説明

切断機

【課題】切断機の操作性や安全性の更なる向上を図る。
【解決手段】この切断機10は、被加工材上に載置される定盤11と、モータ22を内部に収納する切断機本体21と、モータ22からの回転駆動力を伝達されて回転駆動する丸鋸刃31とを備え、定盤11と切断機本体21との接続部20が定盤11の後端側に設けられ、接続部20を回動中心として定盤11に対する切断機本体21の相対的な回動動作を行うことで、定盤11の下面からの丸鋸刃31の突出量を調整する。そして、初期状態のときには定盤11の下面から突出した丸鋸刃31を覆うように設けられるとともに、被加工材の切断作業を行うときには当該被加工材に押されることで丸鋸刃31の周囲から退避するように構成されたロアーガード32を備えている。また、定盤11には、初期状態のときにロアーガード32の位置を規定するストッパ部16が設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断機に係り、特に、定盤と切断機本体との接続部が定盤の後端側に設けられ、接続部を回動中心として定盤に対する切断機本体の相対的な回動動作を行うことで、定盤の下面からの丸鋸刃の突出量を調整するようにした切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被加工材上に載置される定盤と、駆動源であるモータを内部に収納するとともに操作者からの把持を受けるハンドル部を有する切断機本体と、前記切断機本体に取り付けられるとともに前記モータからの回転駆動力を伝達されて回転駆動する丸鋸刃と、を備える切断機が知られている(例えば、下記特許文献1,2参照。)。
【0003】
下記特許文献1,2等に開示されているような従来から知られる切断機については、定盤に対して重量の大きなモータハウジングが大きく片寄って配置されているため、操作者からの把持を受けるハンドル部は、把持時における切断機全体のバランスを取るために、丸鋸刃に対して大きくオフセットされた位置に配置されていた。また、ハンドル部の位置は、定盤の中心位置に対しても大きくオフセットされていた。したがって、操作者がハンドル部を進行方向に押したときには、その押圧力の方向が丸鋸刃の進行方向とずれているため、定盤には旋回しようとする力(偶力)が働いてしまうという問題が存在していた。
【0004】
そこで、本発明者は、上述した従来の切断機に存在する課題の存在に鑑みて、従来技術にはなかった全く新しい装置構成を備え、操作性を向上させた切断機を創案した(特願2010−126699号)。すなわち、本発明者は、被加工材上に載置される定盤と、駆動源であるモータを内部に収納するモータハウジングと、操作者からの把持を受けるハンドル部と、前記モータからの駆動力を伝達されて回転駆動する丸鋸刃とを備え、前記定盤を上面から見たときに、モータハウジング、ハンドル部及び丸鋸刃が、定盤の幅方向の略中央位置に集合して配置されている切断機を提案したのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−346909号公報
【特許文献2】特開2007−125796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者が提案した上記の切断機は、従来技術にはなかった全く新しい装置構成を備える画期的なものであるため、実機化に際しては種々の改良を施す余地が存在している。本発明は、上記の新規な切断機の改良技術に関するものであり、操作性や安全性の更なる向上を図ることを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】
本発明に係る切断機(10)は、被加工材上に載置される定盤(11)と、駆動源であるモータ(22)を内部に収納するとともに操作者からの把持を受けるハンドル部(23)を有する切断機本体(21)と、前記切断機本体(21)に取り付けられるとともに前記モータ(22)からの回転駆動力を伝達されて回転駆動する丸鋸刃(31)と、を備え、前記定盤(11)と前記切断機本体(21)との接続部(20)が前記定盤(11)の後端側に設けられ、前記接続部(20)を回動中心として前記定盤(11)に対する前記切断機本体(21)の相対的な回動動作を行うことで、前記定盤(11)の下面からの前記丸鋸刃(31)の突出量を調整するようにした切断機(10)であって、初期状態のときには前記定盤(11)の下面から突出した前記丸鋸刃(31)を覆うように設けられるとともに、前記被加工材の切断作業を行うときには当該被加工材に押されることで前記丸鋸刃(31)の周囲から退避するように構成されたロアーガード(32)を備え、さらに、前記初期状態のときに前記ロアーガード(32)の位置を規定するストッパ部(16)が、前記定盤(11)に設置されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る切断機(10)では、前記ストッパ部(16)が、前記丸鋸刃(31)の刃先近傍から離れた位置に設置されていることとすることが好適である。
