説明

剣道用防具

【課題】打撃による衝撃を効率よく緩和し、痛みを著しく軽減することが可能な剣道用防具を提供する。
【解決手段】フェルト12aが布12bと布12cとの間に挟みこまれた積層体の全面領域14のうち、特定の領域14a内のフェルト12a間に高衝撃吸収材15が内蔵され、当該積層体の全面領域14に刺し子縫いが施された面布団12を備える剣道用面防具1において、前記特定の領域14aが、前記全面領域14のうち、打撃の頻度が高い領域であり、前記特定の領域14aのフェルトの厚みを他の領域に比して薄くし、高衝撃吸収材15が挿入されることによって、全体として他の領域と同じ厚みを保つことを特徴とする剣道用面防具1を提供する。これにより、剣道の面打ち、左右面打ちの打撃による衝撃を効率よく緩和し、痛みを著しく軽減することが可能となる。剣道用小手防具2であっても同様である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剣道用防具に関し、詳しくは、打撃による衝撃を効率よく緩和することが可能な剣道用防具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、剣道において、竹刀、木刀等による打撃による衝撃から頭部や手腕を保護するために、ユーザは、剣道用防具(例えば、頭部には面防具、手腕には小手防具)を装着して、剣道の試合、練習等を行なっていた。
【0003】
上述した剣道用防具(面防具、小手防具等)における頭部や手腕を覆う部分には、木綿布等の布(生地)が二枚以上重ねられた積層体の内部に、フェルトが挿入され刺し子縫いされた布団が使用されている。前記フェルトとは、天然繊維(植物繊維、動物繊維等)、化学繊維(再生繊維、半合成繊維、合成繊維等)等の繊維を集めて圧縮して作成されたシートである。当該フェルトを布と布との間に挟み込むことによって、当該フェルトが前記衝撃に対する緩衝材として機能し、竹刀等の打撃による衝撃を緩和、吸収、分散し、結果として、衝撃による痛みを和らげている。
【0004】
しかしながら、上述した構成では、剣道の試合等において、打撃が強い面打ち等が複数回繰り出された場合、当該打撃に対する衝撃緩和機能、吸収機能、分散機能が充分でなく、当該衝撃から装着者を適切に保護することが出来ないという問題があった。
【0005】
当該問題を解決するために、実開平1−130776号公報(特許文献1)では、布団の内部に衝撃吸収マットを挿入したことを特徴とする、剣道等の防具が開示されている。当該構成により、竹刀等の打ち込みによる衝撃力の一部分が衝撃吸収マットによって吸収され、残りの部分は衝撃吸収マットによって広く周囲に分散されるので、装着者が感じる衝撃を小さくでき、打たれた所が痺れたり、脳震盪を起こしたりするのを防止できるとしている。
【0006】
又、実開平2−131480号公報(特許文献2)には、マスクを除く頭巾体の表裏布地の間に、高衝撃吸収性に富む粘弾性材とフェルト又は発泡体との組み合せ芯材を内蔵したことを特徴とする剣道用面防具が開示されている。当該構成により、竹刀、木刀で打撃されてもその衝撃を吸収緩和して人体の痛みを軽減する効果があるとしている。又、当該粘弾性材は順応性を有し衝撃吸収性に富むため、これを組み合せるフェルト又は発泡体は薄くでき、頭巾体は頭や肩口に順応しやすくなるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平1−130776号公報
【特許文献2】実開平2−131480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術は、衝撃吸収マット、粘弾性材をフェルトとフェルトとの間に挟み込む構成(サンドイッチ構造)としているが、単に挟み込む構成とすると、当該衝撃吸収マットが挟み込まれたフェルトの領域(部分)が他の領域と比較すると盛り上がってしまう(嵩高くなってしまう)。当該盛り上がった構成とすると、美的外観を損なうばかりか、当該衝撃吸収マットと当該フェルトとの組み合わせによる衝撃緩和機能等を充分に期待することが出来ないという問題がある。
