台の所内伝送装置2と5台の所外伝送装置(81、83、84、86、88)を通信させながら故障分岐線路の心線番号の推定と故障位置特定を行った。今度は、分岐線路74を故障線路とし、光スプリッタ6から約1.3km地点を破断させた。以下の結果を示す。
【0033】
図8は、リンク検出結果をMACアドレスと分岐線路の設備状態データベース15に反映し、故障分岐線路の心線番号を推定した結果を示している。図8より、分岐線路74は、「契約下の心線であり」、かつ「故障申告があり」、かつ「MACアドレスの表示がない(リンクが確立していない)」ことから、故障の可能性「有」と判定することができる。但し、分岐線路71のように「契約下の心線であり」ながらも、「MACアドレスの表示がない(リンクが確立していない)」場合も故障の可能性を否定できないが、「故障申告がない」ことや、ユーザ側の所外伝送装置81の電源がOFF状態にある可能性があることから、直ちに分岐線路71を異常と判断しない。
【0034】
図9(a)は、新設時(正常時)における分岐線路のOTDR波形を示す図であり、図9(b)は、分岐線路74において光スプリッタから下部側1.3km付近を故障(破断)させた時のOTDR波形を示す図である。両者の損失変化を導出するため、破断後のOTDR波形から新設時のOTDR波形を差し引きいた差分波形を図9(c)に示す。図9(c)から分かるように、光スプリッタ6から約1.3km下流付近に破断点からの反射とみられる損失変化が認められることから、この地点に分岐線路の故障があることが分かる。
【0035】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る分岐形光線路網の故障位置探査装置を組み込んだPON通信システムの構成を示すブロック図である。尚、図10において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分について述べる。
【0036】
図10において、PON通信システムの基本構成は、図1に示した構成と同様である。一方、故障位置探査装置19は、測定器選択装置10を採用せず、代わって所内伝送装置2で受けた複数の所外伝送装置(PON−ONU)81〜88から送出されてくるバースト信号光17を取り込んでそれぞれのリンク状態を検出し、リンク状態にある所外伝送装置(PON−ONU)81〜88のMACアドレスを表示する所内伝送監視装置(PON−OLT−OSS)20を備えるようにした点で、図1に示した構成と異なる。
【0037】
光パルス試験装置(OTDR)12、設備状態データベース15、OTDR波形データベース16は図1の場合と同様であり、コンピュータ14がデータベース15,16を管理しながら光パルス試験装置12を制御する点も図1の場合と同様である。通信光遮断フィルタ11は、光パルス試験装置(OTDR)12によるOTDR測定の際に雑音となるバースト信号光17を遮断するものである。
【0038】
OTDR波形データベース16には、PON通信システムを運用していく中で、分岐線路71〜78が全て接続されていない場合も、その時々の新設時(正常時)における分岐線路71〜78の合波されたOTDR波形が保存されている。例えば、分岐線路71〜74が新設時に接続された場合、そのOTDR波形が当該データベース16に記録され、その後、分岐線路75〜78が増設された場合、この増設時のOTDR波形が最新情報として当該データベース16に保存される。
【0039】
設備状態データベース15は、所外伝送装置81〜88のMACアドレスに対応する物理的な分岐線路71〜78の心線番号と、リンク検出装置13で得られたMACアドレス信号の有無、即ち、リンクが確立しているか否かの状態とを管理する。
次に、図11を参照して、上記故障位置探査装置19の動作形態について説明する。
図11は上記故障位置探査装置19のコンピュータ14による故障位置探査手順の流れを示すフローチャートである。なお、上りバースト信号光17に含まれるMACアドレス情報(リンク確立情報)を第1の実施形態ではリンク検出装置13が実行したのに対して、本実施形態では所内伝送監視装置(PON−OLT−OSS)20がその機能を果たす以外は、ほぼ同様の流れで故障分岐線路の心線番号の推定とその故障位置特定を実行する。
【0040】
まず、ユーザからの故障申告を受けたとき、コンピュータ14によって所内伝送監視装置20に収得された上りバースト信号光17のリンク状態を確認して、故障分岐線路を特定する(ステップS12)。ステップS12で得られた結果は、当該PON通信システムの設備情報に加えられ、設備状態データベース15に保存される。ここで、ユーザから故障申告された分岐線路(7N番心線)が契約下(サービス提供下)の心線であり、かつMACアドレスを検知することができて当該所外伝送装置81〜88がリンク状態にあるか否かを判断し(ステップS22)、リンク状態にある場合(Yes)、分岐線路に故障はなく所外伝送装置81〜88を除くユーザ設備に故障がある可能性が高いと判断する(ステップS23)。しかしながら、分岐線路において何らかの原因で損失が増加し、所内伝送装置2やユーザからの故障申告された所外伝送装置(8N)の最低受信感度の付近でリンクが確立したりしなかったりしている可能性もあり得るため、次のステップS42(OTDR試験)も実行する。