【0010】
さらに、本発明に係る切断機(10)では、前記ストッパ部(16)が、切断機(10)を側面から見た場合における前記丸鋸刃(31)の刃先よりも内側の位置に設置されていることとすることができる。
【0011】
またさらに、本発明に係る切断機(10)において、前記ストッパ部(16)は、少なくとも前記ロアーガード(32)との当接箇所が樹脂又はゴム材料で構成されていることとすることができる。
【0012】
さらにまた、本発明に係る切断機(10)において、前記ロアーガード(32)の外郭形状は、前記ストッパ部(16)と当接する側の前端部近傍以外の箇所(α1)が、前記丸鋸刃(31)の外径に沿った曲線形状を有するとともに、前記ストッパ部(16)と当接する側の前端部近傍の箇所(α2)が、前記曲線形状の延長線より外側に張り出た張り出し形状を有して構成されていることとすることができる。
【0013】
また、本発明に係る切断機(10)において、前記定盤(11)の前端側には、切断作業の際の目印(17b)を有する鍔部(17)が延設されており、前記鍔部(17)の前端側は、前記定盤(11)を水平面に載置したときに当該水平面との間に隙間(d)を有するように上方側を向いた傾斜面(17a)を有して構成されていることとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切断機の操作性や安全性の更なる向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る切断機の外観側面図である。
【図2】本実施形態に係る切断機の縦断面側面図であり、定盤の下面から丸鋸刃を最大量突出させた状態を示している。
【図3】本実施形態に係る切断機が有する定盤の上面視を描いた図である。
【図4】本実施形態に係る切断機の縦断面側面図であり、定盤の下面から丸鋸刃が突出するストローク量の略中間に位置する状態を示している。
【図5】本実施形態に係る切断機の縦断面側面図であり、定盤の下面から丸鋸刃を僅かに突出させた状態を示している。
【図6】本実施形態に係る切断機で中抜き作業を行う場合の動作を説明した図であり、図中の分図(a)が作業準備段階における切断機の状態を示しており、図中の分図(b)が切断作業直前での切断機の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る切断機の外観側面図である。また、図2は、本実施形態に係る切断機の縦断面側面図である。さらに、図3は、本実施形態に係る切断機が有する定盤の上面視を描いた図である。なお、図2については、説明の便宜のために、一部の部材が省略して描かれている。
【0018】
本実施形態に係る切断機10は、被加工材上に載置される定盤11と、駆動源であるモータ22を内部に収納するとともに操作者からの把持を受けるハンドル部23を有する切断機本体21と、切断機本体21に取り付けられるとともにモータ22からの回転駆動力を伝達されて回転駆動する丸鋸刃31とを主要な構成部材として有している。
【0019】
定盤11は、概略矩形形状をした金属製の平板として構成されている。定盤11の下側の面は水平面として構成されており、この水平面として構成される定盤11の下面が被加工材上に載置され、被加工材の上面に沿って摺動されることにより、切断機10のスムーズな移動操作ができるようになっている。また、定盤11の略中央位置には、丸鋸刃31及びロアーガード32を配置するための開口部12が形成されている。この開口部12は、丸鋸刃31及びロアーガード32を配置可能な最小限の範囲で開けられており、切断機10における動作の基準となる定盤11の剛性を維持しながらも、丸鋸刃31及びロアーガード32といった切断作用や安全作用を実現する機器の動作を実行可能としている。
【0020】
定盤11の後端側には、回動軸と軸受によって構成される接続部20が形成されている。この接続部20は、定盤11と切断機本体21が有するハンドル部23とを回動自在な状態で接続する部材である。この接続部20によって、接続部20を回動中心とした定盤11に対する切断機本体21の相対的な回動動作が可能となっている。