【0009】
又、衝撃吸収マット等の高衝撃吸収材は、通常、市販されているフェルト、布等の価格と比較して非常に高い(数倍−数十倍)。そのため、単に、布団の全面領域に高衝撃吸収材を敷き詰める構成とすると、剣道用防具のコストが大きく上昇するという問題がある。
【0010】
ところで、剣道用防具の布団は、剣道の技の種類に応じて打撃を受け易い領域(装着者にとって打撲傷、青あざ、ミミズ腫れ等の傷が生じやすい領域)と、打撃を殆ど受けない領域(傷が殆ど生じない領域)とに区分される。そのため、上述した高衝撃吸収材を、打撃を受け易い領域に内蔵しておけば、打撃による衝撃を効率的に緩和、吸収、分散することが可能となるとともに、上述したコスト面での問題を解決出来る可能性がある。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、剣道の技の打撃による衝撃を効率よく緩和し、痛みを著しく軽減することが可能な剣道用防具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る剣道用防具は、フェルトが布と布との間に挟みこまれた積層体の全面領域のうち、特定の領域内のフェルト間に高衝撃吸収材が内蔵され、当該積層体の全面領域に刺し子縫いが施された布団を備える剣道用防具を前提とする。
【0013】
当該剣道用防具において、前記特定の領域が、前記全面領域のうち、打撃の頻度が高い領域であり、前記特定の領域におけるフェルトの厚みを他の部分に比べて薄くし、当該薄くした分の厚みの高衝撃吸収材を入れたことを特徴とする。
【0014】
当該構成により、打撃による衝撃から装着者を充分に保護することが可能となるとともに、前記衝撃を受け易い特定の領域にのみ高緩衝吸収材を内蔵するから、コストパフォーマンスに優れた剣道用防具を提供することが可能となる。又、特定の領域では、フェルトの厚みを薄くして、当該薄くなった分の高衝撃吸収材が刺し子縫いによって縫いつけられるので、高衝撃吸収材の内蔵による盛り上がり等が発生することなく、高衝撃吸収材とフェルトとの組み合わせによる衝撃緩和機能、衝撃吸収機能、衝撃分散機能が充分に発揮される。その結果、綺麗な仕上がりとなるとともに、竹刀等の打撃による装着者の打撲傷等を著しく低減することが可能となる。
【0015】
又、前記フェルトと高衝撃吸収材の逢着は、前記特定の領域における刺し子縫い速度を、他の領域における刺し子縫い速度と比較して低速にすることによって実現できる。
【0016】
当該構成により、前記特定領域と他の領域に布団の厚みに変化がなく商品としての違和感もなくなる。更に、高衝撃吸収材とフェルトとの組み合わせによる衝撃緩和機能、衝撃吸収機能、衝撃分散機能を充分に発揮させることが可能となる。
【0017】
又、前記特定の領域における刺し子縫い速度を、他の領域における刺し子縫い速度の4分の3から4分の1までの範囲にされた構成を採用することが出来る。
【0018】
当該構成により、特定の領域では、可能な限り生産性を低下させることなく、表面の綿布から、フェルト、高衝撃吸収材への力の伝達が円滑になり、生産面と品質面との両面で優れた剣道用防具を提供することが可能となる。
【0019】
又、前記高衝撃吸収材が、ポリウレタン樹脂、シリコーンゲルのいずれかである構成を採用することが出来る。
【0020】
当該構成により、衝撃緩和機能、衝撃吸収機能、衝撃分散機能の最も優れた材料を高衝撃吸収材として選択することにより、上述した衝撃に対する保護機能を更に強化することが可能となる。
【0021】
又、前記剣道用防具が、面防具であり、前記特定の領域が、面布団の全面領域のうち、装着者の顔面を保護する面金の上半分の周縁から、装着者の後頭部の上方近傍に向かって延びた略半円形の領域である構成を採用することが出来る。
【0022】
当該構成により、面打ち、左右面打ち等の打撃による衝撃に対して保護機能が特に優れた面防具を提供することが可能となる。
【0023】