【0041】
一方、ステップS12からステップS22の中で、ユーザからの故障申告された分岐線路(7N番心線)が契約下の心線であるが、MACアドレスが検知できず所外伝送装置(8N)がリンク状態にない場合(No)、分岐線路(7N)が故障している可能性が高いことになるので、分岐線路の故障と特定し、申告ONUと接続された分岐線路(N番目心線)が故障と特定する(ステップS32)。但し、契約下の心線であってもユーザの所外伝送装置(8N)の電源がOFF状態にある場合も想定されることから、直ちに所外伝送装置(8N)以降のユーザ設備が故障と判断せずに、当該分岐線路(7N)に対してOTDR試験を実行する(ステップS42)。
【0042】
このステップS42で得られたOTDR波形とOTDR波形データベース16に記録されているPON通信システムの新設時(正常時)に取得したOTDR波形との差分について解析する(ステップS52)。この時、差分波形に変化がない場合(No)は、分岐線路(7N)に損失の変化は認められないため、ユーザ設備が故障であると判定する(ステップS63)。ここで、差分波形に変化が生じてOTDR波形に差分があるか否かを判断し(ステップS62)、差分がある場合(Yes)は、分岐線路(7N)に異常が生じたことを示唆しており、当該波形の最初の変化点(X km)に「線路故障あり」と特定する(ステップS72)。ステップS62で差分なしと判断された場合には、ユーザ設備の故障として処理する(ステップS63)。これによって分岐線路故障個所の特定を完了する。
【0043】
前述したように、従来のPON通信システムでは、光線路保守は、所内(光スプリッタ上部)から光線路の光パルス試験を実行した場合、試験光が光スプリッタによって分岐線路に等分配され、各分岐線路で生じた戻り光が、再び光スプリッタによって重ね合わせられて光パルス試験装置に受光されるために、分岐線路を個別に試験することができなかった。この結果、分岐線路の故障が想定されるような不具合に対して、所内から試験ができないため、当該分岐線路のある屋外設備まで駆けつけることを余儀なくさせられ、同時に、ユーザ側ONU以降の設備故障の可能性もあることから、通信設備の故障探査に大きな稼動が生じていると共に、無効派遣という切実な問題も抱えていた。
【0044】
今回、第1の実施形態または第2の実施形態の構成による故障位置探索装置を用いることで、PON通信システムの分岐線路の故障位置を特定することが可能となり、故障修理の迅速化と大幅な保守稼動の削減が見込まれる。
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成を削除してもよい。さらに、異なる実施形態例に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…所内、2…所内伝送装置(PON−OLT)、31〜39…試験光遮断フィルタ、4…光カプラ、5…分岐前線路、6…光スプリッタ、71〜78…分岐線路、81〜88…所外伝送装置(PON−ONU)、9…光入出力ポート、10…測定器選択装置、11…通信光遮断フィルタ、12…光パルス試験装置(OTDR)、13…リンク検出装置、14…コンピュータ、15…設備状態データベース、16…OTDR波形データベース、17…上りバースト信号光、18…OTDR試験光、19…故障位置探査装置、20…所内伝送監視装置(PON−OLT−OSS)、21…損失増加故障、22…破断故障。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の光線路が光スプリッタにより複数の光線路に分岐される分岐線路に、前記1本の光線路の前記光スプリッタとは異なる端に1台の所内伝送装置が設置され、前記分岐線路の前記スプリッタとは異なる端に所外伝送装置が設置される分岐形光線路網による光通信システムに用いられ、
通信光と試験光とを入出力する光カプラと、
前記分岐線路をOTDR(Optical Time-domain Reflectometer)試験する光パルス試験装置と、
前記複数の所外伝送装置からのバースト信号光のリンク状態を検出するリンク検出装置と、
前記光パルス試験装置と前記リンク検出装置のいずれかを選択する測定器選択装置と、
前記分岐線路の新設時の正常時におけるOTDR波形を格納するOTDR波形データベースと、
前記分岐線路の物理的な心線番号と前記所外伝送装置のMACアドレスの状態を対応付ける設備状態データベースと、
前記OTDR波形データベースと前記設備状態データベースを管理しながら、前記光パルス試験装置と前記リンク検出装置とを制御する制御装置と、
を具備し、
前記制御装置は、
前記所外伝送装置の各々から送出される前記バースト信号光を前記光カプラと前記測定器選択装置を介して前記リンク検出装置で受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで前記所外伝送装置がリンク状態にあるか否かを判断し、