【0021】
また、切断機本体21の上方にはモータ22が収納されており、さらに、モータ22には、後述する駆動機構24を介して丸鋸刃31が回転運動可能に設置されている。つまり、ハンドル部23を含む切断機本体21と、駆動機構24と、丸鋸刃31とは、一体的に構成されており、これらの部材が定盤11に対して回動自在な状態となっている。したがって、接続部20を回動中心としてハンドル部23を回動させると、定盤11に対する丸鋸刃31の相対的な位置移動が可能となるので、その結果として、定盤11の底面から開口部12を導通して丸鋸刃31が突出する突出量を調整することができ、切断深さを調整することが可能となる。
【0022】
なお、調整された丸鋸刃31の突出量を固定するために、定盤11の前方には、切断機本体21の回動軌跡に沿った傾斜面と長孔13aとを有する位置固定部材13が設置されている。この位置固定部材13が有する長孔13aには、切断機本体21と接続するネジ14が導通しており、このネジ14を固定レバー15で締め込むことによって、切断機本体21と位置固定部材13との固定が行われるようになっている。したがって、定盤11に対する切断機本体21の回動位置を調整し、所望の位置となった状態で固定レバー15を操作してネジ14を締め込み、位置固定部材13に対して切断機本体21を固定することにより、定盤11の底面からの丸鋸刃31の突出量を固定することが可能となる。
【0023】
また、丸鋸刃31の回転駆動を行うための駆動機構24については、種々の機構を採用することができる。図2では、駆動機構24に関する詳細な図示は省略してあるが、例えば、モータ22が有するモータ軸22aの先端部に小傘歯車(不図示)を設置しておき、この小傘歯車(不図示)と噛み合う大傘歯車を有するとともに円形の外周に歯を切られた第一歯車24aと、第一歯車24aの外周の歯と噛み合う外周歯を備える第二歯車24bと、第二歯車24bと噛み合う外周歯を備えるとともに丸鋸刃31を設置可能な丸鋸刃取付部24cとによって、本実施形態の駆動機構24を構成することができる。このような駆動機構24によれば、モータ軸22aから及ぼされるモータ22の回転駆動力を第一歯車24aによってモータ軸線に平行な回転面を有する縦方向での回転運動に変換することができる。また、この縦方向での回転運動は、第二歯車24bによってモータ22の回転駆動力が適切に減速され、丸鋸刃取付部24cを介して丸鋸刃31を回転運動させる回転駆動力として伝達されるので、被加工材に対する丸鋸刃31の切断作業が可能となる。なお、本発明の駆動機構については、歯車による伝達機構のほかに、プーリーとベルトを用いた駆動力伝達機構など、その他の周知の機構を採用することもできる。
【0024】
さて、以上の構成を有する本実施形態の切断機10では、初期状態のときには定盤11の下面から突出した丸鋸刃31を覆うように設けられるとともに、被加工材の切断作業を行うときには当該被加工材に押されることで丸鋸刃31の周囲から退避するように構成されたロアーガード32が設置されている。このロアーガード32は、丸鋸刃31の回転中心と同じ回転中心を有して設置されており、丸鋸刃31に作業者が誤って触れるのを防止するために設けられた部材である。丸鋸刃31は、図2にて示されるような初期状態において、ロアーガード32によってそのほぼ下半分を覆われている。この初期状態において、ロアーガード32には、不図示の弾性部材によって、図2における紙面に対して時計回り(CW)方向での押圧力が及ぼされている。
【0025】
ロアーガード32が時計回り(CW)方向での押圧力を受けて初期状態にあるときには、当該初期状態でのロアーガード32の位置が、定盤11に設置されたストッパ部16によって規定されている。このストッパ部16は、ロアーガード32との好適な接触状態を維持するために、ロアーガード32との当接箇所に対して樹脂又はゴム材料が被覆されており、ロアーガード32とのソフトな接触が可能となっている。また、ストッパ部16は、ストッパ部16自身の保護の為に、丸鋸刃31の刃先近傍から離れた位置に設置されており、さらにより好ましい構成として、切断機10を側面から見た場合における丸鋸刃31の刃先よりも内側の位置に設置されている(図2参照。)。かかる位置にストッパ部16を形成することで、樹脂又はゴム材料で被覆されたストッパ部16に対する切粉などの熱を持った飛散物からの影響を少なくすることができるので、装置寿命の向上を図る点で好ましい。