又、前記剣道用防具が、小手防具であり、前記特定の領域が、小手布団の全面領域のうち、装着者の前腕の上面中央部を覆う略長方形の領域である構成を採用することが出来る。
【0024】
当該構成により、小手打ち等の打撃による衝撃に対して保護機能が特に優れた小手防具を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る剣道用防具によれば、打撃による衝撃を効率よく緩和し、痛みを著しく軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る剣道用面防具の斜視図である。
【図2】本発明に係る剣道用面防具の縦断面図である。
【図3】特定の領域における従来の布団の縦断面拡大図(図3(a))と、特定の領域における本発明の布団の縦断面拡大図(図3(b))である。
【図4】本発明に係る剣道用小手防具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、以下、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
<本発明に係る剣道用面防具>
図1は、本発明に係る剣道用面防具の斜視図であり、図2は、その縦断面図である。
【0029】
本発明に係る剣道用面防具1は、装着時に装着者の顔面前面側に位置し、装着者の顔面を保護する面金11と、当該面金11の周縁に対応する位置に取り付けられ、装着者の頭頂部、頭側部及び肩部を覆って保護する面布団12と、当該面金11の下部に取り付けられ、喉を保護する突き垂れ13とを備えている。
【0030】
前記面布団12は、フェルト12aが上面の木綿布12bと下面の木綿布12cとの間に挟みこまれた積層体である。又、当該面布団12は、前記積層体の全面領域14のうち、特定の領域14a内のフェルト12a間に高衝撃吸収材15が内蔵され、当該部分のフェルトは他の部分より薄くされ、当該薄くなった分の厚みを高衝撃吸収材15が補うようになっている。また、積層体の全面領域14に刺し子縫いが施されている。ここで、刺し子縫いとは、一面に細かく刺し縫いする縫い方(縫目が数mm程度の縫い方)のことを言う。
【0031】
前記特定の領域14aは、面打ち、左右面打ちによる竹刀の打撃の頻度が高い領域(他の領域14bと比較して6割−9割の頻度で打撃を受ける領域)である。更に、前記特定の領域14aは、図1に示すように、面布団12の全面領域14のうち、面金11の上半分の周縁11aから、装着者の後頭部の上方近傍12aに向かって延びた略半円形の領域である。
【0032】
ここで、前記面金11の上半分の周縁11aは、面金11の物見11bの右端部近傍11cから、当該面金11の上端部11dを通って当該物見11bの左端部近傍11eまでの周縁であるように構成されると、前面から打ち出される面打ち、左右面打ちの打撃による衝撃から、装着者の頭頂部、上方頭側部、上方後頭部を確実に保護するため、好ましい。
【0033】
更に、前記特定の領域14aにおける高衝撃吸収材15は、当該特定の領域14a以外の領域と同じく刺し子縫いによって、表面の綿布12b、12c、フェルト12aに縫い付けられている。また、前記のように、当該特定領域のフェルト12aは、他の部分より厚みを薄くし、当該薄くなった分の厚みを高衝撃吸収材15が補うようになっている。
【0034】
図3(a)は、特定の領域に、フェルト12aの厚みを調整しないで、特定の厚み(例えば3.5mm)の高衝撃吸収材15を挿入した例であり、当該特定の部分が盛り上がった状態となっている。これに対して図3(b)は、特定の領域のフェルト12aの厚みを薄くし、上記と同様の厚みの高衝撃吸収材15を挿入した例である。当該特定の部分は、他の部分と同じ厚みに成形できることになる。
【0035】
当該構成により、フェルト12aから高衝撃吸収材15への力の伝達が円滑になり、衝撃緩和機能、衝撃吸収機能、衝撃分散機能が充分に発揮される。
【0036】