前記複数の所外伝送装置が個別に所有するMACアドレスと前記分岐線路の物理的な心線番号との接続関係を対応付け、
前記分岐線路の故障発生時に前記光パルス試験装置によって前記OTDR波形を測定し、当該OTDR波形と前記OTDR波形データベースに格納された正常なOTDR波形との差分波形を導出し、
前記設備状態データベースを参照して前記MACアドレスと前記分岐線路との接続関係により前記分岐線路の故障心線番号を推定し、かつ、前記OTDR差分波形から前記分岐線路の故障位置を特定すること
を特徴とする分岐形光線路網の故障位置探査装置。
【請求項2】
1本の光線路が光スプリッタにより複数の光線路に分岐される分岐線路に、前記1本の光線路の前記光スプリッタとは異なる端に1台の所内伝送装置が設置され、前記分岐線路の前記スプリッタとは異なる端に所外伝送装置が設置される分岐形光線路網による光通信システムに用いられ、
通信光と試験光とを入出力する光カプラと、
前記分岐線路を試験する光パルス試験装置と、
前記所内伝送装置で受けた複数の所外伝送装置から送出されてくるバースト信号光を取り込んでそれぞれのリンク状態を検出し、リンク状態にある所外伝送装置のMACアドレスを表示する所内伝送監視装置と、
前記分岐線路の新設時の正常時におけるOTDR(Optical Time-domain Reflectometer)波形を格納するOTDR波形データベースと、
前記分岐線路の物理的な心線番号と前記所外伝送装置のMACアドレスの状態を対応付ける設備状態データベースと、
前記OTDR波形データベースと前記設備状態データベースを管理しながら、前記光パルス試験装置と前記所内伝送監視装置とを制御する制御装置と、
を具備し、
前記制御装置は、
前記所外伝送装置の各々から送出される前記バースト信号光を前記所内伝送装置を介して前記所内伝送監視装置で受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで前記所外伝送装置がリンク状態にあるか否かを判断し、
前記複数の所外伝送装置が個別に所有するMACアドレスと前記分岐線路の物理的な心線番号との接続関係を対応付け、
前記分岐線路の故障発生時に前記光パルス試験装置によって前記OTDR波形を測定し、当該OTDR波形と前記OTDR波形データベースに格納された正常なOTDR波形との差分波形を導出し、
前記設備状態データベースを参照して前記MACアドレスと前記分岐線路との接続関係により前記分岐線路の故障心線番号を推定し、かつ、前記OTDR差分波形から前記分岐線路の故障位置を特定すること
を特徴とする分岐形光線路網の故障位置探査装置。
【請求項3】
前記OTDR波形データベースは、前記分岐線路が新設される毎に正常時における前記分岐線路の合波されるOTDR波形が保存されることを特徴とする請求項1または2記載の分岐形光線路網の故障位置探査装置。
【請求項4】
前記設備状態データベースは、前記所外伝送装置のMACアドレスに対応する物理的な前記分岐線路の心線番号と、前記リンク検出装置で得られたMACアドレス信号の有無からリンクが確立しているか否かの状態とを管理すること、
を特徴とする請求項1または2記載の分岐形光線路網の故障位置探査装置。
【請求項5】
1本の光線路が光スプリッタにより複数の光線路に分岐される分岐線路に、前記1本の光線路の前記光スプリッタとは異なる端に1台の所内伝送装置が設置され、前記分岐線路の前記スプリッタとは異なる端に所外伝送装置が設置される分岐形光線路網による光通信システムに用いられ、
前記所外伝送装置の各々から送出される前記バースト信号光を受信し、当該信号光のMACアドレスを検出することで前記所外伝送装置がリンク状態にあるか否かを判断し、
前記複数の所外伝送装置が個別に所有するMACアドレスと前記分岐線路の物理的な心線番号との接続関係を対応付け、
前記分岐線路の故障発生時にOTDR波形を測定し、当該OTDR波形と前記事前に用意された正常時のOTDR波形との差分波形を導出し、
前記MACアドレスと前記分岐線路との接続関係により前記分岐線路の故障心線番号を推定し、かつ、前記OTDR差分波形から前記分岐線路の故障位置を特定すること
を特徴とする分岐形光線路網の故障位置探査方法。
【請求項6】
前記事前に用意するOTDR波形は、前記分岐線路が新設される毎に正常時における前記分岐線路の合波されるOTDR波形であることを特徴とする請求項5記載の分岐形光線路網の故障位置探査方法。
【請求項7】
前記設備状態の管理は、前記所外伝送装置のMACアドレスに対応する物理的な前記分岐線路の心線番号と、前記リンク検出装置で得られたMACアドレス信号の有無からリンクが確立しているか否かの状態とを管理することを特徴とする請求項5記載の分岐形光線路網の故障位置探査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−24665(P2013−24665A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158458(P2011−158458)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】