【0026】
このような初期状態から、丸鋸刃31による被加工材の切断作業が行われると、丸鋸刃31の周囲を取り囲むロアーガード32は、前方側、すなわち、図2における紙面の左側から被加工材の押圧力を受けることになる。被加工材の押圧力を受けたロアーガード32は、図2における紙面に対して反時計回り(CCW)方向で押圧力が及ぼされることになるので、被加工材と丸鋸刃31とが接触する位置の近傍からロアーガード32が退避し、切断機本体21の方向に収納されることとなる。
【0027】
ところで、本実施形態に係る切断機10は、定盤11と切断機本体21とが定盤11の後端側に形成された接続部20によって回動自在に構成されているので、定盤11から切断機本体21を離間させる方向、すなわち、定盤11の下面からの丸鋸刃31の突出量を減少させる方向に調整すると、丸鋸刃31の回転中心の移動量が非常に大きくなるという特性を有している。このような特性の切断機10の場合、従来の切断機の構成をそのまま適用したのでは、特に定盤11の下面からの丸鋸刃31の突出量が少なくなった場合に被加工材の押圧によるロアーガード32の反時計回り(CCW)方向での回転移動が困難であった。しかしながら、本実施形態では、ストッパ部16が定盤11に対して設置されているので、定盤11に対する切断機本体21の位置がどのような場所になったとしても、ロアーガード32が適切に丸鋸刃31を覆うとともに、被加工材からの押圧によって適切な収納動作が可能となっている。具体的には、図3は、定盤11の下面から丸鋸刃31を最大量突出させた状態を示し、図4は、定盤11の下面から丸鋸刃31が突出するストローク量の略中間に位置する状態を示し、図5は、定盤11の下面から丸鋸刃31を僅かに突出させた状態を示してあるが、図3〜図5で示す全ての状態において、ロアーガード32は好適な初期状態と収納状態を実現可能となっている。
【0028】
さらに、本実施形態に係るロアーガード32では、その外郭形状が、ストッパ部16と当接する側の前端部近傍以外の箇所(すなわち、符号α1で示す箇所)が、丸鋸刃31の外径に沿った曲線形状を有するとともに、ストッパ部16と当接する側の前端部近傍の箇所(すなわち、符号α2で示す箇所)が、符号α1で示す箇所に形成された曲線形状の延長線より外側に張り出た張り出し形状を有して構成されていることを特徴としている。この符号α2で示される箇所の張り出し形状については、本実施形態に特有のものであり、特に、中抜き作業と呼ばれる動作を切断機10で行う際に好適に作用する形状である。この中抜き作業について、図6を用いて説明を行う。ここで、図6は、本実施形態に係る切断機で中抜き作業を行う場合の動作を説明した図であり、図中の分図(a)が作業準備段階における切断機の状態を示しており、図中の分図(b)が切断作業直前での切断機の状態を示している。
【0029】
図6で示す中抜き作業とは、被加工材の端部から横方向(定盤11の下面に対して水平の方向)に切断作業を行うのではなく、被加工材の表面に対して丸鋸刃31を垂直方向に移動させることで切断作業を行う場合の作業方法である。中抜き作業の場合、切断時において被加工材はロアーガード32を押圧することができない。そこで、このような作業の場合には、ロアーガード32を被加工材に軽く押しつけながら(図6中の分図(a)参照。)、この状態から装置全体を前方向に押すことで、ロアーガード32を回動させる必要がある(図6中の分図(b)参照。)。このとき、従来技術で用いられていたような外郭形状が曲線形状のみで形成されたロアーガードの場合には、被加工材への押し付けの際に引っかかりが悪く、ロアーガードに対して好適な収納動作を行わせることが困難であった。しかしながら、図6中の分図(a)で示すように、ストッパ部16と当接する側の前端側が符号α2で示される箇所のように、張り出し形状として構成されることで、この張り出し形状α2により被加工材への押し付けの際に引っかかりが良く、図6中の分図(b)に示すように、ロアーガード32に対して好適な収納動作を行わせることが可能となる。
【0030】
なお、本実施形態では、符号α2で示される箇所が略直線形状で構成された場合を例示していたが、本発明に適用可能な張り出し形状については、符号α1で示す箇所に形成された曲線形状の延長線より外側に張り出た張り出し形状を有して構成されていればよく、その形状は、上述した中抜き作業を好適に行えるものであれば、曲線形状などを含むその他のあらゆる形状を採用することができる。
【0031】