高衝撃吸収材15とフェルト12aとを刺し子縫いで縫い合わせる方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、前記特定の領域14aにおける刺し子縫い速度を、他の領域14bにおける刺し子縫い速度と比較して低速にする方法が挙げられる。
【0037】
例えば、前記特定の領域14aにおける刺し子縫い速度が、他の領域14bにおける刺し子縫い速度の4分の3から4分の1までの範囲にされると好ましく、他の領域14bにおける刺し子縫い速度の2分の1であると、更に好ましい。
これによって、低速にすることによる生産性の低下はさほどでもなく良好な品質を維持することが可能となる。
【0038】
又、高衝撃吸収材15は、衝撃吸収力が大きく、圧力分散性能が高く、振動減衰性が高い材料が好ましく、例えば、ポリウレタン樹脂(商品名ソルボセイン、衝撃吸収率94%以上のポリウレタン樹脂)やシリコーンゲル(商品名アルファゲル)が好ましく使用される。尚、衝撃吸収率は、鋼球(φ25mm,65g)を、厚さ5mmの高衝撃吸収材上に高さ100mmから自然落下させ、当該高衝撃吸収材を通じて伝わった振動を測定することにより求められる。当該衝撃吸収率は、例えば、市販の動歪み測定器、波動記録計等により測定される。
【0039】
このように、本発明に係る剣道用面防具1は、前記特定の領域14aが、面打ち、左右面打ちによる竹刀の打撃の頻度が高い領域であり、面布団12の全面領域14のうち、面金11の上半分の周縁11aから、装着者の後頭部の上方近傍12aに向かって延びた略半円形の領域である。更に、前記特定の領域14aのフェルトの厚みは薄く、その分高衝撃吸収材15の厚みを厚くしている。
【0040】
当該構成により、前記特定部分の厚みを特に他の部分と変らない厚みに仕上げることができ、しかも、高衝撃吸収材15とフェルト12aが、面打ち、左右面打ちの打撃による衝撃から、装着者の頭頂部、上方頭側部、上方後頭部を充分に保護することが可能となる。
【0041】
又、前記衝撃を受け易い特定の領域14aにのみ高緩衝吸収材15を内蔵するとともに、高衝撃吸収材15の盛り上がり発生を解消できるため、コストパフォーマンスに優れるとともに、綺麗な仕上がりの剣道用面防具1を提供することが可能となる。
【0042】
<本発明に係る剣道用小手防具>
図4は、本発明に係る剣道用小手防具の上方斜視図である。尚、図4に示す図面の剣道用小手防具は右手用であるが、これが左手用であっても実質的に差異はない。
【0043】
本発明に係る剣道用小手防具2は、図4に示すように、装着時に装着者の手指(手先)が挿入される手先部21(小手頭と手の内とを含む)と、装着者の手首部を覆う筒22と、装着時に装着者の前腕の上面部、側面部を覆う小手布団23とを備えている。
【0044】
前記小手布団23は、上述した面布団12と同様に、フェルトが上面の木綿布と下面の木綿布との間に挟みこまれた積層体である。更に、当該小手布団23は、前記積層体の全面領域24のうち、特定の領域24a内のフェルト間に高衝撃吸収材が内蔵され、当該積層体の全面領域24に刺し子縫い(刺子縫い)が施されている。
【0045】
又、前記特定の領域24aは、小手打ちによる竹刀の打撃の頻度が高い領域(他の領域24bと比較して6割−9割の頻度で打撃を受ける領域)、又は、上述した面打ち、左右面打ちが適切に決まらなかった場合(外れた場合)決まらなかった相手の竹刀が最も当たりやすい領域である。更に、前記特定の領域24aは、図4に示すように、小手布団の全面領域24のうち、装着者の前腕の上面中央部を覆う略長方形(長手方向が、装着者の前腕の軸方向と一致する略長方形)の領域である。
【0046】
そして、小手布団23では、上述した面布団12と同様に、特定の領域24aにおけるフェルト12aは他の部分より薄く成形され、当該薄くなった分の厚みを高衝撃吸収材の厚みが補うようになっている。
【0047】