また、上述した中抜き作業を行うに際しては、ロアーガード32が有する張り出し形状α2の他にも、有意な構成を採用することができる。例えば、本実施形態に係る定盤11の前端側には、切断作業の際の目印17bを有する鍔部17が延設されているが、この鍔部17の前端側に対しては、定盤11を水平面に載置したときに当該水平面との間に隙間dを有するように上方側を向いた傾斜面17aを有するように構成することができる。図6中の分図(a)で示すように、鍔部17の傾斜面17aを利用しながらロアーガード32が有する張り出し形状α2を被加工材の上面に接触させることにより、切断機10をより安定して操作することができる。なお、この傾斜面17aの形状について、本実施形態では、図6中の分図(a)でより詳細に示されるように、直線的な面として構成した場合を例示しているが、本発明の傾斜面は直線的なものには限られず、曲線形状やその他のあらゆる形状を採用することができる。すなわち、本発明の傾斜面は、どの様な形状であっても張り出し形状α2と協働して定盤11やロアーガード32と被加工材との好適な接触状態を実現できるので、その結果として操作者は、ロアーガード32の収納動作を容易に実施することが可能となる。
【0032】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0033】
10 切断機、11 定盤、12 開口部、13 位置固定部材、13a 長孔、14 ネジ、15 固定レバー、16 ストッパ部、17 鍔部、17a 傾斜面、17b 目印、20 接続部、21 切断機本体、22 モータ、22a モータ軸、23 ハンドル部、24 駆動機構、24a 第一歯車、24b 第二歯車、24c 丸鋸刃取付部、31 丸鋸刃、32 ロアーガード、α1 曲線形状、α2 張り出し形状、d 隙間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材上に載置される定盤と、
駆動源であるモータを内部に収納するとともに操作者からの把持を受けるハンドル部を有する切断機本体と、
前記切断機本体に取り付けられるとともに前記モータからの回転駆動力を伝達されて回転駆動する丸鋸刃と、
を備え、
前記定盤と前記切断機本体との接続部が前記定盤の後端側に設けられ、前記接続部を回動中心として前記定盤に対する前記切断機本体の相対的な回動動作を行うことで、前記定盤の下面からの前記丸鋸刃の突出量を調整するようにした切断機において、
初期状態のときには前記定盤の下面から突出した前記丸鋸刃を覆うように設けられるとともに、前記被加工材の切断作業を行うときには当該被加工材に押されることで前記丸鋸刃の周囲から退避するように構成されたロアーガードを備え、さらに、
前記初期状態のときに前記ロアーガードの位置を規定するストッパ部が、前記定盤に設置されていることを特徴とする切断機。
【請求項2】
請求項1に記載の切断機において、
前記ストッパ部が、前記丸鋸刃の刃先近傍から離れた位置に設置されていることを特徴とする切断機。
【請求項3】
請求項2に記載の切断機において、
前記ストッパ部が、切断機を側面から見た場合における前記丸鋸刃の刃先よりも内側の位置に設置されていることを特徴とする切断機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の切断機において、
前記ストッパ部は、少なくとも前記ロアーガードとの当接箇所が樹脂又はゴム材料で構成されていることを特徴とする切断機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の切断機において、
前記ロアーガードの外郭形状は、
前記ストッパ部と当接する側の前端部近傍以外の箇所が、前記丸鋸刃の外径に沿った曲線形状を有するとともに、
前記ストッパ部と当接する側の前端部近傍の箇所が、前記曲線形状の延長線より外側に張り出た張り出し形状を有して構成されていることを特徴とする切断機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の切断機において、
前記定盤の前端側には、切断作業の際の目印を有する鍔部が延設されており、
前記鍔部の前端側は、前記定盤を水平面に載置したときに当該水平面との間に隙間を有するように上方側を向いた傾斜面を有して構成されていることを特徴とする切断機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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