当該構成により、前記特定の領域24aの部分の厚みを他の部分の厚みと同一に成形することができるとともに、前記高衝撃吸収材とフェルトが、小手打ち等の打撃による衝撃から、装着者の前腕の上面中央部を充分に保護することが可能となる。即ち、小手打ちでは、技が決まった場合、装着者の前腕の上面中央部が竹刀で素早く且つ強烈に打たれる。又、面打ちが外れた場合外れた竹刀で、前記前腕の上面中央部が強烈に打たれる。これらの衝撃は、他の技(例えば、胴打ち)と比較して非常に大きいものとなる。一方、特定の領域24aでは、表面の綿布から、フェルト、高衝撃吸収材への津からの伝達がスムーズになり、高衝撃吸収材とフェルトとの組み合わせによる衝撃緩和機能、衝撃吸収機能、衝撃分散機能が充分に発揮される。
【0048】
又、前記衝撃を受け易い特定の領域24aにのみ高緩衝吸収材を内蔵するとともに、高衝撃吸収材の盛り上がり発生を解消するため、コストパフォーマンスに優れるとともに、綺麗な仕上がりの剣道用小手防具2を提供することが可能となる。
【0049】
尚、上述した実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0050】
又、本発明に係る剣道用防具では、布団の構成を、木綿布、フェルト、高衝撃吸収材としているが、当該布団に更に、圧縮綿、木綿布、繊維材(例えば、炭素繊維材等)等を追加して挟み込んだり、上下から重ねたりする構成としても構わない。
【0051】
又、本発明に係る剣道用防具では、剣道用面防具又は剣道用小手防具に適用したが、他の剣道用防具、例えば、剣道用胴防具、剣道用垂防具等に適用しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明に係る剣道用防具は、面防具、小手防具はもちろん、胴防具、垂防具にも有効であり、打撃による衝撃を効率よく緩和し、痛みを著しく軽減することが可能な剣道用防具として有効である。
【符号の説明】
【0053】
1 剣道用面防具
11 面金
12 面布団
12a フェルト
13 突き垂れ
15 高衝撃吸収材
2 剣道用小手防具
21 手先部
22 筒
23 小手布団


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルトが布と布との間に挟みこまれた積層体の全面領域のうち、特定の領域内のフェルト間に高衝撃吸収材が内蔵され、当該積層体の全面領域に刺し子縫いが施された布団を備える剣道用防具において、
前記特定の領域が、前記全面領域のうち、打撃の頻度が高い領域であり、
前記特定の領域におけるフェルトは他の領域に比べて厚みは薄くされ、高衝撃吸収材を挿入することによって他の領域と同じ厚みを保ったことを特徴とする剣道用防具。
【請求項2】
前記特定の領域における刺し子縫い速度を、他の領域における刺し子縫い速度と比して低速にすることによって得られた
請求項1に記載の剣道用防具。
【請求項3】
前記特定の領域における刺し子縫い速度を、他の領域における刺し子縫い速度の4分の3から4分の1までの範囲にされた
請求項2に記載の剣道用防具。
【請求項4】
前記高衝撃吸収材は、ポリウレタン樹脂、シリコーンゲルのいずれかである
請求項1−3のいずれか一項に記載の剣道用防具。
【請求項5】
前記剣道用防具が、面防具であり、
前記特定の領域が、面布団の全面領域のうち、装着者の顔面を保護する面金の上半分の周縁から、装着者の後頭部の上方近傍に向かって延びた略半円形の領域である
請求項1−4のいずれか一項に記載の剣道用防具。
【請求項6】
前記剣道用防具が、小手防具であり、
前記特定の領域が、小手布団の全面領域のうち、装着者の前腕の上面中央部を覆う略長方形の領域である
請求項1−4のいずれか一項に記載の剣道用防具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−20056(P2012−20056A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161886(P2010−161886)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(599095919)廣栄武道具株式会社 (2)